(1)業績
当連結会計年度におけるライフサイエンス研究関連の試薬・機器市場の動きは、全体的に活発でなく、特に大学、公的研究機関においては、近年の慎重な予算執行の傾向が続いていると捉えています。また、同業他社との販売競争も激しさを増しています。
このような状況下、当社グループは、商品の充実、情報の発信、納期の改善等、顧客の信頼度向上を図ることに取り組んでまいりました。その結果、抗体や細胞・培養関連の試薬を中心に売上を伸ばし、当連結会計期間の連結売上高は7,357百万円(前年実績比1.7%増)となりました。
利益面では、当連結会計年度平均121円/ドル(前連結会計年度106円/ドル)と一段と円安傾向であったため、連結売上総利益は2,380百万円(前年実績2,424百万円)、連結売上総利益率は32.4%(前年実績33.5%)となりました。販売費及び一般管理費は一層の節減に努め、2,180百万円(前年実績2,261百万円)となりました。
連結営業利益は対前年比23.7%増の200百万円(前年実績162百万円)、連結経常利益につきましては、対前年比30.9%増の373百万円(前年実績285百万円)となりました。
以上の結果、連結当期純利益は対前年比14.3%増の230百万円(前年実績201百万円)となりました。
① 研究用試薬
研究用試薬につきましては、公的予算を中心に厳しい状況が続く中、先端的な新規の商品及び仕入先の開拓と各種の販売キャンペーンや学会展示及びセミナー等を開催して販売促進に努めました。その結果、当連結会計年度の研究用試薬の売上は対前年比2.3%増の5,217百万円となりました。
② 機器
機器につきましては、売上は対前年比0.0%増の2,002百万円となりました。
③ 臨床検査薬
臨床検査薬につきましては、新規商品の追加はなく、対前年比4.0%増の137百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは129百万円の収入(前年実績297百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が407百万円となった一方、仕入債務の増減額が△218百万円となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは263百万円の支出(前年実績227百万円の支出)となりました。これは主に、資金運用等のため有価証券の取得を行ったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、株主還元の一環として、配当金の支払を106百万円行ったこと等により、151百万円の支出(前年実績122百万円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は当期首の1,383百万円から285百万円減少して1,098百万円となりました。
当社グループは単一セグメントであるため、仕入、受注及び販売の状況については、セグメント別にかえて品目別に示しております。
(1)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入及び製品製造原価の実績を商品の品目別に示すと次のとおりであります。
|
品目別 |
当連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
対前期比増減率 |
|
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
||
|
研究用試薬 |
3,533 |
70.0 |
4.3 |
|
機器 |
1,417 |
28.1 |
△5.1 |
|
臨床検査薬 |
94 |
1.9 |
8.3 |
|
合計 |
5,044 |
100.0 |
1.6 |
(注)1.金額は仕入価格及び製品製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、仕入総額の100分の10を超える仕入先はありません。
(2)受注状況
当社グループでは受注から納品までの期間が短いこと、かつ受注残高が僅少であることから記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績を商品の品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目別 |
当連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
対前期比増減率 |
|
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
||
|
研究用試薬 |
5,217 |
70.9 |
2.3 |
|
機器 |
2,002 |
27.2 |
0.0 |
|
臨床検査薬 |
137 |
1.9 |
4.0 |
|
合計 |
7,357 |
100.0 |
1.7 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.輸出につきましては、売上に占める比率が微小であるため省略しております。
3.当連結会計年度において、売上総額の100分の10を超える販売先はありません。
ライフサイエンス分野の研究は、医療分野だけでなく、健康、食糧、農業、環境保護等、人々の生活を支える重要な研究であり、大学・公的研究機関や企業等において活発な研究活動が営まれています。特に医療分野では、iPS細胞の利用を含めた再生医療の研究やがん治療の研究等、我が国がリードする研究において、官民あげての取り組みがなされています。しかしながら、当社グループの事業領域である基礎研究領域において、企業の研究開発費の増額は一部で見受けられるものの、基礎研究の多くを担う大学・公的研究機関の研究資金源となる公的研究費の伸びは停滞しています。
また、公的研究費の動向については、近年の停滞状況とあわせ、特定分野への研究予算の集中や予算を獲得しやすい研究への偏り等、予算の分配先の多様性が失われ、国内の基礎研究市場全体での購買は活発さを欠いている状況です。それに伴い、販売面では依然として価格競争が続くと想定しております。
一方利益面では、年間を通じての円安傾向による商品原価の上昇を主要因に、当社グループにとって、平成27年12月期は前年に引き続き利益確保に厳しい1年となりました。こうした為替環境は今後もしばらく続くものと捉えております。
このような状況の中、平成28年12月期は、「市場低迷・円安環境下での収益の伸長」をスローガンに、営業活動の強化、ニーズに合った新商品の導入をはじめ、自社製品を含む付加価値の高い商品・サービスの導入・販売、在庫の充実による迅速出荷、輸出の拡大等による販売数量・販売額の増加を目指してまいります。また、引き続き物流経費や事務経費の削減、新規事業への挑戦等に努めてまいります。
当社グループは、日本のみならず世界のバイオ研究、とりわけライフサイエンス研究の進歩・発展への貢献を使命とし、信頼される研究支援会社として成長を目指しております。特に、より一層顧客に満足いただける企業として成長すべく、日々の業務を見直す活動を引き続き行ってまいります。また、当社グループでは、平成28年春頃の稼働を目標に新基幹システムへの移行中であり、この新基幹システム導入により業務効率の向上、ひいては商品情報の適時的確な提供、販売力・競争力の強化を目指してまいります。
また、中長期的取り組みとしては、以下の3点を重点課題に、引き続き取り組んでまいります。
(1) 顧客満足度の追求
研究動向にあったメーカー、優れた商品・サービスの開拓・導入、自社製品・サービスの拡大、またCOSMO BIO USA,INC.の積極活用により、顧客が満足する商品のラインアップに努めます。また、各種集客プロモーションや最適な在庫運用による顧客獲得の強化、顧客にとって役に立つ情報の提供に努めてまいります。
(2) 業容の拡大
既存の市場でのシェア拡大のため、上記顧客満足度を追求し、エンド・ユーザー、代理店、仕入先に選ばれる会社を目指します。また、引き続き海外事業の一層の強化を図ってまいります。更に、成長のためのM&Aや新規事業への投資を積極的に行ってまいります。
(3) 経営基盤の安定化
社会に誇れる会社として、法令や商道徳等の遵守、また、株主資本・経営資本を安定化させることで、営業活動に専念してまいります。
以下におきましては、当社及び当社グループの事業展開上における現在及び将来の事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社では、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、以下の記載は本株式の投資に関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。
なお、本項中の記載内容につきましては、特に断りがない限り、本有価証券報告書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は同報告書提出日現在におきまして当社が判断したものであります。
(1) ライフサイエンス研究関連費用の支出動向にかかわるリスク
当社グループのエンド・ユーザーは、大学・公的研究機関及び企業における研究者が大きな比重を占めております。そのため、公的研究費や企業の収益・研究開発の支出動向が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 仕入先M&Aリスク
当社グループの仕入先の大半は海外の企業であり、海外仕入先のM&Aや日本における販売体制の改編等により、仕入価格や国内販売権が影響を受け、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替リスク
当社グループの商品の大半は外貨で決済される輸入品であり、為替変動によって売上原価が変動します。そのため、為替変動の影響をヘッジするために、当社グループでは社内規程に基づき実需の一定の範囲内で為替予約を実施しております。
しかしながら、急激な為替相場の変動や会計基準の大幅な変更が生じる場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 業界における競合リスク
ライフサイエンス研究関連商品の国内市場において、業界内の競合激化が価格競争に陥り、当社グループにもその影響が波及する場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 法規制リスク
当社グループの商品の中には、薬事法、毒物及び劇物取締法他の関連法規や行政指導に該当するものも含まれております。当社グループでは引き続き関連法規制の遵守に努めてまいりますが、法規制等の変更により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) グループ会社リスク
当社グループは、複数の関係会社から成っており、グループとしてライフサイエンス研究関連の幅広い商品・サービスの提供を進めシナジー効果を上げていく考えであります。
しかしながら、関係会社の統治が充分に機能せず期待したシナジー効果を発揮しない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 会計基準・税制等の変更によるリスク
当社グループは安定的な業績を目的として、社内規程に基づき事業投資や資金運用投資等を行っておりますが、金融動向や市場動向が急変して、保有資産価格に想定外の変動が生じる場合、或いは会計基準や税制等の大幅な変更が生じる場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、初代培養細胞(プライマリーセル)関連の研究開発活動を行っておりますが、研究開発費は当社グループにおける費用の面で僅少であるため、特記すべき事項はありません。
当連結会計年度(自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日)における財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社及び子会社の連結財務諸表は、我が国におきまして、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りにつきましては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確定性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
当社及び子会社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5〔経理の状況〕1〔連結財務諸表等〕(1)〔連結財務諸表〕の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 財政状態及び経営成績の分析
① 経営成績の分析
連結売上高は対前年比1.7%増の7,357百万円となりました。
利益面では、為替レートが当連結会計年度平均は121円/ドル(前連結会計年度106円/ドル)で推移したことから、連結売上総利益は2,380百万円(前年実績2,424百万円)、連結売上総利益率は32.4%(前年実績33.5%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,180百万円(前年実績2,261百万円)となりました。
その結果、連結営業利益は対前年比23.7%増の200百万円(前年実績162百万円)、連結経常利益につきましては、対前年比30.9%増の373百万円(前年実績285百万円)となりました。
以上の結果、連結当期純利益は、対前年比14.3%増の230百万円(前年実績201百万円)となりました。
② 資産、負債及び純資産の状況
流動資産につきましては、前期末の5,234百万円から32百万円増加して5,266百万円となりました。これは主に、現金及び預金が116百万円増の1,098百万円となった一方、有価証券が101百万円減の400百万円となったことによるものです。
有形固定資産につきましては、13百万円増加し、無形固定資産につきましては、124百万円増加いたしました。投資その他の資産につきましては、541百万円減少いたしました。これは主に、投資有価証券が520百万円減の1,821百万円となったことによるものです。固定資産合計は前期末に比べ403百万円減少して2,523百万円となりました。
以上の結果、総資産は前期末の8,161百万円から371百万円減少して7,790百万円となりました。
流動負債につきましては、支払手形及び買掛金が前期末に比べ105百万円減少したことを主因に、1,017百万円となりました。固定負債につきましては、繰延税金負債が131百万円減少したことを主因に、103百万円減少し、394百万円となりました。
以上の結果、負債合計は前期末の1,628百万円から216百万円減少して1,412百万円となりました。
自己資本につきましては、その他有価証券評価差額金が176百万円減少したこと等により、前期末の6,049百万円から98百万円減少して5,950百万円となり、自己資本比率は前期末の74.1%から76.4%となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
詳細につきましては、 「3.対処すべき課題」、「4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 経営戦略の現状と見通し
当社は、中長期的な経営戦略として、以下の事項に取り組んでまいります。
① 顧客満足度の追求
研究動向にあったメーカー、優れた商品・サービスの開拓・導入、自社製品・サービスの拡大、またCOSMO BIO USA,INC.の積極活用により、顧客が満足する商品のラインアップに努めます。また、各種集客プロモーションや最適な在庫運用による顧客獲得の強化、顧客にとって役に立つ情報の提供に努めます。
② 業容の拡大
既存の市場でのシェア拡大のため、上記顧客満足度を追求し、エンド・ユーザー、代理店、仕入先に選ばれる会社を目指します。また、引き続き海外事業の一層の強化を図ってまいります。更に、成長のためのM&Aや新規事業への投資を積極的に行ってまいります。
③ 経営基盤の安定化
社会に誇れる会社として、法令や商道徳などの遵守、また、株主資本・経営資本を安定化させることで、営業活動に専念してまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度におきましては、重要な資本の調達はありませんでした。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの分析は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは129百万円の収入(前年実績297百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が407百万円となった一方、仕入債務の増減額が△218百万円となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは263百万円の支出(前年実績227百万円の支出)となりました。これは主に、資金運用等のため有価証券の取得を行ったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、株主還元の一環として、配当金の支払を106百万円行ったこと等により、151百万円の支出(前年実績122百万円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は当期首の1,383百万円から285百万円減少して1,098百万円となりました。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社ではコア事業である国内研究用試薬販売の比率が高く、エンド・ユーザーも政府の研究予算の影響を受け
る大学・公的研究機関の比率が高いと認識しております。
先にも述べましたが、企業の研究受託市場への展開や海外への輸出は、安定した成長基盤を築くことにもつな
がります。