当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の概況
現在、世界経済は、資本と労働を中心とした旧来の供給構造と、情報技術を基盤とする新たな経済基盤との間
で、構造的な変化を迎えています。また、戦後の通貨体制も、地政学的リスクの高まり、貿易政策の見直し、累積債務への懸念を背景に、大きな転換点に差し掛かっています。
こうした中、安全資産とされてきた長期国債などからの資金流出が進み、金は各国通貨に対して過去最高水準で再評価されています。
このような環境において、希少性が高く、保管や移転が容易で、信用仲介を必要としないビットコインの戦略的意義が急速に高まっています。
当社は、ビットコインが再構築される金融システムの中で、今後中核的な役割を果たすと確信しており、2024年度よりビットコイントレジャリー企業へと転身いたしました。
当社の戦略は明快です。
「株主の皆様を代表して、慎重かつ迅速に、可能な限り多くのビットコインを蓄積する」
これこそが、私たちの中長期的な企業価値向上に資する最も合理的な手段であると考えております。
当中間連結会計期間において、当社グループの売上高は前年同期比1,156%の大幅増となり、営業利益は1,409百万円を計上いたしました。これは、ビットコイントレジャリー事業をはじめとする当社の事業戦略が着実に成果を上げていることを示すものです。
なお、当四半期末時点においてはビットコイン価格の回復に伴い、営業外収益として10,035百万円のビットコイン評価益を計上しております。
以上の結果、当中間連結会計期間における当社グループの業績は、売上高2,116百万円(前年同期比1,156.0%増)、営業利益1,409百万円(前年同期は営業損失115百万円)、経常利益10,565百万円(前年同期は経常損失176百万円)、親会社株主に帰属する中間純利益6,059百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失176百万円)となりました。
※ 当第2四半期のビットコイントレジャリー事業に関する説明
当社は、第2四半期においても引き続き、ビットコイン(BTC)を中核とした財務戦略を力強く推進し、計画通りにBTCの積極的な取得を進めてまいりました。
その結果、当社が重視する主要KPIである「BTCイールド」「BTCゲイン」「BTC円ゲイン」において、今四半期も高水準の成果を記録しております。
・BTCイールド:129.4%
・BTCゲイン:5,237BTC
・BTC円ゲイン:93,256百万円
2025年2月に発行した2.1億株相当の新株予約権が全量行使されたことにより、当社のBTC蓄積ペースはさらに加速しました。
また、2025年6月末時点におけるBTC保有残高は13,350 BTCに達し、完全希薄化後発行済株式数は826,567,925株となりました。これにより、完全希薄化後1株当たりBTC保有量は 0.0161511 BTCと、前年末(2024年12月末:0.0035987 BTC)から約4.4倍に上昇しております。
これらの成果は、当社が推進するビットコイントレジャリー事業が、短期的な市場環境に左右されず、一貫して株主価値を高める構造的優位性を持っていることを裏付けるものと考えております。
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2024年9月30日 |
2024年12月31日 |
2025年3月31日 |
2025年6月30日 |
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BTC保有総額 |
398.832 |
1,761.98 |
4,046 |
13,350 |
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発行済普通株式 |
181,692,180 |
362,683,400 |
459,823,340 |
654,714,340 |
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完全希薄化後発行済株式数 注:1 |
454,201,850 |
489,604,170 |
574,779,175 |
826,567,925 |
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完全希薄化発行済株式1株当たりBTC 注:2 |
0.0008781 |
0.0035987 |
0.0070392 |
0.0161511 |
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BTCイールド(%、四半期累計) |
41.7% |
309.8% |
95.6% |
129.4% |
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BTCゲイン(四半期累計) |
59 |
1,236 |
1,684 |
5,237 |
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BTC円ゲイン(百万円、四半期累計) |
¥1,047 |
¥22,001 |
¥29,993 |
¥93,256 |
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BTC/円参照価格 注:3 |
¥17,805,994 |
¥17,805,994 |
¥17,805,994 |
¥17,805,994 |
注:1.完全希薄化後発行済株式数は、(i) 発行済普通株式総数、(ii) 転換社債の転換が仮に行われた場合の潜在株式数、(iii) 発行済ストックオプションの行使による潜在株式数、(iv) 権利行使された新株予約権による株式数、で構成され、それぞれの日付時点におけるものです。米国市場の報告基準に合わせるため、行使価格修正条項付新株予約権は、潜在的な株式の希薄化をより正確に反映させるために、行使後にのみ含めることとします。さらに、At-The-Market(ATM)株式発行の報告基準との整合性を保つため、ビットコイン購入のために発行された割引率0%の新株予約権は、行使後に売却代金が当社に支払われた時点で、初めて完全希薄化後株式数に反映されます。この手法は、米国におけるATM株式発行を用いた希薄化の測定方法と一致しているため、割引率0%の新株予約権の希薄化を最も正確かつ公平に測定できると考えています。なお、8月4日時点の発行済普通株式数および完全希薄化後発行済株式数は、8月1日時点の数値に基づいております。本開示日に新株予約権が行使された場合には、これらの数値は変動する可能性があります。
2.完全希薄化発行済株式1株当たりビットコインは、ビットコイン保有量合計を各表示日時点の完全希薄化発行済株式数で除して計算されます。その結果を1,000倍して、1,000株当たりのビットコイン数を表しております。
3.BTC円ゲイン(四半期累計)は、下記注記4に定義されるBTC/円参照価格にBTCゲインを乗じて計算されます。すべての期間において一貫した基準レートを適用することで、比較可能性が確保され、株主にとっての当該期間のBTCゲインの現在の円建て価値が反映されます。
4.BTC/円参照価格は、Bitflyerで公表されている最新の終値であり、以下のURLに掲載されています:https://bitflyer.com/en-jp/s/closing-price
5.この表のすべての株式数の数値は、2025年4月1日に実施された10株を1株に併合する株式分割を反映して調整されています。BTCイールドの数値は、株式分割の影響を受けないため、変更されていません。
※ 555ミリオン計画について
当社は2025年6月6日付で、新たに555ミリオン計画:ビットコイン計画2025-2027を公表しました。2025年1月28日付で公表しておりました既存の「21ミリオン計画」を大幅に上方修正した計画となります。
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21ミリオン計画(従来計画) |
555ミリオン計画(修正計画) |
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2025年BTC保有目標 |
10,000BTC |
30,000BTC |
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2026年BTC保有目標 |
21,000BTC |
100,000BTC |
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2027年BTC保有目標 |
設定なし |
210,000BTC |
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2025年BTCイールド目標 |
通年で232% |
通年で600%超 |
当社は、アジア地域におけるBTCトレジャリー企業としてのリーディングポジションの確立を目指し、長期的視点に立脚した資本政策と透明性の高い財務運営を継続的に推進しております。
当社の中核戦略は、資本市場を通じて機動的かつ効率的に資金を調達し、BTCの継続的な取得を実行することにより、完全希薄化後ベースでの1株あたりBTC保有量(BTC per Share)を持続的に向上させるというものです。この指標は、当社が最も重要視する経営KPIの一つです。
この戦略の一環として、2025年6月6日付で、行使価額修正条項付の第三者割当による新株予約権(第20回〜第22回)の発行を決議いたしました。当社の555ミリオン計画にちなみ、総潜在株式数5億5,500万株に設定しております(各回号につき潜在株式数はそれぞれ1億8,500万株に設定しております)。
当該新株予約権は、時価連動型の行使価額を採用しており、各シリーズの行使条件は以下の通りです。
第20回:直前3営業日の終値平均(ディスカウントなし)
第21回:直前3営業日の終値平均+1%プレミアム
第22回:直前3営業日の終値平均+2%プレミアム
このように、行使価額に市場連動性を持たせつつも、希薄化の抑制を重視した設計となっており、株式市場における価格形成や需給に配慮した枠組みとしています。
この柔軟性と透明性を兼ね備えたエクイティ・ファイナンス手法は、当社株式の高い流動性と価格変動特性を活かし、スピード・規模・コストの各面で極めて効率的な資金調達を可能とするものです。
実際、2025年6月末時点においては、5,400万株(行使率:9.7%)が行使され、累計749億円の資金調達を実現しております。
今後も、新株予約権の行使状況を注視しつつ、資本市場の状況とBTC価格動向を総合的に勘案したうえで、機動的かつ積極的にBTCの追加取得を進めてまいります。
※ 当社主要KPIの用語解説
BTCイールド:
BTCイールドとは、「1株当たりのBTC保有数量の成長率」を指します。当社では、株主の皆様に代わり、市場からの資金調達を通じて継続的にBTCを取得しております。この過程において、資金調達に伴う株式の希薄化の影響を考慮した上で、それでもなお増加させることができた1株当たりのBTC保有数量は、株主の皆様にとっての付加価値と捉えることができます。
このように、BTCイールドは希薄化を考慮した後の「完全希薄化後発行済株式1株当たりBTC保有数量の成長率」を示す指標であり、BTCを戦略的に保有・運用するトレジャリー企業である弊社にとって、最も重要なKPI(重要経営指標)の一つです。
BTCゲイン:
BTCゲインとは、「希薄化考慮後のBTC保有数量の増加量」を示す指標です。増加率を表すBTCイールドに対し、BTCゲインはその量を数量ベースで捉えるものです。具体的には、直前のBTC保有数量にBTCイールド(増加率)を乗じることで算出されます。
BTCゲインは、株式の希薄化を考慮した上で、株主の皆様に対して実際にどれだけのBTCを新たに創出できたかを「BTC数量」という具体的な単位で評価する指標であり、BTCイールドと並んで、当社にとって重要なKPI(重要経営指標)と位置付けています。
BTC円ゲイン:
BTC円ゲインは、BTCゲインにBTC現物の円建てスポット価格を乗じて算出される指標です。すなわち、ある一定期間に創出されたBTC数量を、円換算時価で評価したものとなります。
当社では、長期的にBTC円ゲインを着実に積み上げていくことが、企業価値の向上に資するものと考えております。その実現のためには、継続的に高いBTCイールド(1株当たりBTC保有数量の成長率)を維持することが重要であり、それによって将来的なBTC価格の円建てでの上昇を最大限享受できることが期待されます。
このような観点から、BTCイールドの維持とBTC価格の上昇は、BTC円ゲインの拡大(=円基準における当社の企業価値の向上)における極めて重要な要素であると認識しております。
(2)財政状態の分析
当中間連結会計期間末における総資産は238,214百万円となり、前連結会計年度末に比べ207,889百万円増加いたしました。
流動資産は28,507百万円となり、前連結会計年度に比べて25,821百万円増加しております。これは主に、現金及び預金が1,423百万円及び預け金が23,958百万円増加したためであります。
固定資産は209,155百万円となり、前連結会計年度に比べて181,630百万円増加しております。これは主に、有形固定資産が7百万円及び無形固定資産が3百万円減少した一方、ビットコインが181,636百万円増加したためであります。
負債合計は37,213百万円となり、前連結会計年度末に比べ23,853百万円増加しております。
流動負債は30,758百万円となり、前連結会計年度に比べて19,364百万円増加しております。これは主に、未払法人税等が1百万円減少した一方、1年内償還予定の社債が18,750百万円及びその他が616百万円増加したためであります。
固定負債は6,454百万円となり、前連結会計年度に比べて4,488百万円増加しております。これは主に、退職給付に係る負債が2百万円及び繰延税金負債が4,486百万円増加したためであります。
純資産合計につきましては、201,001百万円となり、前連結会計年度末に比べ184,035百万円増加しております。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益を6,059百万円計上し、当中間連結会計期間において新株予約権の行使により、資本金が88,721百万円及び資本剰余金が88,960百万円増加したためであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の294百万円に比べ1,423百万円増加し、1,717百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって獲得した資金は1,411百万円(前年同期は54百万円の支出)となりました。その主な要因は、税金等調整前中間純利益10,565百万円、減価償却費12百万円、ビットコイン評価益△10,035百万円及び為替差損786百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって支出した資金は196,112百万円(前年同期は1,830百万円の支出)となりました。その主な要因は、ビットコインの取得による支出△171,863百万円及び預け金の増減額(△は増加)△24,239百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって獲得した資金は196,125百万円(前年同期は2,341百万円の獲得)となりました。その主な要因は、社債の発行による収入96,379百万円、社債の償還による支出△78,161百万円、株式の発行による収入176,799百万円、新株予約権の発行による収入651百万円、自己株式の処分による収入498百万円及び自己株式の取得による支出△17百万円によるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループの対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)主要な設備
該当事項はありません。
(新株予約権の発行及び行使)
当社は、2025年1月28日開催の取締役会決議において、下記のとおり、EVO FUND(ケイマン諸島、代表者:マイケル・ラーチ、リチャード・チゾム)(以下「割当予定先」又は「EVO FUND」といいます。)を割当予定先とする第三者割当による第13回乃至第17回新株予約権(行使価額修正条項付及び行使停止条項付)の締結を決議しました。この2025年2月17日に発行いたしました第13回乃至第17回新株予約権(行使価額修正条項付及び行使停止条項付)の行使は、2025年5月19日付ですべて完了しております。
当社は、2025年6月6日開催の取締役会決議において、下記のとおり、EVO FUND(ケイマン諸島、代表者:マイケル・ラーチ、リチャード・チゾム)(以下「割当予定先」又は「EVO FUND」といいます。)を割当予定先とする第三者割当による第20回乃至第22回新株予約権(行使価額修正条項付及び行使停止条項付)の締結を決議しました。詳細は、「第3 提出会社の状況 1 株式等の状況 新株予約権の状況 ②その他の新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。
(普通社債の発行及び繰上償還)
当社は、当中間連結会計期間において、EVO FUNDに下記のとおり社債を発行する決議をしております。
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社債の名称 |
社債の総額 |
払込期日 |
償還日 |
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第6回普通社債 |
金4,000,000,000円 |
2025年2月13日 |
2025年2月21日 |
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第7回普通社債 |
金2,000,000,000円 |
2025年2月27日 |
2025年3月4日 |
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第8回普通社債 |
金2,000,000,000円 |
2025年3月12日 |
2025年3月26日 |
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第9回普通社債 |
金2,000,000,000円 |
2025年3月18日 |
2025年4月7日 |
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第10回普通社債 |
金2,000,000,000円 |
2025年3月31日 |
2025年5月2日 |
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第11回普通社債 |
金10,000,000米ドル |
2025年4月15日 |
2025年5月2日 |
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第12回普通社債 |
金3,600,000,000円 |
2025年5月2日 |
2025年5月9日 |
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第13回普通社債 |
金25,000,000米ドル |
2025年5月7日 |
2025年5月13日 |
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第14回普通社債 |
金21,250,000米ドル |
2025年5月8日 |
2025年5月15日 |
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第15回普通社債 |
金15,000,000米ドル |
2025年5月13日 |
2025年5月20日 |
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第16回普通社債 |
金50,000,000米ドル |
2025年5月28日 |
2025年6月25日 |
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第17回普通社債 |
金21,000,000米ドル |
2025年5月29日 |
2025年6月25日 |
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第18回普通社債 |
金210,000,000米ドル |
2025年6月16日 |
2025年6月25日 |
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第19回普通社債 |
金30,000,000,000円 |
2025年6月30日 |
2025年12月29日(予定) |
(注)1.第6回普通社債から第18回普通社債の上記社債は、社債の償還条項に基づき全額繰上償還しております。
2.第19回普通社債は、2025年7月7日付6,000,000,000円及び2025年7月15日付6,750,000,000円、社債の償還条項に基づき一部繰上償還しております。
3.上記社債には、利息は付しておりません。
4.なお、2025年6月30日開催の取締役会決議により、2024年11月18日付「第3回普通社債(保証付)の発行に関するお知らせ」でお知らせしました当社発行の第3回普通社債(保証付)の買入消却を決議し、社債の総額金1,750,000,000円及び社債利息金3,274,678円を同日返済しております。
(米国子会社の設立及び米国孫子会社の設立)
2025年5月6日付で、Metaplanet Treasury Corporationを設立しております。
詳細は、「第1 企業の概況 2 事業の内容」に記載のとおりであります。
また、2025年7月25日付で、Metaplanet Treasury Corporationの親会社として機能させ、同州に本社を置く米国持株会社であるMetaplanet Holdings Inc.を設立することを決議しました。
詳細は、「第4 経理の状況 重要な後発事象」に記載のとおりであります。