第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、経営理念を「我々は信用を第一とし、情報の具現化によって、相互の利益を追求する」と定め、自らの意思で情報を具体的なビジネスへと形にし、今までにないマーケットを創出することを目指しています。

当社グループが運営するBESS事業においては、『「住む」より「楽しむ」』をブランドスローガンに、ログハウスなど自然材をふんだんに使った個性的な木の家の提供を通じて、「ユーザー・ハピネス」の実現を目指します。家がモノとして完成した際の満足=カスタマー・サティスファクションよりも、ユーザーが暮らしてからの満足=“楽しい暮らし”を大切にし、日本人の暮らし文化の「明日」を造っていきます。

 

(2)経営環境

わが国経済は、年明けから世界規模で流行し始めた新型コロナウイルス感染症の影響により、景気悪化が避けられない状況となりました。

住宅市場においては、消費増税の影響もあり、2019年4月-2020年3月の新設住宅着工数は前年同期比7.3%減(3月の季節調整済年率換算値90.5万戸)となりました。今後も、国内の構造的な人口減による住宅市場の縮小は避けられないものと考えています。

一方で、近年の消費者のマインドにおいて、「コト消費」といった言葉に代表されるように、感性や体験を重視する「感性市場」は拡大傾向にあると捉えています。

当社グループは、BESS事業において『「住む」より「楽しむ」』というスローガンの下、心豊かな暮らしを実現する自然派個性住宅を一貫して提供し続けており、これまで築き上げたBESSブランドで「感性市場」に働きかけることで、住宅シェアの拡大を目指してまいります。

 

(3)経営戦略等

当社は、2018年3月期から2020年3月期にかけて、中期3ヵ年計画「“業界最狂、ハピネス拡散”」を推進し、ユーザー視点から住宅業界の常識に挑戦する「異端」とも言える経営姿勢を更に進化させる意味と、当社が理想とする「“狂”狷の道」(注)を進んでいくことで、多くの熱“狂”的とも言えるほどのBESSファンとともに大きく成長していきたいという思いを込めて“最狂”を掲げ、BESSのブランドミッション「ユーザー・ハピネス」拡大を通じ、最終年度の2020年3月期において連結売上高200億円、営業利益率8%、ROE18%の実現を目指してまいりました。

(注)狂狷(きょうけん):孔子の「論語」に由来し、狂者は進取の精神に富むいわば理想主義者、狷者は「できることでもやらないことがある」という強い信念の持ち主を意味し、当社では、理想を追い続け、意志を曲げないことを指しています。

 

中期3ヵ年計画の目標値に対しては未達の結果となりましたが、目標達成に向けての4つの重点施策については以下の通りそれぞれ推進してまいりました。

① BESSファンが集う「触媒力」拡大

2018年4月より展示場の呼称を改めLOGWAYとし、「LOGWAYコーチャー制度」や「LOGWAYクラブ制度」などのBESSならではの一連の取り組みを「LOGWAY戦略」と称し、更なるブランドの進化を進めてまいりました。

② 新時代の暮らし方「梺(ふもと)ぐらし」の創出

当社は、新しい時代の生き方・暮らし方として、ココロのぜいたく「梺ぐらし」をBESSからのメッセージとして訴求し、BESSの暮らしを実現できる魅力的な土地の確保を更に進めていくとともに、将来の販社展開の基礎づくりとして、用地確保から開発、紹介まで、本部直販部門でノウハウ、実績を積み重ねました。

③ BESSブランドを旗印に「販社制度」を強化

ブランド価値の向上を企図して、ブランド方針の理解・浸透とロイヤルティの向上を図り、全国にユーザー・ハピネスを拡散するために、BESS本部・販社が一体となって取り組める体制づくりを推進してまいりました。

④ 「生産革新」の実行

施工・物流・設計・情報・購買の5つのテーマを掲げて改善に取り組み、BESSブランドを生産面から高めてまいりました。また、総合的な工期の短縮化にも取り組み、BESS販社を含めての生産性・収益性向上の実現を目指し、原材料の高騰や物流効率の課題に対し、継続して改善に取り組んでまいりました。

今後においては、先の中期経営計画への取り組みを通じて明らかになった諸課題を克服し、独自の強みであるブランド・営業戦略を更に推し進めることで付加価値を高め、事業をより高い次元に引き上げるべく、新たに中期経営計画を策定しました。「曲がり真直ぐ、BESSの道」をスローガンに、最終年度となる2023年3月期に連結売上高240億円、連結営業利益率8%を目指します。このスローガンには、「世の中の常識では曲がった道に見えても、当社が向かう本質価値への真直ぐの道ならば迷わず進む。それが、暮らしから日本を豊かにする『BESSの道』」という思いを込めています。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、現時点では業績に与える不確定要素が多いため、上記の中期経営計画の期間は見直す可能性があります。当社グループといたしましては、財政基盤を整えつつ、地域の実情に合わせてBESSならではの営業施策を講じることにより、この未曽有の難局を乗り越えるとともに、新中期経営計画の実質的なスタートに備える所存であります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するために客観的な指標等

当社グループでは、中期経営計画の目標値である最終年度の連結売上高240億円、連結営業利益率8%の他、成長性、収益性(営業効率)の観点から、売上高の先行指標としてBESS LOGWAY数、全国LOGWAY新規来場件数、契約(受注)高及び件数、また、資本効率及び株主価値創造の尺度としてROE(自己資本当期純利益率)、加えてDOE(純資産配当率)を重要な経営指標と認識しております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上課題

① 中期経営計画における事業戦略

イ 「LOGWAY戦略のベストサイクル追求」

「LOGWAY戦略」を更に加速させ、BESSファンと共に、「ユーザー・ハピネス」を拡散させていきます。「LOGWAY戦略」成功の決め手は、LOGWAYコーチャー(BESSの暮らしの伝道師、すでにBESSでの暮らしを楽しんでいる先輩ユーザー)の活動とLOGWAYクラブ会員(会費制BESSファンクラブ、建設時期は未定でも、いつかはBESSの家に暮らす選択をすると意思表明された方)の会員数です。すでに1,000組超のコーチャーに、LOGWAYで活動いただいておりますが、この中期計画においては、コーチャーの活動を更に盛り上げ、クラブ会員の増加へと繋げることで、BESSの暮らしをより広く世の中に伝えていきます。

具体的には、接客やコーチャー活動によるファンづくりを強化し、新規来場者数に占めるクラブ会員数の増加を図ります。また、ユーザーとの関係を強化し、コーチャーになっていただけるユーザーを拡げていきます。これらにより、「BESSファンづくりサイクル」をより効率的に循環させていきます。

 

ロ 「『梺ぐらし』の本格化~地方を真の主役に」

自然を身近に感じながら、おおらかに。そんなメッセージを込めた新しい暮らし方「梺ぐらし」を先の中期計画で創出し、直販部門では成功実績を積み上げ始めました。この中期計画では、地方の良さを活かした「梺ぐらし」を更に本格化させ、開発案件数の拡大を図るとともに、住替え・移住・再販等、BESS元来の強みが発揮できる企画も推進します。また、全国展開するBESSグループの強みを活かし、販社での導入も推進します。

 

ハ 「ブランドパートナー型フランチャイズ制度の確立」

先の中期計画においても取り組んできたBESS事業の「価値観の統一」を更に進め、ブランド価値を共有するファンづくりパートナー関係を強化していきます。また、元販社の一部から拠点を引き継いだ株式会社BESSパートナーズについては、拠点ごとの収益性を高め自立化を図ることで、BESSブランドを担ぐパートナーとしての独立、のれん分けの道筋を作っていきます。

 

ニ 「長寿企業を目指す収益構造改革」

先の中期計画においては、ブランド力が収益性に結びつかず課題が残りました。この中期計画においては、受注平準化と着工/引渡平準化、ログ構法における施工・収益力改善、生産・物流コスト削減等に、BESS本部・販社一体となった組織力で取り組むことにより、収益性改善を図ります。そして、当社が目指す長寿企業への道筋をつくる収益構造を確立していきます。

 

② 新型コロナウイルス感染症への対応

・当社は社員の安全確保のため、リモートワーク・WEB会議を活用した在宅勤務を導入し、また、出社する場合は、外出前の検温、マスクの着用、手指の消毒、換気・相互の離隔による「三密」防止を実施し感染防止に努めております。BESS事業に従事する全国拠点スタッフにおきましても同様の防止策を徹底しております。施工現場におきましては、毎朝の検温と異常時の報告、手洗い・うがいの徹底、マスクの着用、十分な換気、密集を避ける工程管理等により、感染防止を徹底した上で工事を実施しております。

・全国の営業拠点「LOGWAY」の運営におきましては、必要なお客様への「予約制」にて運営し、お客様の安全を確保しながら商談を進めております。また、BESS単独で運営するLOGWAYならではの営業活動として、2020年3月末現在で約75,000組のストック顧客に対し、モデルハウスでの「貸切暮らし体験」をお勧めしており、既に、開始から2ヵ月で約400組の申込をいただいております。当面は新規来場客の減少と、それによる営業活動への影響は避けられない見通しですが、これまで築き上げてきたBESS事業の特長を活かして運営していくことで、この未曽有の難局に対処してまいります。

・工事進捗におきましては、現時点では概ね想定通りに進捗しておりますが、資材調達や公的手続き等に遅延が発生する場合も想定されるため、売上高の計上が遅れる可能性があります。当社としましては、全国各地の地区販社の状況を見極めたうえで、必要な経営施策を講じてまいります。

③ 財務戦略

イ 「財務の健全性確保」

・当社グループは、積極的な事業拡大を財務面から支えるために、取引金融機関との間でシンジケート方式によるコミットメントライン契約を締結し、資金調達の機動性及び効率性を高めておりますが、当連結会計年度末において、当該契約に付されている財務制限条項に抵触しています。各金融機関から期限の利益喪失についての権利行使を行わない旨の合意を得ていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は存在していないものの、こうした状況の速やかな解消を目指してまいります。

・また、新型コロナウイルス感染症の影響による経済環境の悪化が避けられない状況にあることから、当社グループの財務の健全性を確保するために、既存取引金融機関との連携をこれまで以上に密にしながら新規の資金調達等に取り組み、手元流動性資金の残高維持(月商の3ヵ月分以上)に努めてまいります。

ロ 「資本効率の向上」

・当社は、地区販社とのパートナーシップ(フランチャイズシステム)により、本部(当社)の陣容拡大を抑えながら売上成長を可能にする高効率の収益構造を目指しております。これにより、事業成長局面でも最小限の設備投資・在庫でフリーキャッシュ・フローを増大させるビジネスモデルを確立しています。

・営業拠点の拡大等によりこのメリットを最大限享受し、更なる資本効率の向上を図るとともに、株主資本比率50%程度の健全性を兼ね備えた財務体質を目指してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると考えております。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.外部環境に起因するリスク

(1)経済環境、金利動向、自然災害等

 当社グループの主たる顧客は一般個人であることから、雇用情勢、地価の推移、金利の動向、住宅関連税制の変更、自然災害ならびに疫病の発生・蔓延等による個人消費低下の影響を受ける可能性があります。開業当初、当社の商品は経済的に比較的余裕のある層を対象とした別荘が主であり、このような影響を受けにくい面がありましたが、近年、自宅用途の比率が90%以上を占めており、消費動向と極めて密接な繋がりがあります。

 また、地震や台風などの自然災害の発生により、当社の施工物件、LOGWAY設備等への直接的な被害のほか、建設材料・資材の調達先企業における被害により部資材の調達等への支障が生じた場合など、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(2)輸入取引に関するリスク

 当社グループは、主力商品の一つであるGログの構造躯体をはじめ住宅部材の一部をフィンランド等から直接輸入しているため、これに伴い以下のようなリスクが存在しています。

① 為替変動リスク

 欧州から部資材を直接買い付けする際に、ユーロ建て決済(年間3百万ユーロ強)を行っており、為替変動による業績への影響の可能性があります。これに対して、為替予約等のリスクヘッジ策を講じているため、期中の為替変動に伴う業績への影響は比較的軽微ですが、対ユーロの円安傾向が長期化する場合や、期末の急激な為替変動が生じた場合などには、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

② 海上輸送に伴うリスク

 欧州からの部資材の輸送を、主に海上輸送に依存しているため、テロや地域紛争、国際関係の悪化による治安、情勢不安などによる運航リスク、原油価格の高騰などによる輸送コストの上昇、コンテナ需給の逼迫による輸送遅延などのリスクがあり、これらの事象が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(3)法的規制等

 当社グループは住宅事業を営んでおり、日本国内において建築基準法、住宅品質確保促進法、建築物省エネ法その他多数の法令により、規制を受けています。今後、これらの規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

① 建築基準法

 当社グループの商品には、外壁に天然木を使用しているために、各地域の防火規制により建設可能地域が限定されているものがあります。これまでの技術開発により、BESS商品ラインナップ5シリーズについて、既に準防火地域での建設が可能になっておりますが、今後の規制の動向によって影響を受ける可能性があります。

② 住宅品質確保促進法

 住宅品質確保促進法により、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵に対する補修等が10年間義務付けられていますが、当社は独自の「BESS安心総合保証制度」を設け、住宅瑕疵担保責任保険法人を通して、5年ごとに定期点検及び必要な修補、保証更新の手続きを行うことで、最大60年間の瑕疵保証を供与しています。そのため、同業他社に比してその度合いは相当に低減されるものの、当社グループの引渡件数の増加に伴ってクレーム件数や保証工事が増加した場合、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、顧客に引渡した商品に重大な瑕疵があるとされた場合には、それが当社グループの責によるか否かを問わず、また、実際の瑕疵の有無によらず、当社グループの評判が低下し、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

③ 営業登録等

 当社グループは、住宅事業を営むに際し、建築士法に基づく建築士事務所登録、建設業法に基づく建設業許可及び宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引業免許を取得し、各法令の規定に基づいて業務を遂行しており、それぞれの登録等において届出が必要な資格を有する者は当社内に複数在籍しております。当社グループでは、これらの登録等の諸条件や各法令の遵守に努めており、現状においては、これらの登録等が取消しとなる事由は認識しておりません。しかしながら、万一法令違反等によって登録等が取消された場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(4)新型コロナウイルス等の感染症の拡大によるリスク

 当社グループの従業員及びBESS事業に従事する全国拠点スタッフに新型コロナウィルスをはじめとする感染症が発生又は蔓延した場合、一時的な営業活動の自粛などにより、当社グループの経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。

 当社グループではこれらのリスクに対応するため、予防や拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。特に、今般のコロナウイルスの感染拡大に伴い、当社グループでは、リモートワーク・WEB会議を活用した在宅勤務を導入し、また、出社する場合は、外出前の検温、マスクの着用、手指の消毒、換気・相互の離隔による「三密」防止を実施し感染防止に努めております。BESS事業に従事する全国拠点スタッフにおきましても同様の防止策を徹底しております。施工現場におきましては、毎朝の検温と異常時の報告、手洗い・うがいの徹底、マスクの着用、十分な換気、密集を避ける工程管理等により、感染防止を徹底した上で工事を実施しております。

 

2.当社グループ事業独自のリスク

(1)BESS事業への依存

 当社グループは、ブランド名称「BESS」を使用し、ログハウスに代表される自然材(無垢材)を多用した住宅の販売及び施工事業(BESS事業)を展開しております。現在、当社グループにおいては、BESS事業に経営資源のほとんどを投入しており、BESS事業に依存しております。BESS事業は、「こころを遊ばせる暮らしを求めるユーザー」に対して、その道具としてふさわしい「自然派個性住宅」を商品として提供するビジネスです。当社グループといたしましては、その事業コンセプトは流行に左右されない普遍性があると考えており、今後も主力事業として販売等の拡大を図っていく方針であります。しかしながら、一般住宅との競合や市場環境の急激な変化等、不測の事態が生じ、販売拡大に支障を来たした場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(2)地区販社への依存

 当社グループの主要な事業セグメントである販社部門では、フランチャイズ契約に基づき全国に23社(連結子会社3社を含む。)、38拠点(連結子会社3社の12拠点を含む。)の地区販社を展開しております。その当社グループ連結売上高に占める割合は44.0%(2020年3月期)と高く、今後も全国に地区販社の営業拠点を増やす計画であります。このような状況において、以下のようなリスクが存在しております。

① 地区販社の経営リスク

 地区販社に対しては、マーケティング活動に主眼を置いた顧客創造のためのフランチャイズシステムを導入し、BESS営業システムに基づくきめ細かな指導育成を行っているほか、次期中期経営計画においても「ブランドパートナー型フランチャイズ制度の確立」を重要施策に掲げ、ブランド価値を共有するファンづくりパートナー関係の強化に取り組んでまいります。しかしながら、地域経済の動向、自然災害、新型コロナウイルス等の感染症拡大、BESS以外の事業等に起因する経営不振など、様々な要因で地区販社がBESS事業を継続することが困難な状況に陥った場合、当社グループの売上減少等の影響に加えて、債権の貸倒れ発生やブランドイメージの低下を招くなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

② 地区販社に対するLOGWAY設備の一括譲渡

 地区販社に対する本部支援策の一環として、新規のBESS LOGWAYを出店する際に、新拠点の設計からモデルハウスの建設及び演出設定までを行ったうえ一括で地区販社へ譲渡し、展示場パッケージ売買契約に基づき分割で代金回収を行う支援策を、一部の地区販社に対し実施しております。この施策は、本部の考えるブランド要件を満たしたBESS LOGWAYを新設、運営する地区販社側の財務負担軽減が目的であります。しかしながら、当該新拠点の運営成績が目論み通り進捗しなかった場合、又は運営する地区販社の業績悪化等により経営不振に陥った場合、当該代金の回収遅延や貸倒れの発生などにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(3)ブランドイメージの低下

 当社グループの重要な販売網である地区販社は、当社と共通の「BESS」ブランドを使用しております。これらの地区販社における不正なブランド使用(顧客の流用、無断の広告使用など)、不祥事の発生などにより、BESS事業のブランドイメージの低下を通じて、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(4)工事の外注管理

 当社グループは、ログハウス等の工事を請負っておりますが、その施工を外注先に委託しております。外注管理については、外注先との定例会議や各施工現場の一般公開等を通じて徹底を図っておりますが、外注先の不手際等により重大なクレーム等が発生した場合には、当社グループの評判が低下し、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(5)個人情報の管理

 当社グループ及び地区販社では、LOGWAYの来場客等についての個人情報を管理しております。当該管理には、十分な注意を払い適切な対策を講じるとともに、今後、情報管理のセキュリティ機能強化等により一層の管理強化を図る方針ですが、これらの情報が何らかの事由により外部に漏洩した場合、当社グループの信用が低下し、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3.その他全般

(1)借入金に係る財務制限条項

 当社グループでは、積極的な事業拡大を支える運転資金の調達方法として、その機動性及び効率性、並びに中期的な財務の安定性確保の観点から、取引金融機関との間でシンジケート方式によるコミットメントライン契約を締結しております。本契約には一定の財務制限条項が付されており、当社がこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、当社グループの財政状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)重要事象等

 当社グループは、当連結会計年度末において、金融機関との間で締結しているコミットメントライン契約の財務制限条項に抵触しております。そのため、当連結会計年度において継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。しかしながら、当社グループとしては、コミットメントライン契約に係る各金融機関より、期限の利益喪失についての権利行使を行わないことについて合意を得ており、継続企業の前提に関する重要な不確実性はないと判断しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は、以下の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績等の概要

当連結会計年度におけるわが国経済は、相次ぐ自然災害の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善傾向に伴う内需の拡大に支えられ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。ところが、年明けから世界規模で流行し始めた新型コロナウイルス感染症の影響により計り知れないダメージを受け、景気悪化が避けられない状況となりました。

住宅市場においては、消費増税の影響もあり、2019年4月-2020年3月の新設住宅着工数は前年同期比7.3%減(3月の季節調整済年率換算値90.5万戸)、新設戸建木造持家着工数は同0.8%減となり、今後も弱含みで推移していく見通しとなりました。

このような状況のなか、当社は中期3ヵ年計画「“業界最狂、ハピネス拡散”」の最終年度を迎え、ユーザー視点から住宅業界の常識に挑戦する「異端」とも言える経営姿勢を更に進化させる意味と、当社が理想とする「“狂”狷の道」(注)を進んでいくことで、多くの熱“狂”的とも言えるほどのBESSファンとともに大きく成長していきたいという思いを込めて“最狂”を掲げ、BESSのブランドミッション「ユーザー・ハピネス」拡大を通じ、最終年度の2020年3月期において連結売上高200億円、営業利益率8%、ROE18%の実現を目指してまいりました。

(注)狂狷(きょうけん):孔子の「論語」に由来し、狂者は進取の精神に富むいわば理想主義者、狷者は「できることでもやらないことがある」という強い信念の持ち主を意味し、当社では、理想を追い続け、意志を曲げないことを指しています。

 

当連結会計年度における取り組みとして、まずは前期からの課題であったカナダ材の調達難に端を発する納品の遅れを収束させるとともに、BESS事業とは無関係の事業により経営難に陥った販社の6拠点について、連結子会社である株式会社BESSパートナーズが行った経費負担等の影響も、売上の計上により徐々に軽減させました。加えて、商品・営業両面で実行した施策が奏功して、第2四半期以降は前年同期比で大幅な増収を果たし、黒字基調に転じました。

 

(営業活動の状況)

① 商品面の取り組み

・外の楽しさを家の中に自由に持ちこめる土間を、今回コンセプトを新たに木で仕上げ木土間として備えたカントリーログ(不常識人)のキャンペーンモデル「カスキュー」を2019年6月までの期間限定で販売しました。

・「小さく建てて、大きく暮らす」コンセプトのもと、外を暮らしの中心と考え、家、ウッドデッキ、更にログキャビン(IMAGO)を加え、既成概念を超えた暮らしを提案する「ワンダーデバイス・ギャング」を販売開始しました。

・おおらかな三角屋根と、空中に浮かぶ超ベランダ空間「NIDO(ニド)」が特長のG-LOG(なつ)のキャンペーンモデルとして、「イスカ」を2019年7月から12月末までの期間限定で販売しました。

・日本の感性が生きる「程々の家」の特別モデルとして販売していた倭様のモデルを拡充し、定番シリーズにしました。家のサイズにより「七色(なないろ)」「八風(やつかぜ)」「十露(そろ)」の3モデルを定番化し、2019年10月より販売開始しました。また、2020年3月には代官山BESSスクエアに倭様特別モデルを建築し、BESSのフラッグシップモデルとして訴求しております。

・遊び心を取り込こんだワンダーデバイスについて、より商品の個性を際立たせ、顧客の暮らし・生き方によって選ばれるよう、コンセプトの深化を反映した新たなプラン(間取り)を開発し、2019年10月より販売開始しました。

・国産杉のログ材をシンプルに組み上げた、骨太で個性的な特徴を持つカントリーログ(不常識人)のキャンペーンモデル「クルード」を2020年2月から6月まで期間限定で販売しております。

 

② 営業面の取り組み

・2018年4月より展示場の呼称を改めLOGWAYとし、BESSならではの一連の取り組みを「LOGWAY戦略」と称し、更なるブランドの進化を進めてまいりました。LOGWAYでは、BESSの家に実際に住まれる方々に「LOGWAYコーチャー」としてBESSの暮らしを来場者に伝えるイベント等に参画していただきました。LOGWAYコーチャー登録数は、2020年3月末現在1,000組を超えており、全国のLOGWAYで活躍されています。

・BESSの暮らしを検討する方を応援する制度として、2018年10月より「LOGWAYクラブ」を立ち上げました。会員向けの特別モデルの販売をはじめ、様々な会員特典を用意しています。2020年3月末現在の会員数は600組(契約済み会員を除く)を超え、多くのBESSファンが入会されています。

・全国のLOGWAYを更に盛り上げる一斉イベントとして、2019年9月から11月の期間で「LOGWAYフェスタ」を、2020年1月から2月の期間で「好きで、てまひまBESSライフ」イベントを全国一斉で実施し、薪ストーブやDIY、ウッドデッキなどのBESSならではの暮らしについて、LOGWAYコーチャーから話を聞き、一緒に体験して頂くなど、BESSの暮らしを訴求してまいりました。

③ その他の取り組み

・施工、物流、設計、情報、購買の5つのテーマを掲げて生産面を大幅に変革する「生産革新」に取り組んできました。これを2018年4月より「BH(BESS Housing)生産システム」と名づけ、供給部材の取扱いを拡充し、特に施工・物流面では「ログハウス施工現場の負担軽減」を実現してきました。更に、今後の受注拡大に向けて、提携工場の拡充等による生産性及び物流効率の向上に取り組んでおります。

・株式会社BESSパートナーズにおいて、拠点経営の自立化を促す目的で2019年4月に会社分割を行い、同社の札幌営業所及び岐阜営業所を、株式会社BESS札幌及び株式会社BESS岐阜にそれぞれ継承しました。両社については、その重要性に鑑み、第1四半期連結会計期間から当社の連結子会社としました。

・コーポレートガバナンスに関する取り組みとして、独立社外取締役を主要な構成員とする報酬諮問委員会を取締役会の決議により設置し、役員報酬に係る取締役会の機能の独立性、客観性及び説明責任を強化することとしました。

 

(業績先行指標の状況)

先行指標となる全国BESS LOGWAY(展示場)への集客面では、前期はBESS多摩のオープンで来場が急増しましたが、今期においては、消費増税、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、新規来場者数は前年同期比22.7%減、再来場者数は同15.9%減となりました。しかし、LOGWAY戦略の遂行により来場から商談に進展した件数が前年同期比で1.4%伸長し、また、当社が新しい時代の生き方・暮らし方として提唱する「梺ぐらし」向け用地開発を直販部門において進めたことなどから、連結契約(受注)高は16,737百万円(前年同期比3.5%増)と伸長し、過去最高となりました。また、次期売上高の原資となる期末契約(受注)残高においても、過去最高の14,069百万円(同0.8%増)となりました。

LOGWAY展開については、2019年4月にBESS山形及びBESS大分、2019年12月にBESS熊本及びBESS新潟、2020年3月にBESS福岡南及びBESS糸島が営業終了となった一方、2020年3月にBESS熊本及びBESS糸島を株式会社BESSパートナーズが承継して営業を再開し、現在の稼働拠点数は41拠点となりました。なお、BESS新潟については、近隣の地区販社が承継し、2020年5月より営業を再開しております。また、2020年秋頃には福岡地区(福岡県)にて、新規オープンを予定しております。

営業体制は、BESS事業全体(販社含む)の専任営業員数(BESS専任の営業として在籍する営業員数)は、販社数の減少もあり、157名と前期末より10名減となりました。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(連結業績の概要)

当連結会計年度における連結売上高は、前期にオープンしたBESS多摩及び、株式会社BESSパートナーズが販社から承継した営業拠点における契約(受注)が当期より売上に寄与し始めたことや、本部・販社一体となり売上回転を高める取組みを行ったこと等により、前年同期比42.1%増の17,614百万円となりました。利益面においては、前期からの課題であったカナダ材の調達難に端を発する納品の遅れ、BESS事業とは無関係の事業により経営難に陥った販社の6拠点について株式会社BESSパートナーズが行った経費負担等の影響を受けたことに加え、生産革新の導入初期におけるコスト増、材料費・外注費の高騰などにより、連結営業利益は70百万円(前年同期は635百万円の損失)、連結経常利益は74百万円(同680百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は23百万円(同541百万円の損失)に留まったものの、黒字に転換いたしました。

なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響については、業績の先行指標となる来場、契約において3月に影響を受けたものの、売上、利益面においては軽微な影響に留まりました。

 

(個別業績の概要)

当事業年度における売上高は、前期にオープンしたBESS多摩における契約(受注)が当期より売上に寄与し始めたことや、本部・販社一体となり売上回転を高める取組みを行ったこと等により、前年同期比29.6%増の15,042百万円となりました。一方、利益面においては、営業利益226百万円(前年同期は246百万円の損失)、経常利益248百万円(同262百万円の損失)を確保したものの、連結子会社である株式会社BESSパートナーズ社の株式実質価額が著しく低下していることから、同社の業績や財務状況などを勘案し、関係会社株式評価損80百万円及び貸倒引当金繰入額455百万円を特別損失に計上したことにより、当期純損失319百万円(同160百万円の損失)となりました。なお、当該特別損失は、連結財務諸表上は消去されるため、連結業績に与える影響はありません。

 

(報告セグメントの業績概要)

当社グループの単一事業であるBESS事業は、暮らしのブランド『BESS』の下、『「住む」より「楽しむ」』をスローガンに、個性的で楽しい暮らし方のデザインにまで踏み込んで開発した企画型住宅(=ログハウス等の自然派個性住宅)の提供を行っております。住宅引渡時点での顧客満足以上に、暮らしをスタートしてからの「“ユーザー・ハピネス”の実現」を使命としています。

その業績概要については、以下の3つの報告セグメントに区分されます

 

イ 直販部門

連結売上高の29.1%(外部顧客売上高ベース)を占める直販部門は、東京都・代官山の「BESSスクエア」、2018年4月にオープンした東京都・昭島の「BESS多摩」、及び神奈川県の「BESS藤沢」の直営3拠点で、東京・神奈川圏を中心とする顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅等の提供を主要事業としております。

BESS多摩の契約(受注)が売上・利益に貢献し始めたこと等からセグメント売上高は5,120百万円(前年同期比30.5%増)となり、セグメント利益は359百万円(前年同期は22百万円の損失)となりました。拠点のチーム力向上を目指した組織変更を行い、営業・設計・技術一体で生産力の向上に取り組んでいます。

また、セグメント契約(受注)高は、5,900百万円(前年同期比6.7%増)となりました。

 

ロ 販社部門

連結売上高の44.0%を占める販社部門は、全国の地区販社に対して、BESSブランドと販売システム等を提供するとともに、BESS企画型住宅の部材パッケージ等を供給する事業を行っております。

当連結会計年度におけるセグメント売上高は、本部・販社一体となった売上回転の向上を目指した結果、セグメント売上高は9,925百万円(前年同期比29.1%増)となり、セグメント利益は1,136百万円(同15.8%増)となりました。

また、セグメント契約(受注)高は、BP社拠点の増加に伴いセグメント間取引の割合が増加したことなどから、5,597百万円(同9.5%減)となりました。

 

ハ BP社

連結売上高の26.9%を占める国内連結子会社グループのBP社は、株式会社BESSパートナーズが担う金沢(石川県)、熊谷(埼玉県)、水戸(茨城県)、つくば(茨城県)、富士(静岡県)、静岡中部(静岡県)、浜松(静岡県)、東愛知(愛知県)及び、株式会社BESS札幌が担う札幌(北海道)、株式会社BESS岐阜が担う岐阜(岐阜県)に加え、ブランド強化策等による一部販社の再編に伴い、2020年3月より熊本(熊本県)、糸島(福岡県)を新たに加えた合計12地区のBESS LOGWAYを営業拠点として、顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅の提供を主要事業としております。

当連結会計年度におけるセグメント売上高は4,811百万円(前年同期比130.3%増)と、前期に承継した6拠点の契約(受注)が進捗し始めたことで下期には収益貢献できるようになったものの、先行した経費負担をカバーするに至らずセグメント損失は120百万円(前年同期は266百万円の損失)となりました。

セグメント契約(受注)高は、拠点増により5,239百万円(前年同期比17.6%増)となりました。

 

② 受注及び販売の実績

前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)                (単位:百万円)

セグメント

区分

品目名称

前連結会計年度繰越高

当連結会計年度契約高

当連結会計年度売上高

次期繰越高

当連結会計年度施工高

契約残高

うち施工高

直販部門

ログハウス等

部材パッケージ販売

58

83

142

117

24

ログハウス等工事

3,487

5,430

8,917

3,600

5,317

73

3,642

その他

0

16

17

189

(小計)

3,546

5,530

9,077

3,907

5,342

73

3,642

販社部門

ログハウス等

部材パッケージ販売

3,788

6,185

9,973

5,339

4,634

その他

1,079

(小計)

3,788

6,185

9,973

6,419

4,634

 BP社

ログハウス等

部材パッケージ販売

3

3

3

ログハウス等工事

1,596

4,449

6,046

2,062

3,984

17

2,056

 その他

4

(小計)

1,596

4,453

6,050

2,070

3,984

17

2,056

 合計

 

8,931

16,169

25,101

12,397

13,960

90

5,698

(注)1 前連結会計年度以前に契約したもので、契約の更改等により金額に変更のあるものについては、当期契約高に含めております。

2 次期繰越高のうち施工高については、未成工事支出金により手持工事の施工高を推定したものであります。

3 「ログハウス等工事」の施工高は(売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。

4 各部門の「その他」(販促物販売収入等)は、契約高の繰越管理を行っておりませんので、「前期繰越高」「当期契約高」及び「次期繰越高」の欄の記載は行っておりません。

 

当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)                (単位:百万円)

セグメント

区分

品目名称

前連結会計年度繰越高

当連結会計年度契約高

当連結会計年度売上高

次期繰越高

当連結会計年度施工高

契約残高

うち施工高

直販部門

ログハウス等

部材パッケージ販売

24

283

308

149

158

ログハウス等工事

5,317

5,600

10,917

4,779

6,137

63

4,770

その他

16

16

187

(小計)

5,342

5,900

11,242

5,116

6,296

63

4,770

販社部門

ログハウス等

部材パッケージ販売

4,634

5,597

10,231

6,946

3,285

その他

811

(小計)

4,634

5,597

10,231

7,757

3,285

 BP社

ログハウス等

部材パッケージ販売

6

6

6

ログハウス等工事

3,984

5,232

9,217

4,729

4,487

11

4,723

 その他

3

(小計)

3,984

5,239

9,224

4,740

4,487

11

4,723

 合計

 

13,960

16,737

30,697

17,614

14,069

74

9,493

(注)1 前連結会計年度以前に契約したもので、契約の更改等により金額に変更のあるものについては、当期契約高に含めております。

2 次期繰越高のうち施工高については、未成工事支出金により手持工事の施工高を推定したものであります。

3 「ログハウス等工事」の施工高は(売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。

4 各部門の「その他」(販促物販売収入等)は、契約高の繰越管理を行っておりませんので、「前期繰越高」「当期契約高」及び「次期繰越高」の欄の記載は行っておりません。

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,522百万円となり、前連結会計年度末3,089百万円に対し433百万円の増加となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度は、営業活動により508百万円の資金増加(前年同期は690百万円の減少)となりました。

これは、仕入債務の増加額583百万円(同257百万円)、未払消費税の増加額364百万円(同152百万円の減少)、減価償却費270百万円(同237百万円)等による資金増加要因が、売上債権の増加額676百万円(同238百万円)等の資金減少要因を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度は、投資活動により使用した資金が187百万円(前年同期は254百万円)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出210百万円(同163百万円)及び無形固定資産の取得による支出93百万円(同92百万円)の資金減少要因が、投資有価証券の売却による収入122百万円(同84百万円)等の資金増加要因を上回ったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度は、財務活動により増加した資金が96百万円(前年同期は744百万円)となりました。

これは、短期借入金の増加582百万円(同250百万円)、長期借入れによる収入400百万円(同1,300百万円)等の資金増加要因が、長期借入金の返済による支出641百万円(同570百万円)、配当金の支払額225百万円(同220百万円)等の減少要因を上回ったことによるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの運転資金の主要な需要は営業費用であります。具体的には、ログハウス等部材パッケージに係る部材等の調達費、施工に要する外注費等の「売上原価」と、人件費、広告宣伝販促費、研究開発費等の「販売費及び一般管理費」であります。

当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金のほか金融機関からの借入により資金調達することとしております。借入による資金調達の内訳につきましては、運転資金は複数の金融機関との間で締結しているシンジケーション方式のコミットメントライン契約(総額2,000百万円、うち借入実行残高1,100百万円)をはじめとする短期借入金を中心に、そのほか設備投資などの長期性資金については、固定金利の長期借入金(2020年3月末残高2,425百万円)を中心にそれぞれ調達しております。

資金の流動性につきましては、顧客契約から売上計上及び代金の回収までのサイクルが長い(直販部門では元請工事の一般的な工期が約1年)ことなどを勘案して、借入金による調達実行を機動的に活用しながら、常に不測の事態に備えて厚めの残高(月商の3ヵ月を目安)を維持するよう努めております。

 

(財務政策)

当社の株主還元としてはDOE(連結純資産配当率)を重視した長期的な視点での安定的配当を基本とし、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保の確保にも配慮していく考えであります。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産、負債の報告数値、並びに報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行う必要があります。当社の経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び過程を過去の実績や状況に応じ、合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。特に、新型コロナウイルス感染症について、当社グループとしては、2020年9月から2021年3月に収束するシナリオを想定し、一部の会計上の見積りを行っておりますが、その影響は不確実であり予測が困難な状況です。これらの見積りと実際の結果が異なった際は、当社グループの連結財務諸表及びセグメントの業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、重要な会計上の見積りに係る計上基準については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 会計方針に関する事項(3)重要な引当金の計上基準及び(追加情報)」に記載の通りであります。

4【経営上の重要な契約等】

<BESS販社基本契約>

 当社は、効率的な事業の全国展開を図ることを基本方針として、フランチャイズ形態のBESS販社基本契約を締結しております。

 契約の要旨は次の通りであります。

契約内容

<当社の業務>

 

① BESSブランドの統括、方針、及び戦略の策定

② 商品の開発、関連商品の開発、及びそれらの標準価格の設定

③ 商品の資材部材パッケージの供給

④ 全国宣伝、広報の実施

⑤ 販売促進、営業、受注におけるノウハウの提供

⑥ 商品施工における技術ノウハウの提供

⑦ 事業運営ノウハウの提供

⑧ BESS街区事業のノウハウの提供、推進支援

⑨ 顧客情報の管理

⑩ BESS商品の物件に関する情報の管理

 

<販社の業務>

 

① エリア宣伝、広報の実施

② 顧客の開拓

③ 開拓した顧客情報の提供

④ 物件企画、設計

⑤ 設計監理、施工、メンテナンス

⑥ BESS街区事業等の不動産事業

契約品目

当社の開発したBESS商品及び当社の選定した関連商品

ロイヤリティー

顧客との個別契約に基づく一定料率

契約期間

1年間。協議のうえ更に1年間更新。(以降も同様)

販社契約先

株式会社BESSパートナーズ、株式会社BESS札幌、株式会社BESS岐阜、

株式会社BESS京神、株式会社BESS信州、株式会社BESS福岡、

株式会社BESS髙勝、株式会社BESS愛知、株式会社BESS群馬、

株式会社BESS北陸、株式会社BESS廣岡、株式会社BESS-L

株式会社高橋建築、橋本建設株式会社、長電建設株式会社、株式会社アービスホーム、

安田建設株式会社、谷口建設興業株式会社、株式会社エスケー住建、

株式会社日本中央住販、三共株式会社、epm不動産株式会社、今山住建株式会社

                        (2020年3月31日現在、23社)

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、主としてログハウス等の部材パッケージ製造及び販売等のサービスを提供しており、商品の開発にかかるコンセプト並びにデザインをBI(ブランドイメージ)企画室が担当し、研究開発を商品開発部にて行っております。

 当連結会計年度の研究開発活動におきましては、商品開発のスタンスとして「ハードは競争、ソフトは我が道!」を掲げ、当社商品の特徴である『自然を身近に感じながら、大らかに過ごせる暮らし方』をより深めた商品群の開発に力を注いでおります。「ログハウス」と「エポックス」の2つのカテゴリーで、計5つの商品シリーズを展開し、それぞれの個性を強めて区別化を図ることに注力しております。

 新商品の開発におきましては、新モデルを開発し市場拡大を目指すとともに、継続モデルにおいても付加価値を高める新仕様を取り入れております。研究開発においては、当社住宅性能の基本方針である「丈夫で長もち」、「健康で快適」、「環境への配慮」を実現し、高次元にバランスすべく技術の開発を進めております。

 当連結会計年度の主な活動は次の通りであり、研究開発費の総額は172百万円であります。

 

・生産革新への取組み

BESSブランドを生産面からも高めるため、また、深刻化する将来の職人不足への対策として、設計・購買・物流・施工・情報の5つの革新により、現場施工負荷の大幅な削減と工期短縮による施工回転力の向上に向けた仕様開発を進めてきました。2018年4月より「BH(BESS Housing)生産システム」という名称で、全国で本稼動を開始しています。更に今後の受注増に対応すべく、提携工場の拡充等による生産性及び物流効率の向上に取り組んでいます。

・「ワンダーデバイス・ギャング」の開発

「小さく建てて、大きく暮らす」コンセプトのもと、外を暮らしの中心と考え、家、ウッドデッキ、更にログキャビン(IMAGO)を加え、既成概念を超えた暮らしを提案する「ワンダーデバイス・ギャング」を開発・発売しました。

・G-LOGキャンペーンモデル「イスカ」の開発

おおらかなカネ勾配(45°の直角三角形)の屋根に空中リビングとも言える大空間のベランダ「NIDO」を備え、家族が自然と集まる吹き抜け下のリビングが特徴的なG-LOG(なつ)のキャンペーンモデル「イスカ」を開発しました。特別モデルとして、2019年7月から12月までの期間限定で販売しました。

・倭様(やまとよう)「程々の家」の定番モデル拡充

日本の感性が生きる「程々の家」の特別モデルとして販売していた倭様のモデルを拡充し、定番シリーズにしました。家のサイズにより「七色(なないろ)」「八風(やつかぜ)」「十露(そろ)」の3モデルを定番化し、2019年10月より販売開始しました。また、2020年3月には代官山BESSスクエアに倭様特別モデルを建築し、BESSのフラッグシップモデルとして訴求しております。

・ワンダーデバイスのコンセプト深化

遊び心を取り込こんだワンダーデバイスについて、より商品の個性を際立たせ、顧客の暮らし・生き方によって選ばれるよう、コンセプトの深化を反映した新たなプラン(間取り)を開発し、2019年10月より販売開始しました。

・カントリーログキャンペーンモデル「クルード」の開発

国産杉のログ材をシンプルに組み上げた、骨太で個性的な特徴を持つカントリーログ(不常識人)のキャンペーンモデル「クルード」を開発しました。特別モデルとして、2020年2月から6月まで期間限定で販売しております。