文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループはコーヒー等の飲料及び食品の専門商社として主に業務用の分野で事業を行っております。経営理念「ともに考え、ともに働き、ともに栄えよう」のもと、事業活動のミッションとして「世界の食の幸せに貢献する」ことを掲げております。当社グループは1906年創業とわが国にあって比較的長い業歴を有しておりますが、更に業歴を伸ばし「永く続く会社となること」に重点を置いております。その必要条件として以下を規定しております。
・ 社会に必要とされ続ける会社であること
社会と同じ方向を向いて事業を行うこと、利益とともに社会貢献にもしっかり取り組むこと
・ 顧客・取引先に必要とされ続ける会社であること
価値を共有するパートナーから信頼され、頼りにされ、よい顧客、よい取引先であり続けること
・ 株主に必要とされ続ける会社であること
ガバナンスを強化し、適切な還元と発信により株主に愛され、満足し続けていただくこと
・ 従業員に必要とされ続ける会社であること
従業員に適切に報いるだけでなく、働きやすさ、働きがいを追求し、従業員に愛され希望が宿る職場であり 続けること
・ 変化に対応し続ける会社であること
変化に対する感度を高め、変化に対し常にしなやかに対応できる会社であり続けること
・ 利益を安定継続して出し続ける会社であること
社会や環境に配慮しながら事業や取扱商品の新陳代謝をすすめ、労働生産性・資本生産性を追求し続けること、適切な事業ポートフォリオを追求し続けること
そしてこれらの必要条件の充足を着実に進めていくため、目下、新たな「商売の仕組み」「経営の仕組み」「人事の仕組み」「働く仕組み」の確立や改革改善等、様々な「仕組み化」に取り組んでおります。
当社グループは当連結会計年度をもって従前の中期経営計画「i (アイ) プロジェクト」を完了し、新たに3か年の中期経営計画をスタートさせました。そのなかでESGやパンデミック、グローバリズムの帰すう、人々の嗜好変化、今後の技術革新のさきにある新たな時代に求められるビジネス構造を見据え、事業の持続的成長を目指してまいります。
当社の事業はコーヒー・飲料事業、食品事業、海外事業の3つに分類され、それぞれの取り組みは以下のとおりであります。
① コーヒー・飲料事業
コーヒーや紅茶の輸入、加工、販売を通じて「1杯の幸せ」をつくり、消費者の皆様にお届けしていきます。原料となる作物の特性上、発展途上国との関わりが深く、長期間のパートナーシップの構築により、安定した雇用や技術の向上、生活の改善に貢献していきます。
② 食品事業
日本国内外で開発する業務用や中食等の食材の販売により「食の豊かさ」を支えていきます。様々な分野でのこだわり食材に加え、共働き世帯に役立つ食材、歳を重ねてもいつまでもおいしく食べられる食材、自然災害等による価格高騰から食卓を守るための食材等の提供により、世の中に貢献していきます。
③ 海外事業
生活様式の変化とともに多様化する日本食のニーズにお応えし、「食」を通じて日本の誇るべき文化と技術を世界に発信していきます。また、海外グループ会社を拠点にそれらの機能をさらに強化し、世界の食文化の発展に貢献していきます。
(2) 経営環境
① 企業構造
当社の企業構造については第1 企業の概況、3 事業の内容の事業系統図のとおりであります。
② 市場環境
コーヒー・飲料事業、食品事業、海外事業それぞれの市場環境・顧客動向は以下のとおりであります。
1)コーヒー・飲料事業
わが国の1人当たりコーヒー消費量は毎年微増にとどまっておりますが、2021年は新型コロナウイルス感染継続により2020年に続いて微減となりました。世界においては、コーヒー消費量は毎年増加を続けていますが、カフェやレストラン等業態によっては新型コロナウイルスの影響を受けました。アジア等の発展途上国におけるコーヒー消費量は国の発展とともに大きく伸びております。わが国のレギュラーコーヒー市場は、一時もてはやされたサードウェーブやシングルオリジンといったブームが落ち着いてまいりましたが、健康志向や環境意識の高まりもあり、こだわりの原料や飲み方に対する消費者の関心は高く、依然、話題に事欠かない状況が続いております。それはコーヒーの製品についても言え、簡便性も備えた1杯抽出(コーヒーバッグ)、嗜好性の高い原料使用、エシカル商品等、既存にとらわれない多様化へと進んできております。
紅茶市場につきましては2018年終わり頃、インフルエンザ予防効果が報道されたことを契機に一時の低迷から回復基調にあり、市場別ではRTD(Ready-to-Drink)のペット飲料が大半を占めております。コーヒーのように産地をうたった茶葉や製法に差別化をもたせたこだわり系の価値をうたう商品も徐々にですが出回るようになってきております。ただ家庭用ではティーバッグが日常的な商品として確立され価格帯や付加価値等で差別化された幅広い商品展開があります。
2)食品事業
わが国の近年の外食産業市場規模のデータによれば、1人当たり外食支出額は僅かながら減少傾向であったところ、2021年は新型コロナウイルスの感染継続により食の市場は、2020年に続いて、外食から中食、内食へと一気にシフトいたしました。さらに人口の減少に加え、高齢化の進展に伴い1人当たりの飲食量が減少することが見込まれる一方、女性の社会進出、共働き世帯、単身世帯の増加による中食需要の高まりにより、外食産業市場規模は今後も減少することが予想されております。日常の食生活で健康の維持・向上を図り、健康寿命延伸やアンチエイジングにつなげたいという意識が広まっており、小売等でも健康訴求商品の取扱い意欲を高め、供給側からは減塩化や健康ニーズに対応した商品の投入が進んでいくとみられております。またそうした健康面からのこだわり食材に加え、1人あるいは2人世帯の増加や家族バラバラの食事が増えることにより、小容量タイプや食べ切りタイプといった個食対応の需要が今後一層、増加すると考えられ、さらには、より調理が簡便な商品を求める傾向は強まっていき、現に容器ごと電子レンジで調理できるような商品が増えたりしております。そうした動向に対するきめ細かな対応、観察力と先回りした対応が求められております。
分野別には、冷凍食品の分野で、近年、外食産業、給食業者、スーパー惣菜での人手不足により調理場、バックヤードの労働軽減のため調理のいらない自然解凍食品の需要が増えております。水産の分野では、わが国の漁船漁業が2010年代後半以降、地球温暖化や乱獲の影響で減少している一方、養殖量は中国やインドネシアやベトナムを中心に急速に伸びております。農産に関しては、近年天候による豊作・不作の振れが顕著なこと、又は人手不足を解消化する効率化の観点から、安定的でオペレーションに優れた原料供給が求められているため、カット野菜や保存が出来る加工野菜の需要が、スーパーやコンビニ、食品メーカーを中心に広がっております。
3)海外事業
世界的に新型コロナウイルスの蔓延が続くなかで海外の外食市場は大きな打撃を受けましたが、少しずつ経済活動が回復傾向に向かっており外食需要も回復の兆しが見えてきました。
また、小売用の日本食品では消費者ニーズの変化にうまく対応し順調に推移しております。
農林水産省が発表している2021年の農林水産物・食品の輸出額は1兆2,385億円で2020年比25.6%増と9年連続で過去最高を更新しております。世界各国における輸入食品への規制強化、物流費や原料の高騰、世界情勢等の影響は今後も懸念されますが、2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されて以来、日本食の人気は世界中で高まり続けており、新型コロナウイルス感染拡大が収束し、世界経済が落ち着きを取り戻せば、さらに好ましい環境に向かっていくものと考えております。
なお当社グループ輸出事業の顧客は主に海外で日本食品の販売を手がける卸売業者等で、その内容は、特定の商品を専門的に取扱うところから広範に商品を取扱うところまで幅広くあり、それぞれの事業規模も様々です。そうした顧客に対し、当社グループの専門性を活かすとともに、国内のメーカー=パートナーと緊密に協働し、求められる商品を安定的に供給、信頼に応えております。また顧客と連携し、現地の食品管理に係る諸規制や流通制度にも対応しております。
③ 競合の状況
当社グループの事業について、グループ会社のコーヒー・飲料関連の加工工場資本設備を除き総じて比較的少額の資本により新規参入、あるいは川上・川下からの参入が可能であると目され、事実、相応の競合は存在しております。しかしながら事業遂行にあたっては、かなり高度な専門知識や経験に基づくノウハウ、顧客・取引先との相互の信頼関係が伴わなければならず、当社グループはそうしたソフト面の知見や基盤をもとに競争優位を図っております。コーヒー・飲料事業、食品事業、海外事業それぞれの競争優位のポイントは以下のとおりであります。
1)コーヒー・飲料事業
・ コーヒー、紅茶ともに原料、加工技術、品質管理等に関する広範で深い知見(特にコーヒーに関して業界をリ ードする諸資格を有する人材の豊富さ)とこだわりの原料から加工、包装までお客様のニーズに合わせた商品価値を提案できること
・ 原料の生産者・輸出業者と長年かけて構築したパートナーシップとそれからもたらされる最新の情報や付加価値の創造力と提案力
・ グループ会社が有する東西の焙煎工場機能
・ コーヒーや紅茶の商品特性からGHG(温室効果ガス)削減や多様性、生産国とともに生きるための社会課題解決型商品の提案とサステナブルな取組とその価値の提供
2)食品事業
・ 食品原料、製品、それらの加工技術、品質管理等に関する広範で深い知見
・ 国内外の多数の食品原料供給者、製品の製造者とのつながり、他方、ニーズ先との接点とそれらの情報の結合
3)海外事業
・ 輸出を行う様々な日本食品に関する深く広範な知識、それらの国内メーカーとの厚い信頼関係
・ 継続して再々変化する輸出先国の輸入食品管理に係る諸規制や流通制度に関する情報、輸出に係る貿易知識
④ 法改正その他
当社グループは、事業の遂行にあたって、品質・衛生・表示面についてわが国の食品衛生法、JAS法及び食品表示法等を遵守しております。加えて海外との取引が盛んな当社は、輸出入を行う商品に関し対象国の法的規制も受けており、各国で法令の変更や新たな法令の施行等があった場合には、それを適切に受け入れ遵守していく必要があります。その上、わが国と輸出入の先の国とで食品衛生等に関する基準が異なる場合には、そのどちらをも充足するように対応していくことが求められております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
① 利益の絶対金額(最終利益及び営業利益)
当社グループは、企業として当然のことながら、ステークホルダーとの良好な関係の維持・発展([a]提供する商品に満足いただき顧客から収入を得る、[b]取引先に仕入れた商品や受けたサービスの対価を支払う、[c]従業員に適切に報い安心して働いてもらう、[d]金融機関等に対しサービスに応じた金利、手数料を支払う、[e]国・地方政府にきちんと税金を納める、[f]株主に配当等により適切に報いる)を見据え、それと様々な側面で直接的にリンクする最終利益(親会社株主に帰属する当期純利益)の絶対額確保を最も重視しております。また事業面でその最終利益を特に大きく左右するものとして営業利益をキーとして捉え、その絶対金額及びその従業員1人当たり金額も注視しております。なお、ステークホルダーの満足度という点では従業員満足度等も見ております。
② 自己資本当期純利益率
当社グループは、株主視線での効率化指標として自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。
自己資本当期純利益率の最近の状況は次のとおりであります。
(注) 自己資本当期純利益率 = (親会社株主に帰属する当期純利益)÷((期首自己資本+期末自己資本)÷2)
自己資本 = 純資産合計-新株予約権-非支配株主持分
わが国では広く自己資本当期純利益率8%が一つの基準とされておりますが、当社グループはその水準に達しておらず、それを目指し鋭意、努力を進めております。自己資本当期純利益率が「売上高当期純利益率」と「売上高に対する総資産の回転率」と「自己資本比率の逆数」の積に分解されることはよく知られているところですが、「売上高に対する総資産の回転率」の改善を構造的な課題として中長期的に取り組み、短期的には売上高に対する各利益の比率に焦点を当て、なかんずく次項の売上高営業利益率の引き上げを図るべく、事業の見直しや刷新を進めております。
③ 売上高営業利益率
売上高営業利益率の最近の状況は次のとおりであります。
(注) 売上高営業利益率 = (営業利益)÷(売上高)
当社グループは、自己資本当期純利益率の構成要素である総資産回転率や自己資本比率が比較的安定的に推移しており、それらと実効税率等をもとに自己資本当期純利益率8%を達成するために必要な売上高営業利益率を概ね2%以上と算定し、それぞれの事業においてこの2%を平均的・安定的にクリアすることを目標にしております。当連結会計年度はコーヒー相場の影響、想定以上の急激な円安及び海上運賃の高騰等が、利益率の低下につながり当社グループ全体として1.5%にとどまりました。今後は売上高営業利益率の改善を着実に進めてまいります。
④ 投下資本利益率
事業によって使用する資本は異なり、前項の売上高営業利益率をそれぞれの事業の目標として一律に適用するのは必ずしも適切でないため、新たな中期経営計画より、全社及び各事業の投下資本利益率を算定し、主要経営指標として注視することにしております。これをもとに事業ポートフォリオマネジメントを行い、投資及び経営資源配分の最適化に繋げてまいります。
ちなみに、全社の投下資本利益率の最近の状況は次のとおりであります。
⑤ 運転資本関連項目の回転期間
当社グループは、グループ会社にコーヒー・飲料関連の加工工場を有しておりますが、主たる事業は商社として卸売業であり、健全にキャッシュフローを回していくとの観点で棚卸資産、売上債権等、運転資本関連項目の回転期間を重視しております。これは前項の投下資本利益率にも影響を与えるものであります。
⑥ 株価純資産倍率
株価純資産倍率の最近の状況は次のとおりであります。
(注) 株価純資産倍率=期末株価終値÷1株当たり純資産
株価純資産倍率は1倍が一つの目安とされておりますが、当社グループはその水準に達しておらず、それを目指し新たな中期経営計画に基づき株価純資産倍率(PBR)の漸次引上げを図るよう努めてまいります。
(4) 中期経営計画について
当社グループは、長期経営計画実現のための橋渡しとして、中期経営計画をローリング方式により定め、実行しており、2019年3月期より中期経営計画「i(アイ)プロジェクト」(3か年計画)をスタートさせました。それは当社グループを取り巻く様々なステークホルダーから満足をいただき、企業としての収益確保=経済的価値、及び社会的課題の解決=社会的価値の両立を目指そうとするものです。そして、「CSV」の推進と「SDGs」に取り組んでいくことを打ち出しておりました。
しかしながら同計画は、事業環境の著しい変化等により定量面で初年度は予定どおり進捗させることができず、また2020年に入って以降は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も受けました。そうしたなか、新型コロナウイルスを契機とした食の構造変化への適応を図るよう、家庭用商品、中食向け弁当・惣菜等に力点を置いて営業活動を展開し、次期中期経営計画との繋がりも意識し、GHG(温室効果ガス)を削減しながらの企業成長や社会的課題の解決のビジネス化等についても検討してきました。その結果、当連結会計年度における売上高は46,729百万円(当初計画値43,701百万円に対し6.9%プラス)、売上総利益は6,637百万円(当初計画値6,341百万円に対し4.7%プラス)、営業利益は695百万円(当初計画値850百万円に対し18.2%マイナス)、親会社株主に帰属する当期純利益は532百万円(当初計画値504百万円に対し5.5%プラス)となりました。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、課題認識として、長きにわたり売上高及び利益が大きく成長しない状況が続いております。それは食品というわが国国内においては成熟した商品を取扱っていることに由来するものと考えられます。とは言え、わが国の食品業界において急成長を遂げている会社は存在しており、当社グループといたしましても、「永く続く」とともに成長の必要性を十二分に認識しております。その成長に関しましては、次の3点をテーマに取り組んでまいります。
・ 既存事業の枠組みのもとでヒット商品を生み出し、それを核に新規事業を発展させること
・ 成長余地のある海外事業を拡大させていくこと
・ 取扱商品に関し、GHG(温室効果ガス)削減等、プロセスやストーリーを含めた付加価値を創っていくこと
上記以外にも、ブルーオーシャンの新規事業分野に進出していくこと、M&Aを積極的に行うことが考えられないではありません。しかしながら前者は、果たしてブルーオーシャンかの見極めが難しく、また既存の当社グループの知見や強みを活かせる分野でないと著しくリスクが高いものと思料しております。また後者は、いわゆるPMI(M&A後の事業統合)が障害となることが多く、わが国では過去のM&Aの多くが失敗であったという事実も考慮し、あくまでも目的でなく手段の一つであるとの認識のもとに選別的に展開することとしております。
そうしたことから当社グループの今後の成長路線のためのテーマとして、上記の3つをまずは優先させております。
このような企業成長と歩調を合わせる形で、当社グループは収益体質の強化、企業としてのより一層の健全化にも取り組んでまいりますが、新型コロナウイルスによる企業の経済活動並びに人々の社会生活への長期的な影響に加え、ウクライナ情勢、為替及び金利の動向、資源価格の高騰や生活必需品の価格上昇に伴う消費マインドの低迷等、先行き不透明な状況が続くことが予想されております。そうしたなか、当社グループは、変化していく世の中の動きを機会ととらえて、迅速かつ的確に対応するとともに投資の効率性を追求しながら、事業の持続的成長を目指してまいります。
当社グループは、2022年3月をもって従前の中期経営計画「i(アイ)プロジェクト」を完了し、新たに3か年の中期経営計画をスタートさせます。その計画のもとに、以下を課題として挙げ、対処してまいります。
① ビジネスの構造・基盤
・投資効率管理の向上(ROIC経営導入の推進、グループの新工場建設にも絡める)
・SDGs視点での価値創造、CSVへの取組強化
・GHG(温室効果ガス)削減を図りながら企業成長の推進(脱炭素社会への適応)
・ESGブランド力のある企業グループ
・データリテラシーの向上・分析力強化
・3年後の目標数字として自己資本当期純利益率(ROE)8%、株価純資産倍率(PBR)1倍
② ガバナンスの強化
・株主との対話機会を増やし充実化
・高度なレベルでのコーポレートガバナンスコード適合
③ 従業員エンゲージメントの向上、人財力の強化
・社員の働きがい向上(もっと働きやすく、もっと働きがいのある会社)
・社員が主体的に取り組む風土作り
・社員に対する積極的なリスキリング
④ 多様性への適応・推進
・多様な人財の活躍
・人権尊重
・意思決定者の偏りをなくし、精度向上、修正力向上
⑤ グループ管理の強化
・グループ各社とのシナジー効果推進
・グループ内人事交流の活性化
⑥ 長期の企業価値向上への取り組み
・今後の投資計画を見据えた内部留保と適切な株主還元とのバランスを図る
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また各事項の発生可能性や影響度について、以下の分類を目安に考察を行っております。
[A] 発生の可能性:(イ)高(2~3年の期間に1度以上程度)、(ロ)中(3年~10年の期間に1度以上程度)、(ハ)低(10年以上の期間に1度以上程度)
[B] 影響度:(イ)大(売上高換算10%以上又は利益換算30%以上)、(ロ)中(売上高換算5%~10%又は利益換算15%~30%)、(ハ)小(売上高換算5%未満又は利益換算15%未満)、なお影響が表れる様相は売上高、利益といった業績のみならず、財産損失、事業遂行力低下、企業イメージダウン等が考えられますが、すべて業績に引き直して考察しております。
(1) 輸入商品の価格変動が業績に与える影響について
当社グループでは輸入商品を取扱っており、その仕入価格は産地国・調達先国の気候・作柄状況、地場通貨の相場、政情等によって変動する国際商品相場及び為替レートの影響を受けます。このような相場リスクを回避する目的で為替予約取引及びコーヒー先物取引を行い、また、調達先国を複数持つとともに、販売価格への転嫁を行っております。しかしながら、相場の変動が著しく急激あるいは変則的で、リスク回避を含めたコスト上昇分を販売価格に転嫁しきれない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、リスク回避目的の為替予約取引やコーヒー先物取引の未実現分の評価については繰延ヘッジ損益に計上され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループのこれまでの業績推移を振り返り、発生の可能性は中位、影響度は中と認識しております。近時はロシアのウクライナ侵攻を発端とするエネルギー・商品価格高騰により、世界的なインフレに拍車が掛かっている状況ですが、緩みのない高感度の情報収集と注意深い状況観察をもとにマネジメント主導で適切に判断し、迅速な対応を図っております。
(2) 感染症(パンデミック)のリスクについて
新型コロナウイルスは世界中に拡散し、人々の社会生活や経済活動を一変させ、当社グループの主力マーケットである食品業界では、特に外食関連において深刻な打撃を与えております。
当社グループについて、新型コロナウイルスに関して想定されている主要なリスクは次の通りであります。
① 国内外にて需要減少により販売が低下するリスク(国内外の外食関連で現れておりますが、他の分野で挽回を 図っております。)
② 販売ルートのいずれかで信用面の悪化が生じ連鎖するリスク(現時点では特に顕在化しておりません。)
③ 生産拠点あるいは物流、サプライチェーンにおいて何らかの支障が生じ、販売用の仕入れ商品の調達が滞るリ スク(現在までのところ仕入商品は概ね順調に確保できておりますが、特に輸入仕入に関し、世界的なコンテナ不足と海上輸送の停滞は現在も続いており欠品を回避するよう、的確に情報収集の上、注意深く対応しております。)
④ 顧客・取引先と対面商談ができないことによるリスク(オンラインによる商談によりカバーされ、現時点では特に顕在化しておりません。ただ今後、海外出張できない期間がさらに長期化しますと、海外での商品開発が滞る可能性が生じてまいります。)
⑤ 当社グループのいずれかのユニットで社内感染により業務が停止するリスク(万全の予防と、万一発生した場合に備え、リスクの回避・分散に努めております。)
⑥ リモートワークに伴う業務機能の低下、あるいは社員の精神的な不安、ストレス等のリスク(新しい働き方と してIT等を駆使し、積極的に取り組んでおり、現時点では特に顕在化しておりません。)
⑦ 金融市場の混乱、あるいは当社グループの不測の業績悪化により資金調達に支障が生じるリスク(現時点では 全く問題になっておりません。また取引金融機関とは円滑、安定的な関係維持を図っております。)
例年、インフルエンザ等はありますが、これほどのパンデミックは1920年代のスペイン風邪以来と言われており、発生の可能性は低位であると認識しております。しかしながら、新型コロナウイルスが当社グループ商品の需要先の一つである国内外の外食関連に対し厳しい打撃を与えているため影響度は大と考えられ、中食等影響を受けていない分野の営業強化や新しい販売チャンネルの開拓等を継続して検討してまいります。
(3) ITリスクについて
当社グループは、ITを活用し事業活動を効率的に進めるために、多くのITシステムを運用しています。これらを安全に運用するために権限責任の明確化、チェック体制、外部からの侵入対策、社員教育等情報セキュリティ体制の強化に努めております。しかしながら、サイバー攻撃を含む意図的な行為により、情報の漏洩、消失、各種障害等の影響を受け、信用低下や事業活動が一時的に中断することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに大事に至る当該リスクの発生の可能性は中位、影響度は中と認識しております。引き続ききめ細かく管理し、不測の事態が起きないよう努めてまいります。
(4) 食の安全について
当社グループは、取扱商品の多くを海外から調達しており、その衛生管理に関し、専門部署による品質チェック、海外製造元に対する監査・指導等を通じ、万全な品質管理体制を敷き、十分な注意を払っておりますが、偶発的な事象等による商品事故や当社グループの取り組み範囲を超えるトラブルが発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。不断の管理により未然防止に努めているため、過去においてリスクは最小限に抑えてまいりましたが、食の安全安心の観点から慎重を期し発生の可能性は高位、影響度は、当社グループの取扱商品が多岐にわたることから個々の商品としては小と認識しております。引き続き事故に繋がるいかなる兆候も見逃さず、油断なく管理を行ってまいります。
(5) 取引先の信用リスクについて
当社グループでは、国内外の取引先との商取引に伴い発生する売掛債権等の信用リスクが存在します。債権の回収不能という事態を未然に防ぐため、情報収集や与信管理等を徹底し、取引信用保険を付保して、債権の保全策を講じております。また、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を見積り、回収不能見込額を貸倒引当金に計上しております。しかしながら、取引先の予期せぬ事態により信用状況等が大きく悪化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。ここ約10年来、管理強化に取り組んできた結果、本件リスクが顕在化したことはほとんどありませんが、実際の貸倒引当金の計上事案等を鑑み、発生の可能性は高位、影響度は、与信先の分散により小と認識しております。引き続き緻密に管理を行ってまいります。
(6) 物流等のインフラ機能不全の影響について
当社グループは、輸出入取引に係る貿易業務、常温もしくは冷蔵・冷凍保管、運送をそれぞれに強みのある取引先業者に委託し、それらを通じ様々な物流関連のインフラを利用しております。後述する自然災害のケースのみならず、突発的な電力等の供給不足、大規模ネット障害等によりインフラ機能に支障が生じ、その対応のため、一時的に、関連コストの増加を余儀なくされる場合があります。一方で、物流業界の慢性的な人手不足は、将来的に物流コストの上昇を招くものであり、現に当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼしておりますが、物流を担当する専門部署を設置し、物流の最適化を進めており、それをもとに発生の可能性は低位、影響度は中と認識しております。
(7) 競合について
当社グループは、専門商社として取扱商品をコーヒー焙煎業者、飲料メーカー、業務用食品問屋、量販店、外食チェーン等へ販売しており、競合他社に対する差別化を図るため主に商品の魅力、特性を訴求しております。今後、消費者の嗜好変化に伴う需要変動、新規参入、販売先の系列化等の影響により競争がさらに激化するような場合には収益性が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。流行商品は変遷し、販売先の事業見直しや合従連衡は起きていますが、大規模なものの発生の可能性は中位、影響度は小と認識しております。当社グループの商品開発力、営業力に磨きをかけ、一層の競争優位を図ってまいります。
(8) 人材リスクについて
当社グループにあっては人材が最重要の経営資源であり、新卒及び中途採用を通じて優秀な人材の獲得及び育成に力を入れております。しかしながら、これら優秀な人材の退職や日本国内における少子高齢化に伴う労働人口の減少、産業構造の変化等により人材の確保が計画どおりに遂行できなかった場合、あるいは予見し得なかった突発的な事情により相応に知見・技能を有した人材の手当てが相当期間できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに当該リスクの発生の可能性は中位、影響度は小と認識しております。社員エンゲージメントを高めるために、各社員がモチベーションを持ってそれぞれの能力を伸ばしながら安心して働ける環境作り、ニューノーマルな働き方の採用、適切な待遇、加えて緻密で整合性のある事業計画と要員計画の実践、これらを通じ安定した要員体制を保持してまいります。
(9) 海外事業展開について
当社グループは、中長期的な視点で今後の国内需要の伸びに大きな期待をすることは難しいため、漸次、輸出事業の他、販売・製造拠点展開等の海外事業を拡大させております(持分法適用関連会社を含む)。それぞれの案件の採算を慎重に検証し、分散を図り、進捗ペースは既存の事業収益と適度なバランスが保たれるようコントロールしておりますが、対象国・地域に関して政治・経済情勢の変化、政策変更の他、自然災害、テロ、争乱等の予期し得ないリスクも存在しております。そうしたリスクの顕在化の程度が著しい場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに当該リスクの発生の可能性は中位、影響度は海外事業のボリュームが依然小さいため小と認識しております。きめ細かな情報収集と管理により、不測の事態が起きないよう努めてまいります。
(10) 保有資産の減損等のリスクについて
当社グループは、グループ会社にてコーヒー・飲料関連の加工工場を有し、対象事業の維持と拡大を図るため、漸次、機械設備等の増強、保守・更新を行っております。そうした投資案件に関し、金額・内容の妥当性や損益・資金収支の見通し等を慎重に検討の上、金額に応じ取締役会等で決定し、適切に進めております。しかしながら予期せぬ事態の発生により需要が当初予測を大幅に下回った場合、対象資産に係る損益・資金収支に影響を与え、それが高じた際には減損を余儀なくされ、それらにより当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに当該リスクの発生の可能性は低位、影響度は中と認識しております。引き続き投資判断を厳正に行うとともに、投資後案件をマネジメントレベルで定期的にレビューすること、保有資産の稼働状況、需要及び損益の先行き見通しを適切に管理することにより、不測の事態が起きないよう努めてまいります。
(11) 有利子負債の依存度について
当社グループは、運転資金及び設備投資資金等を主に金融機関からの借入れにより調達しており、総資産に占める有利子負債の割合が2022年3月決算期で28.9%(有利子負債残高(リース債務を含む)8,945百万円/総資産30,846百万円)といった水準にあります。収益力向上とキャッシュフロー重視の経営によりこの水準を引き下げ、金融機関とは円滑、安定的な関係維持を図っておりますが、金融環境の変化により金利が大きく上昇した場合、あるいは金融市場の動揺、当社信用力に係る評価の著しい悪化等で資金調達が制約を受けた場合、調達コストの増加等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまで本件リスクが顕在化したことはなく、発生の可能性は低位、影響度は小と認識しております。引き続き当社グループのバランスシートに万全の注意を払い、金融市場の状況を見ながら、円滑、安定した金融機関取引を継続してまいります。
(12) 気候変動リスクによる影響について
気候変動や地球温暖化の原因とされるGHG(温室効果ガス)削減が世界的に叫ばれるなか、当社グループの主要取扱商品であるコーヒーに関しては、コーヒー豆の生産地が2050年まで半減するという「2050年問題」が注目され、当社グループとしても検討すべきリスクファクターに含めております。また、他の商品についても少なからず気候変動の影響を受けるものと考えられます。本件は長期的に取り組むべきテーマであり、現時点では発生の可能性は低位、影響度は小と認識しておりますが、目下、グループ全体としてGHG(温室効果ガス)排出量の合理的な算出に取り組んでおり、さらにScope1、2、3それぞれの具体的な削減に向けた活動を推進してまいります。同様の観点で、当社グループはSDGsへの取り組みをグループ挙げての方針に掲げており、その一環として、近畿大学との共同で、コーヒー豆かす由来のバイオ燃料により焙煎したコーヒーの開発等も進めております。
(13) 自然災害等による影響について
当社グループでは、自然災害等により事業所や設備の損壊による事業活動の低下や停止等、不測の事態が発生する可能性があるため、リスク管理委員会において対応の整備を図っております。しかしながら、予期せぬ自然災害等により想定を著しく超える事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験や統計的な判断をもとに大事に至る当該リスクの発生の可能性は低位、影響度は小と認識しております。BCP(事業継続計画)の強化を図りながら、想定外に対応するような事前検討・準備を怠りなく行い、きめ細かな状況分析に基づく的確な判断により、著しい影響の回避を図ってまいります。
(14) 需要期の季節集中について
当社グループは、取扱商品の多くの需要期が冬場で、特にその一部は年末・年初に繁忙期を迎えるため、売上高・利益の計上が下半期、なかんずく第3四半期に偏っております。従前より夏場商品の開発等により平準化を試みておりますが、これまでのところ成果は捗々しくなく、もし需要期・繁忙期に突発的な自然災害、事変等が発生し、充分な需要を確保できないような事態が発生した場合、年度を通じた業績への影響等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに大事に至る当該リスクの発生の可能性は低位、影響度は小と認識しております。引き続き夏場商品の開発を進めるとともに、きめ細かな状況分析に基づく的確な判断により、著しい影響の回避を図ってまいります。
(15) 法的規制等について
当社グループは、事業の遂行にあたって、品質・衛生・表示面について食品衛生法、JAS法及び食品表示法等を遵守しております。しかしながら、海外との取引が盛んな当社は、日本のみならず海外各国の法的規制も受けており、各国で法令の変更や新たな法令の施行等があった場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。またこれらにより、各種規制事項を遵守するためのコストが増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに大事に至る当該リスクの発生の可能性は低位、影響度は小と認識しております。引き続き、きめ細かな状況分析に基づく的確な判断により、不測の事態が起きないよう努めてまいります。
(16) 投資有価証券について
当社グループは、良好な取引関係を維持する目的で一部の取引先企業の株式を保有しております。これらの保有 株式に関し定期的に取引関係、保有メリットが資本コストに見合っているかを精査し、保有の適否を見直すことと しておりますが、景気や市場動向、発行体の信用状況等の急激な変化により保有している有価証券の価格が著しく下落した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに大事に至る当該リスクの発生の可能性は低位、影響度は小と認識しております。引き続き、きめ細かな精査と見直しにより、著しい影響の回避を図ってまいります。
(17) 繰延税金資産について
当社グループは、わが国において一般的に通用する会計規則に則り、将来の課税所得を合理的に見積もり、回収可能性を検討した上で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得の見積もり等に大きな変動が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が計上され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに大事に至る当該リスクの発生の可能性は低位、影響度は小と認識しております。引き続ききめ細かく管理し、不測の事態が起きないよう努めてまいります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス変異株の拡大等を背景に、個人消費をはじめ景気回復に鈍さが見受けられた後、ワクチン接種の普及が進んだこともあり、各種規制緩和等が行われ、景気対策や海外経済の回復等により景気は持ち直しの動きが見られました。しかしながら、2022年に入り、円安、ウクライナ情勢緊迫化の影響により資源価格が高騰する等、先行きが不透明な状況となりました。
海外に関しても、総じて回復基調が続いており、米国は、インフレ傾向が強まり、その政策対応が注目されております。一方欧州は、ウクライナ情勢の影響により先行きが不透明な状況となりました。
当社グループの主力マーケットである食品業界におきましては、外食産業で全国的に時短要請が解除され、緩やかな回復傾向にありますが、特に夜間の客足がさほど伸びず、回復は低調にとどまっているもようです。
当社グループの業績に影響を与える為替相場におきましては、期初1ドルあたり110円台で始まり、緩やかなドル高円安基調で推移し、2022年に入ってドルが次第に切り上がり、3月には日米金利差の拡大によりさらにドル高円安傾向が強まり、期末では120円台となりました。
コーヒー業界におきましては、コーヒー相場は期初は1ポンドあたり121.60セントからスタートし、6月末にかけて160セント台に上昇後、7月後半にブラジルの主要生産地で発生した降霜により来年度の大幅な減産が懸念されたことにより207セント台まで急上昇いたしました。8月初めには一時172セント台まで戻したものの、降霜と干天による減産懸念、国際物流の停滞による消費国在庫の減少等が材料視され、10月初めに再び200セント台を超えた後、投機筋の積極的な買いも入り2月には259セントを記録しました。その後リスクオフの売りが進み211セントまで下落し、3月末は226セントとなりました。
このような状況のなか、当社グループは、新型コロナウイルスを契機とした食の構造変化への適応を図るよう、家庭用商品、中食向け弁当・惣菜等に力点を置いて営業を展開するとともに、コーヒー相場・円安や海上運賃の高騰に対するお客様のご理解の浸透を進めております。また、世界的なコンテナ不足と海上輸送の停滞は現在も続いており欠品を回避するよう、事前情報の入手に努め、一層きめ細かな在庫管理と物流管理を行っております。さらに、ITの推進・強化の効果をリモートワークや会議・商談の効率化はもとよりRPA(Robotic Process Automation)等にも広げ、様々なアクションを進めております。当事業年度は2019年度からスタートさせました中期経営計画「i(アイ)プロジェクト」の最終年度となりますが、当初掲げた数値目標の達成と定性目標の仕上げだけでなく、次期中期経営計画との繋がりも意識し、GHG(温室効果ガス)を削減しながらの企業成長や、社会的課題の解決のビジネス化等についても検討しております。
その結果、特に後半において販売価格が原価上昇をカバーしきれず、当連結会計年度における売上高は46,729百万円(前年同期比15.3%増加)、売上総利益は6,637百万円(前年同期比5.5%増加)、営業利益は695百万円(前年同期比23.6%減少)、経常利益は793百万円(前年同期比5.3%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は532百万円(前年同期比13.4%増加)となりました。
なお、上記の前年同期比のベースとなる2021年3月期の数字には、決算期のズレを踏まえた企業結合上、同期第1四半期に対応する期間に関し、東京アライドコーヒーロースターズ株式会社の業績が含まれておりません(第1四半期に対応する期間の同社の売上高は1,413百万円でした)。
各部門別の状況は次のとおりであります。
コーヒー・飲料部門
コーヒー生豆は、輸出が好調だったこと、自家焙煎店卸等の家庭用ルートが好調だったことにより販売量が増加いたしました。加えて、コーヒー相場が高騰した影響により売上高が増加いたしました。
紅茶等の飲料原料は、飲料メーカー向けの販売が好調だったことにより前期比を大きく上回り、販売量が増加いたしました。
その結果、コーヒー飲料原料の売上高は前年同期比31.2%増加いたしました。
2) コーヒー飲料製品
レギュラーコーヒーは、コーヒーバッグや原料用バルク商品の販売量が増加いたしました。また、通信販売ルートが好調だったことも販売量の増加を支えました。さらに、コーヒー相場の高騰により販売価格を見直したことで売上高が増加いたしました。
加えて、上述の東京アライドコーヒーロースターズ株式会社の3か月分の売上高1,413百万円の計上が、前年同期比の主な増加要因となりました。
その結果、コーヒー飲料製品の売上高は前年同期比22.8%増加いたしました。
これらの理由により、コーヒー・飲料部門の売上高は19,729百万円と前年同期比26.4%の増加となり、売上総利益は2,917百万円と前年同期比4.6%の増加となりました。
食品部門
1)加工食品
新型コロナウイルス感染拡大による外食業界の落込みのカバーとして、メディカル給食、量販惣菜、製パン向けの深耕に注力いたしました。
ドライ商品は、量販店向けトマト缶詰が好調に推移したことに加え、給食向けフルーツ缶詰の販売が増加したことにより、売上高は前年同期比4.9%増加いたしました。
フローズン商品は、量販惣菜とベーカリー業態への販売推進により水産調理品の販売が増加したことに加え、世界的なジャガイモの供給不足に伴い、新商品として中国産フライドポテトの販売を開始したことにより、売上高は前年同期比4.7%増加いたしました。
メーカー商品はドライ・フローズンともに、昨年著しく減少した外食向けの販売が回復に向かい、売上高は前年同期比2.3%増加いたしました。
その結果、加工食品全体の売上高は前年同期比3.6%増加いたしました。
2)水産
水産では、大手回転寿司チェーンでのフェアメニューの獲得に注力したことにより、昨年著しく減少した外食向けエビ商品の販売が増加いたしました。
その結果、水産の売上高は前年同期比4.6%増加いたしました。
3)調理冷食
調理冷食は、唐揚げの市場規模拡大に伴い、関連する商品への取り組みに注力したことに加え、外食市場の回復もあり、鶏肉加工品の販売が大きく増加いたしました。
その結果、調理冷食の売上高は前年同期比4.3%増加いたしました。
4)農産
生鮮野菜は、海外産玉葱が食品メーカー向けの販売シェア拡大と夏場の天候不順による需要増加から売上高が大きく増加いたしました。
農産加工品は、既存得意先の販売シェア拡大により唐辛子の販売が増加したことに加え、水煮山菜類の新規開拓に注力したことにより販売が増加いたしました。
その結果、農産の売上高は前年同期比14.3%増加いたしました。
これらの理由により食品部門の売上高は22,357百万円と前年同期比6.7%の増加となりましたが、売上総利益は産地価格上昇、コンテナ不足、原油高、円安等に伴うフレイト等の費用高騰により、2,813百万円と前年同期比3.3%の減少となりました。
海外事業部門
新型コロナウイルス感染拡大により飲食店向けの業務用食材を主に手掛ける得意先向けの輸出が減少いたしましたが、アジア及び欧州の主要顧客向けの輸出において、巣ごもり需要に支えられ家庭用商品の輸出が増加いたしました。また、インドネシアのグループ会社にてコーヒーの商品開発を行い、中国をはじめとしたアジア向けに輸出を開始いたしました。さらに、中国国内でのコーヒー生豆の販売増加により業績が伸張している中国現地法人が収益を押し上げました。
その結果、海外事業部門の売上高は4,642百万円と前年同期比17.8%の増加となり、売上総利益は906百万円と前年同期比53.7%の増加となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ563百万円減少し、4,154百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は731百万円(前連結会計年度は2,259百万円の収入)となりました。その主な内容は、棚卸資産の増加2,321百万円に対し、仕入債務の増加1,397百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は661百万円(前連結会計年度に比べ使用した資金は395百万円増加)となりました。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出540百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は798百万円(前連結会計年度は882百万円の使用)となりました。その主な内容は、借入金及び社債の収支による収入1,079百万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は単一セグメントに該当するため、部門別に生産、受注及び販売の状況を記載しております。
当社グループのうち連結子会社において飲料製品(レギュラーコーヒー・インスタントコーヒー)の生産を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、生産実績及び受注状況については記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高46,729百万円(前年同期比15.3%増加)、売上総利益6,637百万円(前年同期比5.5%増加)、営業利益695百万円(前年同期比23.6%減少)、経常利益793百万円(前年同期比5.3%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益532百万円(前年同期比13.4%増加)となりました。年度初めは、新型コロナウイルス変異株の拡大等を背景に緊急事態宣言、まん延防止措置が発出され、食品業界の特に外食産業におきましては、様々な営業制限を余儀なくされ厳しい経営環境が続いておりました。その後ワクチン接種の普及が進んだこともあり、各種規制緩和等が行われ、これに伴い外食産業向けの販売が回復に向かいました。当社グループは新型コロナウイルスを契機とした食の構造変化への適応を図るよう、家庭用商品、中食向け弁当・惣菜等に力点を置いて営業を展開するとともに、一層きめ細かな在庫管理と物流管理を行ってまいりました。しかしながら、コーヒー相場の高騰や海上コンテナ不足による海上運賃の高騰、及び急激な円安の影響により修正した業績予想値と実績値に差異が生じる結果となりました。
当事業年度は2019年度からスタートさせました中期経営計画「i(アイ)プロジェクト」の最終年度となりますが、当初掲げた数値目標の達成と定性目標の仕上げだけでなく、次期中期経営計画との繋がりも意識し、GHG(温室効果ガス)を削減しながらの企業成長や、社会的課題の解決のビジネス化等についても検討してまいりました。依然として新型コロナウイルスは企業の経済活動並びに人々の社会活動に影響を及ぼし続けておりますが、当社グループは、そうした環境の変化を機会ととらえ、迅速かつ的確に対応するとともに新たな時代に求められるビジネス構造を見据え、事業の持続的成長を目指してまいります。
(単位:百万円)
連結会計年度の財政状態に関しては、売上債権・仕入債務が期末近くの取引活発により概ね並行する形で増えており(売上債権は1,001百万円増加、仕入債務は1,397百万円増加)、加えて、コーヒー相場の高騰及びコンテナ不足による商品の欠品防止に備えたため、棚卸資産が増加(2,321百万円増加)、それに伴い借入金も増加(1,135百万円増加)しております。当連結会計年度末の現預金の残高は月商の1.09ヶ月と当社グループとしては特に問題ない水準ですが(前連結会計年度末は1.43ヶ月)、先行き不透明な状況のなか、不測の事態に備えるとともに、引き続き財務の健全化を意識し取り組んでまいります。
部門別の経営成績の状況は次のとおりであります。
コーヒー・飲料部門 ・・・ 売上高: 19,729百万円 (前年同期比26.4%増加)
売上総利益: 2,917百万円 (前年同期比4.6%増加)
食品部門 ・・・ 売上高: 22,357百万円 (前年同期比6.7%増加)
売上総利益: 2,813百万円 (前年同期比3.3%減少)
海外事業部門 ・・・ 売上高: 4,642百万円 (前年同期比17.8%増加)
売上総利益: 906百万円 (前年同期比53.7%増加)
コーヒー・飲料部門は増収増益となっておりますが、自家焙煎店等の家庭用ルートへの販売が好調だったこと、コーヒー相場の高騰により販売価格を見直したこと及び連結子会社となった東京アライドコーヒーロースターズ株式会社の3か月分の売上高1,413百万円及びそれに伴う利益が前年同期比増加の主な要因であります。食品部門は増収減益となっておりますが、これは主に想定以上の急激な円安及び海上運賃等の高騰が利益率低下につながったものであります。海外事業部門は増収増益となっておりますが、輸出先国での巣ごもり需要を捉えることができたこと、加えて中国現地法人の業績好調が後押ししたものであります。今後はGHG(温室効果ガス)削減を図りながら、さらなる事業の持続的成長を目指してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、現金及び現金同等物において期末残高は、前連結会計年度末に比べ563百万円減少し、4,154百万円となりました。また営業活動によるキャッシュ・フローは営業活動の結果使用した資金は731百万円となり、これは、主に棚卸資産の増加(2,321百万円)に対し、仕入債務の増加(1,397百万円)が大きく影響しております。当社が特に重視している運転資本関連項目の回転期間の推移は以下のとおりです。業態を勘案すれば特に問題ない水準と考えており、引き続きキャッシュ・コンバージョン・サイクルを注視しながら適切な運営を行ってまいります。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは適切な自己資本比率を維持しつつ、自らの外部調達の限界を充分にわきまえながら、円滑、安定的な資金繰り運営と手許流動性の維持を行っております。2002年の株式店頭登録以降、資本(エクイティ)による資金調達の実績はなく、調達の源泉は基本的に金融機関からの外部調達に依存しております。その推移は以下のとおりであり、安定しております。各金融機関とは親密な取引関係維持を図っておりますが、新型コロナウイルス等による金融市場動揺のリスクに備え、一部金融機関からの短期借入金の調達枠の一部をコミットメントラインに振り替え、危機対応を講じております。
(単位:百万円)
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。ただし見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果がこれらの見積りと異なる場合があります。それに関連する主な項目は以下のとおりであります。
a 貸倒引当金について
当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒が懸念される特定の債権については個別に回収可能性を検討し、債権の回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。
b 繰延税金資産について
繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を検討し計上しております。
c 保有資産の減損リスクについて
当社グループは、投資案件に関し、金額・内容の妥当性や損益・資金収支の見通し等を慎重に検討の上、金額に応じ取締役会等で決定し、適切に進めております。
d 投資有価証券について
当社グループは、保有株式に関し定期的に資本コストに見合っているか等を精査し、保有の適否を見直すこととしております。
e 賞与引当金について
当社グループは、従業員に対する賞与支給に充てるため、業績を鑑み、支給見込額を見積り計上しております。
f 棚卸資産の評価について
当社グループは、棚卸資産を主として移動平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法)で評価しておりますが、収益性の低下による簿価の切り下げは、一定の仮定及び販売可能性の判断に基づいております。
該当事項はありません。
特記すべき研究開発活動はありません。