文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、会社創設以来、顧客第一の立場を貫き通してまいりました。この間、変化する社会、外食産業市場のニーズに応える商品、製品、サービス、情報を提供し続けることを使命と考え、このための経営の革新にも取り組み、「フードサービス・ソリューション・カンパニー」として、明るく信頼される会社を目指し、ハード(品揃え)とソフト(サービス)の両面におけるフルライン戦略を展開し、その成長と発展を図ってまいりました。このような考え方のもと、次の経営理念を掲げております。
<経営理念>
私達は、明るい信頼される会社にします。
私達は、お客様の立場に立ち、最高の商品とサービスを提供します。
私達は、たえず革新に挑戦し、たくましい会社にします。
私達は、お客様、お取引先の繁栄と株主、社員の幸福に貢献します。
私達は、そのために会社の成長と発展を果たします。
この経営理念のもと、社会満足、株主満足、顧客満足、社員満足を果たすことを最大の使命としております。
当社グループは、これまで中期経営の指標の目標として営業利益2%と自己資本比率30%を掲げてまいりました。しかしながら当社グループは外食事業者を主要顧客としておりますため、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により財務内容が悪化してしまいました。
このような状況のもと、まずは営業利益創出を第一目標に掲げ、20%割れとなった自己資本比率を早期に20%台に戻すことを当面の目標と致します。その為にグループ各社が個々の専門性を追求するとともに、最大のシナジー効果を実現できる競争力のある久世グループの創造を目標としてまいります。
当社グループの属する業務用食材卸売業界は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大きなダメージを受けました。主要顧客である外食事業者が運営するレストランや居酒屋の店舗が主要な感染場所の一つとされ、行政による営業自粛要請や営業時間の短縮要請により外食店舗利用者数が減少し、使用する食材需要についても大幅に落ち込んだことによるものです。このような長期に亘る需要の大幅減少に対応するため「事業構造改革への挑戦」をテーマとした「第5次3ヶ年中期経営計画」を策定しました。
物流費を中心とした固定費の削減を図ることにより損失を抑えるとともに、新型コロナウイルス感染症の収束後を見据えた事業構造の転換を図ることが主な内容です。
新型コロナウイルス感染症収束後の外食市場については、テレワークの浸透による働き方の変化もあり、またインバウンドの回復にも時間がかかると推測され、市場規模が早期に元の水準に戻るのは難しいものと思われます。
一方惣菜等の中食市場についてはさらに拡大することが予想されます。当社グループはこのような変化に対応できる事業体制の構築を目指してまいります。
当社グループが事業活動の中心としております外食・中食市場におきましては、特に外食市場について、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした行政からの飲食店への休業や営業時間短縮の要請が長期化し、極めて厳しい事業環境となりました。
当社グループとしては、国内のワクチン接種の拡大や治療薬の開発を通じ、いずれは外食市場に関する規制は順次解除されるとみておりますが、まずは一段の経費の低減と資産の圧縮にも努め財務状況の改善を図ってまいります。
更に新型コロナウイルス感染症収束後の市場や社会変化を見据えた事業構造の変革のために、今後一層の需要の増加が見込まれるテイクアウト・デリバリー、中食・惣菜の分野に営業資源を集中し、子会社・関連会社の素材調達力及び加工食品製造能力を有機的に結合させて当該分野の開拓を加速させてまいります。
新たに注力すべき分野としては、EC事業とDX化の推進及び輸出事業の拡大を考えております。
EC事業については当社のインフラを活用したEC物流受託事業を推進すべくプラットフォーム事業部を立ち上げ通販等の需要に適切に対応していく体制を構築してまいります。DX化につきましては、ウェブ展示会の開催やスマホ対応型受注システムの導入など顧客と自社の利便性を同時に実現してまいります。また輸出事業については、世界的に人気の高まっている日本食需要に応えるために、水産品を軸とした素材の輸出を促進するとともに、子会社の製造するソース・スープ類の輸出にも力を入れ、大きな事業の柱として育成してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの売上構成比率では食材卸売事業が高く、2021年3月期では連結売上高の89.6%を占めております。食材卸売事業は、業務用食材の全般を取り扱っており、特定商品に依存しているものではありませんが、外食産業の業況動向等により当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
当社グループの売上高は、販売先である外食産業の需要動向や顧客変動等の影響を受けます。また、業界慣行としての仕入割戻しの受入れが下半期に多くなるために、下半期の利益の増加要因となっております。
食品衛生の問題は食品業界にとって不可避の課題であり、当社グループの衛生問題のみならず、社会環境の中の衛生問題が発生した場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。それに対し、当社グループは、品質管理部を設置して、独自のグループ安全基準を定め厳密な検査体制を整えております。また、当社及び連結子会社であるキスコフーズ株式会社、株式会社久世フレッシュ・ワンにて、ISO22000を取得し、商品の品質はもとより、営業、物流、受発注などサポート部門を含め、全ての業務品質の向上に努めております。
更に旭水産株式会社においては鮮魚の輸出拡大を図るべく、2019年10月にFSSC22000の認証を取得致しました。これはHACCPに加えて、施設・設備の衛生管理、商品のラベル・包装や保管管理、または、リコール手順なども含めた食品安全マネジメントシステムの国際規格です。
食材卸売事業、食材製造事業ともに、政情、外国為替や自然環境等の変動により商品や原料の仕入価格が上昇する場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの中心業務である食材卸売事業は、顧客への配送業務を伴うため、燃料価格の上昇や委託会社の人件費高騰により物流委託会社への支払いコストが増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルスは飛沫あるいは接触により感染すると言われております。当社が主たる顧客としている外食店では、喫食時に近距離での会話や什器・備品等への不特定多数の人の接触があるため、感染リスクの高い場所とされております。今後、感染の状況次第で外食店に対する営業自粛要請、営業時間の短縮要請がさらに長期化する可能性があり、当社にとっては売上の大幅減少となるリスクがあります。当社の事業は外食依存度が高いため、中食・内食分野への取り組み強化により当該分野の売上比率を高めることがリスク軽減に繋がります。
当社自身の新型コロナウイルス感染症に対する体制としましては、引き続きリモートワークの実施や検温、マスク着用、手洗い、消毒励行による健康管理を徹底するとともに、3密状態となる場所への参加を控えることにより、会社でのクラスター発生を防止して会社機能の保全に努めます。
当社は引き続き事業ミッションである「頼れる食のパートナー」としての役割を全うすべく尽力するとともに、中期経営計画「第4次3ヵ年中期経営計画」の最終年度として、危機をチャンスに事業存続を図るため、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による収益構造の立て直しを図りつつ、サービスの維持継続と未来の創造に向けグループ全社一丸で取り組んでまいりました。
物流面におきましては庫内業務の内製化やセンターの統廃合、配送効率の向上や不採算ルートの見直し、在庫への対応などの施策を推進し、営業面におきましては既存業態の深耕を図り、テイクアウトやデリバリー、中食・惣菜、ヘルスケア、セントラルキッチンや郊外型飲食店のお客様など、コロナ後の社会変化を見据えた新規開拓を推進するとともに、従来より開拓を推進してまいりました経済活動の回復が早い海外への輸出を強化してまいりました。
商品面におきましては商品集約による在庫の効率化や、優位性のある商品や定番商品を提案すべくセールスバイヤー部を立ち上げ、単品毎の配荷件数増加を目的にプラスオン戦略を推進してまいりました。また、時代変化に対応すべくウェブ展示会を開催しDX化を推進するとともに、グループシナジーを強化してまいりました。さらにスマホ対応型受注システムの導入、そして「ECで売るECに売る」をテーマに当社インフラを活用したEC物流受託業務を開始いたしました。
こうした取り組みにより、第1、第2四半期連結会計期間に比べ、第3四半期会計期間は業績に若干の回復が見られましたが、第4四半期会計期間に入り、1月7日に発出された第2次緊急事態宣言が3月21日まで続き、再び大きな活動自粛を強いられ、当社業績も再び大きな影響を受けました。
その結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高378億54百万円(前年同期比41.2%減)、営業損失23億36百万円(前年同期は営業損失55百万円)、経常損失20億76百万円(前年同期比は経常利益69百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は18億61百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2億90百万円)となりました。
資産は、前連結会計年度末に比べ1億16百万円減少し、179億44百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ17億21百万円増加し、144億47百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ18億37百万円減少し、34億97百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当セグメントにおきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けにくい中食・惣菜、老健施設などの深耕・開拓を進めるとともに、センターの統廃合など物流関係費用をはじめとする各種経費の削減を行い損失抑制に努めました。
このような結果、売上高は339億15百万円(前年同期比43.0%減)、セグメント損失(営業損失)は16億4百万円(前年同期、3億50百万円のセグメント利益)となりました。
(食材製造事業)
当セグメントにおきましては、主に連結子会社キスコフーズ株式会社が食材製造を行っております。新型コロナウイルス感染症拡大に伴うホテル・宴会場向け売上の落ち込みを、中食・惣菜・通販向け売上でカバーすべく取り組みました。
このような結果、売上高は39億51百万円(前年同期比19.7%減)、セグメント利益(営業利益)は89百万円(前年同期比81.2%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
当セグメントにおきましては、主に連結子会社を対象に不動産賃貸を行っております。当事業の売上高は1億39百万円(前年同期比0.7%減)、セグメント利益(営業利益)は84百万円(前年同期比18.1%減)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失が19億52百万円(前連結会計年度は27百万円の税金等調整前当期純損失)に減価償却費などの非資金項目、営業活動に係る債権・債務、たな卸資産等の増減などを加減しました結果、30億72百万円の支出(前連結会計年度は11億41百万円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入、有形固定資産の取得による支出、その他の投資による支出等により88百万円の支出(前連結会計年度は5億23百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加、長期借入による収入等により39億7百万円の収入(前連結会計年度は2億43百万円の収入)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して7億63百万円増加し、38億67百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、需要予測に基づく見込み生産を行なっているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
2 上記金額には、消費税が含まれておりません。
3 当連結会計年度の販売実績につきましては、総販売実績に対する割合が10/100未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
a.経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国の経済は、年度を通し新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。特に感染症拡大防止を目的に、2度に亘り緊急事態宣言が発出され、リモートワークの普及や3密の抑制などが、サービス産業全体に深刻な影響を与えました。
当社グループが事業活動の中心としております外食・中食市場におきましては、特に外食市場について感染症拡大防止を目的に飲食店の皆様をはじめとした「人が集まる業態」に対する休業や時短要請が長期化し、当社のお客様の経営や運営に大きな影響が出ました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高378億54百万円、営業損失23億36百万円、経常損失20億76百万円、親会社株主に帰属する当期純損失18億61百万円となりました。
外食市場は大変厳しい環境が続いているなか、首都圏、中京圏、関西圏エリアへの積極的な営業強化に取り組みましたが、売上高は41.2%減少いたしました。その結果、売上総利益は53億2百万円の大幅減益となり、前連結会計年度に比べ営業損益22億80百万円、経常損益21億46百万円、親会社株主に帰属する当期純損益15億70百万円それぞれ減少致しました。
以上の結果、当連結会計年度末における営業利益率は△6.2%(前年同期△0.1%)となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ1億16百万円減少し、179億44百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が6億92百万円増加し、受取手形及び売掛金が4億62百万円、商品及び製品が2億47百万円、投資有価証券が1億57百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ17億21百万円増加し、144億47百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が17億76百万円減少し、短期借入金が28億60百万円、長期借入金が8億49百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ18億37百万円減少し、34億97百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が18億83百万円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は19.5%(前年同期29.5%)、ROE(自己資本利益率)は△42.1%(前年同期△5.1%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは現在、必要な運転資金及び設備資金については、自己資金又は借入により必要資金を賄うことと致しております。当連結会計年度における設備投資に伴う資金は、自己資金にて充当いたしました。なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローに関しては、2020年2月以降に顕在化した新型コロナウイルス感染症の影響拡大による収益の悪化等に伴い、営業キャッシュ・フローが昨年度に比べ大幅に減少しましたが、先行きの不確実性を鑑み、取引金融機関からの借入により当面の手元資金を確保しております。更に、当社は従来より、取引金融機関3行との間でコミットメントライン契約を締結しております。コミットメントラインの総額は30億円で、当連結会計年度末における借入実行残高はありません。
このような状況下、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して7億63百万円増加し、38億67百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、30億72百万円の支出(前年同期は11億41百万円の支出)となりました。これは税金等調整前当期純損失が19億52百万円、売上債権の減少額が4億68百万円、仕入債務の減少額が17億88百万円であったことが主たる要因であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、88百万円の支出(前年同期は5億23百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が2億87百万円、投資有価証券の売却による収入が2億66百万円であったことが主たる要因であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、39億7百万円の収入(前年同期は2億43百万円の収入)となりました。これは、長期借入金の返済による支出17億34百万円、短期借入金の増加額が28億60百万円、長期借入による収入が28億60百万円であったことが主たる要因であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表「注記事項」の(会計上の見積りに関する注記)に記載した内容と同一です。
該当事項はありません。
研究開発活動については、当社グループは主として食品製造事業においてオリジナル商品の開発を常に進めておりますが、その他特記すべき事項はありません。