当社は、双日グループ企業理念、双日グループスローガンを掲げ、企業理念にある「豊かな未来」の創造に向け、当社グループの事業基盤拡充や持続的成長などの「双日が得る価値」と、国・地域経済の発展や人権・環境配慮などの「社会が得る価値」の2つの価値の実現と最大化に取り組んでいます。
(双日グループ企業理念)
双日グループは、誠実な心で世界を結び、
新たな価値と豊かな未来を創造します。
(双日グループスローガン)
New way, New value
(双日の価値創造モデル)

「豊かな未来」の創造、「2つの価値」の実現に向けて、当社では人材を最も重要な経営資源と考え、「人財」と表記し、価値創造モデルの中心に据えています。世界中のニーズを把握し、価値を生み出す人財力を高めていくことが、双日の価値創造の源泉です。
実効性の高い戦略と充実したコーポレート・ガバナンスのもと、常に新しい発想を持ち、トレーディング・権益投資・事業投資を通じた機能を発揮して、将来を見据え、外部環境の目まぐるしい変化やニーズの多様化に先駆けたスピード感あるビジネスを展開しています。
また、世界各国に広がる事業拠点やパートナーシップ、それぞれの地域で長年にわたり育んできたお客様との信頼関係やブランド力など、築き上げてきた確固たる事業基盤が、当社の持続的な成長を支えています。
当社が創造した価値は、「社会が得る価値」として還元され、ステークホルダーからの信頼獲得につながります。創造した価値は、「双日が得る価値」として、当社の人材基盤やビジネスノウハウといった各事業基盤を拡充するものとして還元され、当社の競争力強化や新たなビジネスチャンスの増加につながります。
このような企業理念のもと、2030年における「目指す姿」として「事業や人材を創造し続ける総合商社」を掲げており、総合商社としての使命である、必要なモノ・サービスを必要なところに届けつつ、マーケットニーズや社会課題に応える事業や人といった価値を創造し続けることにより、持続的な企業価値向上を実現しています。
(2) 「中期経営計画2026」の進捗状況
① 「中期経営計画2026 - Set for Next Stage -」について
当社は2030年の目指す姿として、「事業や人材を創造し続ける総合商社」を掲げており、Next Stageとして当期利益2,000億円と時価総額2兆円に成長させることをターゲットとしております。本中計は、このNext Stageを見据えて、成長基盤と人的資本の強化に取り組む中期経営計画と位置づけています。Next Stageに到達するためのキーメッセージとなる「双日らしい成長ストーリー」の実現に向け、成長基盤と人材への積極投資を行っていきます。

本中計の具体的な定量目標として3点を掲げています。一つ目は、将来の成長に向けて、財務規律を堅持した上で6,000億円の投資を実行します。二つ目に、3ヶ年平均でROE12%超・当期利益1,200億円超をそれぞれ確保し、企業価値と株主価値の向上を図ります。三つ目に、基礎的営業キャッシュ・フローの3割程度を株主還元に充当します。

(注) 1 基礎的営業キャッシュ・フロー:会計上の営業キャッシュ・フローから運転資金増減等を控除したもの
2 株主資本DOE:支払配当÷株主資本
3 株主資本:その他の資本の構成要素を除外した前期末自己資本
双日らしい成長ストーリーの実現並びに定量目標の達成のためには、当社の独自性や強みをさらに磨き上げ、競争優位を生み出すことが不可欠です。既存領域を核としてさらに磨き上げるとともに、多数の事業である「点」をつなぎ合わせ、掛け合わせることによって事業と収益の「カタマリ」構築を進めてまいります。また、全ての事業領域に必要不可欠な要素として「DX(デジタルトランスフォーメーション)」領域を全社横断的に強化しています。
加えて、収益力の強化・競争優位の源泉として、継続して人的資本・ヒトの魅力(ちから)を強化してまいります。多様なスキル・経験を持つ自立した個の確立や、個の力を最大化する組織・カルチャーの組成に向けてヒトへの投資を積極的に進めています。
② 成長基盤の強化
「中期経営計画2026」では競争優位性や独自性を追求し、高度な成長戦略を実行するための共通の考え方として「KATI(カチ)モデル」を設定し、事業の「カタマリ」を複数構築することに重点を置いております。これは、当社が知見や実績を有する事業を起点に、機能の拡張・応用や新領域への挑戦を通じて、個別の取り組みを持続的な収益基盤となる事業の「カタマリ」へ発展させていく考え方です。当社はこのモデルに基づき、勝ち筋のある事業領域において、新規投資の拡大、既存事業の磨き込み、外部パートナーとの共創を通じた事業再編を進める一方、事業の改善や勝ち筋の確立が見込めない事業については、撤退を含めた見直しを行うことで、構造改革を推進、収益成長と資本効率を両立し、Next Stageに向けた事業ポートフォリオへの変革を推進しております。

―エネルギーソリューション事業―
米国において従来の電力・インフラ事業で培った知見・人材を活用し、McClure社の買収によりエネルギーソリューション事業へ参入しました。さらに、McClure社とは顧客基盤および提供サービスが異なるFreestate社へのボルトオン投資を通じて、提供地域、顧客接点および事業領域の拡大を進めております。また、豪州においてもEllis Air社、Climatech社などの買収により、省エネやデータセンター関連サービスを含むエネルギーソリューション事業を展開し、米国・豪州におけるカタマリ化を図っております。
―豪州インフラ開発事業―
従来の共同デベロッパーに留まらず、主体的な収益機会の確保および収益構造の多層化を狙い、豪州PPP事業のリードデベロッパーであるCapella社を買収しました。同社が有する豪州PPP領域での開発実績、豊富なノウハウおよび高度専門人材を取り込むことで、インフラ事業の開発・投資・運営を一体で手がける体制を強化しております。今後は、同社のリードデベロッパー機能と当社の資金力・運営力・グローバルネットワークを組み合わせることで、エネルギーインフラなどの新事業領域や豪州外の地域への展開も進めてまいります。
―化学事業―
5,000社を超える顧客基盤および長年培ったトレード実績をもとに、業界再編、地政学リスク、サプライチェーンの変化を先読みし、トレード機能の強靭化と収益機会の拡大を図っております。日本エイアンドエルの買収はリチウムイオン電池部材などの長年にわたるトレードを通じて蓄積した知見をもとに製造領域へ展開したものであり、既存の販売網および顧客基盤との相乗効果を追求することで、事業の競争力強化と収益基盤の拡充に取り組みます。また、レアアースなどのクリティカルミネラルについても、経済安全保障の重要性を踏まえ、サプライチェーンの多角化を進めております。
既存事業についても、勝ち筋のある事業では、機能の拡張や外部パートナーとの共創を通じて収益力および資本効率の向上を図っております。船舶事業、北米貨車リース事業、国内商業開発運営事業などでは、ベストオーナーとなり得る外部パートナーへ事業の一部をシェアアウトしつつ、当社の強みである機能を提供することで、パートナーとともに事業を成長させ、持続的な成長を図る体制を構築しております。一方、豪州中古車事業、国内ディーラー事業、豪州原料炭事業など、事業の改善や勝ち筋の確立が見込めない事業については、撤退を含めた見直しを行い、構造改革を推進します。
③ 本部別の成長戦略
<自動車>
自動車販売を中核とした既存事業の強みを活かし、持続的な成長を目指す戦略を展開しています。すでに知見や実績のある領域の拡大を基盤に、「グローバル・ニッチトップ」「ドミナント」「バリューチェーン」の3つを成長戦略のキーワードとして、独自性による競争優位のあるビジネスモデルを追求します。これにより持続的な成長を実現するとともに、社会課題やニーズに対してソリューションや価値を提供し、豊かなモビリティ社会の実現へ寄与していきます。
<航空・社会インフラ>
航空・船舶・鉄道の三大輸送手段における長年の経験と豊富な知見を梯子に、変化する顧客やマーケットニーズを的確に捉え、オペレーションの最適化、ライフサイクル全般を見据えた周辺サービス事業といった新たな価値を提供してまいります。当社機能の先鋭化・多角化を推し進め、各事業を面として紡ぎ、社内外との共創を通じて、社会的な共感力と訴求力が高い事業を創出していきます。
<エネルギー・ヘルスケア>
エネルギーおよびヘルスケア領域において、世界の脱炭素、人口増加、高齢化などの社会課題解決に対応し、従来の「アセット型」インフラビジネスに加え、顧客へのサービス・ソリューション提供を行う「事業型ビジネス」を構築し、規律ある事業投資・事業経営による力強い成長を目指します。エネルギーソリューション分野(発電、小売サービス、省エネなど)における機能強化、地域拡大、事業間のシナジー追求およびPPP事業分野における旺盛な豪州市場の取り込みと事業領域の拡大を軸に、当社の有形・無形の資産を活用することで双日ならではの競争優位を構築し、規模感あるビジネスおよび新たな価値を創造していきます。
<金属・資源・リサイクル>
国内需要家向け石炭・鉄鉱石・レアメタルなどの原料供給事業(上流権益投資を含む)および国内の鉄鋼製品販売事業という既存の事業ポートフォリオの変革を推進していきます。具体的には、「グリーン製鉄」の領域における当社ならではの冷鉄源戦略の構築や、電池および半導体需要の増加に伴う「重要鉱物」のサプライチェーン構築を通じて、事業創出の取り組みを強化します。
<化学>
国内外の化学業界における生産構造の変化や地政学リスクの高まりに対し、サプライチェーンの分断を回避し安定的な供給体制を構築することを重要課題として、市場ニーズの変化を先読みし、調達先の多様化や物流機能の強化を通じてトレードの強靭化を推進していきます。併せて、知見ある領域での事業投融資を着実に実行し収益基盤の強化を図るとともに、脱炭素社会実現への貢献に資する環境対応型ビジネスの構築を進め、持続的な成長を目指してまいります。
<生活産業・アグリビジネス>
継続成長が期待できるアジアの新興国を中心に、肥料・アグリビジネス事業、食料・飼料畜産事業、林産・バイオマス事業などの既存事業をさらに強化していきます。東南アジアでトップクラスの市場シェアを保有する肥料事業においては、デジタルを組み合わせることで新たなビジネスを構築、収益の拡大を進めています。また、ベトナムで取り組む畜産・食肉加工事業では、肥育から食肉加工、販売までの一貫体制を構築しており、同国の食文化の発展に寄与するとともに収益化を図ってまいります。
<リテール・コンシューマーサービス>
消費者市場における持続可能性への社会的要請、ニーズの多様化や地域に応じた様々な構造的変化をチャンスと捉え、国内外で構築してきた事業基盤の強靭化、高付加価値化とともにポートフォリオの最適化を進めます。
成長が見込まれる領域や、強みを発揮できる領域で、M&A、事業投資、パートナーとの共創を通じて事業を拡大、グローバルに展開する食・健康・日用品や水産に関連するビジネスを有機的に結び付けてビジネスを創造し、世界の人々の生活価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献、持続的な成長を実現していきます。
④ DX
1) デジタルで創る双日らしい成長ストーリー
当社は、全ての事業とデジタルの一体化を目指した“Digital-in-All”を掲げ、デジタル技術の徹底的な活用を経営戦略の中心に据えています。中期経営計画2026では、以下のサイクルを通じて双日らしい成長ストーリーを実現し、企業価値の創造を図ります。
(a) データに基づく正しい現状認識
国内外の事業会社を含む全7営業本部においてデータを整備し、客観的な現状把握を推進しています。
(b) 価値向上のための打ち手の先読みと実行
蓄積データを基に分析し、改善策の実行・検証・修正を繰り返すことで既存事業の価値向上を図ります。
(c) デジタルによる競争優位性の確立
AIやデータを活用し、ビジネスモデルそのものを変革する「デジタルリードプロジェクト」を推進しています。また、グループ会社である双日テックイノベーション等との共創により、内製開発力を高め、独自の競争優位性を確立します。
2) “Digital-in-All”による成長ストーリーを実現する要素
(a) AI活用
グループ会社を含めた個人レベルでのAIツール活用が広範に普及し、RAGやデータ構造化など、各業務プロセスでAI活用が進んでいます。各事業領域においては、AIを活用したデジタルリードプロジェクトを推進しており、具体的には以下の取り組みを進めています。
・国内水産DX: AI画像解析等による養殖管理の高度化
・タイアグリDX: AIによる土壌分析等を通じた営農支援
・国内中古車DX: 画像データ化とAI解析による透明性の高い査定の自動化
・商社トレードDX: Graph-RAG活用による高精度な情報分析
これらに加え、全営業本部および職能組織において、デジタルリードプロジェクトと業務改善を推進しています。
(b) AIガバナンス
AIの利用拡大と事業単位でのAI活用が普及する中、当社はハルシネーション等の懸念事項を含む様々なAIリスクに的確に対応できる統治体制の整備が不可欠であると認識しています。その対応として「組織」「原則」「審査」「ユーザーの適切な利用」「リスクの一元管理」「インシデント予防・対策」の6要素からなる包括的なAIガバナンスの全体構想を策定しました。
特に審査プロセスにおいては、既存の社内手続きやIT審議プロセスに対し、審査・決裁・リスク管理・セキュリティ等に関する規定への「AI審査の埋め込み」を進めています。外部へAIを活用したサービスを提供する際などのユースケースに対しても、リスクと対応策の具体化、および優先度整理を行う厳格なチェックプロセスを整備しています。これにより、投資対効果を可視化し、ステークホルダーへの透明性とアカウンタビリティを高めながら、安全かつ迅速なAIの利活用を全社的に進めています。
(c) デジタル人材育成
全総合職の50%(約1,000人)を応用人材、そのうち10%(約200人)をエキスパート人材とする目標に対し、2026年3月末時点で応用825人、エキスパート136人と順調に進捗しています。また「デジタル人材2.0」としてAI・データ活用中心へ再定義し、実践型育成へ転換させ、経営層も含めた全社的なAI活用推進体制を構築しています。
(詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (8)人材戦略に関する基本方針 ②戦略 1)人材戦略基本方針①「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個 (d) ビジネスへのデジタル実装に向けたデジタル人材育成」をご参照ください。)
(d) セキュリティ対策の強化
経営者がサイバーセキュリティリスクを重大な経営リスクとして認識し、CISO(最高情報セキュリティ責任者)等の責任者を任命する管理体制を構築しています。DX推進を担うCDO(最高デジタル責任者)兼CIO(最高情報責任者)と、情報・ITシステムセキュリティ委員会委員長であるCISOが連携し、ビジネス変革を推進する攻めの視点と、法務・リスクマネジメント等の守りの視点を統合した高度なガバナンス体制を敷いています。商社特有の広範なサプライチェーンにおけるサイバー攻撃等のリスクに対応するため、法令やガイドライン等で求められる事項に基づき、サプライチェーン内の取引先や多様な関係企業とのデータ連携に関する全社方針を策定し適用しています。ITシステムの改善に際しては、事業部単位での個別最適によるブラックボックス化を回避するためのシステム構築時の計画確認などの仕組みを整備し、全社データの整合性を確保しています。
これらの取り組みにより、当社は「DX銘柄2026」に選定されました(2年連続、通算3回目)。今後も“Digital-in-All”による価値創造を推進します。
⑤ 人的資本の強化
「中期経営計画2026」では、当社グループの人材戦略基本方針として、双日らしい成長ストーリーの実現に向けた「事業創出力」と「事業経営力」の強化に取り組んでおります。
(詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (8)人材戦略に関する基本方針」をご参照ください。)
(3) キャッシュ・フロー・マネジメント
基礎的営業キャッシュ・フローと資産入替を原資に、さらなる成長に向けた成長・ヒト投資と株主還元を実行します。基礎的営業キャッシュ・フローの7割程度を成長・ヒト投資に、3割程度を株主還元に充当します。
これを踏まえ、2025年度の実績は以下のとおりとなりました。

(4) 剰余金の配当等の決定に関する方針
「中期経営計画2026」期間累計の基礎的営業キャッシュ・フローの3割程度を株主還元する方針です。
① 配当
・安定的かつ継続的な配当を行うため株主資本DOE4.5%を配当方針とし、業績変動や株価・為替による影響を最小限に抑える
・当期純利益による株主資本の積み上げが、株主還元による株主資本の減少幅を上回る限りにおいて、累進的に増配となる配当方針
② 自己株式取得
・キャッシュ・フロー・マネジメント方針に基づき、「中期経営計画2026」期間を通じて機動的に自己株式取得を実施
この方針に基づき、当期の期末配当金につきましては、1株当たり82.5円とします。1株当たり82.5円の中間配当を実施していますので、当期の年間配当金は1株当たり165円となります。
また、当期においては、2025年5月2日~2025年7月31日の期間中に自己株式2,800,000株を9,956,291,082円にて取得しました。2025年8月29日には、15,000,000株(消却前の発行済株式総数に対する割合約6.7%)の消却を行っております。
なお、当社は会社法第459条第1項の規定に基づき、剰余金の配当を取締役会決議により行うことができるよう定款に定めております。

(1) サステナビリティに関する基本方針
基本的な考え方
当社は、「双日グループ企業理念」に基づき、事業を通じて当社グループと社会の持続的な成長を実現し、「2つの価値(双日が得る価値と社会が得る価値)」の最大化を目指しています。この考えのもと、サステナビリティを重要な経営課題と位置づけ、持続的な企業価値向上に向けて取り組んでいます。
当社は、中長期的に取り組むべき重要課題を「マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)」として整理し、中期経営計画をはじめとする経営戦略・事業戦略の基盤としています。「マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)」に基づき、2050年に向けた長期ビジョンとして「サステナビリティ チャレンジ」を策定し、「脱炭素社会実現への挑戦」および「サプライチェーンを含む人権尊重」を重点テーマとして定めています。これらの考え方や取り組みは、中期経営計画2026に反映しています。
ステークホルダーとの対話とサステナビリティ推進サイクル
当社グループは、投資家をはじめとするステークホルダーとの対話を通じて、サステナビリティに関する外部環境の変化や動向、当社グループにとってのリスクおよび機会を把握しています。こうした対話から得られた示唆を、持続的な企業価値向上に向けた具体的な施策やアクションにつなげています。また、特定したリスクおよび機会、ならびに取り組みの進捗や実績については適切な情報開示を行い、その内容を踏まえながら取り組みの見直し・改善を図ることで、サステナビリティ推進の実効性向上に努めています。
より具体的なサステナビリティの取り組みや、ステークホルダーとの対話については、以下をご参照ください。
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/#sojitz_esg
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/policy/stkholder/

(2) サステナビリティに関するガバナンス
当社は、取締役会、経営会議およびサステナビリティ委員会を中核とするガバナンス体制のもと、サステナビリティに関する取り組みを推進しています。
サステナビリティ委員会は、社長を委員長とし、年4回開催しています。同委員会では、サステナビリティに関する基本方針や推進体制の整備、重要なリスクおよび機会の特定・評価、対応策の検討、ならびに各種施策の進捗確認等を行っています。また、執行役員の中からサステナビリティ全般を管掌する担当役員を任命しており、IR・サステナビリティ推進部がその事務局を担っています。
サステナビリティ委員会で検討された全社方針、経営戦略や重要施策にかかわる議案は、必要に応じて経営会議に付議、または報告され、経営会議でこれらの議案について審議・決裁を行っています。また、中期経営計画におけるサステナビリティ施策の進捗、重要な方針および主要課題への対応状況等については、年2回、取締役会に報告しています。取締役会は、サステナビリティ委員会および経営会議からの報告を受け、サステナビリティに関する取り組みの方向性および重要課題への対応状況を監督しています。
<サステナビリティ推進・実行体制図>

<2025年度サステナビリティ関連の会議体における主な承認・報告事項>
(注) Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:国連開発計画(UNDP)などによって設立された「自然関連財務情報開示タスクフォース」の略称であり、企業が投資家や市場に対して自然に関連するリスクや機会等を開示するためのフレームワークを策定している。
(3) サステナビリティに関するリスク管理
サステナビリティ委員会は、当社グループにおけるサステナビリティに関するリスクを特定・評価し、対応方針を検討・審議しています。委員会での審議にあたっては、IR・サステナビリティ推進部が事務局として、社内外の動向、外部有識者を含むステークホルダーからの助言や見解を踏まえ、リスクの特定および評価に関する情報およびその分析を取りまとめ、委員会に報告しています。
当社は、サステナビリティに関する主なリスクとして「環境・気候変動リスク」および「人権リスク」を特定しています。これらのリスクへの対応については、全社的なリスク管理の枠組みのもと、内部統制委員会がほかのリスクと併せて、対応状況のモニタリングを行っています。その結果を定期的に経営会議、取締役会および監査等委員会に報告しています。加えて、当社グループの個別の投融資案件については、投融資審議会にて審議を行う過程でサステナビリティに関するリスクの特定・評価を行うプロセスを組み込んでいます。
なお、環境・社会に関するリスクの詳細については、
(4) 気候変動対応
① ガバナンス
気候変動対応に関するガバナンスについては、(2)サステナビリティに関するガバナンスをご参照ください。
② 戦略
脱炭素社会実現への挑戦
当社は、気候変動対応を重要な経営課題の一つと位置づけ、脱炭素社会への移行に伴うリスクへの対応を進めるとともに、中長期的な事業機会の創出にも取り組んでいます。
当社では、脱炭素社会への移行を見据えた「脱炭素ロードマップ」を策定し、これを気候変動対応戦略の基盤としています。同ロードマップでは、技術革新、社会実装の進展や各時点で想定される事業環境を踏まえ、脱炭素関連事業における事業機会を体系的に整理しています。
これらを踏まえ、当社グループは、中期経営計画において注力分野と位置づける再生可能エネルギー事業に加え、脱炭素社会への移行期を支える事業として「エッセンシャルインフラ」および「エネルギー・素材ソリューション」を展開しており、これらの事業を通じて、脱炭素社会実現への貢献と当社グループの持続的な成長の両立を図ります。
<脱炭素ロードマップ>

シナリオ分析
外部調査および内部分析を踏まえ、気候変動に関するリスクおよび機会が、事業活動、経営戦略および財務計画に与える影響が大きいと見込まれる事業分野を対象に、シナリオ分析を実施しています。
移行リスクについては、温室効果ガス(GHG)排出量の多い事業分野のうち、影響が特に大きいと判断される石炭権益事業および発電事業を主な対象とし、将来の需要動向、価格動向、炭素コスト等が事業および財務に与える影響を分析しています。これらの分析結果は、個別事業のレジリエンス評価や事業ポートフォリオの見直し、新たな事業機会の検討にも活用しています。
また、気候変動が抑制されず温暖化が進行した場合の物理的リスクについても分析しています。特に、海岸洪水や河岸洪水等の水リスクに着目し、当社グループが保有または関与する事業・資産への影響を把握し、その結果を資産のレジリエンス評価や今後の対応方針の検討に反映しています。
シナリオ分析については、以下をご参照ください。
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/esg-tcfd/
Scope1、Scope2の削減
当社は、GHG排出の削減を、脱炭素社会の実現に向けた当社グループの責務であると位置づけています。この認識のもと、Scope1とScope2のGHG排出削減を加速し、脱炭素社会への移行に対する耐性の向上を図っています。併せて、脱炭素社会への移行を新たな事業機会と捉え、幅広い分野でのビジネス創出を進めています。当社は、「サステナビリティ チャレンジ」の実践に向けて脱炭素対応方針を策定し、Scope1とScope2の削減目標(後述)を設定し、GHG排出削減に取り組んでいます。
具体的には、省エネルギー・効率改善、再生可能エネルギーへの転換、クリーン燃料への切り替え、事業ポートフォリオの最適化等を通じて、Scope1とScope2の排出削減を進めています。
Scope3の把握と削減貢献の推進
脱炭素社会の実現に向けては、自社の排出削減に加え、サプライチェーン全体におけるGHG排出量(Scope3)の把握と対応が重要であると認識しています。
Scope3排出量の多い領域は、規制強化や政策変更、市場における需給の変化、技術革新による代替の進展等により、移行リスクが顕在化しやすい領域である一方、社会全体の排出削減を前進させる新たな事業機会が存在する領域でもあります。当社は、総合商社ならではのネットワークと事業間連携による事業創出こそが、脱炭素社会の実現への貢献であるとの考えのもと、社会全体のGHG排出削減に貢献することを目指しています。当社は、この考え方を「削減貢献」として位置づけ、今後も取り組みを拡充していく方針です。具体的には、再生可能エネルギーによる発電、バイオガス製造、高効率ガス火力、森林保全・吸収に関する事業を通じた直接的な削減貢献に加え、省エネルギーサービス、電力小売、化学分野における脱炭素・環境対応型ビジネス等を通じた間接的な貢献も含め、排出削減につながる取り組みを進めています。

当社は、サプライチェーン上のGHG排出量分析図(Scope3と削減貢献量)において、「GHG排出の多い産業」と「サプライチェーンの各工程」という二つの観点からScope3を構造的に把握しています。これにより、リスクとしてのScope3と、機会としての削減貢献量を一体的に分析しています。
当社は、これらの分析を通じて、サプライチェーン上のリスクを把握するとともに、削減貢献を通じた成長機会を捉え、脱炭素社会への移行を当社グループの持続的な成長につなげていきます。
サプライチェーン上のGHG排出量分析については、以下をご参照ください。
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/esg-climate/
③ リスク管理
サステナビリティ委員会では、当社グループの各事業におけるGHG排出リスクを特定・評価するとともに、ステークホルダーダイアログを通じて、気候変動のリスクと機会についても討議しています。また、投融資審議会で審議を行う過程で、個別事業におけるGHG排出を含む気候変動関連リスクを確認しています。
気候変動に関するリスクについては、「(3)サステナビリティに関するリスク管理」、
④ 指標および目標
当社は、前項で説明した当社グループの気候変動に関するリスクおよび機会の評価および管理するための指標として、自社のGHG排出量であるScope1とScope2、サプライチェーンにおけるGHG排出量であるScope3を用いています。また、脱炭素社会への移行に伴う事業機会を把握する観点から、事業を通じた削減貢献量についても分析・把握を進めています。
Scope1とScope2については、事業活動に伴う自社のGHG排出量の削減を当社グループの責務と捉え、2050年までのネットゼロ達成を目指しています。その上で、2019年度時点の事業を対象に、エネルギー起源CO2を2030年までに2019年度比6割削減し、このうちScope2は2030年までにネットゼロとする目標を設定しています。加えて、2024年度時点の事業を対象として、GHG排出量を2035年までに2024年度比で4割削減し、このうちScope2は2035年までにネットインパクトゼロとする中間目標を新たに策定しました。これらの目標設定により、2050年ネットゼロに向けた取り組みを具体化しています。
また、Scope3については、資源権益事業を中心に、一般炭権益を2030年までにゼロ、石油権益を2030年までにゼロ、原料炭権益を2050年までにゼロとする目標を掲げています。削減貢献量については、現時点では定量目標を設定していないものの、Scope3の把握とあわせて、脱炭素社会への移行に伴う事業機会を評価するための参考指標として把握しています。
■Scope1、Scope2の目標と進捗
双日単体、国内外全連結子会社および経営支配力アプローチにて報告対象となるUnincorporated Joint Venture(注4)が対象。石炭火力発電は現在保有なし、今後も保有しない。
(注)1 2019年度を基準年としてエネルギー起源CO2対象
2 2024年度を基準年としてGHG対象
3 ネットインパクトゼロ:自社の排出量から、吸収除去・オフセット量と、事業を通じて実現した削減貢献量を差し引き、ゼロとする当社独自の考え方
4 Unincorporated Joint Venture:共同支配事業
■Scope3(資源権益事業)の目標と進捗
(注) 2018年を基準とした権益資産の簿価ベース
当社グループのGHG排出量は以下のとおりです。
1) Scope1、Scope2の総排出量 (単位:万トン-CO2e)
(注) 算定範囲は、双日単体(オフィス以外の拠点を含む)、国内外全連結子会社および経営支配力アプローチにて報告対象となるUnincorporated Joint Venture。2025年度のScope1およびScope2排出量は現時点における集計値(速報)であり、第三者保証を取得した確定値については、当社サステナビリティウェブサイトおよびSojitz ESG Book等にて開示します。
2) Scope3、削減貢献量
Scope3、削減貢献量については、以下をご参照ください。
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/esg-e-data/
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/esg-climate/
(5) サプライチェーンを含む人権尊重
当社グループは、グローバルに事業を展開していることから、国・地域や産業に関わらず、サプライチェーンにおける人権尊重を重要な経営課題と位置づけ、人権リスクの把握および低減に取り組んでいます。また、当社グループは、「国際人権章典」および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」を支持するとともに、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則って人権尊重の対応を進めています。
人権尊重の取り組みにあたっては、ステークホルダーとの対話を通じて、「方針の策定・共有」「リスク評価」「改善・救済」「実績開示」からなるプロセスを運用しています。各プロセスの内容については、外部動向や内部環境などを踏まえ、定期的に見直しと改善を行っています。また、リスク評価やグリーバンスメカニズムにて、改善すべき点が判明した場合は、速やかに是正を行っています。

① ガバナンス
人権に関するガバナンスについては、「(2)サステナビリティに関するガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
当社は、「マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)」の中から優先的に取り組むテーマを特定し、2050年に向けた長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を策定しています。そのテーマの一つが「サプライチェーンを含む人権尊重」であり、中期経営計画をはじめとする経営戦略および事業戦略の基盤となっています。
当社は、「国連グローバル・コンパクト」の10の原則などを踏まえて、「双日グループ人権方針」や「双日グループ サプライチェーンCSR行動指針」などの方針を策定しています。これらの方針については、事業環境や社会要請の変化を踏まえ、定期的に見直し、必要に応じて改定を行っています。
また、サプライチェーン上の人権尊重においては、事業現場における認識と理解が重要であると考えています。そのため、セミナーやe-learningの実施に加えて、グループ各社の経営陣とIR・サステナビリティ推進部(サステナビリティ委員会事務局)間の対話を通じて、方針や取り組みの周知および現場の対応状況の確認を行い、グループ全体における人権尊重意識の徹底と理解の浸透を図っています。また、取引先に対しても当社の方針を共有し、理解と実践を求めています。
<2025年度 人権研修の実施状況>
2025年度は、本社従業員を対象としたe-learningを実施し、約2,000人が受講しました。また、海外では主に中東・アフリカおよび東南アジアの拠点、国内は中核事業会社等を対象とした研修や対話を実施し(計28回、約400人参加)、グループ全体における人権尊重の理解と実践の定着を図っています。
③ リスク管理
1) 新規事業投融資におけるリスク管理
当社では、新規投融資を検討する際、各申請部署において強制労働、児童労働、先住民族への影響など、想定される環境・人権リスクを洗い出し、対応策を整理しており、必要に応じて追加調査を行い、人権リスクの洗い出しと対応策に漏れが無いことを確認しています。
投融資の決裁申請書には、留意すべき課題、対応策およびモニタリング方法を記載する運用としており、環境・人権への影響を踏まえた意思決定を行う体制としています。
2) 既存事業およびサプライチェーンにおけるリスク管理
(a) 高リスク事業分野の特定
サプライチェーンを含む人権課題は多岐にわたるため、特に人権対応が強く求められる事業分野を特定し、優先順位を付けて取り組むことが重要であると考えています。このリスクベースアプローチのもと、当社では英国NGO「ビジネスと人権センター」が有する人権リスクの発生事例データベース等を活用し、当社グループの事業の中でも特にリスクが高い事業分野(以下「高リスク事業分野」といいます)を特定するとともに、サプライチェーン全体の中で人権リスクが発生しやすい高低についても分析・確認しています。これらの分析結果は、「環境・人権リスクの対応ポイント」として整理し、社内で共有しています。これにより、新規投融資や取引、または既存事業におけるデュー・ディリジェンスにおいて、環境・人権リスクを把握し、重点的かつ実効的な対応につなげています。
高リスク事業分野は、最新の発生事例データベース、当社グループの事業環境、外部専門家の意見などを踏まえ、定期的に見直しを行っています。
(b) リスク評価
高リスク事業分野に該当する事業を行う組織では、取引先に対するアンケートやヒアリング、現地訪問などを行い、リスクの内容や対応状況を調査します。調査結果は、IR・サステナビリティ推進部と各組織の定期的な対話の中で共有し、課題や対応内容を随時更新しています。
(c) 現地訪問による調査
当社グループは、必要に応じて取引や事業が行われている現場に赴き、人権リスクの調査・確認を行っています。
例えば、木材調達(輸入)においては、年次調査を通じて、トレーサビリティや環境・社会への配慮状況を確認しており、必要に応じて、現地訪問による調査や、懸念サプライヤーに対して外部専門家の関与する詳細なデューディリジェンスを実施しています。2025年度は4件の現地訪問調査(インドネシアで2件、マレーシアで2件)を行いました。
また、2025年度は、チリに所在するウニのサプライヤーにつき、法令遵守状況や労働条件(ピーク期の過重労働対策・労働安全衛生等)を中心にヒアリングおよび現地調査を実施し、重大な課題がないことを確認しました。
(d) 改善・救済
リスク評価および社内外からの相談・通報を通じて問題が発見された場合、事実を確認の上、取引先などの関係するステークホルダーと協議し、改善対応を行います。
また、当社では、サプライチェーン上の負の影響を早期に発見し、是正・救済を行うため、当社サプライチェーンを含む全てのステークホルダーを対象とした、人権に関する苦情やお問い合わせを受け付ける体制(グリーバンスメカニズム)を整備しています。
社外ステークホルダー向け窓口および通報受付後のプロセスについては、以下をご参照ください。
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/esg-human_rights/#grievance
④ 指標および目標
1) 木材調達
当社グループでは、人権リスク評価の結果を踏まえ、高リスク事業分野の一つである木材分野において「木材調達方針」を策定しています。海外から調達(輸入)する木材については、原産地までのトレーサビリティと、森林管理の環境・社会(人権)への配慮状況に応じて4段階で評価し、調達比率を指標とした目標を定めています。
レベルA:認証材(注)
レベルB:トレーサビリティに加え、認証以外で環境・社会(人権)に配慮した森林管理の適切性を検証済みの木材
レベルC:トレーサビリティが確保されている木材
レベルD:トレーサビリティの確保が不十分な木材
(注) FSC(R)、PEFCなどによる認証木材
木材調達については、以下をご参照ください。
https://www.sojitz.com/jp/csr/supply/lumber/
2) 水産品調達
当社グループは、水産品の生産・調達・加工・販売を、日本のみならずアジア、米国などにおいてグローバルに展開しています。近年では、米国にて寿司テイクアウトチェーンや寿司レストラン運営会社を設立するなど、消費者により近いリテール領域に注力し、サプライチェーンを拡大しています。こうした状況を踏まえ、持続可能で責任ある水産品の調達を実現するため、当社および当社グループの水産事業会社を対象とした、「水産品調達方針」を2024年12月に定めました。
本方針では、サプライチェーンにおけるIUU(違法、無報告、無規制)漁業の排除に努めることや、トレーサビリティ確保に努めること等を掲げています。
特にマグロ類については、調達・養殖・加工・販売活動をグローバルに行っていることから、持続可能なサプライチェーンの実現に対して一定の影響力を有し、重要な役割を担っていることを踏まえ、以下の目標を掲げています。
水産品調達については、以下をご参照ください。
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/policy/marine/
(6) 自然資本・生物多様性への対応
当社グループは、事業活動において食料資源、水産資源、林産資源の取り扱いや資源開発、工場建設などを行っており、これらの活動は森林、海洋、河川といった生態系に影響を与える可能性があります。また、事業活動・社会活動は自然資本に依存していることから、自然資本の棄損は当社グループの持続的な事業活動を制約する要因となりうると認識しています。こうした認識のもと、当社グループは、環境方針において、生物多様性への対応や事業にかかわる環境負荷の最小化を掲げています。また、当社は2025年9月にTNFDアダプターとして登録し、自然関連課題への対応および情報開示の高度化を推進しています。
① ガバナンス
自然資本・生物多様性に関するガバナンスについては、(2)サステナビリティに関するガバナンスをご参照ください。
② 戦略
当社グループは、自然資本への依存および影響の大きい事業分野について、分野ごとの特性に応じた管理と対応を進めています。2024年度は、TNFDガイダンスを参照し、概観分析を通じて当社グループの事業における自然への依存と影響を確認するとともに、依存・影響の重要度が高い事業分野を選定しました。2025年度は選定した事業分野のバリューチェーンを対象にLEAP (Locate、Evaluate、Assess、Prepare) 分析を実施しています。
1) 自然への依存と影響の重要度が高い事業および分析対象の特定
TNFDのガイダンスを参照し、分析ツールの一つであるENCORE(注)を活用し、一般的な事業における自然資本への依存・影響を確認しました。当社グループにおいて依存・影響の重要度が高い事業を特定した結果、水に関する項目の依存・影響度が相対的に高い傾向を確認しました。
これらを踏まえ、特定した事業のうち、当社が注力領域として位置づけている水産バリューチェーン(マグロの養殖を行う双日ツナファーム鷹島、水産品加工を行うマリンフーズ、トライ産業など)を分析対象として選定し、TNFDのLEAP分析を以下の通り実施しました。
(注) 民間企業による自然関連の依存や影響の大きさを把握することを目的に、国連環境計画・自然資本金融同盟(UNEP-NCFA)などが共同開発した分析ツール
(a) 水産バリューチェーンのLEAP分析
a) Locate 自然との接点の発見
双日ツナファーム鷹島の自社養殖、上流の飼料・稚魚調達、ならびに下流の国内加工過程(トライ産業、マリンフーズ)を対象に、生物多様性への影響が相対的に大きい優先地域を特定しました。
b) Evaluate(自然との依存・影響の診断)
優先地域におけるリスク要素を整理した上で、自社養殖である双日ツナファーム鷹島、上流、下流における自然環境・規制の調査、事業会社へのヒアリングを行い、実態を把握しました。
c) Assess(重要なリスク・機会の評価)
TNFDのセクター別ガイダンスに沿って評価した結果、重要性が高いリスク・機会と、それに対する当社グループの取り組みは以下のとおりでした。
(注) Integrated Biodiversity Assessment Tool(IBAT): IUCN(国際自然保護連合)レッドリスト、保護地域、生物多様性上重要地域(KBA)などのデータベースへのアクセスが可能な地理空間データを提供するツール。
さらに特定したリスク・機会を踏まえ、将来の不確実な環境下における当社グループのレジリエンス(回復力)向上を目的として、シナリオ分析を実施し、財務的な影響は限定的であることを確認しました。

d) Prepare(対応と報告の準備)
当社はTNFDアダプターとして、 TNFDが開示を推奨する項目についての分析を順次実施し、提言に沿った情報開示およびリスク管理の高度化を推進していきます。併せて、自然資本(生物多様性・水)を注視し、事業ポートフォリオに対する依存・影響を見極めていきます。
水産バリューチェーンのLEAP分析については、以下をご参照ください。
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/esg-tnfd/
(b) そのほか取り組み
当社では、各事業の特性に応じて自然資本および生態系への影響低減に取り組んでいます。例えば、鉱山などの資源開発においては、土地改変や水資源への影響等を踏まえ、環境・社会影響評価の実施、管理・モニタリング計画の策定、閉山計画も含めた事業管理を行うとともに、法令遵守および必要な許認可の取得を徹底しています。
③ リスク管理
水産バリューチェーンにおけるLEAP分析の結果を踏まえ、当社グループでは自然関連リスクの適切な管理に向け、定期的なモニタリングを実施しています。また、自然資本への依存および影響の継続的な把握・管理を目的として、ENCORE分析を年1回実施し、2025年度においても水に関する項目の重要性が高いことを確認しています。
④ 指標および目標
当社は、環境方針において、生物多様性への対応を含む、事業活動に伴う環境負荷の最小化を掲げています。特に、木材や水産品については、分野別のガイドラインに基づく個別の調達方針を策定((5)サプライチェーンを含む人権尊重 ④指標および目標 1)木材調達 2)水産品調達をご参照ください)しており、これらの方針に基づき、自然資本に配慮した調達と生物多様性の維持・保全を進めています。LEAP分析の結果を踏まえ、今後も外部環境や当社の事業状況に応じて、水産バリューチェーンの見直しを行うとともに、継続的なリスク管理やモニタリング体制の確認、ならびに定期的な分析の実施を検討していきます。
(7) 外部評価
当社グループの事業を通じた当社のサステナビリティ課題への取り組みは、外部評価機関にも継続的に高く評価されています。
1) ESG外部評価の推移
その他、サステナビリティに関する取り組みは、以下をご参照ください。
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/
(8) 人材戦略に関する基本方針
2030年の目指す姿「事業や人材を創造し続ける総合商社」の実現に向け、価値創造の源泉である「個」を強化し、個の成長を、組織の成長、会社の成長につなげています。
「中期経営計画2026」の人材戦略では、当社グループの人材戦略基本方針として「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」の3点に重点を置き、双日らしい成長ストーリーの実現に向けた事業創出力と事業経営力の強化を図っています。

(注) 1 ミドルマネジメント:対話を通じて個の力を組織力に変える本社課長(および候補)、海外・グループ会社キーポジション(および候補)を対象とするもの
2 人材マネジメント: 人材の計画的な育成を通じて事業創出(Value creation)・事業経営(Value up)につなげる
① ガバナンス
当社における人的資本経営の実行体制として、取締役会において経営視点から人的資本について議論し、重要な人事事項は、社長が議長を務める人事審議会で審議・決裁しています。また、人的資本経営に関わる方針や重要事項は経営会議へ付議し報告・議論を行っています。
なお、人材KPIの進捗状況や人事施策の効果・課題などは経営会議および取締役会で半期ごとに議論・決定しながら進めており、適宜方針などの見直しが行える体制となっています。
取締役会のスキルおよびコンピテンシーについては、
② 戦略
1) 人材戦略基本方針①「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」
「個」を強化する上で、多様なバックグラウンドを持つ人材が、高い自律性、挑戦・成長意欲を原動力に、それぞれの特性や能力を最大限に活かせるよう後押しを行っております。
(a) 挑戦・成長を後押しする人事制度・文化醸成
当社では「個」の強化に向け、新たな価値創造へ果敢に挑戦する中で、自身の強みや改善点を認識、成長につなげることで、さらなる挑戦へと循環するサイクルを加速させるという考えのもと、人事制度の整備や文化醸成に取り組んでいます。
当社の人事制度では、役割等級制度をもとに、成果および行動の両面から評価・処遇を行っております。同一等級内においても、成果の大きさに応じてメリハリのある処遇となるよう設計しており、従業員の挑戦意欲を高める仕組み・制度を整えています。また、挑戦が必ずしも成果に結びつかない場合であっても、行動面における発揮度合いに応じて昇格・降格を行うことで、年功序列に依らず、優れた行動を発揮し続ける従業員がより大きな役割に基づき挑戦できる環境を整備しています。
2025年度には、個々の挑戦や成長を後押しする観点から、一部管理職層における成果に対する処遇のメリハリを一層強化するなど、より成果に報いる人事制度へと見直しを行いました。このように、外部・内部環境や組織課題の変化に応じた人事制度改定を実施しています。
さらに、挑戦や成長を後押しする様々な取組みを通じて、社内の文化醸成にもつなげています。その一例として、2019年度より実施しているHassojitzプロジェクトが挙げられます。従業員自らの発想に基づく新規事業提案の機会を提供しており、チームメンバーの募集も公募により行っています。多様なメンバーで構成されたチームでアイデアを磨き上げ、事業としての実現可能性について経営陣や外部識者による審査を実施しています。2025年度の最終報告会では当時入社2年目の若手社員が社長賞を受賞し、事業化に向けて活動を継続しているほか、50代従業員の提案も数ある応募の中から選考を通過し最終審査に至るなど、年齢にかかわらず挑戦できる土壌が広がっています。これらの取組みを通じ、会社が個人の挑戦を後押しする仕組みや環境整備を進めています。
当社は、個が互いに成長し高め合う組織文化の醸成に向け、2025年度よりフィードバックの定着に向けて取り組みを開始しました。個々人の成長スピードを加速させるためには、日常業務における成果および改善点を適時にフィードバックし、行動変容につなげていくことが重要であると考えています。このため、当社では成長を促すコミュニケーション手段の一つとしてフィードバックを位置づけ、各人のポジティブおよびギャップ(改善点)に関し、職位や立場にとらわれず、上司・部下間に限らない多方向のフィードバックを行う取り組みを推進しています。今後は、当該取り組みをあらゆる現場に浸透、徹底させることで、成長実感の醸成および風通しの良い組織づくりを目指しています。
(b) 自律的思考を前提とした人材育成(研修プログラム)
「個」の強化においては、自分で考え・行動するという自律的思考に基づいた挑戦が個の成長スピードを加速させると考えています。フィードバックを含む日々のコミュニケーションにおいては、上司が一方的に指示を与えるのではなく「問い」を通じて、従業員一人ひとりが自ら考えることを習慣化できるよう浸透を図っています。
2025年度には、人材育成においても自律的思考を軸に据え、必修研修を減らし、より個々の特性に合った学びの機会を提供できるよう研修体系を見直しました。また、自律的思考のもととなる思考力の磨き上げや会社からの期待役割の理解を深める場として、役割等級ごとの集合型研修を強化することで、個の底上げにつなげていきます。
今後は、上司等との対話を通じて、自らの成長課題を客観的に理解した上で、何を学ぶべきかを自分で考え、行動することで、さらなる個の成長につなげられるよう後押ししていきます。
研修プログラムについては、以下をご参照下さい。
研修プログラム:
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/s/human_resources/
(c) 女性活躍推進
当社では、性別や国籍等を問わない多様な人材の活躍に向け、女性活躍推進を人材戦略の重要テーマの一つとして位置づけています。
2030年代には男女間の差がなく適所適材が実現している状態を目指し、人材パイプライン拡充や、ライフイベントを見越した「キャリアを止めない」環境づくりに取り組んでいます。
若手層における人材育成として、「キャリアの早回し」により、ライフイベントと重なりにくいタイミングで若手社員を国内外の事業会社にトレーニーとして派遣し、挑戦と成長の機会を提供しています。また、管理職候補育成の観点からは、ミッション遂行や意思決定といった難易度の高い経験を積むことを目的に、国内外の事業会社への派遣を進めています。これらの取り組みに対する経営層の強いコミットメントを示すため、取締役(社外取締役・監査等委員を除く)や執行役員の業績連動報酬の評価項目として、人材KPIにおける「女性の本社外経験割合」を設定しています。
また、配偶者の海外駐在の際の一時的な休職に応じた復職制度の推進や赴任先でのキャリア継続の検討を行っています。2030年代には全従業員に占める女性比率および女性課長比率を50%程度にすることを目指し、2024年度に「中期経営計画2026」における女性課長比率目標を20%程度にまで引き上げました。課長を経験した女性社員を部長や海外拠点長に登用するなど、重責を担う従業員は着実に増加している一方で、新任課長の増加は緩やかになっており、女性課長比率の上昇は停滞している状況です。当社の人員構成上の課題として、2003年の経営統合前後に採用を抑制した時期があり、管理職候補世代となる30代後半から40代従業員の絶対数が限られていること、また、出産や配偶者の海外駐在への帯同など、ライフイベントと重なる従業員が多かったことが背景にあります。実力をつけた30代の早期登用を進めるべく、候補人材に対して、本部と育成計画を共有し、各人の状況に合わせた育成策を進めているほか、社外から管理職候補となる人材の採用を進めるなど、人材パイプラインを拡充する取り組みを行っています。
また、取締役および社外取締役を含む経営と部課長がメンバーとなる「女性活躍推進コミッティ」を昨年度に続き2025年度も継続して開催しました。従来からのテーマである管理職の早期育成においては、共育て・共働き社員の増加に対応した組織体制の在り方や、チームで協力し合う組織風土の醸成をテーマに、女性活躍やダイバーシティ推進においての課題を議論しています。今後、共育て・共働きが一般的となることが想定される中で、ミドルマネジメント層における業務負荷を軽減するべく、副部長・副課長の積極的な活用等を経営会議にも提言し、今後具体的な取組みに着手する予定です。

(d) ビジネスへのデジタル実装に向けたデジタル人材育成
当社は、“Digital-in-All”の実現に向け、デジタルの活用を通じてビジネスモデルおよび業務プロセスの変革を現場で実践できる体制の構築を目指し、応用レベルのデジタル人材の育成・配置に注力しています。
「中期経営計画2026」においては、全社的なデジタルリテラシーの底上げを図るとともに、特に現場におけるデジタル実装を牽引できる応用レベル人材の育成を重点施策として位置づけています。当該人材の育成数については「人材KPI」として設定し、これまで着実に輩出を進めてきました。
また、DXにおけるビジネスモデル構想を担う「ビジネスデザインコース」においては、営業本部長の半数以上が約6か月をかけて自組織のDX案件を高度化する取り組みを行うなど、管理職層のデジタルスキル向上も着実に進展しています。
一方で、生成AIをはじめとするテクノロジーの急速な進展に対応するため、社員の継続的なスキル向上が不可欠と考えています。このため当社では、デジタル人材育成施策の高度化を推進しており、具体的にはAIの徹底活用を通じて新たな価値創出を担う「デジタル人材2.0」の育成を目指し、育成プログラムを刷新の上、2026年度より運用を開始しました。
本プログラムでは、従来のデータ分析分野をAI・データ活用分野へと拡張するとともに、生成AIの活用を前提としたカリキュラムへ転換しています。さらに、実業務課題に基づく実践型へのシフトおよび現場ニーズを踏まえたスキル定義の見直しを行い、実務成果の創出を重視した内容へと高度化しています。
デジタル人材育成について「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)「中期経営計画2026」の進捗状況 ④DX」および以下をご参照ください。
https://www.sojitz.com/jp/corporate/strategy/dx/
(e) 現地人材の活躍
海外事業会社を起点に現地ネットワークに入り込み、事業領域の拡大や新規事業の創出につなげるため、現地人材のCxOポスト拡大を推進しています。2022年3月末に40%だった海外事業会社の現地人材CxO比率は、2026年3月末現在で48%となっています。
2025年度においては、当社の海外現地法人の拠点長ポジションに海外採用社員を抜擢するなど、現地人材の活躍領域は着実に広がっています。また、投資案件規模の拡大状況を踏まえ、投資先の経営体制に応じた権限の付与による効率化を行い、今後は適切なガバナンス体制の構築など、現地人材の活躍を後押しする環境整備にも取り組んでいきます。
(注) 2025年度の数値は有価証券報告書提出日現在の集計値であり、第三者保証を取得した数値については当社ウェブサイトにて開示いたします。
2) 人材戦略基本方針②「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」
多様性と自律性を備える「個」の成長を組織・会社の成長、企業価値向上につなげるためには、経営層と現場社員の結節点・橋渡し役として戦略遂行とエンゲージメント向上を担うミドルマネジメント層の強化が不可欠と考えています。
(a) ミドルマネジメントの強化による組織力向上
当社の価値創造の源泉である人材の力を最大化するため、対話を通じて従業員の力を引き出し組織力の向上につなげるマネジメント力の強化が重要であると考えています。当社では、全部長職・課長職を対象に毎年集合研修を実施しております。これまで、部下との対話や心理的安全性に関する重要性を繰り返し伝えてきた結果、360度サーベイにおいても、対話や傾聴に関する項目で一定程度浸透してきていることが確認されています。
一方、従業員が自律性をもって挑戦していくためには、従業員一人ひとりが組織の戦略を正しく理解し、自分ごと化して自らの業務に取り組むことが不可欠と考えています。このため、2025年度の集合研修においては、戦略の高度化および社内浸透の強化に重点的に取り組みました。しかし、同年度に実施したエンゲージメントサーベイの結果、戦略に対する理解度について、ミドルマネジメント層と一般社員層との間に、なお改善を要するギャップが存在することが明らかとなっています。
今後は集合研修に加え、日常から対話やフィードバックの質の向上を通じて、戦略の理解と浸透を一層促進し、個の成長を最大限に引き出せるミドルマネジメント強化につなげていきます。
ミドルマネジメントの強化については、以下をご参照下さい。
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/sojitz-doc/pdf/jp/ir_202405/reports/annual/ar2024j_all.pdf
3) 人材戦略基本方針③「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」
テクノロジーの進展や事業環境・事業戦略の変化等を踏まえ、機動的かつ計画的な人材配置や育成・抜擢を行うことで、2030年の目指す姿の実現に向け事業創出力と事業経営力を高めていきます。
(a) 機動的・計画的な人材配置や育成を支える人材の可視化
「個」と「組織」の強化をさらに進めるべく、当社では人材データの可視化・活用を推進しています。エンゲージメントサーベイや360度サーベイなど、定期的に実施するサーベイや人事データを多角的・多面的に分析し、様々な人事施策の進捗モニタリングに活用しています。
また、タレントマネジメントシステムを全従業員へ展開しており、上司が部下の情報を参照できるだけでなく、従業員本人が記載した職務経歴や資格・スキル情報を社内で参照し合えるようにするなど、従業員同士での情報の可視化も進めています。
(b) 事業戦略に連動した人員計画・配置
当社では、外部環境や事業戦略の変化に連動した人員配置・育成を実現するため、各組織において人員計画を策定しております。現組織の人員構成を可視化の上、個別の配置計画を策定することで、組織の持続的な成長に欠かせない人材の強化につなげています。また、今後は当該計画に基づき、戦略的な採用計画の立案を行うとともに、全社的な視点で経営人材の計画的な育成および女性パイプラインの拡充などにつなげていきます。
4) 多様な人材の活躍を支える制度・取り組み
当社グループの成長は従業員とともにあると考え、多様な価値観やキャリア志向を持つ全ての従業員が、挑戦・成長を積み重ねることで、高いモチベーションを維持しながら自律的に働き続けられる環境を整えていきます。
(a) グループ全体で企業価値向上を加速させる取り組み(従業員持株会・株式の付与)
当社は、グループ全体で持続的な企業価値向上に向けた意識醸成を企図し、従業員持株会、グループ従業員持株会を通じて従業員一人ひとりの会社への帰属意識と企業価値向上に向けたモチベーションを高めていきます。2025年3月時点で87.7%だった従業員の持株会加入率は、2026年3月現在で92.2%程度となり、収益の拡大による資金の循環を人や事業の成長につなげるべく、企業価値向上に向けた取り組みを加速させていきます。さらに、「中期経営計画2026」の数値目標を達成した際は、本社社員のみならず、一部グループ社員も含めた従業員に対して株式インセンティブとして特別報酬を付与する予定です。
(b) 健康経営
当社グループにとって最大の資本である従業員とその家族が心身共に健康であること、ならびに従業員が働きやすさと働きがいを持てる健全な職場環境づくりは、会社の重要な責任の一つです。この考えのもと、社長をトップとした健康経営の推進体制を構築し、従前より掲げている「双日グループ健康憲章“Sojitz Healthy Value”宣言」や、健康経営で解決を目指す経営課題と解決手段を可視化した「健康経営戦略マップ」をもとに、健康面から当社グループと従業員の持続的成長とパフォーマンス向上を支えることを目的として、フィジカルヘルス対策/メンタルヘルス対策/女性の健康対策を主軸とした施策を戦略的に実行しています。
健康経営については、以下をご参照下さい。
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/s/health/
https://www.sojitz.com/pdf/jp/sustainability/sojitz_esg/s/health/strategymap.pdf
③ リスク管理
人的資本の強化において、その阻害要因となりうるリスクを認識の上、対応策を講じております。
④ 指標および目標
人材KPI(動的)
当社では、中期経営計画2026の人材戦略に基づき、事業創出力と事業経営力の強化に向けた各種施策の進捗・効果を測るため人材KPIを設定しています。具体的には「双日らしいカルチャーの醸成(挑戦指数、風通し指数)」、「多様な人材活躍(女性総合職 海外・国内出向経験割合、海外グループ会社CxO(現地人材)比率、デジタル応用人材)」に取り組んでいます。また、一部KPIでは、定期的に実施しているエンゲージメントサーベイ(注)の回答率を用いることで従業員の声を定点観測し施策につなげていきます。
(注) 2026年3月期の数値は現時点の集計値であり、第三者保証を取得した数値については当社ウェブサイトで開示いたします。
エンゲージメントサーベイについては、以下をご参照下さい。
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/s/human_resources/
(1) 当社グループのリスク管理
① リスク管理の考え方
当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。
このため、リスクを「事業戦略およびビジネス目標の達成に影響を与える不確実性」と定義し、経営環境の多面的な分析とリスクの把握、戦略的対応を通じて企業価値向上に資するよう、全社的リスク管理の高度化に取り組んでおります。また、リスクの重要性を評価のうえ、適切かつ合理的な方法でリスク管理を推進しています。
② 全社的リスク管理体制
当社グループが取り組む全社的リスク管理においては、CFOを委員長とする「内部統制委員会」(事務局:内部統制統括部)が、各種社内委員会(4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ④業務執行機関 4)社内委員会)とも連携しながら、方針の協議と策定、業務執行組織(第1線および第2線)が実行するリスク管理の状況の全体俯瞰とモニタリング、ならびに関係先への指示など、その枠組みを有効に機能させる主体となります。
また、監査部は第3線として独立した立場で、第1線・第2線が運用しているリスク管理についての客観的な検証を行います。
これらを踏まえ、内部統制委員会は、経営会議・取締役会・監査等委員会に対して、全社的リスク管理の状況について定期的に報告を行います。
全社的リスク管理体制の概要は下図のとおりです。

全社的リスク管理のプロセス
当社グループにおける全社的リスク管理のプロセスは以下となっております。

当社グループでは、第1線(営業本部など)・第2線(コーポレート)の各部署において、外部環境、経営戦略、業務プロセスなど、将来予想されるものも含めて網羅的にリスクを検討、識別しています。識別されたリスクについては、影響度と発生可能性による2軸評価によって重要度を測定し、内部統制委員会における協議と取締役会への報告を経て、リスク対応方針を決定しています。
このリスク対応方針に沿って、第1線(営業本部など)では、業務執行におけるリスクについての自律的コントロールを行う一方、第2線(コーポレート)では、担当するリスクに関連して経常的に実施する管理業務のほか、第1線への支援やモニタリング、PDCA管理も含めた継続的レビューを行います。第1線および第2線が行うリスク管理活動については、内部統制委員会がモニタリングし有効性を評価したうえで、経営会議・取締役会・監査等委員会に報告を行います。
昨今の世界情勢の変化や地政学リスクの高まりを踏まえ、突発的なリスク発現時の影響度合いを把握できる体制の整備を進めております。また、営業本部・コーポレートとの継続的な対話・連携を通じ、リスク発現時の機動的対応力の向上と、事業継続性の確保およびレジリエンス(回復力)の一層の強化にも取り組んでおります。
さらに、リスク・リターンを踏まえた事業投資マネジメントを行うことで、当社グループのバランスシートの劣化を防ぎ、企業価値の維持・向上につなげております。
(2) 個別のリスクについて
当社グループの事業に関しては、以下①から⑱のリスクがあります。
これらのリスクのほか、当社グループ資産が晒されるリスクを「リスクアセット」として計測管理し、この結果をリスクに対する収益性や、財務の健全性を維持するための指標として活用し、リスクをコントロールしています。リスクアセットは自己資本の1倍以内に収めることを目標としており、2026年3月末のリスクアセットは自己資本の0.6倍であります。
なお、以下①から⑱の各リスクにおける将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、一定の前提または仮定のもとでの予測などが含まれます。
① マクロ経済環境の変化によるリスク
当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、当社グループの業績は、日本および関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的あるいは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② カントリーリスク
当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取り組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。
カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の経済規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差し引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。
しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画どおりの事業活動を行えない可能性や損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 地政学リスク
当社グループは、グローバルにビジネスを展開しており、特定国・地域における社会的、政治的、軍事的な緊張の高まりにより、従業員、物資、資本、情報などの経営資源が危険に晒されたり、貿易・投資、その他の自由な経済活動が阻害される可能性があります。
こうした地政学リスクの高まりによる不確実な情勢に対応するため、特定国・地域における取引内容やビジネスへの影響を確認するとともに、調査・分析および研修を通じて、有事の際に適切な対応がとれるよう努めております。また、安全保障貿易管理委員会を中心に各国の外交政策、制裁措置、武力紛争などの外部環境変化へ柔軟に対応しております。
しかしながら、全ての地政学リスクを回避することは困難であり、当社の事業に影響を与える事象が発生した場合には当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 市場リスク
当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、ならびに、上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクに晒されております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。
1) 為替リスク
当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、海外の事業会社からの受取配当金等も含め、外国通貨に対する為替変動リスクに晒されております。この為替変動リスクに伴う損失の発生または拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はありません。
また、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、損益および財務諸表を日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。これらは予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、為替の収益感応度(米ドルのみ)は、1円/米ドル変動すると、売上総利益で年間8億円程度、当期純利益(当社株主帰属)で年間3億円程度、自己資本で20億円程度の影響があります。
2) 金利リスク
当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入または社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2026年3月末の当社グループの有利子負債残高は1兆2,956億17百万円であり、平均利率につきましては、短期借入金は3.72%、1年内返済予定の長期借入金は1.69%、長期借入金(1年内返済予定のものを除く)は2.05%となっております。
3) 商品価格リスク
当社グループは、総合商社として様々な事業分野において多岐にわたる商品を取り扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクに晒されております。取扱い商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額と最大損失額を設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額が最大損失額の90%に抵触した場合、最大損失額の範囲内に収めるべく速やかにポジションを解消するルール)を設定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、各商品ポジションに関しては、モニタリングの上、本部別に増減内容の分析を行うなど、適正水準にコントロールするための施策を行っております。
4) 上場有価証券の価格リスク
当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。保有する上場株式については、受取配当金や関連する収益が資本コスト(WACC)を上回っているかを定量的に検証するとともに、当社企業価値の向上に寄与しているかといった定性面についても精査し、個別銘柄ごとの保有意義見直しを継続していく方針です。
保有上場株式の株価が大幅に下落した場合、有価証券の公正価値の変動によって、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 信用リスク
当社グループは、多様な商取引を行う中で国内外の取引先に対し信用供与を行っております。これらの商取引においては、販売先の業績不振や経営破綻などにより、当社の債権が回収できないリスクが存在します。
これらのリスクについて、取引先に対し11段階の信用格付けを付与し、当該格付や当社が負うリスクの類型により取引先ごとに取引限度を設定し、債権残ならびに契約残を設定された限度の範囲内でコントロールしております。また、定期的に取引先信用状況やサプライチェーン全体を俯瞰し取引条件を見直し、かつ取引先の信用状況やその変化に応じ、担保・保証の取得や保険の付保など保全措置を講じ、信用リスクが顕在化した場合に、予想される損失の軽減にも努めております。さらに、債権査定制度を導入し、回収に懸念のある債権については、当該取引先の信用状況、債権回収実績、保全内容などを基に回収可能性について査定を行い、回収が難しいと判断する債権額を算定し適時に貸倒引当金を計上しております。
また仕入先において、経営不振などにより仕入契約どおりに当社商品供給がなされない場合、当社グループが主契約者として販売先に販売契約の義務を果たせず、契約履行責任を問われるなどのリスクも存在します。
しかしながら、こうした信用リスクの管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 事業投資リスク
当社グループは、様々な事業領域において事業投資を行っております。事業投資は、事業計画どおりに収益獲得ができないリスク、投下資本回収リスク、事業撤退時に損失が発生するリスクが存在します。事業投資から発生する損失の予防と抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の実行の判断時、また投資実行後の管理や撤退に関して事業投資基準を設けて、管理しております。
新規事業投資案件の実行時においては、取り組み意義やキャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を厳格に評価しております。特に収益性の評価に関しては内部収益率(IRR)を指標とし、これに対しハードルレートを設定した上で、これを上回る案件を取り上げることとしており、事業投資実行の判断において、当社グループの株主価値を向上させ、かつリスクに見合う収益が得られる案件を選別する仕組みを構築しております。
実行済の事業投資案件については、毎年、モニタリング・撤退該否判定として、ROIC(Return on Invested Capital)や、キャッシュリターンベースでのROICであるCROIC(Cash-Return on Invested Capital)が資本コストを超えているかを測定し、定期的に事業性を評価しながらそれぞれの事業の問題点を早期に把握し、適時適切に改善策の実行、あるいは撤退を進めることで当社グループのバランスシートの劣化を防ぎ、企業価値の維持・向上につなげております。モニタリング・撤退該否判定に関する概要は下図のとおりです。

このように、事業投資の実行時、実行後の仕組みを整備しておりますが、期待どおりの収益が上がらないリスクや事業計画を達成できないリスクを完全に回避することは困難であり、想定どおりに事業が進まない場合、当社グループが保有するのれんや固定資産などの価値が毀損し、減損損失が発生する、または当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性があります。こうした場合において、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 資金調達リスク
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金または社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融市場の混乱や格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 環境・気候変動リスク
当社グループの事業活動およびサプライチェーンにおいて、環境・気候変動などにかかわる問題が発生した場合などに、当社グループの社会的評価の低下、事業活動の停止・中止、訴訟や損害賠償などの負担、サプライチェーンからの除外などが生じるリスクがあります。
また、気候変動を抑制できずに温暖化が進行した場合に、当社事業の収益や資産価値に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、気候変動抑止のために法規制が強化されるなどの移行リスクと、気温上昇により洪水などの災害が発生し、被害が生じる物理的リスクがあります。
当社グループは、6つのマテリアリティのうち環境・人権を優先的に取り組むテーマとして長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を策定し、環境・気候変動への対応の一環として脱炭素社会実現に貢献できるように取り組んでおります。
(詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)サステナビリティに関するリスク管理」をご参照ください。)
⑨ 人権リスク
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業活動とそのサプライチェーンは多岐・広範にわたっております。当社グループの事業活動およびサプライチェーンにおいて、労働安全衛生や人権(強制労働、児童労働、差別、ハラスメントなど)にかかわる問題が発生した場合などに、事業活動の停止・中止、被害・損害の補償、訴訟や損害賠償などの負担が発生するリスクに加え、当社グループがサプライチェーンから外される、または当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループは、6つのマテリアリティのうち環境・人権を優先的に取り組むテーマとして長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を策定し、人権方針や人権にかかわる個別方針を策定・実行するなどサプライチェーンを含む人権尊重に取り組んでおります。
(詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)サステナビリティに関するリスク管理」をご参照ください。)
⑩ コンプライアンスリスク
当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、ハラスメント防止のための諸法令、独占禁止法、関税法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを行っております。また、安全保障貿易管理委員会を中心とした安全保障貿易に関する実行体制の整備・運用にも取り組んでおります。しかしながら、このような取り組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 法務リスク
事業活動に関連して、当社グループが国内または海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告または当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その可能性の程度や時期、結果を現時点で予測することはできませんが、手続きの結果によっては、損害賠償金、和解金等の負担が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫ システムリスク
コンピュータシステムの品質不良や運用トラブルによるビジネス遂行の支障や損失、ならびにITリソースやシステムの統合管理の不十分さなどによるシステムリスクが存在します。
当社グループは、システムを適切に保守・運用するため、CIOを中心とした管理体制を構築しております。重要な情報システムやネットワーク設備について、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、グループ全体のIT資産・脆弱性の一元的な管理を行い、システムの安定運用を図っております。
このように総合的なシステムの強化と事故防止に努めておりますが、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。
なお、本社含めグループ連結会社でシステムリスクが顕在化した際には、予想される損失については、保険の付保による軽減に努めております。しかしながら、被害の規模によっては当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 情報セキュリティリスク
不正なアクセスやサイバー攻撃、情報資産(紙媒体を含む)の管理ミスなどによる情報の漏洩、改ざん、破壊、紛失などにより、損失を被り、社会的評価が悪影響を受ける情報セキュリティリスクが存在します。
当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、CISOを議長とする情報・ITシステムセキュリティ委員会を中心とした管理体制を構築し、情報セキュリティに係る体制を強化しております。
ファイアウォールによる外部からの不正アクセスの防止、システムの脆弱性を悪用するウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。
その他、グループ全体のセキュリティガバナンス強化に重点的に取り組んでおり、サイバー攻撃を早期に検知し影響を抑え込むソフトウエアの導入、不審メールに対する訓練など、セキュリティ対策をグループ全体に展開しております。
また、定期的なセキュリティ遵守状況評価を通じて当社グループが抱えるセキュリティ上の課題・リスクを可視化し、優先度をつけた中長期的なセキュリティ対策を実施しております。
このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃やコンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩または毀損する可能性は排除できません。なお、本社含めグループ連結会社でセキュリティリスクが顕在化した際には、対応にかかる費用や取引先・顧客への補償費用といった予想される損失については、保険の付保による軽減に努めております。しかしながら、被害の規模によっては当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑭ イノベーションリスク
AIの高度活用を含むDX、その他の技術革新およびビジネスモデルの変革が進展する環境下で、当社グループがこれらに適切に対応できず、取引先に提供する機能や付加価値が低下し、成長機会を逸失するリスクおよびAIガバナンスの不備に起因する情報漏洩、権利侵害等が発生するリスクがあります。
これらのリスクに対して、当社グループでは、デジタル人材の育成・拡充、データ・AI活用のためのデジタル基盤の整備・構築等の推進と社会ニーズに合わせたビジネス変革の取組みを連動させる “Digital-in-All” を推進しています。さらに、社内委員会としてDX推進委員会および同委員会下にAIガバナンス分科会を設置し、DXに関する全社方針や目標に向けた体制の整備や各種施策・取組みの推進、AI特有のリスクポイントに対する統制、これらの状況のモニタリング等を行っています。
しかしながら、このような取組みによっても急速なAIの進化・ビジネス構造の変革や法規制等への対応の遅延や不十分さにより、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 災害等リスク
地震、風水害などの自然災害や感染症の大規模な流行により事務所・設備・従業員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的または間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアルならびに感染症マニュアルの作成、防災訓練、従業員の安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じております。
大規模な災害時における取引上のサプライチェーン維持の取り組みとして、代替取引先・代替商品の検討を行い取引継続の強靭化に取り組むと共に、保険の付保を行うなどして被災した場合の損害の低減を講じております。
しかしながら、被害を完全に回避できるものではなく、サプライチェーン寸断により当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 人的資本リスク
当社グループは、人材を会社の資本、価値の源泉と捉え、価値創造できる人材を輩出し続ける人的資本経営を推進しており、経営戦略・事業戦略の実現に向けた人材の確保・育成に努めております。人材確保に関しては、多様性の推進、イノベーションの創出、機能強化を目指し、M&A・デジタル・法務など専門性の高い人材の獲得に注力するなど、人材ポートフォリオを意識した採用を推進しています。また、キャリア採用を通じて、当社社員の年齢構成の適正化を図るほか、新卒採用では女性比率の目標を設定し、ジェンダーにかかわらず活躍できる環境の整備に取り組んでいます。
人材育成に関しては、「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」、「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」、「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」を重点テーマとし、事業戦略の実現に必要となる人材の育成を強化しています。重要テーマについては人材KPIを設定し、進捗や効果を定量的にモニタリングする体制を整備しています。
このように人材戦略に基づいた様々な取り組みを行っていても、高齢化に伴う労働人口の減少や、人材の流動化により必要な資質・能力を有した人材の確保・育成が十分にできない場合、事業計画の進捗に遅れが生じる可能性があります。
人的資本リスクについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (8) 人材戦略に関する基本方針 ③リスク管理」をご参照ください。
⑰ 品質に関するリスク
当社グループは、総合商社として様々な事業を展開しています。近時、事業領域が拡大・多様化するなか、製造業やサービス業への進出も増加しています。それに伴い、品質管理体制強化の目的で、全社共通の品質管理基本方針である「双日グループ・品質管理ポリシー」を制定し、現場での自律的、主体的な品質管理を推進しております。また、全社横断組織として品質管理委員会を設置し、事業現場で提供するモノ・サービスの品質管理状況を網羅的にモニタリングする体制を整えております。体制の概要は下図のとおりです。

また、個々の事業においては、品質に起因したリスク発現に対して、事業特性も考慮しながら、顧客対応を実践しており、品質管理委員会では、その実践状況を議論・研究し、成果や気付きを全社に共有の上、他事業への応用・品質改善につなげる取り組みを進めております。とりわけトレード事業においては、個々の商流のサプライチェーン全体を見据えた品質起因のリスクの洗い出しとリスク対応の点検を行っております。
しかしながら、品質問題の発生を完全に抑制することは困難であり、当該問題により生じた損害について、当社グループが責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑱ レピュテーションリスク
当社グループにおいて、製品やサービスの品質問題、コンプライアンス違反、情報漏洩、不正なアクセスやサイバー攻撃などの事象が発生した場合に、対象の事実はもとより、情報開示の適時性や開示内容の客観性などの不備・不足により、ステークホルダーからの当社グループへの信用やブランド価値が毀損する可能性があります。
対外発信においては、開示における透明性・適時性・公平性などを確認し、一貫性のある適切な発信が行われるよう努めていますが、報道やSNSなどの情報により、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのウェブサイト・SNSは、システムの脆弱性に起因する掲載情報の改ざんリスクや収集した個人情報の流出リスクにも晒されております。システムの脆弱性に関しては、上記⑬の「情報セキュリティリスク」に記載のとおり、可能な限りの安全対策に努め、運用に関しては、グループ共通のSNS運用ポリシーや運用規程を定めて、当社グループからの適切な情報発信を行う体制を整えております。しかしながら、このような対策を講じても、運用に起因する批判・非難が集中するリスク、意図しない著作権・商標権・肖像権の侵害、取引先や顧客に限らない第三者による外部サイトやSNSに当社グループを特定しての投稿が為されるリスクがあります。情報の真偽にかかわらず、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
当連結会計年度は、米国の関税政策の変更や、中東情勢が世界経済やビジネス環境などに与える影響について予断を許さない状況が続きました。特に中東情勢によってエネルギーをはじめ物価が高騰しており、世界的にインフレが加速するリスクや、消費活動および生産活動が低下するおそれには引き続き警戒が必要です。
当社グループがビジネスを展開する地域を概観すると、米国では根強いAI需要が関連する設備投資を引き続き押し上げると見込まれますが、燃料価格高騰を受けた消費者マインドの悪化や雇用・所得環境の悪化を踏まえて個人消費の伸びが緩やかになっています。
EU経済圏では、堅調な個人消費を含め内需主導で景気持ち直しの動きが続いています。防衛投資をはじめとした公共投資、インフラ投資の拡大も経済を支えています。
中国では、緩やかな景気の減速が続いています。不動産市場の過剰在庫問題や若年層の高失業率といった構造的な問題の解決が長引き、景気の本格回復には時間がかかると見込まれています。
ベトナムでは、これまで経済は高成長を維持しており、輸出や観光業、対外直接投資が経済成長をけん引してきました。他方で、中東情勢の緊迫化で、足元では貿易収支の悪化や物価上昇がみられます。
豪州では、雇用環境の改善や個人消費、設備投資などが堅調で内需を中心に経済は底堅さを維持しています。2025年後半以降、インフレ率は中央銀行の目標レンジを上回って推移しており、今後も金融引き締めが続くと見込まれています。
日本では、内需が支える形で景気は緩やかな回復が続いていますが、エネルギー価格高騰によるインフレ加速が個人消費に及ぼす影響や、企業収益圧迫による設備投資の下押しなど、景気の下振れリスクには警戒が必要です。
当期の当社グループの業績につきましては、次のとおりであります。
収益は、省エネ関連事業の新規連結および取引増加によるエネルギー・ヘルスケアでの増収や、防衛関連取引増加による航空・社会インフラでの増収などにより、2兆7,573億50百万円と前期比9.9%の増収となりました。
売上総利益は、収益の増加などにより、前期比206億96百万円増益の3,674億89百万円となりました。
税引前利益は、売上総利益が増益したものの、販売費及び一般管理費の増加などにより、前期比196億70百万円減益の1,156億30百万円となりました。
当期純利益は、税引前利益1,156億30百万円から、法人所得税費用79億83百万円を控除した結果、当期純利益は前期比65億52百万円減益の1,076億47百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期純利益は前期比70億25百万円減益の、1,036億11百万円となりました。
当期包括利益は、当期純利益にFVTOCIの金融資産や在外営業活動体の換算差額などを計上した結果、当期包括利益は前期比867億96百万円増加し、1,932億39百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期包括利益は前期比846億20百万円増加し、1,878億59百万円となりました。
連結純損益計算書
(単位:億円)
(注)1 販売費及び一般管理費のうち貸倒引当金繰入・貸倒償却金額は、前期比 △3億円(△4→△7)
2 基礎的収益力=売上総利益+販売費及び一般管理費(貸倒引当金繰入・貸倒償却を除く)+金利収支
+受取配当金+持分法による投資損益
(2) 資本の財源と資金の流動性及び調達状況について
当期末の資産合計は、連結子会社の新規取得などにより、前期末比5,607億71百万円増加の3兆6,480億23百万円となりました。
負債合計は、新規調達による有利子負債の増加などにより、前期末比4,145億87百万円増加の2兆4,942億23百万円となりました。
資本のうち親会社の所有者に帰属する持分合計は、配当金の支払いや、自己株式の取得があったものの、当期純利益の積み上がりや為替の変動によるその他の資本の構成要素の増加などにより、前期末比1,214億13百万円増加の1兆903億69百万円となりました。
この結果、当期末の自己資本比率は29.9%となりました。また、有利子負債総額から現金及び現金同等物、及び定期預金を差し引いたネット有利子負債は前期末比1,522億76百万円増加の1兆395億66百万円となり、ネット有利子負債倍率は0.95倍となりました。
(注) 自己資本比率及びネット有利子負債倍率の算出には、親会社の所有者に帰属する持分を使用しております。また、有利子負債総額にはリース負債を含めておりません。
連結財政状態計算書
(単位:億円)
(注) 自己資本は、資本のうち「当社株主に帰属する持分」とする
当期のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは167億59百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは866億8百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは1,102億17百万円の収入となりました。これに現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は2,451億45百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動による資金は、営業収入や配当収入により167億59百万円の収入となりました。前期比では334億47百万円の収入増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動による資金は、豪州インフラ開発企業、豪州公共交通事業への出資などにより、866億8百万円の支出となりました。前期比では74億98百万円の支出減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動による資金は、配当金の支払い及びリース負債の返済などによる支出があったものの、借入金による調達などにより1,102億17百万円の収入となりました。前期比では38億29百万円の収入増加となりました。
③ 資金の流動性と資金調達について
当社グループは、資金調達構造の安定性維持・向上を財務戦略の基本方針とし、一定水準の長期調達比率の維持や、経済・金融環境の変化に備えた十分な手元流動性の確保により、安定した財務基盤の維持に努め、当期末の流動比率は155.4%、長期調達比率は76.9%となりました。
また、資金調達の機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため、円貨1,000億円(未使用)及び24.75億米ドル(16.48億米ドル使用)の長期コミットメントライン契約を有しております。
セグメント別の成長戦略、及び経営成績に係る変動要因の分析については以下のとおりです。
当社グループは、2025年4月1日付にて「航空・社会インフラ」、「エネルギー・ヘルスケア」の一部事業領域の再編により報告セグメントの区分方法を変更しております。
(単位:億円)
(単位:億円)
(注) 「当期純利益」は「当期純利益(親会社の所有者に帰属)」の金額を記載しております。
IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を用いております。実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重大なものは以下のとおりであります。
当社グループは、資産又は負債の公正価値を測定する際に、入手可能な限り、市場の観察可能なデータを用いております。公正価値の具体的な算定方法は次のとおりであります。
(a) 資本性金融商品
上場株式については、取引所の価格によっております。非上場株式については、割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法、類似会社の市場価格に基づく評価技法、純資産価値に基づく評価技法、その他の評価技法を用いて算定しております。非上場株式の公正価値測定に当たっては、割引率、評価倍率等の観察可能でないインプットを利用しており、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント、非支配持分ディスカウントを加味しております。非上場株式の公正価値の評価方針及び手続の決定はコーポレートにおいて行っており、評価モデルを含む公正価値測定については、個々の株式の事業内容、事業計画の入手可否及び類似上場企業等を定期的に確認し、その妥当性を検証しております。
(b) デリバティブ金融資産及びデリバティブ金融負債
通貨関連デリバティブ
為替予約取引、直物為替先渡取引、通貨オプション取引及び通貨スワップ取引については、期末日の先物為替相場に基づき算出しております。
金利関連デリバティブ
金利スワップについては、将来キャッシュ・フローを満期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。
商品関連デリバティブ
商品先物取引については、期末日現在の取引所の最終価格により算定しております。商品先渡取引、商品オプション取引及び商品スワップ取引については、一般に公表されている期末指標価格に基づいて算定しております。また、電力関連デリバティブについては発電量や価格見通しを踏まえた将来キャッシュ・フローの割引現在価値により算定しております。
当社グループは期末日において、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数の確定できない無形資産については毎期、さらに減損の兆候がある場合には都度、減損テストを実施しております。個別資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、当該資産を回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。
回収可能価額は、個別資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としております。公正価値は市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積もって算定しております。使用価値は、貨幣の時間価値及び個別資産又は資金生成単位に固有のリスクに関する現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いて、見積将来キャッシュ・フローを割引いて算定しております。将来キャッシュ・フロー見積りにあたって利用する事業計画は原則として5年を限度としております。なお、当社グループは、使用価値及び公正価値の算定上の複雑さに応じて外部専門家を適宜利用しております。
過年度にのれん以外の資産について認識した減損損失については、期末日において、認識した減損損失がもはや存在しない又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合には、回収可能価額の見積りを行い、当該回収可能価額が資産の帳簿価額を上回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで増額し、減損損失の戻入れを認識しております。のれんについて認識した減損損失は、以後の期間において戻入れておりません。
なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区分して認識しないため、個別に減損テストを実施しておりません。持分法適用会社に対する投資が減損している可能性が示唆されている場合には、投資全体の帳簿価額について回収可能価額を帳簿価額と比較することにより単一の資産として減損テストを行っております。
当社グループでは、固定資産の減損会計等の会計上の見積りについて、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。
引当金は、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響に重要性がある場合、当該負債に特有のリスクを反映させた現在の税引前の割引率を用いて割引いた金額で引当金を計上しております。
確定給付制度は、確定拠出制度以外の退職給付制度であります。確定給付制度債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割り引くことによって算定しております。制度資産の公正価値は当該算定結果から差し引いております。
割引率は、当社グループの確定給付制度債務と概ね同じ満期日を有するもので、かつ支払見込給付と同じ通貨建ての、主として報告日における信用格付けAAの債券の利回りであります。
過去勤務費用は、即時に純損益で認識しております。
当社グループは、確定給付制度から生じるすべての確定給付負債(資産)の純額の再測定を即時にその他の包括利益で認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。
⑤ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産及び繰延税金負債は、資産及び負債の帳簿価額と税務基準額との差額である一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について認識しており、期末日における法定税率又は実質的法定税率、及び税法に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率又は税法で算定しております。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産の帳簿価額は期末日において再検討しており、繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産の帳簿価額を減額しております。
(目標とする経営指標の達成状況等)
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 「中期経営計画2026」の進捗状況」をご参照ください。
(販売、仕入及び成約の状況)
① 販売の状況
「(1) 当連結会計年度の経営成績の分析」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記5 セグメント情報」をご参照ください。
② 仕入の状況
仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
③ 成約の状況
成約は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
(注) 将来情報に関するご注意
本資料に掲載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、業績を確約するものではありません。実際の業績等は、内外主要市場の経済状況や為替相場の変動など様々な要因により大きく異なる可能性があります。重要な変更事象等が発生した場合は、適時開示等にてお知らせします。
当社グループは、以下の財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結しておりますが、当連結会計年度末において財務制限条項に抵触している事実はありません。
・当社グループの調整後連結税引前利益が2連結会計年度連続して損失とならないこと。
契約に関する内容等は、以下のとおりです。
特記事項はありません。