文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
アルフレッサグループは、「理念体系」および「サステナビリティ基本方針」として次のように定めております。


アルフレッサグループのなりたい姿(長期目標)

(2) 中期的な経営戦略等
アルフレッサグループは、2025年3月期を最終年度とする「22-24中期経営計画 未来への躍進 ~進化するヘルスケアコンソーシアム®~」を策定しております。
① 「22-24中期経営計画」グループ経営方針









② セグメント別の重点施策
(A) 医療用医薬品等卸売事業

(B) セルフメディケーション卸売事業

(C) 医薬品等製造事業

(D) 医療関連事業

(3) 目標とする経営指標
22-24中期経営計画の最終年度である2025年3月期の経営目標を次のとおり設定しております。
(注)DOE:連結純資産配当率
〈投資計画(累計)〉
2023年3月期から2025年3月期までの3か年累計で1,200億円規模の投資を予定しております。

(4) 経営環境
① 経営環境
今後の医薬品市場においては、薬価制度改革や様々な環境変化を踏まえると医療用医薬品市場は中期的にほぼ横ばいのまま推移すると予想されております。


アルフレッサグループは、日本全国の医療機関や薬局等、約16万軒のお客様に対して、約1万4千種類の医療用医薬品をはじめ健康に関する様々な商品・サービスを、高い生産性でお届けしております。
グループの理念体系にある「私たちのめざす姿」に掲げる「健康に関するあらゆる分野の商品・サービスを提供できるヘルスケアコンソーシアム®の実現」に向けて、着実に事業ポートフォリオの拡充を図っております。
② 新型コロナウイルス感染症の影響について
アルフレッサグループでは、感染拡大防止の対策を行うとともに、お取引先様および当社グループ従業員の安全を確保しながら、医薬品等の安定供給に努めております。
新型コロナウイルス感染拡大の当社グループへの影響は、以下のように認識しております。新型コロナウイルス感染症の収束時期等を予測することは依然として困難な状況にあります。引き続き厳しい事業環境が続くと想定される一方で、ワクチン接種の進行等による感染拡大の収束、経済活動再開に伴う需要の段階的回復なども想定されます。新型コロナウイルス感染症の流行が再拡大・深刻化した場合の影響については、先行きが不透明であり予測が難しい状況ではありますが、今後の経営成績等への影響は、現時点において2022年3月期と同程度と見込んでおります。
(A) 医療用医薬品等卸売事業、医薬品等製造事業および医療関連事業
医療用医薬品等卸売事業、医薬品等製造事業および医療関連事業においては、緊急事態宣言下における医療機関等の外来受診抑制や手術件数の減少等からの回復により市場はゆるやかに回復しておりますが、引き続き予断を許さない事業環境で推移しております。また、販売促進や価格交渉等への影響も引き続き少なからず生じておりますが、将来的には平準化するものと見込んでおります。
(B) セルフメディケーション卸売事業
セルフメディケーション卸売事業においては、緊急事態宣言下での感染予防関連商品の急激な需要増の反動減がみられるなど、市場の見通しが困難な状況が続いております。引き続きインバウンド需要も消失しておりますが、将来的には平準化するものと見込んでおります。
(5) 優先的に対処すべき事業上の課題
① 独占禁止法遵守のための取り組み
2021年6月、連結子会社のアルフレッサ株式会社は、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする医療用医薬品の入札における独占禁止法違反により、東京地方裁判所より罰金刑2億50百万円の判決が言い渡され、2022年3月、公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令および1億75百万円の課徴金納付命令を受けました。また、2021年11月、同社は、独立行政法人国立病院機構(NHO)または独立行政法人労働者健康安全機構(JOHAS)が運営する九州エリアに所在する病院が調達する医薬品に関して独立行政法人国立病院機構本部が行う入札等において、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立入検査を受けております。同社は、この度の事態を厳粛かつ真摯に受け止め、公正取引委員会の行政調査に全面的に協力しております。
当社および当社グループは、このような事態に至りましたことを厳粛に受け止め、役職員一同、再発防止策の徹底に引き続き取り組んでまいります。当社グループが実践している再発防止のPDCAは以下のとおりであります。

② アルフレッサグループの理念体系に基づいたサステナビリティ基本方針の策定とサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)
当社グループは、理念体系に『私たちの思い』として、「すべての人に、いきいきとした生活を創造しお届けします」を掲げ、医薬品を「安心」「安全」「誠実」にお届けするという社会インフラを担う企業として事業活動を営んでまいりました。この理念体系の実現に向け活動することこそ、当社グループのサステナビリティに対する基本的な考え方であると定め、2021年12月、社会・環境課題の解決に取り組み続け、人々の健康に貢献し社会の発展を目指すサステナビリティ基本方針を策定いたしました。事業への真摯な取り組みによる「利益の創出」と、「企業活動が社会に与える影響への配慮」を両立させながら、持続的成長とサステナブルな社会への貢献を目指してまいります。また、この実現に向け8つの重要課題(マテリアリティ)を特定し、取り組みを進めております。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 医療制度改革について
当社グループが主に事業を展開する医療用医薬品業界は、健康保険制度および医療行政の影響を強く受けます。そのため、制度の大幅な変更が行われた場合は経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。
現在、高齢化の進展、生活習慣病の拡大により社会保障費は増加傾向にあります。しかし、医療保険財源の支払能力は低下しているため、診療報酬の包括払いの導入、自己負担の見直し、後発医薬品の普及促進策や薬価基準制度の見直しなどの医療費抑制を目的とした様々な医療制度改革が実施されております。当社グループは、2018年4月からスタートしました「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の遵守に重点的に取り組んでおります。また、仕入から売上債権回収までの一連の営業活動について適切な対応を進めるとともに、医療制度に影響を受けない商材やサービスの取り扱い拡大に取り組んでおります。
(2) 薬価の改定について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品の価格は、厚生労働大臣の告示によって公定されています。この公定価格が「薬価」(使用薬剤の公定価格)であります。実質的に販売価格の上限として機能している薬価については、市場における実勢価格や需要動向に応じて、定期的に引き下げ改定が行われており、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 法的規制および法令違反等について
当社グループは、医療用医薬品の卸・製造販売を主な事業としております。したがって、事業活動を行うにあたり、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」および関連法規等の規制により、免許・許可の登録および指定や、開発、製造、輸入に関し様々な承認許可が必要となります。監督官庁の許認可の状況により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが遵守すべき法令(独占禁止法、下請法、不正競争防止法、金融商品取引法等)に十分留意した企業活動を行っておりますが、万一これらの違反を起こした場合、企業活動の制限や法令上の規制に対応するためのコストの増加、社会的信用の毀損等が発生する可能性があり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、グループ理念のもと、「コンプライアンスガイドライン」を制定し、グループコンプライアンス・リスクマネジメント会議や研修等を通じて、法令等の遵守の徹底を図っております。
(4) 医療機関・製薬企業との取引慣行について
当社グループが主に事業展開する医療用医薬品卸売業界においては、医薬品が生命関連商品であり納入停滞が許されないという性質上、薬価改定後の一定期間、価格未決定のまま医療機関に納品し、その後卸売業者と医療機関との間で価格交渉を行うという特有の慣行が旧来より続いております。交渉が難航した場合、当社グループでは合理的な見積りにより決定予想価格を算出して売上計上しております。価格交渉の長期化や当初予想と異なる価格での決定となった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の遵守に重点的に取り組み、得意先である医療機関との価格交渉の早期妥結をはじめとした流通改革に継続して取り組んでおります。
(5) 製造事業に係るリスクについて
当社グループの医薬品等製造事業においては、医薬品原薬の開発、製造および販売ならびに医薬品等の開発、製造および販売を行っております。製品開発については全ての品目が発売できるとは限らず、途中で開発を断念しなければならない場合や他社からの導入等も行えない場合があります。また、製品および原材料の一部には特定の取引先にその供給、販売を依存している品目があります。何らかの理由により調達・製造・販売活動に遅延または停止するような事態が発生する可能性があります。
さらに、製品の開発から製造の段階において安全性、信頼性には万全を期しておりますが、予期しない副作用や異物混入などによる製品回収や販売中止等が発生し、訴訟を提起されるリスクがあります。このような場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、医薬品等製造事業において「安心・安全・誠実なモノづくり」を重点施策として掲げ、共通の品質管理システムを国内の連結子会社3社に導入し、製品等の安全性および信頼性の向上に連携して取り組んでおります。
(6) 医療関連事業(調剤薬局事業)に係るリスクについて
当社グループの医療関連事業における調剤業務は薬剤師(人)に負うところが大きく、調剤過誤が発生する可能性があります。医療用医薬品の場合、用法・用量に厳格な制限があり、他の薬剤との相互作用や中毒症状の発症など、医療トラブルが発生する可能性があります。発生した場合、損害賠償に加え、既存顧客の信用および社会的信用を失うこととなり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、薬剤師法第19条において薬剤師以外の調剤を禁じていることや、医薬品医療機器等法および厚生労働省令等によって、薬局への薬剤師の配置および配置人数を厳しく規制しております。したがって、営業時間を通じて薬剤師の必要人員数が確保されない場合には、当社グループの薬局の維持、新規開設に支障をきたし、経営成績等に影響を与える可能性があります。
当社グループは、処方箋の受入枚数等を適宜把握し、薬剤師・事務員の適正配置や必要に応じた増員再配置に取り組んでおります。また、調剤過誤につきましては、人員の適正配置、調剤業務のマニュアルの整備や調剤監査システムの導入・活用によりその防止に取り組んでおります。
(7) システムトラブルおよびサイバーリスクについて
当社グループの事業活動においては、コンピュータネットワークシステムに大きく依拠しており、災害や事故等によりシステムが機能停止した場合、リカバリーシステムによる復旧までに時間を要し、販売物流を中心とした営業活動の一部に支障をきたす可能性があります。また、近年のデジタル技術の著しい発展の一方で、サイバー攻撃手法の高度化・巧妙化も進んでおり、サイバー攻撃等外部からの不正アクセス、コンピュータウイルス等により、システムダウン、誤作動および不正利用を含む障害ならびに社外への情報漏洩等が発生する可能性があります。これらの要因により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、災害等が発生した場合に備え、複数拠点にデータセンターを設置しております。また、システムの運用・保守等を行う連結子会社が、災害等のほか、様々な障害や事故等の防止および発生に備え、コンピュータネットワークシステムを監視しております。さらに、サイバーセキュリティにも常に留意し、適宜必要なシステムの導入を進めてまいります。
(8) 海外との取引について
当社グループは、中華人民共和国に医薬品等製造事業の生産拠点の一部や事業拠点を設けております。また、ベトナム社会主義共和国にも事業拠点を置いております。こうした海外における事業活動や日本と海外との間の製品・商品の輸出入取引において、政治的摩擦や為替の急激な変動等が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報流出について
当社グループは、重要な機密情報、顧客情報および各種の個人情報等を保有しておりますが、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜や損害賠償や取引停止処分、流出の影響を受けた顧客その他関係者への補償等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、情報セキュリティ対策推進のため、法令等に基づいた社内規程の整備・運用の徹底を実施し、グループ全体で「情報セキュリティ体制」を構築することにより、グループ統一基準に基づいた教育・運用チェック等を行っております。保有する情報の外部への流出等を防止するため情報管理等の研修会を適宜開催し、情報漏洩等を防ぐための対策を講じております。
(10) 自然災害、パンデミック等について
当社グループは医薬品等卸売事業において、物流機能が大きな役割を果たしております。震災等の自然災害により物流機能が毀損した場合、販売物流活動に支障をきたす可能性があります。また、自然災害やパンデミック等の発生により事業活動を縮小せざるを得ない事態となった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは,事業継続計画(以下「BCP」という。)および災害時の各種マニュアルを策定し、大規模災害時において、医薬品等を迅速かつ安定的に供給するため、備蓄が必要とされる医薬品等のリスト化や配送拠点が被災した場合の近隣拠点によるバックアップ体制等を整備し、重要な社会インフラである医薬品等の流通機能が停止しないように最大限の対策を構築しております。
また、新型コロナウイルス対策本部を設置し、当社およびグループ会社での新型コロナウイルスの感染者数の把握、感染拡大防止のための対策の検討等を実施し、必要に応じて当社およびグループ会社間で連携し対応するための体制を整えております。
(11) 事業投資に係るリスクについて
当社グループは、医薬品の流通を担う事業の運営上、物流センターや営業拠点等への設備投資(インフラ投資)が不可欠であります。これらのインフラ投資は多額かつその回収に長期間を要する傾向にあることから減損リスクを有しております。また、事業開発や事業拡大を視野に、医療関連領域のベンチャー企業への出資やM&A投資を実施することがありますが、これらも同様に減損リスクを有しており、これらの投資の成否によっては、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、一定規模以上の投資案件について事業投資委員会に諮り検証のうえ決定機関に答申することにより、減損リスクを低減する体制を構築しております。
(12) 気候変動リスクについて
当社グループにとって、気候変動はサステナビリティ経営に影響を及ぼす重要課題のひとつと認識しており、当社グループ全体の気候変動に関する影響の評価等のためシナリオ分析を実施しております。事業におけるリスク・機会のうち、経営成績等に影響を及ぼす可能性の観点から重要度の高い項目については以下のとおりであります。
・移行リスク(1.5℃シナリオ) … 2050年カーボンニュートラルに向けて、政策・規制導入や市場変化が急速に進行することで、地球の平均気温上昇が産業革命前の水準に比べ1.5℃に抑えられる想定。 → 脱炭素化に向け、移行による影響が最大
・物理的リスク(4℃シナリオ) … CO2排出削減に向けた政策・規制や社会の取り組みが進まず、地球の平均気温上昇が産業革命前の水準に比べ4℃となる想定。災害などの気候変動による影響が甚大化する。 → 脱炭素化向けた移行は想定しないが、気候変動の影響が最大
当社グループでは、CSR推進委員会の下部組織としてTCFD分科会を設置し、リスクマネジメントを統括するコンプライアンス・リスクマネジメント会議と連携して気候変動リスクと機会の特定・重要性評価・対策の推進・モニタリングを行い、取締役会へ報告する体制といたしました。これらのリスクマネジメントを通じてリスクの低減を図るとともに、積極的な環境負荷低減および環境課題解決に取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要については次のとおりであります。なお、経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容については、各項目に含めて記載しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日、以下「収益認識会計基準」という。)等の適用による会計方針の変更および受取情報料等について表示方法の変更を行っております。当該変更に伴い、以下の経営成績に関する説明については、前期比を記載しておりません。
なお、2021年3月期の諸数値につきましては、受取情報料等の表示方法の変更を反映した遡及適用後の諸数値を記載しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」をご参照ください。
当社グループでは、当期を最終年度とする3か年の中期経営計画「19-21中期経営計画 さらなる成長への挑戦 ~健康とともに、地域とともに~(以下「19-21中計」という。)」のなかでグループ経営方針に掲げた「グループ連携体制の構築」「事業モデルの変革」「地域の人々の健康への貢献」「さらなる生産性の向上」「人づくり」の実現に向けて取り組んでまいりました。
当社は、資本政策の一環として株主還元の充実および資本効率向上のため2021年11月5日から2022年3月24日までの間に、自己株式9,147千株を149億99百万円で取得いたしました。
また、2022年3月、当社は、株式会社しんようフォレストホールディングス(本社:長崎県諫早市)との間で、九州エリアにおける事業基盤強化などを図るべく、同社の完全子会社である株式会社宮崎温仙堂商店(本社:長崎県諫早市)の全ての発行済株式を取得する基本合意書を締結いたしました。
当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高2兆5,856億43百万円(前期は2兆6,104億27百万円)、営業利益290億91百万円(同279億29百万円)、経常利益325億76百万円(同319億18百万円)、政策保有株式縮減による投資有価証券売却益189億21百万円を特別利益に計上したこと等により親会社株主に帰属する当期純利益321億82百万円(同245億1百万円)となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は187億79百万円減少、営業利益は24百万円減少、受取情報料等の表示方法を変更したことに伴い、売上高および営業利益がそれぞれ77億88百万円増加しております。
連結子会社であるアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、以下「アルフレッサ」という。)は、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする医療用医薬品の入札における独占禁止法違反により、2021年6月に東京地方裁判所において有罪判決を受け、罰金2億50百万円の刑が確定し、2022年3月に公正取引委員会より独占禁止法に基づく排除措置命令および課徴金納付命令を受けております。
また、2021年11月、アルフレッサは、独立行政法人国立病院機構(NHO)または独立行政法人労働者健康安全機構(JOHAS)が運営する九州エリアに所在する病院が調達する医薬品に関して独立行政法人国立病院機構本部が行う入札等において、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立入検査を受けております。
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
① セグメント別の業績
(A) 医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品等卸売事業におきましては、新型コロナウイルス感染拡大、初めて実施された薬価の中間年改定後の医療機関との価格交渉および独占禁止法違反による医療機関の入札指名停止に伴う影響等の厳しい事業環境のなか、新型コロナウイルス感染予防に十分配慮しながら医薬品の安定供給や、新型コロナウイルスワクチンおよび治療薬の配送業務を最優先に事業活動を行ってまいりました。あわせて、欠品や供給調整が続くジェネリック医薬品への対応にも尽力いたしました。
また、流通改善に取り組むとともに営業活動において独占禁止法の遵守を徹底しております。
当社グループは、医療用医薬品NO.1卸※として勝ち続けるために「19-21中計」の重点施策として掲げた「MS機能のさらなる進化」「スペシャリティ商品への注力」「グループ物流の高度化、効率化と標準化」に取り組んでまいりました。
「グループ物流の高度化、効率化と標準化」への取り組みとして、アルフレッサは、2021年5月、静岡県藤枝市に静岡県全域と愛知県の一部をカバーする最新鋭の物流拠点として「静岡物流センター」を稼働し、物流サービス向上による地域医療への貢献に取り組んでおります。
また、2021年8月、ヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区)とのヘルスケア商品の共同配送スキーム構築の第一弾として、ビッグデータとAIを活用した配送業務量を予測するシステムと適正配車を行うシステムを開発・導入いたしました。当システムの導入により、配送生産性の向上、走行距離およびCO2排出量の削減ならびに医療機関における対面作業の効率化を目指してまいります。
成長分野への積極的な投資による事業領域の拡大を目指し、アルフレッサは、ベンチャー企業への投資を含む以下の取り組みを実施いたしました。
・2021年5月:ドーナッツロボティクス株式会社(本社:東京都港区)と資本業務提携契約を締結
ロボット技術とデジタル技術を活用した医療分野における社会課題解決を目指し協業を進める。
・2021年8月:NCメディカルリサーチ株式会社(本社:東京都港区)の第三者割当増資引受
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞を原材料とした再生医療等製品の開発を進めており、同製品の上市後の国内における独占流通契約も締結した。
・2022年3月:株式会社プレシジョン(本社:東京都文京区)と資本提携契約を締結
AI診療支援システム普及により医療分野の社会課題である医師の負担軽減に向け活動を進める。
・2022年3月:メドピア株式会社(本社:東京都中央区)と共同事業展開の検討開始を合意
医療機関のデジタルトランスフォーメーションを支援するための共同事業展開の検討開始を合意した。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、販売価格の管理を強化するとともに診断薬等の「メディカル品」の販売促進により売上総利益率の改善を図った一方で、減価償却費等の経費が増加したこと等の影響により、売上高2兆2,881億2百万円(前期は2兆2,978億93百万円)、営業利益248億39百万円(同255億76百万円)となりました。
なお、売上高には、セグメント間の内部売上高157億45百万円(同151億89百万円)を含んでおります。
※ 出典:「2021最新オール・データ&ランキング」 卸グループ別医療用医薬品事業シェア(株式会社ドラッグマガジン)
(B) セルフメディケーション卸売事業
セルフメディケーション卸売事業におきましては、「トータル・ヘルスケア・マーチャンダイジング・ホールセラー」を推進し、新たな付加価値による差別化と創造性を持つオンリーワン卸を目指し、「19-21中計」の重点施策として掲げた「安定的かつ持続的な事業基盤の確立」「消費者視点に立った商品提案」「専売メーカー・専売商品の取り組み強化」などに取り組んでまいりました。
2021年4月、連結子会社のアルフレッサ ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区)と同社の完全子会社である株式会社茂木薬品商会(本社:東京都中央区)は、アルフレッサ ヘルスケア株式会社を存続会社とする吸収合併をいたしました。両社の経営資源を有効かつ効率的に活用して、経営基盤のさらなる強化を図っております。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、2020年4月の全国を対象とした緊急事態宣言下における感染予防関連商品の急激な需要増の反動減等により、売上高2,448億22百万円(前期は2,617億49百万円)、営業利益18億69百万円(同25億25百万円)となりました。
なお、売上高には、セグメント間の内部売上高6億10百万円(同5億27百万円)を含んでおります。
(C) 医薬品等製造事業
医薬品等製造事業におきましては、グループシナジーの強化とさらなる規模拡大を推進するため、「19-21中計」の重点施策として掲げた「安心・安全・誠実なモノづくりの推進」「グループニーズに沿った製品の拡充」「製造受託・医薬品原薬事業の拡大」などに取り組んでまいりました。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、前期に製造販売承認を譲り受けた長期収載品の売上寄与および2021年3月に販売を開始した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原迅速検査キット「アルソニック® COVID-19 Ag」等の感染症迅速検査キットの売上増ならびに受託製造が堅調であったこと等により、売上高473億59百万円(前期は425億95百万円)、営業利益18億67百万円(前期は営業損失1億44百万円)となりました。
なお、売上高には、セグメント間の内部売上高127億53百万円(同94億2百万円)を含んでおります。
(D) 医療関連事業
医療関連事業におきましては、「19-21中計」の重点施策として掲げた「機能に応じた店舗の再編」「収益改善を目指した効率化・高度化」「多機能化による地域社会への貢献」などに取り組んでまいりました。
2021年4月、連結子会社のアポロメディカルホールディングス株式会社(本社:東京都豊島区)および株式会社日本アポック(本社:埼玉県川越市)ならびに当社の完全子会社の株式会社中日ファーマシー(本社:名古屋市中区)は、アポロメディカルホールディングス株式会社を存続会社とする吸収合併を行い、アポクリート株式会社へ商号変更いたしました。この3社の経営統合により、調剤薬局事業の経営基盤の強化と効率化を図り、これまで以上にコンプライアンスへの取り組みを強化するとともに顧客視点に立った新たな価値の創造を目指しております。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、薬価改定および新型コロナウイルス感染拡大等の影響があったものの、合併による店舗数の増加および効率化の推進等により、売上高344億68百万円(前期は333億8百万円)、営業利益1億83百万円(前期は営業損失3億60百万円)となりました。
2022年3月期を最終年度とする中期経営計画「19-21中期経営計画 さらなる成長への挑戦 ~健康とともに、地域とともに~」で発表した経営指標目標の達成状況については以下のとおりであります。
※ 収益認識会計基準等の適用後および受取情報料等の表示区分変更後の目標値は2.0%以上
② 生産、受注及び販売の実績
(注)1.金額は実際の仕入額によっております。
2.セグメント間の内部仕入高は287億6百万円(前期比116.1%)であり、上記金額に含めております。
仕入実績と販売実績の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前期末比126億66百万円減少し、1兆3,039億91百万円となりました。
流動資産は、239億90百万円増加し、1兆164億71百万円となりました。これは主として、「現金及び預金」が101億58百万円、売上債権が91億45百万円および返品資産等の「その他」が98億38百万円増加した一方で、「商品及び製品」が15億45百万円、「未収入金」が23億84百万円減少および「貸倒引当金」が15億49百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、366億57百万円減少し、2,875億20百万円となりました。これは主として、物流センター等の設備投資などに伴い有形固定資産が38億14百万円増加した一方で、保有株式の売却等に伴い「投資有価証券」が403億73百万円減少したことによるものであります。
セグメント別の総資産は、以下のとおりであります。
医療用医薬品等卸売事業のセグメント資産は、前期末比70億67百万円増加し、1兆1,183億円となりました。これは主として、「現金及び預金」等の流動資産が増加および物流センター等の設備投資に伴い「土地」等の有形固定資産が増加した一方で、株式の売却に伴い「投資有価証券」が減少したことによるものであります。
セルフメディケーション卸売事業のセグメント資産は、49億96百万円減少し、829億96百万円となりました。これは主として、売上債権等の流動資産が減少および保有株式の株価下落に伴い「投資有価証券」が減少したことによるものであります。
医薬品等製造事業のセグメント資産は、49億48百万円増加し、705億26百万円となりました。これは主として、売上債権等の流動資産が増加および製造販売権等の無形固定資産が増加したことによるものであります。
医療関連事業のセグメント資産は、7億46百万円減少し、167億16百万円となりました。これは主として、減価償却に伴い「のれん」および償却資産等が減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における当社グループの負債は、前期末比54億55百万円増加し、8,321億56百万円となりました。
流動負債は、188億83百万円増加し、8,028億13百万円となりました。これは主として、「支払手形及び買掛金」が13億92百万円、「未払法人税等」が70億26百万円および返品負債等の「その他」が104億98百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、134億28百万円減少し、293億43百万円となりました。これは主として、「リース債務」が5億96百万円、「繰延税金負債」が105億41百万円および「退職給付に係る負債」が11億58百万円減少したことによるものであります。
結果として、当連結会計年度末における当社グループの純資産は、181億22百万円減少し、4,718億35百万円となりました。これは主として、「利益剰余金」が205億55百万円増加した一方で、株主還元の一環として自己株式を取得したこと等に伴い「自己株式」が152億54百万円増加および保有株式の売却等に伴い「その他有価証券評価差額金」が232億22百万円減少したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物は、前期末比100億47百万円増加し、1,791億8百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、「税金等調整前当期純利益」が481億80百万円と前期と比べ116億48百万円の増益となったことに加えて、前期に比べ仕入債務の支払額が減少および「法人税等の支払額」が減少したこと等により、365億46百万円の増加(前期は211億91百万円の減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、保有株式の縮減を目的とした投資有価証券の売却による収入が増加した一方で、物流センターの建設等の設備投資や事業譲受等に伴う支出があったことにより、23億4百万円の増加(前期は47億32百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株主還元の一環として自己株式を取得したことに伴い「自己株式の取得による支出」が増加したことに加えて、増配に伴い「配当金の支払額」が増加したこと等により、291億51百万円の減少(前期は144億72百万円の減少)となりました。
〈資本の財源および資金の流動性〉
アルフレッサグループは、日本の社会インフラである医薬品サプライチェーンを製造、卸売、調剤薬局等の各事業領域で支え、必要な時に、必要な医薬品を、必要な場所へ、安定的に供給することに貢献しております。
社会的責任の遂行と持続的な企業価値の向上には、財務の健全性、資本効率の向上、安定的・継続的な株主還元の最適バランスを追求し、さらなる企業価値を追求することが当社グループの財務・資本戦略の基本となっております。
当連結会計年度末における純資産のうち当社の持分は、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上がり、配当金の支払い、自己株式の取得やその他の包括利益の増減により、4,715億93百万円(前期末比181億43百万円減少)となり、この結果、自己資本比率は36.2%となりました。
また、株式会社格付投資情報センターの発行体格付は「A+」(2021年8月格付)を2022年5月末時点で維持しております。
財務健全性のさらなる向上には財務基盤・収益基盤の強化が不可欠であるため、当社グループの資本配分計画に基づき、事業拡大投資・事業強化投資を実行してまいります。
株主還元を含むこれら資本配分の財源(資金の調達方法)は、主に営業活動により得られるキャッシュ・フローを源泉とした自己資金によっております。なお、当連結会計年度における主要な使途等については前記「(3) キャッシュ・フロー」を、翌連結会計年度以降については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当連結会計年度末における「現金及び預金」残高は1,804億36百万円であり、連結ベースの流動比率は126.6%、総資産に対する流動資産の比率は78.0%、流動負債の比率は61.6%であることから、十分な流動性を確保しているものと認識しております。また、当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)により、グループ内の資金需要と運用の最適化および資金の効率的な活用を図っております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定について検討いたしましたが、当該見積り等に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があるものの、経営成績等に与える影響は軽微であると判断しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
新型コロナウイルスの感染拡大は、経済や企業活動に広範な影響を与える事象であり、当社グループにおきましても、得意先である医療機関における受診抑制や手術件数の減少および営業活動の制限等、厳しい事業環境となっており当社グループの業績に一定の影響が及んでおります。
新型コロナウイルス感染症の収束時期やその影響の程度を、現時点において入手可能な情報および合理的であると判断される一定の条件に基づき、今後、2023年3月期の年間を通じて当該影響が継続するものと仮定して、固定資産の減損会計等の会計上の見積りを行っております。
なお、当該見積りに用いた仮定には不確実性があり、新型コロナウイルス感染症の収束時期および経済環境に変化が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 販売提携契約
(2) 共同開発契約
(3) 業務提携契約
当社グループにおきましては、製品の開発管理体制、評価体制を強化・整備して領域を絞り込んだ自社開発を行うとともに、他社からの導入開発および他社との共同開発に積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は
医療用医薬品分野では中枢神経系疾患を主要領域とする研究開発を進めており、2021年9月に抗けいれん剤「ミダフレッサ®静注0.1%(一般名:ミダゾラム注射液)」の成人に対する製造販売承認事項一部変更承認を取得いたしました。
診断薬分野においては、大腸がん検診等に使用する便潜血機器試薬システム、潰瘍性大腸炎などの難治性疾患の病態把握の補助に使用する検査試薬、さらに呼吸器感染症を主領域とした迅速診断キット(POCT)の開発を進めております。
医療機器分野においては、主として外科領域における製品の研究開発を進めており、2021年11月に単回使用開創器 「アルノート® ラップシングル ウンドリトラクター」を規格追加いたしました。