文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、会社創設以来、顧客第一の立場を貫き通してまいりました。この間、変化する社会、外食産業市場のニーズに応える商品、製品、サービス、情報を提供し続けることを使命と考え、このための経営の革新にも取り組み、「フードサービス・ソリューション・カンパニー」として、明るく信頼される会社を目指し、ハード(品揃え)とソフト(サービス)の両面におけるフルライン戦略を展開し、その成長と発展を図ってまいりました。このような考え方のもと、次の経営理念を掲げております。
<経営理念>
私達は、明るい信頼される会社にします。
私達は、お客様の立場に立ち、最高の商品とサービスを提供します。
私達は、たえず革新に挑戦し、たくましい会社にします。
私達は、お客様、お取引先の繁栄と株主、社員の幸福に貢献します。
私達は、そのために会社の成長と発展を果たします。
この経営理念のもと、社会満足、株主満足、顧客満足、社員満足を果たすことを最大の使命としております。
当社グループは、中期的には営業利益率2%と自己資本比率30%を経営指標の目標に置いております。そのために、グループ各社が個々の専門性を追求するとともに、最大のシナジー効果を実現し、競争力ある久世グループの創造を目指しております。
当社グループの属する業務用食材卸売業界は、顧客である外食・中食業界の経営環境がデフレ脱却の遅れや、消費税増税の影響により、ますます厳しさが続く中、仕入価格の上昇や人手不足等による物流費の高騰が懸念されます。これに対応するため「安定的な収益基盤の構築」をめざして、「第4次3ヶ年中期経営計画」を策定致しました。
当社グループは同計画を実行し、収益の改善と拡大の為に、提案営業を重視した営業体制を構築し、徹底した物流業務の効率化による費用の削減、各種業務見直しによる効率化を積極的に進め、長期的には連結売上高1,000億円、営業利益率2%の実現を図ってまいります。
当社グループが事業活動分野の中心としております外食産業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため会食や宴会の自粛要請が出されたため、極めて厳しい事業環境となりました。このような状況下、外食事業者が廃業する動きも見られ、終息が長引けば最悪外食産業規模の大幅縮減の可能性も視野に入れなければならない状況となっております。
当社グループは外食産業依存度が約9割と高く、このことが今回のコロナウイルス感染症拡大の状況下では弱みとなり売上の大幅減少ということに繋がりました。一方で、在宅時間の増加により内食が増えたことによりスーパーマーケットの食品売上は伸張しております。
今後、コロナウイルス感染症の影響が落ち着いてきたとしても、回復にはある程度の時間が掛かることが予想され、また在宅勤務が増えるなど生活習慣自体が変化することも考えられ、外食産業が元の規模まで戻らない可能性もあり得ることを前提に事業構造を変革していかなければならないと考えております。即ち、外食依存体質から脱却し、外食・内食の業際をいかに開拓していくかが大きな課題であると認識しております。具体的には、外食事業者のテイクアウト・宅配分野への進出加速やスーパー・コンビニにおける中食需要が内食の増加に応じて増えることが見込まれ、これら分野への取り組み強化が今後の大きな課題であると認識しております。当社にはメニュー開発部門があります。従来、この機能は主に外食産業向けレシピ開発に向けておりましたが、中食・内食向けの惣菜や半加工食材開発にも力を振り向け、子会社・関連会社の素材調達力及び加工食品製造能力と有機的に結合させることにより当該分野開拓を加速させてまいります。
今一つ注力する分野として輸出事業があります。日本食は世界的に人気が高まっていますが、素材の鮮度が重要なため、現地では日本食に相応しい材料が手に入りにくいという事情があります。そこで当社では水産品の輸出を促進するとともに、子会社が製造するソース・スープ類の輸出にも力を入れ、10億円を超える事業規模にまで成長してきました。当期はコロナウイルス感染症拡大により足踏み状態となりましたが、伸張の余地は大きいと見ています。従来の輸出先は東南アジア方面が主でしたが、今後、中東、北米、欧州等にも活動範囲を拡げていく方針です。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの売上構成比率では食材卸売事業が高く、2020年3月期では連結売上高の92.3%を占めております。食材卸売事業は、業務用食材の全般を取り扱っており、特定商品に依存しているものではありませんが、外食産業の業況動向等により当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
当社グループの売上高は、販売先である外食産業の需要動向や顧客変動等の影響を受けます。また、業界慣行としての仕入割戻しの受入れが下半期に多くなるために、下半期の利益の増加要因となっております。
食品衛生の問題は食品業界にとって不可避の課題であり、当社グループの衛生問題のみならず、社会環境の中の衛生問題が発生した場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。それに対し、当社グループは、品質管理部を設置して、独自のグループ安全基準を定め厳密な検査体制を整えております。また、当社及び連結子会社であるキスコフーズ株式会社、株式会社久世フレッシュ・ワンにて、ISO22000を取得し、商品の品質はもとより、営業、物流、受発注などサポート部門を含め、全ての業務品質の向上に努めております。
更に旭水産株式会社においては鮮魚の輸出拡大を図るべく、当期にFSSC22000の認証を取得致しました。これはHACCPに加えて、施設・設備の衛生管理、商品のラベル・包装や保管管理、または、リコール手順なども含めた食品安全マネジメントシステムの国際規格です。
食材卸売事業、食材製造事業ともに、政情、外国為替や自然環境等の変動により商品や原料の仕入価格が上昇する場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの中心業務である食材卸売事業は、顧客への配送業務を伴うため、燃料価格の上昇や委託会社の人件費高騰により物流委託会社への支払いコストが増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルスは飛沫あるいは接触により感染すると言われております。当社が主たる顧客としている外食店では、喫食時に近距離での会話や什器・備品等への不特定多数の人の接触があるため、感染リスクの高い場所とされております。今後、感染が再燃すれば、再び外食店に対する営業自粛要請が発せられる可能性があり、当社にとっては売上大幅減となるリスクがあります。当社の事業は外食依存度が高いため、中食・内食分野への取り組み強化により当該分野の売上比率を高めることがリスク軽減に繋がります。
当社自身の第2波に備えた体制としましては、今回も一部対応したリモートワークの実施や検温、マスク着用、手洗い、消毒励行による健康管理を徹底するとともに、3密状態となる場所への参加を控えることにより、会社でのクラスター発生を防止して会社機能の保全に努めます。
安定的な収益基盤の構築を最優先課題とし、中期経営計画「第4次3ヶ年中期経営計画」を定め、新規得意先の開拓及び既存得意先との関係強化に取り組むとともに、物流の環境変化に対応すべく物流費の変動費化や効率化に努め、引き続き事業ミッションに「頼れる食のパートナー」を掲げ、「お客様満足度No.1」、「3大都市圏No.1」の具体化に積極的に取り組んでまいりました。
しかしながら第4四半期2月以降、当社が事業活動の中心としております食材卸売事業におきましては新型コロナウイルス感染拡大が本格化したことによる会食・宴会の自粛傾向が強まり、それに伴い当社の売上も急減することとなりました。
その結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高643億56百万円(前年同期比2.5%減)、営業損失55百万円(前年同期は営業利益2億23百万円)、経常利益69百万円(前年同期比81.2%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は2億90百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益2億9百万円)となりました。
資産は、前連結会計年度末に比べ45億4百万円減少し、180億60百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ36億74百万円減少し、127億25百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ8億30百万円減少し、53億35百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当セグメントにおきましては、新規得意先の開拓による営業基盤の拡大と既存得意先との取引深耕に努めるとともに、取引条件の見直しや高付加価値商品及びサービスの提案を積極的に行ってまいりました。更に経営課題である物流改善については、センター業務の効率化や商品集約による在庫の適正化及び物流費の変動費化、配送ルートの再編などに取り組んでまいりました。
このような結果、売上高は594億53百万円(前年同期比3.1%減)、セグメント利益(営業利益)は3億50百万円(前年同期比47.2%減)となりました。
(食材製造事業)
当セグメントにおきましては、主に連結子会社キスコフーズ株式会社が食品製造を行っております。引き続きキスコフーズブランド商品の販売強化と新商品の開発、生産性の向上による効率化を鋭意進めてまいりました。
このような結果、売上高は49億24百万円(前年同期比5.3%増)、セグメント利益(営業利益)は4億77百万円(前年同期比5.4%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
当セグメントにおきましては、主に連結子会社を対象に不動産賃貸を行っております。当事業の売上高は1億40百万円(前年同期比5.1%減)、セグメント利益(営業利益)は1億3百万円(前年同期比9.6%減)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失が27百万円(前連結会計年度は4億円)に減価償却費などの非資金項目、営業活動に係る債権・債務、たな卸資産等の増減などを加減しました結果、11億41百万円の支出(前連結会計年度は7億41百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出、その他の投資による支出等により5億23百万円の支出(前連結会計年度は5億26百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入、長期借入金の返済による支出等により2億43百万円の収入(前連結会計年度は1億64百万円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前年連結会計年度末と比較して14億38百万円減少し、31億3百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、需要予測に基づく見込み生産を行なっているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
2 上記金額には、消費税が含まれておりません。
3 前連結会計年度の販売実績につきましては、総販売実績に対する割合が10/100未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
a.経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業業績や雇用環境の改善により、緩やかな景気の拡大が継続しました。しかしながら、米中貿易摩擦や、長雨・台風等の天候不順、消費税増税などにより、消費者心理の改善には至りませんでした。更に第4四半期に入ってからの新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により景気の先行きについては一層不透明な状況が続いております。
当社グループが事業活動の中心としております外食・中食市場におきましては、原料価格の高騰や、人手不足による人件費の上昇などに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大による休業要請の影響により更に厳しい状況となっております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高643億56百万円、営業損失55百万円、経常利益69百万円、親会社株主に帰属する当期純損失2億90百万円となりました。
外食市場は大変厳しい環境が続いているなか、首都圏、中京圏、関西圏エリアへの積極的な営業強化に取り組みましたが、売上高は2.5%減少いたしました。また、販売費及び一般管理費等の増加により、前連結会計年度に比べ営業利益2億79百万円、経常利益3億2百万円、親会社株主に帰属する当期純利益5億円の減少となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における営業利益率は△0.1%(前年同期0.3%)となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ45億4百万円減少し、180億60百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が14億8百万円、受取手形及び売掛金が26億40百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ36億74百万円減少し、127億25百万円となりました。この主な要因は、短期借入金が5億10百万円増加し、支払手形及び買掛金が36億70百万円、未払金が3億59百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ8億30百万円減少し、53億35百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が3億35百万円、有価証券評価差額金が3億37百万円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は29.5%(前年同期27.2%)、ROE(自己資本利益率)は△5.1%(前年同期3.4%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは現在、必要な運転資金及び設備資金については、自己資金又は借入により必要資金を賄うことと致しております。当連結会計年度における設備投資に伴う資金は、自己資金にて充当いたしました。なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローに関しては、2月以降に顕在化した新型コロナウイルス感染症の影響拡大による収益の悪化等に伴い、営業キャッシュ・フローが昨年度に比べ大幅に減少しましたが、先行きの不確実性を鑑み、取引金融機関からの借入により当面の手元資金を確保しております。更に、当社は従来より、取引金融機関3行との間でコミットメントライン契約を締結しております。コミットメントラインの総額は30億円で、有価証券報告書提出日現在、借入実行残高はありません。
このような状況下、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して14億38百万円減少し、31億3百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、11億41百万円の支出(前年同期は7億41百万円の収入)となりました。これは売上債権の減少額が26億31百万円、仕入債務の減少額が36億56百万円、法人税等の支払額が1億21百万円であったことが主たる要因であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、5億23百万円の支出(前年同期は5億26百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が2億75百万円、無形固定資産の取得による支出が1億40百万円、その他の投資による支出が1億63百万円であったことが主たる要因であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2億43百万円の収入(前年同期は1億64百万円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済による支出が13億55百万円、短期借入金の増加額が5億10百万円、長期借入による収入が12億50百万円であったことが主たる要因であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5〔経理の状況〕の〔注記事項〕(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症については不確実性がありますが、外部の情報源に基づく情報等を含む、決算時点で入手可能な情報や資料に基づき合理的に判断しており、本格的な回復は概ね秋以降になると予想して会計上の見積りを行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の事業計画に基づき回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、新型コロナウイルス感染症の影響により、その見積額の前提とした仮定に変更が生じ、事業計画の見直しが必要となった場合、繰延税金資産に影響を与える可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、外食店舗の休業や外出自粛などが想定以上に長期化した場合等、その見積額の前提とした仮定に変更が生じ、事業計画の見直しを行った場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(のれんの減損)
当社グループは、子会社の事業計画と実績を確認しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響等による市場環境の変化によって、事業計画と実績が大幅に乖離した場合には、減損処理が必要となる可能性があります
該当事項はありません。
研究開発活動については、当社グループは主として食品製造事業においてオリジナル商品の開発を常に進めておりますが、その他特記すべき事項はありません。