当社グループは、「生命科学の研究者に信頼される事業価値を高める」ことをグループビジョンに掲げ、ライフサイエンスの進歩・発展に貢献することを社会的使命と考えております。
ライフサイエンスの基礎研究分野市場は、政府予算から分配される大学・公的研究費と、医薬品関連企業における基礎研究分野への資金投資で成り立っております。当連結会計年度における政府予算はほぼ横ばい傾向が続いているため、各大学・公的研究機関の予算執行は鈍化傾向、また、医薬品関連企業においても、基礎研究分野への資金投資は微増から横ばい傾向が継続しているため、ライフサイエンスの基礎研究分野市場は伸び悩んでおります。このためシェア獲得のため同業他社との価格競争は厳しい状態が続いており、また、海外からの商品仕入割合が高いため、為替変動により利益が影響する一面もあります。
このような事業環境の中で、当社グループは、経営基盤と収益力を高めるために、売上高と経常利益を重要な経営指標として捉えております。売上高経常利益率や当期純利益を意識した経営を行い、資本効率をはかる目標としてのROEやROAについて、より高める努力を進めてまいります。
中長期的な重要課題としては、新たな事業基盤の創出に向け、次世代の収益の柱となる研究試薬以外の市場も視野
にいれた基盤づくりを行ってまいります。また、2017年度より立ち上げた「抗体・ペプチド関連の受託事業」におけ
るがん免疫療法向けのペプチド合成受託は、今後"がんゲノム医療"の浸透・定着に伴って大きな市場となっていくこ
とが期待されます。更に2016年度より事業開発を進めてきた「鶏卵バイオリアクターを用いたタンパク質製造技術」
は、今年度より受託事業をスタートしました。今後の可能性として、医薬品原体の供給により、食品や化粧品の原料
の提供など広範な市場への事業拡大が期待されることから、新たなビジネスモデルの構築やビジネスパートナーの探索を推し進め、収益加速と投資回収に努めてまいります。
1.新たな事業基盤の創出
(1)新規事業の開拓
既存事業の発展に加え、シーズ探索強化、産学官連携への積極参画などにより、次世代の収益の柱となり得る
新たな事業基盤の創出を、重要課題として取り組みます。
(2)資本提携・業務提携への取り組み
市場での競争力を維持・強化、あるいは事業拡大やコスト削減の効果を客観的に評価して、他企業との協働の
機会を損なうことのないように備え、業務提携により事業を拡大していきます。
2.既存事業基盤の強化
2-1.商社機能の強化
提案力・情報力・商品力の強化のため、様々な市場の切口から状況を解析し以下の課題に取り組みます。
(1)顧客情報管理と活用
(2)原料供給ビジネスの売上拡大
(3)流通改革対策
2-2.製造機能の強化
価値ある技術を求める現場に届けるために、国内外の新規技術の応用に目を向け、製造機能を強化し、以下の課題
に取り組みます。
(1)新商品・受託サービスの拡充
(2)抗体・ペプチド合成受託事業、鶏卵バイオリアクター事業の更なる成長・収益加速
3.企業価値の向上
就業環境の向上により、以下の課題に取り組みます。
また、グループ3社が同一オフィスで業務を行うことにより、協働する範囲をさらに広げ、シナジーと効率の最大
化を図ってまいります。
(1)生産性の向上と効率化(収益力の向上)
付加価値を創出する活動、グループシナジー強化、AI/RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を意識
した業務の洗い出し
(2)人事制度・人材育成・採用活動
新規人事評価制度のブラッシュアップ、事業成長に必要な人材育成、ローテーション
(3)働き方改革の推進
テレワークの推進など
以下におきましては、当社グループの事業展開上における現在及び将来の事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループでは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、以下の記載は本株式の投資に関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。
なお、本項中の記載内容につきましては、特に断りがない限り、本有価証券報告書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は同報告書提出日現在におきまして当社が判断したものであります。
(1) ライフサイエンス研究関連費用の支出動向にかかわるリスク
当社グループのエンドユーザーは、大学・公的研究機関及び企業における研究者が大きな比重を占めております。そのため、公的研究費や企業の収益・研究開発の支出動向が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 仕入先M&Aリスク
当社グループの仕入先の多くは海外の企業であり、海外仕入先のM&Aやこれに伴う日本における販売体制の改編等により、仕入価格や国内販売権が影響を受け、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替リスク
当社グループの商品の多くは外貨で決済される輸入品であり、為替変動によって売上原価が変動します。そのため、為替変動の影響をヘッジするために、当社では社内方針に基づき実需の一定の範囲内で為替予約を実施しております。
しかしながら、急激な為替相場の変動や会計基準の大幅な変更が生じる場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 業界における競合リスク
ライフサイエンス研究関連商品の国内市場において、業界内の競合激化が価格競争に陥り、当社グループにもその影響が波及する場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 法規制リスク
当社グループの商品の中には、薬機法、毒物及び劇物取締法や他の関連法規等に該当するものも含まれております。当社グループでは引き続き関連法規制の遵守に努めてまいりますが、法規制等の変更により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) グループ会社リスク
当社グループは、複数の関係会社から成っており、グループとしてライフサイエンス研究関連の幅広い商品・サービスの提供を進めシナジー効果を上げていく考えであります。
しかしながら、関係会社の統治が充分に機能せず期待したシナジー効果を発揮しない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 会計基準・税制等の変更によるリスク
当社グループは安定的な業績を目的として、社内方針に基づき事業投資や資金運用投資等を行っておりますが、金融動向や市場動向が急変して、保有資産価格に想定外の変動が生じる場合、或いは会計基準や税制等の大幅な変更が生じる場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるライフサイエンスの基礎研究分野市場の動向は、依然として大学・公的研究機関において、慎重な予算執行の傾向が続いていると捉えております。また、同業他社との競争は販売価格面で厳しい状況が続いております。
このような状況下、当社グループは、ライフサイエンス領域の研究開発に資する多様な自社製品・商品・サービスの提供と、在庫の適正化及び迅速出荷に取り組んでおります。当連結会計年度の連結売上高は7,590百万円(前年同期比4.5%増)となり、連結売上総利益は2,879百万円(前年同期比8.3%増)、連結売上総利益率は37.9%(前年実績36.6%)となりました。為替レートは、当連結会計年度平均109円/ドル(前連結会計年度110円/ドル)で推移しました。
連結営業利益は405百万円(前年同期比23.5%増)、連結経常利益は470百万円(前年同期比16.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は237百万円(前年同期比8.6%減)となりました。
品目別の経営成績は次のとおりであります。
研究用試薬
研究用試薬につきましては、公的予算を中心に厳しい状況が続く中、先端的な新規の商品及び仕入先の開拓と各種の販売キャンペーンや学会展示及びセミナー等を開催して販売促進に努めました。その結果、当連結会計年度の研究用試薬の販売実績は対前年同期比7.6%増の5,613百万円となりました。
機器
機器につきましては、販売実績は対前年同期比3.6%減の1,836百万円となりました。
臨床検査薬
臨床検査薬につきましては、販売実績は対前年同期比0.6%減の140百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が388百万円等の要因により、前連結会計年度末に比べ348百万円増加し、当連結会計年度末には2,416百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は549百万円(同39.5%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益388百万円、減価償却費207百万円、たな卸資産の増減額144百万円及び法人税等の支払額△143百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は115百万円(同38.1%減)となりました。これは主に、資金運用等のための有価証券の償還による収入200百万円、投資有価証券の取得による支出△150百万円及び有形固定資産の取得による支出△141百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は85百万円(前年同期と同額)となりました。これは主に配当金の支払△85百万円によるものであります。
③仕入、受注及び販売の実績
当社グループは単一セグメントであるため、仕入、受注及び販売の実績については、セグメント別にかえて品目別に示しております。
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入及び製品製造原価の実績を商品の品目別に示すと次のとおりであります。
|
品目別 |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
対前期比増減率 |
|
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
||
|
研究用試薬 |
3,335 |
73.4 |
5.9 |
|
機器 |
1,131 |
24.9 |
2.2 |
|
臨床検査薬 |
75 |
1.7 |
1.0 |
|
合計 |
4,542 |
100.0 |
4.9 |
(注)1.金額は仕入価格及び製品製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループでは受注から納品までの期間が短いこと、かつ受注残高が僅少であることから記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を商品の品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目別 |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
対前期比増減率 |
|
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
||
|
研究用試薬 |
5,613 |
74.0 |
7.6 |
|
機器 |
1,836 |
24.2 |
△3.6 |
|
臨床検査薬 |
140 |
1.9 |
△0.6 |
|
合計 |
7,590 |
100.0 |
4.5 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.輸出につきましては、売上に占める比率が微小であるため省略しております。
3.前連結会計年度及び当連結会計年度において、売上総額の100分の10を超える販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積りが必要とされております。これらの見積りにつきましては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なることがあります。
当社及び子会社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5〔経理の状況〕1〔連結財務諸表等〕(1)〔連結財務諸表〕の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は5,927百万円となり、前連結会計年度末に比べ278百万円増加いたしました。これは主に商品及び製品が147百万円減少した一方、現金及び預金が348百万円増加したこと等によるものです。固定資産は2,962百万円となり、前連結会計年度末に比べ125百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が117百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は前連結会計年度末の8,485百万円から404百万円増加して8,890百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は987百万円となり、前連結会計年度末に比べ41百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が25百万円増加、未払法人税等が16百万円増加したことによるものであります。固定負債は581百万円となり、94百万円増加いたしました。
この結果、負債合計は1,568百万円となり、前連結会計年度末に比べ135百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は7,321百万円となり、前連結会計年度末に比べ268百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益237百万円及び剰余金の配当82百万円による増減と、その他有価証券評価差額金が105百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は77.0%(前連結会計年度末は77.5%)となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
2)経営成績
当連結会計年度の経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ③仕入、受注及び販売の実績」に記載のとおりであります。
3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
詳細につきましては、 「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
4)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資及び投資有価証券の取得等によるものであります。
資金調達については、自己資金によって充当することを基本としております。
該当事項はありません。
当連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、
なお、当連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。