(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間(平成29年4月1日~12月31日)の国内景気は、海外経済や金融資本市場の変動リスクはあるものの、雇用や所得環境等の着実な改善が続くなか、緩やかな回復が続いています。
当社グループは平成28年5月に「16-18中期経営計画 明日への躍進」を発表し、グループ経営方針(Challenge 3)として掲げた「グループ一体となった事業強化」「健康・医療関連領域の拡充」「環境変化に先駆けた事業モデルの変革」に取り組み、企業価値の持続的な成長に注力してまいりました。
当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高1兆9,748億25百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益285億97百万円(同15.9%増)、経常利益361億12百万円(同10.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益248億60百万円(同9.9%増)となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
① 医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品市場におきましては、C型肝炎治療薬需要の減少や、後発医薬品への切り替えに伴う長期収載品減少の一方で、抗悪性腫瘍剤の販売拡大の影響等により、全体としては前年同期比0.3%増と微増となりました(クレコンリサーチ&コンサルティング株式会社推定)。このようななか、医療用医薬品等卸売事業につきましては、業界共通の最重要課題である「流通改革の推進」の取り組みを徹底し、医療用医薬品No.1卸として環境変化に先駆けた事業基盤のさらなる強化を進めました。
成長分野のスペシャリティ医薬品流通においては、希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器等の流通事業を行うエス・エム・ディ株式会社(本社:東京都千代田区)を起点とし、富田薬品株式会社(本社:熊本市中央区)ならびに株式会社モロオ(本社:札幌市中央区)と連携したスペシャリティ医薬品流通ネットワークが、新たな医薬品の取り扱いを開始し着実に実績を増やしております。
人や動物の細胞を培養・加工して生産される再生医療等製品は、これまで有効な治療法のなかった疾患を治療する可能性を持った新しい医療として期待を集めており、製薬各社等により多くの製品開発が進められています。平成29年12月、当社連結子会社のアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区)はテラファーマ株式会社(本社:東京都新宿区)との間で、同社が開発する再生医療に用いられる治験製品の輸送管理業務を受託いたしました。当社グループとして初めて再生医療に携わる取り組みであり、今後、輸送実績とノウハウを蓄積し、再生医療等製品を必要としている全国の患者様や医療機関へ安心・安全にお届けしてまいります。
16-18中期経営計画の重点施策である「営業機能の改革」の一環として、グループをあげてMS(マーケティング・スペシャリスト)の専門資格取得に取り組んでおります。平成29年12月、対象とする専門資格である医療経営士の認定資格取得者が883名になりました。当社グループでは医療経営士を、医療、介護および生活者を繋ぎ、地域の連携を推進する重要な人財と位置付けております。今後の地域包括ケアシステムへの対応や、お得意様における様々な課題・ニーズの解決に積極的に関与することによって、日本の医療の発展へ貢献してまいります。
また、平成29年10月に当社連結子会社である株式会社恒和薬品(本社:福島県郡山市)がシステム共同利用に参画いたしました。これにより、グループで共同利用している基幹システムが、医療用医薬品等卸売事業の連結売上高の約96%をカバーいたしました。グループ経営方針の「グループ一体となった事業強化」として、グループ全体の業務プロセスの共通化やトータルITコストの削減を見込んでおります。
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高1兆7,389億99百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益238億30百万円(同13.0%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高108億12百万円(同19.6%増)を含んでおります。
② セルフメディケーション卸売事業
セルフメディケーション卸売事業におきましては、16-18中期経営計画のセグメント別重点施策として掲げた「さらなる事業基盤の強化」「付加価値営業の強化」に引き続き取り組みました。全社で推進している物流改革によるコスト削減や、お得意様に新たな付加価値を提案するソリューション型商談会を開催し、利益率の高い専売商品の品ぞろえを拡充することにより安定的な利益の確保に努めました。
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高1,988億2百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益19億79百万円(同8.3%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高11億53百万円(同6.9%増)を含んでおります。
③ 医薬品等製造事業
医薬品等製造事業におきましては、16-18中期経営計画のセグメント別重点施策として掲げた「製造受託・医薬品原薬事業の推進」「製品ラインナップの拡充と販売力強化」「海外事業の拡充」に引き続き取り組みました。
平成29年6月、アルフレッサ ファーマ株式会社(本社:大阪府中央区)はコンパニオン診断薬※1「OncoGuide®AmoyDx®ROS1融合遺伝子検出キット」を発売いたしました。この製品は、逆転写反応(Reverse Transcription)※2、およびリアルタイムPCR※3を連続して行う2段階のRT-PCR法を原理とした、ROS1融合遺伝子※4を検出する体外診断用医薬品です。当社グループは、今後も多様な医療ニーズに対応できる製品を提供してまいります。
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高310億82百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益21億88百万円(同45.7%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高68億73百万円(同1.2%増)を含んでおります。
※1 医薬品の効果や投与量を投薬前に予測するため、個人の遺伝子情報やバイオマーカーを調べる体外診断用医薬品のこと。使用により、最適な治療法や医薬品の選択が可能となる。
※2 逆転写酵素が単鎖RNAをテンプレートとして、単鎖の相補的DNA(cDNA)を合成する反応のこと。
※3 PCR増幅産物をリアルタイムでモニタリングし、指数関数的増幅領域で定量を行う方法。PCRの増幅速度論に基づいた正確な定量が可能である。
※4 ROS1遺伝子はインスリン受容体ファミリーの受容体チロシンキナーゼをコードする遺伝子である。ROS1融合遺伝子は染色体再構成によって生じ、肺癌、胆管癌、胃癌、卵巣癌などさまざまなヒトの癌で確認されている。肺癌におけるROS1融合遺伝子は、ROS1遺伝子のチロシンキナーゼ部分と種々のパートナー遺伝子(これまでに15種類のパートナー遺伝子が知られる)の一部が融合することで生じる。ここで生じたROS1融合遺伝子から作られるキナーゼタンパクが恒常的に活性化し、細胞形質転換を引き起こす。
④ 医療関連事業
医療関連事業の調剤薬局事業子会社におきましては、16-18中期経営計画のセグメント別重点施策として掲げた「業態変化への取り組み」を引き続き推進いたしました。
平成29年10月、当社連結子会社である株式会社日本アポック(本社:埼玉県川越市)は、当社非連結子会社である株式会社ユースケア(本社:東京都千代田区)を合併いたしました。経営資源を有効かつ効率的に活用することによって、調剤薬局事業のさらなる基盤強化を図ってまいります。
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高247億78百万円(前年同期比10.0%増)、営業利益6億8百万円(同88.6%増)となりました。
平成29年9月、グループ初の統合報告書として「アルフレッサグループ統合報告書2017」を発行いたしました。医薬品製造・流通分野における社会インフラ企業である当社グループのこれまでの歩みや強みから、今後の中長期戦略までの価値創造ストーリーを記載し、様々なステークホルダーの皆様に向けて、当社グループが目指す「サステナビリティ経営」をご紹介いたしております。
(2) 財政状態の分析
① 資産の部
資産は、前連結会計年度末と比較して1,267億43百万円増加し、1兆3,826億66百万円となりました。
流動資産は、1,161億86百万円増加し、1兆790億59百万円となりました。これは主として、「現金及び預金」が202億30百万円増加、「受取手形及び売掛金」が631億40百万円増加、ならびに「商品及び製品」が268億58百万円増加したことによるものです。
固定資産は、105億57百万円増加し、3,036億7百万円となりました。これは主として、「投資有価証券」が118億60百万円増加した一方で、「のれん」が9億92百万円減少したことによるものです。
② 負債の部
負債は、前連結会計年度末と比較して1,009億40百万円増加し、9,633億12百万円となりました。
流動負債は、974億76百万円増加し、9,120億53百万円となりました。これは主として、「支払手形及び買掛金」が997億51百万円増加した一方で、「賞与引当金」が34億33百万円減少したことによるものです。
固定負債は、34億63百万円増加し、512億59百万円となりました。これは主として、繰延税金負債等の「その他」が37億96百万円増加した一方で、「長期借入金」が1億65百万円減少ならびに「退職給付に係る負債」が1億67百万円減少したことによるものです。
③ 純資産の部
純資産は、前連結会計年度末と比較して258億3百万円増加し、4,193億54百万円となりました。
これは主として、「利益剰余金」が171億71百万円増加ならびに「その他有価証券評価差額金」が85億14百万円増加したことによるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、8億71百万円(前年同期比2.1%増)であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。