第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは約85年の歴史で培った技術と信頼を基に、「顧客の信頼をもとに、たゆまなく発展する会社」の経営理念と以下のグループ基本方針の実践によって、株主、顧客、地域社会、全従業員との良好な信頼関係を築き、環境、安全のコンセプトを守りながら社会的貢献に努めてまいります。

<クリヤマグループ基本方針>

 1. 多様な人財の価値を活かし、地域に根差したグローバル経営を推進する

 2.KURIYAMA VALUEのもと次世代を見据えたDX改革で、果敢に独自の創意性を高める

 3.環境問題とステークホルダー全体に配慮した企業行動

 北米におきましては、ホースメーカーとして、研究、開発、製造、販売を含めた一体型の経営を推進してまいりました。また、北米全土の物流拠点の拡充により、供給機能の改善を通じた顧客満足度の更なる向上に挑戦しております。欧州及び南米におきましては、ゴム製レイフラットホースの製造販売を行っており、北米事業との融合を図りながらグローバル展開を加速させてまいります。一方、日本国内では、農機・建機のTier1サプライヤー、スポーツ施設、鉄道・文教・商業施設向け床材の販売及び施工、と多角的に事業を展開しており、高い品質と迅速な顧客対応力を強化し、事業ポートフォリオの最適化を図り、安定した収益確保を実現してまいります。

 加えて、グループの中核として再編する研究・開発機関において、当社グループの競争力の源泉である研究・開発機能を強化してまいります。

 また、当社グループは、地域社会に身近な幅広い分野の製品を取り扱っているため、持続可能な社会の実現を目指し、地球環境や人々の安全・安心を追求した製品の開発と拡販、ダイバーシティの推進、コーポレートガバナンス改革やSDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」及びESG「Environment(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(ガバナンス)」に関わる取組みを進めてまいります。グローバル企業として経営成績を高め、経営を安定させるためにも、海外グループと連携を深め、自然体でSDGs及びESGを推進できるグローバルカンパニーを目指してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 目標とする経営指標につきましては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を掲げております。通期(2025年12月期)の連結経営目標は、対米ドル為替レートを150円と想定し、売上高900億円、営業利益40億円、経常利益48億円及び親会社株主に帰属する当期純利益36億円としております。

 なお、当連結会計年度の経営成績におきましては、売上目標730億円に対し6.7%増の778億95百万円となり、営業利益は目標44億円に対し3.1%増の45億39百万円、経常利益は目標49億円に対し7.1%増の52億50百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は目標33億円に対し7.4%増の35億45百万円となりました。

 

(3)経営環境

 世界経済は、インフレ鎮静化と所得改善の流れを背景に、金融緩和とともに底堅い成長を維持することが期待されます。一方、米国新政権の政策運営による影響、長期化するロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の変化に伴う地政学リスクの高まり、長引く中国の不動産不況等、不透明感は高まっています。

 このような環境下において、当社グループは100年企業を見据えた持続的な企業価値向上を図るべく、各事業を展開してまいります。

 アジア事業の産業資材事業では、農機・建機・商用車メーカーのグローバルTier1サプライヤーの地位を確立するため、当該市場における尿素SCR用モジュール・タンク等の更なるシェア拡大に取り組んでまいります。また、最大マーケットである北米地域への事業展開により産業資材事業のグローバル展開を加速してまいります。

 スポーツ・建設資材事業では、競技性に加えて保温性やクッション性に優れた「タラフレックス」(弾性スポーツシート)の拡販に注力し、防災拠点となる体育館等の文教施設への採用件数増加に努めてまいります。また、循環型社会に貢献する商品開発を推進し、鉄道施設の安全対策強化や商業施設等の再開発事業での需要を的確に捉え、スポーツ・商業施設等の総合床材No.1ブランドを目指してまいります。

  北米事業では、移転・拡張した本社物流倉庫を軸とした物流機能の最適化を図り、顧客満足度向上と機会損失回避のための事業環境を整備してまいります。また、米国、カナダのホース製造ラインの新設・増強を通じ、地産地消と柔軟な生産を加速する態勢を構築してまいります。

 欧州・南米・オセアニア事業では、地産地消による市場優位性を活用し、スペイン、ポルトガルをはじめとした欧州域内およびアルゼンチンの消防機関向けや灌漑を含む農業分野のシェア拡大に取り組んでまいります。また、欧州から北中米・南米、中近東、アフリカへの輸出に加え、オーストラリアに新設した販売会社を起点にオセアニア地域における固有ニーズを満たす供給体制を構築し、収益基盤の拡大と生産稼働率の向上に努めてまいります。

 各事業で協業、融合を図りながら産業用総合ホースメーカーとして品質と信頼のNo.1ブランドを目指した取り組みを推進してまいります。

 加えて、グローバルを横断した研究開発機能の強化、次世代を担う人財の育成と従業員エンゲージメント向上のための人的資本投資の強化、DX推進等の経営基盤強化に取り組んでまいります。

 このように当社グループは販売の拡大に注力するとともに、「KURIYAMA VALUE」のもとグループ一丸となってブランド価値の向上に努めてまいります。

 

(4)中長期的な会社の経営戦略

 当社は、創業以来、社会が円滑に機能し続けるために必要不可欠なエッセンシャル事業をグローバルかつ多角的に展開してまいりました。

 社会構造が急激に変化し、政治、経済、地政学リスクなど多方面にわたり不透明感が高まる環境下でありますが、当社は、創業100周年を迎える2039年に企業価値を最大化することを目指し、そして更にその先の未来に向けて持続的な成長を続けてまいります。

 その実現に向けた長期構想である「KURIYAMA MANAGEMENT PLAN(KMP)2039」を設定し、事業環境や当社の強みを再認識したうえで、中期的な視点で当社が進むべき方向性を「事業戦略」、「財務戦略」、「経営基盤強化」として明確化した中期経営計画「KMP Action1(2025~2027年)」及び「KMP Action2(2028~2030年)」を策定し、2025年3月12日に公表いたしました。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/3355/tdnet/2579718/00.pdf

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(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループがさらに収益力向上、また企業体質の強化を図るためにも、下記の重点課題に対し、全力をあげて取り組んでまいります。

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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

A.サステナビリティ全般

(1)サステナビリティについての考え方

 クリヤマグループは「顧客のニーズをつかみ、持続可能な社会づくりに貢献する会社」を経営ビジョンに掲げ、誰もが輝き、共に成長する豊かな未来を目指し、地球環境や社会に貢献するビジネス展開を通じて持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。

 クリヤマグループは現在、持続可能な開発目標(SDGs)に関連した取り組みを行っています。今後もさまざまな社会課題の解決に事業活動を通じて取り組むことで、経済的価値を創出しながら成長を続けてまいります。

 

(2)マテリアリティ(重要課題)とSDGsについて

 当社グループは、持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けるために、「全社的に取り組みを強化する課題」と「事業を通じて積極的に取り組む課題」に整理し、特に優先して取り組むべき6つのマテリアリティを特定し、特定したマテリアリティとSDGs(持続可能な開発目標)との関連付けをしています。

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(3)サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)への取り組み

 各マテリアリティにおける取り組みの詳細につきましては、当社ホームページをご覧ください。

1.全社的に取り組みを強化する課題

 多様な人材の価値を活かし、個々の能力を発揮できる組織づくりを目指します。

・KURIYAMAの働き方改革(ダイバーシティ、女性活躍推進)

・従業員を支援するための福利厚生制度と、ダイバーシティの推進

・健康経営の推進

・海外拠点の執行役員は現地で採用、育成を図る取り組み

https://www.kuriyama-holdings.com/sustainability/business/06/

2.事業を通じて積極的に取り組む課題

① 気候変動と大気汚染による影響軽減に向け、事業を通じて地球温暖化や脱炭素の課題に取り組みます。

・廃棄ガスを浄化し大気汚染対策に貢献する「尿素SCRシステム」

https://www.kuriyama-holdings.com/sustainability/business/01/

 

② 廃棄物を資源として再利用、または適正に処分することで循環型社会に貢献します。

・セラミックタイルの廃材をリサイクル、都市型洪水やヒートアイランド現象にも貢献する「アクアスルー」

・製造工程で発生するスクラップの削減と再利用により産業廃棄物量を削減

・工場での水の使用量を削減するため、テストで毎回使用される水は循環型回路を採用

・工場での排水は浄化システムを採用し、外部機関でシステムの性能を監視

・環境と身体の安全に配慮した人工芝「モンドターフ」

https://www.kuriyama-holdings.com/sustainability/business/02/

③ 人々のニーズに配慮し,公共交通機関への安全なアクセスを実現するサステナブルな商品を開発,提供します。

・視覚障がい者の歩行を助ける点字タイル、公共交通機関での転倒事故やけがを防ぐノンスリップタイル

・駅ホームでの転落事故防止のため、電鉄会社と共同開発した段差・隙間対策商品「スキマモール」

https://www.kuriyama-holdings.com/sustainability/business/03/

④ スポーツ振興を通して人々を支え、健康社会への発展に貢献します。

・競技施設から防災拠点まで多目的機能をもつ弾性スポーツシート「タラフレックス」

・国内のスポーツ振興に貢献する「日本トップリーグ連携機構(JTL)」をサポート

https://www.kuriyama-holdings.com/sustainability/business/04/

⑤ 新素材の活用や生産技術向上により、環境負荷低減商品の開発を強化します。

・NSF(USA)に認定された人体に適した飲料用ホース、吸引・排出ホースの製造販売

https://www.kuriyama-holdings.com/sustainability/business/05/

 

(4)ガバナンス、リスク管理

 当社グループでは、代表取締役CEOを委員長とするリスクマネジメント委員会を定期的に開催しており、この中でサステナビリティに関するリスクと機会を認識の上、サステナビリティ重要課題を特定しつつ、持続可能な社会を実現する上でサステナビリティを考慮した経営方針及び中長期的な経営戦略並びに対処すべき事業上及び財務上の課題を協議・立案し、最終的に取締役会で決議することとしております。なお、当社グループの経営方針及び中長期的な経営戦略並びに対処すべき事業上及び財務上の課題は、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」へそれぞれ記載しております。

 

(5)指標及び目標

 指標及び目標の公表は行っていませんが、上記「(3)サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)への取り組み」に記載のとおり、環境への配慮から気候変動問題に関する様々な課題解決に向け、大気汚染対策に貢献する製品供給や廃棄物の再利用等を通じて温室効果ガス排出削減等、積極的に取り組んでまいります。

 

B.人的資本

(1)戦略

 当社グループは、社是として「企業の生命は、社員の成長と発展によって支えられる」を掲げており、人材の「材」は「財」であるという認識の下、サステナビリティの重要課題の内「多様な人材の価値を活かし、個々の能力を発揮できる組織作りを目指す」ことを全社的に取り組み強化する課題として位置づけ、人材育成とダイバーシティ及び職場環境整備を推進しております。人材育成については、経営ビジョンである「顧客のニーズをつかみ、持続可能な社会づくりに貢献する会社」に基づき、社会変化や顧客のニーズに応えられるように、社員一人ひとりが主体的に考え行動し、グローバルで活躍できることを目指しております。その取り組みとしてキャリアアップと動機付けを目的とした社員個別面談やキャリア・特性に応じた研修制度を実施している他、海外派遣制度の導入等を推進しております。人材の多様性の確保につきまして、当社グループは、国籍に捉われることなく外国人を含めた社員の採用を行っており、海外子会社においては、社員の現地採用・育成、取締役登用を進めて、現地生産、現地販売を推進しています。また、職場環境整備においては、社員一人ひとりがその能力を最大限発揮できるようにお互い尊重し、自由に意見を交え、明るい環境を整えることが重要であることから安全で衛生的で、働きやすい職場環境を確保することを基本方針としております。また、少子高齢化が進む中、「安心して子供を産める、育てられる環境作り」の実現のため、育児短時間勤務の取得対象範囲拡大や時差出勤等を一部の国内連結子会社は導入しており、働きやすい職場環境の整備に努めております。人的資本に関する取り組みについては、当社ホームページをご覧ください。
https://www.kuriyama-holdings.com/sustainability/business/06/

 

(2)人的資本に関する指標及び目標

 当社グループは、国内のみならず海外に子会社が複数存在しております。それぞれ会社規模や構成人員など多岐に亘っておりますが、多くの子会社は人的資本にかかる指標や目標に捉われず、各国文化や慣習を尊重しながら人財を大切にし、組織運営を図っております。

 国内法である「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)と国内でのグローバル人材育成の重要性を鑑み、アジア中核事業子会社であるクリヤマジャパン㈱を公表することとしております。指標及び目標を以下の通りであります。

指標

会社名

2024年12月期実績

2027年目標

女性管理職比率

クリヤマジャパン㈱

6.3

15.0

男性育児休業取得率

クリヤマジャパン㈱

30.0

30.0

女性育児休業取得率

クリヤマジャパン㈱

100.0

100.0

日本からの海外派遣人数

クリヤマジャパン㈱

14

15

日本での外国人雇用者数

クリヤマジャパン㈱

8

10

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1 販売価格

 当社グループが取り扱う製品及び商品は多岐に亘りますが、世界的インフレによる物価上昇の影響に伴い全般的に価格転嫁の必要性が生じてきております。

 当該リスクの対応策につきましては、この上で製造子会社と販売子会社連携の下、製品の付加価値と品質の向上、納期短縮に加え、販売先とのコミュニケーションを強化することで、当社製品の優位性を市場に周知することにより、販売先からの信頼を高めるように努めております。

2 公共投資の動向

 当社グループは、スポーツ・建設資材事業において、道路橋梁用資材、港湾土木用資材、建築用資材、都市景観用資材、室内用スポーツ施設資材、屋外用スポーツ施設資材等を取り扱っております。これらの商品を用途別にみると道路・土木等の公共投資向け販売が約4割を占めるため、公共投資の動向が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクの対応策につきましては、「スーパー・マテリアルズ」(大判セラミックタイル)等のオリジナル商品の民間商業施設向け販売の拡大に努め、公共投資の受注減少リスクに備えております。

3 原材料価格

 当社グループが製造する樹脂ホースの主要原材料であるレジンの価格は、原油価格の変動により影響を受けます。当社グループは原材料の調達にあたり、安定調達に十分配慮したうえで、経済環境や市況等を検討しながら仕入先との価格交渉を行い、また、年間ベースでの大量・一括契約を行うことでコスト削減に努めております。しかしながら、レジン等の原材料の価格変動が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、生産性の改善や販売先への価格転嫁等により、原材料コストの上昇による経営成績への影響低減を図りますが、かかる対策が期待どおりの効果を生む保証はありません。

4 在庫の必要性

 当社グループは、品揃えを充実させ、適時に供給を果たすために顧客からの注文に先行して製造又は仕入を行い、一定の在庫水準を維持する必要があります。このため、当社グループが商品の需要予測を誤った場合、在庫不足による販売機会の喪失、過剰在庫の処分のための値引き販売、場合によっては商品評価損又は商品廃棄損の計上を余儀なくされ、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

 当該リスクの対応策につきましては、当社グループでは顧客からの購買情報、増減産、生産終了、設計変更等の情報を適時に入手し、製造子会社や協力会社にも展開した上で、適正な在庫を維持できるよう、手配及び在庫管理体制の強化に努めております。

5 物流体制

 連結子会社のクリヤマジャパン㈱は、物流サービスにおいて外部物流会社との3PL契約を結んでおり、在庫・物流機能を集約することで配送を効率化していますが、当該物流センターが災害その他の理由により操業不能に陥った場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。また、海外拠点において、当社グループは、迅速な出荷を目指し、契約している配送会社を通じて商品を直送するほか、荷姿や物量により最適な運送手段を利用することで、きめ細かな配送サービスを実施しております。かかる配送体制は競合企業との差別化要因となる一方、海外拠点の物流コストを増加させる可能性があります。

 当該リスクの対応策につきましては、国内の外部物流会社はその危機管理として「事業継続計画(BCP)」を策定し、自然災害等のリスクの最小化に努めております。また、海外拠点においては、配送会社との間で価格交渉を行い、物流コストの適正化に努めております。

6 海外事業の重要性

 当社グループでは、北米、欧州及び中南米地域で製造したゴム・樹脂・金属製の産業用ホース等の殆どを同地域で販売しております。当連結会計年度の連結売上高の内、海外売上高は68.1%を占めております。当社グループでは今後も海外展開を積極的に行う方針であり、為替変動のほか、進出先各地域の景気・消費等経済動向、政治・社会情勢の変化及び法的規制や慣習等に起因する予測不能な事態の発生が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

7 販売経路

 当社海外グループの多くの製品及び商品は、現地の販売代理店を経由して顧客に販売されています。当社グループは特定の販売代理店に対する著しい依存はありませんが、販売代理店は競合商品も取り扱っているため、購買政策の変更が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクの対応策として当社グループは現地生産、現地販売を基本方針とし価格競争力向上に努めております。製造子会社と販売子会社連携の下、販売価格の妥当性検証、製品の付加価値及び品質向上、更に納期短縮に努め、市場優位性を確保することで販売代理店からの信頼を高めるようにしております。

8 為替変動の影響

 連結財務諸表作成のために、現地通貨建ての財務諸表は円換算されます。このため、為替相場の変動は、現地通貨における価値に変動がなかったとしても、連結財務諸表ベースでは経営成績と財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループが原材料及び商品を調達している国外との外貨建て取引は、為替変動の影響を受ける可能性があることから中長期的な為替変動は、経営成績と財政状態に影響を与える可能性があります。

9 法的規制

 連結子会社のクリヤマジャパン㈱は、商品によっては販売にとどまらず設置・施工まで実施しているため、建築基準法及び建設業法等の規制を受けております。グループ各社が、万が一、何らかの事由により国土交通省その他の監督官庁から行政処分等を受けた場合、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。主な許認可、免許及び登録の状況は下表の通りであります。

 当該リスクの対応策につきましては、各種業界団体から必要な情報を的確に収集するとともに、グループ経営会議を通じて、当社グループ内で定期的に想定される経営上のリスクの洗い出しとその評価・対応について協議しております。

取得年月

許認可等の名称

取得・登録者名

許認可等の内容

有効期限

2022年7月

特定建設業

(許可)

クリヤマジャパン㈱

国土交通大臣許可(特-4)

第24558号

建築工事業

土木工事業

2022年6月19日から

2027年6月18日迄。

以後5年ごとに更新

同上

一般建設業

(許可)

同上

国土交通大臣許可(般-4)

第24558号

左官工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、防水工事業、大工工事業、石工事業、舗装工事業、内装仕上工事業、とび・土工工事業、鋼構造物工事業、塗装工事業、屋根工事業、板金工事業、電気工事業

同上

2022年12月

同上

同上

国土交通大臣許可(般-4)

第24558号

管工事業

造園工事業

2022年12月13日から

2027年12月12日迄。

以後5年ごとに更新

10 会計制度・税制等の変更

 当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの経営成績や財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、税務申告における各国税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。

 当該リスクの対応策につきましては、外部機関が主催するセミナーへの参加や専門書の定期購読などによる情報収集を行うとともに、社外専門家の助言を受けております。

11 自然災害・疫病等について

 当社グループはグローバルで事業活動を推進しております。この結果、想定外の自然災害、政治経済状況の変化、

感染症・伝染病等の流行、法律・規制の変更、テロ・戦争・その他社会情勢の混乱などが、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 当該リスクの対応策につきましては、その危機管理として「事業継続計画(BCP)」の策定を進めており、そのリスクの最小化に努めております。

 

12 サイバーリスクについて

 標的型メールやマルウェアによるウイルス感染、不正アクセス等のサイバー攻撃の被害にあった場合、事業活動や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクの対応策につきましては、グループ全体の従業員を対象としたセキュリティ教育訓練、インシデント発生時の連絡体制強化、セキュリティ標準化の推進、一部のグループ会社は24時間365日のセキュリティ監視体制、サイバーリスク保険に包括加入してグループとしてのリスクの最小化に努めております。

 

13.契約や取引に関するリスク

 当社グループは、顧客、仕入先ほか利害関係者との間で、取引にかかる様々な契約を締結していますが、契約の履行や取引の条件などを巡って利害関係者と見解の相違等が生じた場合、損害賠償請求などにより業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、取引に当たっては法律事務所の見解、確認を得ること等により、相互の解釈に法的な齟齬のないよう対応を行っています。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、米国では良好な雇用・所得環境を背景に底堅く推移したものの、欧州では長引いた金融引き締めによる影響で生産・消費ともに停滞傾向となりました。中国では個人消費・不動産市場の低迷が続き、景気の回復が遅れています。加えて、中東やロシア・ウクライナ情勢等の地政学リスクの高まり等、不透明な状況が続きました。なお、国内金利は上昇傾向、欧米の金利は低下傾向にある中、米ドル、ユーロに対する円相場は、年央にかけて円安が加速した後に年始の水準まで円高に振れ、年末には再び円安が進行する等、変動幅の大きい不安定な動きとなりました。

 このような経済状況の中、当社グループは、人財育成やグループ内連携による営業力の強化、物流体制の最適化により、国内外での需要の着実な取り込みと利益確保に努めました。また、2024年1月にグローバルベースで付加価値のある技術・製品・人財を生み出すことを目的に研究・開発組織を「クリヤマR&Ⅾ株式会社」として再編したことに加え、ホース事業の更なるグローバル展開を推進するため、オーストラリアに販売会社「Kuriyama Australia Pty Ltd.」を設立する等、企業価値向上に資する施策を着実に実行しました。

 また、より成長性と収益性が高い事業に経営資源を集中させ、中長期的な企業価値向上を図るべく、2024年12月末日をもってスポーツアパレル事業から撤退いたしました。

 この結果、当社グループの連結売上高は778億95百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は45億39百万円(前年同期比14.3%増)、経常利益は52億50百万円(前年同期比16.2%増)となりました。前連結会計年度において固定資産売却益14億12百万円を計上したものの、当連結会計年度は特別損失として事業撤退損3億76百万円を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は、35億45百万円(前年同期比6.5%減 )となりました。また、自己資本利益率(ROE)は8.4%となりました。

 セグメントごとの経営成績は次の通りであります。

 

◆アジア事業

[産業資材事業]

 主要顧客である農機・建機をはじめとした産業用機械メーカーの生産台数が減少した影響を受け、尿素SCR用モジュール・タンクや各種樹脂・ゴム製品等の販売が減少しました。また、中国においては景気低迷により、建機の生産台数が軟調に推移したため、同国での関連商材の販売が減少しました。これらの結果、売上高は165億66百万円(前年同期比6.7%減)となり、営業利益は21億円(前年同期比12.8%減)となりました。

[スポーツ・建設資材事業]

 スポーツ資材については、公共の体育館をはじめとする文教施設における改修物件の需要を着実に取り込んだことから、体育館用床材「タラフレックス」(弾性スポーツシート)の販売が増加しました。建設資材については、鉄道施設の安全対策強化に伴う改良・改修工事の増加を背景に、「TALE-TILE」(ホーム先端タイル)や「スキマモール」(列車とホームの隙間緩衝材)に加え、「エーストン」(ノンスリップタイル・点字タイル)等、当社オリジナル製品の販売が増加しました。これらの結果、売上高は98億99百万円(前年同期比9.4%増)となり、営業利益は商品構成の改善により8億63百万円(前年同期比243.0%増)となりました。

[その他事業]

 イタリアのスポーツアパレルブランド「MONTURA」は、セールを含めた販促活動により販売が増加しました。ダストコントロール事業は、レンタル向けマット製品の需要が持ち直し、また、ECサイトにおける業務用衛生製品等の販売が増加しました。これらの結果、売上高は8億26百万円(前年同期比16.8%増)となり、営業損失は2億81百万円(前年同期は営業損失3億11百万円)となりました。

 以上のことから、アジア事業全体では、売上高は272億93百万円(前年同期比0.8%減)となり、営業利益は26億83百万円(前年同期比14.2%増)となりました。

 

◆北米事業

 年末にかけて、政治情勢懸念や高金利を背景とした市場の在庫調整がみられたものの、総じて各種ホース・継手の販売は底堅く推移しました。また、米国本社・物流倉庫の移転・拡張をはじめとした物流機能の最適化を推進したことが、販売機会を拡大する契機となりました。さらに、円安の影響が加わった結果、売上高は446億46百万円(前年同期比14.6%増)となり、営業利益は25億45百万円(前年同期比18.0%増)となりました。カテゴリ別の概況は以下の通りです。

 

▽産業用樹脂ホース「Tigerflex」

 主要マーケットである農業、土木、製造業を中心に多岐にわたる分野での販売が総じて底堅く推移しました。

 

▽高機能/汎用樹脂ホース・飲料用ホース「Kuri Tec・Accuflex」

 飲料用ホースは、大手飲料メーカー向けを中心に旺盛な需要を取り込み販売が増加しました。また、灌漑用ホースの販売が底堅く推移しました。

 

▽ペイントスプレーホース・下水配管洗浄用ホース「Piranha」

 外壁塗装用ペイントスプレーホースは、市場の在庫調整に伴い年末にかけて販売が減少しました。一方、下水配管洗浄用ホースの販売が堅調に推移しました。

 

▽ゴムホース・その他

 オイル・ガス、産業、建設関連向けの低圧用、高圧用ゴムホースは、底堅い需要により販売が増加しました。また、米国における消防用ホースの販売が堅調に推移しました。

 

◆欧州・南米・オセアニア事業

 主力の「消防用ホース・ノズル」の販売が、スペイン、ポルトガル及び南米地域における消防機関向けに堅調に推移しました。農業・一般産業分野向け「レイフラットホース」の販売が底堅く推移しましたが、アルゼンチンをはじめとした地域におけるオイル・ガス市場向け長距離送水用「大口径レイフラットホース」の販売が減少しました。2024年1月に設立した「Kuriyama Australia Pty Ltd.」については、4月より本格的に営業を開始しました。また、北米事業との連携を強化し、米国の消防機関向けに「消防用ホース」の販売を拡大する等、グループのシナジー効果による生産稼働率の向上に努めました。これらの結果、売上高は59億54百万円(前年同期比14.6%増)となりました。損益面においては、アルゼンチンの子会社に対する超インフレ会計の適用によるマイナス要因があったものの、営業利益は5億25百万円(前年同期比54.3%増)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べて9.7%増加し、707億81百万円となりました。これは現金及び預金が19億65百万円増加した他、建物及び構築物(純額)が31億37百万円増加したことによるものです。

(負債)

 負債合計は前連結会計年度末と比べて3.1%増加し、256億58百万円となりました。これは主にリース債務(固定負債)が26億62百万円増加したことによるものです。

(純資産)

 純資産合計は前連結会計年度末に比べて13.8%増加し、451億22百万円となりました。これは利益剰余金が28億36百万円増加した他、為替換算調整勘定が23億19百万円増加したことによるものです。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ19億49百万円増加し、93億87百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、68億74百万円の増加(前年同期は44億98百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益48億31百万円、棚卸資産の減少額15億10百万円等が要因であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、15億62百万円の減少(前年同期は6億46百万円の増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出14億74百万円等が要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、39億46百万円の減少(前年同期は52億9百万円の減少)となりました。これは主に短期借入金の純減少額16億7百万円、配当金の支払額13億33百万円等が要因であります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

アジア事業

産業資材事業

3,218,219

103.3

北米事業

11,734,054

106.6

欧州・南米事業・オセアニア事業

3,781,978

123.4

合計

18,734,252

109.0

(注)1 上記金額は製造原価によっております。

2 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

b.商品仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

アジア事業

産業資材事業

14,764,043

92.4

スポーツ・建設資材事業

4,783,590

110.9

その他事業

593,139

111.8

北米事業

28,189,556

109.8

欧州・南米事業・オセアニア事業

3,292,090

108.3

合計

51,622,421

104.2

(注)1 上記金額は実際仕入価格によっております。

2 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

c.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

アジア事業

産業資材事業

927,913

91.2

264,648

81.7

スポーツ・建設資材事業

4,895,948

109.6

1,918,824

118.6

合計

5,823,861

106.2

2,183,472

112.5

(注)1 上記金額は連結子会社であるクリヤマジャパン㈱の工事完成高(工事進行基準を適用しているものを含む)に係るものを表示しております。

2 製造子会社は、販売計画に基づく生産計画によって生産しており、受注生産は行っておりません。

 

d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

アジア事業

産業資材事業

16,566,850

93.4

スポーツ・建設資材事業

9,899,722

109.4

その他

826,817

116.8

北米事業

44,646,942

114.6

欧州・南米事業・オセアニア事業

5,954,941

114.6

合計

77,895,273

108.7

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 販売実績の内、工事完成高(工事進行基準を適用しているものを含む)は以下のとおりであります。

 

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

金額(千円)

金額(千円)

アジア事業

産業資材事業

935,410

987,304

スポーツ・建設資材事業

3,937,891

4,594,790

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)経営成績

① 売上高

 当連結会計年度における売上高は、778億95百万円(前年同期比8.7%増)となりました。売上高の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照下さい。

② 売上総利益

 当連結会計年度における売上総利益は、244億48百万円(前年同期比15.3%増)となりました。主な増加要因としましては、売上高の増加によるものであります。

③ 販売費及び一般管理費

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、199億8百万円(前年同期比15.6%増)となりました。主な

増加要因としましては、給与手当等の増加によるものであります。

④ 営業利益

 当連結会計年度における営業利益は、45億39百万円(前年同期比14.3%増)となりました。主な増加要因としましては、売上高の増加によるものであります。

⑤ 経常利益

 当連結会計年度における経常利益は、52億50百万円(前年同期比16.2%増)となりました。主な増加要因としましては営業利益が増加したことによるものであります。

⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、48億31百万円(前年同期比18.0%減)となりました。主な減少要因としましては、前連結会計年度に固定資産売却益を計上したものの、当連結会計年度は事業撤退損を計上したことによるものであります。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、35億45百万円(前年同期比6.5%減)となりました。

 

2)財政状態

 当連結会計年度末における財政状態の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

3)流動性及び資金の源泉

① キャッシュ・フロー

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

② 資金需要

 当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。

 運転資金需要のうち主なものは商社として機能するための商品の仕入、製造子会社では製品を製造するための材料仕入、製造費、共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては、主に工場設立などによる建物や機械装置等固定資産購入によるものであります。

③ 財務政策

 当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、設備資金につきましては、設備資金計画に基づき調達計画を作成し、内部資金で不足する場合は、長期借入金等により調達を行っております。

 なお、海外子会社につきましては、運転資金、設備資金とも、当社又は邦銀現地法人等より調達を行っております。

 

4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されており、その作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値及び収益、費用の報告数値について影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は過去の実績や状況に応じた合理的な見積り、判断及び仮定により継続的に検証し意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。なお、重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 当社はグループ全体の発展に寄与する商品開発・技術開発のために、製造技術・製造機械のレベル向上、解析業務・評価試験の拡充等、日々研究を積み重ねております。

 研究開発体制は、国内においては主にクリヤマR&D㈱、㈱サンエーが行い、海外においては、Accuflex Industrial Hose, Ltd.(カナダ)、Kuriyama Canada, Inc.(カナダ)、Piranha Hose Products, Inc.(米国)、Kuri Tec Manufacturing, Inc.(米国)、Técnicas e Ingeniería de Protección, S.A.U.(スペイン)及びIndustrias Quilmes S.A.U.(アルゼンチン)の製造子会社6社が主に行っております。

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は539百万円であります。

 各セグメント別の研究開発活動を示すと次のとおりであります。なお、その他事業にかかる研究開発費の記載は省略しております。

◆アジア事業

[産業資材事業]

 ゴム、プラスチック、新素材について材料の試験・研究及び新しい製品の開発、さらに製造技術の研究等新素材、新商品の開発及び既存製法の改良等を行っております。当連結会計年度においては、尿素タンク等の品質改良やホースモジュールの開発に努めた他、薄膜技術を応用することで新分野のセンサー開発に引き続き取り組んでまいりました。当連結会計年度における研究開発費の金額は320百万円であります。

[スポーツ・建設資材事業]

 耐侯性の高い陸上競技場用トラックの開発を行ってまいりました。当連結会計年度における研究開発費の金額は26百万円であります。

◆北米事業

 北米市場の種々のホースに関して、独自性を持った競争力のある製品の開発を行うために、米国製造子会社(2社)とカナダ製造子会社(2社)がそれぞれの製造技術の融合を図りながら、環境の変化や用途の変更に対応した新製品の開発を推進しております。当連結会計年度においては、原価低減と地球環境保護に貢献すべく、製造途中で出たスクラップ材をリサイクルできるようにその開発に引き続き注力した他、新素材のホースの製品開発、更にコスト低減すべく一部仕入ホース商品の内製化に努めてきました。当連結会計年度における研究開発費の金額は159百万円であります。

◆欧州・南米・オセアニア事業

 スペイン製造子会社では、北米市場向けに新規格のホース開発に努めた他、高強度・新素材のホース開発に努めてきました。当連結会計年度における研究開発費の金額は32百万円であります。