当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、知恵と創造力を最大限に発揮して、「価値のある商品と情報の提供」「受託製造」「自社開発」「保守・メンテナンス」「加工」の5事業を通して夢のある社会に貢献いたします。
1.国内外の法遵守に基づきフェアでオープンな経営を通して社会から信頼される企業を目指します。
2.お客様や仕入れ先様及び多くのステークホルダーに信頼される企業を目指します。
3.常に最先端の情報や技術を研鑽しお客様にその価値を認めて頂く企業を目指します。
4.地球環境に配慮した商品の提供や製造などを通してクリーンな社会へ貢献できる企業を目指します。
5.多様性を尊重し差別やハラスメントが無い健康・安全・安心な企業を目指します。
(2)経営戦略等
半導体・半導体製造装置市場におきましては、足元ではパソコンやスマートフォンのほか、車載やEV向け半導体の需要低迷による増産投資や新規投資の延期、米政府による対中輸出規制と関税強化により、短期的な見通しは不透明感が増しておりますが、中長期的には、生成AI関連需要を中心に成長が見込まれて、今後も拡大が期待される市場と考えております。
当社グループは、このような予測の下、新たな価値・未来を創造すべく、2030年の目指す姿を『あらたな価値の創造』と設定し、2024年度から始まる中期経営計画「MIRAI2026」を2030年に向けた基盤の確立を行う3か年と位置付けております。
中期経営計画「MIRAI2026」の重点戦略である「Market creation:新市場の創造」「Innovation:技術革新」「Resilience:変化への柔軟な対応」「Alliance:サプライチェーンの連携」「Integration:価値の統合」の5つの戦略を通じて、各施策に取り組んでおります。特に、製品開発・技術開発事業への質的転換を目指し、開発拠点の拡大、技術エンジニアの増員・拡充を進めてまいりました結果、顧客からの開発要求に対応できる一気通貫の体制が整いました。これにより、顧客の技術課題解決や次世代に向けた製品開発・設計に取り組み、自社による製品開発を目指してまいります。
そのうえで、半導体市場における好不況(シリコンサイクル)に対する耐性の強化を図り、「受託製造」から設計・開発ができる「メーカー」への変革を目指してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは技術の進化とイノベーションで社会に貢献しステークホルダーに認めて頂く会社を目指すと共に、社員が豊かで楽しく仕事ができる会社を目指してまいります。
経営上の目標の達成状況を判断するための指標は、売上高、営業利益、自己資本比率、自己資本利益率(ROE)としております。
中期経営計画の2年目である2026年3月期の目標値は、売上高35,500百万円、営業利益1,230百万円、自己資本比率44.1%、自己資本利益率(ROE)5.3%であります。
(4)経営環境
今後の見通しにつきましては、景気は穏やかな回復が継続しておりますが、米政府による対中輸出規制と関税強化等の通商政策の影響による経済への不安は高まっており、国内外の経済活動への影響は、今後とも注視することが必要と考えております。
当社グループの主要な顧客の多くが係わる半導体・半導体製造装置市場は、特に景気変動の激しい市場ではありますが、AI向け高性能半導体やAI普及によるデータ量増加を踏まえたデータセンター投資等が継続したものの、パソコンやスマートフォン向け、EV向けの需要低迷による量産投資の延期等の動きが見られ、回復に力強さを欠く状況が続きましたが、中長期的にはAI関連が牽引しAIに対応したハイパフォーマンスコンピューター(HPC)やAIサーバー向けなどの高性能半導体を中心に需要拡大が見込まれております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
経営方針及び中期経営計画の基本方針を実行していく上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
<半導体関連企業を支えるリーディングカンパニーとしての基盤強化>
当社グループは、グループシナジーを最大限に発揮し経営基盤をより強化するため、販売(SS事業)、製品開発・技術開発(TS事業)、受託組立(MS事業)、精密加工(PS事業)、メンテナンスサポート(FS事業)の5つの事業ポートフォリオを以て、販売、設計・開発、組立、加工、メンテナンスサポートまでのトータルソリューションサービスを提供し、当社グループの更なる価値向上を目指してまいります。
1.販売(SS事業)の強化
安定的な部材供給を実現するとともに技術商社として、お客様の幅広いニーズの先取りに注力し、蓄積されたノウハウに基づく技術提案型営業により、単なるサプライヤーとしてではなく付加価値を提供するサプライチェーンにて、仕入先様とお客様を繋いでまいります。
また、グループ全体としての効率化・合理化を図るため業務プロセスの見直しやDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進等のあらゆる手法を検討し、当社の市場優位性を高めてまいります。
2.製品開発・技術開発(TS事業)の強化
当社グループは、2023年度に開設しました江刺開発センターと厚木開発センターに加え、2024年4月に仙台開発センターを開設したことにより、既存の開発センター(新潟県長岡市)を含め4つの開発拠点に拡大するとともに、開発力強化のため、開発・設計に携わる技術人員の増員・拡充に取り組んでまいりました。
今後もこれらの開発拠点にて、各々の「高真空/制御技術」に係る課題のもと、設計・開発を進め、お客様のニーズや課題解決に取り組んでまいります。
3.受託組立(MS事業)の強化
市場の成長に伴う受注の増加に向けた生産設備・工場の拡張・新設等の生産体制の整備を行うとともに、新たな組立・製造技術の獲得により、領域の拡大を目指してまいります。また、生産性を高め収益性の向上に取り組んでまいります。
4.メンテナンスサポート(FS事業)の強化
日本国内における半導体関連の設備投資の増加を受けて、メンテナンスサポートの受注拡大に向けた技術者の増強とAI(VR/遠隔トレーニングシステム)を活用した人材育成プログラムの強化に取り組んでまいります。
また、長年の開発・製造により培われた技術をメンテナンスサポートのほか、データのマネタイズ化(AI予知保全システムの開発等)に生かし、新たなビジネスチャンスをつかんでまいります。
5.加工(PS事業)の確立
精密加工機能の充実を図り、お客様からの様々なご依頼に迅速に対応することで、お客様に付加価値の高いトータルソリューションサービスを提供してまいります。
<人材への取り組み>
当社グループは、企業の競争力の源泉は「人」であり、多様な人材が互いの価値観の違いを認め合い、個人と組織の力を高め、大きな目標に挑戦していくことが、企業の成長につながると考えております。
詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)人材の育成及び社内環境整備に関する方針」に記載しております。
<社内の多様性の確保>
当社グループは、全従業員が各々のライフステージに合わせて活躍できる職場環境づくりを積極的に推進しており、家庭と仕事の両立支援や女性の活躍促進策として、育児休業・介護休業、在宅勤務や時間有休制度を導入しております。
今後も人事制度の変革を進めることにより、働きがい、働きやすさの向上と多様な人材の活躍推進に取り組んでまいります。
<急激な外部環境の変化への耐性強化>
米国の関税措置を含む政策動向や物価上昇の継続等の外部環境の急激な変化につきましては不透明な状況ですが、政治・経済・社会・技術の4つの視点から当社グループに与える影響の要因を的確なデータ・情報を基に見出し、迅速に意思決定が行える体制の強化を図るとともに、急激な変化にも対応できるよう、一定の現預金を保有してまいります。
また、当社グループが定めたパーパス、ビジョン、ミッションを全社員に浸透させ、あらゆる変化やリスクに柔軟に対応できる人材の育成に取り組んでまいります。
<経営管理体制の強化>
コーポレートガバナンス・コードの趣旨に沿った当社のコーポレート・ガバナンス方針を着実に実践し、経営管理体制の継続的な改善を行うことで、その強化を図ってまいります。
コンプライアンス、情報管理、リスク管理、財務管理等の実効性のある運用を実践することで、内部統制システムにおける各体制の強化・充実を図ってまいります。
<サステナビリティに関する取り組み>
当社グループは、持続可能な事業成長のためにサステナビリティを意識した経営が重要と考えております。
詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
半導体やFPDは、モバイル・AV機器やデータサーバー等のさまざまな製品に搭載され、IoTやAI、5Gなどの普及により加速するデータ社会において中心的な役割を担い、より便利で豊かな社会を構築します。
当社グループは、経営理念として、主要事業である半導体製造装置、FPD製造装置等に使用される空気圧機器をはじめとした部材・ユニット品の販売・製造を、環境負荷低減に配慮した製品の販売や製造技術・生産性の向上を通じて、社会の課題解決や発展に貢献することを目指しており、サステナビリティの推進は経営理念の実現そのものであると考えております。
また、2015年に国連で採択された世界共通の目標であるSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)に、積極的に取り組んでまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
① ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ活動を重要な経営課題の一つと捉え、この活動を積極的かつ着実に推進するため、サステナビリティ委員会を中心としたサステナビリティ推進体制を構築しております。
〈サステナビリティに関する委員会の体制〉
〈主な組織体の役割〉
|
組織体 |
責任者 |
役割 |
|
取締役会 |
代表取締役社長 |
・サステナビリティ委員会から気候変動を含むサステナビリティ課題全般に関する報告を受け、サステナビリティ方針の決定、マテリアリティ(重要課題)の特定のほか、審議・承認・指示・監督を行う。 |
|
サステナビリティ委員会 |
代表取締役社長 |
・サステナビリティ方針案の策定・採決、マテリアリティ(重要課題)案の策定・採決、当該方針案等を取締役会へ上程する。 ・リスクカタログによるリスクの事業及び財務への影響度評価のほか、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会から報告されるリスク分析の結果を受け、リスクと機会を特定し、時間軸と発生の可能性を考慮し、優先順位付けを行い、取締役会に報告する。 ・取締役会にて決定した方針に基づく各事業部門のサステナビリティ年度目標設定への支援、マテリアリティPDCAのPAを行う。 ・取締役会と各部門の連携を図る。 |
|
コンプライアンス・ リスクマネジメント委員会 |
代表取締役社長 |
・重点対応策の実行状況のモニタリングを定期的に行うほか、各事業部門から報告される情報を受け、当社グループの業務運営における潜在リスクの把握と分析を行い、予防策の立案のほか、顕在化したコンプライアンス違反、個別の問題解決に係る協議・施策の立案・進捗管理を行い、サステナビリティ委員会及び取締役会に報告する。 |
〈2024年度主な会議体におけるサステナビリティ議題〉
1.取締役会
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時期 |
議題 |
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2024年5月 |
サステナビリティ目標2023年度結果報告 中期経営計画「MIRAI 2026」策定 パーパスの新設、経営理念・環境保全に関する基準(環境方針)の改定 CO2排出量削減目標の設定 取締役の選任(女性取締役の選任・社外取締役の増員) |
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2024年6月 |
サステナビリティ委員会委員長の異動 |
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2024年12月 |
サステナビリティ目標 中間実績報告 |
2.サステナビリティ委員会
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時期 |
議題 |
|
2024年4月 |
サステナビリティ目標2023年度結果報告 パーパスの策定、経営理念・環境保全に関する基準(環境方針)の改定 CO2排出量削減目標案の設定・対策案の検討 |
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2024年5月 |
サステナビリティ委員会の委員長選任 |
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2024年11月 |
サステナビリティ教育の推進 |
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2025年2月 |
サステナビリティ目標2024年度結果報告 |
3.コンプライアンス・リスクマネジメント委員会
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時期 |
議題 |
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2024年4月 ~2025年3月 |
重点対応策の実行状況のモニタリング報告 潜在リスク(超過勤務)の把握と対策の実施 |
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2024年5月 |
リスクカタログによるリスクの事業及び財務への影響度評価 |
② 戦略
当社グループは、事業を通じて取り組むサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を当社グループのパーパス、ビジョン、ISO14001、SDGs、RBA、カーボンニュートラル、取引先のCSR・BCPアンケート項目等を踏まえ、サステナビリティ委員会で議論し、取締役会において特定しております。
中期経営計画(2024年度~2026年度)においては、「新市場創造戦略」「エンジニア」「ガバナンス強化」「エンゲージメント向上」「環境対応」「共同研究開発」「サプライチェーンとバリューチェーンの結合」「資本コストを意識した経営」の8つのマテリアリティを基に、「リスク」と「機会」の二側面で捉え、特に重要と認識したリスクと機会に基づき、サステナビリティ目標・KPIを設定し、各社・部門・個人にて取り組んでおります。
〈特に重要と認識したリスクと機会〉
|
マテリアリティ |
機会 |
リスク |
|
新市場創造戦略 |
・収益獲得による企業の成長力強化 |
・対応遅れにより現市場が縮小した 場合の収益力の低下 ・投資回収が出来ない場合の会社体力 の消耗 |
|
エンジニア |
・半導体市場拡大のキャッチアップ による収益の拡大 |
・対応遅れによる収益機会の逸失 |
|
ガバナンス強化 |
・企業価値や社会的信用の向上 ・収益構造改革等による企業の成長力 強化 |
・対応遅れによる企業イメージの低下 ・社会要請の認識欠如、発想力の低下 |
|
エンゲージメント向上 |
・定着率向上に伴う雇用の安定 ・社員のやりがいによる生産性の向上 ・スムーズなチーム連携による組織の 活性化 |
・対応遅れによるモチベーションの 低下 ・離職率の上昇 ・生産性の低下 |
|
環境対応 |
・気候変動に適応する顧客ニーズ、 新規顧客獲得機会の増加による 収益拡大 ・生産工程等の効率化 |
・対応遅れによる社会的信頼の低下 ・炭素税・エネルギーコストの増加 による収益の悪化 |
|
共同研究開発 |
・販売先からの評価の向上 ・新たな収益機会の獲得による企業の 成長力強化 |
・対応遅れによる収益力の低下 ・取引の縮小・停止 |
|
サプライチェーンと バリューチェーンの統合 |
・サプライチェーンと当社のバリュー チェーンの統合による市場への新たな 価値の提供 |
・対応遅れによるサプライチェーン における存在価値の喪失 |
|
資本コストを意識した経営 |
・企業価値の向上による株価の上昇 ・株価の上昇による投資家の増加 ・投資家の増加による更なる株価の上昇 ・投資資金の獲得による更なる成長 |
・対応遅れによる株価の下落 ・株価の下落による資金調達力の低下 ・投資が出来ないことによる取引の 縮小・停止 |
③ リスク管理
当社グループのリスクにつきましては、グループで組成されるサステナビリティ委員会及びコンプライアンス・リスクマネジメント委員会において特定・管理する体制となっており、両委員会はともに親会社代表取締役が委員長を務め、連携を図っております。
イ.リスクと機会を特定するプロセス
当社グループは、リスク管理体制の維持、向上を図るため、サステナビリティ委員会を設置しております。
サステナビリティ委員会は、各担当取締役が実施する優先度の高いリスクと機会について作成された経営上重要なシナリオに基づく年1回のリスクカタログによるリスクの事業及び財務への影響度評価のほか、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会から報告されるリスク分析の結果を受け、リスクと機会を特定し、時間軸と発生の可能性を考慮し、優先順位付けを行い、取締役会に報告を行っております。
ロ.リスクと機会を管理するプロセス
コンプライアンス・リスクマネジメント委員会は、重点対応策の実行状況のモニタリングを定期的に行うほか、各事業部門から報告される情報を受け、当社グループの業務運営における潜在リスクの把握と分析を行い、予防策の立案のほか、個別の問題解決に係る協議・施策の立案・進捗管理を行い、サステナビリティ委員会及び取締役会に報告しております。
④ 指標及び目標
当社グループは、サステナビリティ目標を管理する指標として各々数値目標を定め、活動しております。
<サステナビリティ目標の進捗>
|
マテリアリティ |
サステナビリティ目標 |
サステナビリティ KPI |
単位 |
2025年 3月期 |
評価 |
2026年 3月期 |
|
|
目標 |
実績 |
目標 |
|||||
|
新市場創造戦略 |
未開拓市場(新市場・新製品)への進出 |
開発製品 (自社・共同開発) |
件 |
0 |
0 |
○ |
0 |
|
エンジニア |
メンテナンスサポート分野の技術者増員と、人材育成システムの 強化 |
エンジニアの充足率 |
% |
100 |
105.8 |
○ |
100 |
|
ガバナンス強化 |
社外取締役の比率、 及び女性取締役の選任 (提出会社) |
ガバナンス体制の強化 |
% |
34.0 |
42.9 |
○ |
34.0 |
|
人 |
1 |
1 |
○ |
1 |
|||
|
エンゲージメント 向上 |
働きがい、働きやすさの向上と多様性の確保 |
女性管理者比率 |
% |
8.0 |
9.5 |
○ |
9.0 |
|
環境対応 |
CO2削減 (2022年度比) |
2030年 目標70%減、 2040年 NetZero |
% |
― |
△23.1 (増加) |
― |
12.0 |
|
共同研究開発 |
他社との協業による 新製品・新技術の研究 開発 |
共同開発による開発件数 |
件 |
2 |
1 |
△ |
3 |
|
サプライチェーンとバリューチェーンの統合 |
サプライチェーン1,500社と、当社グループのバリューチェーンの 統合により、市場に新たな価値を提供 |
営業利益率 |
% |
3.6 |
4.4 |
○ |
3.5 |
|
資本コストを意識 した経営 |
企業価値向上 |
PBR1倍以上 |
倍 |
≧1.0 |
0.65 |
△ |
≧1.0 |
※ 評価:〇=達成 △=未達成
(2)人材の育成及び社内環境整備に関する方針
当社グループは、企業の競争力の源泉は「人」であり、多様な人材が互いの価値観の違いを認め合い、個人と組織の力を高め、大きな目標に挑戦していくことが、企業の成長につながると考えております。
当社グループは、人材戦略の実行を通して企業文化の醸成、継承、企業価値向上を目指し取り組むとともに、安全で働きやすい社内環境を整備してまいります。
① 社内の多様性の確保
当社グループは、全従業員が各々のライフステージに合わせて活躍できる職場環境づくりを積極的に推進しており、家庭と仕事の両立支援や女性の活躍促進策として、育児休業・介護休業、在宅勤務や時間有休制度を導入しております。
今後も人事制度の変革を進めることにより、働きがい、働きやすさの向上と多様な人材の活躍推進に取り組んでまいります。
② 人材の育成に関する戦略及び取り組み
イ.戦略
当社グループでは中期経営計画MIRAI 2026実現のために、全従業員のスキル底上げと経営戦略実現のための特定人材への集中投資は必要不可欠であると考えております。
全従業員のスキル底上げについては、年度研修計画に基づき、全社/階層別/部門別の各研修を計画的に進めることで個々の知識やスキル向上を図っております。
また、経営戦略実現のための特定人材への集中投資については、次期幹部候補者の育成を目的とした選抜制の「内外経営スクール」(※1)による特別講義の実施や、AI人材の育成とAI活用による新たな価値創造や効率化等を目的とした「ISMプロジェクト」(※2)をグループ全体で進めております。これらにより、人材の戦略的育成による経営基盤の強化、組織横断的なリーダーシップの発揮、持続可能な成長を支える企業文化の醸成を推進しております。
※1.内外経営スクール:選抜されたメンバーを受講者とする次期幹部候補者の育成を目的とした特別講義を実施。
※2.ISMプロジェクト:技術スタッフの育成プログラム、AIを応用した分析保全システム、MRを応用した技術者トレーニングシステムの3つの取組により競争優位性とCS向上を図る取組。
特に重要と認識したリスクと機会は以下の通りとなります。
|
マテリアリティ |
機会 |
リスク |
|
エンゲージメント向上 |
・人事制度改革による働きがい、 働きやすさ向上 ・モチベーション向上による生産性向上 ・採用力、定着率向上 |
・人事制度改革の進捗遅れによる モチベーション低下 ・生産性低下 ・採用力、定着率低下 |
|
専門性向上 |
・エンジニア採用計画推進による 技術力向上 ・ビジネス機会の最大化 ・顧客満足度向上 |
・採用が計画的に進まないことによる 事業計画の遅れ ・ビジネス機会の損失 |
|
全体のスキル底上げ |
・各人のスキル向上による生産性向上、 顧客満足度向上 ・残業時間の削減 |
・スキル不足により顧客対応が不十分 なことによる顧客満足度や信頼低下 ・イノベーションの阻害 ・長時間労働による従業員の健康問題の増加 |
|
経営戦略実現のための 特定人材への集中投資 |
・計画的な育成による経営基盤の強化 ・組織横断的なリーダーシップの発揮 ・持続可能な成長を支える企業文化の醸成 |
・育成が進まないことによる組織の 競争力低下 ・重要ポストの後継者不足による 組織運営の困難化 ・組織全体の活力低下による業務効率低下 |
ロ.指標及び目標
少子高齢化により採用が厳しさを増す中、とりわけエンジニアの採用は厳しくなっております。このような中、当社グループの価値をいかに高め、採用に結びつけるかが課題です。
これに対し、当社グループでは人事制度改革を計画的に進めることにより、働きがい、働きやすさと従業員モチベーションを向上し、更なる生産性の向上を目指しております。また、求職者に対しても当社グループの魅力をアピールすることで、必要人材の迅速な獲得に繋げてまいります。
当該指標に関する目標及び実績は以下の通りとなります。
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|
|
|
|
|
|
|
|
2025年3月期実績(連結) |
|
|
|
中期経営計画実現に向けた重点課題に関する指標及び目標は以下の通りとなります。
|
マテリアリティ |
中期経営計画 達成に向けた 重点課題 |
指標 |
2025年 3月期 実績 |
2027年 3月期 目標 |
備考欄 |
|
エンゲージメント 向上 |
働きがい、働きやすさ向上 |
人事制度改革進捗率 |
- |
4制度改革完了 |
2025年4月より活動開始 4制度:①等級制度、②評価制度、③報酬制度、④教育制度(内外エレクトロニクス㈱は2025年3月構築済) |
|
専門性向上 |
専門性向上 (エンジニア) |
開発技術者、製造技術者 増員率 |
120% |
145% |
2024年4月対比 |
|
フィールドエンジニア 増員率 |
120% |
147% |
2024年4月対比 |
||
|
AI人材育成、 データの新たな活用 |
ISMプロジェクト3テーマ 進捗率 |
フェーズ Ⅱ100% |
フェーズ Ⅴ完了 |
2024年10月より活動開始 (フェーズⅠ~Ⅴ※) ①技術スタッフの育成プログラム ②AIを応用した分析保全システム ③MRを応用した技術者トレーニングシステム |
|
|
全体のスキル 底上げ |
全体のスキル 底上げ |
1人あたり 研修時間 |
31.6H |
20H |
年度20Hを継続目標 |
|
経営戦略実現の ための特定人材 への集中投資 |
次世代幹部候補者育成 |
重要ポストにおける後継者準備率 |
0% |
29% |
執行役員(内外エレクトロニクス㈱においては同等ポスト)の後継候補者数の割合を示す算出方法は「準備済」候補者数÷ポストの数×100 |
※ ISMプロジェクトのフェーズはⅠ~Ⅴに分かれており、各フェーズの内容は以下のとおりです。
フェーズⅠ:ニーズ分析・要件定義
フェーズⅡ:技術要件・アイテム選定・設計・開発・テストラン
フェーズⅢ:実装・エラー解析
フェーズⅣ:改良・導入
フェーズⅤ:運用・継続評価
以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しています。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の有価証券に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容を併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)半導体市場の需要動向や価格動向による当社グループの業績への影響について
当社グループは、主に半導体・FPD製造装置などの各種コンポーネンツ及び同装置等の販売を主に行う販売事業と、半導体・FPD製造装置等の組立及び保守・メンテナンス等を行う受託製造事業とで構成され、半導体メーカーや半導体製造装置メーカーへの依存度が高くなっています。このため、当社グループの業績は世界的な景気変動のほか、半導体市場、とりわけ半導体製造装置市場の需要動向、価格動向の影響を強く受ける傾向にあります。
また、中長期的には、AI関連を中心に幅広い用途での半導体需要を背景に半導体製造装置市場の拡大が見込まれていますが、各国政府による通商政策等の変更により販売価格の上昇を背景に需要が減少した場合や、為替変動による原材料価格やエネルギー価格の高騰等を背景に仕入値の見直し要求や販売先からのコストダウン要求が強まった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特定の取引先への依存度が高いことについて
当社グループの主要な販売及び受託製造の取引先は、東京エレクトロングループ(以下「同社グループ」という。)であり、当社グループの売上実績に対する依存度は2023年3月期75.3%、2024年3月期75.3%、2025年3月期72.5%と高い割合になっています。取引のパイプが太いことはビジネスチャンスでもありますので、ニーズの先取りに努め、幅広い事業展開により今後も取引の維持・拡大に努める所存ですが、同社グループ各社への依存度が高いことから同社グループ各社との取引が大幅に減少した場合の当社グループ売上高への影響や、同社グループ各社が生産計画を変更した場合や主要取扱商品を変更した場合の当社在庫商品の評価への影響が考えられます。
(3)特定の仕入先への依存度が高いことについて
当社グループの主要な仕入先は、SMC株式会社であり、当社グループの商品仕入実績に対する依存度は2023年3月期45.3%、2024年3月期40.6%、2025年3月期40.8%と高い割合になっています。同社とは1965年11月から空気圧機器に関する代理店契約を締結し、長年にわたり密接な関係を維持し、今後も取引を維持・拡大していく方針ですが、契約が更新できない場合や同社の代理店に対する方針が大幅に変更となった場合、同社との取引が大幅に減少した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)研究開発(R&D)について
当社グループは、今後の成長戦略として高真空/制御技術に対応する開発力の強化に注力しております。技術者の採用・育成が計画通りに進まない場合や、研究開発の対象分野が顧客要求に合致しなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)取引先の海外展開、海外情勢の変化や為替変動の影響について
当社グループは、取引先の生産拠点の海外移転や部品の海外調達に対応するため、中国に現地法人を設立し、営業を行っています。現地取引先の生産拠点の見直しが行われた場合や、現地における政治や社会情勢の変化、予期しない法令・規制の変更等により、現地法人の事業継続が困難となる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外取引においては、為替変動リスクが生じることから、急激な為替変動が起こった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)品質管理について
当社グループは、商品を販売・製造するにあたり適切な品質管理体制の整備を目指していますが、予期せぬ重大な不具合が発生した場合には、社会的信用の失墜や多額の費用の負担により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)人材の確保と育成について
当社グループが取引先のニーズに応えていくためには、人的資本の充実が必須であると考えています。優秀な人材の確保や従業員の教育を計画的に実施する必要がありますが、計画通りに進まない場合には、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)法規制について
当社グループは、国内外で事業活動を行っており、さまざまな法令・規制を受け、これらの法令・規制を遵守できなかった場合、また、予期しない法令・規制の制定・改廃に対応できない事態が発生した場合には、当社グループの事業活動や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(9)情報漏洩について
当社グループは、重要な技術情報、企業情報、個人情報を保有するにあたり、管理ルールを整備し、重要情報の管理強化、徹底に努めていますが、予期せぬ事態により重要情報が外部に漏洩した場合には、社会的信用の失墜や多額な費用負担により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)気候変動、自然災害、戦争・テロ等について
気候変動、想定外の大規模地震・津波・台風等の自然災害の発生による社会インフラ停止のほか、新型インフルエンザなどの感染症罹患による従業員の大量出勤停止等により、当社グループや主要取引先の事業活動の停止または事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、国内外における戦争や暴動、テロ事件等の発生に起因して、サプライチェーンの混乱や商品・原材料・燃料等の価格が急激に上昇した場合や、商品等の前倒し確保等により安定調達に努めてまいりますが調達が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)企業買収・事業譲渡(M&A)等の投資について
当社グループは、将来の事業拡大や競争力強化、新たな技術・サービスの獲得等を目的として、他社の株式取得、事業譲受、業務提携等のM&A戦略を進めております。事前に対象企業に関するデューデリジェンスを実施し企業価値を見極めますが、潜在的な負債や法的問題、技術的課題、人事・労務問題等が発覚する可能性があります。また、経営方針や、企業文化の違い等から統合プロセス(PMI:Post Merger Integration)が円滑に進まず、当初想定していたシナジー効果が十分に得られないリスクや、買収した企業の収益力が当初の見込みを下回った場合はのれんの減損等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の日本経済は、エネルギー価格や原材料価格の高騰に伴う物価上昇等により一部に停滞が見られたものの、国内旅行を含めた個人消費や設備投等を中心に穏やかな回復が継続しました。一方、米中貿易摩擦・関税強化など米国の通商政策が及ぼす影響による不透明感がみられました。
当社グループが参画しております半導体・半導体製造装置市場におきましては、中国市場での投資に加え、高性能半導体やAI普及によるデータ量増加を踏まえたデータセンター投資等が継続したものの、パソコンやスマートフォン向け、EV向けの需要の低迷による量産投資の延期等の動きが見られ、回復に力強さを欠く状況が続きました。
FPD製造装置市場におきましては、コロナ特需が一巡したこと等の影響により、依然として厳しい状況が継続しました。
このような事業環境の下、当社グループは、国内における半導体関連メーカーの新設工場計画を踏まえた新規顧客獲得や商圏拡大のため、千歳出張所及び当社子会社(内外エレクトロニクス株式会社)の千歳サービスセンター、並びに厚木出張所を開設しました。さらに、開発拠点の拡充を図り高真空/制御技術に対応する開発力強化をすべく仙台開発センターの開設や、開発・生産強化のための工場用地(岩手県奥州市)取得等の投資を積極的に進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、246億23百万円となりました。流動資産は167億21百万円、固定資産は79億2百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、126億83百万円となりました。流動負債は91億95百万円、固定負債は34億87百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、119億40百万円となりました。
ロ.経営成績
当連結会計年度の業績は、半導体・FPD製造装置等の組立及び保守・メンテナンス等の受託製造事業におきまして、期初より受注の回復が見られたものの、販売事業におきましては、想定より穏やかな回復に留まったことから、取引先の在庫調整の影響を受け、売上高353億37百万円(前連結会計年度比9.4%減)となりました。利益につきましては、受託製造事業の受注回復及び生産体制の効率化が進んだことから、営業利益15億52百万円(前連結会計年度比27.4%増)、経常利益15億25百万円(前連結会計年度比28.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益10億49百万円(前連結会計年度比23.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
販売事業
半導体・FPD製造装置等の各種コンポーネンツ(部品)及び同装置等の販売事業におきましては、売上高313億円(前連結会計年度比12.5%減)、セグメント利益6億30百万円(前連結会計年度比41.2%減)となりました。
受託製造事業
半導体・FPD製造装置等の組立及び保守・メンテナンス等の受託製造事業におきましては、売上高62億67百万円(前連結会計年度比12.1%増)、セグメント利益7億55百万円(前連結会計年度はセグメント損失2百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利
益、減価償却費、売上債権の減少等の増加要因に対し、仕入債務の減少、未払消費税等の減少、法人税等の支払額や有形及び無形固定資産の取得による支出、長期借入金の返済による支出、配当金の支払額等の減少要因により、前連結会計年度末に比べ21億3百万円減少(前連結会計年度は5億53百万円の減少)し、当連結会計年度末には77億56百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は2億77百万円(前連結会計年度は11億85百万円の獲得)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益15億28百万円、減価償却費3億96百万円、売上債権の減少額1億92百万円の増加要因に対し、仕入債務の減少額20億61百万円、未払消費税等の減少額2億58百万円や法人税等の支払額2億34百万円の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3億61百万円(前連結会計年度は6億34百万円の使用)となりました。この主な要因は、定期預金の払戻による収入1億44百万円の増加要因に対し、定期預金の預入による支出1億60百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出3億46百万円の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は14億65百万円(前連結会計年度は11億8百万円の使用)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出10億86百万円、配当金の支払額3億25百万円の減少要因によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.受託製造実績
当連結会計年度における受託製造事業の受託製造実績を示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
受託製造事業(千円) |
4,781,513 |
94.7 |
|
合計(千円) |
4,781,513 |
94.7 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額は受託製造原価であります。
ロ.仕入実績
当連結会計年度における販売事業の仕入実績を示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
販売事業(千円) |
25,932,470 |
87.8 |
|
合計(千円) |
25,932,470 |
87.8 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額は仕入価格によっております。
ハ.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
販売事業 |
25,436,158 |
135.4 |
6,203,878 |
53.2 |
|
受託製造事業 |
4,393,762 |
127.4 |
233,283 |
84.8 |
|
合計 |
29,829,920 |
134.1 |
6,437,161 |
53.9 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額は販売価格によっております。
3.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、期初より半導体需要が緩やかに回復したものの期末に向け減速したことによるものであります。
ニ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
販売事業(千円) |
30,902,090 |
86.8 |
|
受託製造事業(千円) |
4,435,609 |
130.0 |
|
合計(千円) |
35,337,699 |
90.6 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ(株) |
13,580,362 |
34.8 |
10,493,011 |
29.7 |
|
東京エレクトロン宮城(株) |
5,022,210 |
12.9 |
7,710,794 |
21.8 |
|
東京エレクトロン九州(株) |
10,650,335 |
27.3 |
7,167,775 |
20.3 |
3.上記金額は販売価格によっております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等
a.財政状態
<流動資産>
流動資産は、前連結会計年度末に比べ23億22百万円減少し、167億21百万円となりました。この主な要因は、売上減少によるものであります。主な内訳として、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が20億87百万円、電子記録債権が2億26百万円減少したことによるものであります。
<固定資産>
固定資産は、前連結会計年度末に比べ2億1百万円減少し、79億2百万円となりました。この主な要因は、前連結会計年度に比べ、土地が2億21百万円、繰延税金資産が1億77百万円の増加、建物及び構築物(純額)が2億50百万円、投資有価証券が3億42百万円減少したことによるものであります。
<流動負債>
流動負債は、前連結会計年度末に比べ20億21百万円減少し、91億95百万円となりました。この主な要因は、年度後半の受注減少に伴う仕入減少によるものであります。主な内訳として、前連結会計年度に比べ未払法人税等が3億53百万円の増加、支払手形及び買掛金が9億37百万円、電子記録債務が11億25百万円、未払消費税等が2億43百万円減少したことによるものであります。
<固定負債>
固定負債は、前連結会計年度末に比べ10億4百万円減少し、34億87百万円となりました。この主な要因は、前連結会計年度末に比べ長期借入金が10億2百万円減少したことによるものであります。
<純資産>
純資産は、前連結会計年度末に比べ5億1百万円増加し、119億40百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が7億23百万円増加し、その他有価証券評価差額金が2億42百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ42.1%から48.5%となり、期末発行済株式数に基づく1株当たり純資産は前連結会計年度末3,269.35円に対し3,412.80円となりました。
b.経営成績の分析
<売上高・売上総利益>
当連結会計年度は、市場の回復により、受託製造事業においては期初より受注の回復が見られたもの、販売事業においては想定より穏やかな回復に留まったことから取引先の在庫調整の影響を受け、売上高は前連結会計年度に比べ36億75百万円(9.4%)減少し、353億37百万円となりました。
また、売上総利益は、前連結会計年度に比べ5億72百万円(14.1%)増加し、46億20百万円となりました。
<営業損益>
販売費及び一般管理費は、支払手数料等の増加により、前連結会計年度に比べ2億38百万円(8.4%)増加し、30億68百万円となりました。
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ3億33百万円(27.4%)増加し、15億52百万円となりました。
<経常損益>
営業外収益は、受取配当金等の増加により、前連結会計年度に比べ3百万円(12.1%)増加し、35百万円となりました。また、営業外費用は、為替差損等の増加等により、前連結会計年度に比べ1百万円(2.3%)増加し、61百万円となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ3億36百万円(28.3%)増加し、15億25百万円となりました。
<税金等調整前当期純損益>
特別利益は、投資有価証券の売却により、6百万円となりました。
また、特別損失は、減損損失の計上により、4百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億88百万円(23.3%)増加し、15億28百万円となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
ロ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
ハ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
ウクライナ情勢の長期化や物価高騰等による影響から先行き不透明感が払拭できない状況ではありますが、現時点で必要十分な手許資金を確保しており、また必要に応じて金融機関等から資金調達が可能な体制を整えております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は34億66百万円となっております。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は77億56百万円となっております。
ニ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画(2024年4月~2027年3月)の初年度である当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
売上高は計画比262百万円減(0.7%減)となりました。これは、半導体市場全体は回復傾向でしたが、顧客の在庫調整の影響を受けたことによるものです。営業利益は、販売価格の見直しによる売上総利益率改善を背景に収益が増加し、計画比72百万円増(4.9%増)となりました。
自己資本比率は、主に現預金及び棚卸資産が減少し、増益による利益剰余金の増加から、計画比2.7ポイント上昇し48.5%となりました。自己資本利益率(ROE)は、増益により純利益が増加し、計画比0.8ポイント上昇し9.0%となりました。
|
|
2025年3月期 計画 |
2025年3月期 実績 |
2025年3月期 計画比 |
|
売上高 |
35,600百万円 |
35,337百万円 |
△262百万円 ( 0.7%減) |
|
営業利益 |
1,480百万円 |
1,552百万円 |
72百万円 ( 4.9%増) |
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自己資本比率 |
45.8% |
48.5% |
2.7ポイント |
|
自己資本利益率(ROE) |
8.2% |
9.0% |
0.8ポイント |
※ 2025年3月期計画は、2025年2月14日「業績予想の修正に関するお知らせ」にて公表しました、修正後の計画であります。
ホ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績の状況については「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 ロ.経営成績」に記載しております。
(1)当社(内外テック株式会社)の主な販売代理店契約は、次のとおりであります。
|
相手先の名称 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱コガネイ |
空気圧商品 |
販売代理店契約 |
1965年10月1日から1年間とし、以降1年間の期間ごとに自動更新 |
|
SMC㈱ |
空気圧機器 |
販売代理店契約 |
1965年11月1日から1年間とし、以降1年間の期間ごとに自動更新 |
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ボッシュ・レックスロス㈱ |
アルミフレーム |
販売代理店契約 |
2023年6月2日から1年間とし、以降1年間の期間ごとに自動更新 |
|
日本ポール㈱ |
エレクトロニクス用フィルター |
販売代理店契約 |
1999年4月1日から1年間とし、以降1年間の期間ごとに自動更新 |
(注)上記契約の契約期間については、双方いずれかから文書による申し出がない限り、同一条件でさらに1ヵ年継続されます。このため、上記契約は継続しております。
(2)当連結会計年度に終了した、当社(内外テック株式会社)の主な販売代理店契約は、
次のとおりであります。
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相手先の名称 |
契約品目 |
契約内容 |
|
TDKラムダ㈱ |
マイコン用安定化電源 |
販売代理店契約 |
当社グループは、高真空機器ユニットや制御機器の開発力強化のため、設計・開発に携わる技術エンジニア及び拠点の強化・拡充を図っております。その一環として、販売事業において、仙台開発センター(宮城県)を開所し、4つの開発拠点に拡大、人員の拡充に取り組んでまいりました。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は