当社は、双日グループ企業理念、双日グループスローガンを掲げ、当社グループの事業基盤拡充や持続的成長などの「双日が得る価値」と、国、地域経済の発展や人権・環境配慮などの「社会が得る価値」の2つの価値の実現と最大化に取り組んでおります。
(双日グループ企業理念)
双日グループは、誠実な心で世界を結び、
新たな価値と豊かな未来を創造します。
(双日グループスローガン)
New way, New value
(双日の価値創造モデル)

(2) 今後の見通し及び対処すべき課題
中期経営計画「中期経営計画2020」について
当社グループは、2018年4月からの3ヶ年計画である「中期経営計画2020」~Commitment to Growth~を策定し、計画の実現に向けた取り組みを推進しております。
本計画において、当社グループは、保有資産の価値拡大と共に、キャッシュ・フローをマネージした規律ある投融資(中期経営計画3ヶ年で合計3,000億円程度)の実行を継続することにより、着実な成長の実現を図ります。親会社の所有者に帰属する当期純利益(以下、当期純利益という)につきましては、中期経営計画期間中において前期比10%程度の成長を図り、最終年度に750億円以上とすることを目標としておりました。
「中期経営計画2020」の詳細は、当社ウェブサイト(https://www.sojitz.com)をご参照ください。

「中期経営計画2020」で目標とする経営指標は次のとおりです。
当社の株主資本コスト7~8%を踏まえ、経営指標としてROE目標を設定しております。また、ROE目標を達成するために、全社でのROA目標を定めると共に、各セグメントにおいても中期経営計画最終年度のROA目標を掲げております。
「中期経営計画2020」に掲げる持続的な成長に向けて、規律あるバランスシートとキャッシュ・フローマネジメントに取り組んでおります。優良な資産の積み上げと資産の入れ替えにより、キャッシュと利益を創出し、キャッシュを伴う利益で自己資本を積み上げ、創出されたキャッシュと、積み増しされた資本を基に、さらに良質な資産への投資と株主還元を行うといった、好循環サイクルを維持する取り組みを掲げております。成長のための投資を継続していくため、このサイクルの中で成長投資と株主還元は、期間収益と資産入替により創出されたキャッシュの範囲内でマネージしていきます。
バランスシートのマネジメントについては、良質な資産への投融資を行うだけではなく、継続的な資産の入れ替えや、資産と事業のバリューアップ、リスクリターンを踏まえた見直しを行うことで、収益性の向上につなげていきます。ネットDERについては、これまで通り、株価や為替の変動があったとしても、1.5倍以下を維持するよう、キャッシュのコントロールを意識していきます。
これらにより、バランスシートと、キャッシュ・フローでの規律を維持しながら、更なる成長を図っていきます。

「中期経営計画2020」の2年目である2019年度は、米中貿易摩擦・中国経済成長の鈍化から、先進国における経済成長の減速が継続しています。また、2020年に入り、新型コロナウイルスによる需要減退・諸産業における販売の大幅低迷など、影響が拡大しております。この様な経済環境において、当社グループの業績は、合成樹脂取引の減少やメタノール価格の下落などによる化学での減収や、海外石炭事業の販売価格下落などによる金属・資源での減収、自動車・リテール関連事業の販売低迷により、当期純利益は608億円、ROAは2.7%、ROEは10.2%となりました。
2021年3月期の見通しにおきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による世界経済の減速が見込まれることから、2020年3月末時点において当社が把握している情報を基に、足元の状況が3ヶ月(2020年6月まで)継続する前提で見通しを策定しており、当期純利益は400億円、ROA1.8%、ROE6.8%を見込んでおります。
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける主な事業は、国内外ロックダウン・外出自粛要請に伴う一部店舗閉鎖の影響を受ける自動車関連事業、産業減退に伴う素材関連の需要減少の影響を受ける鉄鋼関連・化学品といった素材関連事業及び国内外自粛要請に伴う一部商業施設・店舗閉鎖及び消費減退の影響を受けるリテール関連事業などがあり、当期純利益への影響は△230億円を見込んでおります。
「中期経営計画2020」に掲げる持続的な成長に向けて、3,000億円程度の投融資計画に基づき、優良案件を確実に積み増しております。2019年度は、自動車の販売金融会社のほか、太陽光、洋上風力などの再生可能エネルギー、通信タワーをはじめとするインフラ系、空港、商業施設などの投資を810億円実行いたしました。
なお、更なる成長に向けた取り組みとして、世界各国のスタートアップ企業を投資対象としたコーポレートベンチャーキャピタルを設立し、イノベーションの創出、機能の獲得・強化を進めております。
「中期経営計画2017」及び「中期経営計画2020」での投融資からの収益貢献について、実績と見通しの推移は以下の通りとなります。

こうした環境下、キャッシュ・フローのコントロール、全社ポートフォリオ・リスク分散の観点を意識し、2020年度及び将来の大きな収益貢献に繋がる優良案件に対する投融資実行を進めていきます。また、投資実行済の事業・資産のバリューアップを図ることで、持続的成長に向けた投融資の実行、優良資産の積み上げを積極的に進めていきます。
さらに、「中期経営計画2020」では、企業理念の実現と双日の持続的な成長のため、サステナビリティの考え方を従前以上に経営に取り込み、環境・社会に関わる課題解決と双日の事業の更なる融合促進を図るとの方針のもと、6つのサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に沿って、基盤、体制の整備を進めております。また、気候変動、人権などのグローバル課題への当社グループの長期的な取り組み姿勢として、長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を設定しております。(サステナビリティの取り組みについては、P.54をご参照ください)
低炭素・脱炭素に向けた取り組みにつきましては、2015年の第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定の要請を踏まえ、「サステナビリティ チャレンジ」で掲げる「事業を通じた脱炭素社会の実現」に向けて、再生可能エネルギー事業など気候変動対策に結びつく事業への取り組みを進めており、また、2019年度において一般炭権益を一部売却しております。
また、グローバルに事業を展開する中で、長期的に競争力を発揮し続けるため、性別、国籍、年代などを問わず、多様な人材の採用や育成、活用を進めています。また、これらの人材が、個々の能力を最大限に発揮し、組織の成果に貢献できるよう、制度・環境の整備に取り組んでおります。2020年3月には、女性活躍推進に優れた上場企業を表彰する「なでしこ銘柄」(経済産業省、東京証券取引所主催)に4年連続で選定されました。引き続き、多様な人材が最大限能力を発揮できる環境を整え、企業価値の向上へつなげていきます。
本部別の成長戦略は以下のとおりとなります。
<自動車>
経済発展に伴うヒトとモノの移動はアジア・ラテンアメリカなどの新興国を中心にますます活発になり、これら地域の自動車需要は引き続き拡大することが見込まれます。また、電動化・自動運転化などの技術革新と共に、コネクティッドサービス・シェアリングサービスの登場など大きな変化の波が押し寄せています。
こうしたなか、知見を積み上げてきた自動車販売事業をコア事業として位置づけ、有望市場で新たな優良事業のM&Aによって事業領域の拡大を図ります。地域密着型のセールス・マーケティング力とアフターセールサービスの強化、IoT・AIなどの先進デジタル技術を取り入れた機能強化を通じた、事業のバリューアップを図ると共に販売金融事業の強化、時代の変化を捉えた新たなサービス事業の構築にも積極的に取り組んでいます。
また、地域に貢献する事業会社の経営を通じて、現場経験を蓄積した次代の経営人材の育成と、外部環境の変化に対応した新たな機能や事業を創出する開発人材の育成に取り組んでおり、持続的な成長を目指します。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により自動車販売事業は一時的な停滞が見込まれますが、当社が培ってきた機能と地域密着型の事業基盤の更なる強化を図り、収束後の需要回復の確実な捕捉に向け取り組みを拡大して参ります。
<航空産業・交通プロジェクト>
世界的規模での新型コロナウイルス感染症の拡大により航空機需要や交通・空港インフラ需要の急激な減速による影響は否めませんが、収束後の需要回復を見据えた打ち手を実施していきます。
当本部のミッションは、長年の航空機ビジネスで培ってきた機体メーカー、航空会社、空港事業者との信頼関係を基盤に、鉄道事業や船舶事業を加えたソリューションを創出し、国際社会のニーズに応えた新たな価値を提供することです。
そのためのアプローチとして、民間航空機代理店事業での豊富な実績を起点に航空機ビジネスのバリューチェーンを拡充し、加速していきます。経年機や退役機の中古部品を航空・整備会社に販売するパーツアウト事業はその象徴といえます。また、当本部は世界的に需要が高まるビジネスジェット事業に積極的に取り組んでいます。さらに、空港運営を中心に交通インフラ整備を進め、新興国をはじめとした国内外の地域活性化に貢献する事業を推進していきます。航空関連事業の環境激変への対応を強化すると共に、交通関連では、鉄道MRO事業の機能、規模の拡大を図っていきます。
<機械・医療インフラ>
当本部は、医療インフラ事業部、先端産業・軸受部、産業機械・プラント部、機械商社である双日マシナリーの4つの営業組織から構成されています。その使命は、伝統あるプラントプロジェクト事業で培った国内外のパートナーとのネットワークと多彩な事業機能を活かして、世界各国の産業の礎となるインフラを構築することです。
トルコでのPPP型病院運営事業については、施設運営サービスを含めた収益モデルを確立していきます。さらに医療施設にとどまらず、ヘルスケアのカテゴリーへと視野を広げ、遠隔医療・介護分野などで新たな事業機会に取り組んでいます。
また、産業機械・ベアリングなどの既存事業において、新型コロナウイルス感染症の拡大により収益への一定の影響はありますが、両事業とも中国含め各市場での経済活動再開、需要回復を見極めつつ、アフターコロナを見据えた事業構造の変革及びAI・IoT、5Gなどのトレンドを踏まえた取り組みを拡大していきます。
新興国の経済発展を支えるプラント事業も、一時的には新型コロナウイルス感染症の拡大による政府承認などの遅れにより、全体スケジュールに遅れが生じる見込みではありますが、今後も継続的な需要の高まりは期待でき、着実な取り込みを図っていきます。地域社会の持続的な発展に貢献し、かつ日本企業が得意とするプラスチックリサイクルなど、環境対応を切り口としたプロジェクトにも注力していきます。
<エネルギー・社会インフラ>
世界のエネルギー情勢は、新型コロナウイルス感染症の拡大と米国シェール革命を背景とした需給バランスの急変により、ますます将来を見通すことが難しくなっています。一方、そのような状況下においても「低炭素化」の流れは不可逆的に進行し、天然ガス・LNG、及び再生可能エネルギーの利用拡大は継続すると考えています。
こうした事業環境の変化に対応すべく、LNG事業と発電事業で培った知見を融合して、アジア新興国にてLNG調達から受入基地・発電所の建設・運営までの一体型事業に取り組んでいます。米国ではシェールガスを利用した最新鋭ガス火力発電を推進する事で電力安定供給と環境負荷低減の両立を目指します。再生可能エネルギー分野では、太陽光発電事業での知見を応用して、欧州や米国での陸上風力、台湾での洋上風力、国内バイオマス発電への参入を果たし、着実に事業を拡大しています。
情報通信分野では、先進国における5G通信やAI・IoT利用の拡大、新興国での高速通信需要の高まりにより、データ通信・処理関連のインフラ整備が重要となっています。当社グループは国内で大規模データセンターを運営しており、新たにミャンマーでの通信タワー事業に参画するなど、同分野での事業拡大を目指しています。
私たちの使命は、「安心・安全・快適」を約束する高度な社会インフラ整備を進める事です。そのために、価値観を共にする国内外の優良パートナーと協調し、世界各国の産業社会の発展に貢献していきます。
<金属・資源>
当本部は、中期経営計画2020の重要なテーマとして、市況に左右されにくい安定収益基盤の構築及び地球環境に配慮した低炭素社会の実現を目指して、三つの成長戦略を掲げています。
一つ目は、中長期的な社会ニーズや環境変化への対応をテーマに、新たな事業領域へ挑戦していくことです。
二つ目は、国内及び新興国向けトレードの維持拡大を目指し、環境負荷低減に向けた事業・商品の取り扱いなど機能強化を通じてお取引先のニーズに応えていくことです。
三つ目は、上流権益において、既存プロジェクトの効率化や優良資産への入れ替えにより、低市況下でも利益を生む資産ポートフォリオを構築していくことです。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内外を問わず、業界・商品においても生産減や物流停滞などの影響がありますが、収束後のスムースな活動再開、今後の変化への対応と収益機会の追求・実現に努めます。
<化学>
化学分野のサプライチェーンは裾野が広く、自動車産業をはじめとして新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的に各素材の需要は大きく減少しています。原油価格下落に伴い各商品の市況も下落傾向にありますが、強みである事業基盤とマーケティング機能を活かし、中国をはじめとした経済活動の再開、需要回復のタイミングを見据え迅速かつ柔軟に対応していきます。
世界の化学産業の供給構造は、大きな転換期にあり、また、アジアを中心とした新興市場における中間所得層の増大による消費財需要の拡大や、環境問題に対する新製品や技術の開発が進むなど、市場のニーズも絶えず変化を続けています。既存事業の強みを磨きつつ、SDGs・ESGへの取り組みを深化させ、プラスチックリサイクル、バイオケミカル分野において、新しい技術を活用した新たな事業を築いていきます。
<食料・アグリビジネス>
東南アジアでは、人口増加や経済発展に伴い、ライフスタイルの多様化と食料需要の増加が同時に進んでいます。当本部では、この急速な変化を成長につなげていくために、食料・農関連事業を通じて、収益力の強化・拡大を目指しています。
アグリビジネス事業では、タイ、フィリピン、ベトナムでトップクラスの市場シェアの肥料事業を運営しており、この強みを活かして、ミャンマーなどの周辺国での事業展開を進めています。また、農業に関連する事業にも挑戦していきます。
食料事業では、小麦などの原料供給と製品販売に加えて、アジアでの製粉、製パン、製菓事業などの展開に注力しています。例えば、フィリピンにおいては2017年に製粉会社、食料原料卸会社、製パン会社を設立しました。ベトナムでは2007年から製粉会社に参画しています。
水産事業では、養殖から加工・販売までのマグロのバリューチェーンを、国内外での加工卸事業の推進により強化していきます。また、飼料事業では、ベトナムで港湾事業への参画や飼料製造事業の運営などを行っており、これらを活用して今後の畜産需要の増加に対応していきます。
さらに、他本部で運営している惣菜、食品卸、コンビニなどベトナムを基盤とした事業との連携、及び現地有力パートナーとの協業を通じて、同国やASEAN地域を中心としたグローバルな展開を進めていきます。
<リテール・生活産業>
新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界的にロックダウンや緊急事態宣言が発令され、消費が大きく低迷しました。一方で、ライフスタイル及び消費トレンドに大きな変化をもたらし、これまで以上に消費者の嗜好・ニーズが多様化していく転換点として捉える事もできます。当本部は、消費市場の“お客様起点のビジネス”にこだわり、「生活の豊かさ」と「利便性」を高める多様な事業を展開し続けて行きます。なかでも、経済成長が続くASEANでの事業拡大、機能の強化は今後の成長戦略の柱となるものです。ベトナムでは、食品卸事業に参入後、四温度帯倉庫事業、コンビニエンス事業、総菜事業のチェーンを構築すると共に、タイ、ミャンマーでも、食品卸事業を展開しています。
また、ベトナムでは、家庭紙・段ボール原紙製造事業を買収し、同国の近代化に伴い増加する製紙需要に応えることで、人々の生活に貢献していきます。
一方、商業施設事業においても「モノ(物販)からコト(体験型)」という消費トレンドを踏まえ、日本では施設の運営力を活かして自社及び他店のバリューアップを図る事業モデルを確立し、培ったノウハウを活かして海外でも日本食のフードコート事業を担っています。
<産業基盤・都市開発>
当本部では、長年手掛けてきた工業団地や住宅開発など都市インフラ開発事業から得られた実績・ノウハウ・ネットワークを基盤とし、“アセットの開発/保有~販売~アセットマネジメント~運営~関連サービス事業“というバリューチェーンを構築し、それぞれの機能を最大限発揮することによりバランスの良い収益基盤を積み上げています。今後も時代の変化・ニーズに柔軟に対応し、社会の発展に貢献します。
国内では、J-REIT運用事業や収益不動産の開発/保有により、アセットマネジメント、ウェアハウジング・ブリッジファンド、プロパティマネジメントなどのバリューチェーンを意識した各事業の拡大を図ります。また、働き方改革やSDGsなど時代の変化を意識した新規アセットの開拓やライフソリューション関連事業への取り組みの強化を図っていきます。
海外では、製造業の海外進出をサポートするべく、アジアを中心に工業団地の新規開発事業に引き続き注力すると同時に、既開発工業団地の電気・上下水道など基幹インフラの安定供給や物流・ITサポートなどの進出企業向け各種サービスを拡充し、収益源の多様化を図ります。また、中間層が増加するアジアを中心に、スマートシティなど将来の基礎収益拡大につながる都市開発事業に注力していきます。
(3) 利益配分に関する基本方針
当社の利益配分に関する基本方針につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照下さい。
※将来情報に関するご注意
上記の文中における将来に関する事項は、現在入手可能な情報から当社が当期末現在において合理的であるとした判断及び仮定に基づいて記載しております。「2 事業等のリスク」に記載の要因及びその他の要因により、実際の連結業績は見通しとは異なる可能性があります。新型コロナウイルス感染症の拡大による影響については、2020年3月末時点において当社が把握している情報を基に、足元の状況が3ヶ月継続すると仮定して算出しております。今後の実際の感染拡大の収束時期や、内外主要市場の経済環境、為替相場の変動など様々な要因により、実際の業績等は大きく変動する可能性があります。
有価証券報告書に記載しております、事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、目標、一定の前提又は仮定のもとでの予測などであります。
(1)事業上のリスク
当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。そのため、「リスク管理基本規程」に則り、リスクを分類・定義した上で各々のリスク項目ごとに任命されたリスク管理責任者が年度初めに「リスク管理運営方針・運営計画」を策定し、四半期ごとに進捗、改善状況をモニタリングした上で年度末に総括を行っております。分類したリスクのうち、定量化が可能なリスク(市場リスク・信用リスク・事業投資リスク・カントリーリスク)に関しては、リスクを計測し、算出したリスクアセットの数値に基づいて管理しております。また、定量化が困難なリスク(法務リスク、コンプライアンスリスク、環境・社会(人権)リスク、資金調達リスク、災害等リスク、システムリスク等)については、四半期のモニタリングの対象として管理しております。当社グループは、こうした様々なリスクに対処するため、必要なリスク管理体制を整備し、リスク管理にあたっておりますが、これらのすべてのリスクを完全に回避できるものではありません。
当社グループの事業に関しては、以下のようなリスクがあります。
① マクロ経済環境の変化によるリスク
当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的あるいは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 市場リスク
当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、並びに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクにさらされております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや、先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。
(a)為替リスク
当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、為替の収益感応度(米ドルのみ)は、1円/米ドル変動すると、売上総利益で年間5億円程度、当期純利益(当社株主帰属)で年間2.5億円程度、自己資本で20億円程度の影響があります。
(b)金利リスク
当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を勘定科目毎に金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2020年3月末の当社グループの有利子負債残高は8,932億58百万円であり、平均利率につきましては、短期借入金は1.57%、1年内返済予定の長期借入金は1.40%、長期借入金(1年内返済予定のものを除く)は1.22%となっております。
(c)商品価格リスク
当社グループは、総合商社として様々な業務分野において多岐にわたる商品を取扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。市況商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額とロスカットポイントを設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額がロスカットポイントに抵触した場合、速やかにポジションを解消し、以降の当該年度中の新規取引を禁止するルール)を制定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。在庫商品に関しては適正水準にコントロールするために事業別に月次でモニタリングを行うなどの施策を行っております。
(d)上場有価証券の価格リスク
当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。保有する上場株式に関しては、毎年、個別の銘柄毎に保有意義の見直しを行っておりますが、大幅な株価下落によって当社グループの投資ポートフォリオを毀損し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 信用リスク
当社グループは、多様な商取引により国内外の多数の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。こうしたリスクに対処するために、当社グループは、信用供与を行っている取引先ごとに客観的な手法に基づく11段階の信用格付けを付与すると共に、信用格付けを参考に取引先ごとの取引限度を設定し、信用供与額を取引限度に収めることにより信用リスクをコントロールしております。また、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの保全措置を講じております。さらに、債権査定制度により、当社グループが営業債権を有する取引先の中から一定の基準により査定先を抽出した上で、その信用状態と当社グループの債権、保全などの状況を点検することで、信用リスクの状況把握と個別貸倒引当金算定の厳格化に努めております。延払・融資・保証行為に伴う信用リスクは、別途、収益性が信用リスクに見合ったものかを定期的に評価し、リスクに見合う収益を生まない取引については、収益性改善又は信用リスク抑制の措置を講じることとしております。
しかしながら、こうした与信管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 事業投資リスク
当社グループは、主要な事業活動のひとつとして様々な事業に対して投資活動を行っておりますが、事業投資や権益投資などにおいて投資価値が変動するリスクを負っております。さらに、事業投資の多くがもつ流動性の低さなどの理由により、当初意図していた採算で投資を回収できないリスクがあります。
事業投資から発生する損失の予防・抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の審議における厳格なスクリーニング、事後管理、並びに撤退について各々基準を設け、管理を行っております。
新規事業投資案件のスクリーニングでは、キャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を精査し事業性を厳格に評価すると共に、キャッシュ・フロー内部収益率(IRR)のハードルを設定し、リスクに見合った収益が得られる案件を選別できる仕組みを整えております。
既に実行済みの事業投資案件については、問題事業を早期に発見し適切な措置を講じることで損失を極小化するために、定期的に事業性を評価するなどプロセス管理を徹底しております。また、事業投資案件の問題点を早期・事前に把握し、撤退・整理損を極小化する目的で、撤退条件を設定し、リスクに見合った収益を生まない投資から適時適切に撤退するための意思決定に活用しております。
このように、新規事業投資実行時のスクリーニングの仕組み及び案件の事後管理に係る手続きを整備してはおりますが、期待通りの収益が上がらないリスクや事業活動そのものを計画通りに行えないリスクを完全に回避することは困難であります。当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性や、当該事業のパートナーとの関係など個別の事由により当社が意図したとおりの撤退ができない可能性があり、これらの場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ カントリーリスク
当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取り組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。
カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。
しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画通りの事業活動を行えない可能性や、損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 固定資産に係る減損リスク
当社グループが保有する不動産、機械装置・運搬具、のれん、鉱業権などの固定資産及び使用権資産については、減損リスクにさらされております。当社グループでは、対象資産に対し当期末時点において必要な減損処理を行っております。しかしながら、今後価格下落などによりこれらの対象資産の価値が著しく減少した場合、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 資金調達に関するリスク
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融システム・金融資本市場の混乱や、格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 環境・社会(人権)に関するリスク
当社グループは、サステナビリティ重要課題(人権、環境、資源、地域社会、人材、ガバナンス)を特定すると共に、環境方針、サプライチェーンCSR行動指針、人権方針などを定め、グループ内での遵守・徹底、サプライヤーへの当社方針の周知やリスク評価・改善の取り組みなどを通じ、事業活動に伴い生ずる環境・社会(人権)リスクの低減に努めています。投融資の審議過程においては、当該事業の環境・社会(人権)リスクの確認に加え、そうしたリスクが、将来の事業の持続性に及ぼす影響についても議論しています。
また、地球環境や生態系、ひいては社会システムや企業活動に大きな影響を及ぼす気候変動に伴うリスクについては、パリ協定を受けた国内外の低炭素・脱炭素に向けた政策や規制などの動向に注視すると共に、産業別の温室効果ガス排出量の多寡、代替的な技術動向及び政策・規制面での動向など第三者による外部調査も活用し、当社グループが行う各事業におけるCO2排出リスクを評価し、当社グループの関連する事業における影響を分析しております。また、定期的に開催する本部と経営陣とのミーティングにおいても気候関連の「リスク」と「機会」が当社事業に与える影響について討議・確認すると共に、当社グループの事業活動、経営戦略、財務計画にもたらす影響がより大きいと考えられる事業分野については、順次シナリオ分析を行い、財務への影響を分析しています。特に、CO2排出リスクが高いと想定される石炭権益事業や発電事業に関しては、以下の方針を2019年5月に策定し、具体的な対応を行っております。
<石炭権益事業及び石炭火力発電事業に関する取り組み方針>
・2030年までに一般炭権益資産を半分以下にする。
・原則、一般炭権益の新規取得は行わない。
・石炭火力発電事業の新規取り組みは行わない。
しかしながら、当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境や労働安全衛生、人権などに係る問題が発生した場合、又は地域住民や環境・人権保護団体などからそれら問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、汚染除去・浄化への対応、訴訟の発生や損害賠償の負担、当社グループの社会的評価の低下などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ コンプライアンスリスク
当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、独占禁止法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを、全社をあげて実施しております。しかしながら、このような取り組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 訴訟などに関するリスク
営業活動に関連して、当社グループが国内又は海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告又は当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その可能性の程度や時期、結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 情報システム・情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、情報セキュリティ分科会などを中心とした管理体制を構築しております。また、重要な情報システムやネットワーク設備については、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、ファイアウォールによる外部からの不正アクセスの防止、システムの脆弱性を悪用するウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。
このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃や、コンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩又は毀損、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。その場合に被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 災害等に関するリスク
地震、風水害などの自然災害や感染症の大規模な流行により事務所・設備・従業員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアル並びに感染症マニュアルの作成、防災訓練、従業員の安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
今般世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症に関しては、社内外における感染予防・感染拡大防止とグループ従業員・ステークホルダーの皆様の安全確保を最優先に、政府の方針・行動計画・要請に基づき各種対応策を講じております。具体的には、時差通勤・テレワークの実施、有給休暇取得の推奨、出張規制の強化、会議・イベント実施に関する規制強化、海外から日本への渡航者に対する自宅待機措置、事業所内の感染防止策の周知、健康推進室でのグループ従業員の健康状態の把握・管理、感染者が発生した場合の対策の周知を実施し、グローバルネットワークを通じた動向の把握と各地の状況に応じた退避指示などの対策、世界レベルでのマスクの融通などの対策を行っております。
⑬ ウェブサイト・SNSを介した企業情報発信に関するリスク
当社グループのウェブサイト・SNSは、システムの脆弱性に起因する掲載情報の改ざんや収集した個人情報の流出リスク、及び、運用に起因する批判・非難の集中や著作権・商標権・肖像権の侵害リスクにさらされております。システムの脆弱性に関しては、上記⑪にて記載の通り、合理的な範囲内で可能な限りの安全対策に努めております。運用に関しては、投稿に関する事前承認やウェブサイトの定期見直しなどのルール化を義務付け、ウェブサイト・SNSを保有する組織ごとに明文化し運用しておりますが、リスクを完全に排除できるものではなく、当社グループの信用やブランド価値に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 品質に関するリスク
当社グループは、事業投資の実行により、事業領域を拡大・多様化しています。製造業やサービス業への進出も増加しており、製造・提供する製品・サービスの品質を管理する体制を整えております。しかしながら、予期し得ない品質問題が発生した場合には、当該問題により生じた損害について、当社グループが責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑮ イノベーションに関するリスク
当社グループは、総合商社として多岐にわたる事業領域でビジネスを行っております。デジタル革命・新技術によるビジネスモデル変革への対応、並びに、全社の業務効率向上に取り組んでおりますが、急速な技術革新などによる産業構造の急激な変化が起きた場合は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)「中期経営計画2020」に関するリスク
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは、2020年度を最終年度とする「中期経営計画2020」を策定しております。策定時において適正と考えられる経済状況、産業動向、その他様々な情報、見通しなどに基づき策定しておりますが、事業環境の急激な変化などの様々な要因により、目標に向けた諸施策が計画したとおり進まない可能性や、期待される成果の実現に至らない可能性があります。
なお、「中期経営計画2020」の最終年度である2020年度におきましては、当期純利益750億円以上とすることを目標としておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による世界経済の減速が見込まれることから、2020年3月末時点において当社が把握している情報を基に、足元の状況が3ヶ月(2020年6月まで)継続する前提で見通しを策定しており、当期純利益は400億円を見込んでおります。今後の実際の感染拡大の収束時期や、内外主要市場の経済環境、為替相場の変動など様々な要因により、実際の業績等は大きく変動する可能性があります。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は会計方針の適用並びに資産、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を設定することが義務付けられております。実際の業績はこれらの見積りと異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
当社グループは、資産又は負債の公正価値を測定する際に、入手可能な限り、市場の観察可能なデータを用いております。 公正価値の具体的な算定方法は次のとおりであります。
(a)資本性金融資産
上場株式については、取引所の価格によっております。非上場株式については、割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法、類似会社の市場価格に基づく評価技法、純資産価値に基づく評価技法、その他の評価技法を用いて算定しております。非上場株式の公正価値測定に当たっては、割引率、評価倍率等の観察可能でないインプットを利用しており、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント、非支配持分ディスカウントを加味しております。非上場株式の公正価値の評価方針及び手続の決定はコーポレートにおいて行っており、評価モデルを含む公正価値測定については、個々の株式の事業内容、事業計画の入手可否及び類似上場企業等を定期的に確認し、その妥当性を検証しております。
(b)デリバティブ金融資産及びデリバティブ金融負債
通貨関連デリバティブ
為替予約取引、直物為替先渡取引、通貨オプション取引及び通貨スワップ取引については、期末日の先物為替相場に基づき算出しております。
金利関連デリバティブ
金利スワップについては、将来キャッシュ・フローを満期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。
商品関連デリバティブ
商品先物取引については、期末日現在の取引所の最終価格により算定しております。商品先渡取引、商品オプション取引及び商品スワップ取引については、一般に公表されている期末指標価格に基づいて算定しております。
当社グループは期末日において、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数の確定できない無形資産については毎期、さらに減損の兆候がある場合には都度、減損テストを実施しております。個別資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、当該資産は回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。
回収可能価額は、個別資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としております。公正価値は市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積もって算定しております。使用価値は、貨幣の時間価値及び個別資産又は資金生成単位に固有のリスクに関する現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いて 、見積将来キャッシュ・フローを割引いて算定しております。将来キャッシュ・フロー見積りにあたって利用する事業計画は原則として5年を限度としております。なお、当社グループは、使用価値及び公正価値の算定上の複雑さに応じて外部専門家を適宜利用しております。
過年度にのれん以外の資産について認識した減損損失については、期末日において、認識した減損損失がもはや存在しない又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合には、回収可能価額の見積りを行い、当該回収可能価額が資産の帳簿価額を上回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで増額し、減損損失の戻入れを認識しております。のれんについて認識した減損損失は、以後の期間において戻入れておりません。
なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区分して認識しないため、個別に減損テストを実施しておりません。持分法適用会社に対する投資が減損している可能性が示唆されている場合には、投資全体の帳簿価額について回収可能価額を帳簿価額と比較することにより単一の資産として減損テストを行っております。
当社グループでは、固定資産の減損会計等の会計上の見積りについて、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。新型コロナウイルス感染症の影響は、事業や地域によってその影響や程度が異なるものの、足元の状況が少なくとも3ヶ月(2020年6月まで)継続し、一定の期間を経て回復するという仮定に基づき会計上の見積りを行っております。
引当金は、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響に重要性がある場合、当該負債に特有のリスクを反映させた現在の税引前の割引率を用いて割引いた金額で引当金を計上しております。
確定給付制度は、確定拠出制度以外の退職給付制度であります。確定給付制度債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割り引くことによって算定しております。制度資産の公正価値は当該算定結果から差し引いております。
割引率は、当社グループの確定給付制度債務と概ね同じ満期日を有するもので、かつ支払見込給付と同じ通貨建ての、主として報告日における信用格付けAAの債券の利回りであります。
過去勤務費用は、即時に純損益で認識しております。
当社グループは、確定給付制度から生じるすべての確定給付負債(資産)の純額の再測定を即時にその他の包括利益で認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。
⑤ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産及び繰延税金負債は、資産及び負債の帳簿価額と税務基準額との差額である一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について認識しており、期末日における法定税率又は実質的法定税率、及び税法に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率又は税法で算定しております
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産の帳簿価額は期末日において再検討しており、繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産の帳簿価額を減額しております。
当連結会計年度(以下、当期という)は、米中貿易摩擦や中国経済成長の鈍化、Brexitの迷走、中東情勢などにより、世界的な経済成長の減速感が高まりました。加えて、新型コロナウイルスのパンデミックの影響が出始め、「ヒト・モノ」の動きが大きく制限され、全世界において経済環境は急激に悪化しています。各国政府は、感染の拡大防止対策や財政・金融対策を打ち出し、早期終息と国民生活へ与える影響の最小化に努めているものの、予断を許さない状況です。
米国は、米中貿易に関する合意に至るなど成長の改善も見込まれていましたが、新型コロナウイルス感染拡大による個人消費及び企業活動の停滞により、経済成長の急減速が生じています。
欧州は、中国向けなどの外需停滞や、Brexit後の不確実性により成長が低迷しておりましたが、加えて新型コロナウイルスの感染拡大によりEUの求心力低下が顕在化し、経済・政治の両面で先行きの不透明感が増しています。
中国は、新型コロナウイルスの感染拡大により、生産など供給面が停止、加えて人の移動制限もあり需要面も減退しており、GDP成長率が初のマイナスとなる等、経済の減速感が強まっています。
アジアは、これまで輸出や民間消費が成長を支えて来たものの、各国で新型コロナウイルスの影響が拡大しており、世界的な景気減速や、サプライチェーンの分断、消費抑制により、今後成長率が下押しされる恐れがあります。
日本は、緩やかな景気回復基調にありましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、外需の低迷や消費活動の停滞により、景気は急速に悪化しております。
当期の経営成績を分析しますと、次のとおりであります。
収益は、合成樹脂取引の減少やメタノール価格の下落などによる化学での減収や、海外石炭事業の販売価格下落などによる金属・資源での減収などにより、1兆7,548億25百万円と前期比5.5%の減収となりました。
売上総利益は、収益の減少などにより、前期比204億62百万円減少の2,204億94百万円となりました。
税引前利益は、一般炭炭鉱権益の売却などによるその他の収益・費用の増加があったものの、売上総利益の減益に加え、持分法による投資損益の減少などにより、前期比193億54百万円減少の755億28百万円となりました。
当期純利益は、税引前利益755億28百万円から、法人所得税費用109億54百万円を控除した結果、当期純利益は前期比106億46百万円減少の645億73百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期純利益(以下、当期純利益という)は前期比95億98百万円減少し、608億21百万円となりました。
在外営業活動体の換算差額やその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(以下、FVTOCIの金融資産)や、当期純利益の減益などにより、当期包括利益は前期比573億9百万円減少し、23億61百万円の損失となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期包括利益は前期比551億58百万円減少し、42億20百万円の損失となりました。
次に、これをセグメント別に分析しますと、以下のとおりであります。
収益は、国内外自動車ディーラー事業などの新規取得があったものの、海外自動車ディストリビューター事業での販売台数減少などにより、2,252億76百万円と前期比7.1%の減収となりました。当期純利益は、前期における自動車関連会社の売却によるその他の収益・費用の減少などにより、前期比40億29百万円減少し、23億80百万円となりました。
当期は中核ビジネスである自動車販売事業について、下期にタイ、ロシア、フィリピンなどにおける市況悪化により、計画比未達となったものの、有望市場でのM&Aによる新たな事業領域の拡大を図っております。地域密着型のセールス・マーケティング力とアフターセールサービスの強化、先進デジタル技術を取り入れた機能強化を通じて事業のバリューアップを図ると共に、販売金融事業の強化、先進デジタル技術を取り入れた新たなサービス事業の構築にも積極的に取り組んでおります。
収益は、航空機関連取引における増収などにより、356億31百万円と前期比28.1%の増収となりました。当期純利益は、保有船舶の減損によるその他の収益・費用の減少などにより、前期比21億68百万円減少し、17億94百万円となりました。
当期は保有船舶の減損等により計画比未達となったものの、国内における民間航空機代理店事業での豊富な実績を基に、航空・防衛産業関連機器の輸出入販売のみならず、経年機や退役機の中古部品を航空・整備会社に販売するパーツアウト事業や、ビジネスジェット事業に積極的に取り組んでおります。また、当期に参画した熊本空港をはじめとして、国内外で空港運営事業を展開し、空港を起点とした周辺ビジネスへの展開を志向しております。交通インフラ事業においては、インドにおけるデリー~ムンバイ間貨物専用鉄道の建設、北米における鉄道関連事業など地域の交通インフラを支える分野での事業展開を進めております。船舶については新造船や中古船などの各種船舶及び舶用機器販売事業を軸として推進しております。
収益は、産業機械取引の増加などにより、1,237億25百万円と前期比15.6%の増収となりました。当期純利益は、売上総利益の増益に加え、持分法による投資損益の増加などにより、前期比18億4百万円増加し、45億67百万円となりました。
当期は軸受事業やプラント事業が伸び悩みましたが、トルコ病院PPP事業の好調な進捗が寄与し、全体としては概ね計画通りに推移しました。産業機械やベアリングの取り扱いに加え、PPP(官民連携事業)型病院運営事業では、施設運営サービスを含めた収益モデルの確立と、周辺に広がるヘルスケア・ビジネスの創出に取り組んでおります。プラント事業においては、資本参加したタイのエンジニアリング会社との協業を核としつつ、リサイクル、環境関連プロジェクトにも注力しております。5G時代到来を見据え、先端産業分野においては、生体認証技術を駆使した事業や、医療分野では、遠隔医療・介護への取り組みを行っております。
収益は、海外ガス火力発電事業での増収などにより、820億9百万円と前期比9.7%の増収となりました。当期純利益は、石油ガス権益の減損などによるその他の収益・費用の減少があったものの、売上総利益の増益などにより、前期比38億46百万円増加し、96億32百万円となりました。
当期は太陽光発電事業の新規運転開始や一部持分譲渡益の認識により、前期比で増益となりました。当社は持続可能な社会の実現を目指して、環境負荷を抑えたエネルギー供給事業に取り組み中です。新興国ではLNG調達から受入基地・発電所運営までの一体型事業を推進し、米国では石炭火力発電から最新鋭ガス火力発電への転換を推進しています。再生可能エネルギー分野では、世界15カ所での太陽光発電を軸として、欧州と米国での陸上風力、台湾洋上風力、国内バイオマス発電にも参入し、着実に収益を積み上げております。社会インフラ分野では、ミャンマーにて通信タワー事業へ参画しており、今後もデータ通信・処理需要増加に応えるインフラ整備事業を進めてまいります。
収益は、海外石炭事業の販売価格下落などにより、3,505億19百万円と前期比8.5%の減収となりました。当期純利益は、一般炭炭鉱権益の売却などによるその他の収益・費用の増加があったものの、売上総利益の減益に加え、持分法による投資損益の減少などにより、前期比103億59百万円減少し、201億4百万円となりました。
当期は石炭市況の下落、軟調な鉄鋼需要により計画比未達となりました。石炭・鉄鉱石・ベースメタル・レアメタル・インダストリアルミネラルなどの金属資源分野において、上流権益投資及びトレーディング事業に加え、市況に左右されにくい安定収益基盤確立に向けた資産ポートフォリオへの転換、事業系ビジネスの創出・推進に取り組んでおります。特に石炭では世界的な環境意識の高まりや持続的な成長の観点から、インドネシア、豪州の一般炭権益の売却を進めており、原料炭権益については、豪州グレゴリー・クライナム炭鉱を取得するなど、バランスの取れたポートフォリオの構築を進めております。また、世界最大規模の鉄鋼総合商社メタルワンを通じて世界各国での鉄鋼製品の販売・加工・流通事業も展開しております。
<化学>
収益は、合成樹脂取引の減少やメタノール価格の下落などにより、4,464億29百万円と前期比11.6%の減収となりました。当期純利益は、売上総利益の減益があったものの、販売費及び一般管理費の良化などにより、前期比2億85百万円増加し、92億69百万円となりました。
当期は主力商品市況や自動車生産台数減少に伴う中国を中心とした海外トレーディングの低迷により計画比未達となりました。主要事業であるメタノール事業においては、アジア・欧州での約200万トンのトレーディング、インドネシアKMI社の安定操業継続を軸として運営を実施すると共に、KMI社の経験を活かし新たなガスケミカル事業の実現に向け取り組んでおります。合成樹脂事業では、双日プラネットを中心にグローバルな販売・調達ネットワークを通じ、主力の自動車関連と包装資材向けに100万トンを超える合成樹脂を取り扱っており、環境関連商材の取り扱いにも注力しております。また、炭化水素系樹脂であるC5樹脂や、工業塩・レアアースといった無機化学・鉱産系商品のトレーディング・事業投資も展開しております。
収益は、海外肥料事業での取扱数量減少などにより、1,152億19百万円と前期比10.2%の減収となりました。当期純利益は、売上総利益の減益に加え、国内水産事業における固定資産の減損によるその他の収益・費用の減少などにより、前期比9億15百万円減少し、13億65百万円となりました。
当期は国内水産事業の減損や海外肥料事業での天候不順及び販売低迷により計画比未達となりました。アグリビジネス事業では、タイ、フィリピン、ベトナムでトップクラスの市場シェアの肥料事業を長年運営しており、この強みを活かしてミャンマーなどの周辺国での事業展開を進めております。食料事業では、国内外での原料供給のほか、製粉・製糖・製菓・製パンなどの加工事業、製品販売を手掛け、フィリピンで2017年に製粉会社へ参画し、小麦粉販売卸会社、製パン会社を設立しました。ベトナムでは、現地有力パートナーとの協業を通じて、食品、農業関連分野での展開を進めてまいります。
収益は、食肉取引の増加があったものの、木材取引や繊維製品取引の減少などにより、3,102億74百万円と前期比2.2%の減収となりました。当期純利益は、売上総利益の減益があったものの、不動産の売却によるその他の収益・費用の増加などにより、前期比2億39百万円増加し、59億63百万円となりました。
当期はベトナム製紙事業及び国内建材事業において市況悪化や販売低迷により計画比未達となりました。消費市場の「お客様起点のビジネス」にこだわり、「生活の豊かさ」と「利便性」を高める多様な事業、リテール事業、商業施設事業、畜肉事業、林産・繊維・物資事業などを展開しており、なかでも、経済成長が続くASEANをはじめ、新興国での事業拡大、機能の強化に取り組んでおります。特にベトナムでは食品流通プラットフォーム構築・林産や繊維トレードのサプライ拠点強化・段ボール原紙及び家庭紙の製造など、国内外の消費市場に関わる幅広い事業を推進しました。これまで培った生活産業ビジネスのネットワークを活用し、新たな地域に展開することで、生活基盤向上・近代化への需要に応えてまいります。
収益は、不動産取引の増加などにより、344億80百万円と前期比3.6%の増収となりました。当期純利益は、持分法による投資損益の増加などにより、前期比3億87百万円増加し、14億74百万円となりました。
当期は国内事業で厳しい業績となりましたが、海外工業団地事業での販売増加により計画を上回る推移となりました。海外では引き続きインドネシア・デルタマスシティでの工業団地事業が好調に推移し、さらに、日本人学校の開校や日系企業との住宅開発などスマートシティ化を含めた複合都市インフラ開発を推進しました。国内ではJ-REITに係るアセットマネジメント、ウエアハウジング・ブリッジファンド、プロパティマネジメントなどのバリューチェーンを意識した各事業の拡大を図りました。
当期末の資産合計は、IFRS第16号「リース」の適用に伴う使用権資産の増加があったものの、営業債権及びその他の債権(流動)が煙草、化学で減少したことなどにより、前期末比667億74百万円減少の2兆2,302億85百万円となりました。
負債合計は、IFRS第16号「リース」の適用に伴うリース負債の増加があったものの、営業債務及びその他の債務(流動)が煙草、化学で減少したことなどにより、前期末比270億64百万円減少の1兆6,083億87百万円となりました。
資本のうち当社株主に帰属する持分合計は、為替や株価の変動によるその他の資本の構成要素の減少や自己株式の取得により、前期末比391億72百万円減少の5,791億23百万円となりました。
この結果、自己資本比率(※)は26.0%となりました。また、有利子負債総額から現金及び現金同等物、及び定期預金を差し引いたネット有利子負債は前期末比284億63百万円増加の6,131億74百万円となり、ネット有利子負債倍率(※)は1.06倍となりました。なお、有利子負債総額にはリース負債を含めておりません。
※自己資本比率及びネット有利子負債倍率の算出には、親会社の所有者に帰属する持分を使用しております。
次に、これをセグメント別に分析しますと、以下のとおりであります。
当期末のセグメント資産は、使用権資産の増加などにより、前期末比127億51百万円増加の1,805億28百万円となりました。
当期末のセグメント資産は、航空機関連の前渡金拠出による流動資産の増加などにより、前期末比49億18百万円増加の1,350億99百万円となりました。
<機械・医療インフラ>
当期末のセグメント資産は、前期末比23億95百万円増加の1,238億91百万円となりました。
当期末のセグメント資産は、国内太陽光発電事業会社の一部売却などにより、前期末比213億1百万円減少の2,631億72百万円となりました。
当期末のセグメント資産は、為替の変動による持分法で会計処理されている投資の減少などにより、前期末比214億52百万円減少の4,431億13百万円となりました。
当期末のセグメント資産は、海外地域における化学品、合成樹脂取引の減少による営業債権及びその他の債権の減少などにより、前期末比295億43百万円減少の2,690億31百万円となりました。
当期末のセグメント資産は、前期末比37億80百万円増加の1,288億96百万円となりました。
当期末のセグメント資産は、煙草関連取引における営業債権及びその他の債権の減少などにより、前期末比254億13百万円減少の3,703億25百万円となりました。
当期末のセグメント資産は、使用権資産の増加などにより、前期末比46億32百万円増加の771億75百万円となりました。
当期のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは405億10百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは356億69百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは121億64百万円の支出となりました。これに現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は2,726億51百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動による資金は、営業収入及び配当収入などにより405億10百万円の収入となりました。前期比では559億66百万円の収入減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動による資金は、投資の売却などによる収入がありましたが、豪州原料炭炭鉱権益の取得やミャンマー通信インフラ事業への投資などによる支出により356億69百万円の支出となりました。前期比では65億31百万円の支出減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動による資金は、配当金の支払い及び自己株式の取得などにより121億64百万円の支出となりました。前期比では627億43百万円の支出減少となりました。
中期経営計画2020におけるキャッシュ・フローマネジメントにつきましては、期間収益と資産入替により創出されたキャッシュの範囲内で成長投資と株主還元をマネージしていくこととしております。加えて、短期の運転資金増減の影響を受けない基礎的キャッシュ・フローを中期経営計画3ヵ年累計で黒字とする計画としております。
当期は、基礎的営業キャッシュ・フローの積み上がりに加え、資産入替による回収が順調に進んだことにより、基礎的キャッシュ・フロー、フリー・キャッシュ・フロー共に黒字となりました。成長投資につきましては、自動車の販売金融会社のほか、太陽光、洋上風力などの再生可能エネルギー、通信タワーをはじめとするインフラ系、空港、商業施設などの投資を810億円実行いたしました。株主還元におきましては、連結配当性向を30%程度とする中期経営計画2020における配当に関する基本方針に基づき、配当を行いました。また、当社株式の需給への影響に備えるため及び資本効率の向上を図るために、自己株式の取得を実行しております。

③ 資金の流動性と資金調達について
当社グループは、「中期経営計画2020」におきまして、従来と同様に、資金調達構造の安定性維持・向上を財務戦略の基本方針とし長期調達比率の維持、また経済・金融環境の変化に備えた十分な手元流動性の確保により、安定した財務基盤の維持に努めており、当期末の流動比率は161.4%、長期調達比率は79.1%となりました。
長期資金調達手段のひとつである普通社債につきましては、2019年11月に100億円を発行いたしました。引き続き金利や市場動向を注視し、適切なタイミング、コストでの起債を検討してまいります。
また、資金調達の機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため、円貨1,000億円(未使用)及び16億米ドル(2.6億米ドル使用)の長期コミットメントライン契約を有しております。
(目標とする経営指標の達成状況等)
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 今後の見通し及び対処すべき課題」をご参照下さい。
(販売、仕入及び成約の状況)
① 販売の状況
「(2) 当連結会計年度の経営成績の分析」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 5 セグメント情報」をご参照下さい。
② 仕入の状況
仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
③ 成約の状況
成約は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
※将来情報に関するご注意
上記の文中における将来に関する事項は、現在入手可能な情報から当社が当期末現在において合理的であるとした判断及び仮定に基づいて記載しております。「2 事業等のリスク」に記載の要因及びその他の要因により、実際の連結業績は見通しとは異なる可能性があります。新型コロナウイルス感染症の拡大による影響については、2020年3月末時点において当社が把握している情報を基に、足元の状況が3ヶ月継続すると仮定して算出しております。今後の実際の感染拡大の収束時期や、内外主要市場の経済環境、為替相場の変動など様々な要因により、実際の業績等は大きく変動する可能性があります。
特記事項はありません。
特記事項はありません。