第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、常に時代の変化と要請を先取りし、健康で豊かな食生活創りを通じて消費者と社会に貢献することを企業理念としております。この企業理念の下、中期経営計画「Transform 2022~領域を超えて~」(2020年度~2022年度)の重点施策を着実に実行し、「売場作りへの貢献度向上・新価値創出」と「社会課題解決への取り組みによる持続的成長基盤の構築」に取り組んでまいりました。具体的には、商品広告などにより消費者の購買意欲を喚起する店頭サイネージの活用と効果検証、また冷凍食品ブランド「凍眠市場」の商品拡充と販路拡大などに取り組み、消費者視点を意識した新しい売り場を提案しております。物流においては、拠点再編や発注精度向上によりコスト上昇を抑制しつつ、2024年問題やコスト増加等の共通課題の解決に向けて、サプライチェーン全体の効率化を図りました。また、ハイブリッド型展示会の開催等、デジタル技術の活用も推進したことで、2022年5月に経済産業省が定めるDX認定事業者に認定されました。

今後の国内外経済は、新型コロナウイルスの影響が大幅に緩和されるものと考えられますが、地政学リスク、サプライチェーンの分断及び円安などの要因が継続しており、不透明な経営環境が続くと予想されます。

食品流通業界は、人口減少・少子高齢化による総需要の減少、物流コスト、原材料、原油価格の上昇、消費者の購買行動の多様化などが同時進行しており、従来のビジネスモデルに加えて、より消費者起点のビジネス構築が必要な局面に差し掛かっております。

このような状況下、当社グループは、新たに2023年度を開始年度とする中期経営計画「Transform 2025~創造と循環~」(2023年度~2025年度)を策定しました。

新中期経営計画の目指す姿は「食を中心とする領域での共有価値の創造と循環」です。これまで取り組んできた新領域をさらに深化させ、消費者を含めたサプライチェーン全体での共有価値の創造と循環を目指します。また、成長を支える基盤の構築を推し進めるとともに、事業を通じた社会課題解決への取り組みも引き続き進めてまいります。

新中期経営計画初年度である次期(2024年3月期)の連結業績につきましては、売上高6,800億円、営業利益70億円、経常利益80億円、親会社株主に帰属する当期純利益51億円を見込んでおります。

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益であります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(サステナビリティ基本方針)

伊藤忠食品グループは、「常に時代の変化と要請を先取りし、健康で豊かな食生活創りを通じて消費者と社会に貢献します」という企業理念のもと、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

 

1.マテリアリティの特定と事業活動を通じた社会課題の解決への取り組み

社会の一員として、自社のみならず社会にとっても持続可能な成長につながるマテリアリティを策定し、事業活動を通じて企業価値向上を目指します。

2.社会との相互信頼づくり

正確で明瞭な情報開示及び開示情報の拡充に努め、ステークホルダーとの対話を通じて、社会からの期待や要請を受けとめ、それらを実践していくことで信頼される企業を目指します。

3.持続可能なサプライチェーンの強化

地球環境の保全や気候変動の緩和と適応、資源循環、人権と労働における基本的権利に対し、問題の未然防止及び継続的な配慮に努め、持続可能な事業活動を推進します。

4.サステナビリティ推進に向けた社員への教育・啓発

社員に対し重要課題に関する意識を醸成するための教育・啓発活動を行います。

 

なお、本項に記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、TCFDフレームワークに基づく開示につきましては、当社HPにて開示をしております。

 

(1)ガバナンス(推進体制)

サステナビリティ推進については、サステナビリティ担当役員を委員長とするサステナビリティ委員会が全社を統括しております。また、サステナビリティ委員会のもとには、「BCM(事業継続マネジメント)分科会」「環境分科会」2つの下部組織を設け、それぞれのテーマに即した全社施策の検討や推進に取り組んでおります。

サステナビリティ委員会ではマテリアリティ(重要課題)の取り組み状況の管理、各種サステナビリティに関する方針や目標、施策についての議論をしており、重要な方針及び施策、進捗状況については、取締役会にて承認、報告をしております。

 

<サステナビリティ体制図>

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(2)戦略及びリスク管理(マテリアリティの特定と推進)

  (サステナビリティ全般に関する戦略)

当社は、サステナビリティを推進するにあたり、自社のみならず社会にとっても持続可能な成長につながるマテリアリティを特定し、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでおります。

マテリアリティの特定プロセスは、サステナビリティ委員会にて、サステナビリティ開示に関する各種ガイドラインや、自社及び業界特性を加味し、サステナビリティ課題を抽出した後、社会にとっての影響度及び当社にとっての影響度を分析し、マテリアリティを特定しております。

また、特定されたマテリアリティに関するリスク・機会を認識し、事業リスクの低減及び機会の獲得のため、マテリアリティ毎に目標を設定しております。各マテリアリティについては、サステナビリティ委員会にて年1回以上取り組みの進捗状況を確認し、取締役会に報告しております。

項目

マテリアリティ

概要

環境

環境型社会への取組推進

当社企業理念である「健康で豊かな食生活創り」は、持続可能な社会の実現が大前提であり、環境に配慮した事業推進が不可欠です。

気候変動への対応、資源の有効活用に積極的に取り組み、低炭素・循環型社会の形成に貢献いたします。

社会

安心・安全な食の安定供給

食品流通の中核を担う卸売を生業とする当社にとって、消費者に安心・安全な食を安定的に届けることは責務です。

その使命を果たすためには、消費者が安心して購入できる商品品質の担保、災害リスクやサイバーリスク等の安定した供給を妨げるリスクの低減、安定した物流サービスの提供は必要不可欠であり、より強靭かつ高レジリエンスな体制構築に取り組んでまいります。

豊かな食生活の実現

当社の持続的な成長・企業価値の向上のためには、ステークホルダーに対し経済価値・社会価値を提供し、社会に必要とされることが不可欠です。

既存の事業を確実に遂行することにとどまらず、当社ならではの様々な事業を通じて共有価値を創造してまいります。

人的資本経営の高度化※

「心身ともに健康で活力ある職場環境のもと、柔軟な発想をもち、失敗を恐れずチャレンジしながら自ら成長できる人財」こそ、不確実性が高い社会においても柔軟に対応しながら持続的な成長を継続するための原動力であり財産であるとの認識のもと、個々の多様性と創造性の活用(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)、自律型人材の育成、働きがいのある職場環境の整備を通じて人的資本経営の高度化に取り組んでまいります。

ガバナンス

コーポレートガバナンスの強化

当社がステークホルダーに信頼され持続的な成長・企業価値の向上を図るためには、ガバナンスの強化は必要不可欠です。プライム市場上場企業として、コーポレートガバナンス・コードに則り、透明性を保ち、適切な企業統治に取り組んでまいります。

 

 ※人的資本経営の高度化に関する詳細

当社は「人材」を持続的な企業価値向上の原動力となる財産であると捉え、「心身ともに健康で活力ある職場環境のもと、柔軟な発想をもち、失敗を恐れずチャレンジしながら自ら成長できる人財」を育成することを人的資本に関する基本方針としております。(1)個々の多様性と創造性の活用(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)、(2)自律型人材の育成、(3)働きがいのある職場環境の整備を通じ人的資本経営の高度化を目指しております。

具体的には、メリハリのある報酬体系の導入や研修制度の拡充といった積極的な人財投資を行うとともに、多様で柔軟な働き方の推進や健康増進などの職場環境整備及びエンゲージメントを高める施策を講じることで、労働生産性のさらなる向上に取り組んでおります。

 

 

(3)指標及び目標

サステナビリティ関連のリスク・機会を測る指標及び目標については、次の通りであります。なお、前述の「(2)戦略及びリスク管理(マテリアリティの特定と推進) ※人的資本経営の高度化に関する詳細」において記載した、人材の多様性確保を含む人的資本に関する方針に係る実績につきましては、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (2)提出会社の状況 ②多様性に関する指標」に記載しております。

今後も、各目標達成に向けて、実効的な施策を推進してまいります。

項目

テーマ/施策

指標

目標

環境

温室効果ガス排出削減

CO2排出量削減率

(2018年度比、Scope1,2)

2030年度までに

40%削減

食品ロス削減

食品廃棄量削減率(2018年度比)

2030年度までに

50%削減

廃プラスチックの

1)排出削減

2)リサイクル推進

1)排出量削減率(2021年度比)

2)マテリアルリサイクル率

2030年度までに

1)40%削減

2)60%

社会

安定した物流サービスの提供

1)待機車両30分超過率

2)店舗配送の積載率

1)5%以下

2)毎年改善

ダイバーシティ・エクイティ&

インクルージョン推進

女性管理職比率

2030年度までに

25%

自律型人材の育成

(社員のパフォーマンス向上)

労働生産性

毎年改善

社員の健康力向上

健康優良法人認定

継続認定取得

働きがいのある職場環境の整備

1)社員エンゲージメントスコア

2)男性育児休業取得率

1)毎年改善

2)2030年度までに

  85%

上記は当社(提出会社)の指標及び目標となっております。

 

3【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。

なお、本項に記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)自然災害について

大規模な地震、津波、台風、洪水等の自然災害に関するリスクは年々高まっております。このような大規模な自然災害の発生により従業員への被害、物流倉庫・設備損壊、在庫破損等により商品出荷が不能となる可能性があります。また、情報システム設備や通信インフラに被害が及んだ場合は、受発注データの送受信不能、資金決済遅延等の影響が考えられます。さらに、これらにより消費マインドが落ち込んだ場合、各種施設修繕に多額の費用を要する場合など、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループは、大規模な自然災害が発生した場合においても食品の安定供給を行えるよう、主要業務の早期復旧・継続のための事業継続計画を策定し、毎年訓練を行うことで、有事の対応力強化を図っております。

 

(2)気候変動について

気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取り組みが世界的に進められていますが、将来的に地球温暖化が進行した場合、台風や洪水被害の甚大化によるサプライチェーンの混乱等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、将来的に温室効果ガス排出規制の強化や、炭素税などの新たな法規制・政策が導入される可能性があり、当社としての対応コスト発生に加えて、取引先側の対応コスト発生により仕入価格や物流費等の負担が増加する可能性があります。当社グループは、持続可能な社会を実現していくためのマテリアリティ長期目標の中で、2030年までに温室効果ガス排出量を2018年度比40%削減することを目標と定め、目標達成のために再生可能エネルギーの導入・活用などを推進してまいります。

 

(3)感染症流行について

新型インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどによる感染症が流行・拡大した場合、当社グループのみならずメーカーの工場生産、入出荷並びに配送を担う物流業者や販売先を含め、サプライチェーン全体への影響が懸念されます。また、感染症流行抑制のため、長期間にわたる移動制限や都市封鎖等により大幅な経済活動停滞が発生するなどの影響により景気が悪化し消費マインドが落ち込んだ場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループは、感染症流行が発生した場合においても食品の安定供給を行えるよう、主要業務の継続のための事業継続計画を策定しております。実際に今般の新型コロナウイルス感染症拡大への当社グループの対応として、物流センターにおいては行政当局の指導・要請に基づく感染拡大防止策と安全配慮策を講じながら安定的に事業運営を行っております。

 

(4)法的規制について

当社グループは国内で事業を遂行していく上で、酒税法、食品衛生法、労働関連規制、下請法、環境関連法規等の適用を受けております。将来において予測のできない法律等の改正が行われた場合、当社グループの事業活動が制限され、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループは、法務・コンプライアンス部において、事業を遂行していく上で影響を与える法律等の改正を事前に把握し、また、関連部署において適切に対応を行うことで法令違反等の発生可能性を低減するように努めております。

 

 

(5)事業環境変化について

食品流通業界においては、少子高齢化による労働人口減少やEC取引増加などによる宅配便の増加等の影響もあり、トラックドライバーの需給ギャップの拡大が予想されます。これらの事業環境の変化により、物流費の高騰のみならず適切な費用の範囲内での物流確保ができず当社グループの事業運営が滞り、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループは、国土交通省・経済産業省・農林水産省が推進する「ホワイト物流」推進運動への賛同表明など、トラックドライバー等の労働環境改善を推し進めるとともに、物流センターにおける省人化や受発注システムの見直しなどによる効率化を推進することで、適切な費用の範囲内における物流の確保に努めてまいります。

 

(6)競合企業について

当社グループが事業展開をしている食料品卸売業界は、大規模な設備投資や仕入先、得意先との関係性など比較的参入障壁が高く、新規参入により業界の勢力図が変化するリスクは少ないとみております。しかしながら、業界内部においては、総人口の減少、得意先である小売業間の競争激化や物流費の高騰などにより食料品卸売事業者間の競争も激化しており、同業他社に対する競争力が低下した場合、中長期的には業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7)親会社及びそのグループ会社との関係について

当社は、伊藤忠商事㈱(2023年3月31日現在、間接保有を含め、当社議決権の52.3%を保有)が親会社であります。同社及びそのグループ企業と取引を行う際には、当社株主全体の利益の最大化を図るべく、当社グループの企業価値向上を最優先して決定することとしております。重要性が高い取引については、取締役会において十分審議の上、承認を得て実施しております。伊藤忠商事㈱グループ各社との主な取引関係は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」における「関連当事者情報」をご参照下さい。なお、伊藤忠商事㈱との資本関係に変化が生じ経営方針・事業展開等に大幅な転換があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)投資について

当社グループは、事業領域拡大のために様々な投資を行っておりますが、経営環境の変化や投資先の業績不振などに伴い期待した効果が得られないリスクがあります。また、時価の下落や企業価値の低下により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらの投資の実施にあたっては、慎重に検討を行い、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合に限り実行し、また、一定規模以上の投資については、定期的に進捗をレビューするなど、リスクの低減に努めております。

 

(9)情報システムについて

当社グループは全国に事業所・物流拠点を配し、コンピュータセンターで集中処理する全国的なネットワークを構築しております。また、拠点を結ぶ全ての回線にはバックアップ回線を整備する等セキュリティには万全の体制をとっておりますが、大規模な災害が発生した場合の物理的障害、あるいは想定外のウイルスやなりすましメール、サイバー攻撃等によるシステム障害、個人情報・機密情報の漏洩などが発生した場合は、業務全体への影響、セキュリティ対策費用の増大、また損害賠償請求などにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10)コンプライアンスについて

当社グループは事業の遂行に際して、法令・規則等を遵守し、コンプライアンス経営を推進しております。しかしながら、役員・従業員等による不祥事の発生や法令・社会規範に反した行動等により、法令による罰則・訴訟の提起、またステークホルダーの信用を失うことにより当社の企業価値を毀損し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループは、「企業行動基準」を定めるとともに、コンプライアンス担当役員を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置し、その管下に「独占禁止法分科会」「モニタリングチーム」「コンプライアンス責任者会議」「ISC グループコンプライアンス連絡会」を設置するなどの体制整備を行っております。また、定期的な研修等による社員教育を通じてコンプライアンスのレベルを高め、法令違反や社会規範に反した行為等の発生可能性を低減するように努めております。

 

(11)食品安全管理について

食への安全・安心が大きく問われている中で、当社グループが取扱う酒類・食品等の品質管理を今まで以上に徹底させることは、最重要事項の一つと認識しております。当社は専門知識を有する専任者を品質保証部に配置し、当社グループの商品表示の調査・確認、委託製造先の工程調査・衛生管理及び物流センターの品質保全状況に対する監査・点検・指導等、品質管理体制の整備強化に取り組んでおります。しかしながら、外的要因による不測の事故等の発生により、当社グループの営業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)債権回収について

当社グループは、多数の得意先に対して、後払い条件で商品・サービスの販売(与信供与)を行っており、経済情勢悪化の影響を含めた与信先の財政状態悪化により債権回収が滞る可能性があります。また、今般の新型コロナウイルス感染症拡大影響のように経済活動が大きく停滞する場合、そのリスクは増大するものと考えております。債権回収が滞る、もしくは、回収不能になった場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、これらのリスクに対し「与信管理規程」を定めそれを適切に運用するとともに、信用保証や担保を取得するなどの回収リスクの低減に努めております。

 

(13)固定資産について

当社グループは、有形固定資産及び無形資産等の固定資産を保有しておりますが、経営環境の著しい変化や収益性の低下などに伴い、十分なキャッシュ・フローの創出が見込めなくなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらの設備投資の取得等にあたっては、慎重に検討を行い、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合に限り実行し、また、一定規模以上の投資については、定期的に進捗をレビューするなど、リスクの低減に努めております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が残るものの、行動制限の緩和やインバウンド需要回復により、徐々に経済活動の正常化が進む一方で、資源・原油価格の高騰による物価上昇やウクライナ情勢の変化等、依然として先行き不透明な状態が続いております。

食品流通業界におきましても、人流の回復に伴い外食業界やコンビニエンスストアでは復調が見られるものの、コストプッシュ型のインフレにより消費者の生活防衛意識は高まり、スーパーマーケットでは買い控えや割安なPB商品の需要が高まるなど、厳しい経営環境が続いております。

このような状況下、当社グループは引き続き食品流通の中核機能を担う卸売業として、様々な環境変化に対応しつつ食品の安定供給維持に努め、エッセンシャルワーカーとしての責務を果たしました。また、中期経営計画「Transform 2022」で掲げた重点施策を着実に実施し、消費者起点のビジネスへの着実なシフト、社会課題解決に向けた基盤構築を推進してまいりました。具体的には、商品広告などにより消費者の購買意欲を喚起する店頭サイネージの活用と効果検証、また冷凍食品ブランド「凍眠市場」の商品拡充と販路拡大などに取り組み、消費者視点を意識した新しい売り場を提案しております。物流においては、拠点再編や発注精度の向上によりコスト上昇を抑制しつつ、2024年問題やコスト増加等の共通の課題解決に向けて、サプライチェーン全体の効率化を図りました。また、ハイブリッド型展示会の開催等、デジタル技術の活用も推進したことで、2022年5月に経済産業省が定めるDX認定事業者に認定されました。

サステナビリティへの取り組みでは、2030年までの長期目標を設定いたしました。温室効果ガス排出量の削減、食品廃棄量の削減、ダイバーシティ推進、健康経営推進などの各マテリアリティに掲げた項目への全社的取り組みを推進し、SDGs達成に資する取り組みの深化を図ってまいります。

 

当連結会計年度の売上高は、人流の回復に伴う外食・業務用取引の需要回復やGMS・SM向けにおける新規取引の獲得等により、前期比30,295百万円(4.9%)増収の642,953百万円となりました。

利益面では、取引拡大及び近年進めてきた合理化・効率化等、低重心経営の徹底が奏功し、営業利益は前期比1,620百万円(27.5%)増益の7,507百万円、経常利益は前期比1,669百万円(22.9%)増益の8,943百万円となりました。保有株式の評価減を計上するも、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比528百万円(12.2%)、4期連続の増益となる4,843百万円となりました。

 

 

 

当連結会計年度における販売実績を業態別、商品分類別に示すと次のとおりであります。

(業態別売上高)

業  態

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

増  減

金  額

構成比

金  額

構成比

金  額

 

百万円

百万円

百万円

卸売業

30,976

5.1

34,335

5.3

3,359

10.8

百貨店

16,639

2.7

18,437

2.9

1,798

10.8

GMS・SM

338,511

55.3

345,826

53.8

7,315

2.2

CVS

69,383

11.3

73,955

11.5

4,572

6.6

ドラッグストア

61,768

10.1

66,572

10.3

4,804

7.8

その他小売業

67,623

11.0

75,611

11.8

7,988

11.8

その他

27,758

4.5

28,216

4.4

458

1.6

合  計

612,658

100.0

642,953

100.0

30,295

4.9

(注)1 GMSはゼネラル・マーチャンダイズ・ストアであります。

2 SMはスーパーマーケットであります。

3 CVSはコンビニエンスストアであります。

 

(商品分類別売上高)

商  品  分  類

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

増  減

金  額

構成比

金  額

構成比

金  額

 

百万円

百万円

百万円

ビール類

141,396

23.1

150,722

23.4

9,326

6.6

和洋酒

101,412

16.6

102,871

16.0

1,459

1.4

調味料・缶詰

97,864

16.0

104,370

16.2

6,506

6.6

嗜好品・飲料

144,620

23.6

154,854

24.1

10,234

7.1

麺・乾物

44,219

7.2

45,797

7.1

1,578

3.6

冷凍・チルド

25,057

4.1

26,283

4.1

1,225

4.9

ギフト

35,163

5.7

34,618

5.4

△545

△1.5

その他

22,926

3.7

23,438

3.7

512

2.2

合  計

612,658

100.0

642,953

100.0

30,295

4.9

 

(注) 発泡酒及び第3のビールの売上高は「ビール類」に含んでおります。

 

 

② 財政状態及びキャッシュ・フローの状況

財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は246,617百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,950百万円の増加となりました。これは、外食・業務用取引の復調、また取引拡大等により売上債権が4,214百万円、商品及び製品が2,055百万円、未収入金が1,180百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。

負債は、146,836百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,418百万円の増加となりました。これは、資産の増加と同様の要因により仕入債務が6,001百万円増加したことなどによるものであります。

純資産は、99,781百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,532百万円の増加となりました。これは、利益剰余金が3,827百万円増加したことなどによるものであります。

 

キャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

増  減

(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

5,240

7,679

2,439

投資活動によるキャッシュ・フロー

1,628

△2,424

△4,052

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,784

△2,157

△373

現金及び現金同等物の増減額

5,084

3,098

△1,986

現金及び現金同等物の期首残高

2,583

7,667

5,084

現金及び現金同等物の期末残高

7,667

10,765

3,098

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は10,765百万円となり前連結会計年度末と比べ3,098百万円増加いたしました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は7,679百万円となりました。主な要因は外食・業務用取引の復調やGMS・SM取引の拡大等による営業取引収入の堅調な推移等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は2,424百万円となりました。主な要因はシステム関連の無形固定資産の取得による支出等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は2,157百万円となりました。主な要因は配当金の支払いならびにリース債務の返済による支出等によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ.販売実績

当連結会計年度における販売実績を商品分類別に示すと次のとおりであります。

商  品  分  類

金額(百万円)

前年増減率(%)

ビール類

150,722

6.6

和洋酒

102,871

1.4

調味料・缶詰

104,370

6.6

嗜好品・飲料

154,854

7.1

麺・乾物

45,797

3.6

冷凍・チルド

26,283

4.9

ギフト

34,618

△1.5

その他

23,438

2.2

合  計

642,953

4.9

(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱セブン-イレブン・ジャパン

69,377

11.3

73,955

11.5

(注)2 発泡酒及び第3のビールの売上高は「ビール類」に含んでおります。

 

ロ.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績を商品分類別に示すと次のとおりであります。

商  品  分  類

金額(百万円)

前年増減率(%)

ビール類

146,711

6.7

和洋酒

98,387

1.3

調味料・缶詰

99,018

6.6

嗜好品・飲料

146,815

7.1

麺・乾物

43,081

3.1

冷凍・チルド

22,813

4.1

ギフト

31,530

△1.3

その他

18,727

△1.1

合  計

607,082

4.8

(注) 発泡酒及び第3のビールの仕入高は「ビール類」に含んでおります。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、本項に記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果

財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載をしております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資金の流動性にかかる情報

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態及びキャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入費用及び物流センター運営費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は事業領域拡大のための投資有価証券の取得、物流センター等にかかる設備投資、システム開発投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保しており、運転資金及び設備投資等の資金需要については、自己資金の充当、もしくはリースによる資金調達を基本としております。

なお、当連結会計年度末におけるリース債務等を含む有利子負債の残高は5,250百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は10,765百万円となっております。

当連結会計年度においては、基幹システム更改に係る投資を開始しており、その資金調達は自己資金を充当しております。引き続き基幹システム更改や成長に向けた投資を行ってまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載の通りであります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

特に記載すべき事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

特に記載すべき事項はありません。