文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、会社創設以来、お客様第一の立場を貫き通してまいりました。この間、変化する社会と、外食市場のニーズに応える商品、製品、サービス、情報を提供し続けることを使命と考え、このための経営の革新にも取り組み、「フードサービス・ソリューション・カンパニー」として、明るく信頼される会社を目指し、ハード(品揃え)とソフト(サービス)の両面におけるフルライン戦略を展開し、その成長と発展を図ってまいりました。当社は昨年度創業90周年を迎えましたが、これから創業100周年に向け、これまでの考え方を踏襲しつつ、更に持続可能な企業を目指すべく2025年4月1日に新たな理念を策定いたしました。
Mission(ミッション) 「食の力で、想いをつなぐ。」
中間流通として、生産者、メーカー、物流会社、飲食店、その先にいる消費者の皆様などの想いをつなぎたいという思いを込めました。商品を運ぶ、届けるだけではなく、当社には双方向につなぐ役割があります。「食の力」とは、食の“魅力”や“楽しさ”など様々なものを含んでいます。
Vision(ビジョン) 「食を通じて 人と人がつながり 心満たされる世界。」
これからの時代、食とコミュニケーションがより大切になります。デジタル化の進展により、家族、友人、職場などでの相互理解が希薄化していく中で食を通じてお互いの理解を深めることは社会の基礎であり、基盤になると考えています。「食の力で、想いをつなぐ。」ことを続けた未来に、賑わいが生まれる、人との縁が深まる、様々な人とのつながりが生まれる、孤独を感じる人がいなくなる、世の中の人が元気になる。楽しんだり、笑顔になったりはできなくても心を満たすことはできるかもしれない。そういう未来を目指していきたいと考えています。
Value(バリュー)
頼れる食のパートナーとして、3つの価値を提供します。
Entertainment 予想を超える楽しさを、提案します。
Creativity 時代を先取り、価値を創造します。
Logistics 正確で効率的に、届けます。
当社グループは、計画上の指標として営業利益率2%と自己資本比率30%を掲げております。当連結会計年度は当社グループ一丸となって、既存のお客様に対する提案営業を強化し価値ある素材・商品の販売を進めるとともに、新規お取引先の開拓と輸出の拡大にも注力して売上と利益の伸張を図り、その結果、営業利益率2.7%、自己資本比率34.5%を達成いたしました。
今後も収益の拡大に努め、安定的な経営維持のために、両指標の維持向上に努めてまいります。
今後の日本経済の見通しにつきましては、米国の関税政策等による国内外の経済への影響は不透明であるものの、足もとの企業業績は堅調であり一定の賃上げも浸透していることから、国内消費は堅調に推移するものと見ており、これに伴い外食・中食市場も一定の成長が続くものと考えております。
こうした状況を踏まえ、当社グループは「持続可能で質的な成長」を果たすために、関東への経営資源の集中、低温物流を軸とした物流機能強化、加盟しているJFSAの商品や素材及び酒・飲料の拡販を目指すプラスオンを基本戦略とし、加えてフードサービス、観光レジャー、中食・惣菜を強化する市場と捉えて各種施策を進めてまいります。
また将来の成長のために人手不足への対応や物流機能の強化とインフラの整備、更にお客様の利便性向上のための情報システムに積極投資を行ってまいります。
そして、「EC事業」、「DX化推進」、「商品開発」、「海外事業」、「グループシナジー」を進めて、当社グループの成長を図ってまいります。
当社が今後の成長のために対処すべき諸課題を以下のとおり認識しております。
当社はコロナ禍にあたり、自社倉庫2ケ所と外部倉庫数ヶ所を閉鎖し損益分岐点の低減に努めました。しかしながら今後の成長の為に物流キャパシティの確保と物流の環境改善、物流に関わる人財の採用や育成などが課題となっています。今後お客様の要望にお応えし、基本的業務の見直しや作業環境の改善はもとより、配送の多様化や、庫内業務と配送の生産性向上、さらに物流のDX化に取り組み、中期的には物流センターへの投資も視野に入れ、物流環境の変化に対応すべきと考えています。
今後、さらに少子高齢化が進み、生産労働人口の減少により採用環境は益々厳しくなるものと予想しております。当社では2023年4月より「新人事制度」をスタートし、社員のキャリアプランの明確化と評価の適正化を進めるとともに、「業務改革PJ」を立ち上げ、働く場の環境改善にも努めて参りました。
今後もこうした取組を推進し、人財の採用・定着・育成・評価の制度の充実を図ってまいります。
物流に関連する費用をはじめ、原材料価格や人件費などあらゆるコストが上昇しております。業務品質を維持し成長を図る上で、システムやデジタル化に伴う必要コストは見ていく必要があると考えております。コスト投入の優先順位を明確にするとともに、コストに見合うサービスの向上を図り、収益の確保にも努めてまいります。
当社グループは業務用食材卸業を中心に、製造事業、生鮮事業や海外輸出にも力を入れておりますが、お客様である外食・中食市場の課題やニーズはこれまでになく多様化、高度化しており、グループ内に保有する多くの接点からお客様の課題解決と価値向上に応えたいと考えております。既存事業に加え、EC事業・物流受託事業などを通じ、さらなるビジネスチャンスの掘り起こしを進めてまいります。
当社グループは、お客様の利便性向上と社内の業務効率を高めるために、DX化の推進が必要であると認識しております。既にお客様との相互コミュニケーションを図るためにKUZEXというプラットフォームを立ち上げ、活用と進化を進めておりますが、「業務改革PJ」での議論を通じ、さらに社内外でのDX化の推進を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①サステナビリティ基本方針
当社グループにおけるサステナビリティの取組は、当社グループが「フードサービス・ソリューション・カンパニー」として、時代の変化にあわせて食と人の本質に関わる価値を提供していくことにあると考えております。よって定量的及び定性的な成長を図ることはもちろん、お客様をはじめ、仕入先や物流委託先等の取引先、株主、社員、更に地域社会の発展に貢献してまいります。そのために当社グループは「社会の発展に貢献する新しい価値・サービスの創造」、「外食・中食をはじめとするフードビジネスを支える商品の確保と安定供給、安定配送」、「全従業員がやりがいをもって、個々の力を最大限発揮できる環境づくり」を実現し、「持続可能で質的な成長」を目指し、企業価値の向上を図ってまいります。
②サステナビリティに関する当社のガバナンス体制について
「サステナビリティ基本方針」に基づき、各本部やグループ各社がリスクや問題点をリスク・コンプライアンス管理委員会に報告し、対応策や方針を決めております。グループ全体にかかわる案件は当社の取締役会にて、決定する体制をとっております。
③リスク管理について
当社グループは、リスク・コンプライアンス管理委員会において、内部統制システムの一環として、リスクや問題点の把握、課題解決の協議を行っております。グループ全体にかかわる案件の対応策の決定については、グループ常務会等で討議のうえ当社の取締役会にて行っております。
ESGへの取組
当社グループは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に関する社会課題の解決に向けて積極的な取組を推進しています。
当社グループは、ミッションに掲げる「食の力で、想いをつなぐ」を実現すべく、顧客満足および業績の向上と業務改革を推進し、人財育成を行い、持続的な成長ができる一体感のある企業風土の醸成に取組んでおります。
その一環として、あるべき人財像「久世パーソン像」を明確化させるとともに、2023年4月からは、「公平性向上と待遇改善」、「適材適所」、「人財育成」の3つを目的とした新人事制度をスタートさせました。
人財方針では、周囲から信用・信頼される人財および質と量を満たすリーダーシップの育成を目指し、「周囲視点重視」と「リーダーシップ重視」を方針として掲げ、また、組織方針では、部門間の連携があらゆる価値を生み出すとともに、全体最適の視点が各部門に不可欠であるとの認識から「部門間連携重視」と「全体最適重視」を方針として掲げ、組織横断的なプロジェクトを始めとした様々な活動を推進しております。
①人財育成
当社グループは、従業員一人ひとりが、常に自責の念を持ちつつ、課題解決のために行動できる参加型経営人財を理想としております。そのため、職場でのOJTを通じた成長に加え、役割・職種等に応じて、能力・スキル、専門性の向上を目的にした研修を実施しております。直近ではリーダーシップの育成を重視し、リーダーとしての姿勢、言動およびスキルを開発する研修を積極的に実施しております。
②社内環境整備
当社グループは、あらゆる人権を尊重し、求人・雇用・昇進等において、人種・国籍・宗教・信条・性別・性的指向・年齢・障がい等による不当な差別を致しません。従業員一人ひとりがその能力を発揮し、いきいきと活躍できるような職場環境を目指し、出産・育児・介護に関する支援制度、長時間労働の削減対策(36協定違反者0)および有給休暇取得の促進(有給休暇5日以上の取得の遵守)などの働き方の多様性に向けた取組を進めるとともに、定期的な人間ドックの受診推進や喫煙時間のルール実施などの健康経営を推進しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの売上構成比率では食材卸売事業が高く、2025年3月期では連結売上高の91.8%を占めております。食材卸売事業は、業務用食材の全般を取り扱っており、特定商品に依存しているものではありませんが、外食産業の業況動向等により当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
当社グループの売上高は、販売先である外食市場の季節性のある需要動向や顧客変動等の影響を受けます。また業界慣行としての仕入割戻しの受入れが下半期に多くなるために、下半期の利益の増加要因となっております。
食品衛生の問題は食品業界にとって不可避の課題であり、当社グループの衛生問題のみならず、社会環境の中の衛生問題が発生した場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社グループは、品質管理部を設置して、独自のグループ品質基準を定め厳密な検査体制を整えております。また、当社及び連結子会社であるキスコフーズ株式会社、株式会社久世フレッシュ・ワンにて、ISO22000を取得し、商品の品質はもとより、営業、物流、受発注などサポート部門を含め、全ての業務品質の向上に努めております。
また、旭水産株式会社はFSSC22000の認証を取得しております。これはHACCPに加えて、施設・設備の衛生管理、商品のラベル・包装や保管管理、または、リコール手順なども含めた食品安全マネジメントシステムの国際規格です。
食材卸売事業、食材製造事業ともに、各国の政情や国際紛争、外国為替、自然環境等の変動により商品や原料の仕入価格が上昇する場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの中心業務である食材卸売事業は、顧客への配送業務を伴うため、委託会社の人件費や燃料費その他の高騰により物流委託会社への支払いコストが増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、物流インフラを確保し、お客様への確実な商品供給を第一に対応してまいります。
当社グループは、2020年2月より国内感染が拡がった新型コロナウイルス感染症により、業績に大きな影響を受けました。2023年5月の5類移行後影響はほぼ解消致しましたが、今後同様の感染症等がまん延する事態となった場合に、政府等からの行動制限要請が出され、当社が主たる顧客としている外食産業に大きな影響が出る可能性が高く、当社にとっては売上の大幅減少となるリスクがあります。当社の事業は外食依存度が高いため、中食・内食分野への取り組み強化により、当該分野の売上比率を高めることがリスク軽減に繋がると考えております。
当社グループは、国内外の物流拠点において地震、台風、大雨、洪水などの自然災害や火災・事故などが発生した場合、お客様への商品供給に影響が出る可能性があります。当社グループでは、「大規模災害発生等危機管理対応マニュアル」を作成し、災害等の発生時には、株式会社久世の社長を対策本部長とし、グループ各社の役員や本部長、部長を中心とした危機管理対策本部を立上げ、諸々の対応を取っていくことを規定し、危機対応に備えております。
当社グループは、海外事業及び輸出を手掛けておりますが、進出地域の政治状況、法制度の変更、経済状況の大きな変化などにより、社会的混乱が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、個人消費の停滞は見られたものの、輸出や設備投資が伸びるなど企業業績は堅調に推移し景気は回復傾向にありました。一方で原材料価格の上昇や諸物価の高騰は続いており、更に米国の関税政策等による世界的な影響も懸念されるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社グループが事業活動の中心としております外食・中食市場につきましては、法人需要の回復や旺盛なインバウンド関連需要もあって集客面は好調に推移しました。しかし仕入コストや人件費の上昇は依然として続いており、外食関連の倒産件数は増加傾向にあります。
当社グループはこのような状況の中、外食・中食市場の持続的な発展のために日々業務に取組んでまいりました。大きな課題であった物流キャパシティの確保については、蓮田センター開設により一定の目途をつけました。また、DX化によるお客様の利便性の向上にも継続して対応してまいりました。センターの運営コストや配送に関する委託物流費をはじめとする各種経費は上昇傾向にありますが、新規のお客様や既存のお客様との取引額を増やすことで利益の確保を図ってまいりました。
なお、当連結会計年度において繰越欠損金が解消し、法人税等が増加しております。
その結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高685億68百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益は18億47百万円(前年同期比0.8%減)、経常利益は21億91百万円(前年同期比13.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億54百万円(前年同期比12.6%減)となりました。
資産は、前連結会計年度末に比べ18億94百万円減少し、229億69百万円となりました。
負債は、9月に日本政策投資銀行の劣後ローン20億円を繰り上げ返済するなど借入金の圧縮を進めたため、前連結会計年度末に比べ31億45百万円減少し、150億49百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ12億51百万円増加し、79億19百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が25億79百万円(前連結会計年度は20億39百万円の税金等調整前当期純利益)に減価償却費などの非資金項目、営業活動に係る債権・債務、棚卸資産等の増減などを加減算した結果、6億64百万円の収入(前連結会計年度は35億64百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出、連結の範囲の変更を伴う子会社出資金の売却による収入等により2億11百万円の支出(前連結会計年度は8億68百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入、長期借入金の返済による支出、配当金の支払額により、30億11百万円の支出(前連結会計年度は4億42百万円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して24億96百万円減少し、40億8百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
当社グループは、需要予測に基づく見込み生産を行なっているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
a.経営成績の分析
売上高は法人やインバウンド需要の増加による景気回復や既存及び新規のお客様への提案営業活動の強化により、食材卸売事業、食材製造事業ともに伸長し685億68百万円(前年同期比6.4%増)となりました。
利益面につきましては、売上総利益が売上高の増加等により157億23百万円(前年同期比7.7%増)となりました。一方で新設したセンターの運営コスト負担や諸物価の上昇により、売上原価並びに販売費及び一般管理費も増加致しました。当社グループ各社はコストの削減にも鋭意努めましたが、営業利益は18億47百万円(前年同期比0.8%減)となり、営業利益率は2.7%(前連結会計年度は2.9%)となりました。
また、為替差益2億19百万円や受取事務手数料83百万円、支払利息34百万円等の計上により経常利益は21億91百万円(前年同期比13.0%増)となっております。なお、5月には当社連結子会社である久世(香港)有限公司が所有する、上海日生食品物流有限公司及び久華世(成都)商貿有限公司のそれぞれの持分の80%を譲渡し、関係会社出資金売却益3億88百万円を特別利益に計上しております。税金等処理後の親会社株主に帰属する当期純利益は17億54百万円(前年同期比12.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(食材卸売事業)
当セグメントにおきましては、物流キャパシティの確保と市場の回復に合わせ、新規取引先の開拓と既存のお客様への営業活動を一層強化し、売上と利益の伸張に取り組みました。その結果、売上高は618億56百万円(前年同期比6.3%増)、セグメント利益(営業利益)は24億16百万円(前年同期比5.7%増)となりました。
(食材製造事業)
当セグメントにおきましては、主に連結子会社キスコフーズ株式会社が食材製造を行っております。依然として原材料価格の高騰により仕入コストは高止まりの状況が続いておりますが、販売価格の適正化を進めるとともに主要取引先向けの商品提案強化を進めてまいりました。その結果、売上高は65億91百万円(前年同期比7.1%増)、セグメント利益(営業利益)は4億42百万円(前年同期比17.6%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
当セグメントにおきましては、主に連結子会社を対象に不動産賃貸を行っております。当事業の売上高は1億40百万円(前年同期比0.2%減)、セグメント利益(営業利益)は1億11百万円(前年同期比2.4%増)となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ18億94百万円減少し、229億69百万円となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が3億18百万円、商品及び製品が2億25百万円増加し、現金及び預金が24億96百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ31億45百万円減少し、150億49百万円となりました。この主な要因は、未払法人税等が5億21百万円、繰延税金負債が1億52百万円増加し、買掛金が9億41百万円、未払金が1億39百万円、長期借入金が26億88百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ12億51百万円増加し、79億19百万円となりました。この主な要因は、為替換算調整勘定が3億16百万円減少し、利益剰余金が15億60百万円増加したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは現在、必要な運転資金及び設備資金については、自己資金又は借入により必要資金を賄うことと致しております。当連結会計年度は運転資金及び設備資金を、取引行から長期借入の形で4億円調達しております。なお、当社は従来より、取引金融機関3行との間でコミットメントライン契約を締結しております。コミットメントラインの総額は30億円で、当連結会計年度末における借入実行残高はありません。
このような状況下、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して24億96百万円減少し、40億8百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、6億64百万円の収入(前年同期は35億64百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益が25億79百万円、減価償却費が4億15百万円、関係会社出資金売却益が3億88百万円、売上債権の増加額が5億87百万円、棚卸資産の増加額が3億97百万円、仕入債務の減少額が6億87百万円であったことが主たる要因であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、2億11百万円の支出(前年同期は8億68百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が2億51百万円、無形固定資産の取得による支出が73百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社出資金の売却による収入が1億61百万円であったことが主たる要因であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、30億11百万円の支出(前年同期は4億42百万円の支出)となりました。これは、長期借入れによる収入が4億円、長期借入金の返済による支出が31億77百万円、配当金の支払額が1億93百万円であったことが主たる要因であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表「注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載した内容と同一です。
該当事項はありません。
研究開発活動については、当社グループは主として食品製造事業においてオリジナル商品の開発を常に進めておりますが、その他特記すべき事項はありません。