第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、会社創設以来、顧客第一の立場を貫き通してまいりました。この間、変化する社会、外食産業市場のニーズに応える商品、製品、サービス、情報を提供し続けることを使命と考え、このための経営の革新にも取り組み、「フードサービス・ソリューション・カンパニー」として、明るく信頼される会社を目指し、ハード(品揃え)とソフト(サービス)の両面におけるフルライン戦略を展開し、その成長と発展を図ってまいりました。このような考え方のもと、次の経営理念を掲げております。

 <経営理念>

 私達は、明るい信頼される会社にします。

 私達は、お客様の立場に立ち、最高の商品とサービスを提供します。

 私達は、たえず革新に挑戦し、たくましい会社にします。

 私達は、お客様、お取引先の繁栄と株主、社員の幸福に貢献します。

 私達は、そのために会社の成長と発展を果たします。

この経営理念のもと、社会満足、株主満足、顧客満足、社員満足を果たすことを最大の使命としております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、従来中期経営の指標の目標として営業利益2%と自己資本比率30%を掲げてまいりました。しかしながら、当社グループの主要顧客が外食事業者であるため、新型コロナウイルス感染症拡大により業績は大きな影響を受け、過去2年間で財務内容は大幅に悪化しました。

このような状況下、まずは営業利益創出を第一目標に掲げるとともに、20%割れとなった自己資本比率を早期に20%台に戻すことを当面の目標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向にあり、飲食店やイベント会場に対する各種規制も多くが緩和されつつあります。しかしながら、今回のコロナ禍を通じ、テレワークの定着や大人数での会食機会の減少等、生活スタイルの変化もみられ、新型コロナウイルス感染症が鎮静化してもそうした傾向が続くことも予想されます。引き続き、接待等の法人需要やインバウンドの回復状況も含め、消費動向を注意深く見守り、市場環境に即応した適切な経営判断に努めてまいります。

今後の取り組みとしては、コロナ等の感染症の影響を受けにくい中食・惣菜業態や給食・ヘルスケア業態の開拓に力を入れるとともに、飲料分野や輸出事業の拡大を図ってまいります。

また、前期に開始しましたEC事業につきましては、「ECで売る、ECに売る」をテーマに3温度帯に対する当社のインフラやノウハウを活用し、お客様の通販事業の物流受託を担うとともに、ECモールに出店し当社商品の拡販にも努めております。同事業につきましては種々のノウハウを蓄積し、将来的には収益の柱になるよう育ててまいりたいと考えております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当連結会計年度は、通期を通して新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、7億27百万円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上することとなりました。ワクチン接種の浸透や行動制限の緩和といった外部環境の変化や、費用削減による損益分岐点の低減に努めた結果、親会社株主に帰属する当期純損失は前年比縮小したものの、2年連続して大きな損失を計上したことから、株主資本を大きく毀損することになりました。そのため、減少した資本の回復を図るべく、2022年3月に国分グループ本社株式会社に対し第三者割当による新株式発行及び自己株式処分を行うことといたしました。同社とは資本提携に留まらず「物流機能」「情報システム」「商品購買」「共通情報プラットフォーム」「人財育成」等の業務面での提携を進め、当社グループが保有する国内業務用卸売事業に関する機能・ノウハウ等の経営資源と、同社が保有する物流・販売網等の経営資源の相互活用による両社の企業価値向上を目指してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 食材卸売事業の売上高比率が高いことについて

当社グループの売上構成比率では食材卸売事業が高く、2022年3月期では連結売上高の89.1%を占めております。食材卸売事業は、業務用食材の全般を取り扱っており、特定商品に依存しているものではありませんが、外食産業の業況動向等により当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

(2) 業績の季節変動について

当社グループの売上高は、販売先である外食産業の需要動向や顧客変動等の影響を受けます。また、業界慣行としての仕入割戻しの受入れが下半期に多くなるために、下半期の利益の増加要因となっております。

 

(3) 食品衛生について

食品衛生の問題は食品業界にとって不可避の課題であり、当社グループの衛生問題のみならず、社会環境の中の衛生問題が発生した場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。それに対し、当社グループは、品質管理部を設置して、独自のグループ安全基準を定め厳密な検査体制を整えております。また、当社及び連結子会社であるキスコフーズ株式会社、株式会社久世フレッシュ・ワンにて、ISO22000を取得し、商品の品質はもとより、営業、物流、受発注などサポート部門を含め、全ての業務品質の向上に努めております。

また、旭水産株式会社においても鮮魚の輸出拡大を図るべく、2019年10月にFSSC22000の認証を取得致しました。これはHACCPに加えて、施設・設備の衛生管理、商品のラベル・包装や保管管理、または、リコール手順なども含めた食品安全マネジメントシステムの国際規格です。

 

(4) 原材料や商品の仕入価格変動について

食材卸売事業、食材製造事業ともに、政情や国際紛争、外国為替、自然環境等の変動により商品や原料の仕入価格が上昇する場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 物流費、人件費の高騰について

当社グループの中心業務である食材卸売事業は、顧客への配送業務を伴うため、燃料価格の上昇や委託会社の人件費高騰により物流委託会社への支払いコストが増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルス感染症は飛沫あるいは接触により感染すると言われております。当社が主たる顧客としている外食店では、喫食時に近距離での会話や什器・備品等への不特定多数の人の接触があるため、感染リスクの高い場所とされております。感染の状況次第で外食店に対する営業自粛要請、営業時間の短縮要請が発出される可能性があり、当社にとっては売上の大幅減少となるリスクがあります。当社の事業は外食依存度が高いため、中食・内食分野への取り組み強化により当該分野の売上比率を高めることがリスク軽減に繋がります。

当社自身の新型コロナウイルス感染症に対する体制としましては、引き続きリモートワークの実施や検温、マスク着用、手洗い、消毒励行による健康管理を徹底するとともに、3密状態となる場所への参加を控えることにより、会社でのクラスター発生を防止して会社機能の保全に努めます。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当社は引き続き事業ミッションである「頼れる食のパートナー」としての役割を全うすべく事業存続のために、物流経費の圧縮や一部社員の外部出向も実施して損益分岐点の低減に取り組みました。また既存のお客様へのサービス維持・継続に努め、同時に中食・惣菜関連、給食・ヘルスケア関連等の新型コロナウイルス感染症の影響を受けにくい業態への営業活動に全社一丸で取り組みました。さらに、今期から事業化したECの物流受託事業も堅調に推移しております。

その結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高438億51百万円(前年同期比15.8%増)、営業損失9億8百万円(前年同期は23億36百万円の営業損失)、経常損失7億46百万円(前年同期比は20億76百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は7億27百万円(前年同期は18億61百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

資産は、前連結会計年度末に比べ2億69百万円減少し、176億74百万円となりました。

負債は、前連結会計年度末に比べ4億50百万円増加し、148億97百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末に比べ7億19百万円減少し、27億77百万円となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 (食材卸売事業)

当セグメントにおきましては、当社グループは経費削減による損益分岐点の低減を図るとともに、新型コロナウイルス感染症の影響を受けにくい業態への営業活動に注力してまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は390億74百万円(前年同期比15.2%増)、セグメント損失(営業損失)は3億59百万円(前年同期は16億4百万円のセグメント損失)となりました。

 (食材製造事業)

当セグメントにおきましては、主に連結子会社キスコフーズ株式会社が食材製造を行っております。新型コロナウイルス感染症の影響による外食企業等への売上の減少や原料費の上昇の影響があった一方、セントラルキッチンを保有されるお客様や通信販売を伸ばされているお客様向けの販売は引続き堅調に推移しました。

その結果、売上高は46億68百万円(前年同期比18.1%増)、セグメント利益(営業利益)は1億78百万円(前年同期比98.9%増)となりました。

 (不動産賃貸事業)

当セグメントにおきましては、主に連結子会社を対象に不動産賃貸を行っております。当事業の売上高は1億40百万円(前年同期比0.3%増)、セグメント利益(営業利益)96百万円(前年同期比13.9%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失が7億17百万円(前連結会計年度は19億52百万円の税金等調整前当期純損失)に減価償却費などの非資金項目、営業活動に係る債権・債務、棚卸資産等の増減などを加減しました結果、2億38百万円の支出(前連結会計年度は30億72百万円の支出)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入、投資有価証券の売却による収入、有形固定資産の取得による支出、その他の投資による支出等により3億57百万円の収入(前連結会計年度は88百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入、短期借入金の減少、長期借入金の返済による支出等により5億76百万円の支出(前連結会計年度は39億7百万円の収入)となりました。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して3億30百万円減少し、35億36百万円となりました。

 

 

③生産、仕入、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

食材製造事業

3,429

25.4

合計

3,429

25.4

 

(注) 1 金額は、製造原価によっております。

 

b. 商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

食材卸売事業

31,084

14.8

食材製造事業

116

53.7

合計

31,201

14.9

 

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。

 

c. 受注実績

当社グループは、需要予測に基づく見込み生産を行なっているため、該当事項はありません。

 

d. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

食材卸売事業

39,074

15.2

食材製造事業

4,668

18.1

不動産賃貸事業

140

0.3

その他事業

111

セグメント間の内部売上高

△143

△5.8

合計

43,851

15.8

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ①経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

a.経営成績の分析

当連結会計年度におけるわが国の経済は、年間を通じて新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。感染拡大が繰り返し続き、この間緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が都度発出され、リモートワークや3密の抑制の規制等も出され、国民生活に多大な影響を及ぼしました。

当社グループが事業活動の中心としております外食・中食市場のうち外食市場におきましては、感染症拡大防止を目的に飲食店等に対し休業や営業時間の短縮あるいは酒類の提供禁止要請といった措置が長期化したため、当社のお客様の経営や運営にも大きな影響が出ました。

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高438億51百万円、営業損失9億8百万円、経常損失7億46百万円、親会社株主に帰属する当期純損失7億27百万円となりました。

 

外食市場は大変厳しい環境が続いておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けにくい業態への、営業活動を進めるとともに、経費削減による損益分岐点の低減に努めました。その結果、売上高は15.8%増加し、売上総利益は95億6百万円の増益となり、前連結会計年度に比べ営業損益14億27百万円、経常損益13億30百万円、親会社株主に帰属する当期純損益11億33百万円それぞれ増加いたしました。

以上の結果、当連結会計年度における営業利益率は△2.1%(前年同期△6.2%)となりました。

b.財政状態の分析

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ2億69百万円減少し、176億74百万円となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が6億90百万円、商品及び製品が2億69百万円増加し、現金及び預金が8億44百万円、投資有価証券が3億9百万円減少したこと等によるものであります。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ4億50百万円増加し、148億97百万円となりました。この主な要因は、短期借入金が10億47百万円、1年内返済予定の長期借入金が4億60百万円減少し、支払手形及び買掛金が8億52百万円、長期借入金が9億63百万円増加したこと等によるものであります。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ7億19百万円減少し、27億77百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が7億34百万円減少したことによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は15.7%(前年同期19.5%)、ROE(自己資本利益率)は△23.2%(前年同期△42.1%)となりました。

 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは現在、必要な運転資金及び設備資金については、自己資金又は借入により必要資金を賄うことといたしております。当連結会計年度における設備投資に伴う資金は、自己資金にて充当いたしました。なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローに関しては、新型コロナウイルス感染症の影響による収益の悪化等に伴い、営業キャッシュ・フローは前連結会計年度に続き減少しましたが、先行きの不確実性を鑑み、2021年9月に日本政策投資銀行から20億円の劣後ローンを調達し当面の手元資金を確保しております。また、2022年3月に国分グループ本社株式会社と資本業務提携を締結し、同年4月同社に第三者割当による新株式発行及び自己株式処分により株式の割り当てを行い約7億円を調達しております。更に当社は従来より、取引金融機関3行との間でコミットメントライン契約を締結しております。コミットメントラインの総額は30億円で、当連結会計年度末における借入実行残高はありません。

このような状況下、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して3億30百万円減少し、35億36百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、2億38百万円の支出(前年同期は30億72百万円の支出)となりました。これは税金等調整前当期純損失が7億17百万円、売上債権の増加額が6億61百万円、減価償却費が3億28百万円、仕入債務の増加額が7億93百万円であったことが主たる要因であります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、3億57百万円の収入(前年同期は88百万円の支出)となりました。これは、定期預金の払戻による収入が5億13百万円、有形固定資産の取得による支出が1億39百万円であったことが主たる要因であります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、5億76百万円の支出(前年同期は39億7百万円の収入)となりました。これは、長期借入れによる収入が20億4百万円、短期借入金の減少額が10億47百万円、長期借入金の返済による支出が14億70百万円であったことが主たる要因であります。

 

 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表「注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載した内容と同一です。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

研究開発活動については、当社グループは主として食品製造事業においてオリジナル商品の開発を常に進めておりますが、その他特記すべき事項はありません。