文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
アルフレッサグループは、「理念体系」および「サステナビリティ基本方針」等として次のように位置づけております。



アルフレッサグループのなりたい姿(長期目標)

「アルフレッサグループ中長期ビジョン」全体像



(2) 中期経営計画
アルフレッサグループは、2025年3月期を最終年度とする「22-24中期経営計画 未来への躍進 ~進化するヘルスケアコンソーシアム®~」を策定しております。
① 「22-24中期経営計画」グループ経営方針


医療用医薬品等卸売事業ではスペシャリティ領域とメディカル品、セルフメディケーション卸売事業では専売商品、医薬品等製造事業では受託製造ならびに中枢神経・診断薬領域、および医療関連事業では在宅医療などの成長領域に注力していくことがグループの強固な基盤を築くものと考えております。

「新たな価値の創造」につきましては、各セグメントが持つ強みを活かし、当社グループのサプライチェーンをトータルに活用することにより、セグメントを超えた新たな価値を生み出してまいります。

デジタルヘルスやヘルステックなど、様々なデジタルツールの活用で新たな価値を創造し、顧客の課題解決を図ってまいります。また、DX推進等により、ヘルスケアに携わる方々をつなぐ私たちの活動を新たなステージへ進め、お客様満足の向上を実現し、健康・医療に関する新たな事業領域へ挑戦いたします。

グループが一体となった取り組みによる地域の健康・医療への貢献のため、各事業セグメントの事業会社が連携することで、事業モデルを強化し、新たな価値を創造することにより、グループ一丸となって、地域医療のニーズに応え、地域医療構想の実現を下支えすべく、貢献してまいります。

環境保全への取り組み等を通じたサステナブル社会への貢献のため、「カーボンニュートラルに向けた取り組み」、「資源循環の取り組み」および「環境汚染防止、生物との共生」の推進を通じて、社会への貢献を行ってまいります。
2050年度、CO2排出量実質ゼロに向けて、2020年度比で2024年度に10%削減、2030年度に30%の削減に取り組んでまいります。なお、2030年度の削減目標は、政府発表の目標と同じ、2013年度の推定値比の46%削減に概ね相当しております。

ダイバーシティを中心とした人財戦略の推進のため、アルフレッサグループの人財要件である強い使命感、高い倫理観、適応力および挑戦心の4つに加えて、新たにグループの持続的な成長のための必要な機能において、豊富な知識・経験を有し、個性や才能を存分に発揮できる高い専門性を持つ人財育成に取り組んでまいります。グループで共に働く人々が多様性を受け入れ、仲間と共にゴールに向かって、個性や才能を存分に発揮して協働する強い「個」の集団を実現いたします。

コンプライアンスの遵守を最優先とする企業風土の醸成のため、過去の過ちに真摯に向き合い、グループ一体となった具体的な取り組み・工夫を継続してまいります。現在、アルフレッサグループではコンプライアンス・リスクマネジメント会議に独占禁止法遵守に特化した医療用医薬品等卸売事業分科会を設置し、定期開催しております。また、各社にコンプライアンス専門部署、専用相談窓口に加えて、独占禁止法専門弁護士による専用相談窓口も設置し、営業現場との対話を強化いたしました。チェック機能として、内部監査部門等によるモニタリングを行っております。

② セグメント別の重点施策
(A) 医療用医薬品等卸売事業

(B) セルフメディケーション卸売事業

(C) 医薬品等製造事業

(D) 医療関連事業

(3) 目標とする経営指標
22-24中期経営計画の最終年度である2025年3月期の経営目標を次のとおり設定しております。
(注)DOE:連結純資産配当率
〈投資計画(累計)〉
2023年3月期から2025年3月期までの3か年累計で1,200億円規模の投資を予定しております。

(4) 経営環境
今後の医薬品市場においては、薬価制度改革や様々な環境変化を踏まえると医療用医薬品市場は中期的にほぼ横ばいのまま推移すると予想されております。


アルフレッサグループは、日本全国の医療機関や薬局等のお客様に対して、医療用医薬品をはじめ健康に関する様々な商品・サービスを、高い生産性でお届けしております。
グループの理念体系にある「私たちのめざす姿」に掲げる「健康に関するあらゆる分野の商品・サービスを提供できるヘルスケアコンソーシアム®の実現」に向けて、着実に事業ポートフォリオの拡充を図っております。
(5) 優先的に対処すべき事業上の課題
① 独占禁止法遵守のための取り組み
連結子会社のアルフレッサ株式会社は、独立行政法人国立病院機構(NHO)または独立行政法人労働者健康安全機構(JOHAS)が運営する九州エリアに所在する病院が調達する医薬品に関して独立行政法人国立病院機構本部が行った2016年5月20日から2019年6月3日に実施された入札等において、独占禁止法違反の疑いがあるとして公正取引委員会による立入検査を受け、2023年3月、公正取引委員会から排除措置命令および課徴金納付命令を受けました。
当社および当社グループは、このような事態に至りましたことを厳粛に受け止め、役職員一同、再発防止策の徹底に引き続き取り組んでまいります。当社グループが実践している再発防止のPDCAは以下のとおりであります。

② 企業価値の向上に向けた取り組み
(A) アルフレッサグループ中長期ビジョン
薬価の中間年改定実施や物流費をはじめとしたコスト上昇等の急激な環境変化に伴い、足元の収益は低下しております。このような環境に対して、当社グループは、企業理念・サステナビリティ基本方針に基づき、3か年の中期経営計画に加え、新たに中長期ビジョンを定め、基盤事業・成長事業・新規事業による利益拡大および資本効率の改善によって企業価値の向上を目指してまいります。
(B) サステナビリティ基本方針
当社グループは、理念体系に『私たちの思い』として、「すべての人に、いきいきとした生活を創造しお届けします」を掲げ、医薬品を「安心」「安全」「誠実」にお届けするという社会インフラを担う企業として事業活動を営んでまいりました。この理念体系の実現に向け活動することこそ、当社グループのサステナビリティに対する基本的な考え方であり、社会・環境課題の解決に取り組み続け、人々の健康に貢献し社会の発展を目指すサステナビリティ基本方針を定めております。事業への真摯な取り組みによる「利益の創出」と、「企業活動が社会に与える影響への配慮」を両立させながら、持続的成長とサステナブルな社会への貢献を目指してまいります。また、この実現に向け8つの重要課題(マテリアリティ)を特定し、取り組みを進めております。

当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ基本方針
アルフレッサグループの理念体系とアルフレッサグループのサステナビリティ基本方針に基づき、特定された8つのサステナビリティ重要課題にグループが一丸となって取り組み、なりたい姿(長期目標)を目指して、社会的価値と経済的価値を創出いたします。

(2) 推進体制
当社は、グループ全体のCSR活動を推進するCSR推進委員会を設置しております。
本委員会は、代表取締役の諮問機関として、取締役会で定めたアルフレッサグループ サステナビリティ基本方針等に則り、グループ全体のCSR活動を推進するため、グループ全体のCSR活動に関する方針等の検討およびグループ各社のCSR活動の報告・評価などを行い、その概要を代表取締役および取締役会に定期的(年2回)に報告しております。

(3) 環境への取り組み
アルフレッサグループは、健康関連領域で事業を展開する企業グループとして、人々の健康や暮らしに影響を与える地球環境問題を、経営上の重要課題の一つとして認識しています。2021年4月に制定したアルフレッサグループ環境方針に沿って、「カーボンニュートラルに向けた取り組み」、「資源循環の取り組み」、「環境汚染防止、生物との共生」等を推進しております。今後も、事業活動における環境負荷の低減に積極的に努め、環境課題解決へ貢献していくことにより、サステナブル社会構築へ貢献してまいります。すべての人々が健康に暮らせる社会の実現に向け、環境関連法令等の遵守はもとより、全国各地で地域に密着した事業活動を行い、地域社会と共生を図り、共に発展することを目指しております。
(4) TCFDに基づく情報開示
アルフレッサグループにとって、気候変動はサステナビリティ経営に影響を及ぼす重要課題の一つであり、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言にある枠組みで取り組みを推進しております。
① ガバナンス
当社グループは気候変動に関連する戦略の立案・推進・モニタリングの実施および情報開示の充実のため、2022年5月、CSR推進委員会の下部組織としてTCFD分科会を設置いたしました。TCFD分科会は、グループのリスクマネジメントを統轄するコンプライアンス・リスクマネジメント会議と連携し、気候関連のリスクと機会の特定・重要性評価・対策の推進・モニタリングを実施いたします。その内容や進捗は、定期的(年2回)に取締役会に報告しております。

② 戦略
事業セグメント別にヒアリングを実施し、1.5℃シナリオと4℃シナリオ※を踏まえ、事業におけるリスク・機会を抽出いたしました。それらの財務影響の大きさを5段階で定性的に評価し、重要度の高い項目について対応策を検討いたしました。気候変動への対応は、中長期の経営課題の一つとして検討し、事業戦略に反映してまいります。
※ 産業革命前と比較し、2050年に平均気温が1.5℃上昇するシナリオと4℃上昇するシナリオ


③ リスクマネジメント
2021年度、当社グループにおいて、気候関連のリスクを評価・特定し、マネジメントするプロセスの設定を行い、このプロセスをアルフレッサグループとしての総合的なリスクマネジメントにどのように統合するべきか、検討を行いました。今後は情報収集、リスク・機会の評価・特定、リスク管理の取り組み推進・進捗管理および取締役会への報告のプロセスを繰り返して、気候変動に関する事業活動への影響に対応いたします。

④ 指標・目標
当社グループでは、気候変動に関連する重要指標の一つであるCO2排出量について、2050年度にCO2排出量ネットゼロを目標として設定いたしました。2020年度のScope1+2におけるCO2排出量を基準として、短期目標として2024年度末までに10%、中期目標として2030年度末までに30%の削減目標を設定し、再生可能エネルギーの使用や環境配慮型自動車への切替といった対応策に取り組んでまいります。なお、2021年度のScope1+2におけるCO2排出量は、物流センターの新設による電力消費料増加等により70,411t-CO2となっております。

(5) 人的資本
① 経営戦略と人財戦略の連動
当社グループは、健康に関するあらゆる分野の商品・サービスを提供するヘルスケアコンソーシアム®の実現を目指しております。22-24中期経営計画のグループ経営方針における事業に関する方針として、「事業モデルの強化」と「新たな価値の創造」、「グループ一体となった取り組み」による地域の健康・医療への貢献を実現していくことを掲げ、医療用医療品等卸売事業、セルフメディケーション卸売事業、医薬品等製造事業、医療関連事業の経営基盤強化およびグループ一体での取り組みを推進しております。
これらの取り組みを進めていくためには、「高い専門性」を備えたプロフェッショナル人財の登用・配置が要となります。当社グループは、グループ経営方針の実現を目指した「グループ人財戦略」として職種別の目指す人財像(10区分)に基づく各種人財関連施策を策定すると同時にグループ人事部門会議の定期開催を通じて人財戦略の実現に向けたグループ一体となった取り組みを推進しております。
② 人財育成方針
当社グループはアルフレッサグループの求める人財要件として、未知なる領域への「挑戦心」、環境変化に対する「適応力」、信頼を得るための「高い倫理観」、生命を支える仕事への「強い使命感」、持続的成長を叶える「高い専門性」を定め、グループに向かって協働する強い「個」の集団を目指しております。
当社グループは、この求める人財要件の醸成を土台としたグループ研修を開催し、①「専門性・スキルの育成(22-24中期経営計画を実現するための「高い専門性」を備えた人財の育成)」、②「役員・管理職のマネジメント力の育成(グループ経営戦略を実践していく上で取締役・執行役員、将来経営を担う次世代リーダーの意識強化)」、③「持続的成長に向けたグループ全体の取り組み意識向上」を強化しております。
同時に、グループの将来を担う人財を獲得していくために、グループ各社個別での採用活動とともにグループ合同採用活動を開催し、グループ一体での人財獲得活動を推進しております。
さらに、高い専門性を実現するためのキャリアパスの設定やグループ会社を横断した人財配置等を推進することにより、「動的人財ポートフォリオ」と「知・経験のD&I」を目指してまいります。
<アルフレッサグループの求める人財要件>

③ 社内環境整備方針
当社グループでは、労働力人口減少等の環境変化を見据え、「アルフレッサグループ ダイバーシティ方針」のもと、働く全員の総力を結集し、各自の個性や才能を存分に発揮できる職場環境づくりの実現に向けた各種取り組みをグループ挙げて進めております。
また、グループ全体でのエンゲージメント向上を重要な経営課題として設定し、当社の取締役会によるモニタリングのもと、グループを挙げた従業員意識調査の実施及び調査結果にもとづく各種施策を進めてまいります。
さらに、グループ共通のタレントマネジメントシステムを導入し、持続的成長を支える人財の供給、適材適所の人財配置、人事業務の効率化を進めてまいります。
④ 指標・目標
「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 医療制度改革について
当社グループが主に事業を展開する医療用医薬品業界は、健康保険制度および医療行政の影響を強く受けます。そのため、制度の大幅な変更が行われた場合は経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。
現在、高齢化の進展、生活習慣病の拡大により社会保障費は増加傾向にあります。しかし、医療保険財源の支払能力は低下しているため、診療報酬の包括払いの導入、自己負担の見直し、後発医薬品の普及促進策や薬価基準制度の見直しなどの医療費抑制を目的とした様々な医療制度改革が実施されております。当社グループは、2018年4月からスタートしました「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の遵守に重点的に取り組んでおります。また、仕入から売上債権回収までの一連の営業活動について適切な対応を進めるとともに、医療制度に影響を受けない商材やサービスの取り扱い拡大に取り組んでおります。
(2) 薬価の改定について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品の価格は、厚生労働大臣の告示によって公定されています。この公定価格が「薬価」(使用薬剤の公定価格)であります。実質的に販売価格の上限として機能している薬価については、市場における実勢価格や需要動向に応じて、定期的に引き下げ改定が行われており、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 法的規制および法令違反等について
当社グループは、医療用医薬品の卸・製造販売を主な事業としております。したがって、事業活動を行うにあたり、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」および関連法規等の規制により、免許・許可の登録および指定や、開発、製造、輸入に関し様々な承認許可が必要となります。監督官庁の許認可の状況により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが遵守すべき法令(独占禁止法、下請法、不正競争防止法、金融商品取引法等)に十分留意した企業活動を行っておりますが、万一これらの違反を起こした場合、企業活動の制限や法令上の規制に対応するためのコストの増加、社会的信用の毀損等が発生する可能性があり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、グループ理念のもと、「コンプライアンスガイドライン」を制定し、グループコンプライアンス・リスクマネジメント会議や研修等を通じて、法令等の遵守の徹底を図っております。
(4) 医療機関・製薬企業との取引慣行について
当社グループが主に事業展開する医療用医薬品卸売業界においては、医薬品が生命関連商品であり納入停滞が許されないという性質上、薬価改定後の一定期間、価格未決定のまま医療機関に納品し、その後卸売業者と医療機関との間で価格交渉を行うという特有の慣行が旧来より続いております。交渉が難航した場合、当社グループでは合理的な見積りにより決定予想価格を算出して売上計上しております。価格交渉の長期化や当初予想と異なる価格での決定となった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の遵守に重点的に取り組み、得意先である医療機関との価格交渉の早期妥結をはじめとした流通改革に継続して取り組んでおります。
(5) 製造事業に係るリスクについて
当社グループの医薬品等製造事業においては、医薬品原薬の開発、製造および販売ならびに医薬品等の開発、製造および販売を行っております。製品開発については全ての品目が発売できるとは限らず、途中で開発を断念しなければならない場合や他社からの導入等も行えない場合があります。また、製品および原材料の一部には特定の取引先にその供給、販売を依存している品目があります。何らかの理由により調達・製造・販売活動に遅延または停止するような事態が発生する可能性があります。
さらに、製品の開発から製造の段階において安全性、信頼性には万全を期しておりますが、予期しない副作用や異物混入などによる製品回収や販売中止等が発生し、訴訟を提起されるリスクがあります。このような場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、医薬品等製造事業において「安心・安全・誠実なモノづくり」を重点施策として掲げ、共通の品質管理システムを国内の連結子会社3社に導入し、製品等の安全性および信頼性の向上に連携して取り組んでおります。
(6) 医療関連事業(調剤薬局事業)に係るリスクについて
当社グループの医療関連事業における調剤業務は薬剤師(人)に負うところが大きく、調剤過誤が発生する可能性があります。医療用医薬品の場合、用法・用量に厳格な制限があり、他の薬剤との相互作用や中毒症状の発症など、医療トラブルが発生する可能性があります。発生した場合、損害賠償に加え、既存顧客の信用および社会的信用を失うこととなり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、薬剤師法第19条において薬剤師以外の調剤を禁じていることや、医薬品医療機器等法および厚生労働省令等によって、薬局への薬剤師の配置および配置人数を厳しく規制しております。したがって、営業時間を通じて薬剤師の必要人員数が確保されない場合には、当社グループの薬局の維持、新規開設に支障をきたし、経営成績等に影響を与える可能性があります。
当社グループは、処方箋の受入枚数等を適宜把握し、薬剤師・事務員の適正配置や必要に応じた増員再配置に取り組んでおります。また、調剤過誤につきましては、人員の適正配置、調剤業務のマニュアルの整備や調剤監査システムの導入・活用によりその防止に取り組んでおります。
(7) システムトラブルおよびサイバーリスクについて
当社グループの事業活動においては、コンピュータネットワークシステムに大きく依拠しており、災害や事故等によりシステムが機能停止した場合、リカバリーシステムによる復旧までに時間を要し、販売物流を中心とした営業活動の一部に支障をきたす可能性があります。また、近年のデジタル技術の著しい発展の一方で、サイバー攻撃手法の高度化・巧妙化も進んでおり、サイバー攻撃等外部からの不正アクセス、コンピュータウイルス等により、システムダウン、誤作動および不正利用を含む障害ならびに社外への情報漏洩等が発生する可能性があります。これらの要因により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、災害等が発生した場合に備え、複数拠点にデータセンターを設置しております。また、システムの運用・保守等を行う連結子会社が、災害等のほか、様々な障害や事故等の防止および発生に備え、コンピュータネットワークシステムを監視しております。さらに、サイバーセキュリティにも常に留意し、適宜必要なシステムの導入を進めてまいります。
(8) 海外との取引について
当社グループは、中華人民共和国に医薬品等製造事業の生産拠点の一部や事業拠点を設けております。また、ベトナム社会主義共和国にも事業拠点を置いております。こうした海外における事業活動や日本と海外との間の製品・商品の輸出入取引において、政治的摩擦や為替の急激な変動等が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報流出について
当社グループは、重要な機密情報、顧客情報および各種の個人情報等を保有しておりますが、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜や損害賠償や取引停止処分、流出の影響を受けた顧客その他関係者への補償等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、情報セキュリティ対策推進のため、法令等に基づいた社内規程の整備・運用の徹底を実施し、グループ全体で「情報セキュリティ体制」を構築することにより、グループ統一基準に基づいた教育・運用チェック等を行っております。保有する情報の外部への流出等を防止するため情報管理等の研修会を適宜開催し、情報漏洩等を防ぐための対策を講じております。
(10) 自然災害、パンデミック等について
当社グループは医薬品等卸売事業において、物流機能が大きな役割を果たしております。震災等の自然災害により物流機能が毀損した場合、販売物流活動に支障をきたす可能性があります。また、自然災害やパンデミック等の発生により事業活動を縮小せざるを得ない事態となった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは,事業継続計画(以下「BCP」という。)および災害時の各種マニュアルを策定し、大規模災害時において、医薬品等を迅速かつ安定的に供給するため、備蓄が必要とされる医薬品等のリスト化や配送拠点が被災した場合の近隣拠点によるバックアップ体制等を整備し、重要な社会インフラである医薬品等の流通機能が停止しないように最大限の対策を構築しております。
また、当社およびグループ会社での新型コロナウイルス感染拡大防止のための対策の検討等を実施し、必要に応じて当社およびグループ会社間で連携し対応するための体制を整えております。
(11) 事業投資に係るリスクについて
当社グループは、医薬品の流通を担う事業の運営上、物流センターや営業拠点等への設備投資(インフラ投資)が不可欠であります。これらのインフラ投資は多額かつその回収に長期間を要する傾向にあることから減損リスクを有しております。また、事業開発や事業拡大を視野に、医療関連領域のベンチャー企業への出資やM&A投資を実施することがありますが、これらも同様に減損リスクを有しており、これらの投資の成否によっては、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、一定規模以上の投資案件について事業投資委員会に諮り検証のうえ決定機関に答申することにより、減損リスクを低減する体制を構築しております。
(12) 気候変動リスクについて
当社グループにとって、気候変動はサステナビリティ経営に影響を及ぼす重要課題の一つと認識しており、当社グループ全体の気候変動に関する影響の評価等のためシナリオ分析を実施しております。事業におけるリスク・機会のうち、経営成績等に影響を及ぼす可能性の観点から重要度の高い項目については以下のとおりであります。
・移行リスク(1.5℃シナリオ) … 2050年カーボンニュートラルに向けて、政策・規制導入や市場変化が急速に進行することで、地球の平均気温上昇が産業革命前の水準に比べ1.5℃に抑えられる想定。 → 脱炭素化に向け、移行による影響が最大
・物理的リスク(4℃シナリオ) … CO2排出削減に向けた政策・規制や社会の取り組みが進まず、地球の平均気温上昇が産業革命前の水準に比べ4℃となる想定。災害などの気候変動による影響が甚大化する。 → 脱炭素化に向けた移行は想定しないが、気候変動の影響が最大
当社グループでは、CSR推進委員会の下部組織としてTCFD分科会を設置し、リスクマネジメントを統轄するコンプライアンス・リスクマネジメント会議と連携して気候変動リスクと機会の特定・重要性評価・対策の推進・モニタリングを行い、取締役会へ報告する体制としております。これらのリスクマネジメントを通じてリスクの低減を図るとともに、積極的な環境負荷低減および環境課題解決に取り組んでおります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要については次のとおりであります。なお、経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容については、各項目に含めて記載しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国経済は、一部に弱さがみられるものの個人消費や設備投資などを中心に緩やかな持ち直しがみられました。一方で、世界的な金融引締め等が続くなか、海外景気の下振れが景気を下押しするリスクとなっております。
新型コロナウイルス感染症の流行が長期化し、収束の兆しがみられるものの依然先行き不透明な状況のなか、当社グループにおいては、生命関連商品を取り扱う社会インフラとしての使命を果たすべく、感染再拡大防止の対策を行うとともに、お取引先様および当社グループ従業員の安全を確保しながら医薬品等の高品質かつ安定的な供給に努めてまいりました。
当社グループでは、今年度新たに「22-24中期経営計画 未来への躍進 ~進化するヘルスケアコンソーシアム®~ (以下「22-24中計」という。)」を策定し、グループ経営方針に掲げた「事業モデルの強化と新たな価値の創造」「グループ一体となった取り組みによる地域の健康・医療への貢献」「環境保全への取り組み等を通じたサステナブル社会への貢献」「ダイバーシティを中心とした人財戦略の推進」「コンプライアンスの遵守を最重要とする企業風土の醸成」に取り組んでおります。
2023年2月、当社は株式会社温仙堂(本社:長崎県諫早市)から、株式会社宮崎温仙堂商店(本社:長崎県諫早市)のすべての株式を取得し、完全子会社化いたしました。これにより、九州エリアにおける事業基盤強化を図ってまいります。
「新たな価値の創造」への取り組みとして、当社は、地域医療連携推進を目的とする株式会社ゲッカワークス(本社:東京都千代田区)を設立し、2022年11月、医師向け会員制Webサービス「ドクシル」の実証実験を開始いたしました。今後、ヘルスケアに携わる方々をつなぐ私たちの活動を新たなステージへ進め、地域医療連携に貢献してまいります。
また、連結子会社のアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、以下「アルフレッサ」という。)は、再生医療等製品の安定供給に貢献することを目的に、セルリソーシズ株式会社(本社:東京都千代田区)を設立いたしました。同社は、福島県郡山市に建設した他家細胞のCPC(細胞培養加工施設)を通じ、創薬を行う製薬企業等に対して高品質なマスターセルを安定的に供給することを目指すとともに、事業譲受した川崎市川崎区のCPCにおいて自家細胞も取り扱うことで、自家細胞と他家細胞の両面から再生医療分野の製造機能の強化を図ってまいります。
当連結会計年度における当社グループの業績は、医療用医薬品等卸売事業の大幅な増収により売上高2兆6,960億69百万円(前期比4.3%増)、増収効果と売上総利益率維持により売上総利益は前期比46億17百万円の増加となりました。一方で販売費及び一般管理費は、貸倒引当金戻入額の計上があったものの、運送費、修繕費、水道光熱費、減価償却費および研究開発費の増加により前期比35億59百万円の増加となりました。これにより、営業利益は301億48百万円(同3.6%増)、経常利益は328億31百万円(同0.8%増)となりました。また、特別利益に投資有価証券売却益93億3百万円、特別損失に投資有価証券評価損11億59百万円、独占禁止法関連損失引当金繰入額9億93百万円を計上したこと等により親会社株主に帰属する当期純利益は257億86百万円(同19.9%減)となりました。
なお、2023年3月、アルフレッサは、独立行政法人国立病院機構(NHO)または独立行政法人労働者健康安全機構(JOHAS)が運営する九州エリアに所在する病院が調達する医薬品に関して独立行政法人国立病院機構本部が行う入札等において、公正取引委員会より独占禁止法に基づく排除措置命令および課徴金納付命令を受けております。
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
① セグメント別の業績
(A) 医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品等卸売事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の流行が長期化するなか、医薬品の安定供給はもとより、新型コロナウイルスワクチンおよび治療薬の配送業務ならびに欠品や需給調整が続くジェネリック医薬品への対応に尽力してまいりました。
また、スペシャリティ領域ならびにメディカル品へのリソース集中とDXによる事業変革を図るべく、「22-24中計」の重点施策として掲げた「既存事業の強化」「事業変革による収益化」「グループ全体での最適化・効率化・標準化」に取り組んでおります。
2022年11月、連結子会社の東北アルフレッサ株式会社(本社:仙台市若林区、福島県郡山市)は、仙台市若林区へ仙台本社を新設し、従来の本社との2本社制へ移行いたしました。東北地方最大の都市である仙台市に本社を設置することで、お得意様への一層のサービス向上や製薬企業をはじめとするお取引先様とのさらなる連携強化を図り、東北地方の地域医療へこれまで以上に貢献してまいります。
2023年2月、アルフレッサは、多様化する薬局業務への新たな価値提供を目指して資本提携先でありクラウド型電子薬歴のリーディングカンパニーである株式会社アクシス(本社:東京都千代田区)を傘下に持つアクシスルートホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区)との間で追加出資に関する契約を締結いたしました。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、2022年4月に実施された薬価改定のマイナス影響があったものの、市場の伸長、独占禁止法違反による医療機関における入札指名停止期間の終了および診断薬等の「メディカル品」の需要拡大等の影響により増収となりました。また、流通改善および売上総利益率維持に努めた結果、売上高2兆3,953億58百万円(前期比4.7%増)、営業利益269億70百万円(同8.6%増)となりました。
なお、売上高には、セグメント間の内部売上高168億27百万円(同6.9%増)を含んでおります。
(B) セルフメディケーション卸売事業
セルフメディケーション卸売事業におきましては、既存領域の高収益化と成長領域への挑戦を推進し、「22-24中計」の重点施策として掲げた「高収益化への取り組み」「グループ連携強化」「事業変革による収益力強化」に取り組んでおります。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染予防関連商品の需要の落ち込みや競合他社との競争激化による減収要因の一方で、訪日外国人の増加に伴うインバウンド需要の回復や利益・コスト面の管理を徹底したこと等により、売上高2,466億79百万円(前期比0.8%増)、営業利益21億10百万円(同12.9%増)となりました。
なお、売上高には、セグメント間の内部売上高5億27百万円(同13.6%減)を含んでおります。
(C) 医薬品等製造事業
医薬品等製造事業におきましては、「次代の基盤創り」を目指し、「22-24中計」の重点施策として掲げた「安心・安全・誠実なモノづくり」「トータルサプライチェーンサービスの実現に向けた取り組み」「デジタルを活用した新たな取り組み」を推進しております。
2022年12月、連結子会社のアルフレッサ ファーマ株式会社(本社:大阪市中央区、以下「アルフレッサ ファーマ」という。)およびサンノーバ株式会社(本社:群馬県太田市)は、アルフレッサ ファーマを存続会社とする吸収合併契約を締結し、2023年4月1日付で合併いたしました。本合併により新たな価値の創造を通じて顧客満足を追求し、当社グループが掲げる「健康に関するあらゆる分野の商品・サービスを提供できるヘルスケアコンソーシアム®」の実現に貢献してまいります。
2023年3月、アルフレッサ ファーマは、株式会社ケイファーマ(本社:東京都港区)と筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬としてのロピニロール塩酸塩の国内開発権・製造販売権許諾契約を締結いたしました。本治療薬を新たな選択肢として患者様に一日でも早くお届けできるよう開発を加速してまいります。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、製造販売権を承継した長期収載品の売上伸長および新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原迅速検査キット「アルソニック® COVID-19 Ag」の需要が拡大した一方で、受託製造における減収ならびに減価償却費の増加およびALS治療薬に係る契約一時金支出などの経費増により、売上高490億41百万円(前期比3.6%増)、営業利益4億20百万円(同77.5%減)となりました。
なお、売上高には、セグメント間の内部売上高138億58百万円(同8.7%増)を含んでおります。
(D) 医療関連事業
医療関連事業におきましては、予防からターミナルケアまでライフジャーニーにおけるすべてのステージに対応する「かかりつけ薬局」を目指し、「22-24中計」の重点施策として掲げた「在宅医療への取り組みによる事業の成長」「DXによる事業変革」「未病予防への取り組み」を推進しております。
当セグメントの当連結会計年度の業績は、薬価改定に伴う減収の一方で、連結子会社のアポクリート株式会社(本社:東京都豊島区)による同社子会社(非連結子会社)からの事業譲受に伴う増収等の影響により、売上高362億2百万円(前期比5.0%増)、営業利益3億30百万円(同80.7%増)となりました。
② 生産、受注及び販売の実績
(注)1.金額は実際の仕入額によっております。
2.セグメント間の内部仕入高は308億52百万円(前期比107.5%)であり、上記金額に含めております。
仕入実績と販売実績の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前期末比358億61百万円増加し、1兆3,398億52百万円となりました。
流動資産は、180億56百万円増加し、1兆345億27百万円となりました。これは主として、売上債権が211億65百万円、「商品及び製品」が51億92百万円、「未収入金」が53億74百万円、「その他」が40億97百万円増加および「貸倒引当金」が18億32百万円減少した一方で「現金及び預金」が203億13百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、178億4百万円増加し、3,053億25百万円となりました。これは主として、物流センター等の設備投資などに伴い有形固定資産が140億63百万円増加および保有株式の株価上昇等に伴い「投資有価証券」が42億71百万円増加したことによるものであります。
セグメント別の総資産は、以下のとおりであります。
医療用医薬品等卸売事業のセグメント資産は、前期末比207億33百万円増加し、1兆1,390億33百万円となりました。これは主として、売上債権等の流動資産が増加、物流センター等の設備投資に伴い「土地」等の有形固定資産が増加および保有株式の株価上昇等に伴い「投資有価証券」が増加したことによるものであります。
セルフメディケーション卸売事業のセグメント資産は、67億21百万円増加し、897億17百万円となりました。これは主として、売上債権等の流動資産が増加および保有株式の株価上昇に伴い「投資有価証券」が増加したことによるものであります。
医薬品等製造事業のセグメント資産は、4億43百万円減少し、700億82百万円となりました。これは主として、「商品及び製品」等の流動資産が増加した一方で、製造販売権等の無形固定資産が減少したことによるものであります。
医療関連事業のセグメント資産は、3億83百万円減少し、163億32百万円となりました。これは主として、関係会社の清算によるものであります。
当連結会計年度末における当社グループの負債は、前期末比193億60百万円増加し、8,515億17百万円となりました。
流動負債は、229億19百万円増加し、8,257億32百万円となりました。これは主として、「支払手形及び買掛金」が250億93百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、35億58百万円減少し、257億84百万円となりました。これは主として、「独占禁止法関連損失引当金」の流動負債への振り替えに伴い39億94百万円減少したことによるものであります。
結果として、当連結会計年度末における当社グループの純資産は、165億円増加し、4,883億35百万円となりました。これは主として、「利益剰余金」が146億34百万円増加および保有株式の株価上昇に伴い「その他有価証券評価差額金」が23億74百万円増加したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物は、前期末比203億32百万円減少し、1,587億76百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、「税金等調整前当期純利益」が385億91百万円と前期と比べ95億88百万円の減益となったことに加えて、「法人税等の支払額」が増加したこと等により、130億86百万円の増加(前期は365億46百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、保有株式の縮減を目的とした投資有価証券の売却による収入が減少したことに加えて、物流センターの建設等の設備投資に伴う支出が増加したこと等により、205億39百万円の減少(前期は23億4百万円の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払があったものの前期は「自己株式の取得による支出」があったこと等により、129億18百万円の減少(前期は291億51百万円の減少)となりました。
〈資本の財源および資金の流動性〉
アルフレッサグループは、日本の社会インフラである医薬品サプライチェーンを製造、卸売、調剤薬局等の各事業領域で支え、必要な時に、必要な医薬品を、必要な場所へ、安定的に供給することに貢献しております。
社会的責任の遂行と持続的な企業価値の向上には、財務の健全性、資本効率の向上、安定的・継続的な株主還元の最適バランスを追求し、さらなる企業価値を追求することが当社グループの財務・資本戦略の基本となっております。
当連結会計年度末における純資産のうち当社の持分は、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上がり、配当金の支払いやその他の包括利益の増減により、4,880億90百万円(前期末比164億97百万円増加)となり、この結果、自己資本比率は36.4%となりました。
また、株式会社格付投資情報センターの発行体格付は「A+」(2022年8月格付)を2023年5月末時点で維持しております。
財務健全性のさらなる向上には財務基盤・収益基盤の強化が不可欠であるため、当社グループの資本配分計画に基づき、事業拡大投資・事業強化投資を実行してまいります。
株主還元を含むこれら資本配分の財源(資金の調達方法)は、主に営業活動により得られるキャッシュ・フローを源泉とした自己資金によっております。なお、当連結会計年度における主要な使途等については前記「(3) キャッシュ・フロー」を、翌連結会計年度以降については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当連結会計年度末における「現金及び預金」残高は1,601億22百万円であり、連結ベースの流動比率は125.3%、総資産に対する流動資産の比率は77.2%、流動負債の比率は61.6%であることから、十分な流動性を確保しているものと認識しております。また、当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)により、グループ内の資金需要と運用の最適化および資金の効率的な活用を図っております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定について検討いたしましたが、当該見積り等に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があるものの、経営成績等に与える影響は軽微であると判断しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(1) 販売提携契約
(2) 共同開発契約
(3) 開発権・製造販売権許諾契約
(4) 業務提携契約
当社グループにおきましては、製品の開発管理体制、評価体制を強化・整備して領域を絞り込んだ自社開発を行うとともに、他社からの導入開発および他社との共同開発に積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は
医療用医薬品分野では中枢神経系疾患を主要領域とする研究開発を進めており、アナフィラキシーに対する補助治療薬の開発を進めております。また、2023年3月から指定難病である筋萎縮性側索硬化症の治療薬の開発をスタートさせました。
診断薬分野においては、大腸がん検診等に使用する便潜血機器試薬システム、潰瘍性大腸炎などの難治性疾患の病態把握の補助に使用する検査試薬、さらに呼吸器感染症を主領域とした迅速診断キット(POCT)等の開発を進めており、2023年2月にヘモグロビンキット(免疫学的唾液中ヘモグロビン検出用)「ネスコート® Sa-Hb オート」の発売を開始いたしました。
医療機器分野においては、主として外科領域における製品の研究開発を進めており、2022年11月に放射線治療用吸収性組織スペーサ「ネスキープ®」の適用を粒子線から放射線へ拡大する製造販売承認事項一部変更承認を取得いたしました。また、2022年11月に新規パーキンソン病治療薬専用の皮下投与インフュージョンポンプ「ヴィアフューザー®皮下投与システム」の製造販売承認を取得いたしました。