第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、知恵と創造力を最大限に発揮して、「価値のある商品と情報の提供」「受託製造」「自社開発」「保守・メンテナンス」の4つの事業を通して夢のある社会に貢献してまいります。

1.国内外の法遵守に基づきフェアでオープンな経営を通して社会から信頼される企業を目指します。

2.お客様や仕入れ先様及び多くのステークホルダーに信頼される企業を目指します。

3.常に最先端の情報や技術を研鑽しお客様にその価値を認めて頂く企業を目指します。

4.地球環境に配慮した商品の提供や製造などを通してクリーンな社会へ貢献できる企業を目指します。

5.多様性を尊重し差別やハラスメントが無い健康・安全・安心な企業を目指します。

 

(2)経営戦略等

当社グループの主要なお客様の多くが係わる半導体市場及び半導体製造装置市場は、短期的な調整局面は想定されるものの、高速通信規格(5G)関連や人工知能(AI)、車載向け等の用途に加えデジタル・トランスフォーメーション(DX)やグリーン・トランスフォーメーション(GX)向け等の幅広い分野で半導体が用いられることから、中長期的な成長が見込まれております。

このような事業環境のなか、当社グループは『半導体製造装置の“高真空分野のNo.1プロバイダー”になる』を中期経営計画の基本方針と定め、熱の応用技術分野でコア技術の獲得を進めるとともにサプライヤーとの協業を図り高真空機器ユニット等の開発を進めてまいります。また、そのための積極的な設備投資及び人材育成・獲得を実施してまいります。

また受託製造事業においては、3つのサブ・ポートフォリオ(マニュファクチャリング・ソリューション事業、フィールド・ソリューション事業、テクニカル・ソリューション事業)に区分し、投資効率を高め、収益性の向上を図ってまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

中期経営計画(2021年4月~2024年3月)において、当社グループは積極的な設備・人材投資を行い半導体市場・半導体製造装置市場の成長への貢献を目指すとともに、経営上の目標の達成状況を判断するための指標は、売上高、営業利益、自己資本比率、自己資本利益率(ROE)としております。

中期経営計画(2021年4月~2024年3月)の2年目である当連結会計年度の目標値は、売上高38,876百万円、営業利益2,098百万円、自己資本比率38.6%、自己資本利益率(ROE)14.3%であります。

 

(4)経営環境

ウィズコロナの下で各種政策の効果もあり、景気は穏やかな回復傾向にありますが、ウクライナ情勢の長期化等の地政学リスクや世界的な金融引き締め等による国内外の経済活動への影響は、今後とも注視することが必要と考えております。

当社グループの主要なお客様の多くが係わる半導体市場や半導体・FPD製造装置市場は、景気変動の激しい市場ではありますが、5G関連やデータセンター、AI、車載向け等の幅広い用途に加え、DXやGXにより需要拡大が見込まれております。また、世界各地域において半導体に対する政府補助金等の支援体制等を背景に、中長期的に半導体生産能力拡大に向けた積極的な設備投資が見込まれております。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

経営方針及び中期経営計画の基本方針を実行していく上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

<トータル サプライチェーン プランナー企業としての基盤強化>

グループシナジーを最大限発揮できるトータル サプライチェーン プランナー企業としての経営基盤を強化するため、引き続き、R&D機能、製造機能、保守・メンテナンス機能、商社機能の4つの機能の強化・充実を図り、当社グループの更なる価値向上を目指してまいります。

 

1.R&D(Research & Development: 研究開発 )機能の強化

高真空機器ユニット開発への取り組みのほか、開発・設計に携わる人員の強化・拡充を図り、当社グループの中核事業である半導体関連事業に係る開発・提案力を高め、お客様のニーズや課題解決に取り組んでまいります。

 

2.製造機能の強化

市場の成長に伴う受注の増加に向けた生産設備・エリアの拡大等生産体制の整備を行うとともに、新たな製造技術の獲得により、製造領域の拡大を目指してまいります。また、製造の生産性を高め収益性の向上に取り組んでまいります。

 

3.保守・メンテナンス機能の強化

受注の拡大に向けた人員の増強を進めるとともに、長年の開発・製造により培われた技術を生かし、保守・メンテナンス機能の強化を図り、販売から保守・メンテナンスまでの幅広いカスタマーサービスにより、お客様満足度の一層の向上を図ってまいります。

 

4.商社機能の強化

安定的な部材供給を実現するとともに技術商社として、お客様の幅広いニーズの先取りに注力し、蓄積されたノウハウに基づく技術提案型営業により、単なるサプライヤーとしてではなく付加価値を提供するサプライチェーンにて仕入れ先様とお客様を繋いでまいります。

また、今後の受注増加に備え、物流機能の高度化を推し進めるとともに、業務の効率化・合理化を図り、市場における当社の優位性を構築してまいります。

 

<人材への取り組み>

 当社グループは、企業の競争力の源泉は「人」であり、多様な人材が互いの価値観の違いを認め合い組織力を高め、大きな目標に挑戦していくことが、企業の力になると考えております。

 詳細につきましては、「第1 企業の概況 5 従業員の状況(4)人材育成方針・社内環境整備方針」に記載しております。

 

<社内の多様性の確保>

 当社グループは、全従業員が各々のライフステージに合わせて活躍できる職場環境づくりを積極的に推進しており、家庭と仕事の両立支援に関しては、育児休業や女性の活躍推進策として、育児・介護支援、時差出勤や在宅勤務等の勤務体制の変革に取り組んでまいります。

 

<感染症や急激な事業環境の変化への耐性強化>

当社グループは、従業員及び家族の健康を含めた安全確保は最重要事項であると認識し、新型コロナウイルス感染症への対策につきましても、いち早く在宅勤務を実施し遠隔地から業務を遂行することができる体制を構築するとともに、工場等につきましてはゾーニングの徹底を図る等、当社グループのオペレーションに対する影響の最小限化を図ってまいりました。

地政学リスクの高まりやエネルギー価格を含めた物価の高騰、世界的な金融引締め等の外部環境の急激な変化につきましては不透明な状況ですが、あらゆるリスクを想定し可能な限りの対策を講じるとともに、リスクをチャンスと変えるよう積極的に取り組んでまいります。

 

<経営管理体制の強化>

コーポレートガバナンス・コードの趣旨に沿った当社のコーポレートガバナンス方針を着実に実践し、経営管理体制の継続的な改善を行うことで、その強化を図ってまいります。

コンプライアンス、情報管理、リスク管理、財務管理等の実効性のある運用を実践することで、内部統制システムにおける各体制の強化・充実を図ってまいります。

 

<サステナビリティに関する取り組み>

当社グループは、持続可能な事業成長のためにサステナビリティを意識した経営が重要と考えております。

詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 半導体やFPDは、モバイル・AV機器やデータサーバー等のさまざまな製品に搭載され、IoTやAI、5Gなどの普及により加速するデータ社会において中心的な役割を担い、より便利で豊かな社会を構築します。

 当社グループは、経営理念として、主要事業である半導体製造装置、FPD製造装置等に使用される空気圧機器をはじめとした部材・ユニット品の販売・製造を、環境負荷低減に配慮した製品の販売や製造技術・生産性の向上を通じて、社会の課題解決や発展に貢献することを目指しており、サステナビリティの推進は経営理念の実現そのものであると考えております。

 また、2015年に国連で採択された世界共通の目標であるSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)に、積極的に取り組んでまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

① ガバナンス

 当社グループは、「コーポレート・ガバナンスの基本方針」において、サステナビリティ方針・マテリアリティについて、取締役会が決定することを明確に定めております。

 目標や具体的な取組み施策については、サステナビリティ委員会で協議・決定・進捗管理・モニタリングを定期的に実施し、必要に応じて各事業部門へ支援を行っております。取締役会は、サステナビリティ委員会で協議・決定された内容の報告を定期的に受け、監督を行っております。

 

② 戦略

 当社グループは、中期経営計画において、「顧客対応力」「生産性向上」「保守・メンテナンス」「製品開発力」「経営基盤」の5つのマテリアリティを基に、「機会」と「リスク」の二側面で捉え、18のサステナビリティ目標・KPIを設定し、各社・部門・個人にて取り組んでおります。

 

③ リスク管理

 当社グループは、目標の設定にあたりにリスクカタログによるリスクの「影響度」「発生頻度」を数値化し、事業及び財務への影響度を評価し、定期的にモニタリングを行っております。

 

④ 指標及び目標

 当社グループは、サステナビリティ目標を管理する指標として各々数値目標を定めております。

 

<サステナビリティ目標>

マテリアリティ

カテゴリー

サステナビリティ

目標

サステナビリティKPI

単位

23.3期目標

23.3期実績

24.3期目標

顧客対応力

商社機能

サプライチェーンの最適化

物流コストの削減率(21/3期比)

▲10

▲14.1

▲15

 

 

顧客情報の情報セキュリティ

情報セキュリティに関するクレーム件数

0

0

0

生産性向上

製造機能

製造部門の効率化

製品品質クレーム数の削減(前年対比)

▲10

▲2.3

▲10

 

 

高真空分野の製品量産

量産移行件数(21/3期比)

10

9

15

保守・メンテナンス

保守・メンテナンス機能

中古機部門の技術革新

修理リードタイムの低減(21/3期比)

▲10

▲12

▲10

 

 

リペア部門の一元管理化

保守管理リードタイムの低減(21/3期比)

▲5

▲3

▲5

製品開発力

R&D機能

高真空分野の製品開発

製品開発数

0

0

1

経営基盤

経営管理

環境コンプライアンス

環境マネジメント(ISO14001)の維持審査合格

認証

認証

認証

認証

 

 

有害物質管理

有害物質含有調査率(回答率)

100

100

100

 

 

CO2 排出量削減効果

CO2 排出量削減(21/3期比)

44.6

 

 

労働安全衛生

重大事故(休業災害)発生件数

0

0

0

 

 

中核人材における多様性

女性管理者比率(グループ)

6

6.8

7

 

 

教育機会の付与

一人あたりの研修時間

時間

20

19.6

20

 

 

コンプライアンス・腐敗防止

重大なコンプライアンス違反(訴訟)件数

0

0

0

 

 

責任ある鉱物調達

紛争鉱物調査率(回答率)

100

100

100

 

 

DXの推進・情報管理

デジタル化による業務効率向上(21/3期比)

20

20

30

 

 

責任ある情報管理体制

機密情報の流出件数

0

0

0

 

 

持続的成長を実現する財務基盤の強化

自己資本比率

38.6

35.7

40.9

 

(2)人的資本

 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、及び指標並びに目標・実績は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況(4)人材育成方針・社内環境整備方針」に記載しております。

 

 

3【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しています。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の有価証券に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容を併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)半導体市場の需要動向や価格動向による当社グループの業績への影響について

当社グループは、主に半導体・FPD製造装置などの各種コンポーネンツ及び同装置等の販売を主に行う販売事業と、半導体・FPD製造装置等の組立及び保守・メンテナンス等を行う受託製造事業とで構成され、半導体メーカーや半導体製造装置メーカーへの依存度が高くなっています。このため、当社グループの業績は世界的な景気変動のほか、半導体市場、とりわけ半導体製造装置市場の需要動向、価格動向の影響を強く受ける傾向にあります。

また、中長期的には、高速通信規格(5G)や人工知能(AI)、車載向けをはじめとする幅広い用途での半導体需要を背景に半導体製造装置市場の拡大が見込まれていますが、常にコストダウンの要求を受けることになるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)特定の取引先への依存度が高いことについて

当社グループの主要な販売及び受託製造の取引先は、東京エレクトロングループ(以下「同社グループ」という。)であり、当社グループの売上実績に対する依存度は2021年3月期71.2%、2022年3月期72.9%、2023年3月期75.3%と高い割合になっています。取引のパイプが太いことはビジネスチャンスでもありますので、取引先ニーズの先取りに努め、幅広い事業展開により今後も取引の維持・拡大に努める所存ですが、同社グループ各社への依存度が高いことから同社グループ各社との取引が大幅に減少した場合の当社グループ売上高への影響や、同社グループ各社が生産計画を変更した場合や主要取扱商品を変更した場合の当社在庫商品の評価への影響が考えられます。

 

(3)特定の仕入先への依存度が高いことについて

当社グループの主要な仕入先は、SMC株式会社であり、当社グループの商品仕入実績に対する依存度は2021年3月期36.5%、2022年3月期44.1%、2023年3月期45.3%と高い割合になっています。同社とは1965年11月から空気圧機器に関する代理店契約を締結し、長年にわたり密接な関係を維持し、今後も取引を維持・拡大していく方針ですが、契約が更新できない場合や同社との取引が大幅に減少した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)研究開発(R&D)について

当社グループは、今後の成長戦略として高真空/制御技術に対応する開発力の強化に注力しております。技術者の採用・育成が計画通りに進まない場合や、研究開発の対象分野が顧客要求に合致しなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)取引先の海外展開、海外情勢の変化や為替変動の影響について

当社グループは、取引先の生産拠点の海外移転や部品の海外調達に対応するため、中国に現地法人を設立し、営業を行っています。現地取引先の生産拠点の見直しが行われた場合や、現地における政治や社会情勢の変化、予期しない法令・規制の変更等により、現地法人の事業継続が困難となる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、海外取引においては、為替変動リスクが生じることから、急激な為替変動が起こった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)品質管理について

当社グループは、商品を販売・製造するにあたり適切な品質管理体制の整備を目指していますが、予期せぬ重大な不具合が発生した場合には、社会的信用の失墜や多額の費用の負担により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7)人材の確保と育成について

当社グループが取引先のニーズに応えていくためには、人的資本の充実が必須であると考えています。優秀な人材の確保や従業員の教育を計画的に実施する必要がありますが、計画通りに進まない場合には、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)法規制について

当社グループは、国内外で事業活動を行っており、さまざまな法令・規制を受け、これらの法令・規制を遵守できなかった場合、また、予期しない法令・規制の制定・改廃に対応できない事態が発生した場合には、当社グループの事業活動や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)情報漏洩について

当社グループは、重要な技術情報、企業情報、個人情報を保有するにあたり、管理ルールを整備し、重要情報の管理強化、徹底に努めていますが、予期せぬ事態により重要情報が外部に漏洩した場合には、社会的信用の失墜や多額の費用の負担により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)自然災害、戦争・テロ等について

想定外の大規模地震・津波・台風等の自然災害の発生や、新型インフルエンザなどの感染症罹患による従業員の大量出勤停止等により、当社グループや主要取引先の事業活動の停止または事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、国内外における戦争や暴動、テロ事件等の発生に起因して、サプライチェーンの混乱や商品・原材料・燃料等の価格が急激に上昇した場合や、商品等の前倒し確保等により安定調達に努めてまいりますが調達が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の日本経済は、ウィズコロナの下で各種政策の効果もあり景気は穏やかな回復傾向が見られたものの、ウクライナ情勢の長期化や物価高騰等依然として先行き不透明な状況が続きました。

当社グループが参画しております半導体・半導体製造装置市場におきましては、原材料や部材等のサプライチェーンの混乱や供給不足に改善の兆しが見られましたが、スマートフォンやパソコン等の需要減少を背景にメモリーを中心とした在庫調整が行われたほか、米国の対中輸出規制強化の影響への懸念から半導体設備投資に先送りの動きが見られました。一方、パワー半導体は、高速通信規格(5G)関連や世界的な自動車のEV化へ向けた動き等を背景に強い需要が続きました。また、世界各地域で半導体に対する政府補助金が計画される等、将来に向けた半導体製造に係る投資を下支えする動きも見られました。

FPD製造装置市場におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大時の在宅関連需要が一巡したことや景気減速の影響を受け、縮小傾向となりました。

このような事業環境の下、当社グループは、お客様へ商品やサービスを安定供給するため、在庫の確保や代替部品への切り替え提案等を積極的に実施してまいりました。また、今後の更なる需要拡大が見込まれる半導体市場に対応する生産体制の強化、及び顧客からのより高機能・高性能の要求が高まる真空/制御技術に対応する開発力強化のため進めてまいりました子会社である内外エレクトロニクス株式会社江刺事業所の新工場が3月31日に完成しました。

 

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

イ.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、300億10百万円(前連結会計年度比18.9%増)となりました。流動資産は219億45百万円(前連結会計年度比10.8%増)、固定資産は80億64百万円(前連結会計年度比48.4%増)となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、192億82百万円(前連結会計年度比22.4%増)となりました。流動負債は141億79百万円(前連結会計年度比10.1%増)、固定負債は51億2百万円(前連結会計年度比77.3%増)となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、107億28百万円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。

 

ロ.経営成績

当連結会計年度の業績は、半導体・FPD製造装置などの各種コンポーネンツ(部品)の販売及び受託製造事業における受注の減少が年度後半にみられましたが、年度を通して高水準を維持したことから、過去最高実績を更新し、売上高452億81百万円(前連結会計年度比20.6%増)、営業利益23億49百万円(前連結会計年度比10.7%増)、経常利益23億36百万円(前連結会計年度比10.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16億38百万円(前連結会計年度比6.3%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

販売事業

半導体・FPD製造装置などの各種コンポーネンツ(部品)及び同装置等の販売事業におきましては、上記記載の半導体製造装置市場の好調等を主因として、売上高413億88百万円(前連結会計年度比21.9%増)、セグメント利益19億51百万円(前連結会計年度比21.7%増)となりました。

 

受託製造事業

半導体・FPD製造装置などの組立及び保守・メンテナンス等の受託製造事業におきましては、販売事業と同様に半導体製造装置市場が好調に推移したこと等を主因として、売上高74億60百万円(前連結会計年度比15.1%増)、セグメント利益3億61百万円(前連結会計年度比23.7%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益、減価償却費、退職給付に係る負債の増加、仕入債務の増加、長期借入れによる収入等の増加要因に対し、売上債権の増加、棚卸資産の増加、法人税等の支払額や有形固定資産の取得による支出、配当金の支払額等の減少要因により、前連結会計年度末に比べ4億76百万円増加(前連結会計年度は9億30百万円の増加)し、当連結会計年度末には104億14百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果獲得した資金は10億28百万円(前連結会計年度は23億45百万円の獲得)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益23億36百万円、減価償却費2億65百万円、退職給付に係る負債の増加1億88百万円、仕入債務の増加額7億16百万円の増加要因に対し、売上債権の増加額4億12百万円、棚卸資産の増加額10億91百万円や法人税等の支払額8億52百万円の減少要因によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は24億58百万円(前連結会計年度は3億21百万円の使用)となりました。この主な要因は、定期預金の払戻による収入1億20百万円の増加要因に対し、定期預金の預入による支出1億39百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出24億33百万円の減少要因によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果獲得した資金は19億3百万円(前連結会計年度は10億94百万円の使用)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入31億98百万円の増加要因と、長期借入金の返済による支出8億42百万円、配当金の支払額3億87百万円の減少要因によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ.受託製造実績

 当連結会計年度における受託製造事業の受託製造実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

受託製造事業(千円)

6,411,660

116.3

合計(千円)

6,411,660

116.3

 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記金額は受託製造原価であります。

ロ.仕入実績

 当連結会計年度における販売事業の仕入実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

販売事業(千円)

35,010,036

123.8

合計(千円)

35,010,036

123.8

 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記金額は仕入価格によっております。

 

ハ.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

販売事業

51,953,088

106.4

28,481,018

161.4

受託製造事業

4,154,254

107.0

239,511

95.4

合計

56,107,342

106.4

28,717,194

160.5

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記金額は販売価格によっております。

3.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、半導体需要の高まりによるものであります。

 

ニ.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

販売事業(千円)

41,115,177

121.5

受託製造事業(千円)

4,165,902

112.2

合計(千円)

45,281,080

120.6

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ(株)

11,825,920

31.5

15,559,527

34.4

東京エレクトロン九州(株)

7,206,898

19.2

9,751,900

21.5

東京エレクトロン宮城(株)

8,211,830

21.9

8,585,372

19.0

3.上記金額は販売価格によっております。

4.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、半導体需要の高まりによるものであります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

 文中の将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績等

a.財政状態

<流動資産>

流動資産は、前連結会計年度末に比べ21億34百万円(10.8%)増加し、219億45百万円となりました。この主な要因は、売上増によるものであります。主な内訳として、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が4億95百万円、売掛金が6億28百万円、商品及び製品が13億4百万円の増加、電子記録債権が1億84百万円、原材料及び貯蔵品が1億71百万円の減少があります。

<固定資産>

固定資産は、前連結会計年度末に比べ26億29百万円(48.4%)増加し、80億64百万円となりました。この主な要因は、当社子会社の設備投資によるものであります。主な内訳として、前連結会計年度に比べ、建物及び構築物(純額)が25億3百万円の増加があります。

<流動負債>

流動負債は、前連結会計年度末に比べ13億4百万円(10.1%)増加し、141億79百万円となりました。この主な要因は、売上増に伴う仕入増、新規借入、当社子会社の設備投資によるものであります。主な内訳として、前連結会計年度に比べ支払手形及び買掛金が1億67百万円、電子記録債務が4億9百万円、1年内返済予定の長期借入金が3億54百万円、未払金が5億18百万円の増加、未払法人税等が1億5百万円の減少があります。

<固定負債>

固定負債は、前連結会計年度末に比べ22億24百万円(77.3%)増加し、51億2百万円となりました。この主な要因は、前連結会計年度末に比べ長期借入金が20億1百万円、退職給付に係る負債が1億88百万円増加したことによるものであります。

<純資産>

純資産は、前連結会計年度末に比べ12億34百万円(13.0%)増加し、107億28百万円となりました。この主な要因は、売上増に伴い利益剰余金が12億51百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ37.6%から35.7%となり、期末発行済株式数に基づく1株当たりの純資産は前連結会計年度末2,722.78円に対し3,071.85円となりました。

 

b.経営成績の分析

<売上高・売上総利益>

 当連結会計年度は、年度後半にメモリー需要バランス調整等から半導体需要の減少が見られましたが、年度を通しては高速通信規格(5G)の普及やデータ通信量の増加によるデータセンター投資や車載向けをはじめとする幅広い用途での半導体需要の高まりを背景にロジックやメモリー、パワー半導体などの積極的な設備投資が継続しましたことから、売上高は前連結会計年度に比べ77億29百万円(20.6%)増加し、452億81百万円となりました。

これにより、売上総利益は、前連結会計年度に比べ6億47百万円(14.3%)増加し、51億59百万円となりました。

<営業損益>

 販売費及び一般管理費は、給与及び賞与、支払手数料等の発生により、前連結会計年度に比べ4億19百万円(17.6%)増加し、28億9百万円となりました。

 以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ2億27百万円(10.7%)増加し、23億49百万円となりました。

<経常損益>

 営業外収益は、受取配当金の増加等により、前連結会計年度に比べ8百万円(23.4%)増加し、43百万円となりました。また、営業外費用は、支払手数料の増加により、前連結会計年度に比べ7百万円(14.6%)増加し、56百万円となりました。

 以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ2億28百万円(10.8%)増加し、23億36百万円となりました。

<税金等調整前当期純損益>

 税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億28百万円(10.8%)増加し、23億36百万円となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

ロ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

ハ.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

ウクライナ情勢の長期化や物価高騰等による影響から先行き不透明感が払拭できない状況ではありますが、現時点で必要十分な手許資金を確保しており、また必要に応じて金融機関等から資金調達が可能な体制を整えております。

なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は51億73百万円となっております。

また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は104億14百万円となっております。

 

 

 

ニ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

中期経営計画(2021年4月~2024年3月)の2年目である当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりであります。

売上高は計画比6,405百万円増(16.5%増)となりました。これは、幅広い用途での半導体需要の高まりを背景に半導体メーカー設備投資が継続したことによるものです。営業利益は増収により計画比251百万円増(12.0%増)となりました。

自己資本比率は、買入債務の増加及び設備投資に伴う有利子負債の増加等による総資本増加により、計画比2.9ポイント低下し35.7%となりました。自己資本利益率(ROE)は、増収により純利益が増加したことで1.9ポイント増の16.2%となりました。

 

2023年3月期 計画

2023年3月期 実績

2023年3月期 計画比

売上高

38,876百万円

45,281百万円

6,405百万円増(16.5%増)

営業利益

2,098百万円

2,349百万円

251百万円増(12.0%増)

自己資本比率

38.6%

35.7%

2.9ポイント減

自己資本利益率(ROE)

14.3%

16.2%

1.9ポイント増

 

ホ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 セグメントごとの経営成績の状況については「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 ロ.経営成績」に記載しております。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社(内外テック株式会社)の主な販売代理店契約は、次のとおりであります。

相手先の名称

契約品目

契約内容

契約期間

㈱コガネイ

空気圧商品

販売代理店契約

1965年10月1日から1年間とし、以降1年間の期間ごとに自動更新

SMC㈱

空気圧機器

販売代理店契約

1965年11月1日から1年間とし、以降1年間の期間ごとに自動更新

TDKラムダ㈱

マイコン用安定化電源

販売代理店契約

1979年4月1日から1年間とし、以降1年間の期間ごとに自動更新

ボッシュ・レックスロス㈱

アルミフレーム、油圧制御機器

販売代理店契約

1994年1月27日から1年間とし、以降1年間の期間ごとに自動更新

日本ポール㈱

エレクトロニクス用フィルター

販売代理店契約

1999年4月1日から1年間とし、以降1年間の期間ごとに自動更新

 (注) 上記契約の契約期間については、双方いずれかから文書による申し出がない限り、同一条件でさらに1ヵ年継続されます。このため、上記契約は継続しております。

 

 

6【研究開発活動】

当社グループは、新たな市場開拓への取り組みとして、次世代に向けた高真空機器ユニットや制御機器の開発への取り組みのほか、それを推進する開発・設計に携わる人員の強化・拡充を進めております。

また、3月31日に完成しました子会社である内外エレクトロニクス株式会社江刺事業所内に江刺開発センターを開設しました。

当連結会計年度の研究開発費の総額は39百万円です。