第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについては重要な変更はありません。

なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

 当中間連結会計期間における世界経済は、米国では良好な雇用・所得環境を背景に底堅く推移したものの、 欧州では長引いた金融引き締めによる影響等で停滞傾向となりました。中国では不動産市場の低迷が続き、景気の回復が遅れています。また、中東やロシア・ウクライナ情勢等の地政学的リスクに加え、インフレの再燃リスク等、依然として先行き不透明な状況が続いております。なお、米ドル、ユーロに対する円相場は、期初こそ円高に振れたものの、大幅な円安水準が続きました。

 このような経済状況の中、当社グループは、人財育成やグループ内連携による営業力の強化、物流体制の最適化により、国内外での需要の着実な取り込みと利益確保に努めました。また、2024年1月にグローバルベースで付加価値のある技術・製品・人財を生み出すことを目的に研究・開発組織を再編したことに加え、ホース事業の更なるグローバル展開を推進するため、オーストラリアに販売会社を設立する等、企業価値向上に資する施策を着実に実行しました。

 この結果、当中間連結会計期間の当社グループの連結売上高は、403億26百万円(前年同期比9.9%増)、営業利益は27億80百万円(前年同期比22.9%増)、経常利益は31億6百万円(前年同期比21.5%増)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は、21億9百万円(前年同期比17.5%増)となりました。

 セグメントごとの経営成績は次の通りであります。

 

◆アジア事業

[産業資材事業]

 主要顧客である建機・農機をはじめとした産業用機械メーカーの生産台数が減少した影響を受け、尿素SCR用モジュール・タンクや各種樹脂・ゴム製品等の販売が減少しました。また、中国においては、景気低迷により、建機の生産台数が軟調に推移したため、同国での関連商材の販売が減少しました。これらの結果、売上高は85億60百万円(前年同期比4.0%減)となり、営業利益は11億円(前年同期比16.0%減)となりました。

[スポーツ・建設資材事業]

 スポーツ資材については、公共の体育館をはじめとする文教施設における改修物件の需要を着実に取り込んだことから、体育館用床材「タラフレックス」(弾性スポーツシート)の販売が増加しました。建設資材については、鉄道施設の安全対策強化に伴う改良・改修工事の増加を背景に、「TALE-TILE」(ホーム先端タイル)や「エーストン」(ノンスリップタイル・点字タイル)に加え、「スーパー・マテリアルズ」(大判セラミックタイル)等、当社オリジナル製品の販売が増加しました。これらの結果、売上高は45億38百万円(前年同期比5.3%増)となり、営業利益は、商品構成の改善により4億39百万円(前年同期比5,680.9%増)となりました。

[その他事業]

 イタリアのスポーツアパレルブランド「MONTURA」は、ブランド認知度の向上を図るべく、SNSでの情報発信や山岳イベントへの参加等、販促強化に努めた結果、オンライン及び店舗の販売が増加しました。ダストコントロール事業は、ECサイトにおける業務用衛生製品の販売が増加しました。これらの結果、売上高は3億84百万円(前年同期比13.7%増)となりましたが、広告宣伝に伴う費用等を吸収できず、営業損失は1億65百万円(前年同期は営業損失1億45百万円)となりました。

 以上のことから、アジア事業全体では、売上高は134億83百万円(前年同期比0.6%減)となり、営業利益は13億73百万円(前年同期比17.2%増)となりました。

 

◆北米事業

 堅調な米国経済を背景に、幅広い分野で各種ホース・継手の需要が増加しました。また、米国本社・物流倉庫の移転・拡張をはじめとした物流機能の最適化を推進したことが、販売機会を拡大する契機となりました。さらに、円安の影響が加わった結果、売上高は237億63百万円(前年同期比18.5%増)となりました。損益面では、売上高の増加が寄与したことに加え、製造及び物流コストの抑制に努めた結果、営業利益は17億25百万円(前年同期比41.4%増)となりました。カテゴリ別の概況は以下の通りです。

▽産業用樹脂ホース「Tigerflex」

 農業、製造業、鉱業等、多岐にわたる関連分野での販売が総じて堅調に推移しました。特に農業や土木関連の販売が好調でした。

▽高機能/汎用樹脂ホース・飲料用ホース「Kuri Tec・Accuflex」

 大手飲料メーカー向け飲料用ホースの販売が引続き高水準を維持しました。また、灌漑用ホースの販売が底堅く推移しました。

▽ペイントスプレーホース・下水配管洗浄用ホース「Piranha」

 外壁塗装用ペイントスプレーホースは、市場在庫の適正化に伴う需要回復が継続し、販売が増加しました。また、下水配管洗浄用ホースの販売が堅調に推移しました。

▽ゴムホース・その他

 オイル・ガス、産業、建設関連向けの低圧用、高圧用ゴムホースは底堅い需要により販売が増加しました。また、米国における消防用ホースの販売が堅調に推移しました。

◆欧州・南米・オセアニア事業

 主力の「消防用ホース・ノズル」の販売が、スペイン、ポルトガル及び南米地域における消防機関向けに堅調に推移しました。農業・一般産業分野向け「レイフラットホース」の販売が底堅く推移しましたが、アルゼンチンをはじめとした地域におけるオイル・ガス市場向け長距離送水用「大口径レイフラットホース」の販売が減少しました。2024年1月に設立したオセアニアの販売会社については、4月より本格的に営業を開始しました。 また、北米事業との連携を強化し、米国の消防機関向けに「消防用ホース」の販売を拡大する等、グループのシナジー効果による生産稼働率の向上に努めました。これらに円安の影響が加わったことから、売上高は30億78百万円(前年同期比0.2%増)となりました。損益面においては、アルゼンチンの子会社に対する超インフレ会計の適用がマイナス要因となったことから、営業利益は3億20百万円(前年同期比8.8%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

 当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて13.9%増加し、734億80百万円となりました。これは、主に現金及び預金が27億8百万円増加した他、建物及び構築物(純額)が36億7百万円増加したことによるものです。

 負債合計は、前連結会計年度末と比べて14.7%増加し、285億23百万円となりました。これは、主に支払手形及び買掛金が7億81百万円増加したことによるものです。

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べて13.4%増加し、449億57百万円となりました。これは、利益剰余金が17億22百万円増加した他、為替換算調整勘定が34億39百万円増加したことによるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より27億8百万円増加し、101億46百万円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な理由は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、46億33百万円の増加(前年同期は25億2百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前中間純利益30億88百万円等が要因であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、6億86百万円の減少(前年同期は7億49百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出6億79百万円等が要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、19億96百万円の減少(前年同期は21億20百万円の減少)となりました。これは主に配当金の支払額8億88百万円等が要因であります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当中間連結会計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書の「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

 当中間連結会計期間の研究開発費総額は、2億73百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等は行われておりません。