(1)業績
当事業年度におけるわが国の経済情勢は、政府および日銀による経済政策や金融政策を背景に、大手企業を中心に雇用・所得環境の改善傾向など緩やかな回復基調が続いているものの、個人消費につきましては弱い動きとなっております。一方で、新興国の経済成長の鈍化や中東地区等の地政学的リスクの存在、為替の変動や原油価格の急落など依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
また、当社が属しておりますカジュアルウェア市場におきましては、一部で所得の改善傾向からの回復の兆しが見られるものの、大幅な改善には至っておらず、低価格志向が強く慎重な消費行動が続くなど厳しい市場環境の中での推移となりました。
このような状況のなか、当社におきましてはブランドの再構築を目的に営業活動に努めました。
当事業年度における「卸売事業」「ライセンス事業」の各事業部門別の業績の概要は以下のとおりです。
① 卸売事業部門
当事業部門においては、ブランドの再構築を目的に主力得意先ごとへの営業活動の強化に努めました。その中で、主力ブランドであります「Piko Hawaiian Longboard Wear」(ピコ)については、商品提案の強化と併せ販売促進策として「PIKO HAWAIIAN CAMPAIGN 2015」をスタートさせ、販売活動に努めました。また、秋冬に向けた展開として、ブランド力を活かしてファミリーを意識した企画を提案いたしました。「Flying Scotsman」(フライング スコッツマン)につきましては、直接消費者へ向けたブランディングを目的に期間限定の店舗展開を行い販売活動に努めるとともに、新たにビジネスカジュアルをテーマとした商品群を提案いたしました。「RUSS-K」(ラス・ケー)については、主力得意先に向け商品提案を中心に販売活動に努めるとともに、ティーンズ層をターゲットとした商品企画を提案いたしました。
また、より多くの要望やニーズに対応すべく、他社のブランドを使用した商品企画を加え、全てのブランドにおいてアイテム数の拡充などの企画力強化に努めました。
商品原価におきましても、中国沿海部における労働力不足に対応するとともに、人件費や物価の高騰と円安に伴う商品原価の上昇を抑制するために、中国国内の生産・物流体制の見直しを行ってまいりました。
一方で、4月には当社が扱うブランドを一斉に展示した2015年秋物・冬物の展示会、9月には2016年春物・夏物の展示会を開催し、当社のブランド企画提案力を活かし各得意先ごとに提案を行い、各々の時期に売上が確保出来るよう営業活動を行いました。
② ライセンス事業部門
ライセンス事業では、卸売事業とのシナジー効果を高めることを目的に、サブライセンシー各社との協業を行い、ビジネスモデルの構築を進めるとともに、新分野開拓に向けた新たなブランドの発掘にも努めました。
この結果、当事業年度の売上高は、533,522千円(前年同期比10.3%減)、営業損失は246,728千円(前年同期は営業損失137,318千円)、経常損失は259,267千円(前年同期は経常損失193,464千円)、当期純損失は262,197千円(前年同期は当期純損失100,411千円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、261,236千円(前年対比26.3%増)となりました。
なお、当事業年度における各キャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、185,073千円(前年同期152,769千円使用)となりました。これは主に、税引前当期純損失を260,290千円計上したことと、法人税等の還付が103,580千円あったこと、売上債権が40,835千円減少したこと、未払金が13,224千円増加したこと、たな卸資産が26,811千円増加したこと、仕入債務が41,391千円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,842千円(前年同期2,128千円使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が2,450千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、241,380千円(前年同期302,214千円獲得)となりました。これは新株式の発行による収入が241,380千円あったことによるものであります。
(1)仕入実績
当事業年度における仕入実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
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事業部門 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
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卸売事業 |
387,065 |
113.3 |
|
合計 |
387,065 |
113.3 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)販売実績
当事業年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
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事業部門 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
卸売事業 |
446,806 |
89.5 |
|
ライセンス事業 |
86,716 |
90.8 |
|
合計 |
533,522 |
89.7 |
(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 平成26年2月1日 至 平成27年1月31日) |
当事業年度 (自 平成27年2月1日 至 平成28年1月31日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
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㈱ライトオン |
61,660 |
10.4 |
116,125 |
21.8 |
|
㈱しまむら |
24,313 |
4.1 |
92,964 |
17.4 |
|
㈱イトーヨーカ堂 |
208,931 |
35.1 |
76,847 |
14.4 |
当社は、引き続きコーポレートガバナンス体制の強化を目指し、経営改善に努めてまいります。
対処すべき課題は下記のとおりです。
① 収益基盤の強化
激しく変化する経営環境の中で、安定的な収益の確保が出来る企業体質を構築するために、さらなる収益の構造改革に取り組んでまります。
② 内部統制の強化
財務報告に関する業務の標準化を進め、業務記述書、フローチャート及びリスクコントロールマトリックス等の一層の精度向上を図り、内部統制が十分機能する体制を構築します。
③ 堅実な経営計画の策定
今後も、顧客満足度の高い品質の商品を低価格で提供し、売上の維持を図るとともに、低コスト構造の構築及び財務体質の強化に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) ブランド使用許諾契約について
① ブランドについて
当社は、海外のブランド使用許諾契約及び商標権の取得により導入しております。
当社に使用許諾契約されているブランドが、国内で類似商標が登録されていた場合、当該登録商標の権利者から権利侵害を主張される恐れがあります。また今後、新ブランドの導入につき、商標権侵害により当社が損害賠償義務を負う場合あるいは、当該ブランドの使用を継続できなくなる場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② ブランド使用許諾契約について
現在の卸売事業における各ライセンサー(ブランド保有企業)との契約条件は今後改定される可能性があり、現行契約条件が当社に不利な条件に変更された場合、あるいは、契約が更新されなかった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 在庫リスクについて
当社の商品は、コスト、納期、ロットなど競争力確保のため、一部見込生産で発注しているものもあり、需要予測を誤った場合には、過剰な在庫を季越品として抱える可能性があります。季越品は、販売可能価額を基準として会計年度に応じて一定の評価減を実施しているため、著しく過剰在庫を抱えた場合、商品評価損の計上により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 生産体制と為替変動等の影響について
当社が企画したカジュアルウェアは、製造コストメリットのある中国で生産を行い、完成品を輸入することで原価の低減を図っているため、中国国内の環境変化や為替相場の変動が、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 天候要因について
当社の属するアパレル業界は、季節性の高い商品を扱っていることから、冷夏、長雨、暖冬等の気候・気温の変動並びに震災などの災害の発生により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 重要事象等について
当事業年度の当社の業績は、世界経済の先行き不透明感や厳しい消費マインドの中において、当社が属しておりますカジュアルウェア市場におきましては、大手得意先のPB化傾向の拡大や消費者の高い生活防衛意識や異常気象の影響からの大手得意先の店頭在庫消化率低下など、依然として厳しい経営環境の中で推移いたしました。その結果、営業損失は246,728千円、経常損失は259,267千円、当期純損失は262,197千円を計上いたしました。このような多額の損失を計上している状況から、継続企業の前提に重要な疑義が存在しており、収益性と財務体質の早急な改善を迫られております。
(1)ブランド使用許諾契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
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株式会社クリムゾン(当社) |
PIKO, Inc. |
米国 |
衣料品、服飾雑貨全般 |
日本国内及びアジア諸国における、「Piko |
平成26年1月1日から平成28年12月31日まで |
(注) 上記については、ロイヤルティ使用料として、契約で定めた一定額を支払っております。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準により作成されております。この財務諸表の作成に当たり、経営者による会計方針の採用、資産・負債及び収益・費用の計上については会計基準及び実務指針等により見積りを行っております。この見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
(2)当事業年度末の財政状態の分析
① 資産
当事業年度末の総資産につきましては、前事業年度末に比べ49,525千円減少し、481,272千円となりました。
その主な要因としては、流動資産については、現金及び預金が54,464千円、商品が26,794千円、前渡金が16,433千円、増加したものの、未収還付法人税等が103,289千円、売掛金が41,213千円減少したこと等であります。
② 負債
当事業年度末の負債につきましては、前事業年度末に比べ28,673千円減少し、451,223千円となりました。
その主な要因としては、流動負債については、買掛金が41,391千円減少し未払金が13,224千円増加したことであります。
③ 純資産
当事業年度末の純資産につきましては、前事業年度末と比べ20,851千円減少し、30,048千円となりました。
その主な要因としては、第三者割当に伴う新株式発行により資本金及び資本剰余金が各々120,690千円増加したものの、当期純損失を262,197千円計上したことによるものであります。
(3)当事業年度の経営成績の分析
① 売上高
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載いたしておりますとおり売上高は533,522千円(前期比10.3%減)となっております。
② 売上原価
売上原価は360,270千円(前期比5.4%減)、売上原価率67.5%(前期は64.1%)となりました。
③ 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費につきましては、ブランド再構築の目的とした費用として、販売促進費用及び企画・提案力向上を目的とした費用が発生したこと等により、419,972千円(前期比19.7%増)となりました。
④ 営業利益・経常利益
営業損失は246,728千円(前期は営業損失137,318千円)、経常損失は259,267千円(前期は経常損失193,464千円)となりました。主な要因は、売上高及び売上総利益の減少によるものと、為替変動により為替差損を9,177千円、新株発行費用を9,396千円を計上したことに伴う営業外費用の発生によるものであります。
⑤ 当期純利益
当期純損失は262,197千円(前期は当期純損失100,411千円)となりました。主な要因は、売上高及び売上総利益の減少、為替変動による為替差損の計上等による営業外費用の発生があったこと等によるものであります。
(4)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「4 事業等のリスク」をご参照ください。
(6)経営戦略の現状と見通し
当社の属しておりますカジュアルウェア市場は依然として、季節変動による影響や個人消費者の購買意欲低下など厳しい環境下で推移するものと認識しております。また、当社におきましても円安傾向による商品原価の高騰など課題を抱えており、収益面に影響を与える見通しであります。
このような認識のもと、当社は「お客様には良質な価値あるサービス」、「株主様には適正な利益還元」、「お取引先様には公正なパートナーシップ」、「従業員には最適な環境と公平な評価」の提供を使命として、「より速く」、「より熱く」、「より楽しく」の行動指針として、経営基盤を再構築しながら既存事業の採算性を重視する効率を向上し、業績の安定と収益の確保に努めてまいります。
また、既存ブランドのブランドポートフォリオの見直しを行い、市場規模に適した戦略を立案し実行すると共に、新規の事業開発も積極的に行ってまいります。
(7)経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。
今後におきましては、 先の「3 対処すべき課題」にも記載しましたとおり、安定的な収益の確保が出来る企業体質を構築するために、顧客満足度の高い品質の商品を低価格で提供し売上の維持を図るとともに、低コスト構造の構築、財務体質の強化に努める所存です。
(8) 重要事象等についての分析と対応策
当事業年度の業績は、世界経済の先行き不透明感や厳しい消費マインドの中において、当社が属しておりますカジュアルウェア市場におきましては、大手得意先のPB化傾向の拡大や消費者の高い生活防衛意識の影響、また、異常気象などによる大手得意先の店頭在庫消化率低下など、依然として厳しい経営環境の中で推移いたしました。その結果、営業損失は246,728千円、経常損失は259,267千円、当期純損失は262,197千円を計上いたしました。このような多額の損失を計上している状況から、継続企業の前提に重要な疑義が存在しており、収益性と財務体質の早急な改善を迫られております。
当社は、当該状況を解消し、安定的な収益を確保できる企業体質を構築するために、営業活動では、既存ブランドについて現在のポジショニングの分析を行い、細分化することで、ブランドポートフォリオの見直しを行い、各取引先に合わせたブランドを選択し企画提案してまいります。また、多様化するニーズに対応するべく取扱いアイテムの拡充などを行い、より市場規模に適した戦略を立案し収益の確保に努めてまいります。併せて、各得意先への提案強化を行うことや、直接消費者への販売及びブランディングを目的とした期間限定店舗展開、他社のブランドを活用した商品群などを提案し、営業活動に努めてまいります。
また、ブランドごとに適切な販売促進策の計画を行い、新規取引先の獲得や休眠している取引先の再開を目指し、収益の確保に努めてまいります。
一方、販売費及び一般管理費につきましても、引き続き様々なコスト削減の努力を行いコスト構造の改善に努めてまいります。
これらの施策を推進することで経営基盤の強化を図り、企業経営の安定化に努めてまいります。