第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「徳・体・智」という創業以来の経営理念のもと、「日本の農業の発展」、「国民の健康増進」への貢献を目的に事業を展開しております。

天の恵みである農産物の流通を通じ、農業の発展と人々の健康な生活づくりに貢献すべく、引き続き、「農」と「健康」を繋ぐ創造企業としてお客様、そして株主の皆様の信頼と期待にお応えするように努め、企業価値の一層の向上を目指してまいります。

(2) 当社グループを取り巻く経営環境

当社グループを取り巻く経営環境は、「就農人口の減少と高齢化」、「気候変動による食料調達難」、「食ビジネス環境の変容」、「デジタル技術の急速な発展と普及」等、大きく変化しております。

更に、一昨年春からの新型コロナウイルス感染症拡大は、当社グループの主要取引先である外食産業に大きな影響を及ぼし、当社の業績にも影響を与える事となりました。

外食店舗の時短・閉店、インバウンドの激減、大型イベントの自粛、ECビジネス・デリバリー需要の増大等の変化は、新たな生活様式を誕生させ、そうした変化に対応したビジネスモデルの変革も求められております。

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 足下では、新型コロナウイルス感染症拡大は減速傾向にあるものの予断を許さない状況である上に、世界的な原料価格上昇や円安等の影響による景気の下振れリスクもあり、引き続き不透明な状況が継続するものと予想されます。

 このような経営環境の中、当社グループは2021年5月に公表した新中期経営計画である「Transformation 2024」を着実に遂行することで、事業環境の変容に対応し、更なる成長モデルを確立すると共に、SDGsの潮流に適応した真に社会に望まれる「農」と「健康」を繋ぐ創造企業へのトランスフォーメーションを果たしてまいります。

 

<事業ポートフォリオの変革>

 一昨年度より注力してきた新規・深耕の営業活動の成果により、テイクアウト、ドライブスルー、宅配・デリバリー、専門店等のコロナ禍に強い業態や、既存外食以外の中食、小売・量販、給食等への拡販が進展し、事業ポートフォリオの変革は計画を上回るスピードで進捗しております。今年度につきましても、引き続きアフターコロナを見据えたポートフォリオ戦略を強化し取引拡大を図ってまいります。

 また、BtoC事業ではデリカフーズ長崎株式会社における宅配事業者向けミールキット事業を推し進めるとともに、連結子会社化した株式会社青果日和研究所の「青果日和」ブランドによる一般消費者向けEコマースビジネスを拡充してまいります。さらに、昨年8月に設立した楽彩株式会社では、「楽彩」ブランドによる一般消費者向けミールキット販売事業を今年4月より本格的に開始しました。

 「楽彩」では、“楽して 楽しく 食卓を彩る”をコンセプトに、グループ企業のデリカフーズ株式会社が調達する「おいしくて新鮮な野菜」、R&D部門であるデザイナーフーズ株式会社と株式会社メディカル青果物研究所が保有する「メニュー提案力」や「野菜成分分析の研究開発力」、エフエスロジスティックス株式会社が保有する全国を網羅した「コールドチェーン物流」、これらを融合して創出した『ピックアップショッピングサービス』のビジネスモデルで、一般消費者の皆様に新たな食のライフスタイルを提供いたします。今後、販売代理店として提携する企業・業態を増やすことで事業の拡大を加速してまいります。

 

 

 

 

 

 


 

<青果物流通インフラの構築>

 当社グループは、現在、全国で直営17拠点とエリア企業とで、約3万店舗/日へのデリバリー体制を構築しておりますが、需給逼迫地区や新設地区対応として新中期経営計画においては、3拠点(関東地区、関西地区、中国地区)の増設を計画しております。候補用地も具体化しつつあり、今後計画を実行に移してまいります。

 また、物流子会社であるエフエスロジスティックス株式会社においては、幹線便の定期運行と自社車両での配送比率引き上げにより一層の効率化を図ると同時に、他社の配送を請け負う物流事業も拡充してまいります。 

 さらに、AIやRPAによるイノベーションを導入したDXの推進も加速させてまいります。

 

<サスティナビリティ経営の推進>

 当社グループは、これまでカット野菜、真空加熱野菜、ミールキット等の商品ラインナップを拡充することで、規格外の野菜の利用を促すなどフードロス低減及び農業の支援に貢献してまいりました。2022年4月には愛知事業所内に冷凍野菜工場を新設し稼動開始しており、冷凍に適した品種の野菜を商品化し当該工場の生産を拡大させることで、サプライチェーンにおけるフードロス低減に、より一層貢献してまいります。

 また、活力ある人材マネジメントの実践として、昨年度から『女性活躍推進プロジェクト』を立ち上げて多様な人材が活躍できる環境整備を推進すると同時に、「個人の幸福と会社の繁栄を繋ぐ人財育成環境の構築」を目的に2022年4月より『キャリア推進室』を新設。各階層の研修制度をより一層充実させることで、次世代リーダーを育成するとともに、若手・中途含めた全従業員を対象にした「人財」の育成を加速させてまいります。

 さらに、2021年12月には取締役の指名及び報酬にかかる手続きについて客観性・透明性を確保するための仕組として、『指名報酬委員会』を新設してガバナンス体制を強化いたしました。

当社グループは、引き続きSDGsの精神とともに、持続可能な青果物流通ビジネスを創出することで、世界的目標達成に貢献してまいります。

 

 先行き不透明な状況ではございますが、以上の取り組みを推し進めることにより、新中期経営計画の第2期目であります2023年3月期の業績につきましては、売上高40,500百万円、営業利益230百万円、経常利益300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益180百万円を予定しております。

 

 なお、新中期経営計画最終年度の数値目標につきましては変わりなく、2024年3期に売上高45,000百万円、経常利益1,000百万円を計画しております。

 

(4) 対処すべき課題

 依然として厳しい経営環境が継続するものと懸念される状況下、当社グループは、保有する経営資源を最大限に発揮し新たな成長を遂げるために、昨年5月に打ち出しました新中期経営計画「Transformation 2024」の各施策に取り組んでおります。本計画を着実に遂行すると同時に、グループの対処すべき喫緊の課題を以下の通りとし、更なる成長モデルを確立するとともに、SDGsの潮流に適応した真に社会に望まれる『農と健康を繋ぐ創造企業』 を目指し、果敢に取り組んでまいります。

 

① 事業ポートフォリオの変革 ~新中期経営計画基本方針

  (上述の通り)

 

② 調達機能の強化

 足下では、新型コロナウイルス拡大の影響による物流システムの混乱及びウクライナ情勢の変化などによる原材料価格の高騰や為替の影響による輸入物価の上昇などが顕在化しており、当社グループの属する食品関連業界におきましても、国際競争における調達機能の強化が喫緊の課題となっております。

 このような情勢を踏まえ、当社グループは、国内産地である契約農家との関係強化及び新規開拓、輸入原料における臨機応変な調達ルートの確保、貯蔵システムの開発・拡充などの施策を推進すると同時に、愛知事業所内にて新設した冷凍野菜工場も活用していくことで、より安定的な供給体制の構築と青果物流通におけるインフラの役割強化を果してまいります。

 

③ 強固な財務基盤の構築

 依然、終息時期の見えない新型コロナウイルス感染症に加え、ウクライナ情勢等に起因した原材料高騰や円安等、厳しさを増す環境の中、当社グループは、仕入・在庫の厳格管理、廃棄ロスの低減、物流ルート再編や時間外労務費の縮小等、徹底した効率化を推し進めると同時に、新規・深耕の営業活動強化にてコロナ禍に強い業態への拡販に注力。事業ポートフォリオの変革を計画より早く進捗させ、強固な収益基盤の構築に努めてまいりました。

 引き続き収益基盤の強化にて、財務体質のより一層の強化を推し進めて参ります。

 なお、財務面に関しましては、2022年3月期末時点で手元流動性としての現預金約45億円を確保していることに加えて、株式会社三菱UFJ銀行との間で締結しております総額10億円のコミットメントライン契約は、機動的な資金確保を目的に継続しております。引き続き安定した調達パイプを維持しつつ、強固な財務基盤の構築を図ってまいります。

 

④ サスティナビリティ経営の推進 ~新中期経営計画基本方針

(上述の通り)

 

⑤ コーポレートガバナンスの充実

 当社グループは、コーポレートガバナンス・コードの精神を尊重し、各原則を実施するための各種施策を実行してまいりました。2021年12月に提出したコーポレートガバナンス報告書では、求められる83項目の原則のうち1項目(補充原則1-2④議決権行使プラットホーム利用、招集通知の英訳)を残し全て遵守(コンプライ)し、最後の1項目も今回の株主総会にて充足いたします。

 足下では、多様性の観点から「女性活躍推進プロジェクト」や「国際人財室」を新設、審議プロセスでの透明性と客観性確保の観点では「指名報酬委員会」を設置、さらに、個人の幸福と会社の繁栄を繋ぐ人財育成環境の構築を目的とした「キャリア推進室」を設置する等、ガバナンス強化に必要な体制整備を進めており、より高度なコーポレートガバナンスの確立に努めてまいります。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 青果物の生産・収穫に影響を及ぼす天候や気象、自然災害について

当社グループは、主に、国内産青果物を生産地取引や各地の市場で買い付け、お客様に販売しております。青果物の生産・収穫は天候や気象、自然災害に左右されます。特に近年は、異常気象に見舞われ世界的に農産物の収穫に悪影響を与えております。当社グループにおいては、過去の異常気象や自然災害を教訓として、そのような状況が発生した場合、輸入青果物の仕入や代替商品による納品をお客様の同意の下に行う体制を持っていることや、同じ天候や気象、自然災害の影響を受けない複数の国内産地を持つことで、リスクを分散した生産地取引も行っております。

こうした対応にもかかわらず、青果物の生産・収穫が天候や気象、自然災害により著しく減少する状況に陥った場合には、仕入価格が高騰し、あるいは販売機会を逃すなど、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 食品の安全性について

食品の安全性と品質保証に関する消費者の関心は、残留農薬、偽装表示問題や異物混入事件等により高まっております。当社グループは、製・商品の品質、安全性を経営の最重要課題のひとつと考えており、安全で高品質の食品を供給するため、徹底した衛生管理と品質の向上に努めております。具体的には、当社グループの全ての工場において食品安全マネジメントシステムの国際規格ISO22000認証の取得を進めることにより、当該システムの継続的改善に取り組みながら、衛生管理・品質管理の改善に努め、食品安全確保ならびに品質保証・危機管理などのリスク管理体制の充実を目指すとともに、ISO22000による食品安全の内部監査を実施し、製品クレームや事故の発生防止活動、製品表示の適正化に取り組んでおります。加えてデリカフーズ株式会社東京FSセンター、西東京FSセンターにおいては、昨今のフードテロリズム等への世間一般の関心の高まりに鑑み、より厳密な衛生管理基準やフードディフェンスが求められるFSSC22000認証を取得しております。また仕入業者と連携して品質向上のための情報交換を積極的に行っております。そのような結果、過去に食中毒事件等の問題が発生した事例はありません。

しかしながら、異物混入、健康被害を与える可能性のある欠陥製・商品、表示違反など、当社グループで生産する製品、あるいは仕入商品に万一事故が発生した場合には、当社グループの製・商品の販売に支障を来たし、この結果、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループに起因する食品の安全性問題だけでなく、無認可添加物の使用等による食品製造工程における消費者の不信、あるいは外食企業に起因する衛生管理問題による連鎖的風評など、社会全体的な食品の安全・衛生上の問題が発生した場合につきましても、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 新型感染症等の蔓延が及ぼす影響について

当社グループの従業員に新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルス等の感染が拡大した場合、一時的に操業を停止するなど、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。当社グループではこれらのリスクに対応するため、予防や感染拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。特に今般世界的に感染が拡大した新型コロナウイルスに関しては、早期の段階で経営層と管理部門を中心として対策が検討され、全従業員に対し、官公庁の指針に則った適時適切な対応、毎日の検温、一部従業員に対しては在宅勤務や時差出勤等、従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底、受注・製造・販売・在庫・物流状況の日次単位での把握、感染者が発生した場合のBCP対策、資金管理、マスク等の物品調達等様々な施策を実行し、新型コロナウイルスの影響の極小化を図っております。

 

 

(4) 設備投資について

当社グループは、これまで主要取引先であった外食産業向けに加え、需要が増加している中食産業及び小売業向けの青果物卸売、カット野菜製造のために新工場(FSセンター)の建設を計画しております。また、継続的に事業を拡大していくうえで、新製品対応や技術革新、あるいは生産能力の増強等のため、新規または更新のための設備投資が必要となります。当社グループでは市場環境、競合他社動向、事業戦略及び当該投資の収益性等を総合的に勘案し、適時・適切に設備投資を実施していくように努めております。

しかしながら、新工場建設に伴う人件費・消耗品費増加等による立ち上げ費用、減価償却費等により過去の事業年度で生じたように一時的に当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、経営環境の急激な変化等により、売上が大きく減少し、使用設備の除却や減損が生じた場合、更なる悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 有利子負債依存度について

当社グループは、工場・物流センター等の設備投資資金を主に金融機関からの借入れにより調達しているため、総資産に占める有利子負債の割合が2022年3月決算期で52.3%(有利子負債残高(リース債務を含む)11,996百万円/総資産22,945百万円)と比較的高い水準にあります。したがって、今後有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法的規制について

当社グループが営んでいる青果物事業に関する主たる法的規制には、食品の規格・衛生監視・営業許可等を定めた「食品衛生法」、食品循環資源の再生利用等を促進するために再生利用等の量に関する目標を定めた「食品リサイクル法」、工場・事業場の排水規制を定めた「水質汚濁禁止法」、「水道法」、欠陥製造物からの消費者保護を目的とした「製造物責任法(PL法)」等があります。

当社グループは、「食品衛生法」をはじめとした法令の遵守を徹底するとともに、「食品リサイクル法」における食品廃棄物の再処理にも充分な取り組みを実施しております。しかしながら、今後「食品衛生法」、「食品リサイクル法」等の法的規制が強化された場合、新たな費用負担が発生する可能性があり、その場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 業務委託について

当社グループでは、各子会社が直接配送できない地域につきましては、各子会社が業務委託先に製品の製造及び製・商品の配送を依頼しております。

委託先につきましては、納品する製・商品の品質には十分に気をつけるよう指導管理しておりますが、納品する製・商品の品質が悪い等の不測の事態が生じた場合等に、投資家及びその他一般の消費者等が当社グループにも同様の問題が生じていると誤解する可能性があります。また、業務委託先が当社グループの意に反して、食品の安全性に欠けるものを納品した場合、当社グループにも影響があり、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 財務制限条項について

当社グループが金融機関との間で締結した一部の金銭消費貸借契約及びコミットメントライン契約には、連結又は連結子会社の貸借対照表の純資産の部や、損益計算書の経常損益等に係る財務制限条項が定められております。

なお、当連結会計年度末において財務制限条項に抵触することとなりましたが、借入先の金融機関と建設的な協議をしていることから、今後も取引銀行より継続的な支援が得られるものと考えております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発出など社会活動の制限が続く中で、ワクチン接種の進展により段階的に社会活動が正常化していく動きもみられたものの、引き続き新たな変異ウイルスの拡大リスク等が残り不安定な状況であることに加えて、ウクライナ情勢の変化などによる原材料価格の高騰や為替の影響による輸入物価の上昇が国内経済を下振れさせることにも留意が必要な状況であり、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループの属する食品関連業界におきましても、巣ごもり消費を背景に、大手量販店・食品スーパー等家庭内消費中心の業態や外食産業でもテイクアウト中心の業態等は比較的底堅い推移をした一方で、休業や営業の短縮を強いられた飲食店等では需要の低迷が続きました。加えて、前述の原材料価格と輸入物価の上昇も懸念されることから、引き続き予断を許さない経営環境が続くことが予想されます。

 このような状況の中、当社グループにおきましては、引き続き従業員や取引先様等の感染防止を最優先としながら、仕入・在庫の厳格管理、廃棄ロスの削減、物流ルート再編による効率化を図る一方で、新規・深耕の営業活動を積極的に推進し、テイクアウト、ドライブスルー、宅配・デリバリー、専門店等のコロナ禍に強い業態や、既存外食以外の中食、小売・量販、給食等への拡販に注力いたしました。

 また、昨年5月に発表しました新中期経営計画「Transformation 2024」につきましては、基本方針である「事業ポートフォリオの変革」、「青果物流通インフラの構築」、「サスティナビリティ経営の推進」を実現すべく、それぞれの施策を推進しておりますが、特に、新規・深耕の営業活動を積極的に推進することで、事業ポートフォリオの変革を計画より早く進捗させており、アフターコロナの環境に適応する強固な社内体制の整備を着実に進めております。

 さらに、新規事業のBtoCビジネスにおきましては、デリカフーズ長崎株式会社の宅配業者向けミールキット製造販売事業に加えて、今年3月には関連会社であった株式会社青果日和研究所を100%出資の連結子会社とする一方で、昨年設立した楽彩株式会社におきまして、一般消費者向けミールキット販売事業の立ち上げを周到に準備することで、今後の事業拡大に向けた体制整備を行いました。

  この結果、当連結会計年度における売上高は39,788百万円(前期比25.4%増)と増収となりましたが、利益につきましては、特に新型コロナウイルス感染症拡大が影響した上期の損失を下期の環境改善で補うまでには至らず、営業損失が397百万円(前期は1,467百万円の営業損失)、経常損失が242百万円(前期は1,031百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は746百万円(前期は953百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。なお、半期ベースでの経常利益では、上期(2021年4月~9月)は経常損失611百万円であったのに対して、下期は(2021年10月~2022年3月)は経常利益368百万円と黒字を確保しております。

 

セグメントの業績を示すと、以下のとおりであります。

 

 青果物事業

当セグメントの売上高は、政府による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に発出した影響を大きく受けましたが、昨年10月の緊急事態宣言解除後の既存顧客の需要増加を順調に取り込んだことに加え、新規・深耕の強化で獲得した顧客の取り扱いが上乗せとなった結果、売上高は39,323百万円と前年同期と比べ7,866百万円(25.0%)の増収となりました。当セグメントの利益につきましては、引き続き徹底した効率化等の施策を講じながら利益の獲得に努めましたが、上期の赤字を挽回するまでには至らず、セグメント損失(経常損失)は322百万円(前年同期は1,038百万円のセグメント損失(経常損失))となりました。

 

物流事業

当セグメントの売上高は、主要な荷主であるデリカフーズ株式会社の売上が順調に推移し、前期に開設した福岡・西東京の両事業所が安定稼動したことや単価の引き上げもあり、3,407百万円と前年同期と比べ502百万円(17.3%)の増収となりました。セグメント利益(経常利益)は、コース集約などで効率化に努めたことから14百万円(前年同期は56百万円のセグメント損失(経常損失))となりました。

 

研究開発・分析事業

当セグメントの売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、外部向けセミナーの延期などがありましたが、従前受注していたJAXA補助事業等に加え内閣府のSIP事業や野菜成分分析などの受注等が追加となり売上が増加し、105百万円と前年同期と比べ24百万円(31.2%)の増収となりました。セグメント利益(経常利益)は、人員増による人件費増加や分析消耗品費の増加などにより、9百万円と前年同期と比べ2百万円(22.8%)の減益となりました。

 

持株会社

当セグメントの売上高は、597百万円と前年同期と比べ44百万円(8.0%)の増収となりました。セグメント利益(経常利益)は、151百万円と前年同期と比べ25百万円(20.2%)の増益となりました。

 

 

 

 

 

② 生産、受注及び販売の実績

a.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

 

 カット野菜部門

8,042,347

28.4

 

 ホール野菜部門

11,302,908

20.4

 

 その他

4,627,181

45.1

青果物事業計

23,972,437

27.2

物流事業

研究開発・分析事業

持株会社

合計

23,972,437

27.2

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.「その他」は野菜外商品(卵、豆腐、冷凍食品等)の仕入高、委託販売先を通じた仕入高等であります。

 

b.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

 

 カット野菜部門

18,796,387

25.9

 

 ホール野菜部門

14,641,319

14.3

 

 その他

5,883,905

58.8

青果物事業計

39,321,611

25.0

物流事業

381,714

77.5

研究開発・分析事業

84,802

37.6

持株会社

合計

39,788,128

25.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.「その他」は野菜外商品(卵、豆腐、冷凍食品等)の販売高、委託販売先を通じた販売高等であります。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

a.繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。

収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、当社グループが策定した予算数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報と整合的に修正し、見積っております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

なお、当社グループが策定した予算数値、経営環境等の外部要因に関する情報及び当社グループが用いている内部の情報につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は2023年3月期上期から徐々に改善し、年度末までには概ね収束して経済活動が正常化されるとの仮定を用いております。

 

b.退職給付債務の算定

当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率等の様々な計算基礎があります。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

c.減損損失における将来キャッシュ・フロー

減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、当社グループが策定した予算数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。なお、当社グループが策定した予算数値の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、当該予算数値に、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定又は逓減する成長率の仮定をおいて見積っております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。

なお、当社グループが策定した予算数値、経営環境等の外部要因に関する情報及び当社グループが用いている内部の情報につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は2023年3月期上期から徐々に改善し、年度末までには概ね収束して経済活動が正常化されるとの仮定を用いております。

 

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績等は、以下のとおりであります。

・経営成績の分析
(売上高)

当連結会計年度における売上高は39,788百万円となり、前連結会計年度の31,725百万円に対し、8,062百万円の増収(前期比25.4%増)となりました。

当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発出など社会活動の制限が続く中で、当社グループの属する食品関連業界におきましても、休業や営業の短縮を強いられた飲食店等では需要の低迷が続いた一方、巣ごもり消費を背景に、大手量販店・食品スーパー等家庭内消費中心の業態や外食産業でもテイクアウト中心の業態等は比較的底堅い推移をしました。

当社グループにおきましては、仕入・在庫の厳格管理、廃棄ロスの削減、物流ルート再編による効率化を図る一方で、新規・深耕の営業活動を推進し、テイクアウト、ドライブスルー、宅配・デリバリー、専門店等のコロナ禍に強い業態や、既存外食以外の中食、小売・量販、給食等への拡販に注力いたしました。

(売上総利益)

売上原価は、前連結会計年度の25,501百万円に対し、5,244百万円増加(同20.6%増)の30,746百万円となりました。また、売上総利益は前連結会計年度の6,223百万円に対し、2,817百万円増加(同45.3%増)の9,041百万円となりました。これは主として、売上高の増加によります。 

(営業損失)

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の7,691百万円に対し、1,747百万円増加(同22.7%増)の9,439百万円となりました。これは主として、売上高の増加に伴う人件費・物流費・その他の経費の増加によります。その結果、前連結会計年度の営業損失1,467百万円に対し、1,070百万円改善し営業損失397百万円となりました。 

(経常損失)

営業外収益は、前連結会計年度の482百万円に対し、264百万円減少(同55.0%減)の217百万円となりました。これは主として、助成金収入が減少したこと等によります。営業外費用は、前連結会計年度の46百万円に対し、16百万円増加(同34.8%増)の62百万円となりました。その結果、前連結会計年度の経常損失1,031百万円に対し、789百万円改善し経常損失242百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損失)

特別利益は、補助金収入168百万円を計上したこと等により169百万円となり、特別損失は、減損損失175百万円を計上したこと等により405百万円となりました。その結果、前連結会計年度の税金等調整前当期純損失938百万円に対し、460百万円改善し税金等調整前当期純損失478百万円となりました。

税効果会計適用後の法人税等の負担額は、前連結会計年度の14百万円に対し、253百万円増加の268百万円となりました。その結果、前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失953百万円に対し、206百万円改善し、親会社株主に帰属する当期純損失746百万円となりました。

 

・財政状態の分析
(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ7.5%増加し、9,566百万円となりました。これは、主として、売掛金が711百万円増加した一方、現金及び預金が104百万円減少したことなどによります。

 

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末に比べ2.6%減少し、13,379百万円となりました。これは、主として、土地が155百万円、建設仮勘定が74百万円増加した一方、建物及び構築物が320百万円、リース資産が92百万円、投資有価証券が68百万円、繰延税金資産が66百万円減少したことなどによります。

 

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ14.5%増加し、7,968百万円となりました。これは、主として、買掛金が412百万円、未払金が269百万円、一年以内長期借入金が209百万円増加したことなどによります。

 

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末に比べ2.1%増加し、8,740百万円となりました。これは、主として、繰延税金負債が135百万円、長期借入金が120百万円増加した一方、リース債務が93百万円減少したことなどによります。

 

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12.4%減少し、6,236百万円となりました。これは、主として、利益剰余金が825百万円減少したことなどによります。

 

・キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、4,209百万円となり、前連結会計年度末に比べ104百万円減少しました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの内容は概ね次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、857百万円の収入(前連結会計年度は72百万円の収入)となりました。これは主に、売上債権の増加額708百万円、税金等調整前当期純損失478百万円などがあったものの、減価償却費941百万円、仕入債務の増加額408百万円、未払金の増加額323百万円などがあったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,102百万円の支出(前連結会計年度は830百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,057百万円などがあったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、140百万円の収入(前連結会計年度は1,142百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,345百万円などがあったものの、長期借入れによる収入1,595百万円などがあったことによるものです。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入れを基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入れを基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は11,996百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,209百万円となっております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(連結子会社間の吸収合併)

当社は、2022年5月12日開催の取締役会において、当社連結子会社であるデリカフーズ㈱を存続会社とし、当社連結子会社であるデリカフーズ北海道㈱を消滅会社とする吸収合併を実施することを承認決議しました。

詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

5 【研究開発活動】

当社グループのデザイナーフーズ㈱は主にコンサルティング業務を、㈱メディカル青果物研究所は主に受託分析業務・研究開発業務を行っております。

 

・コンサルティング

外食産業・中食産業に向けて新規ビジネスのサポート、メニュー提案、食のセミナー、社員教育、衛生教育指導を行うと共に、食と健康に興味を持つ異業種・異分野産業に対して、食の重要性を解説・啓蒙し、健康寿命延伸や疾病予防へ貢献しています。また研究開発部門と連携して、青果物や食品の分析で得た結果を活用した商品価値の伝え方提案を行っております。

 

・研究開発

旬の野菜は「おいしく」、「栄養価が高い」と言われています。同じように見えるホウレン草でも、栽培時期(旬)や栽培方法などの違いによって、「おいしさや栄養価(中身)」が大きく異なっていることがわかってきました。Brix糖度・ビタミンC・抗酸化力・硝酸イオンを「野菜の健康診断」として分析することで“野菜の中身”を見える化し、指定野菜14品目を中心に世界屈指の分析データベースを構築・維持しています。また「野菜の旬」の素晴らしさを科学的に検証し、学術論文として発表しています。さらに、消費者/実需者ニーズに基づき、「野菜の健康診断(中身評価)」を主体として、食品安全・栽培手法・中身評価・流通管理に関した19項目からなる野菜品質評価指標「デリカスコア」を構築し、運用しています。これまでの分析成果を発展させ、トマトのBrix(おいしさ)・栄養素(リコピン)・抗酸化力を計測・選果できる非破壊選別装置や、レモンの内部障害(中腐れ)を検出する非破壊選果装置を開発しました。

 

・受託分析

生産者(契約産地等)や実需者(取引先等)、食品メーカー、小売・流通企業から、農産物(野菜・果物・米など)の分析を受託し、「野菜の健康診断」などを測定、数万検体の分析データベースと比較することで評価・考察し、その結果を分析報告書として提出しております。また、農業生産資材の機能や食品包装資材の性能などを野菜の健康診断や農産物の品質・鮮度分析に基づいて受託検査しております。青果物ブランドの構築にも貢献しています。当連結会計年度における研究開発費の総額は27百万円であります。

なお、当社グループでの研究開発活動は、概ね報告セグメントである研究開発・分析事業(デザイナーフーズ株式会社、株式会社メディカル青果物研究所)で行っております。