第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策や日銀による金融緩和を背景に、企業業績や雇用環境が改善し、訪日外国人の増加に伴うインバウンド需要の拡大等もあり、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、中国をはじめとする海外景気の減速懸念、実質所得の伸び悩みによる個人消費の停滞等、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

食品関連業界におきましては、消費者の「食の安全・安心意識の高まり」や「節約志向」が続く中、円安に伴う原材料・資材価格の高騰、人手不足による人員確保リスクの増大やそれに伴う労働コストの上昇等も加わり、引続き厳しい経営環境が続いております。

このような経営環境の中、当社グループは当連結会計年度が中期経営計画「THE SECOND FOUNDING STAGE 2017」において飛躍的成長期間と位置づける計画の第二段階「SECOND PHASE SF2017」の初年度に当たることから、「新工場稼働による売上拡大」、「ISO22000認証取得による食の安全への取組み」、「研究開発と連動した事業機会の創出」等を中心に売上拡大のための施策を進めてまいりました。

具体的施策のうち、まず「新工場稼働による売上拡大」については、平成27年4月に竣工した連結子会社大阪デリカフーズ株式会社の奈良FSセンターを中心に展開いたしました。奈良FSセンターは最新鋭のカット野菜生産設備と高い品質管理機能を併せ持つ近畿地区で初のFSモデル工場(コールドチェーン対応カット野菜工場、出荷センター、分析室を含む次世代型工場)として、外食・中食産業より高い評価をいただき、昨年4月の開設以降、着実に売上を獲得しております。

「ISO22000認証取得による食の安全への取組み」につきましては、当連結会計年度中に新たに連結子会社大阪デリカフーズ株式会社の兵庫工場及び奈良FSセンターで認証を取得いたしました。また連結子会社東京デリカフーズ株式会社の東京FSセンターではISO22000の考え方に、より高度な基準を要求される発展型の規格であるFSSC22000認証の取得に成功いたしました。高まる食の安全・安心への需要に対応するため、当社グループでは食品安全の国際規格であるISO認証やFSSC認証の取得を推進しており、当社グループすべての工場で認証を取得することで同業他社との差別化による企業価値向上を図るとともに、食の安全確保という社会的責任を果たしてまいります。

「研究開発と連動した事業機会の創出」につきましては、当社グループ内で野菜の分析・研究を担う連結子会社デザイナーフーズ株式会社を中心に展開いたしました。10年以上に渡る野菜の機能性分析で蓄えられたデータを活用した当社グループ独自の提案型営業は、多くの顧客を獲得してきたほか、当連結会計年度においては地方自治体や大手量販店チェーンからのコンサルティング依頼も多数受注いたしました。

この結果、当連結会計年度における売上高は31,573百万円(前期比12.6%増)となりました。利益につきましては、上期における天候不順や台風・豪雨の影響による野菜の調達価格の高騰、作業効率の低下及びロスの発生、また大阪デリカフーズ株式会社奈良FSセンター開設に伴う立ち上げ費用の発生及び減価償却費の増加等により前年度を下回る状況で推移しました。下期については天候に恵まれたこと、顧客との価格調整が順調に進んだこと及び生産性改善活動にグループを挙げて取組んだこと等により収益性の改善が見られたものの、営業利益683百万円(前期比8.4%減)、経常利益708百万円(前期比7.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は400百万円(前期比18.1%減)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、以下のとおりであります。

① 関東地区

当セグメントの売上高は、積極的なメニュー提案及び産地提案を実施したことに加え、東京第一・第二FSセンターにおける最新の生産設備、食品安全確保の取り組み等を多くのお客様に高くご評価いただき、大手居酒屋や介護給食等の新規顧客を獲得できたこと等により、20,473百万円と前期と比べ2,564百万円(14.3%)の増収となりました。セグメント利益(経常利益)は、上期の天候不順や台風・豪雨の影響による調達価格の上昇がありましたが、下期は比較的天候が安定していたこと、売上高が順調に増加したこと、原油価格の低下に伴う水道光熱費の減少、物流子会社設立に伴う物流費の減少によるコスト削減効果等により、426百万円と前期と比べ51百万円(13.6%)の増益となりました。

 

 

② 東海地区

当セグメントの売上高は、お客様への情報提供や本部・店舗巡回の強化等の積極的な営業活動を実施したことに伴い新規顧客の獲得が順調に進展したこと、お客様の季節メニューが好調であったこと等により、5,073百万円と前期と比べ342百万円(7.2%)の増収となりました。セグメント利益(経常利益)は、水道光熱費・物流費等のコスト削減に努めましたが、上期の天候不順や台風による調達価格の高騰、人手不足による人件費・求人費の増加等により、150百万円と前期と比べ7百万円(4.5%)の減益となりました。

 

③ 近畿地区

当セグメントの売上高は、積極的なカット野菜提案等の営業活動強化、コンシューマー向け商品の開発・販売に加え、平成27年4月に開設した奈良FSセンターにおいて、最新の生産設備、食品安全確保の取り組み等をお客様に高くご評価いただき稼働率が上昇したこと等により、5,961百万円と前期と比べ612百万円(11.4%)の増収となりました。セグメント利益(経常利益)は、上期の天候不順や台風の影響による調達価格の高騰、奈良FSセンター開設に伴う人件費・消耗品費等の立ち上げ費用の発生及び減価償却費の増加等により、77百万円と前期と比べ145百万円(65.2%)の減益となりました。

 

④ 持株会社

当セグメントの売上高は、656百万円と前期と比べ69百万円(11.9%)の増収となりました。セグメント利益(経常利益)は、売上高が増加したこと、前期に発生した公募増資・第三者割当増資に伴う株式交付費が当期には発生しなかったこと等により、150百万円と前期と比べ59百万円(65.9%)の増益となりました。

 

⑤ その他

当セグメントの売上高は、青果物の成分分析依頼が増加したこと、コンサルティング業務の顧客が増加したこと等により、239百万円と前期と比べ35百万円(17.2%)の増収となりました。セグメント利益(経常利益)は、売上高が増加したこと等により、30百万円と前期と比べ16百万円(117.3%)の増益となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、4,564百万円となり、前連結会計年度末に比べ812百万円減少しました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの内容は概ね次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益643百万円、減価償却費528百万円、仕入債務の増加191百万円が主要な収入であります。また、法人税等の支払額376百万円、売上債権の増加290百万円が主要な支出であります。以上の結果、666百万円の収入(前年同期は1,293百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入99百万円が主要な収入であります。また、有形固定資産の取得による支出1,393百万円、定期預金の預入による支出104百万円が主要な支出であります。以上の結果、1,466百万円の支出(前年同期は632百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入1,260百万円が主要な収入であります。また、長期借入金の返済による支出913百万円、短期借入金の減少による支出172百万円、配当金の支払額124百万円が主要な支出であります。以上の結果、13百万円の支出(前年同期は2,160百万円の収入)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

関東地区

5,201,475

15.7

東海地区

1,549,076

3.2

近畿地区

2,194,277

24.6

その他

合計

8,944,829

15.3

 

(注) 1.金額は、製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.「その他」は報告セグメントに含まれない事業セグメントである研究開発会社であります。

 

   また、当連結会計年度における生産実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

事業部門の名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

カット野菜部門

8,944,829

15.3

ホール野菜部門

その他

合計

8,944,829

15.3

 

(注) 1.金額は、製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

関東地区

13,448,944

15.5

東海地区

3,006,002

8.4

近畿地区

3,582,095

11.9

その他

6,307

△15.9

合計

20,043,350

13.7

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.セグメント間取引については、相殺消去しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.「その他」は報告セグメントに含まれない事業セグメントである研究開発会社であります。

 

    また、当連結会計年度における仕入実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

事業部門の名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

カット野菜部門

5,195,904

15.0

ホール野菜部門

11,635,396

12.0

その他

3,212,048

18.1

合計

20,043,350

13.7

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.「その他」は野菜外商品(卵、豆腐、冷凍食品等)の仕入高、委託販売先を通じた仕入高等であります。

 

 

(3) 受注実績

当社グループは、出荷日の前日ないし前々日に受注をすることが多く、受注から売上計上までの期間が極めて短いことから受注規模を金額で示すことはしておりません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

関東地区

20,473,285

14.3

東海地区

5,073,157

7.2

近畿地区

5,961,098

11.4

持株会社

656,200

11.9

その他

239,495

17.2

調整額

△829,723

 

合計

31,573,514

12.6

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.「調整額」は、セグメント間の内部売上高又は振替高であります。

3.「その他」は報告セグメントに含まれない事業セグメントである研究開発会社であります。

 

    また、当連結会計年度における販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

事業部門の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

カット野菜部門

11,451,090

14.1

ホール野菜部門

16,308,166

10.3

その他

3,814,257

18.1

合計

31,573,514

12.6

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.「その他」は野菜外商品(卵、豆腐、冷凍食品等)の販売高、委託販売先を通じた販売高、コンサルティング業務による売上高等であります。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループを取り巻く経営環境は、消費者の「食の安全・安心意識の高まり」や、人手不足による人員確保リスクの増大やそれに伴う労働コストの上昇なども加わり、引続き厳しい状況が継続するものと懸念されることから、下記に当社グループの対処すべき課題を掲げ、それに取り組んでいく所存であります。

①食の安全・安心の確保

当社グループでは、食品事業者の責務として常に高い安全衛生管理水準を維持し続けることが重要な経営課題であると認識しております。当連結会計年度においては、連結子会社大阪デリカフーズ株式会社の兵庫工場及び奈良FSセンターが食品安全の国際標準規格であるISO22000認証を、連結子会社東京デリカフーズ株式会社の東京FSセンターがFSSC22000認証を取得しており、今後もグループ内への展開を進めてまいります。

 

②コーポレートガバナンスの充実

平成27年6月に適用が開始されたコーポレートガバナンス・コードについて、当社グループではコードの精神を尊重し、各原則を実施するための各種施策を実行してまいりました。平成27年12月にはコーポレートガバナンス・コードの実施状況に関するコーポレートガバナンス報告書を提出・公開いたしましたが、求められる73項目の原則のうち6項目については原則を実施していないものとして、その理由を説明(エクスプレイン)しており、当該事項の遵守が今後の課題であると認識しております。

 

③新規事業を含めた収益構造の強化

当社グループでは、成長戦略を推し進めるにあたり、当社グループの強みを活かした提案営業力の強化による新規顧客獲得と既存顧客の深耕に注力するとともに、契約産地の拡充による調達価格の低減や工場のオートメーション化等による労働コスト削減を実現させ、収益構造を強化することが当社グループ全体の継続的な課題であると認識しております。また今後は「真空加熱野菜」の生産・販売といった野菜をベースにした新しい事業分野にも進出してまいります。

 

④リスクマネジメント

当社グループがさらされるリスクは単に災害、訴訟、金融、風評等にとどまらず、多岐にわたり、しかも複雑化・複合化しております。こうしたリスクには常に迅速かつ適切な対応が求められております。当社グループでは取締役を中心メンバーとした「危機管理委員会」を設置し、リスクマネジメントにあたっております。

 

⑤経済社会情勢への柔軟な対応

経済社会情勢のうち、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)については、当社グループに与える影響は比較的軽微であると考えられますが、具体的な影響については未だ詳細が不透明なため、引続き情報収集を怠らず、時宜に応じて柔軟に対応すべき課題であると認識しております。

 

これらの課題に対する施策を実践し、野菜を中心に生産地から消費者までの食をコーディネートし、「日本農業の発展」及び「国民の健康増進」という社会的責任を担う企業として、企業品質と企業価値の向上に邁進努力いたしております。

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業及びその他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいりますが、本株式に対する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。また、本項に記載した予想、見通し、方針等、将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来実現する実際の結果とは異なる可能性がありますのでご留意ください。

 

 

①青果物の生産・収穫に影響を及ぼす天候や気象、自然災害について

 当社グループは、主に、国内産青果物を生産地取引や各地の市場で買い付け、お客様に販売しております。青果物の生産・収穫は天候や気象、自然災害に左右されます。特に近年は、異常気象に見舞われ世界的に農産物の収穫に悪影響を与えているほか、平成23年3月11日に発生した東日本大震災により広大な農地が冠水や流出、放射能汚染などの被害を受けております。過去に経験した大きな異常気象や自然災害を教訓として、そのような状況が発生した場合、輸入青果物の仕入をお客様の同意の下に行う体制を持っていることや、同じ天候や気象、自然災害の影響を受けない複数の国内産地を持つことで、リスクを分散した生産地取引も行っております。

 こうした対応にもかかわらず、青果物の生産・収穫が天候や気象、自然災害により著しく減少する状況に陥った場合には、仕入価格が高騰し、あるいは販売機会を逃すなど、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

②食品の安全性について

 食品の安全性と品質保証に関する消費者の関心は、残留農薬、偽装表示問題や異物混入事件等により高まっております。当社グループは、製・商品の品質、安全性を経営の最重要課題のひとつと考えており、安全で高品質の食品を供給するため、徹底した衛生管理と品質の向上に努めております。具体的には、当社グループの全ての工場において食品安全マネジメントシステムの国際規格ISO22000認証の取得を進めることにより、当該システムの継続的改善に取り組みながら、衛生管理・品質管理の改善に努め、食品安全確保ならびに品質保証・危機管理などのリスク管理体制の充実を目指すとともに、ISO22000による食品安全の内部監査を実施し、製品クレームや事故の発生防止活動、製品表示の適正化に取り組んでおります。加えて東京デリカフーズ株式会社東京FSセンターにおいては、昨今のフードテロリズム等への世間一般の関心の高まりに鑑み、より厳密な衛生管理基準やフードディフェンスの要求が求められるFSSC22000認証を取得いたしました。また仕入業者と連携して品質向上のための情報交換を積極的に行っております。そのような結果、過去に食中毒事件等の問題が発生した事例はありません。

 しかしながら、異物混入、健康被害を与える可能性のある欠陥製・商品、表示違反など、当社グループで生産する製品、あるいは仕入商品に万一事故が発生した場合には、当社グループの製・商品の販売に支障を来たし、この結果、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループに起因する食品の安全性問題だけでなく、無認可添加物の使用等による食品製造工程における消費者の不信、あるいは外食企業に起因する衛生管理問題による連鎖的風評など、社会全体的な食品の安全・衛生上の問題が発生した場合につきましても、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③設備投資について

 当社グループは、これまで主要取引先であった外食産業向けに加え、需要が増加している中食産業及び小売業向けの青果物卸売、カット野菜製造のために新工場(FSセンター)の建設を計画しております。また、継続的に事業を拡大していくうえで、新製品対応や技術革新、あるいは生産能力の増強等のため、新規または更新のための設備投資が必要となります。

 当社グループでは市場環境、競合他社動向、事業戦略及び当該投資の収益性等を総合的に勘案し、適時・適切に設備投資を実施していくように努めております。しかしながら、新工場建設に伴う人件費・消耗品費増加等による立ち上げ費用、減価償却費等により過去の事業年度で生じたように一時的に当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、経営環境の急激な変化等により、売上が大きく減少し、使用設備の除却や減損が生じた場合、更なる悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④有利子負債依存度について

 当社グループは、工場・物流センター等の設備投資資金を主に金融機関からの借入れにより調達しているため、総資産に占める有利子負債の割合が平成28年3月決算期で41.3%(有利子負債残高(リース債務を含む)7,099百万円/総資産17,183百万円)と比較的高い水準にあります。したがって、今後有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤法的規制について

 当社グループが営んでいる青果物事業に関する主たる法的規制には、食品の規格・衛生監視・営業許可等を定めた「食品衛生法」、食品循環資源の再生利用等を促進するために再生利用等の量に関する目標を定めた「食品リサイクル法」、工場・事業場の排水規制を定めた「水質汚濁禁止法」、「水道法」、欠陥製造物からの消費者保護を目的とした「製造物責任法(PL法)」等があります。

 当社グループは、「食品衛生法」をはじめとした法令の遵守を徹底するとともに、「食品リサイクル法」における食品廃棄物の再処理にも充分な取り組みを実施しております。しかしながら、今後「食品衛生法」、「食品リサイクル法」等の法的規制が強化された場合、新たな費用負担が発生する可能性があり、その場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥業務委託について

 当社グループでは、各子会社が直接配送できない地域につきましては、各子会社が業務委託先に製品の製造及び製・商品の配送を依頼しております。

 委託先につきましては、納品する製・商品の品質には十分に気をつけるよう指導管理しておりますが、納品する製・商品の品質が悪い等の不測の事態が生じた場合等に、投資者及びその他一般の方々が当社グループにも同様の問題が生じていると誤解する可能性があります。また、業務委託先が当社グループの意に背いて、食品の安全性に欠けるものを納品した場合、当社グループにも影響があり、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

急速な高齢化社会を迎え、医療費の高騰が大きな社会問題となっており、国民一人一人が日々の食生活の中で健康を維持増進すること、すなわち「食によるセルフメディケーション」が強く求められております。一方、 国の政策としても、特定保健用食品や栄養機能食品に続いて、平成27年4月より「機能性表示食品」が新たに届け出制度として始まりました。すでに300品目を超える食品が届け出され、その中には生鮮食品(青果物)も含まれております。

このような状況の中、当社グループでは過去16年間、野菜・果物等の食品分析に取組み、そのデータ数は25,000検体を超え、全てをデータベース化してまいりました。この研究データをもとに、野菜の品質と栽培方法との関連性を明らかにするとともに、非破壊で野菜の品質を選果できる装置開発、野菜の抗酸化力成分を食することによるヒトの体中への影響を明らかにする研究、これらを自動的に測定できる装置開発等、野菜と健康に関する研究開発を進めてまいりました。主な成果として、「トマトの非破壊大量迅速測定・選果装置」や、「野菜の抗酸化力自動測定装置」を開発いたしました。抗酸化力などの受託分析に係る売上も前年対比で125%を達成いたしました。これら研究の成果を「野菜が持つチカラ」として、自治体、外食産業、量販店等へご提示しながら、講演、セミナー及びマスコミ等で広く開示することにより、消費者の健康増進への情報提供に努めております。また、「野菜の分析データ」を店舗で表示して一般消費者に販売する実証も量販店と協働して行っております。

当連結会計年度における研究開発費の総額は163百万円であります。

なお、当社グループでの研究開発活動は、事業全般にわたり行っており、概ね報告セグメントに含まれない事業セグメントである研究開発会社で行っております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 当社グループの連結財務諸表の作成において、損益または資産及び負債の状況に影響を与える見積り、判断及び仮定は、過去の実績や入手可能な情報に基づいておりますが、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 その他重要な会計方針は「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1)連結財務諸表、(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

(2) 経営成績の分析

 当連結会計年度における売上高は31,573百万円となり、前連結会計年度の28,042百万円に対し、3,531百万円の増収(前期比12.6%増)となりました。当社グループを取り巻く経営環境は、消費者の「食の安全・安心意識の高まり」や「節約志向」が続く中、円安に伴う原材料・資材価格の高騰、人手不足による人員確保リスクの増大やそれに伴う労働コストの上昇等も加わり、引き続き厳しい経営環境が続いております。このような経営環境の中、当社グループは当連結会計年度が中期経営計画「THE SECOND FOUNDING STAGE 2017」において飛躍的成長期間と位置づける計画の第二段階「SECOND PHASE SF2017」の初年度に当たることから、「新工場稼動による売上拡大」、「ISO22000認証取得による食の安全への取組み」、「研究開発と連動した事業機会の創出」などを中心に売上拡大のための施策を進めた結果、大口新規顧客の獲得及び既存取引の深耕が順調に進展しました。この結果、当社グループは当初計画(平成28年3月期 業績予想29,600百万円 平成27年5月8日発表)を上回る売上高を確保いたしました。

 売上原価は、前連結会計年度の20,940百万円に対し、2,950百万円増加(同14.1%増)の23,890百万円となりました。これは主として、売上高の増加、上期の天候不順や台風・豪雨の影響による調達価格の高騰、奈良FSセンター開設に伴う減価償却費等の増加、商品仕入高・製造原価の増加によります。その結果、売上総利益は前連結会計年度の7,101百万円に対し、580百万円増加(同8.2%増)の7,682百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の6,355百万円に対し、643百万円増加(同10.1%増)の6,999百万円となりました。これは主として、人手不足による人件費の増加、奈良FSセンター開設に伴う消耗品費等の立ち上げ費用の発生、減価償却費の増加等によります。その結果、営業利益は前連結会計年度の746百万円に対し、62百万円減少(同8.4%減)の683百万円となりました。

 営業外収益は、前連結会計年度の89百万円に対し、9百万円減少(同10.4%減)の80百万円となりました。これは主として、業務受託手数料が減少したこと等によります。営業外費用は、前連結会計年度の69百万円に対し、14百万円減少(同20.9%減)の55百万円となりました。これは主として、前連結会計年度に発生した公募増資・第三者割当増資に伴う株式交付費が当連結会計年度には発生しなかったこと等によります。その結果、経常利益は前連結会計年度の765百万円に対し、57百万円減少(同7.5%減)の708百万円となりました。

 特別利益は、補助金収入88百万円を計上したこと等により89百万円となり、特別損失は、退職給付債務の計算方法を簡便法から原則法に変更したことによる退職給付費用41百万円、固定資産圧縮損88百万円、固定資産除却損16百万円を計上したこと等により153百万円となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の793百万円に対し、150百万円減少(同18.9%減)の643百万円となりました。

 税効果会計適用後の法人税等の負担額は、前連結会計年度の304百万円に対し、61百万円減少(同20.2%減)の242百万円となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の489百万円に対し、88百万円減少(同18.1%減)の400百万円となりました。

 

(3) 経営戦略の現状と見通し

 当社グループとして初めて公表した中期経営計画「THE SECOND FOUNDING STAGE 2017」は、昭和54年の創業より「日本農業の発展」、「国民の健康増進」を掲げてきた当社グループが、青果物流通業のリーディングカンパニーとして安全・安心な青果物の加工・流通はもちろん、研究開発等独自のノウハウをもとに青果物の需要創造と価値向上・市場拡大に向けて、新たな時代を切り開き、更なるステージへの躍進を実現すべく第二創業期と銘打って策定したものであります。

 時代が要求する「安全・安心」の情報提供を踏まえ、これまで構築してまいりました365日体制のチルド流通網や、東京・名古屋・大阪を中心とした広域営業体制を発展させ、青果物事業において生産者から消費者までをトータルコーディネートする体制の確立を目標としております。同時に生活習慣病の増加から医療費の増大が危惧される中、ますます予防医学の重要性が求められる状況となり、より食生活の重要性が認識される時代となります。当社グループがこれまで掲げてきた野菜の中身分析は時代の要求に合い、抗酸化力のデータを用いた、外食・中食産業の顧客に対する健康を考えたメニュー提案等のコンサルティング業務の新たなビジネスモデルとして大きく展開すると考えております。

 

 

 中期経営計画では下記の6つの事業戦略を骨子とした施策を実践しております。

  FIRST PHASE SF2015(2012年4月~2015年3月) 

   2015年3月:業績目標 連結売上高270億円 連結経常利益7.5億円

   <事業構造の強化>

    ① 安定調達に向けた「国内外契約産地の再構築」 

    ② 収益力強化に向けた「改革・改善推進」及び「原価低減」

    ③ 販売マーケット拡大に向けた「給食・宅食・施設事業でのシェア獲得」

   <成長基盤の構築>

    ① 経営者候補及び幹部候補生の育成

    ② 国内協力企業とのネットワーク構築及び拠点地増設

    ③ 生産技術・管理機能の再構築及び基幹システムの集約化

   <海外での事業展開準備>

    ① 海外市場への参入準備

     ② 海外産地の再開拓

 

  SECOND PHASE SF2017(2015年4月~2017年3月)

   2017年3月:業績目標 連結売上高350億円 連結経常利益10.5億円

   <国内エリアの拡大>

    ① 直営拠点もしくはFC(フランチャイズ)拠点の増設

    ② 基幹物流・毛細物流網の構築

    ③ グループシナジーの発揮及び基幹システムの集中化

    <海外での事業展開>

     ① ビジネスモデル(調達・生産・販売・開発)の拡充

    ② 輸出入基点の設置

    ③ 研究開発の活用による高付加価値化

   <新規事業・新規事業マーケットへの参入>

     ① BtoC事業への本格参入

     ② 青果物を原料としたマーケットへの参入

 

 中期経営計画の第一段階「FIRST PHASE SF2015」につきましては、当社グループ一丸となり上記の施策を着実に実行した結果、平成27年3月期は連結売上高280億円(目標連結売上高270億円)、連結経常利益7.6億円(目標連結経常利益7.5億円)と当初掲げた業績目標を達成いたしました。

 

 中期経営計画の第二段階「SECOND PHASE SF2017」では、最終年度の平成29年3月期の連結数値目標として、連結売上高350億円、連結経常利益10.5億円を掲げ、各種施策を推し進めてまいりました。本計画においては、平成28年3月期に連結子会社東京デリカフーズ株式会社及び名古屋デリカフーズ株式会社の新工場の開設を予定しておりましたが、東日本大震災の復旧工事や平成32年に東京で開催されるオリンピックに係る工事等の増加を背景とした建設現場の技能者不足に伴う労務費の上昇や円安に伴う輸入資材等の価格上昇による建設費高騰を受け、当社は施工業者の選定及び設計等を再検討し、両新工場の開設予定時期をそれぞれ平成28年5月、平成30年4月に変更いたしました。この結果、連結売上高目標を335億円、連結経常利益目標を8億円に修正いたしました。
 なお、平成30年3月期以降については、中期経営計画「THE SECOND FOUNDING STAGE 2017」の結果を分析し、検証しながら、新たな3ヶ年を見据えた中期経営計画を策定し、あらためて株主及び投資家の皆様に公表してゆく所存であります。

 

 次期以降におきましては、中期経営計画を軸に、中長期的な成長を見据えた活動として以下のような取組みを進めてまいります。

 

  <拠点拡大政策の継続>

 更なる売上獲得を目指し、引き続き拠点拡大政策を継続してまいります。まず、関東地区西部の新たな物流拠点として、平成28年5月には東京デリカフーズ株式会社の西東京FSセンター(東京都昭島市)を開設いたします。当社グループがこれまで積み重ねたFSセンターのノウハウを最大限に活用し、スーパーコールドチェーン(4℃以下)やオートメーション化による省人化製造ラインを構築するとともに、コンシューマー向けカット野菜生産ラインの設置といった新たな取組みを進めてまいります。西東京FSセンターの開設によって、最大の商圏である関東地区にバランスよく三つの拠点(他は東京都足立区の東京FSセンター及び神奈川県大和市の神奈川事業所)が配置されることとなり、増産以外にも物流の効率化や非常時のバックアップ体制などの面でシナジー効果を発揮します。また、名古屋デリカフーズ株式会社についても、FSモデルでの新工場建設計画が進んでおります。

 

 

  <食の安全・安心の追求>

 食品事業者の責務である食の安全・安心を更に追求いたします。当社グループの全ての工場で引続きISO22000認証の取得を進め、これを標準といたします。また東京FSセンターで取得したFSSC22000認証についても、その考え方やノウハウをグループ内で共有することで、より厳密な衛生管理基準やフードディフェンスシステムへの対応を実現してまいります。これらの取組みを通じ、業界トップクラスの品質管理体制を構築し、安全・安心でおいしい製品を供給し続けることで顧客の支持を獲得いたします。

 

  <新規事業・新規マーケットへの参入>

 当社グループではこれまでも野菜に由来する様々な商品開発を行ってまいりましたが、中でも外食産業から評価された商品として、高温で加熱処理することにより旨味成分を凝縮させた「過熱野菜」があります。過熱野菜には高品質と引換えに大量生産が難しいという特性がありましたが、新規に開設する西東京FSセンターでは旨味と生産性の両立を目指して開発された「真空加熱野菜」の生産・販売を行う予定です。人手不足やオペレーションのマニュアル化が進む外食産業をはじめ、病院や介護用給食を手掛ける事業者からも有用性が非常に高いとして注目を集めており、カット野菜・ホール野菜に続く新たな事業の柱とすべく開発を進めております。

 

 なお、平成29年3月期につきましては、東京デリカフーズ株式会社で新工場(西東京FSセンター)の稼動を予定しており、新工場稼動に伴う人件費・消耗品費等の立ち上げ費用の発生、減価償却費の増加等、過去の事業年度で生じたように一時的な経費の増加を見込んでおります。しかしながら、提案型営業や食品安全確保・リスク管理の体制を更に強化することによる新規顧客の獲得及び既存取引の深耕等、新工場の稼働率の上昇に努めてまいります。

 以上を踏まえ、平成29年3月期の業績につきましては、売上高33,500百万円、営業利益770百万円、経常利益800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益498百万円を予定しております。

 

(4) 財政状態の分析

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ3.4%減少し、8,946百万円となりました。これは、主として、売掛金が288百万円増加した一方、現金及び預金が807百万円減少したことなどによります。

 

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末に比べ11.0%増加し、8,237百万円となりました。これは、主として、建物及び構築物が428百万円、建設仮勘定が242百万円増加したことなどによります。

 

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ2.0%減少し、4,481百万円となりました。これは、主として、買掛金が191百万円、1年内返済予定の長期借入金が112百万円増加した一方、未払金が143百万円、短期借入金が172百万円、未払法人税等が98百万円減少したことなどによります。

 

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末に比べ5.3%増加し、5,842百万円となりました。これは、主として、長期借入金が234百万円増加したことなどによります。

 

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4.6%増加し、6,859百万円となりました。これは、主として、利益剰余金が275百万円増加したことなどによります。

 

(5) キャッシュ・フローの分析

  当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、4,564百万円となり、前連結会計年度末に比べ812百万円減少しました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの内容については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。