文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
アルフレッサグループは、グループ理念体系として「私たちの思い」「私たちのめざす姿」「私たちの約束」を次のように定めております。
「私たちの思い」
すべての人に、いきいきとした生活を創造しお届けします
「私たちのめざす姿」
健康に関するあらゆる分野の商品・サービスを提供できるヘルスケアコンソーシアムをめざします
「私たちの約束」
[安心][安全][誠実]
・私たちは、常に安心できる商品・サービスを提供し、お客さま満足度の向上に努めます
・私たちは、個々の人格・個性を尊重し、働きやすい職場環境の維持向上に努めます
・私たちは、健康に携わる企業グループとして企業価値を高めます
・私たちは、公正かつ自由な競争による適正な取引を行います
・私たちは、社会との積極的なコミュニケーションを図り、適時適切に情報を開示します
・私たちは、事業活動を通じて地域社会に貢献します
・私たちは、地球環境の保護に努めます
① アルフレッサグループの価値創造モデル
アルフレッサグループが将来にわたり果たすべき役割、注視すべき環境変化を認識するとともに、独自の強みや培ってきた経営資源を最大限に活用しながら、グループ理念の「私たちのめざす姿」に掲げる「健康に関するあらゆる分野の商品・サービスを提供できるヘルスケアコンソーシアムの実現」に向けて事業ポートフォリオの拡充を行い、将来にわたり持続的な価値創造に取り組んでいきます。

② 「19-21中期経営計画」グループ経営方針
アルフレッサグループは、グループ理念体系の具現化に向けて、2022年3月期を最終年度とする「19-21中期経営計画 さらなる成長への挑戦 ~健康とともに、地域とともに~」を策定し、グループ経営方針「グループ連携体制の構築」「事業モデルの変革」「地域の人々の健康への貢献」「さらなる生産性の向上」「人づくり」の実現により、企業価値の向上を目指します。
〈19-21中期経営計画 グループ経営方針〉
「グループ連携体制の構築」
成長分野におけるセグメント内・セグメント間のグループ内連携の強化、グループ外他社の強みの活用による他企業連携を推進します。
グループ内連携の一例

「事業モデルの変革」
既存事業内の成長分野、成長の見込まれる新規事業への積極的な投資により事業モデルの変革を目指します。

「地域の人々の健康への貢献」
地域包括ケアシステムに関わる様々なステークホルダーをつなぐため、広範囲なサービス事業者と連携し、開かれた地域社会の健康・医療プラットフォームの構築を目指します。

「さらなる生産性の向上」
営業改革・物流改革等の施策の継続的取り組みや新たな技術の導入・活用による既存業務の効率化に取り組み、生産性の向上を図ります。
「人づくり」
アルフレッサグループの4つの人財要件(挑戦心、強い使命感、適応力、高い倫理観)のうち、未知なる領域への挑戦心、新たな環境に対する適応力を重点に人づくりを強化します。


(2) 中期的な経営戦略等
アルフレッサグループは、2022年3月期を最終年度とする「19-21中期経営計画 さらなる成長への挑戦 ~健康とともに、地域とともに~」の中で、経営戦略としてセグメント別の重点施策を次のように策定しております。
① 医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品NO.1卸として勝ち続けるための変革をさらに進めます。
(A) MS機能のさらなる進化
(a) 提案営業の強化
(b) エリア戦略の実践
(c) 地域包括ケアシステムへの取り組み
(d) メディカル品への注力
(B) スペシャリティ商品への注力
(C) グループ物流の高度化、効率化と標準化
② セルフメディケーション卸売事業
「トータルヘルスケア・マーチャンダイジング・ホールセラー」を推進し、新たな付加価値による差別化と創造性を持つオンリーワン卸を目指します。
(A) 安定的かつ持続的な事業基盤の確立
(B) 消費者視点に立った商品提案
(C) 専売メーカー・専売商品の取り組み強化
(D) 将来に向けた投資
(a) 新規顧客の創造・新規チャネルへの挑戦
(b) 次世代サプライチェーンの創造
(c) 取扱品目の拡大に向けた取り組み(日用雑貨・ビューティ)
(E) 各事業セグメントとの連携強化
③ 医薬品等製造事業
グループシナジーの強化とさらなる規模拡大を推進します。
(A) 安心・安全・誠実なモノづくりの推進
(B) グループニーズに沿った製品の拡充
(a) 医薬品卸売会社との連携強化
(b) 製薬メーカー等からの承継品への注力
(C) 製造受託・医薬品原薬事業の拡大
(a) グループを挙げた製造受託体制の確立
(b) 競争力のある原薬製品の製造および海外販売
(D) 海外事業の拡充
(a) 中国、欧米における診断薬・縫合糸の販売拡大
(b) ベトナム事業の拡大
④ 医療関連事業
収益改善を目指した効率化と環境変化に対応した機能強化を推進します。
(A) 機能に応じた店舗の再編
(B) 収益改善を目指した効率化・高度化
(C) 多機能化による地域社会への貢献(かかりつけ薬局機能+健康サポート機能、高度薬学管理機能)
(D) 各事業セグメントとの連携強化
また、投資計画として、2020年3月期から2022年3月期までの3か年累計で1,200億円規模の投資を予定しております。投資計画の主な内訳と調達原資は以下のとおりであります。
〈投資計画(累計)〉
事業強化投資:約840億円(物流センター、事業所、製造設備、製品導入等)
事業拡大投資:約360億円(健康領域の新規事業への投資等)
〈調達原資(累計)〉
当期純利益 :約1,150億円
償却費等 : 約350億円
(3) 目標とする経営指標
19-21中期経営計画の最終年度である2022年3月期の経営目標を次のとおり設定しております。
(注)DOE:連結純資産配当率
(4) 経営環境
① 経営環境
今後の医薬品市場においては、薬価制度改革の影響に加え、後発医薬品の拡大および長期収載品の縮小やスペシャリティ医薬品や再生医療製品等の伸長など、様々な環境変化を踏まえると医療用医薬品市場は中期的にほぼ横ばいのまま推移すると予想されております。
医療制度面等においては、2018年4月からスタートした「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」により、医薬品卸、医薬品メーカー、病院・調剤薬局等の医療用医薬品流通に係るすべての関係者が流通改革に向けた取り組みをさらに推進していくことが予想されております。また、2025年の医療・介護サービスの将来像に向けた地域医療構想がまとめられるなか、地域包括ケアシステムの進展により各自治体の医療・介護機能の供給体制が中長期的に変化し、こうした医療・介護制度の変化は、お得意様である医療機関や調剤薬局との関係や、仕入先である医薬品メーカーとの関係に影響する可能性があります。
社会環境においては、高齢者の増加、労働人口の減少の一方で、飛躍的な技術革新の可能性があり、社員の働き方にも大きな影響を与える可能性があります。
アルフレッサグループを取り巻く経営環境

セグメント別の経営環境

アルフレッサグループは、医薬品等の製造および卸売、調剤薬局の運営に至るまでの医療・医薬品に関する一気通貫のサプライチェーンを持ち、日本全国の医療機関、薬局等、約10万超のお得意様に対して、約1万8千種類の医療用医薬品をはじめ健康に関する様々な商品・サービスを、医療用医薬品卸 国内NO.1の高い生産性でお届けしております。「医薬品流通」という社会インフラを支える当社グループのユニークな競争優位は「人財」「経営基盤」「財務基盤」が支えております。
グループ理念の「私たちのめざす姿」に掲げる「健康に関するあらゆる分野の商品・サービスを提供できるヘルスケアコンソーシアムの実現」に向けて持続的に事業ポートフォリオの拡充を図っております。
医療用医薬品NO.1卸であるアルフレッサグループは、19-21中期経営計画に掲げた主要施策を着実に実行することで経営環境の変化に先駆けて自らを変革し、生産性の向上や経営効率のさらなる改善により、企業価値の継続的な向上を図ってまいります。
② 新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、企業を取り巻く環境は悪化を続けております。
このような状況下、アルフレッサグループでは、感染拡大防止の対応を図るとともに、得意先、取引先、当社グループ従業員およびその家族の安全を確保しながら、医薬品等の安定供給に努めております。
新型コロナウイルス感染拡大の当社グループへの影響は、以下のように認識しております。新型コロナウイルス感染症の流行が長期化・深刻化した場合の影響については、先行きが不透明であり、また、類例がないことから予測が難しい状況ではありますが、今後の経営成績等への影響は現時点において2021年3月期と同程度と見込んでおります。
(A) 医療用医薬品等卸売事業、医薬品等製造事業および医療関連事業
医療用医薬品等卸売事業、医薬品等製造事業および医療関連事業においては、医療機関等における外来受診抑制や手術件数の減少等の影響により市場は縮小しており、厳しい事業環境で推移しております。また、営業活動を縮小せざるを得ない状況が続いており、販売促進や価格交渉等に影響が生じておりますが、将来的には平準化するものと見込んでおります。
(B) セルフメディケーション卸売事業
セルフメディケーション卸売事業においては、感染予防関連商品の売上が増加する一方で、インバウンド需要が急激に減少しておりますが、将来的には平準化するものと見込んでおります。
(5) 優先的に対処すべき事業上の課題
2020年12月、連結子会社のアルフレッサ株式会社および同社従業員等が、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする医療用医薬品の入札における独占禁止法違反容疑により、東京地方検察庁より起訴されました。当社グループでは、2019年11月27日に公正取引委員会による立入検査を受けて以来、コンプライアンス体制の見直しと強化に努めてまいりました。ガバナンス強化を目的とした各種制度・施策を導入するとともに、役職者を対象とする独占禁止法に関する教育・研修を拡充したほか、モニタリングの充実にも取り組んでおります。当社およびアルフレッサ株式会社は、このたびの事態を厳粛に受け止め、取締役の役員報酬の一部について自主返上しております。
また、当社グループは、2019年5月に持続可能な成長に向けた重要課題(マテリアリティ)を特定いたしました。事業への真摯な取り組みによる「利益の創出」と「企業活動が社会に与える影響への配慮」を両立させながら、持続的成長とサステナブルな社会への貢献を目指してまいります。
① 独占禁止法遵守のための対策
〈当社におけるグループガバナンス強化策〉
(A) 経営体制の刷新
当社は、第17回定時株主総会(2020年6月25日開催)を経て、経営体制を刷新し、当社およびアルフレッサ株式会社の代表取締役を新たに選任いたしました。また、当社における独立社外取締役を1名増の4名選任するとともに常勤監査役を新たに1名選任し2名に増員いたしました。さらにグループ全体の管理監督機能の強化を目的として、2020年4月、当社において新たにコンプライアンス担当取締役を設置いたしました。
(B) 独立社外取締役を委員長とする「役員人事・報酬等委員会」の機能強化
当社は、独立社外取締役を委員長とする任意の諮問機関である「役員人事・報酬等委員会」を設置し、取締役および執行役員の選解任と報酬について定期的に審議しております。2020年4月1日付で同委員会の規程を一部改訂し、当社の特定完全子会社であるアルフレッサ株式会社を審議対象会社として追加いたしました。引き続き透明性・客観性を確保したプロセスにしたがって、当社およびアルフレッサ株式会社の取締役および執行役員の選解任を行います。
(C) コンプライアンス・リスクマネジメント会議分科会の設置
当社は、2020年4月にグループにおけるコンプライアンス・リスクマネジメント活動を推進する「コンプライアンス・リスクマネジメント会議」の規程を一部改訂し、専門性の高い特定事業に特化した分科会を設置可能としました。医療用医薬品等卸売事業に携わる当社子会社の分科会を2020年5月に設置し、以降、独占禁止法を専門とする弁護士を招き、定期的に分科会を開催して独占禁止法遵守に関する情報の共有化と課題解決に取り組んでおります。
(D) 各種刊行物による啓発
当社が発行する各種刊行物(事業報告書、統合報告書、グループ報)において、今般の独占禁止法違反について取り上げました。
当社グループの役職員に対して、引き続きガバナンス強化とコンプライアンス遵守を啓発してまいります。
〈当社子会社における再発防止について〉
アルフレッサ株式会社をはじめとする医療用医薬品等卸売事業に携わる当社子会社は、独占禁止法の遵守と徹底を目的として、以下のガバナンス強化策を実施しております。
(A) 経営トップの宣言と社内での周知徹底
アルフレッサ株式会社および医療用医薬品等卸売事業に携わる当社子会社の経営トップが全役職員に向けて、独占禁止法遵守を宣言し、当社子会社内の経営方針発表会や各種社内会議、研修等、あらゆる機会に繰り返し伝えて周知徹底しております。また、独占禁止法を専門とする弁護士から全営業担当者に向けて、直接メッセージも発信しております。
(B) 営業担当者の行動指針の作成等
アルフレッサ株式会社において、同業他社との接触に関するルールや、各種会議・会合へ参加の際のルール等を細かく規定し、「独占禁止法遵守のための行動指針」を作成いたしました。現実に起こりうるケースに応じた「Q&A」も作成し、アルフレッサ株式会社以外の当社子会社も含めて営業担当者に周知徹底を図っております。「独占禁止法遵守のための行動指針」および「Q&A」は随時更新しており、更新した内容は当社子会社に共有され、各社においても周知徹底が図られております。
また、医療用医薬品等卸売事業に携わる当社子会社の営業担当の従業員・管理職全員が独占禁止法の遵守を誓約しております。
(C) コンプライアンス専門部署・独占禁止法専用相談窓口の設置
医療用医薬品等卸売事業に携わるすべての当社子会社は、社内でコンプライアンス遵守を推進・統括する専門部署を設置し、独占禁止法専用の電話相談窓口を社内および社外に設置いたしました。以降、各種質問や内部通報を受け付ける体制を確立しております。
(D) 独占禁止法に関する社内教育・研修の充実
医療用医薬品等卸売事業に携わるすべての当社子会社において、独占禁止法を専門とする弁護士を講師にしたWEB研修を実施いたしました。また、各社において「独占禁止法遵守のための行動指針」および「Q&A」の読み合わせを行っております。さらに独占禁止法の理解度を測定するテストを実施し、一定の理解度に満たない者についてはアフターフォローのための研修を実施し、引き続き充実に努めております。
(E) 内部監査部門による独占禁止法に関するモニタリングの実施
医療用医薬品等卸売事業に携わるすべての当社子会社において、内部監査部門等が全社統制の一環として、独占禁止法に関するモニタリングを実施しております。
② 重要課題(マテリアリティ)とグループ経営方針等
マテリアリティは、サステナブルな社会の実現と当社グループの中長期の価値向上において大きな影響を及ぼす重要な課題であり、中長期的な脅威やリスクであると同時に新しい事業機会でもあります。
アルフレッサグループは、事業への真摯な取り組みによる「利益の創出」「雇用の創出」「顧客の創造」と、「企業活動が社会に与える影響への配慮」を両立させながら、持続的成長とサステナブルな社会への貢献を目指しております。この実現に向け8つの重要課題(マテリアリティ)を特定し、取り組みを進めております。


有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境について
当社グループが主に事業を展開する医療用医薬品業界は、健康保険制度および医療行政の影響を強く受けます。そのため、薬価改定に代表される告示等は当社グループの経営成績等に直接的な影響を与え、また、制度の大幅な変更が行われた場合は経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。
現在、高齢化の進展、生活習慣病の拡大により国民医療費は増加傾向にあります。しかし、医療保険財源の支払能力は低下しているため、診療報酬の包括払いの導入、自己負担の見直し、後発医薬品の普及促進策や薬価基準制度の見直しなどの医療費抑制を目的とした様々な医療制度改革が実施されております。また、医薬分業の進展により販売先の構成が変わりつつあり、病院・診療所に代わり調剤薬局の売上構成比が高くなっております。さらに、国立病院の独立行政法人化や医療機関の購入形態の変化に伴い販売価格の低下が懸念されております。これらの状況によっては当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、2018年4月からスタートしました「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の遵守に重点的に取り組み、また、仕入から売上債権回収までの一連の営業活動について適切な対応を進めております。
(2) 薬価の改定について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品の価格は、厚生労働大臣の告示によって公定されています。この公定価格が「薬価」(使用薬剤の公定価格)であります。実質的に販売価格の上限として機能している薬価については、市場における実勢価格や需要動向に応じて、定期的に引き下げ改定が行われており、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 法的規制および法令違反等について
当社グループは、医療用医薬品の卸・製造販売を主な事業としております。したがって、事業活動を行うにあたり、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」および関連法規等の規制により、免許・許可の登録および指定や、開発、製造、輸入に関し様々な承認許可が必要となります。監督官庁の許認可の状況により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが遵守すべき法令(独占禁止法、下請法、不正競争防止法、金融商品取引法等)に十分留意した企業活動を行っておりますが、万一これらの違反を起こした場合、企業活動の制限や法令上の規制に対応するためのコストの増加、社会的信用の毀損等が発生する可能性があり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、グループ理念のもと、「コンプライアンスガイドライン」を制定し、グループコンプライアンス・リスクマネジメント会議や研修等を通じて、法令等の遵守の徹底を図っております。
(4) 特有の取引慣行について
当社グループが主に事業展開する医療用医薬品卸売業界においては、医薬品が生命関連商品であり納入停滞が許されないという性質上、薬価改定後の一定期間、価格未決定のまま医療機関に納品し、その後卸売業者と医療機関との間で価格交渉を行うという特有の慣行が旧来より続いております。交渉が難航した場合、当社グループでは合理的な見積りにより決定予想価格を算出して売上計上しております。価格交渉の長期化や当初予想と異なる価格での決定となった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の遵守に重点的に取り組み、得意先である医療機関との価格交渉の早期妥結をはじめとした流通改革に継続して取り組んでおります。
(5) 製造事業に係るリスクについて
当社グループの医薬品等製造事業においては、医薬品原薬の開発、製造および販売ならびに医薬品等の開発、製造および販売を行っております。製品開発については全ての品目が発売できるとは限らず、途中で開発を断念しなければならない場合や他社からの導入等も行えない場合があります。また、製品および原材料の一部には特定の取引先にその供給、販売を依存している品目があります。何らかの理由により調達・製造・販売活動に遅延または停止するような事態が発生する可能性があります。
さらに、製品の開発から製造の段階において安全性、信頼性には万全を期しておりますが、予期しない副作用や異物混入などによる製品回収や販売中止等が発生し、訴訟を提起されるリスクがあります。このような場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、医薬品等製造事業において「安心・安全・誠実なモノづくりの推進」を重点施策として掲げ、共通の品質管理システムを国内の連結子会社3社に導入し、製品等の安全性および信頼性の向上に連携して取り組んでおります。
(6) 調剤薬局に係るリスクについて
当社グループの医療関連事業における調剤業務は薬剤師(人)に負うところが大きく、調剤過誤が発生する可能性があります。医療用医薬品の場合、用法・用量に厳格な制限があり、他の薬剤との相互作用や中毒症状の発症など、医療トラブルが発生する可能性があります。発生した場合、損害賠償に加え、既存顧客の信用および社会的信用を失うこととなり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、薬剤師法第19条において薬剤師以外の調剤を禁じていることや、医薬品医療機器等法および厚生労働省令等によって、薬局への薬剤師の配置および配置人数を厳しく規制しております。したがって、営業時間を通じて薬剤師の必要人員数が確保されない場合には、当社グループの薬局の維持、新規開設に支障をきたし、経営成績等に影響を与える可能性があります。
当社グループは、処方箋の受入枚数等を適宜把握し、薬剤師・事務員の適正配置や必要に応じた増員再配置に取り組んでおります。また、調剤過誤につきましては、人員の適正配置、調剤業務のマニュアルの整備や調剤監査システムの導入・活用によりその防止に取り組んでおります。
(7) システムトラブルおよびサイバーリスクについて
当社グループの事業活動においては、コンピュータネットワークシステムに大きく依拠しており、災害や事故等によりシステムが機能停止した場合、リカバリーシステムによる復旧までに時間を要し、販売物流を中心とした営業活動の一部に支障をきたす可能性があります。また、近年のデジタル技術の著しい発展の一方で、サイバー攻撃手法の高度化・巧妙化も進んでおり、サイバー攻撃等外部からの不正アクセス、コンピュータウイルス等により、システムダウン、誤作動および不正利用を含む障害ならびに社外への情報漏洩等が発生する可能性があります。これらの要因により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、災害等が発生した場合に備え、複数拠点にデータセンターを設置しております。また、システムの運用・保守等を行う連結子会社が、災害等のほか、様々な障害や事故等の防止および発生に備え、コンピュータネットワークシステムを監視しております。さらに、サイバーセキュリティにも常に留意し、適宜必要なシステムの導入を進めてまいります。
(8) 海外との取引について
当社グループは、中華人民共和国に医薬品等製造事業の生産拠点の一部や事業拠点を設けております。また、ベトナム社会主義共和国にも事業拠点を置いております。こうした海外における事業活動や日本と海外との間の製品・商品の輸出入取引において、政治的摩擦や為替の急激な変動等が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報流出について
当社グループは、重要な機密情報、顧客情報および各種の個人情報等を保有しておりますが、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜や損害賠償や取引停止処分、流出の影響を受けた顧客その他関係者への補償等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、情報セキュリティ対策推進のため、法令等に基づいた社内規程の整備・運用の徹底を実施し、グループ全体で「情報セキュリティ体制」を構築することにより、グループ統一基準に基づいた教育・運用チェック等を行っております。保有する情報の外部への流出等を防止するため情報管理等の研修会を適宜開催し、情報漏洩等を防ぐための対策を講じております。
(10) 自然災害、パンデミック等について
当社グループは医薬品等卸売事業において、物流機能が大きな役割を果たしております。震災等の自然災害により物流機能が毀損した場合、販売物流活動に支障をきたす可能性があります。また、自然災害やパンデミック等の発生により事業活動を縮小せざるを得ない事態となった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは,事業継続計画(以下「BCP」という。)および災害時の各種マニュアルを策定し、大規模災害時において、医薬品等を迅速かつ安定的に供給するため、備蓄が必要とされる医薬品等のリスト化や配送拠点が被災した場合の近隣拠点によるバックアップ体制等を整備し、重要な社会インフラである医薬品等の流通機能が停止しないように最大限の対策を構築しております。
また、新型コロナウイルス対策本部を設置し、当社およびグループ会社での新型コロナウイルスの感染者数の把握、感染拡大防止のための対策の検討等を実施し、必要に応じて当社およびグループ会社間で連携し対応するための体制を整えております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要については次のとおりであります。なお、経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容については、各項目に含めて記載しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にあるなか、設備投資や企業収益に持ち直しの動きが続いているものの個人消費や雇用情勢など一部に弱さがみられる状況となっております。
また、2019年5月に策定した「19-21中期経営計画 さらなる成長への挑戦 ~健康とともに、地域とともに~」(以下「19-21中計」という。)に掲げたグループ経営方針「グループ連携体制の構築」「事業モデルの変革」「地域の人々の健康への貢献」「さらなる生産性の向上」「人づくり」に引き続き取り組んでおります。
当連結会計年度における当社グループの業績は、新型コロナウイルス感染拡大等による市場のマイナス成長の影響などから、売上高2兆6,031億69百万円(前期比3.5%減)、営業利益206億72百万円(同56.6%減)、経常利益319億18百万円(同44.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益245億1百万円(同39.2%減)となりました。
なお、連結子会社のアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、以下「アルフレッサ」という。)が、2020年12月、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする医療用医薬品の入札における独占禁止法違反容疑で東京地方検察庁より起訴されました。
① セグメント別の業績
(A) 医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品等卸売事業におきましては、2019年10月と2020年4月の二度の薬価改定および新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療機関における外来受診抑制や手術件数の減少等の影響により市場は縮小しており、厳しい事業環境で推移いたしました。また、お得意先様を取り巻く経済状況の悪化に伴い納入価格交渉が厳しくなっていることや、医療機関への訪問規制によりプロモーション活動が制限されていることも当社グループの業績に影響を及ぼしております。このようななか、当社グループでは、感染予防に十分配慮しながら医薬品の安定供給を最優先に事業活動を行ってまいりました。
なお、国が推進する新型コロナウイルスワクチンの流通体制の構築(2021年1月、厚生労働省健康局)にあたり、当社の連結子会社6社(アルフレッサ、東北アルフレッサ株式会社(本社:福島県郡山市、以下「東北アルフレッサ」という。)、明祥株式会社(本社:石川県金沢市)、ティーエスアルフレッサ株式会社(本社:広島市西区)、四国アルフレッサ株式会社(本社:香川県高松市)および株式会社琉薬(本社:沖縄県浦添市))が担当卸に選定されております。新型コロナウイルスワクチンおよび関連商品の流通を通じて、円滑なワクチン接種への協力、ひいては人々の命を守ることへ貢献してまいります。
当社グループは、医療用医薬品NO.1卸※1として勝ち続けるために「19-21中計」の重点施策として掲げた「MS機能のさらなる進化」「スペシャリティ商品への注力」「グループ物流の高度化、効率化と標準化」に引き続き取り組んでおります。
「グループ物流の高度化、効率化と標準化」への取り組みとして、アルフレッサは、2020年7月、ヤマトホールディングス株式会社(本社:東京都中央区)の連結子会社であるヤマトロジスティクス株式会社(現ヤマト運輸株式会社、本社:東京都中央区)と、医療用医薬品、一般用医薬品、医療機器、医療材料および診断薬等の「ヘルスケア商品」の共同配送スキームの構築に向けた業務提携契約を締結いたしました。これにより、ヘルスケア商品の配送業務効率化および配送能力増強を目指しております。
東北アルフレッサは、2020年9月、南東北エリアにおける最新鋭の物流拠点として「郡山物流センター」を稼働いたしました。同センターはGDPガイドラインに準拠し、約2万7千品目の豊富な在庫を有するほか、免震構造の採用、72時間稼働の非常用発電機や屋上ヘリポートの設置等により、大規模災害時でも安定的な医薬品供給が可能なだけではなく、営業エリアを超えた緊急対応も可能となっております。東北アルフレッサでは同センターを東北地方における物流の中核拠点として活用することで、今後も地域医療に貢献してまいります。
再生医療等製品に関する取り組みとして、アルフレッサは、2018年8月に保管・輸送拠点として「殿町再生医療流通ステーション(川崎市川崎区)」を設置・運用しておりましたが、2020年10月に「神戸再生医療流通ステーション(神戸市中央区)」を開設し、2021年1月には同社の物流センター3か所(埼玉物流センター、愛知物流センター、大阪物流センター)に保管庫を設置し、再生医療等製品をさらに安心・安全に保管・輸送できる体制へ強化しております。今後は、当社グループの他の医療用医薬品等卸売事業会社も含めて、2021年度内に6か所の主要な物流センターに同様の設備を設置する予定です。当社グループは殿町と神戸の2か所の再生医療流通ステーションと9か所の保管庫を用いて、同社が培ってきた再生医療等製品の保管・輸送に関するノウハウを活かした全国流通ネットワークを構築してまいります。
特殊医薬品の個別化医療支援※2に関する取り組みとして、アルフレッサは、2020年11月、PHC株式会社(本社:東京都港区)および富士通Japan株式会社(本社:東京都港区)と、RFID、クラウド型インフラ基盤およびIoT技術等を活用した個別化医療支援プラットフォーム「NOVUMN(ノヴァム)」を共同開発し、医療機関に対する商用サービスの提供を開始いたしました。「NOVUMN」は、微細・微小な温度等の変化によって有効成分が変質してしまう可能性のある特殊医薬品に関して、製品流通の全ての段階にわたる厳格な温度管理や、医薬品の製品一つひとつのトレーサビリティの把握に加え、医薬品卸売企業や医療機関における特殊医薬品のより適切な在庫管理機能等を実現しております。
事業領域の拡大を視野に入れたベンチャー企業への投資として、アルフレッサは、再生医療等製品の開発および開発製造受託を行うファーマバイオ株式会社(本社:名古屋市西区)、日本発の遺伝子治療技術の研究開発および治療薬の開発、製造などを行う株式会社遺伝子治療研究所(本社:川崎市川崎区)ならびに慢性心不全を対象とした再生医療等製品の開発を行う株式会社メトセラ(本社:山形県鶴岡市)へ出資いたしました。また、オンライン診療システムを医療機関へ提供する株式会社インテグリティ・ヘルスケア(本社:東京都中央区)にも出資し、スマートフォンアプリを使った頭痛管理プログラムを共同開発いたしました。
また、アルフレッサは、2020年10月、同社の出資先である株式会社Lily MedTech(本社:東京都文京区)との間で、同社が開発する乳房用超音波画像診断装置の日本国内の医療機関に対する総販売代理店契約を締結いたしました。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、薬価改定および新型コロナウイルス感染拡大の影響等による市場のマイナス成長ならびに価格競争の激化等により、売上高2兆2,906億24百万円(前期比3.6%減)、営業利益183億8百万円(同56.1%減)となりました。
なお、売上高には、セグメント間の内部売上高150億48百万円(同1.0%減)を含んでおります。
※1 出典:「2021最新オール・データ&ランキング」 卸グループ別医療用医薬品事業シェア(株式会社ドラッグマガジン)
※2 個別化医療:悪性腫瘍をはじめとする様々な疾病の治療において、特殊医薬品が高い治療効果を発揮するためには、患者様一人ひとりの体質や病気のタイプに合わせた個別化医療が有効であると注目が高まっています。
(B) セルフメディケーション卸売事業
セルフメディケーション卸売事業におきましては、「トータルヘルスケア・マーチャンダイジング・ホールセラー」を推進し、新たな付加価値による差別化と創造性を持つオンリーワン卸を目指し、「19-21中計」の重点施策として掲げた「安定的かつ持続的な事業基盤の確立」「消費者視点に立った商品提案」「専売メーカー・専売商品の取り組み強化」「将来に向けた投資」「各事業セグメントとの連携強化」に引き続き取り組んでおります。
連結子会社のアルフレッサ ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区)と同社の完全子会社である株式会社茂木薬品商会(本社:東京都中央区)は、2021年1月、アルフレッサ ヘルスケア株式会社を存続会社とする吸収合併契約を締結し、同年4月1日付で合併いたしました。今後は両社の経営資源を有効かつ効率的に活用して、経営基盤のさらなる強化を図ってまいります。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染拡大による感染予防関連商品の売上増加の一方で、インバウンド需要の大幅な減少ならびに物流関連費用およびテレワーク推進等の環境整備費用の増加等により、売上高2,616億24百万円(前期比2.7%減)、営業利益24億1百万円(同16.8%減)となりました。
なお、売上高には、セグメント間の内部売上高5億25百万円(同30.1%減)を含んでおります。
(C) 医薬品等製造事業
医薬品等製造事業におきましては、グループシナジーの強化とさらなる規模拡大を推進するため、「19-21中計」の重点施策として掲げた「安心・安全・誠実なモノづくりの推進」「グループニーズに沿った製品の拡充」「製造受託・医薬品原薬事業の拡大」「海外事業の拡充」に引き続き取り組んでおります。
「グループニーズに沿った製品の拡充」への取り組みとして、連結子会社のアルフレッサ ファーマ株式会社(本社:大阪市中央区、以下「アルフレッサ ファーマ」という。)において潰瘍性大腸炎の病態把握の補助として製造販売承認を取得し、2019年10月に販売を開始したカルプロテクチンキット「ネスコート® Cp オート」が、2020年5月1日付で保険適用されました。本製品により、従来よりも大腸内視鏡検査の回数を減らし、患者様の身体的な負担だけでなく経済的な負担軽減が期待され、本保険適用を機に、医療機関での潰瘍性大腸炎の診断および治療に貢献できるよう、本製品のさらなる普及に努めております。
2021年2月、アルフレッサ ファーマは、第一三共株式会社(本社:東京都中央区)が製造販売する長期収載品11製品19品目の製造販売承認および資産等を同社から譲り受けることについて合意し、資産等承継契約を締結いたしました。
さらに、2021年2月、アルフレッサ ファーマは小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区)が製造販売する「キネダック錠」の製造販売承認を同社から譲り受けいたしました。今後は、製品ラインナップの拡充による既存製品とのシナジーを発揮することで医薬品等製造事業の強化を図ってまいります。
また、アルフレッサ ファーマは、2021年3月12日付で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原迅速検査キット「アルソニック® COVID-19 Ag」について体外診断用医薬品としての製造販売承認を取得し、同年3月18日から販売を開始いたしました。本キットは特別な分析機器を必要とせず、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原について試料滴下後5分で判定可能であり、新型コロナウイルス感染症の検査体制の拡充へ貢献いたします。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、受託製造および医薬品原薬製造が順調に推移した一方で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療機関等の外来受診抑制や手術件数の減少による自社製品の売上減少、インフルエンザ診断キットの販売不振および医療機関等への営業活動の自粛等の影響により、売上高425億95百万円(前期比7.3%減)、営業損失1億44百万円(前期は営業利益23億49百万円)となりました。
なお、売上高には、セグメント間の内部売上高94億2百万円(同19.0%減)を含んでおります。
(D) 医療関連事業
医療関連事業におきましては、「19-21中計」の重点施策として掲げた「機能に応じた店舗の再編」「収益改善を目指した効率化・高度化」「多機能化による地域社会への貢献」「各事業セグメントとの連携強化」を引き続き推進する一方、前連結会計年度に発覚した調剤報酬請求に係る不適切行為の再発防止策を徹底するため、新たな管理ソフトウェアの導入および適正な人員配置等の対策を講じました。
連結子会社のアポロメディカルホールディングス株式会社(本社:東京都豊島区、以下「アポロメディカル」という。)および株式会社日本アポック(本社:埼玉県川越市)ならびに当社の完全子会社の株式会社中日ファーマシー(本社:名古屋市中区)は、2021年1月、アポロメディカルを存続会社とする吸収合併契約を締結し、同年4月1日付で合併いたしました。なお、存続会社のアポロメディカルはアポクリート株式会社へ商号変更しております。この3社が経営統合することで、調剤薬局事業の経営基盤の強化と効率化を図り、これまで以上にコンプライアンスへの取り組みを強化するとともに顧客視点に立った新たな価値の創造を目指してまいります。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、薬価改定および新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療機関の外来受診抑制等の影響により、売上高333億円(前期比6.6%減)、営業損失3億69百万円(前期は営業利益4億28百万円)となりました。
② 生産、受注及び販売の実績
(注)1.金額は実際の仕入額によっており、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の内部仕入高は247億19百万円(前期比90.2%)であり、上記金額に含めております。
仕入実績と販売実績の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前期末比349億61百万円減少し、1兆3,166億58百万円となりました。
流動資産は、419億31百万円減少し、9,924億80百万円となりました。これは主として、「未収入金」が23億43百万円増加した一方で、「現金及び預金」が402億70百万円、「受取手形及び売掛金」が30億31百万円および「商品及び製品」が11億94百万円減少したことによるものです。
固定資産は、69億69百万円増加し、3,241億77百万円となりました。これは主として、物流センター等の設備投資などに伴い有形固定資産が67億64百万円増加および「退職給付に係る資産」が12億51百万円増加した一方で、株式の売却等に伴い「投資有価証券」が9億1百万円減少したことによるものです。
セグメント別の総資産は、以下のとおりであります。
医療用医薬品等卸売事業のセグメント資産は、前期末比373億67百万円減少し、1兆1,112億33百万円となりました。これは主として、物流センター等の設備投資に伴い有形固定資産が増加した一方で、「現金及び預金」等の流動資産が減少ならびに株式の売却に伴い「投資有価証券」が減少したことによるものです。
セルフメディケーション卸売事業のセグメント資産は、55億17百万円減少し、879億92百万円となりました。これは主として、保有株式の株価上昇等に伴い「投資有価証券」が増加した一方で、「受取手形及び売掛金」が減少および「商品及び製品」が減少したことによるものです。
医薬品等製造事業のセグメント資産は、28億52百万円増加し、655億77百万円となりました。これは主として、「商品及び製品」が増加および「退職給付に係る資産」等の投資その他の資産が増加したことによるものです。
医療関連事業のセグメント資産は、10億77百万円減少し、174億62百万円となりました。これは主として、「のれん」等の無形固定資産が減少および「投資有価証券」等の投資その他の資産が減少したことによるものです。
当連結会計年度末における当社グループの負債は、前期末比500億20百万円減少し、8,267億円となりました。
流動負債は、530億49百万円減少し、7,839億29百万円となりました。これは主として、仕入高の減少等に伴い「支払手形及び買掛金」が448億90百万円減少および「未払法人税等」が66億47百万円減少したことによるものです。
固定負債は、30億28百万円増加し、427億71百万円となりました。これは主として、「独占禁止法関連損失引当金」45億67百万円の計上および保有株式の株価上昇等に伴い「繰延税金負債」が16億14百万円増加した一方で、「退職給付に係る負債」が25億31百万円減少したことによるものです。
結果として、当連結会計年度末における当社グループの純資産は、150億59百万円増加し、4,899億57百万円となりました。これは主として、「利益剰余金」が137億6百万円、保有株式の株価上昇等に伴い「その他有価証券評価差額金」が10億81百万円および「退職給付に係る調整累計額」が15億35百万円増加した一方で、アポロメディカルを完全子会社化したこと等により「非支配株主持分」が9億75百万円減少および「資本剰余金」が2億98百万円減少したことによるものです。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物は、前期末比402億4百万円減少し、1,690億60百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、「税金等調整前当期純利益」が365億31百万円と前期と比べ227億2百万円の減益となったことに加えて、仕入高の減少等に伴い「仕入債務の増減額」が減少したこと等により、211億91百万円の減少(前期は338億28百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、保有株式の縮減を目的とした投資有価証券の売却による収入が増加したことに加えて、有形固定資産の取得による支出が減少したこと等により、47億32百万円の減少(前期は170億24百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、増配に伴い「配当金の支払額」が増加したことに加えて、アポロメディカルの完全子会社化に伴う子会社株式の取得による支出があったこと等により、144億72百万円の減少(前期は126億17百万円の減少)となりました。
〈資本の財源および資金の流動性〉
アルフレッサグループは、日本の社会インフラである医薬品サプライチェーンを製造、卸売、調剤薬局等の各事業領域で支え、必要な時に、必要な医薬品を、必要な場所へ、安定的に供給することに貢献しております。
社会的責任の遂行と持続的な企業価値の向上には、財務の健全性、資本効率の向上、安定的・継続的な株主還元の最適バランスを追求し、さらなる企業価値を追求することが当社グループの財務・資本戦略の基本となっております。
当連結会計年度末における純資産のうち当社の持分は、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上がり、配当金の支払いやその他の包括利益額の増減により、4,897億36百万円(前期末比160億34百万円増加)となり、この結果、自己資本比率は37.2%となりました。
また、株式会社格付投資情報センターの発行体格付は「A+」(2020年8月格付)を2021年5月末時点で維持しております。
財務健全性の更なる向上には財務基盤・収益基盤の強化が不可欠であるため、当社グループの資本配分計画に基づき、事業拡大投資・事業強化投資を実行してまいります。
株主還元を含むこれら資本配分の財源(資金の調達方法)は、主に営業活動により得られるキャッシュ・フローを源泉とした自己資金によっております。なお、当連結会計年度における主要な使途等については前記「(3) キャッシュ・フロー」を、翌連結会計年度以降については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当連結会計年度末における「現金及び預金」残高は1,702億77百万円であり、連結ベースの流動比率は126.6%、総資産に対する流動資産の比率は75.4%、流動負債の比率は59.5%であることから、十分な流動性を確保しているものと認識しております。また、当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)により、グループ内の資金需要と運用の最適化および資金の効率的な活用を図っております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定について検討いたしましたが、当該見積り等に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があるものの、純資産額や総資産額などの経営成績等に与える影響は軽微であると判断しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
新型コロナウイルスの感染拡大は、経済や企業活動に広範な影響を与える事象であり、当社グループにおきましても、得意先である医療機関における受診抑制や手術件数の減少および営業活動の制限等、厳しい事業環境となっており当社グループの業績に一定の影響が及んでおります。
新型コロナウイルス感染症の収束時期やその影響の程度を、現時点において入手可能な情報および合理的であると判断される一定の条件に基づき、今後、2022年3月期の年間を通じて当該影響が継続するものと仮定して、固定資産の減損会計等の会計上の見積りを行っております。
なお、当該見積りに用いた仮定には不確実性があり、新型コロナウイルス感染症の収束時期および経済環境に変化が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 販売提携契約
(2) 共同開発契約
(3) 業務提携契約
当社グループにおきましては、製品の開発管理体制、評価体制を強化・整備して領域を絞り込んだ自社開発を行うとともに、他社からの導入開発および他社との共同開発に積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は
医療用医薬品分野では中枢神経系疾患を主要領域とする研究開発を進めており、2020年10月に抗けいれん剤「ミダフレッサ®静注0.1%(一般名:ミダゾラム注射液)」の成人に対する製造販売承認事項一部変更承認申請を実施いたしました。
診断薬分野においては、大腸がん検診等に使用する便潜血機器試薬システムや呼吸器感染症を主領域とした迅速診断キット(POCT)の開発を進めており、2021年3月には試料滴下後5分で判定することができる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原迅速検査キット「アルソニック® COVID-19 Ag」の製造販売承認を取得いたしました。
医療機器分野においては、主として外科領域における製品の研究開発を進めており、2020年6月に関節外科骨折領域等にて使用する体内固定用ピン「ネスコピン®」の製造販売承認を取得いたしました。