第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 当連結会計年度の経営成績の分析」をご参照下さい。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 資本の財源と資金の流動性及び調達状況について」をご参照下さい。

 

(3) 日本基準により作成した場合の連結財務諸表との差異

IFRSにより作成した連結財務諸表と日本基準により作成した場合の連結財務諸表との差異の主な内容及び概算額は、以下のとおりであります。

 

(収益の表示方法)

日本基準では、当社グループが当事者として行った取引額及び当社グループが代理人として関与した取引額を総額で売上高として表示しますが、IFRSでは、代理人として関与したと判定される取引については純額で収益を表示します。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、当期の商品の販売に係る収益及び原価がそれぞれ約2兆1,902億円減少しております。

 

(のれんの償却に関する事項)

のれんについて、日本基準では一定の期間で償却しますが、IFRSでは償却を行いません。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、当期の販売費及び一般管理費が約57億円減少しております。

 

 

 

 

2 【販売の状況】

当期における報告セグメントごとの販売実績(売上高)は以下のとおりであります。

 

セグメントの名称

前期

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当期

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

前期比
(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

自動車

317,770

7.9

283,155

7.6

△10.9

航空産業・情報

627,883

15.7

574,670

15.3

△8.5

環境・産業インフラ

279,264

7.0

220,509

5.9

△21.0

エネルギー

133,003

3.3

80,396

2.1

△39.6

石炭・金属

494,624

12.3

451,994

12.1

△8.6

化学

622,956

15.5

596,561

15.9

△4.2

食料・アグリビジネス

365,197

9.1

302,070

8.1

△17.3

生活資材

902,480

22.5

990,546

26.4

9.8

リテール事業

216,858

5.4

194,614

5.2

△10.3

その他

46,609

1.3

51,028

1.4

9.5

合計

4,006,649

100.0

3,745,549

100.0

△6.5

 

(注) 1 成約高と売上高の差額は僅少なため、成約高の記載を省略しております。

2 売上高は、日本の会計慣行に従い、当社グループが当事者として行った取引額及び当社グループが代理人として関与した取引額の合計であります。当該売上高はIFRSに基づく収益と同義ではなく、代替されるものでもありません。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。

相手先

前期

当期

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

TSネットワーク㈱

553,411

13.8

639,321

17.1

 

4 記載金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、以下の「企業理念」を掲げ、企業価値の向上に取り組んでおります。

 

(企業理念)
双日グループは、誠実な心で世界を結び、
新たな価値と豊かな未来を創造します。
 
(双日グループスローガン)

New way, New value

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2015年4月からの3ヶ年計画である「中期経営計画2017」 ~Challenge for Growth~ において、将来の成長を見据えた挑戦を続け安定的な収益基盤を拡大し、企業価値を向上させていくことを目指しております。

 

<中期経営計画2017 概要>


 

  当社グループは機能を軸とした取り組みを進め、トレードと投融資の両輪で成長の実現を図ります。そのための投融資として、中期経営計画3年間で合計3,000億円程度を計画しております。これらにより当期純利益(当社株主帰属)を安定的に500億円以上稼ぎ出す収益基盤を構築し、最終年度の当期純利益(当社株主帰属)は600億円以上を目標といたします。

 

(3) 今後の見通し及び対処すべき課題

「中期経営計画2017」の2年目である2016年度は、消費拡大による米国経済の安定成長や資源価格の回復があった一方で、米国の新政権による政策の影響が見通せないことや、中国経済の成長率の鈍化など、不透明な状況が継続しました。このような環境の下、為替の円高影響による減収や、持分法による投資損益の減少があったものの、海外石炭事業の販売価格上昇などによる石炭事業での増益や、航空機関連取引の増加による増益などにより、当期純利益(当社株主帰属)は408億円となり、期初見通しを達成しました。また、ROAについては、中期経営計画で掲げる目標の2%に対し1.9%となっております。
 成長戦略においては、将来に亘る安定的収益基盤の構築、収益の塊となる事業領域の拡大・創出のための投融資を進めていますが、2年間での新規投融資の累計額は約1,600億円となりました。今後、優良資産の積み上げを更に加速させ、中期経営計画3年間の累計投融資額は当初計画通りの3,000億円を見込んでおります。
 
 「中期経営計画2017」の最終年度となる2017年度の業績見通しは、当期純利益(当社株主帰属)500億円としております。また、ROA、ROEなど中期経営計画策定時に目標としていた経営指標については、最終年度における達成を見込んでおります。
 当期純利益については最終年度目標に達しませんが、成長戦略の実行スピードを更に加速させ、環境変化に対する耐性を高め、中期経営計画で掲げる、「安定的な収益基盤の拡大」に積極的に取り組んでまいります。

2018年3月期の連結業績見通しは、以下のとおりです。

 

   売上高(注)       4兆1,000億円
    営業活動に係る利益       550億円
    税引前利益           690億円
    当期純利益(当社株主帰属)   500億円

 

(注) 売上高は、日本の会計慣行に従い、当社グループが当事者として行った取引額及び当社グループが代理人 として関与した取引額の合計であります。         

 

※将来情報に関するご注意

上記の文中における将来に関する事項は、現在入手可能な情報から当社が当期末現在において合理的であるとした判断及び仮定に基づいて記載しております。「4 事業等のリスク」に記載の要因及びその他の要因により、実際の連結業績は見通しとは異なる可能性があります。

 

(4) 利益配分に関する基本方針

当社の利益配分に関する基本方針につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照下さい。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載しております、事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、目標、一定の前提又は仮定のもとでの予測などであります。

 

(1)事業上のリスク

当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。そのため、「リスク管理基本規程」に則り、リスクを分類・定義した上で各々のリスク項目ごとに任命されたリスク管理責任者が年度初めに「リスク管理運営方針・運営計画」を策定し、四半期ごとに進捗、改善状況をモニタリングしたうえで年度末に総括を行っております。分類したリスクのうち、計測可能なリスク(市場リスク・信用リスク・事業投資リスク・カントリーリスク)に関しては、リスクを計測し、算出したリスクアセットの数値に基づいて管理しております。また、計測を行わないリスク項目(法務リスク、コンプライアンスリスク、環境・社会(人権)リスク、資金調達リスク、災害リスク、システムリスク)については、四半期のモニタリングの対象として管理しております。当社グループは、こうした様々なリスクに対処するため、必要なリスク管理体制を整備し、リスク管理にあたっておりますが、これらのすべてのリスクを完全に回避できるものではありません。

 

当社グループの事業に関しては、以下のようなリスクがあります。

 

① マクロ経済環境の変化によるリスク

当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的或いは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 市場リスク

当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、並びに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクにさらされております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや、先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。

 

(a)為替リスク

当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(b)金利リスク

当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を勘定科目毎に金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(c)商品価格リスク

当社グループは、総合商社として様々な業務分野において多岐にわたる商品を取扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。市況商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額とロスカットポイントを設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額がロスカットポイントに抵触した場合、速やかにポジションを解消し、以降の当該年度中の新規取引を禁止するルール)を制定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。在庫商品に関しては適正水準にコントロールするために事業別に月次でモニタリングを行うなどの施策を行っております。

 

(d)上場有価証券の価格リスク

当社グループは、市場性のある有価証券を保有しており、特に上場株式に関しては保有意義を定期的に確認しておりますが、大幅な株価下落によって当社グループの投資ポートフォリオを毀損し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 信用リスク

当社グループは、多様な商取引により国内外の多数の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。こうしたリスクに対処するために、当社グループは、信用供与を行っている取引先ごとに客観的な手法に基づく11段階の信用格付けを付与すると共に、信用格付けを参考に取引先ごとの取引限度を設定し、信用供与額を取引限度に収めることにより信用リスクをコントロールしております。また、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの保全措置を講じております。さらに、債権査定制度により、当社グループが営業債権を有する取引先の中から一定の基準により査定先を抽出したうえで、その信用状態と当社グループの債権、保全などの状況を点検することで、信用リスクの状況把握と個別貸倒引当金算定の厳格化に努めております。延払・融資・保証行為に伴う信用リスクは、別途、収益性が信用リスクに見合ったものかを定期的に評価し、リスクに見合う収益を生まない取引については、収益性改善又は信用リスク抑制の措置を講じることとしております。
 しかしながら、こうした与信管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 事業投資リスク

当社グループは、主要な事業活動のひとつとして様々な事業に対して投資活動を行っておりますが、事業投資や権益投資などにおいて投資価値が変動するリスクを負っております。さらに、事業投資の多くがもつ流動性の低さなどの理由により、当初意図していた採算で投資を回収できないリスクがあります。
事業投資から発生する損失の予防・抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の審議における厳格なスクリーニング、事後管理、並びに撤退について各々基準を設け、管理を行っております。
新規事業投資案件のスクリーニングでは、キャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を精査し事業性を厳格に評価すると共に、キャッシュ・フロー内部収益率(IRR)のハードルを設定し、リスクに見合った収益が得られる案件を選別できる仕組みを整えております。
 既に実行済みの事業投資案件については、問題事業を早期に発見し適切な措置を講じることで損失を極小化するために、定期的に事業性を評価するなどプロセス管理を徹底しております。また、事業投資案件の問題点を早期・事前に把握し、撤退・整理損を極小化する目的で、撤退条件を設定し、リスクに見合った収益を生まない投資から適時適切に撤退するための意思決定に活用しております。
 このように、新規事業投資実行時のスクリーニングの仕組み及び案件の事後管理に係る手続きを整備してはおりますが、期待通りの収益が上がらないリスクや事業活動そのものを計画通りに行えないリスクを完全に回避することは困難であります。当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性や、当該事業のパートナーとの関係など個別の事由により当社が意図したとおりの撤退ができない可能性があり、これらの場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当社は、100%子会社のSojitz Graos Brasil Participacoes Ltda.を通じて、ブラジルにおいて穀物集荷事業を行っている持分法適用会社のCGG Trading S.A.社(以下CGGT社)へ43.1%出資しております。
 CGGT社は、天候不順による穀物不作に伴う取扱数量の減少や、ブラジル国内の内陸輸送コストの高騰及び積港での滞船料の影響などにより営業損失が拡大、また農家の収益悪化に伴う農家宛て債権の不良債権化などもあり、債務超過となりました。かかる状況を踏まえ、穀物の取扱数量の回復及び拡大には時間を要する見通しであり、当初計画通りの利益を確保出来ないと判断し、当社個別財務諸表において140億円の関係会社等整理・引当損を計上しました。当社連結財務諸表においては、CGGT社に対する取込損失として「持分法による投資損益」61億円の損失及び、投資に係る減損損失として「関係会社整理損」67億円を計上しました。

 

⑤ カントリーリスク

当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。
 カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。
 しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画通りの事業活動を行えない可能性や、損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 固定資産に係る減損リスク

当社グループが保有する不動産、機械装置・運搬具、のれん、鉱業権などの固定資産及びリース資産については、減損リスクにさらされております。当社グループでは、対象資産に対し当期末時点において必要な減損処理を行っております。しかしながら、今後価格下落などによりこれらの対象資産の価値が著しく減少した場合、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 資金調達に関するリスク

当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融システム・金融資本市場の混乱や、格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 環境・人権に関するリスク

当社グループは、双日グループ・コンプライアンス行動基準をはじめ、双日グループCSRポリシー、CSR重点取り組みテーマ(人権、環境、資源、地域社会、人材、ガバナンス)を定め、企業活動とステークホルダーの利益を高い次元で調和させ、発展を目指すと共に、環境、人権リスクの軽減に努めています。しかしながら、当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境や労働安全衛生、人権などにかかわる問題が発生した場合、又は地域住民や環境・人権保護団体などからそれら問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、汚染除去・浄化への対応、訴訟の発生や損害賠償の負担、当社グループの社会的評価の低下などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑨ コンプライアンスリスク

当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、独占禁止法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全体のコンプライアンスの徹底及び指導を図っております。しかしながら、このような取組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 訴訟などに関するリスク

営業活動に関連して、当社グループが国内又は海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告又は当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 情報システム・情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、情報セキュリティ分科会などを中心とした管理体制を構築しております。また、重要な情報システムやネットワーク設備については、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、ファイヤーウォールによる外部からの不正アクセスの防止、ウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。
 このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃や、コンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩又は毀損、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。その場合に被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 自然災害リスク

地震、風水害などの自然災害により事務所・設備・社員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアルの作成、防災訓練、社員安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)「中期経営計画2017」に関するリスク

「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは、2017年度を最終年度とする「中期経営計画2017」を策定しております。策定時において適正と考えられる経済状況、産業動向、その他様々な情報、見通しなどに基づき策定しておりますが、事業環境の急激な変化などの様々な要因により、目標に向けた諸施策が計画したとおり進まない可能性や、期待される成果の実現に至らない可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

特記事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社における重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 3 重要な会計方針」をご参照下さい。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度(以下、当期という)は、消費拡大による米国経済の安定成長や一部新興国経済の持ち直しから、世界経済は安定成長を保ちました。また期初に比べ原油や石炭などの資源価格が上昇したことから、資源国経済も回復基調となりました。一方で、中国の経済成長率の低下や米国の新政権における政策が今後の世界経済に及ぼす影響が見通せないなど、不透明な要素も見られます。
 米国は、個人消費の拡大と雇用の改善を背景に安定的な経済成長が継続し、政策金利の引上げが行われました。しかしながら、新政権発足後、経済政策への期待で大きく上昇した株価は、政権運営に対する不安感から年度末にかけ軟調な動きとなりました。
 欧州は、英国のEU離脱決定に伴う懸念がありましたが、足元の経済への影響は限定的であり、個人消費など域内需要も底堅く推移したことや欧州中央銀行の継続的な金融緩和などにより、経済は緩やかな回復が持続しました。
 中国は、堅調な消費やインフラ投資などの財政支出拡大により経済成長は緩やかな減速に留まっています。しかしながら、外貨準備高の減少や資金流出規制の強化など将来に対する懸念が強まっています。
 アジアは、米国の利上げやドル高に伴う資本流出、通貨安、株安などの影響が懸念されていますが、先進国経済が底堅さを増す中で、輸出の好調もあり安定的な経済成長を維持しました。
 日本は、貿易収支の改善や設備投資の増加が見られる一方、個人消費は足元では伸び悩んでいることから政府目標に比べ引き続き低めの経済成長となりました。

 

当期の経営成績を分析しますと、次のとおりであります。

 

収益は、為替の円高影響に加え、穀物取引の減少などによる食料・アグリビジネスでの減少や、石油製品等の取扱い数量減少などによるエネルギーでの減少などにより、1兆5,553億49百万円と前期比6.2%の減少となりました。
 売上総利益は、海外石炭事業の販売価格上昇などによる石炭・金属での増益や、航空機関連取引の増加による航空産業・情報での増益により、前期比199億46百万円増加の2,006億85百万円となりました。
 営業活動に係る利益は、穀物集荷事業の減損などありましたが、売上総利益の増益や情報産業子会社の一部売却による関連会社化の影響などにより、前期比223億76百万円増加の516億18百万円となりました。
 税引前利益は、持分法による投資損益が減少したものの、営業活動に係る利益の増益などにより、前期比136億86百万円増加の579億55百万円となりました。
 当期純利益は、税引前利益579億55百万円から、法人所得税費用138億79百万円を控除した結果、前期比75億89百万円増加の440億75百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期純利益(以下、当期純利益)は前期比42億34百万円増加し、407億60百万円となりました。
 前期は大幅な為替の円高影響により、税引後その他の包括利益は648億92百万円の損失となりました。当期は為替の円高影響による在外営業活動体の換算差額の減少があったものの、株価の影響などによるその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の増加により税引後その他の包括利益は57百万円となり、当期包括利益は前期比725億38百万円改善し、441億33百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期包括利益は前期比656億68百万円改善し、402億89百万円となりました。

 

次に、これをセグメント別に分析しますと、以下のとおりであります。

 

<自動車>

収益は、米州自動車ディーラー事業での取引増加などにより、1,442億59百万円と前期比2.2%の増加となりました。当期純利益は、前期における自動車関連会社での一過性利益の反動に伴う持分法による投資損益の減少などにより、前期比23億30百万円減少し、35億86百万円となりました。

一部の地域で為替安、原油安による経済成長の鈍化の影響を受けたものの、米国でのBMWディーラー事業やプエルトリコ、タイでの輸入販売事業等が堅調に推移しました。また、米国で培ったビジネスモデルを活かしたブラジルでのBMWディーラー事業をはじめとして、フィリピンでの三菱自動車購入者向けオートローン事業の展開など、事業基盤の拡充に向けて積極的な取り組みを続けてまいります。

 

<航空産業・情報>

収益は、船舶関連取引の増加があるものの、前期における航空機の機体売買取引の反動などにより、885億52百万円と前期比3.5%の減少となりました。当期純利益は、保有船舶の減損損失の計上などがありましたが、航空機関連取引の増加による売上総利益の増益や、情報産業子会社の一部売却による関連会社化の影響などにより、前期比67億78百万円増加し、99億5百万円となりました。

航空分野では、ボーイング社やボンバルディア社関連取引、パーツアウト事業等が順調に推移し、新興国での空港開発に関連する事業への取り組みも進めました。一方、船舶事業では船舶市況の低迷の影響を受けました。情報産業分野では、従来より取り組む主要通信事業会社向けネットワークインフラ構築事業が順調に推移しております。

 

<環境・産業インフラ>

収益は、海外IPP事業の新規取得などにより、1,143億55百万円と前期比7.3%の増加となりました。当期純利益は、国内太陽光発電事業での増益や、前期において石炭・金属セグメントと共同出資している鉄鉱石事業で減損損失を計上した影響などにより、前期比23億45百万円増加し、45億19百万円となりました。

国内での太陽光発電事業への取り組みが順調に拡大したほか、鉄道関連事業では、2013年度より取り組むインドでのプロジェクトにおいて新たに信号・通信工事の受注に成功するなど、再生可能エネルギー、交通・社会インフラ分野での収益獲得が進みました。また、電力事業分野においては、インドネシア、北米において当社初となるIPP事業へ参画しております。

 

<エネルギー>

収益は、石油製品等の取扱い数量減少などにより、474億64百万円と前期比36.0%の減少となりました。当期純利益は、売上総利益の減益に加え、LNG事業会社などの持分法による投資損益の減少などがありましたが、石油ガス権益の売却益を計上したことや、前期における石油ガス権益の減損損失の影響などにより、前期比63億76百万円改善し、5億59百万円の損失となりました。

世界的な供給過剰に伴うエネルギー価格の低迷が続く中、開発・操業費用の継続的な改善や原油・ガス権益の一部売却等を通じて、資産価値の維持・向上に注力しています。また、環境問題への注目が高まる中、LNGなどのクリーンエネルギーへの取り組みを強化しつつ、エネルギー・バリューチェーン展開等、市況の影響を受けにくい安定した収益基盤の確立を進めています。

 

<石炭・金属>

収益は、貴金属、合金鉄取引の減少などにより、2,607億16百万円と前期比3.5%の減少となりました。当期純利益は、海外石炭事業の販売価格上昇などによる売上総利益の増益などにより、前期比53億69百万円増加し、100億30百万円となりました。

新興国における鋼材需要の回復及び世界的なインフラ投資拡大期待を受け、金属資源全般の市況が上昇し、中でも主力の石炭事業は、石炭価格の上昇により順調に推移しました。また、資産のポートフォリオ改善の一環として、一部事業を売却しました。一方で、市況に左右されない安定的な収益基盤の構築が急務であり、トレード・権益・事業のバランスのとれた収益構造を目指すべく、原材料の取り扱いにとどまらず、在庫・加工といった、より中流・下流の事業領域も視野に、付加価値の高い事業を展開していきます。

 

<化学>

収益は、化学品、合成樹脂取引における市況下落や円高影響などにより、3,997億99百万円と前期比2.3%の減少となりました。当期純利益は、前期比10億6百万円減少し、79億79百万円となりました。

化学品、合成樹脂全般で原油安に伴う市況下落の影響を受けましたが、アジア、中国を中心とするトレーディングや北米での石油樹脂事業は堅調に推移しました。また、メタノール取引規模の拡大や化学品の販売基盤の強化にもつながる化学品商社の買収を欧州で実現するなど、収益基盤の一層の強化に向けた取り組みも行いました。

 

<食料・アグリビジネス>

収益は、穀物取引の減少などにより、1,381億17百万円と前期比26.3%の減少となりました。当期純利益は、穀物集荷事業での業績低迷や減損損失の影響などにより、前期比119億8百万円減少し、68億99百万円の損失となりました。

穀物集荷事業では厳しい事業環境の影響を受けましたが、タイ、フィリピン、ベトナムでトップシェアを誇る高度化成肥料事業は販売量も順調に推移し、ミャンマーでの拡販に向け販社を設立しました。マグロ事業では、中国で加工工場を増設し、和歌山県串本で稚魚養殖事業を取得しました。今後も安心・安全な食品・食糧の提供を通じ、生活水準の向上を目指してまいります。

 

<生活資材>

収益は、衣料関連取引の取扱い数量増加などにより、1,797億49百万円と前期比0.2%の増加となりました。当期純利益は、加熱式煙草の取引拡大による売上総利益の増益に加え、前期における海外木材チップ製造事業での固定資産減損損失の影響などにより、前期比15億16百万円増加し、45億74百万円となりました。

繊維事業分野では、国内大手SPA向け衣料品OEM事業、各子会社における糸や生地など繊維製品の製造販売、卸売事業が順調に進捗しました。また木材関連事業では、住宅着工数も高水準であったことや低金利と住宅減税の継続による、消費者の底堅い購買意欲により、堅調に推移しております。今後も、「衣」と「住」に密着し、地球環境や国際社会の発展に寄与してまいります。

 

<リテール事業>

収益は、食肉取引の減少などにより、1,348億22百万円と前期比12.9%の減少となりました。当期純利益は、国内商業施設の売却などにより、前期比6億8百万円増加し、40億50百万円となりました。

アジアで展開する海外工業団地事業では、計画通り引渡しを完了させ、インフラやレンタル工場、サポート事業の提供などを通じて産業発展・雇用創出に取り組みました。また、国内不動産事業も順調に推移したほか、日本における保育所運営事業や、アジア各国の発展段階に応じた食品・リテール、リテールプラットフォーム事業の展開を加速させ、人々の生活水準の向上に貢献しました。

 

(3) 資本の財源と資金の流動性及び調達状況について

① 財政状態

当期末の資産合計は、営業債権及びその他の債権(流動)が煙草関連、化学などで増加したことや、棚卸資産が煙草関連で増加したことなどにより、前期末比817億96百万円増加の2兆1,384億66百万円となりました。

負債合計は、営業債務及びその他の債務(流動)が煙草関連、化学などで増加したことなどにより、535億42百万円増加の1兆5,604億95百万円となりました。

資本のうち当社株主に帰属する持分合計は、当期純利益の積み上がりにより、前期末比301億60百万円増加の5,505億13百万円となりました。
 この結果、自己資本比率(※)は25.7%となりました。また、有利子負債総額から現金及び現金同等物、及び定期預金を差し引いたネット有利子負債は前期末比393億80百万円増加の6,110億7百万円となり、ネット有利子負債倍率(※)は1.1倍となりました。

 

 ※自己資本比率及びネット有利子負債倍率の算出には、当社株主に帰属する持分を使用しております。

 

② キャッシュ・フロー

当期のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは8億57百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは321億79百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは40億29百万円の支出となりました。これに現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は3,086億32百万円となりました。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当期の営業活動による資金は、化学、生活資材における営業債権及びその他の債権の増加や、棚卸資産の増加などによる支出があったものの、石炭・金属、化学における営業債務及びその他の債務の増加などによる収入により、8億57百万円の収入となりました。前期比では990億82百万円の収入減少となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当期の投資活動による資金は、投資の売却などによる収入があったものの、国内太陽光発電事業の設備投資などによる支出により321億79百万円の支出となりました。前期比では17億31百万円の支出減少となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当期の財務活動による資金は、借入金の返済などによる支出により40億29百万円の支出となりました。前期比では1,106億66百万円の支出減少となりました。

 

③ 資金の流動性と資金調達について

当社グループは、「中期経営計画2017」におきまして、従来と同様に、資金調達構造の安定性維持・向上を財務戦略の基本方針としております。現状の長期調達比率を維持することや、経済・金融環境の変化に備えて十分な手元流動性を確保することにより、安定した財務基盤の維持に努めており、当期末の流動比率は171.3%、長期調達比率は82.9%となりました。
 長期資金調達手段のひとつである普通社債につきましては、2016年6月、2017年3月にそれぞれ100億円を発行いたしました。また2017年度に入り、6月に100億円を発行しております。引き続き金利や市場動向を注視し、適切なタイミング、コストでの起債を検討してまいります。
 また、資金調達の機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため、円貨1,000億円(未使用)及び10億米ドル(2.3億米ドル使用)の長期コミットメントライン契約に加え、3億米ドル相当額(未使用)の実行可能期間付長期外貨ファシリティ契約を有しております。