文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
アルフレッサグループは、グループ理念体系として「私たちの思い」「私たちのめざす姿」「私たちの約束」を次のように定めております。
「私たちの思い」
すべての人に、いきいきとした生活を創造しお届けします
「私たちのめざす姿」
健康に関するあらゆる分野の商品・サービスを提供できるヘルスケアコンソーシアムをめざします
「私たちの約束」
[安心][安全][誠実]
・私たちは、常に安心できる商品・サービスを提供し、お客さま満足度の向上に努めます
・私たちは、個々の人格・個性を尊重し、働きやすい職場環境の維持向上に努めます
・私たちは、健康に携わる企業グループとして企業価値を高めます
・私たちは、公正かつ自由な競争による適正な取引を行います
・私たちは、社会との積極的なコミュニケーションを図り、適時適切に情報を開示します
・私たちは、事業活動を通じて地域社会に貢献します
・私たちは、地球環境の保護に努めます
① アルフレッサグループの価値創造モデル
アルフレッサグループが将来にわたり果たすべき役割、注視すべき環境変化を認識するとともに、独自の強みや培ってきた経営資源を最大限に活用しながら、グループ理念の「私たちのめざす姿」に掲げる「健康に関するあらゆる分野の商品・サービスを提供できるヘルスケアコンソーシアムの実現」に向けて事業ポートフォリオの拡充を行い、将来にわたり持続的な価値創造に取り組んでいきます。

② 「19-21中期経営計画」グループ経営方針
アルフレッサグループは、グループ理念体系の具現化に向けて、2022年3月期を最終年度とする「19-21中期経営計画 さらなる成長への挑戦 ~健康とともに、地域とともに~」を策定し、グループ経営方針「グループ連携体制の構築」「事業モデルの変革」「地域の人々の健康への貢献」「さらなる生産性の向上」「人づくり」の実現により、企業価値の向上を目指します。
〈19-21中期経営計画 グループ経営方針〉
「グループ連携体制の構築」
成長分野におけるセグメント内・セグメント間のグループ内連携の強化、グループ外他社の強みの活用による他企業連携を推進します。
グループ内連携の一例

「事業モデルの変革」
既存事業内の成長分野、成長の見込まれる新規事業への積極的な投資により事業モデルの変革を目指します。

「地域の人々の健康への貢献」
地域包括ケアシステムに関わる様々なステークホルダーをつなぐため、広範囲なサービス事業者と連携し、開かれた地域社会の健康・医療プラットフォームの構築を目指します。

「さらなる生産性の向上」
営業改革・物流改革等の施策の継続的取り組みや新たな技術の導入・活用による既存業務の効率化に取り組み、生産性の向上を図ります。
「人づくり」
アルフレッサグループの4つの人財要件(挑戦心、強い使命感、適応力、高い倫理観)のうち、未知なる領域への挑戦心、新たな環境に対する適応力を重点に人づくりを強化します。


(2) 中期的な経営戦略等
アルフレッサグループは、2022年3月期を最終年度とする「19-21中期経営計画 さらなる成長への挑戦 ~健康とともに、地域とともに~」の中で、経営戦略としてセグメント別の重点施策を次のように策定しております。
① 医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品NO.1卸として勝ち続けるための変革をさらに進めます。
(A) MS機能のさらなる進化
(a) 提案営業の強化
(b) エリア戦略の実践
(c) 地域包括ケアシステムへの取り組み
(d) メディカル品への注力
(B) スペシャリティ商品への注力
(C) グループ物流の高度化、効率化と標準化
② セルフメディケーション卸売事業
「トータルヘルスケア・マーチャンダイジング・ホールセラー」を推進し、新たな付加価値による差別化と創造性を持つオンリーワン卸を目指します。
(A) 安定的かつ持続的な事業基盤の確立
(B) 消費者視点に立った商品提案
(C) 専売メーカー・専売商品の取り組み強化
(D) 将来に向けた投資
(a) 新規顧客の創造・新規チャネルへの挑戦
(b) 次世代サプライチェーンの創造
(c) 取扱品目の拡大に向けた取り組み(日用雑貨・ビューティ)
(E) 各事業セグメントとの連携強化
③ 医薬品等製造事業
グループシナジーの強化とさらなる規模拡大を推進します。
(A) 安心・安全・誠実なモノづくりの推進
(B) グループニーズに沿った製品の拡充
(a) 医薬品卸売会社との連携強化
(b) 製薬メーカー等からの承継品への注力
(C) 製造受託・医薬品原薬事業の拡大
(a) グループを挙げた製造受託体制の確立
(b) 競争力のある原薬製品の製造および海外販売
(D) 海外事業の拡充
(a) 中国、欧米における診断薬・縫合糸の販売拡大
(b) ベトナム事業の拡大
④ 医療関連事業
収益改善を目指した効率化と環境変化に対応した機能強化を推進します。
(A) 機能に応じた店舗の再編
(B) 収益改善を目指した機能の効率化・高度化
(C) 多機能化による地域社会への貢献(かかりつけ薬局機能+健康サポート機能、高度薬学管理機能)
(D) 各事業セグメントとの連携強化
また、投資計画として、2020年3月期から2022年3月期までの3か年累計で1,200億円規模の投資を予定しております。投資計画の主な内訳と調達原資は以下のとおりであります。
〈投資計画(累計)〉
事業強化投資:約840億円(物流センター、事業所、製造設備、製品導入等)
事業拡大投資:約360億円(健康領域の新規事業への投資等)
〈調達原資(累計)〉
当期純利益 :約1,150億円
償却費等 : 約350億円
(3) 目標とする経営指標
19-21中期経営計画の最終年度である2022年3月期の経営目標を次のとおり設定しております。
(注)DOE:連結純資産配当率
(4) 経営環境
① 経営環境
今後の医薬品市場においては、薬価制度改革の影響に加え、後発医薬品の拡大および長期収載品の縮小やスペシャリティ医薬品や再生医療製品等の伸長など、様々な環境変化を踏まえると医療用医薬品市場は中期的にほぼ横ばいのまま推移すると予想されております。
医療制度面等においては、2018年4月からスタートした「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」により、医薬品卸、医薬品メーカー、病院・調剤薬局等の医療用医薬品流通に係るすべての関係者が流通改革に向けた取り組みをさらに推進していくことが予想されております。また、2025年の医療・介護サービスの将来像に向けた地域医療構想がまとめられるなか、地域包括ケアシステムの進展により各自治体の医療・介護機能の供給体制が中長期的に変化し、こうした医療・介護制度の変化は、お得意様である医療機関や調剤薬局との関係や、仕入先である医薬品メーカーとの関係に影響する可能性があります。
社会環境においては、高齢者の増加、労働人口の減少の一方で、飛躍的な技術革新の可能性があり、社員の働き方にも大きな影響を与える可能性があります。
アルフレッサグループを取り巻く経営環境

セグメント別の経営環境

アルフレッサグループは、医薬品等の製造および卸売、調剤薬局の運営に至るまでの医療・医薬品に関する一気通貫のサプライチェーンを持ち、日本全国の医療機関、薬局等、約10万超のお得意様に対して、約1万8千種類の医療用医薬品をはじめ健康に関する様々な商品・サービスを、医療用医薬品卸 国内NO.1の高い生産性でお届けしております。「医薬品流通」という社会インフラを支える当社グループのユニークな競争優位は「人財」「経営基盤」「財務基盤」が支えております。
グループ理念の「私たちのめざす姿」に掲げる「健康に関するあらゆる分野の商品・サービスを提供できるヘルスケアコンソーシアムの実現」に向けて持続的に事業ポートフォリオの拡充を図っております。
医療用医薬品NO.1卸であるアルフレッサグループは、19-21中期経営計画に掲げた主要施策を着実に実行することで経営環境の変化に先駆けて自らを変革し、生産性の向上や経営効率のさらなる改善により、企業価値の継続的な向上を図ってまいります。
② 新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、企業を取り巻く環境は急激な悪化を続けております。
このような状況下、アルフレッサグループでは、感染拡大防止の対応を図るとともに、得意先、取引先、当社グループ従業員およびその家族の安全を確保しながら、医薬品等の安定供給に努めております。
新型コロナウイルス感染拡大の当社グループへの影響は、以下のように認識しております。新型コロナウイルス感染症の流行が長期化・深刻化した場合の影響については、先行きが不透明であり、また、類例がないことから予測が難しい状況ではありますが、今後の経営成績等への影響は現時点において軽微と判断しております。
(A) 医療用医薬品等卸売事業、医薬品等製造事業および医療関連事業
医療用医薬品等卸売事業、医薬品等製造事業および医療関連事業においては、医療機関等における外来受診抑制の一方で、医薬品等の処方日数の長期化などを要因とした需給バランスの変化に伴い、売上高および操業水準に一定の変動が生じております。また、営業活動を縮小せざるを得ない状況が続いており、販売促進や価格交渉等に影響が生じております。しかしながら、将来的には平準化するものと見込んでおり、当社グループの経営成績等への影響は現時点において軽微であると判断しております。
(B) セルフメディケーション卸売事業
セルフメディケーション卸売事業においては、感染予防関連商品の売上が増加する一方で、インバウンド需要が急激に減少しております。しかしながら、将来的には平準化するものと見込んでおり、当社グループの経営成績等への影響は現時点において軽微であると判断しております。
(5) 優先的に対処すべき事業上の課題
当社グループは、2019年5月に持続可能な成長に向けた重要課題(マテリアリティ)を特定いたしました。事業への真摯な取り組みによる「利益の創出」と「企業活動が社会に与える影響への配慮」を両立させながら、持続的成長とサステナブルな社会への貢献を目指してまいります。
① 重要課題(マテリアリティ)とグループ経営方針等
マテリアリティは、サステナブルな社会の実現と当社グループの中長期の価値向上において大きな影響を及ぼす重要な課題であり、中長期的な脅威やリスクであると同時に新しい事業機会でもあります。中長期戦略の実践にあたり、当社グループにとっての以下8項目のマテリアリティを特定いたしました。マテリアリティは継続して中長期にわたって取り組む必要がありますが、まず第一歩として19-21中期経営計画期間においては、グループ経営方針およびESG重要課題として掲げる項目への取り組みを通じて、マテリアリティに向き合ってまいります。

② ガバナンスの強化
当社グループは、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)の医療用医薬品の入札に関し独占禁止法違反の疑いで、アルフレッサ株式会社が公正取引委員会による立ち入り検査を受けていることを踏まえ独占禁止法遵守の為の対策を強固に推進してまいります。
また、2019年6月に発覚しましたアポロメディカルホールディングス株式会社の調剤報酬請求に係る不適切行為については、同年12月に第三者による特別調査委員会の調査報告書を受け、再発防止策を徹底して実施しております。
〈当社におけるグループガバナンス強化策〉
(A) 独立社外取締役を委員長とする「役員人事・報酬等委員会」の機能強化
当社は、独立社外取締役を委員長とする任意の諮問機関である「役員人事・報酬等委員会」を設置しており、同委員会では主に当社の取締役、執行役員の選解任および報酬について定期的に審議いたしております。同委員会の規程を2020年4月1日付で一部改訂し、審議対象に当社の特定完全子会社であるアルフレッサ株式会社の取締役および執行役員の選解任も含めることといたしました。
当社グループにおいて重要度の高い特定完全子会社であるアルフレッサ株式会社の取締役および執行役員の選解任について、より透明性・客観性を確保したプロセスを確立いたします。
(B) コンプライアンス・リスクマネジメント会議分科会の設置
当社は、グループにおけるコンプライアンス・リスクマネジメント活動を効果的に推進することを目的として、グループ各社の代表により組織される「コンプライアンス・リスクマネジメント会議」を定期的に開催いたしております。同会議の規程を2020年4月1日付で一部改訂し、下部組織として分科会を設置可能といたしました。事業セグメント等、業種・業態を限定した分科会を設置することで、専門性の高い特定事業の固有リスクへ、より適切かつ組織的に対応することを意図しております。
既に医療用医薬品等卸売事業に関する分科会および医療関連事業に関する分科会を設置し会議を実施しております。
〈当社子会社におけるガバナンス強化策〉
(A) 独占禁止法遵守の為の対策
アルフレッサ株式会社をはじめとする医療用医薬品等卸売事業に携わる当社子会社は、独占禁止法等の遵守と徹底を目的として、以下のガバナンス強化策を実施しております。
(a) 経営トップの宣言と社内での周知徹底
・当社子会社の経営トップが全社員に向け、改めて独占禁止法等の遵守を宣言する。
・独占禁止法等の遵守に関しての経営トップの強い意志を、当社子会社の経営方針発表会や各種会議、研修などのあらゆる機会を使って全役職員に繰り返し伝える。
(b) 営業担当者の行動指針の作成等
・同業他社との接触に関するルールや、各種会議・会合へ参加する際のルール等を細かく規定するとともに、現実に起こりうるケースに応じたQ&Aを作成し営業担当者に周知徹底する。
(c) コンプライアンス専門部署・独占禁止法専用相談窓口の設置
・社内でコンプライアンス遵守を推進・統括する専門部署を設置した。
・独占禁止法専用の電話相談窓口を社内外に設置し、各種質問や内部通報を受け付ける。
(d) 独占禁止法に関する社内教育・研修の充実
・管理職等の幹部社員向け研修、営業担当者(MS)研修等を定期的に実施する。
(B) 調剤報酬請求に係る不適切行為の再発防止策
医療関連事業の連結子会社である、アポロメディカルホールディングス株式会社および株式会社日本アポックにおいて以下の再発防止策を実施しております。また、当社が主催する会議体としてコンプライアンス・リスクマネジメント会議下に調剤薬局事業会社を対象とした分科会を設置し、再発防止策のPDCAを実施しております。
(a) 適正人員の確保
・薬剤師、事務員の適正配置と必要に応じた増員再配置を行う。
(b) 新システムの構築・導入
・薬歴記載時間を捻出または短縮できるシステムを導入する。
・薬歴の改ざんができないシステムを構築する。
(c) 社内ルールの明確化
・薬歴記載手順書、マニュアルを整備する。
・不適切請求に係る罰則を賞罰規程に明文化する。
(d) 管理体制の強化
・社内ルールの周知ならびに、本社および当社への報告を徹底する。
・本社による監査指導を徹底する。
(e) 社内研修の充実
(f) コンプライアンス違反を許さない企業風土の醸成
・経営トップによる意識改革の徹底および全社改革を推進する。
・全社員に公正誠実な業務遂行およびコンプライアンス遵守の意識付けを行う。
・コンプライアンス委員会を設置する。
(g) 内部通報制度の充実強化
・内部通報窓口の周知徹底と内部通報者の保護体制を強化する。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境について
当社グループが主に事業を展開する医療用医薬品業界は、健康保険制度および医療行政の影響を強く受けます。そのため、薬価改定に代表される告示等は当社グループの経営成績等に直接的な影響を与え、また、制度の大幅な変更が行われた場合は経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。
現在、高齢化の進展、生活習慣病の拡大により国民医療費は増加傾向にあります。しかし、医療保険財源の支払能力は低下しているため、診療報酬の包括払いの導入、自己負担の見直し、後発医薬品の普及促進策や薬価基準制度の見直しなどの医療費抑制を目的とした様々な医療制度改革が実施されております。また、医薬分業の進展により販売先の構成が変わりつつあり、病院・診療所に代わり調剤薬局の売上構成比が高くなっております。さらに、国立病院の独立行政法人化や医療機関の購入形態の変化に伴い販売価格の低下が懸念されております。これらの状況によっては当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、2018年4月からスタートしました「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の遵守に重点的に取り組み、また、仕入から売上債権回収までの一連の営業活動について適切な対応を進めております。
(2) 薬価の改定について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品の価格は、厚生労働大臣の告示によって公定されています。この公定価格が「薬価」(使用薬剤の公定価格)であります。実質的に販売価格の上限として機能している薬価については、市場における実勢価格や需要動向に応じて、定期的に引き下げ改定が行われており、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 法的規制および法令違反等について
当社グループは、医療用医薬品の卸・製造販売を主な事業としております。したがって、事業活動を行うにあたり、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」および関連法規等の規制により、免許・許可の登録および指定や、開発、製造、輸入に関し様々な承認許可が必要となります。監督官庁の許認可の状況により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが遵守すべき法令(独占禁止法、下請法、不正競争防止法、金融商品取引法等)に十分留意した企業活動を行っておりますが、万一これらの違反を起こした場合、企業活動の制限や法令上の規制に対応するためのコストの増加、社会的信用の毀損等が発生する可能性があり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、グループ理念のもと、「コンプライアンスガイドライン」を制定し、グループコンプライアンス・リスクマネジメント会議や研修等を通じて、法令等の遵守の徹底を図っております。
(4) 特有の取引慣行について
当社グループが主に事業展開する医療用医薬品卸売業界においては、医薬品が生命関連商品であり納入停滞が許されないという性質上、薬価改定後の一定期間、価格未決定のまま医療機関に納品し、その後卸売業者と医療機関との間で価格交渉を行うという特有の慣行が旧来より続いております。交渉が難航した場合、当社グループでは合理的な見積りにより決定予想価格を算出して売上計上しております。価格交渉の長期化や当初予想と異なる価格での決定となった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の遵守に重点的に取り組み、得意先である医療機関との価格交渉の早期妥結をはじめとした流通改革に継続して取り組んでおります。
(5) 製造事業に係るリスクについて
当社グループの医薬品等製造事業においては、医薬品原薬の開発、製造および販売ならびに医薬品等の開発、製造および販売を行っております。製品開発については全ての品目が発売できるとは限らず、途中で開発を断念しなければならない場合や他社からの導入等も行えない場合があります。また、製品および原材料の一部には特定の取引先にその供給、販売を依存している品目があります。何らかの理由により調達・製造・販売活動に遅延または停止するような事態が発生する可能性があります。
さらに、製品の開発から製造の段階において安全性、信頼性には万全を期しておりますが、予期しない副作用や異物混入などによる製品回収や販売中止等が発生し、訴訟を提起されるリスクがあります。このような場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、医薬品等製造事業において「安心・安全・誠実なモノづくりの推進」を重点施策として掲げ、共通の品質管理システムを国内の連結子会社3社に導入し、製品等の安全性および信頼性の向上に連携して取り組んでおります。
(6) 調剤薬局に係るリスクについて
当社グループの医療関連事業における調剤業務は薬剤師(人)に負うところが大きく、調剤過誤が発生する可能性があります。医療用医薬品の場合、用法・用量に厳格な制限があり、他の薬剤との相互作用や中毒症状の発症など、医療トラブルが発生する可能性があります。発生した場合、損害賠償に加え、既存顧客の信用および社会的信用を失うこととなり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、薬剤師法第19条において薬剤師以外の調剤を禁じていることや、医薬品医療機器等法および厚生労働省令等によって、薬局への薬剤師の配置および配置人数を厳しく規制しております。したがって、営業時間を通じて薬剤師の必要人員数が確保されない場合には、当社グループの薬局の維持、新規開設に支障をきたし、経営成績等に影響を与える可能性があります。
当社グループは、処方箋の受入枚数等を適宜把握し、薬剤師・事務員の適正配置や必要に応じた増員再配置に取り組んでおります。また、調剤過誤につきましては、人員の適正配置、調剤業務のマニュアルの整備や調剤監査システムの導入・活用によりその防止に取り組んでおります。
(7) システムトラブルおよびサイバーリスクについて
当社グループの事業活動においては、コンピュータネットワークシステムに大きく依拠しており、災害や事故等によりシステムが機能停止した場合、リカバリーシステムによる復旧までに時間を要し、販売物流を中心とした営業活動の一部に支障をきたす可能性があります。また、近年のデジタル技術の著しい発展の一方で、サイバー攻撃手法の高度化・巧妙化も進んでおり、サイバー攻撃等外部からの不正アクセス、コンピュータウイルス等により、システムダウン、誤作動および不正利用を含む障害ならびに社外への情報漏洩等が発生する可能性があります。これらの要因により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、災害等が発生した場合に備え、複数拠点にデータセンターを設置しております。また、システムの運用・保守等を行う連結子会社が、災害等のほか、様々な障害や事故等の防止および発生に備え、コンピュータネットワークシステムを監視しております。さらに、サイバーセキュリティにも常に留意し、適宜必要なシステムの導入を進めてまいります。
(8) 海外との取引について
当社グループは、中華人民共和国に医薬品等製造事業の生産拠点の一部や事業拠点を設けております。また、ベトナム社会主義共和国にも事業拠点を置いております。こうした海外における事業活動や日本と海外との間の製品・商品の輸出入取引において、政治的摩擦や為替の急激な変動等が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報流出について
当社グループは、重要な機密情報、顧客情報および各種の個人情報等を保有しておりますが、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜や損害賠償や取引停止処分、流出の影響を受けた顧客その他関係者への補償等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、情報セキュリティ対策推進のため、法令等に基づいた社内規程の整備・運用の徹底を実施し、グループ全体で「情報セキュリティ体制」を構築することにより、グループ統一基準に基づいた教育・運用チェック等を行っております。保有する情報の外部への流出等を防止するため情報管理等の研修会を適宜開催し、情報漏洩等を防ぐための対策を講じております。
(10) 自然災害、パンデミック等について
当社グループは医薬品等卸売事業において、物流機能が大きな役割を果たしております。震災等の自然災害により物流機能が毀損した場合、販売物流活動に支障をきたす可能性があります。また、自然災害やパンデミック等の発生により事業活動を縮小せざるを得ない事態となった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは,事業継続計画(以下「BCP」という。)および災害時の各種マニュアルを策定し、大規模災害時において、医薬品等を迅速かつ安定的に供給するため、備蓄が必要とされる医薬品等のリスト化や配送拠点が被災した場合の近隣拠点によるバックアップ体制等を整備し、重要な社会インフラである医薬品等の流通機能が停止しないように最大限の対策を構築しております。
当社グループでは、2020年4月に発令された新型コロナウイルス感染拡大に係る緊急事態宣言を受け、新型インフルエンザを想定したBCPに準じて対策本部を設置し、当社およびグループ会社間で連携して対応しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要については次のとおりであります。なお、経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容については、各項目に含めて記載しております。
なお、前連結会計年度において行われた企業結合に係る暫定的な会計処理が当連結会計年度において確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出が弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増した状態が続く一方、雇用および所得環境の改善により緩やかに回復しておりましたが、第4四半期に発生した新型コロナウイルス感染症の影響により足下で大幅に下押しされており、厳しい状況にあります。
このようななか、当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大に対し、グループ各社において感染拡大防止の対策を行うとともに、お得意様、お取引先様、当社グループ従業員およびその家族の安全を確保しながら、医薬品等の安定供給に努めております。
当社グループでは、「19-21中期経営計画 さらなる成長への挑戦 ~健康とともに、地域とともに~」(以下「19-21中計」という。)に掲げたグループ経営方針「グループ連携体制の構築」「事業モデルの変革」「地域の人々の健康への貢献」「さらなる生産性の向上」「人づくり」に取り組んでおります。
当社は、「事業モデルの変革」の取り組みとして、2019年11月にヒューマンライフコード株式会社(本社:東京都千代田区)と資本業務提携いたしました。同社は、先天的な難治性疾患や加齢に伴って後天的に組織修復が必要となった患者様に向けた「再生・細胞医療」に特化した企業であり、当社グループは、同社が開発を進めている国産の臍帯由来の間葉系細胞製品の安定的な流通体制の確立を目指してまいります。
また、当社は、「地域の人々の健康への貢献」の取り組みとして、2020年3月に株式会社エクスメディオ(本社:東京都千代田区)と資本業務提携いたしました。当社グループは、同社が提供する医師向けの情報共有プラットフォームをお得意様に紹介するとともに、地域包括ケア時代を視野に入れた新サービスを同社と共同開発してまいります。
当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高2兆6,985億11百万円(前期比2.2%増)、営業利益476億45百万円(同6.4%増)、経常利益571億70百万円(同3.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益402億73百万円(同3.5%減)となりました。
① セグメント別の業績
(A) 医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品市場におきましては、抗悪性腫瘍薬の需要拡大等の影響により、市場は2.5%の成長となりました(クレコンリサーチ&コンサルティング株式会社推定)。
当社グループでは、厚生労働省より公表され2018年4月からスタートしました「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の遵守を重点課題として、「経済合理性に立った取引の推進」「単品単価契約の推進」「早期妥結の推進」に引き続き取り組んでおります。
あわせて、当社グループは医療用医薬品NO.1卸※として勝ち続けるために「19-21中計」の重点施策として掲げた「MS機能のさらなる進化」「スペシャリティ商品への注力」「グループ物流の高度化、効率化と標準化」に取り組んでおります。
「スペシャリティ商品への注力」への取り組みとしては、アルフレッサ株式会社(以下「アルフレッサ」という。)が2019年10月にスペシャリティ製品事業の推進体制を構築するため「スペシャリティ事業推進部」を新設し、グループ会社であるエス・エム・ディ株式会社(本社:東京都千代田区)と一体となって一元流通の積極的な展開を図っております。
「グループ物流の高度化」への取り組みとしては、アルフレッサが2019年7月に静岡物流センター(仮称)(所在地:静岡県藤枝市)の建築に着工いたしました。同センターは、2021年5月稼働予定で静岡県における物流の中核拠点として、厳格な温度管理等が可能な高機能物流センターとなる予定です。
また、アルフレッサは2019年9月にヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区)と「調剤薬局向け在宅医療支援サービス」を共同開発いたしました。
さらに、事業領域の拡大を視野に入れたベンチャー企業への投資として、アルフレッサは2019年9月に乳房用超音波画像診断装置の開発を目指すベンチャー企業である株式会社Lily MedTech(本社:東京都文京区)へ出資いたしました。同社が手掛ける本装置は現在の乳がん検診の課題を解決する医療機器として期待されています。
また、アルフレッサは株式会社クォンタムオペレーション(本社:東京都中央区)へ出資いたしました。アルフレッサは同社が開発するウォッチ型バイタルバンドの製品化を支援するとともに、今後の上市後の流通に向けた業務提携へ協議を進めてまいります。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、売上高2兆3,755億39百万円(前期比2.1%増)、営業利益417億9百万円(同3.6%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高151億99百万円(同4.3%減)を含んでおります。
※ 出典:「2020最新オール・データ&ランキング」 卸グループ別医療用医薬品事業シェア(株式会社ドラッグマガジン)
(B) セルフメディケーション卸売事業
セルフメディケーション卸売事業におきましては、「トータルヘルスケア・マーチャンダイジング・ホールセラー」を推進し、新たな付加価値による差別化と創造性を持つオンリーワン卸を目指し、「19-21中計」の重点施策として掲げた「安定的かつ持続的な事業基盤の確立」「消費者視点に立った商品提案」「専売メーカー・専売商品の取り組み強化」「将来に向けた投資」「各事業セグメントとの連携強化」に取り組んでおります。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、インバウンド需要の減少や物流費等の高騰などマイナス要因があったものの、新型コロナウイルス感染拡大の状況下における衛生材料や除菌関連商品等の売上増大およびコスト管理の徹底等により、売上高2,689億44百万円(前期比1.5%増)、営業利益28億86百万円(同6.4%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高7億51百万円(同52.4%減)を含んでおります。
(C) 医薬品等製造事業
医薬品等製造事業におきましては、グループシナジーの強化とさらなる規模拡大を推進するため、「19-21中計」の重点施策として掲げた「安心・安全・誠実なモノづくりの推進」「グループニーズに沿った製品の拡充」「製造受託・医薬品原薬事業の拡大」「海外事業の拡充」に取り組んでおります。
「グループニーズに沿った製品の拡充」の取り組みとして、アルフレッサ ファーマ株式会社(以下「アルフレッサ ファーマ」という。)が2019年6月27日付で放射線治療用吸収性組織スペーサ「ネスキープ®」を新発売いたしました。悪性腫瘍の治療のために行われる放射線治療の中でも粒子線を用いた治療が近年注目されていますが、本製品を使用することでより多くの治療機会を提供できるものと考えております。
また、アルフレッサ ファーマは2019年10月25日付で潰瘍性大腸炎の病態把握の補助に使用されるカルプロテクチンキット「ネスコート® Cp オート」を体外診断用医薬品として新発売いたしました(2019年6月5日付製造販売承認を取得)。本製品により、従来よりも大腸内視鏡検査の回数を減らし、患者様の身体的な負担だけでなく経済的な負担軽減が期待されます。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、第一三共株式会社(本社:東京都中央区)および同社の子会社である第一三共エスファ株式会社(本社:東京都中央区)から承継した長期収載品の売上増大等により、売上高459億49百万円(前期比12.8%増)、営業利益23億49百万円(同49.4%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高116億10百万円(同17.9%増)を含んでおります。
(D) 医療関連事業
医療関連事業におきましては、収益改善を目指した効率化と環境変化に対応した機能強化を推進するため、「19-21中計」の重点施策として掲げた「機能に応じた店舗の再編」「収益改善を目指した効率化・高度化」「多機能化による地域社会への貢献」「各事業セグメントとの連携強化」に取り組んでおります。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、調剤報酬加算の獲得増加等の影響により、売上高356億38百万円(前期比2.4%増)、営業利益4億28百万円(同44.8%増)となりました。
② 生産、受注及び販売の実績
(注)1.金額は実際の仕入額によっており、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の内部仕入高は274億4百万円(前期比101.0%)であり、上記金額に含めております。
仕入実績と販売実績の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前期末比96億54百万円増加し、1兆3,516億19百万円となりました。
流動資産は、23億72百万円減少し、1兆344億11百万円となりました。これは主として、「現金及び預金」が42億47百万円増加および「商品及び製品」が148億79百万円増加した一方で、「受取手形及び売掛金」が187億31百万円減少および「未収入金」が25億10百万円減少したことによるものです。
固定資産は、120億27百万円増加し、3,172億7百万円となりました。これは主として、物流センター等の設備投資などに伴い有形固定資産が106億50百万円増加および保有株式の株価上昇等に伴い「投資有価証券」が49億15百万円増加した一方で、「のれん」等の無形固定資産が21億6百万円減少したことによるものです。
セグメント別の総資産は、以下のとおりであります。
医療用医薬品等卸売事業のセグメント資産は、前期末比64億5百万円減少し、1兆1,486億円となりました。これは主として、「受取手形及び売掛金」等の金銭債権が減少した一方で、物流センター等の設備投資に伴い有形固定資産が増加および保有株式の株価上昇等に伴い「投資有価証券」が増加したことによるものです。
セルフメディケーション卸売事業のセグメント資産は、8億45百万円増加し、935億9百万円となりました。これは主として、「商品及び製品」が増加および保有株式の株価上昇等に伴い「投資有価証券」が増加した一方で、「受取手形及び売掛金」等の金銭債権が減少したことによるものです。
医薬品等製造事業のセグメント資産は、1億54百万円減少し、627億25百万円となりました。これは主として、「未収入金」が減少した一方で、機械装置等の製造設備を取得したことに伴い有形固定資産が増加したことによるものです。
医療関連事業のセグメント資産は、10億42百万円減少し、185億40百万円となりました。これは主として、「建物及び構築物」等の有形固定資産が減少および「投資有価証券」等の投資その他の資産が減少したことによるものです。
当連結会計年度末における当社グループの負債は、前期末比231億62百万円減少し、8,767億20百万円となりました。
流動負債は、229億32百万円減少し、8,369億78百万円となりました。これは主として、「支払手形及び買掛金」が186億98百万円減少および「未払法人税等」が21億2百万円減少したことによるものです。
固定負債は、2億29百万円減少し、397億42百万円となりました。これは主として、「リース債務」が7億49百万円増加および保有株式の株価上昇等に伴い「繰延税金負債」が4億61百万円増加した一方で、「長期借入金」が3億20百万円減少および「退職給付に係る負債」が11億25百万円減少したことによるものです。
結果として、当連結会計年度末における当社グループの純資産は、328億17百万円増加し、4,748億98百万円となりました。これは主として、「利益剰余金」が295億98百万円増加および保有株式の株価上昇等に伴い「その他有価証券評価差額金」が37億34百万円増加したことによるものです。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末比41億79百万円増加し、2,092億64百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、338億28百万円の増加(前期は468億80百万円の増加)となりました。これは主として、「税金等調整前当期純利益」592億33百万円および「減価償却費」108億85百万円の計上があった一方で、前連結会計年度の末日(2019年3月31日)が休日であったこと等により仕入債務の支払額および「法人税等の支払額」が増加したことによるものであり、前期に比べてキャッシュ・イン・フローは130億52百万円減少しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、170億24百万円の減少(前期は129億47百万円の減少)となりました。これは主として、物流センター建設等の物流設備投資および製造事業強化のための製造設備投資を中心とした有形固定資産の取得による支出189億92百万円があった一方で、保有株式の縮減を目的とした投資有価証券の売却収入33億53百万円があったことによるものであり、前期に比べてキャッシュ・アウト・フローは40億77百万円増加しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、126億17百万円の減少(前期は248億60百万円の減少)となりました。これは主として、利益還元の充実を図るため、前期に比べ9億58百万円(1株当たり5円)増配となる103億72百万円の剰余金の配当を実施したことによるものです。なお、前期は自己株式133億40百万円を取得しております。そのため、前期に比べてキャッシュ・アウト・フローは122億42百万円減少しております。
〈資本の財源および資金の流動性〉
アルフレッサグループは、日本の社会インフラである医薬品サプライチェーンを製造、卸売、調剤薬局等の各事業領域で支え、必要な時に、必要な医薬品を、必要な場所へ、安定的に供給することに貢献しております。
社会的責任の遂行と持続的な企業価値の向上には、財務の健全性、資本効率の向上、安定的・継続的な株主還元の最適バランスを追求し、さらなる企業価値を追求することが当社グループの財務・資本戦略の基本となっております。
当連結会計年度末における純資産のうち当社の持分は、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上がり、配当金の支払いやその他の包括利益額の増減により、4,737億2百万円(前期末比327億78百万円増加)となり、この結果、自己資本比率は35.0%となりました。
また、株式会社格付投資情報センターの発行体格付は「A+」(2019年6月格付)を2020年5月末時点で維持しております。
財務健全性の更なる向上には財務基盤・収益基盤の強化が不可欠であるため、当社グループの資本配分計画に基づき、事業拡大投資・事業強化投資を実行してまいります。
株主還元を含むこれら資本配分の財源(資金の調達方法)は、主に営業活動により得られるキャッシュ・フローを源泉とした自己資金によっております。なお、当連結会計年度における主要な使途等については前記「(3) キャッシュ・フロー」を、翌連結会計年度以降については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当連結会計年度末における「現金及び預金」残高は2,105億47百万円であり、連結ベースの流動比率は123.6%、総資産に対する流動資産の比率は76.5%、流動負債の比率は61.9%であることから、十分な流動性を確保しているものと認識しております。また、当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)により、グループ内の資金需要と運用の最適化および資金の効率的な活用を図っております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定について検討いたしましたが、当該見積り等に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があるものの、純資産額や総資産額などの経営成績等に与える影響は軽微であると判断しております。当社グループが採用している会計上の見積り等を含む会計方針につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当連結会計年度の連結財務諸表の作成にあたって、新型コロナウイルス感染症の影響が継続するものと仮定し、当連結会計年度末時点において入手可能な情報に基づき会計上の見積り等への反映を検討いたしましたが、先行きの不透明性はあるものの、その影響は限定的であると判断しております。また、当該感染症の収束時期は未だ不明であるため、今後の状況の変化によっては翌連結会計年度以降の連結財務諸表に影響を与える可能性がありますが、現時点において入手可能な情報に基づき検討した結果、経営成績等に与える影響は軽微であると判断しております。
(1) 販売提携契約
(2) 共同開発契約
(3) 業務提携契約
当連結会計年度において、終了した契約は次のとおりであります。
当社グループにおきましては、製品の開発管理体制、評価体制を強化・整備して領域を絞り込んだ自社開発を行うとともに、他社からの導入開発および他社との共同開発に積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は
医療用医薬品分野では中枢神経系疾患を主要領域とする研究開発を進めており、睡眠障害治療薬「モディオダール®錠100㎎(一般名:モダフィニル)」の特発性過眠症に伴う日中の過度の眠気の効能・効果に係る承認事項一部変更承認を2020年2月に取得いたしました。
診断薬分野においては、大腸がん検診等に使用する便潜血機器試薬システムや呼吸器感染症を主領域とした迅速診断キット(POCT)の開発を進めております。自社オリジナル製品として便中カルプロテクチン測定試薬「ネスコート® Cpオート」の開発を進め、「潰瘍性大腸炎の病態把握の診断補助」の使用目的で2019年6月に製造販売承認を取得し、2020年5月に保険適用となりました。
医療機器分野においては、主として外科領域における製品の研究開発を進めております。また、経済産業省による課題解決型医療機器等開発事業支援のもと、世界初の放射線治療用吸収性組織スペーサ「ネスキープ®」の開発を進め、2018年12月に製造販売承認を取得、2019年12月に保険適用となりました。