第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

なお、重要事象等は存在しません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものです。

 

(1)財政状態及び経営成績の分析

①経営成績の分析

〈医療器材事業〉

医療器材事業の商品分類別売上高は下記の通りです。ただし、当該商品分類別売上高については、管理会計に基づく集計値を元に分析を行っています。そのため、商品分類別売上高の合計は医療器材事業の売上高と一致していませんが、これによる分析の正確性への影響は軽微であると判断しています。

 

  <第3四半期 医療器材事業 商品分類別売上高>                         単位:百万円

 

前期

当期

増減

 

金額

構成比(%)

金額

構成比(%)

金額

増減率(%)

手術関連消耗品

34,601

43.7

36,456

42.2

1,855

5.4

整形外科消耗品

18,449

23.3

19,400

22.5

951

5.2

循環器消耗品

14,990

18.9

16,519

19.1

1,529

10.2

消耗品 小計

68,041

85.9

72,377

83.8

4,336

6.4

設備備品

11,201

14.1

14,031

16.2

2,830

25.3

商品分類別売上高 合計

79,242

100.0

86,409

100.0

7,167

9.0

調整額

△971

△1,772

△801

医療器材事業 合計

78,271

84,637

6,366

8.1

 

 

医療器材事業の成長の軸は消耗品の売上高です。この強化策として、数年前から関西地方を重点エリアと設定し、営業活動を展開してきました。第1四半期から継続して、循環器消耗品は播磨・姫路エリア、整形外科消耗品は大阪エリアでの活動が成果につながっています。手術関連消耗品では、福島県のオリンパスマーケティング社との協力体制構築が成果をあげています。また、世界的な物価高騰に伴い医療機器の仕入価格は上昇を続けていますが、仕入価格上昇分を販売価格に転嫁するための交渉を引き続き粘り強く行っています。その結果、医療器材事業の消耗品の売上高は前年同期比6.4%増となりました。その内訳は以下のとおりです。

 

手術関連消耗品の売上高は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の落ち着きとともに検査関連製品や感染対策製品の需要が減少し、それぞれ前年同期比7.7%減、同11.1%減となりました。一方、主力の外科関連製品は同10.2%増、外科手術で用いられる麻酔関連製品も同12.2%増、また、福島県におけるオリンパスマーケティング社との取り組みで消化器内視鏡関連製品も同26.7%増となりました。その結果、手術関連消耗品は同5.4%増となりました。

 

整形外科消耗品の売上高は、大阪エリアにおける前期の新規顧客獲得効果により、脊椎関連製品が前年同期比9.8%増、外傷・スポーツ・関節鏡(※1)関連製品が同2.3%増となりました。人工関節の分野において急速に普及しつつあるロボット手術については前期に引き続きその導入支援を行っていますが、人工関節関連製品は同2.6%増といったん落ち着きを見せています。また、再生医療関連製品などは順調に拡大し、整形外科消耗品は同5.2%増となりました。

(※1)膝や肩などの関節内にカメラを挿入して行われる低侵襲手術

 

循環器消耗品の売上高は、前年同期比10.2%増と医療器材事業の業績を牽引しました。前期に新規顧客開拓の進んだカテーテルアブレーション(※2)関連製品は同16.0%増と引き続き高い成長を維持しています。また、心臓血管外科関連製品は、TAVI(※3)やステントグラフト(※4)などの低侵襲手術が引き続き増加し、同14.4%増となりました。

(※2)頻脈の原因となる心筋組織を焼灼もしくは凝固する治療

(※3)心臓の大動脈弁を低侵襲に人工弁へ置換する治療

(※4)大動脈を低侵襲に人工血管へ置換する治療

 

設備備品の売上高は、新築・移転や開業などは少なかったものの、MRI装置やCT装置などの大型の設備備品の獲得があったことや、前期から継続している超音波診断装置などの小型備品の案件発掘強化により、前年同期比25.3%増と大きく業績を伸ばしました。また、新規事業として取り組んでいるクリニック向け自動精算機の販売は、営業体制の強化が奏功し販売台数が増加しています。

 

その結果、医療器材事業の売上高は846億37百万円(前年同期比 8.1%増)となりました。一方、販売費及び一般管理費は、人的資本への投資としての給与ベースアップ、組織体制の強化に向けた人員補強、OLBA-DX推進のための積極的なシステム投資などで前年より増加しましたが、好調な業績により、営業利益は15億51百万円(前年同期比 12.6%増)となりました。

 

〈SPD事業〉

SPD事業は、前期に発生した一部顧客の失注、ならびに新規受注施設の導入遅延の影響を受けましたが、既存受託施設における管理料の見直しなどにより、売上高は38億83百万円(前年同期比 0.1%減)とほぼ前年の水準を維持することができました。しかし、前期の失注やコロナ収束によるPPE(※5)の需要減から来る利益減少に加え、人件費上昇の影響によって、営業利益は83百万円(前年同期比 43.6%減)となりました。

(※5)Personal Protective Equipment:マスクや手袋などの個人用感染防護具

 

〈介護用品事業〉

介護用品事業は、在宅医療・居宅介護の需要が引き続き高く、主力の介護用品レンタル売上高は前年同期比4.7%増と順調に推移しました。また、レンタルに付随する物品販売や住宅改修なども、それぞれ同14.8%増、同12.7%増と業績を牽引しました。その結果、売上高は19億64百万円(前年同期比 4.9%増)、営業利益は1億50百万円(前年同期比 6.1%増)となりました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は894億2百万円(前年同期比 7.9%増)、連結営業利益は16億86百万円(前年同期比 7.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は11億15百万円(前年同期比 7.9%増)となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間の連結売上高及び連結営業利益は、同連結累計期間において過去最高となりました。

 

また、2021年に創業100周年を迎えた当社は、「現業強化・生産性向上」、「SDGs推進・ESG経営」、「新規事業探索・育成」、「DXの推進」を重点施策とした中期経営計画を毎年更新することで、次の100年に向けた基盤づくりを進めています。特に「DXの推進」については中期経営計画実現に不可欠な要素として捉えており、「OLBA-DX」と銘打った活動をDX推進室を中心に進めています。

 

②財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間の総資産は461億31百万円となり、前連結会計年度と比べ52億52百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が8億2百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が35億56百万円、電子記録債権が5億84百万円、商品が2億55百万円それぞれ増加したことによるものです。

また、負債は353億24百万円となり、前連結会計年度と比べ、47億73百万円増加しました。主な要因は、支払手形及び買掛金が29億40百万円、電子記録債務が5億7百万円、短期借入金が11億45百万円それぞれ増加した一方で、未払法人税等が1億56百万円、長期未払金が27百万円それぞれ減少したことによるものです。

純資産は108億6百万円となり、前連結会計年度と比べ、4億79百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益により11億15百万円増加した一方で、自己株式の取得等により2億15百万円、配当金により4億36百万円それぞれ減少したことによるものです。

この結果、自己資本比率は、1.9ポイント減少し、23.4%となりました。

 

(2)研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。