文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは80年の歴史で培った技術と信頼を基に、「顧客の信頼をもとに、たゆまなく発展する会社」の経営理念の実践によって、株主、顧客、地域社会、全従業員との良好な信頼関係を築き、環境、安全のコンセプトを守りながら社会的貢献に努めてまいります。
北米におきましては、ホースメーカーとして、研究、開発、製造、販売を含めた一体型の経営を推進してまいりました。また、北米全土の物流拠点の拡充により“ONE-STOP SHOPPING(一箇所で各種商品の調達可能)”、“SAME DAY DELIVERY(同日出荷)”を基本とし、顧客満足度の更なる向上に挑戦しております。欧州及び南米におきましては、ゴム製レイフラットホースの製造販売を行っており、北米事業との融合を図りながらグローバル展開を加速させてまいります。一方、日本国内では建機・農機メーカーのTier1サプライヤー、鉄道駅舎・商業施設やスポーツ施設の総合床材メーカー、スポーツアパレルの販売と多角的に事業を展開しており、高い品質と迅速な顧客対応能力を強みとしたメーカー機能を強化し、事業ポートフォリオの最適化を図り、安定した収益確保を実現してまいります。
また、当社グループは、地域社会に身近な幅広い分野の製品を取り扱っているため、持続可能な社会の実現を目指し、地球環境や人々の安全・安心を追求した製品の開発と拡販、ダイバーシティの推進、コーポレートガバナンス改革やSDGS「Sustainable Development Goals(持続的な開発目標)」及びESG「Environment(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(ガバナンス)」に関わる取組みを進めてまいります。特に、グローバル企業として経営成績を高め、経営を安定させるためにも、海外グループとの連携を深め、自然体でSDGS及びESGを推進出来るグローバルカンパニーを目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
目標とする経営指標につきましては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を掲げております。通期(2021年12月期)の連結経営目標は、対米ドル為替レートを104円と想定し、売上高520億円、営業利益28億円、経常利益30億円及び親会社株主に帰属する当期純利益17億円としております。
なお、当連結会計年度の経営成績におきましては、新型コロナウイルス感染拡大による景気後退の影響で苦戦を強いられたことから、売上目標565億円に対し11.6%減の499億53百万円となり、営業利益目標32億円に対し9.4%減の28億98百万円となりました。経常利益は、受取技術料等を計上したことから目標33億円に対し0.6%増の33億19百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失7億87百万円等を計上したことで目標22億円に対し34.4%減の14億44百万円となりました。
(3)経営環境
今後の世界情勢はワクチン普及の効果に期待しつつも2021年度第1四半期以降も感染終息時期の見通しが立たず、感染リスクの高い地域で経済活動の規制と緩和を繰り返しながら、2022年にかけて一定の防疫措置を継続すると予想しております。我が国においては足元の感染再拡大を受けて、自粛要請の強化により経済活動が抑制されるリスクがあります。しかしながら、延期されている東京オリンピック・パラリンピックが開催されることを前提に感染拡大防止と経済活動の両立をはかる中、景気は緩やかに持ち直してくることが期待されます。
このような経済状況の中、アジア事業における産業資材事業は、EV化の進展によりディーゼル乗用車市場向け販売の減少が将来的に予想されますが、排ガス規制が厳格化される中で高い動力性能が求められる建設機械・農業機械・トラック市場におけるディーゼルエンジンの採用は今後も続くことが見込まれ、当社グループが取り扱う尿素水識別センサーおよび尿素SCR用モジュール・タンクの需要は持続すると予想しております。当社グループといたしましては、引き続き日本の建機・農機のグローバルTier1サプライヤーの地位を確立すると共に、トラック市場への参入強化を図ることで一層の事業規模拡大を目指してまいります。
スポーツ・建設資材事業は、東京オリンピック・パラリンピック関連での需要に加え、防災拠点としての活用も考慮したメンテナンス需要が予想される教育施設をはじめとした体育館などのインドア施設への受注活動を推進してまいります。また、2025年度の大阪万博開催を控え、その関連施設工事やインフラ整備、都市再開発や鉄道関連工事等による建設需要が期待されることから、当社オリジナル製品である「スーパー・マテリアルズ」(大判セラミックタイル)や「エーストン」(ノンスリップタイル・点字タイル)を中心に受注活動を推進し、総合床材メーカーとしてのNO.1ブランドを目指してまいります。
その他事業のエアモンテ㈱が展開する「MONTURA」(イタリア製スポーツアパレル)は、2020年末にリニューアルオープンした「MONTURA OSAKA」を関西エリアの旗艦店と位置づけ、関東エリアの「MONTURA TOKYO」とともに販売強化を推進してまいります。併せてSNSを媒介とした広告宣伝をフル活用し、Eコマースの更なる拡大を図ってまいります。また、KOC㈱では衛生環境への意識の変化から生まれる要求に対応すべく、ダストコントロール事業の企画開発、商品販売、提案強化に取り組んでまいります。
北米事業におきましては、製販一体によるグループネットワークと迅速なサービスを基に、ホース市場での更なるシェア拡大を図ると共に、医療用ホース、DIY用途のペイントスプレーホースといった社会環境の変化から生まれた新たなニーズの取り込みに注力してまいります。また、ロジスティックスと在庫管理の改善による収益性向上にも継続して取り組んでまいります。
欧州事業におきましては、各種ホースの生産効率改善を図ると共に商品開発を推進し、消防機関向け、灌漑を含む農業分野向け市場等への更なる深耕に注力し、欧州地域における拡販にとどまらず、中東・南米・アフリカ・アジア地域における新規顧客獲得を目指してまいります。また、北米事業とのシナジー効果を加速させ、米国市場におけるシェア拡大を図ることで、営業黒字化に努めてまいります。
(4)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは下記をクリヤマグループグローバル戦略として掲げ、更なる成長と発展を目指しております。
1.日本の建機・農機のグローバルTier1サプライヤーとしての地位を確立する
2.産業用総合ホースメーカーとして品質と信頼のNO.1ブランドを目指す
3.現地生産・現地販売を推進し、各国の経済発展に貢献する
また、当社の社是に「企業の生命は、社員の成長と発展によって支えられる」を掲げており、「働き方改革」を経営戦略の1つとして捉えております。多様な働き方の実現やワークライフバランスの推進等により、生産性や品質の更なる向上を図り、「社員の豊かな生活を築き、家族ぐるみで愛される会社」を目指しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループがさらに収益力向上、また企業体質の強化を図るためにも、下記の重点課題に対し、全力をあげて取り組んでまいります。
◆アジア事業
[産業資材事業]
①建設機械,農業機械,トラック市場向けに排ガス規制関連製品(尿素水識別センサー及び尿素SCR用モジュール・
タンク等)の開発及び販売強化。
②顧客のグローバル化への対応。(海外現地調達力及び商品供給力の強化)
③製造メーカーとしての品質のさらなる向上及び迅速な顧客対応能力の強化。
④㈱サンエーにおける次世代新製品の研究・開発強化。
[スポーツ・建設資材事業]
①大型商業施設向けにオリジナルブランド商品である「スーパー・マテリアルズ」(大判セラミックタイル)等の受注活動の強化。
②バリアフリー、安全、都市景観をキーワードとして、鉄道施設、遊歩道及び歩道橋、駅前広場等向けに「エース
トン」(ノンスリップタイル・点字タイル)等のオリジナルブランド商品の販売強化。
③中国の関連会社及び協力会社との連携強化を図り、ローコストオペレーションによる競争力強化。
④2025年大阪万博開催や大阪駅北エリア再開発等に伴うインフラ整備等の建設投資の取込強化。
⑤体育館等の文教施設等向けのスポーツ施設資材の新規及び改修物件受注強化。
⑥関連会社との連携強化による、工事管理及び品質管理体制の整備と充実。
[その他事業]
①「MONTURA」(イタリア製スポーツアパレル)の国内認知度向上と販売強化。
②ダストコントロール関連事業の企画開発、商品販売、提案強化。
◆北米事業
①受発注と納品におけるスピードと正確性を活かしホース市場での更なるシェア拡大。
②欧州事業とのさらなるシナジー効果の発揮及びグローバル展開の加速。
③ロジスティックスと在庫管理の改善。
④研究開発技術の体制強化。
⑤品質管理・製造能力強化。
⑥顧客ニーズ変化に伴うIT関連、アッセンブリー機能等の付加価値向上。
⑦ソーシャルメディアを活用した市場における知名度向上
◆欧州事業
①生産効率の更なる向上と、生産能力増強による収益力強化。
②消防、農業、鉱山産業への更なる深耕。
③北米、南米、アフリカ、アジア、中東地域における新規顧客開拓の推進。
④品質向上への取り組み強化と商品開発のスピード化。
⑤販売及び製造技術面における北米事業とのシナジー効果の最大化。
⑥欧州持株会社の事業化に伴う商流の変更や欧州市場における物流拠点拡大。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1 販売価格
当社グループが取り扱う製品及び商品は多岐に亘りますが、顧客からの値下げ要請、価格競争の激化、景気低迷による需要の減少等により、販売価格が全般的に低下傾向にあります。特に北米及び欧州事業において、中国や韓国等のアジア諸国から安価な製品が多量に流入し、製品の一部においてアジア製品との価格競争を余儀なくされています。現在のところ、中国製品への関税措置による影響や、品質上の理由からアジア製品と直接に競合する範囲は限られますが、今後、アジア製品の品質向上により競争が激化する可能性があります。
当該リスクの対応策につきましては、製造子会社と販売子会社連携の下、製品の付加価値と品質の向上、納期短縮に加え、販売先とのコミュニケーションを強化することで、当社製品の優位性を市場に周知することにより、販売先からの信頼を高めるように努めております。
2 公共投資の動向
当社グループは、スポーツ・建設資材事業において、道路橋梁用資材、港湾土木用資材、建設用資材、都市景観用資材、室内用スポーツ施設資材、屋外用スポーツ施設資材等を取り扱っております。これらの商品を用途別にみると道路・土木等の公共投資向け販売が2~3割を占めるため、公共投資の動向が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応策につきましては、「スーパー・マテリアルズ」(大判セラミックタイル)等のオリジナル商品の民間商業施設向け販売の拡大に努め、公共投資の受注減少リスクに備えております。
3 原材料価格
当社グループが製造する樹脂ホースの主要原材料であるレジンの価格は、原油価格の変動により影響を受けます。当社グループは原材料の調達にあたり、安定調達に十分配慮したうえで、経済環境や市況等を検討しながら仕入先との価格交渉を行い、また、年間ベースでの大量・一括契約を行うことでコスト削減に努めております。しかしながら、レジン等の原材料の価格変動が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、生産性の改善や販売先への価格転嫁等により、原材料コストの上昇による経営成績への影響低減を図りますが、かかる対策が期待どおりの効果を生む保証はありません。
4 在庫の必要性
当社グループは、品揃えを充実させ、適時に供給を果たすために顧客からの注文に先行して製造又は仕入を行い、一定の在庫水準を維持する必要があります。このため、当社グループが商品の需要予測を誤った場合、在庫不足による販売機会の喪失、過剰在庫の処分のための値引き販売、場合によっては商品評価損又は商品廃棄損の計上を余儀なくされ、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
当該リスクの対応策につきましては、当社グループでは顧客からの購買情報、増減産、生産終了、設計変更等の情報を適時に入手し、製造子会社や協力会社にも展開した上で、適正な在庫を維持できるよう、手配及び在庫管理体制の強化に努めております。
5 物流体制
連結子会社のクリヤマ㈱は、物流サービスにおいて外部物流会社との3PL契約を結んでおり、在庫・物流機能を集約することで配送を効率化していますが、当該物流センターが災害その他の理由により操業不能に陥った場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。また、海外拠点において、当社グループは、迅速な出荷を目指し、契約している配送会社を通じて商品を直送するほか、荷姿や物量により最適な運送手段を利用することで、きめ細かな配送サービスを実施しております。かかる配送体制は競合企業との差別化要因となる一方、海外拠点の物流コストを増加させる可能性があります。
当該リスクの対応策につきましては、国内の外部物流会社はその危機管理として「事業継続計画(BCP)」を策定し、自然災害等のリスクの最小化に努めております。また、海外拠点においては、配送会社との間で価格交渉を行い、物流コストの適正化に努めております。
6 海外事業の重要性
当社グループでは、北米、欧州及び中南米地域で製造したゴム・樹脂・金属製の産業用ホース等の殆どを同地域で販売しております。当連結会計年度において、海外売上高は当社グループの56.6%を占めますが、海外売上高の殆どは北米地域におけるものであり、営業利益も集中しております。当社グループでは今後も海外展開を積極的に行う方針であり、為替変動のほか、進出先各地域の景気・消費等経済動向、政治・社会情勢の変化及び法的規制や慣習等に起因する予測不能な事態の発生が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの国内顧客の一部が、海外地域に生産拠点の移転を進めております。かかる顧客に対して当社グループは主に日本からの輸出で対応しておりますが、顧客のコスト削減ニーズが強いため、今後、現地供給体制の整備、優良な協力会社の確保と仕入れコストの低下が順調に進まない場合等には、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
7 販売経路
当社海外グループの多くの製品及び商品は、現地の販売代理店を経由して顧客に販売されています。当社グループは特定の販売代理店に対する著しい依存はありませんが、販売代理店は競合商品も取り扱っているため、購買政策の変更が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応策として当社グループは現地生産、現地販売を基本方針とし価格競争力向上に努めております。製造子会社と販売子会社連携の下、販売価格の妥当性検証、製品の付加価値及び品質向上、更に納期短縮に努め、市場優位性を確保することで販売代理店からの信頼を高めるようにしております。
8 為替変動の影響
連結財務諸表作成のために、現地通貨建ての財務諸表は円換算されます。このため、為替相場の変動は、現地通貨における価値に変動がなかったとしても、連結財務諸表ベースでは経営成績と財政状態に影響を与える可能性があります。また、当グループが原材料及び商品を調達している国外との取引は、為替変動の影響を受ける可能性があることから、当グループでは、為替変動リスクを回避する為に為替予約取引を行っておりますが、中長期的な為替変動は、経営成績と財政状態に影響を与える可能性があります。
9 法的規制
連結子会社のクリヤマ㈱は、商品によっては販売にとどまらず設置・施工まで実施しているため、建築基準法及び建設業法等の規制を受けております。グループ各社が、万が一、何らかの事由により国土交通省その他の監督官庁から行政処分等を受けた場合、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。主な許認可、免許及び登録の状況は下表の通りであります。
当該リスクの対応策につきましては、各種業界団体から必要な情報を的確に収集するとともに、グループ経営会議を通じて、当社グループ内で定期的に想定される経営上のリスクの洗い出しとその評価・対応について協議しております。
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取得年月 |
許認可等の名称 |
取得・登録者名 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
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2017年6月 |
特定建設業 (許可) |
クリヤマ㈱ |
国土交通大臣許可(特-29) 第24558号 建築工事業 土木工事業 |
2017年6月19日から 2022年6月18日迄。 以後5年ごとに更新 |
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同上 |
一般建設業 (許可) |
同上 |
国土交通大臣許可(般-29) 第24558号 左官工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、防水工事業、大工工事業、石工事業、舗装工事業、内装仕上工事業、とび・土工工事業、鋼構造物工事業、塗装工事業、屋根工事業、板金工事業 |
同上 |
|
2017年7月 |
同上 |
同上 |
国土交通大臣許可(般-29) 第24558号 電気工事業 |
2017年7月18日から 2022年7月17日迄。 以後5年ごとに更新 |
10 会計制度・税制等の変更
当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの経営成績や財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、税務申告における各国税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。
当該リスクの対応策につきましては、外部機関が主催するセミナーへの参加や専門書の定期購読などによる情報収集を行うとともに、社外専門家の助言を受けております。
11 自然災害・疫病等について
当社グループはグローバルで事業活動を推進しております。この結果、想定外の自然災害、政治経済状況の変化、
感染症・伝染病等の流行、法律・規制の変更、テロ・戦争・その他社会情勢の混乱などが、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
当該リスクの対応策につきましては、その危機管理として「事業継続計画(BCP)」の策定を進めており、そのリスクの最小化に努めております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大による景気後退から、第2四半期連結会計期間においては、第一波感染拡大ピークアウトを迎え徐々に回復しつつありました。しかし第4四半期連結会計期間において、米国、英国での感染再拡大を受け、多くの国が経済活動の再開を遅らせ、一部の国と地域においては国民を感染から守るために再び都市封鎖を実施した為、世界経済の回復はパンデミック以前の活動水準に及ばない状態が続きました。
我が国では、感染拡大防止に配慮しつつ、経済活動の再開が段階的に進められたことで、景気持ち直しの動きも見られましたが、第3四半期連結会計期間以降は感染の再拡大を受けて経済活動への制限が強まり、景気回復は大幅にペースダウンしました。
このような経済状況の中、当社グループは引き続き「日本の建機・農機のグローバルTier1サプライヤーとしての地位を確立する」「産業用総合ホースメーカーとして品質と信頼のNo.1ブランドを目指す」「現地生産・現地販売を推進し、各国の経済発展に貢献する」という事業戦略の下、グローバル展開を推進したことで、アジア事業の業績はオリジナル製品の利益率改善と不要不急の経費削減により利益面では堅調に推移しました。しかし、北米事業及び欧州事業の業績は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、売上及び利益共に苦戦を強いられました。
これらの結果、当連結会計年度における連結売上高は499億53百万円(前年同期比9.4%減)、営業利益は28億98百万円(前年同期比6.9%減)、経常利益は33億19百万円(前年同期比4.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失を10億64百万円計上したことにより、14億44百万円(前年同期比28.8%減)となりました。なお、特別損失の主要な内訳は、新型コロナウイルス感染拡大による市況及び受注の低迷や足元の経済状況等を鑑みて、欧州の有形固定資産(主に機械装置)および無形固定資産(顧客関連資産、商標権)について、将来の回収可能性を検討した結果、固定資産を回収可能価額まで減額したことによる減損損失7億87百万円、および千葉県内に保有する不動産を売却したことによる固定資産売却損2億54百万円であります。
また、当連結会計年度の目標とする経営指標に対する経営成績の達成度合いにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
◆アジア事業
第3四半期連結会計期間から各事業において持ち直しの動きが見られました。特に農機向け販売が好調だったことに加え、早期に導入していたテレワークを活用し、生産性を落とすことなく顧客要求に対応したことで感染の再拡大による事業への影響を最小限に止めると共に、不要不急の経費削減を着実に実施したことにより営業利益において前年同期を上回る結果となりました。
[産業資材事業]
新型コロナウイルス感染拡大による顧客の生産停止や減産の影響を受けつつも、日本の建機・農機のグローバルTier1サプライヤーとして排ガス規制に対応する尿素水識別センサー及び尿素SCR用モジュール・タンク等の供給を継続したことで販売が増加しました。また、中国市場における経済活動の回復が他国と比較して早かったこともあり、当社の中国子会社における建機メーカー向けの販売が業績伸長に寄与しました。この結果、売上高は150億76百万円(前年同期比5.8%減)となりましたが、オリジナル製品の利益率改善により、営業利益は21億28百万円(前年同期比18.5%増)となりました。
[スポーツ・建設資材事業]
鉄道施設等で使用される「エンシン階段」や陸上競技用トラックの「モンドトラック」(全天候型ゴム製トラック)および体育館用床材「タラフレックス」(弾性スポーツシート)の販売が増加したものの、大型商業施設等の設備投資が低迷したことが影響し、「スーパー・マテリアルズ」(大判セラミックタイル)の販売が減少しました。この結果、売上高は100億43百万円(前年同期比12.4%減)となり、営業利益は8億83百万円(前年同期比16.3%減)となりました。
[その他事業]
イタリア製スポーツアパレル「MONTURA」は、SNSをはじめとした広告宣伝による販売促進活動とEコマース運営体制の充実によるオンライン販売の拡充を積極的に推進しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染の再拡大による外出自粛により、店舗販売が総じて軟調となりました。この結果、売上高は5億90百万円(前年同期比25.8%減)となり、営業損失は1億45百万円(前年同期は1億21百万円の営業損失)となりました。
以上のことからアジア事業全体では、売上高は257億10百万円(前年同期比9.0%減)となり、営業利益は28億66百万円(前年同期比5.0%増)となりました。
◆北米事業
新型コロナウイルス感染拡大により経済活動が停滞、失業率が戦後最悪となる中、当社グループは社会生活を営むうえで必要な事業(Essential Business)として、各種産業用ホース・継手の生産・販売を積極的に展開しました。その中でも、DIY需要により住宅外壁塗装用の「ペイントスプレーホース」、屋外プール用の「Spaホース」などをはじめとした一般家庭向け販売が好調に推移し、業績に寄与しました。但し、主力の飲料用ホースをはじめ、それ以外の各種産業向け販売が軟調であったことから、売上高は214億10百万円(前年同期比8.1%減)となり、営業利益は11億40百万円(前年同期比19.1%減)となりました。
◆欧州事業
消防機関向け、および灌漑を含む農業分野向けホース販売は各国におけるロックダウンの段階的な解除を背景に一時持ち直しの傾向にありましたが、2020年10月以降、各国の感染再拡大が加速し、複数の国と地域が再びロックダウンに踏み切ったことで景気の先行き不透明感が拭えず、全体的に軟調な結果となりました。これらの結果、売上高は28億32百万円(前年同期比20.9%減)となり、営業損失は2億13百万円(前年同期は2億20百万円の営業損失)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1.3%減少し、459億21百万円となりました。これは、主に商品及び製品が12億27百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べて3.9%減少し、232億11百万円となりました。これは、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が12億9百万円増加する一方で短期借入金が18億6百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1.6%増加し、227億9百万円となりました。これは、主に利益剰余金が12億9百万円増加したこと等によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ13億63百万円増加し、73億9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、45億7百万円の増加(前年同期は29億72百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益22億55百万円、たな卸資産の減少額9億53百万円等が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、20億40百万円の減少(前年同期は14億11百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出20億99百万円等が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、10億41百万円の減少(前年同期は9億34百万円の減少)となりました。これは長期借入れによる収入が41億42百万円となる一方で、長期借入金の返済による支出29億56百万円、短期借入金の純減額17億59百万円、また配当金の支払額3億95百万円がそれぞれ発生したことが要因であります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
||
|
アジア事業 |
産業資材事業 |
3,368,535 |
102.1 |
|
北米事業 |
6,757,461 |
87.9 |
|
|
欧州事業 |
2,186,540 |
106.9 |
|
|
合計 |
12,312,537 |
94.5 |
|
(注)1 上記金額は製造原価によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
||
|
アジア事業 |
産業資材事業 |
12,635,611 |
93.1 |
|
スポーツ・建設資材事業 |
5,267,328 |
96.9 |
|
|
その他事業 |
256,817 |
73.3 |
|
|
北米事業 |
10,904,964 |
89.7 |
|
|
欧州事業 |
1,907,049 |
89.0 |
|
|
合計 |
30,971,771 |
92.0 |
|
(注)1 上記金額は実際仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
||||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
||
|
アジア事業 |
産業資材事業 |
809,650 |
97.7 |
195,578 |
89.8 |
|
スポーツ・建設資材事業 |
4,656,979 |
74.1 |
1,552,459 |
95.2 |
|
|
合計 |
5,466,630 |
76.8 |
1,748,037 |
94.6 |
|
(注)1 上記金額は連結子会社であるクリヤマ㈱の工事完成高(工事進行基準を適用しているものを含む)に係るものを表示しております。
2 製造子会社は、販売計画に基づく生産計画によって生産しており、受注生産は行っておりません。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
||
|
アジア事業 |
産業資材事業 |
15,076,088 |
94.2 |
|
スポーツ・建設資材事業 |
10,043,861 |
87.6 |
|
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その他 |
590,425 |
74.2 |
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北米事業 |
21,410,656 |
91.9 |
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欧州事業 |
2,832,407 |
79.1 |
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合計 |
49,953,440 |
90.6 |
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(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 販売実績の内、工事完成高(工事進行基準を適用しているものを含む)は以下のとおりであります。
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前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
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金額(千円) |
金額(千円) |
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アジア事業 |
産業資材事業 |
899,367 |
831,916 |
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スポーツ・建設資材事業 |
6,151,745 |
4,735,024 |
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3 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績
① 売上高
当連結会計年度における売上高は、499億53百万円(前年同期比9.4%減)となりました。売上高の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
② 売上総利益
当連結会計年度における売上総利益は、143億68百万円(前年同期比5.4%減)となりました。主な減少要因としましては、売上高の減少によるものであります。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、114億69百万円(前年同期比5.0%減)となりました。主な減少要因としましては、運賃荷造費や旅費交通費の減少によるものであります。
④ 営業利益
当連結会計年度における営業利益は、28億98百万円(前年同期比6.9%減)となりました。主な減少要因としましては、売上高が減少したことによるものであります。
⑤ 経常利益
当連結会計年度における経常利益は、33億19百万円(前年同期比4.5%増)となりました。主な増加要因としましては、為替差損が減少したことによるものであります。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、22億55百万円(前年同期比27.6%減)となりました。主な減少要因としましては、減損損失や固定資産売却損を計上したことによるものであります。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、14億44百万円(前年同期比28.8%減)となりました。
2)財政状態
当連結会計年度における財政状態の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
3)流動性及び資金の源泉
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資金需要
当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。
運転資金需要のうち主なものは商社として機能するための商品の仕入、製造子会社では製品を製造するための材料仕入、製造費、共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては、主に工場設立などによる建物や機械装置等固定資産購入によるものであります。
③ 財務政策
当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、設備資金につきましては、設備資金計画に基づき調達計画を作成し、内部資金で不足する場合は、長期借入金等により調達を行っております。
なお、海外子会社につきましては、運転資金、設備資金とも、直接邦銀現地法人等より調達を行っております。
4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されており、その作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値及び収益、費用の報告数値について影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は過去の実績や状況に応じた合理的な見積り、判断及び仮定により継続的に検証し意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社はグループ全体の発展に寄与する商品開発・技術開発のために、製造技術・製造機械のレベル向上、解析業務・評価試験の拡充等、日々研究を積み重ねております。
研究開発体制は、国内においては主に㈱クリヤマ技術研究所、㈱サンエーが行い、海外においては、Accuflex Industrial Hose, Ltd.(カナダ)、Kuriyama Canada, Inc.(カナダ)、Piranha Hose Products, Inc.(米国)、Técnicas e Ingeniería de Protección, S.A.U.(スペイン)及びIndustrias Quilmes S.A.U.(アルゼンチン)の製造子会社5社が主に行っております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
各セグメント別の研究開発活動を示すと次のとおりであります。なお、その他事業にかかる研究開発費の記載は省略しております。
◆アジア事業
[産業資材事業]
ゴム、プラスチック、新素材について材料の試験・研究及び新しい製品の開発、さらに製造技術の研究等新素材、新商品の開発及び既存製法の改良等を行っております。当連結会計年度においては、尿素SCRセンサーについて、機能性向上のために材質及び設計の改良を図った他、薄膜技術を応用することで新分野のセンサー開発に取り組んでおります。当連結会計年度における研究開発費の金額は
[スポーツ・建設資材事業]
鉄道施設のプラットホーム向け製品であるスキマモールの製品改良を行ってまいりました。また、鉄道施設等で使用されるブレイルタイルに関しましては、輝度向上を目的とした製品改良を行い、安全面での機能性向上に取り組んでまいりました。当連結会計年度における研究開発費の金額は
◆北米事業
北米市場の種々のホースに関して、独自性を持った競争力のある製品の開発を行うために、米国製造子会社(1社)とカナダ製造子会社(2社)がそれぞれの製造技術の融合を図りながら、環境の変化や用途の変更に対応した新製品の開発を推進しております。当連結会計年度においては、米国製造子会社が引き続き水圧・油圧用をはじめとした各種高圧樹脂ホースの改良に努めた他、主に建設業界で使用されるコーティング用など複雑な構造を要求されるホースの研究に注力しました。また、カナダ製造子会社は、ホース着色のために使用する顔料の開発製造を行い、内製化に成功した他、北米市場以外の海外市場へ参入強化すべく、ビール用バンドル等の開発・改良に努めてまいりました。また、従来リサイクルが出来なかった一部ホースの原材料においてリサイクルに成功し、地球環境保護の貢献に努めております。当連結会計年度における研究開発費の金額は
◆欧州事業
スペイン製造子会社では採掘用の大口径ポリウレタンホースや米国灌漑市場向けホースの開発、及び既存製品の改良に取り組んでまいりました。またスペイン製造子会社及びアルゼンチン製造子会社共に販路を拡大すべく、国内外の各種団体の規格認証の取得に努めてまいりました。当連結会計年度における研究開発費の金額は