(1) 経営方針
当社グループは、産業用小型プリンタ専門の開発・製造・販売会社として、「世界的視野に立ち、社会の発展に必要な質の高い技術、商品知識、ノウハウを提供することにより、社会の構成員の一翼を担うと共に、社会的責任を履行する」を経営理念としております。
めまぐるしく進化する情報技術やお客様のニーズが多様化する中、この経営理念を確実に実行するために、「堅実経営」を柱としながら、国内外の市場に対し、当社独自の質の高い技術・商品・サービスを広く社会に提供し、社会とともに永続的な発展を図り強固な企業基盤を確立し企業価値を高めて行くことが重要な使命であると考えております。
また当社グループは、顧客に提供するサービスの高品質化を図るとともに、環境と調和した社会基盤の形成に資する事業活動を推進しつつ、事業の生産性を向上させる事を目的として、全社レベルでのISO14001 の認証取得、開発・生産部門におけるISO9001の認証取得などに積極的に取り組んで参りました。
今後もお客様志向を基に、企業としての成長と利益を確実なものとして、株主・取引先・従業員・社会に対する責務を果たしていくために、事業に邁進して参ります。
(2) 経営環境
今後の世界経済の動向ですが、世界の主要な経済機構や研究機関では、いずれもやや減速との見方を示しております。
中国は米中貿易摩擦の影響による経済の減速を想定し、今年度大幅な減税と社会保険料の引き下げという内需刺激策を打ち出しておりますが、今後の貿易収支の悪化は避けられず、周辺アジア諸国の経済悪化も懸念されております。
そして国内消費が良好な米国でも今後の経済的リスク要因として、政治・政策の機能不全、インフレ加速、資産バブル崩壊などが想定されております。
また、ヨーロッパではイギリスのEU離脱およびドイツ、イタリアの政治・経済不安も続いており、世界的に景気の勢いが失われていく可能性が大きく、様々なリスクが積み上がっております。
我が国では金融機関の経営難が現実化する可能性もありますし、今年10月の消費税増税による内需縮小も懸念されております。
将来的には、人手不足の深刻化により自動化・省力化が急速に進むものと予測されております。
(3) 対処すべき課題
当社における当連結会計年度の実績では、一部の金融機関向け製品の受注増、小売業の省力化に向けた無人POSレジ関連商品の需要増、北米ガソリンスタンド向け製品の受注増と、国内海外の経済社会情勢を反映したものとなっており、当社にとりましては、良いビジネス環境となっておりました。
その実績を更に積み重ね、業績の飛躍的向上を目指す為に、今年度の対処すべき課題として、以下のような取り組みを行ってまいります。
① 組織
若手の登用により組織を新しく致します。やる気のある人を年齢性別に関係なく登用し、営業活動を支える基盤であり原動力としての新たな人材を積極的に採用して参ります。
② 拠点
国内において、現在及び今後の需要増が見込まれている関西地域に京都営業所を増設し、若手の活躍できる拠点を増やすとともに、北米拠点設立の足掛かりを築いていきます。
また、生産拠点である日本プリンタエンジニアリングにおいては、既に工場用地を取得し、受注状況に応じて増産体制をとれる準備をしております。
③ 研究開発
後述 5[研究開発活動]の項目を、ご参照ください。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を把握したうえで、その発生の回避及び発生した場合の迅速・的確な対応に努める方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末において、当社が判断したものであります。
① 仕入先・販売部門
当社の売上高の大半はプリンタメーカーからの仕入商品の販売によるものであります。一方、主要仕入先である大手プリンタメーカーまたはその販売子会社は、産業用小型プリンタに関して独自の販売部門を有しております。これらの販売部門と当社は常に競業関係にあります。当社は取引先ユーザーに対して定期的な訪問を行うことにより顧客ニーズの把握に努めております。
また、少量の受注であっても子会社である日本プリンタエンジニアリング㈱において、カスタマイズ等の対応を行うことにより、一定の顧客層を確保しております。しかしながら、今後、大手仕入先の販売方針の変更等が行われた場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
② 業界動向と業績の変動について
当社グループは、産業用小型プリンタの販売を主要業務としており、当社グループの取扱商品及び製品の需要動向は企業の設備投資動向に影響される可能性があります。当社グループでは幅広い業界に販売を行うことにより、個別企業からの受注減少による影響を軽減するよう留意しております。
しかしながら、長期にわたる不況の影響、メーカーの生産拠点の海外移転、競合商品に対するコスト競争力の低下、主要販売分野であるPOSや計測器分野におけるメーカーの統合、IT技術の急激な革新等により当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
③ 為替変動
輸出売上に関しましてはスポットレートにて決済を行っており、為替相場により売上および収益の計上額が影響を受けます。また、外貨取引におきましては、保有外貨(米ドル)を一部輸入代金の決済に回しておりますが、為替に対するヘッジ策をとっておらず外貨預金及び外貨建債権に係る為替差損益の発生等により業績が影響を受ける可能性があります。
④ 知的所有権の侵害について
当社グループは、子会社である日本プリンタエンジニアリング㈱において、新製品の開発を積極的に行っております。そのため新製品開発に係る知的所有権の調査、確認、管理、保全等に努めておりますが、当社グループの認識していない知的所有権等が既に成立している可能性もあるため、今後当社グループが第三者の知的所有権等を侵害しないということを現時点において保証することはできません。従いまして、当社グループが第三者の知的所有権等を侵害し、当該知的所有権等の所有者から当社グループに対して権利侵害を主張してきた場合、当社グループが損害賠償請求を受けたり、当該知的所有権等を使用する製品を提供できなくなったり、使用継続を認められる場合でもロイヤリティ等の支払いを要求される可能性があります。そのような事態が発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
⑤ 製造物責任について
当社グループは子会社である日本プリンタエンジニアリング㈱において、製品の製造、開発を行っており、製造物責任法(以下、PL法という)の適用を受けております。現時点までにPL法に関する訴訟は生じておりませんが、そのような事態が発生した場合、当社グループの製品への信頼性の低下や損害賠償請求等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、OEM製品及び自社製品の開発の遅れ等によりクレームが発生し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度の国外経済情勢は、米国、欧州、アジアの主要国や先進国全般にわたって、世界的な景気回復傾向が見られたものの、今後につきましては、不透明な状況となっております。
国内の経済情勢は、緩やかな企業業績の向上や雇用の拡大傾向は見られましたが、インバウンド以外の消費は低迷している状況です。
このような経済環境の中、当社グループは、顧客、市場の製品需要に対応すべく、きめ細かな営業活動を行い、一部の金融機関向け製品の受注増、小売業の省力化に向けた無人POSレジ関連商品の需要増、北米ガソリンスタンド向け製品の受注増により、売上高は、59億32百万円(前年同期比8.9%増)となりました。
営業利益は、5億31百万円(前年同期比10.2%増)となりました。
期末において、保有外貨につき円安により91百万円の為替差益が発生しており、経常利益は、6億66百万円(前年同期比63.8%増)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、4億62百万円(前年同期比43.5%増)となりました。
なお、商品群別業績では、次のとおりであります。
当連結会計年度における商品群別業績は、ミニプリンタメカニズムが1億95百万円(前年同期比2.0%増)、ケース入りミニプリンタの売上高は36億26百万円(前年同期比12.4%増)となりました。
また、ミニプリンタ関連商品は7億61百万円(前年同期比3.4%増)、消耗品は4億62百万円(前年同期比0.7%増)、大型プリンタは1億17百万円(前年同期比8.7%減)、その他は7億68百万円(前年同期比9.7%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
① 財政状態
資産、負債および純資産の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて 5.1%増加し、61億2百万円となりました。これは、主として現金及び預金が2億90百万増加、受取手形及び売掛金が1億60百万円増加したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて 6.3%増加し、20億3百万円となりました。これは、主として工場用地として取得した土地が40百万円増加し、投資有価証券が54百万円増加したことによります。
この結果、総資産は、前連結会計年度と比べて5.4%増加し、81億5百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ5.5%増加し、19億15百万円となりました。主な増減は、支払手形及び買掛金が15百万円の増加、未払法人税等が57百万円の増加となっております。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて0.5%減少し、3億95百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて4.5%増加し、23億10百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて5.7%増加し、57億95百万円となりました。主な要因は利益剰余金 3億57百万円の増加及びその他有価証券評価差額金43百万円の減少であります。
1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べて59円73銭増加し、1,101円18銭となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の71.3%から71.5%となりました。
② 財政政策
当社グループの財政政策の基本につきましては、運転資金は内部資金により賄うこととしており、設備投資資金を除き、当面借入金による資金調達を行わない方針であります。
(3) 経営成績の分析
① 経営成績
a. 売上高
当連結会計年度における売上高は59億32百万円(前年同期比8.9%増)となりました。主な要因は、国内売上につきましては小売業向けPOSレジ関連製品の売上増、海外売上につきましては、ガソリンスタンド向けPOS需要の増加によります。
b. 売上総利益
売上高が前年同期比で増加したことにより、当連結会計年度の売上総利益は、前年同期比5.2%増の16億52百万円となりました。なお、売上総利益率は、前連結会計年度より1%減少し、27.9%となっております。
c. 販売費及び一般管理費
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、11億20百万円と前連結会計年度に比べ32百万円(対前年同期比3.0%)の増加となりました。主な要因は役員報酬が5百万円の増加、広告宣伝費が6百万円の増加、備品費が9百万円の増加となっております。
d. 営業利益
当連結会計年度における営業利益は5億31百万円(前年同期比10.2%増)となりました。
e. 経常利益
当連結会計年度における経常利益は6億66百万円(前年同期比63.8%増)となりました。主な要因は、期末における保有外貨の為替換算差額である為替差益91百万円の計上によるものです。
f. 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は6億69百万円(前年同期比40.6%増)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は2億6百万円(前年同期比34.6%増)となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は4億62百万円(前年同期比43.5%増)となりました。
② 生産、受注及び販売の状況
当社グループの報告セグメントは「ミニプリンタの開発・製造・販売事業」のみですが、以下ではより詳細な区分に分類し開示を行っております。
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、(以下「資金」という。)前連結会計年度に比べ6億50百万円増加し19億7百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によって得られた資金は、4億11百万円(前年同期5億85百万円)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益の計上6億69百万円、減価償却費81百万円のインフローに対し売上債権の増加1億60百万円、為替差益91百万円、法人税等の支払額1億71百万円のアウトフローとなったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によって得られた資金は、3億88百万円(前年同期△3億55百万円)となりました。これは主に、定期預金の払戻しによる収入40億28百万円に対して、預入による支出36億1百万円、有価証券の取得による支出が1億12百万円、投資有価証券の売却による収入が1億55百万円に対して投資有価証券の取得による支出が1億25百万円であったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により支出した資金は1億65百万円(前年同期1億62百万円)であり、これは主に配当金の支払1億5百万円によるものであります。
仕入関係契約
当社グループにおける研究開発活動は、従来どおり、市場ニーズを先取りし、顧客に信頼される耐久性ある商品の企画・開発を旨としております。
流通業向けのプリンタについては、従来のレジスター組込みタイプの他、PCと販売・在庫管理などのシステム、キャッシュドロワー(現金収納箱)、ディスプレーやタブレットと一体で販売される卓上プリンタの出荷も増加しており、それらWi-Fi無線LAN接続などのIT技術に対応するため、当社における営業情報や、営業受注の内容に基づき、日本プリンタエンジニアリング㈱において新技術の開発に注力すると同時に、新製品の開発、製造を行っております。
最近では、高齢化社会に向け、フォントのサイズを大きくしたデカ文字プリンタや、用紙のサイズの大きな幅広プリンタ、低価格の卓上プリンタなどの開発・製品化を実現しております。
また、「海外市場特化モデル」である主に北米や欧州の製品需要者ニーズに合った外観や機能を備えた製品の開発も継続して行っております。
また、今後につきましては、付加価値が高く利益を確保できる製品と低価格の製品の二極化への対応も重要です。
高付加価値製品としては、医療、金融、物流、サービス、環境配慮など使用目的による特殊性に配慮した製品、また低価格の製品としては利便性と価格を最優先とする小型で、手軽で、どこでもプリントできるような製品の開発を目指します。
当社グループの報告セグメントは「ミニプリンタの開発・製造・販売事業」のみであり、当連結会計年度における研究開発費は