文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
アルフレッサグループは、グループ理念体系として「私たちの思い」「私たちのめざす姿」「私たちの約束」を次のように定めております。
「私たちの思い」
すべての人に、いきいきとした生活を創造しお届けします
「私たちのめざす姿」
健康に関するあらゆる分野の商品・サービスを提供できるヘルスケアコンソーシアムをめざします
「私たちの約束」
[安心][安全][誠実]
・私たちは、常に安心できる商品・サービスを提供し、お客さま満足度の向上に努めます
・私たちは、個々の人格・個性を尊重し、働きやすい職場環境の維持向上に努めます
・私たちは、健康に携わる企業グループとして企業価値を高めます
・私たちは、公正かつ自由な競争による適正な取引を行います
・私たちは、社会との積極的なコミュニケーションを図り、適時適切に情報を開示します
・私たちは、事業活動を通じて地域社会に貢献します
・私たちは、地球環境の保護に努めます
アルフレッサグループは、グループ理念体系の具現化に向けて、2022年3月期を最終年度とする「19-21中期経営計画 さらなる成長への挑戦 ~健康とともに、地域とともに~」を策定し、グループ経営方針「グループ連携体制の構築」「事業モデルの変革」「地域の人々の健康への貢献」「さらなる生産性の向上」「人づくり」の実現により、企業価値の向上を目指します。
<19-21中期経営計画 グループ経営方針>
1.「グループ連携体制の構築」
成長分野におけるセグメント内・セグメント間のグループ内連携の強化、グループ外他社の強みの活用による他企業連携を推進します。
2.「事業モデルの変革」
既存事業内の成長分野、成長の見込まれる新規事業への積極的な投資により事業モデルの変革を目指します。
3.「地域の人々の健康への貢献」
地域包括ケアシステムに関わる様々なステークホルダーをつなぐため、広範囲なサービス事業者と連携し、開かれた地域社会の健康・医療プラットフォームの構築を目指します。
4.「さらなる生産性の向上」
営業改革・物流改革等の施策の継続的取り組みや新たな技術の導入・活用による既存業務の効率化に取り組み、生産性の向上を図ります。
5.「人づくり」
アルフレッサグループの4つの人財要件(挑戦心、強い使命感、適応力、高い倫理感)のうち、未知なる領域への挑戦心、新たな環境に対する適応力を重点に人づくりを強化します。
(2) 経営戦略等
アルフレッサグループは、2022年3月期を最終年度とする「19-21中期経営計画 さらなる成長への挑戦 ~健康とともに、地域とともに~」の中で、経営戦略としてセグメント別の重点施策を次のように策定しております。
<医療用医薬品等卸売事業>
医療用医薬品No.1卸として勝ち続けるための変革をさらに進めます。
1.MS機能のさらなる進化
(1) 提案営業の強化
(2) エリア戦略の実践
(3) 地域包括ケアシステムへの取り組み
(4) メディカル品への注力
2.スペシャリティ商品への注力
3.グループ物流の高度化、効率化と標準化
<セルフメディケーション卸売事業>
「トータルヘルスケア・マーチャンダイジング・ホールセラー」を推進し、新たな付加価値による差別化と創造性を持つオンリーワン卸を目指します。
1.安定的かつ持続的な事業基盤の確立
2.消費者視点に立った商品提案
3.専売メーカー・専売商品の取り組み強化
4.将来に向けた投資
(1) 新規顧客の創造・新規チャネルへの挑戦
(2) 次世代サプライチェーンの創造
(3) 取扱品目の拡大に向けた取り組み(日用雑貨・ビューティ)
5.各事業セグメントとの連携強化
<医薬品等製造事業>
グループシナジーの強化とさらなる規模拡大を推進します。
1.安心・安全・誠実なモノづくりの推進
2.グループニーズに沿った製品の拡充
(1) 医薬品卸売会社との連携強化
(2) 製薬メーカー等からの承継品への注力
3.製造受託・医薬品原薬事業の拡大
(1) グループを挙げた製造受託体制の確立
(2) 競争力のある原薬製品の製造および海外販売
4.海外事業の拡充
(1) 中国、欧米における診断薬・縫合糸の販売拡大
(2) ベトナム事業の拡大
<医療関連事業(調剤薬局事業)>
収益改善を目指した効率化と環境変化に対応した機能強化を推進します。
1.機能に応じた店舗の再編
2.収益改善を目指した機能の効率化・高度化
3.多機能化による地域社会への貢献(かかりつけ薬局機能+健康サポート機能、高度薬学管理機能)
4.各事業セグメントとの連携強化
また、投資計画として、2020年3月期から2022年3月期までの3か年累計で1,200億円規模の投資を予定しております。投資計画の主な内訳と調達原資は以下のとおりです。
<投資計画(累計)>
1.事業強化投資 : 約840億円
物流センター、事業所、製造設備、製品導入等
2.事業拡大投資 : 約360億円
健康領域の新規事業への投資等
<調達原資(累計)>
1.当期純利益 :約1,150億円
2.償却費等 : 約350億円
(3) 目標とする経営指標
19-21中期経営計画の最終年度である2022年3月期の経営目標を次のとおり設定しております。
(注)DOE:連結純資産配当率
(4) 経営環境
今後の医薬品市場においては、薬価制度改革の影響に加え、後発医薬品の拡大および長期収載品の縮小やスペシャリティ医薬品や再生医療製品等の伸長など、様々な環境変化を踏まえると医療用医薬品市場は中期的にほぼ横ばいのまま推移すると予想されております。
医療制度面等においては、2018年4月からスタートした「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」により、医薬品卸、医薬品メーカー、病院・調剤薬局等の医療用医薬品流通に係るすべての関係者が流通改革に向けた取り組みをさらに推進していくことが予想されます。また、2025年の医療・介護サービスの将来像に向けた地域医療構想がまとめられるなか、地域包括ケアシステムの進展により各自治体の医療・介護機能の供給体制が中長期的に変化し、こうした医療・介護制度の変化は、お得意様である医療機関や調剤薬局との関係や、仕入先である医薬品メーカーとの関係に影響する可能性があります。
社会環境においては、高齢者の増加、労働人口の減少の一方で、飛躍的な技術革新の可能性があり、社員の働き方にも大きな影響を与える可能性があります。
医療用医薬品No.1卸である当社グループは、19-21中期経営計画に掲げた主要施策を着実に実行することで経営環境の変化に先駆けて自らを変革し、生産性の向上や経営効率のさらなる改善により、企業価値の継続的な向上を図ってまいります。
(5) 対処すべき課題
(4) 経営環境に記載の今後の医薬品市場や医療制度、社会環境など当社グループを取り巻く経営環境の変化に対応し、健康領域における事業拡大と地域包括ケアシステムへの取り組みを強化していくことが必要であり、19-21中期経営計画グループ経営方針「グループ連携体制の構築」「事業モデルの変革」「地域の人々の健康への貢献」「さらなる生産性の向上」「人づくり」を推進してまいります。
また、セグメント別の課題とそれに対する取り組みについては(2) 経営戦略等に記載のとおりであります。
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境について
当社グループが主に事業を展開する医療用医薬品業界は、健康保険制度ならびに医療行政の影響を強く受けます。そのため、薬価改定に代表される告示等は当社グループの業績に直接的な影響を与え、また、制度の大幅な変更が行われた場合は業績に重大な影響を与える可能性があります。
現在、高齢化の進展、生活習慣病の拡大により国民医療費は増加傾向にあります。しかし、医療保険財源の支払能力は低下しているため、診療報酬の包括払いの導入、自己負担の見直し、後発医薬品の普及促進策や薬価基準制度の見直しなどの医療費抑制を目的とした様々な医療制度改革が実施されております。また、医薬分業の進展により販売先の構成が変わりつつあり、病院・診療所に代わり調剤薬局の売上構成比が高くなっております。さらに、国立病院の独立行政法人化や医療機関の購入形態の変化に伴い販売価格の低下が懸念されております。当社グループは、仕入から売上債権回収までの一連の営業活動のこれらの状況への適合を進めておりますが、当該取り組みの状況によっては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 薬価の改定について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品の価格は、厚生労働大臣の告示によって公定されています。この公定価格が「薬価」(正式には「使用薬剤の公定価格」)であります。実質的に販売価格の上限として機能している薬価については、市場における実勢価格や需要動向に応じて、定期的に引き下げ改定が行われており、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 法的規制について
当社グループは、医療用医薬品の卸・製造販売を主な事業としております。したがって、事業活動を行うにあたり、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」および関連法規等の規制により、免許・許可の登録および指定や、開発、製造、輸入に関し様々な承認許可が必要となります。監督官庁の許認可の状況により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 特有の取引慣行について
当社グループが主に事業展開する医療用医薬品卸売業界においては、医薬品が生命関連商品であり、納入停滞が許されないという性質上、価格未決定のまま医療機関等に納品し、その後卸売業者と医療機関との間で価格交渉を行うという特有の慣行が旧来より続いております。お得意様である医療機関、保険薬局との価格交渉の早期妥結をはじめとした流通改革には継続して取り組んでおりますが、交渉が難航した場合、当社グループでは合理的な見積もりにより決定予想価格を算出して売上計上しております。価格交渉が長期化する可能性や当初予想と異なる価格での決定となる可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 製造事業に係るリスクについて
当社グループの医薬品等製造事業においては、医薬品原薬の開発、製造、販売、医薬品等の開発、製造、販売を行っております。製品開発については全ての品目が発売できるとは限らず、途中で開発を断念しなければならない場合や他社からの導入等も行えない場合があります。また、製品および原材料の一部には特定の取引先にその供給、販売を依存している品目があります。何らかの理由により調達・製造・販売活動に遅延または停止するような事態が発生する可能性があります。
さらに、製品の開発から製造の段階において安全性、信頼性には万全を期しておりますが、予期しない副作用や異物混入などによる製品回収や販売中止等が発生し、訴訟を提起されるリスクがあります。このような場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 調剤薬局に係るリスクについて
当社グループの医療関連事業における調剤業務は薬剤師(人)に負うところが大きく、調剤過誤が発生する可能性があります。医療用医薬品の場合、用法・用量に厳格な制限があり、他の薬剤との相互作用や中毒症状の発症など、医療トラブルが発生する可能性があります。発生した場合、損害賠償に加え、既存顧客の信用および社会的信用を失うこととなり、当社グループの売上高および業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、薬剤師法第19条において薬剤師以外の調剤を禁じていることや、医薬品医療機器等法および厚生労働省令等によって、薬局への薬剤師の配置および配置人数を厳しく規制しております。従って、営業時間を通じて薬剤師の必要人員数が確保されない場合には、当社グループの薬局の維持、新規開設、および業績に影響を与える可能性があります。
(7) システムトラブルについて
当社グループの事業活動においては、コンピュータネットワークシステムに大きく依拠しており、災害や事故等によりシステムが機能停止した場合、リカバリーシステムによる復旧までに時間を要し、販売物流を中心とした営業活動の一部に支障をきたし、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 海外との取引について
当社グループは、中華人民共和国に医薬品等製造事業の生産拠点の一部や事業拠点を設けております。また、ベトナム社会主義共和国にも事業拠点を置いております。こうした海外における事業活動や日本と海外との間の製品・商品の輸出入取引において、政治的摩擦や為替の急激な変動等が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報流出について
当社グループは、重要な機密情報、顧客情報、および各種の個人情報等を保有しており、これらの情報の外部への流出を防止するため、法令等に基づいた社内規程の整備と運用の徹底を図っております。不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜や損害賠償や取引停止処分、流出の影響を受けた顧客その他関係者への補償等により、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 自然災害について
当社グループは医薬品等卸売事業において、物流機能が大きな役割を果たしております。震災等の自然災害により物流機能が毀損した場合、販売物流活動に支障をきたし、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要については次のとおりであります。なお、経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容については、各項目に含めて記載しております。
連結財務諸表の作成に際しての重要な会計方針および見積りについては、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいており、決算日における資産・負債の報告数値および報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える事項について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りおよび判断を行い、それらについて継続して評価を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)におけるわが国の経済は、第4四半期に入り輸出や生産の一部に弱さがみられるものの、年間を通しては、個人消費の持ち直しや設備投資の増加により景気は緩やかに回復しております。
当社グループは、当連結会計年度を最終年度とする3か年の中期経営計画「16-18中期経営計画 明日への躍進」(以下、「16-18 中計」という。)におけるグループ経営方針(Challenge 3)に掲げた「グループ一体となった事業強化」「健康・医療関連領域の拡充」「環境変化に先駆けた事業モデルの変革」の実現に向けて取り組んでまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高2兆6,405億11百万円(前期比1.4%増)、営業利益447億70百万円(同7.2%増)、経常利益551億25百万円(同6.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益416億99百万円(同17.2%増)となりました。
また、2018年5月14日から8月14日までの間に株主還元および資本効率の向上を目的に、自己株式5百万株を133億34百万円で取得いたしました。
① セグメント別の業績
(A) 医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品等卸売事業におきましては、厚生労働省より公表され2018年4月からスタートした「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の遵守を最重要課題として、「経済合理性に立った取引の推進」「単品単価契約の推進」「早期妥結の推進」に取り組みました。
また、当社グループは医療用医薬品NO.1卸として「16-18中計」の重点施策として掲げた「営業機能の改革・物流機能の改革」の推進や「グループ全体最適」の追求により、事業基盤のさらなる強化を進めました。
「営業機能の改革」としては、今後の地域包括ケアシステムへの対応やお得意先における様々な課題・ニーズの解決に向けて、MS(マーケティング・スペシャリスト)が提案型営業活動を実践していくために医療経営士の認定資格取得に取り組みました。当社グループでは、医療経営士を医療と介護、生活者を繋ぎ地域の連携を推進する重要な人財と位置付けております。
また、スペシャリティ医薬品の販売・流通の拡大に向け、グループ会社であるエス・エム・ディ株式会社(本社:東京都千代田区)を活用して一元流通の積極的な展開を図りました。
「物流機能の改革」への取り組みとしては、当社の連結子会社であるアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、以下「アルフレッサ」という。)が、九州各地への医薬品の安定供給体制構築のため、福岡県久留米市にPIC/S GDP※1を想定した設備やRFID※2を活用した高機能な物流センター「福岡物流センター」を2018年10月に竣工しました。同社は、厳格な温度管理が求められるPIC/S GDPに対応した保冷品の輸配送ツールである専用保冷庫、専用コンテナの開発も行いました。
再生医療等製品への取り組みでは、アルフレッサが2018年8月、再生医療等製品の保管・輸送拠点として、産官学参加の国家的な戦略特区の一部である神奈川県川崎市川崎区殿町の「ライフイノベーションセンター」に入居する、三菱倉庫株式会社(本社:東京都中央区)の敷地内に「殿町再生医療流通ステーション」を設置しました。両社は、メーカー物流等の物流インフラの共同化・効率化や、今後の市場拡大が見込まれる再生医療等製品の物流等、次世代の流通を検討するための研究会も立ち上げました。
アルフレッサは、2019年3月にPHC株式会社(本社:東京都港区)および富士通エフ・アイ・ピー株式会社(本社:東京都港区)と特殊医薬品の流通管理のためのRFIDやクラウド等のIoT技術を活用した新たなプラットフォームの構築検討についての基本合意契約を締結いたしました。
また、アルフレッサは、株式会社ナビタイムジャパン(本社:東京都港区)と医薬品配送の生産性向上のためのシステム「saios(サイオス)」を共同開発し本格的な展開を始めました。アルフレッサの全配送専門職が携帯するスマートフォンをセンサー端末として活用し、最適な配送ルート構築や効率的な運行管理が可能となりました。
さらに、アルフレッサはヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区、以下「ヤマト運輸」という。)と、今後の医療提供体制への対応や労働力不足等の社会課題への対応を共同で検討するための「医薬品流通研究会」を立ち上げました。この共同研究では、アルフレッサが持つ医薬品流通ネットワークと、ヤマト運輸の宅急便ネットワークを結集するだけでなく、両社の経営リソースやノウハウを徹底活用することで、安心・安全で確実な新しい流通ネットワークをいち早く確立することを目指しています。
「グループ全体最適」への取り組みとしては、連結子会社間の事業譲渡、事業統合を進めました。2018年7月に株式会社恒和薬品(本社:福島県郡山市)は、北海道エリアにおける同社の医療用医薬品等卸売事業をアルフレッサへ事業譲渡したことに続き、2018年10月1日付けで株式会社小田島(本社:岩手県花巻市)との合併により事業を統合し、東北アルフレッサ株式会社(本社:福島県郡山市)が誕生いたしました。
また、当連結会計年度から四国エリアを営業基盤とする子会社アルフレッサ篠原化学株式会社(本社:高知県高知市)が連結子会社に加わりました。
当連結会計年度における医療用医薬品市場は、2018年4月に平均7.5%の薬価引き下げがあったものの、C型肝炎治療薬や抗悪性腫瘍薬の需要拡大等により、全体として市場は前年同期比ゼロ成長となりました(クレコンリサーチ&コンサルティング株式会社推定)。
当セグメントの業績は、これらにより、売上高2兆3,271億99百万円(前期比1.5%増)、営業利益402億68百万円(同14.1%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高158億86百万円(同11.6%増)を含んでおります。
※1 PIC/S GDP(The Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme Good
Distribution Practice)とは、医薬品の流通過程における温度管理、衛生管理、各種手順書等の作成等に関する国際基準をいう。
※2 RFID(Radio Frequency IDentification)とは、無線を利用して非接触で電子タグのデータを読み書きする自動認識技術をいう。
(B) セルフメディケーション卸売事業
セルフメディケーション卸売事業におきましては、「16-18中計」の重点施策として掲げた「さらなる事業基盤の強化」「付加価値営業の強化」に引き続き取り組みました。
当社の連結子会社であるアルフレッサ ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区)は、2018年11月に中華民国(台湾)において小売店舗を展開するお得意様の販促活動のサポート、同社の専売商品・専売メーカー商品の販売促進活動を行うため、台北市に駐在事務所を開設いたしました。
当セグメントの業績は、専売商品・専売メーカー商品の販売強化やサプリメント・健康食品および一般用医薬品等の販売増加により売上高2,650億72百万円(前期比1.6%増)、営業利益27億12百万円(同3.3%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高15億78百万円(同3.1%増)を含んでおります。
(C) 医薬品等製造事業
医薬品等製造事業におきましては、「16-18中計」の重点施策として掲げた「安心・安全・誠実なモノづくりの推進」「製造受託・医薬品原薬事業の推進」「製品ラインアップの拡充と販売力強化」「海外事業の拡充」に引き続き取り組みました。
「製品ラインアップの拡充と販売力強化」への取り組みとして、連結子会社であるアルフレッサ ファーマ株式会社(本社:大阪市中央区)は、第一三共株式会社(本社:東京都中央区)および同社の子会社である第一三共エスファ株式会社(本社:東京都中央区)が日本において製造販売を行っている長期収載品41製品の製造販売承認および資産等を譲り受ける契約を2018年7月に締結し、2019年3月より一部製品について製造販売を開始いたしました。
また、「海外事業の拡充」への取り組みとして、2019年3月にアルフレッサ ファーマ株式会社は上海復星長征医学科学有限公司(本社:中華人民共和国上海市)と中国における便検査装置および試薬製品の供給契約を締結いたしました。
当セグメントの業績は、2018年4月の薬価改定や医薬品原薬の販売減少、季節性疾患の減少等の影響により、売上高407億44百万円(前期比2.6%減)、営業利益15億59百万円(同44.9%減)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高98億50百万円(同0.4%増)を含んでおります。
(D) 医療関連事業
医療関連事業におきましては、「16-18中計」の重点施策として掲げた「収益力の向上」「業態変化への取り組み」に引き続き取り組みました。
当セグメントの業績は、調剤報酬の加算獲得への積極的な取り組みや当社の連結子会社である株式会社日本アポック(本社:埼玉県川越市)が株式会社ユースケア(本社:東京都千代田区)を2017年10月に合併したことなどによる増収効果はあったものの、2018年4月の診療報酬改定等の影響により、売上高348億11百万円(前期比2.6%増)、営業利益2億95百万円(同66.4%減)となりました。
また、当社は「海外事業の拡充」への取り組みとして、2019年3月に中国の医薬品卸売大手である華潤医薬商業集団有限公司(本社:中華人民共和国北京市)との間で、包括的な戦略的業務提携に関する合意書を締結し、中国の医薬品流通市場における院内サプライチェーン管理や新たな薬局ビジネスモデルの構築、日中の商品輸出入業務などについて、共同で事業の開発・実現に向けた協議を開始いたしました。
2019年3月期を最終年度とする中期経営計画「16-18中期経営計画 明日への躍進」で発表した経営指標目標の達成状況については次のとおりであります。
② 生産、受注及び販売の実績
(注)1.金額は実際の仕入額によっており、消費税抜きで表示しております。
2.セグメント間の内部仕入高は271億27百万円(前期比106.8%)であり、上記金額に含めております。
仕入実績と販売実績の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前期末比44億88百万円増加し、1兆3,419億39百万円となりました。
流動資産は、162億36百万円増加し、1兆367億84百万円となりました。これは主として、増収増益に伴い「現金及び預金」が144億25百万円増加ならびに「未収入金」が38億22百万円増加したことによるものです。
固定資産は、117億47百万円減少し、3,051億54百万円となりました。これは主として、アルフレッサ株式会社の福岡物流センター等の設備投資などに伴い「建物及び構築物(純額)」等の有形固定資産が46億41百万円増加およびアルフレッサ ファーマ株式会社の長期収載品41製品の製造販売承認等の取得などに伴い「のれん」等の無形固定資産が52億88百万円増加した一方で、株式の売却および株式時価の下落に伴い「投資有価証券」等の投資その他の資産が216億77百万円減少したことによるものです。なお、のれんの増加額には「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 企業結合等関係」に記載のとおり、暫定的に算定された金額を含んでおります。
セグメント別の総資産は、以下のとおりであります。
医療用医薬品等卸売事業のセグメント資産は、当連結会計年度からアルフレッサ篠原化学株式会社を連結子会社としたこともあり、前期末比143億16百万円増加し、1兆1,550億6百万円となりました。これは主として、増収増益に伴い「現金及び預金」および「受取手形及び売掛金」等の金銭債権が増加ならびに福岡物流センター等の設備投資に伴い有形固定資産が増加した一方で、株式の売却および株式時価の下落に伴い「投資有価証券」が減少したことによるものです。
セルフメディケーション卸売事業のセグメント資産は、21億64百万円減少し、926億64百万円となりました。これは主として、増収に伴い「受取手形及び売掛金」が増加および設備更新に伴い有形固定資産が増加した一方で、株式の売却および株式時価の下落に伴い「投資有価証券」が減少したことによるものです。
医薬品等製造事業のセグメント資産は、111億26百万円増加し、628億54百万円となりました。これは主として、機械装置等の製造設備を取得したことに伴い有形固定資産が増加および長期収載品41製品の製造販売承認等の取得に伴い「のれん」が増加したことによるものです。なお、「のれん」の増加額は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 企業結合等関係」に記載のとおり、暫定的に算定された金額であります。
医療関連事業のセグメント資産は、3億76百万円減少し、195億83百万円となりました。これは主として、店舗の増加および業務効率化のための調剤設備の取得ならびにシステム機器の更新により「工具器具及び備品」等の有形固定資産が増加した一方で、「現金及び預金」および「受取手形及び売掛金」が減少したことによるものです。
当連結会計年度末における当社グループの負債は、前期末比16億33百万円減少し、8,998億83百万円となりました。
流動負債は、56億76百万円増加し、8,599億11百万円となりました。これは主として、仕入高の増加に伴い「支払手形及び買掛金」が28億57百万円増加および増益に伴い「未払法人税等」が21億84百万円増加したことによるものです。
固定負債は、73億9百万円減少し、399億71百万円となりました。これは主として、売却による保有株式の減少および株式時価が下落したことでその他有価証券評価差額金が減少したこと等により「繰延税金負債」が63億61百万円減少および年金資産の増加に伴い「退職給付に係る負債」が11億51百万円減少したことによるものです。
結果として、当連結会計年度末における当社グループの純資産は、61億22百万円増加し、4,420億56百万円となりました。これは主として、「利益剰余金」が311億12百万円増加した一方で、株主還元の一環とした自己株式の取得に伴い「自己株式」が133億40百万円増加および保有株式の減少および株式時価の下落に伴い「その他有価証券評価差額金」が125億57百万円減少したことによるものです。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前期末比94億91百万円増加し、2,050億85百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、前連結会計年度と比較して以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、468億80百万円の増加(前期は475億75百万円の増加)となりました。これは主として、増益により「法人税等の支払額」が増加したため、前期に比べてキャッシュ・イン・フローは6億95百万円減少しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、129億47百万円の減少(前期は101億54百万円の減少)となりました。これは主として、物流センター建設等の物流設備投資および受託製造事業強化のための製造設備投資などの有形固定資産の取得支出112億2百万円や製品ラインアップの拡充となる長期収載品41製品の製造販売承認等を譲り受けたことに伴う支出104億1百万円があった一方で、保有株式の縮減を目的とした投資有価証券の売却収入85億24百万円があったことにより、前期に比べてキャッシュ・アウト・フローは27億93百万円増加しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、248億60百万円の減少(前期は98億65百万円の減少)となりました。これは主として、利益還元の充実を図るため、前期に比べ11億79百万円(1株当たり6円)増配となる94億13百万円の剰余金の配当を実施、また株主還元の一環として自己株式133億40百万円を取得したことにより前期に比べてキャッシュ・アウト・フローは149億94百万円増加しております。
当社グループの資本の財源および資金の流動性は次のとおりであります。
<資本の財源>
アルフレッサグループは、日本の社会インフラである医薬品サプライチェーンを製造、卸売、調剤薬局等の各事業領域で支え、必要な時に、必要な医薬品を、必要な場所へ、安定的に供給することに貢献しております。
社会的責任の遂行と持続的な企業価値の向上には、財務の健全性、資本効率の向上、安定的・継続的な株主還元の最適バランスを追及し、さらなる企業価値を追求することが当社グループの財務戦略の基本となっております。
当連結会計年度末における純資産のうち当社の持分は、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上がり、配当金の支払いや自己株式の取得、その他の包括利益額の増減により、前期末比61億30百万円増加し、4,408億98百万円となり、この結果、自己資本比率32.9%となりました。
また、株式会社格付投資情報センターの発行体格付は昨年から1ランクアップし「A+」を維持しております。
<資金の流動性>
当連結会計年度末における「現金及び預金」残高2,063億円は、総資産の15.4%であります。ここには主力の医療用医薬品等卸売事業における売上債権回転期間と仕入債務回転期間の期間差から生じる現預金も含まれております。一方、有利子負債残高は67億55百万円となっております。
また、連結ベースの流動比率は120.6%となり、十分な流動性を確保しています。
(1) 技術援助等を受けている契約
(2) 販売提携契約
(3) 共同開発契約
(4) 業務提携契約
当社グループにおきましては、製品の開発管理体制、評価体制を強化・整備して領域を絞り込んだ自社開発を行うとともに、他社からの導入開発および他社との共同開発に積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は
診断薬分野においては、大腸がん検診等に使用する便潜血機器試薬システムや呼吸器感染症を主領域とした迅速診断キット(POCT)の開発を進めております。
医療機器分野においては、主として外科領域における製品の研究開発を進めております。また、経済産業省による課題解決型医療機器等開発事業支援のもと、世界初の「がん粒子線治療用の体内吸収性スペーサー」の開発を進め、2017年12月に製造販売承認申請を行い、2018年12月に承認を取得いたしました。