第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針
  当社グループは、社是である「和を以て尊しと為す」を創業以来大切に想い、経営理念に「快適な住環境を提供し、豊かな暮らしづくりに貢献する」を掲げています。
 暮らしや産業、公共の社会基盤を支えることを使命と考え、管工機材と住宅設備資材を販売することを通して、安全かつ快適な暮らしができる社会づくりに貢献することを経営の基本方針としています。
  この基本方針のもと、持続的な企業価値の向上を図り、全てのステークホルダーの「信頼と期待」に応えていく企業活動を実践してまいります 。
 

(2) 目標とする経営指標

主な経営指標としては、売上高の安定的な拡大及び収益力を示す営業利益、経常利益の向上を目標としており、一方で資本コストを意識し、資本の効率性を計る尺度としてROE(自己資本当期純利益率)を重視しております。これら経営指標の向上に、継続して取り組んでまいります。

 

(3)経営環境および中長期的な経営戦略
1)経営環境
  国内経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で引き続き厳しい状態にあり、足踏み状態が続いています。緊急事態宣言が再発動されたことで、特にサービス業を中心に向かい風となっています。製造業では輸出を中心に生産活動が戻り一部改善がみられるものの、感染の収束は見通せず、慎重な見方が続き予断を許さない状態です。
 当社グループを取り巻く環境である住宅市場は、消費意欲の後退が長期化することから、今後も市場の低迷が予想され、注視が必要です。一方で、コロナ禍の在宅勤務増で、郊外の戸建て需要が高まっていることや都市部の駅近マンションも注目が高まり、明るい兆しもみられます。
  建設市場における民間投資は、東京五輪工事が一巡し、インバウンド需要のホテル投資も悪化していることなど減少が予想されますが、公共投資は、防災・減災のための強靭化計画、インフラ老朽化対策などの経済対策は一定の水準は維持されると思われます。
 中長期の視点では、都市の再開発、大阪・関西万博や統合型リゾート(IR)、リニア新幹線と駅前再開発など大型のプロジェクト投資が追い風となる見通しです。
 

 2)中長期的な経営戦略
  上記のような経営環境の変化の中、新設住宅着工戸数などの市場動向や外部要因に左右されにくい安定的な事業を持続的に拡大させるため、「3つのトランスフォーメーション(変革)を実現する」をグループの全社的な経営目標として、以下中長期の戦略を進めていきます。

① 製品・市場のポートフォリオの変革

グループの事業ポートフォリオについて、コア事業を見極めた強化と整理、収益力の向上、グループシナジーの発揮、新規事業の展開などの観点で見直し、製品ごと市場ごと「誰に何を提供するのか」を明確にして、経営資源を集中させて事業の最適化を進めます。
②  業務プロセスの変革
  地域戦略に基づいた営業所の拡張移転や再編、東西の物流センターや倉庫の物流業務に本社管理業務も加え、デジタル・トランスフォーメーション=DX(以下、DXという)を活用してシステム化・省力化・効率化を進め、生産性を高める取り組みを推進します。
③  組織・人材の変革
  社員各階層の知識・スキルの向上を目指した人財開発に加え、モチベーション向上の取組みを行い、業務を遂行するために必要な組織能力や体制構築、人材育成を促進させていきます。
 

 

(4) 優先的に対処すべき業務上及び財務上の課題
1)営業拠点、物流拠点の拡充と再構築
  全国展開している数少ない管材商社として、より地域特性に応じた顧客密着型営業を強固にするために、成長性ある地域への展開や配送の効率性、事業の採算性向上を目指した営業所の拡張移転及び統廃合などの物流拠点の拡充を、一段と促進します。
 物流は、東西の物流センター機能を強化することに加え、DXを活用した再構築で営業・倉庫・受発注・配送のネットワークサービスを提供することで、顧客満足度を高めてまいります。また、運送会社との戦略的協働で物流ネットワークの競争力を更に向上させます。
 
2)既存事業の持続的成長及び新規事業分野への進出
  管工機材は、住まいと産業、公共の基盤である様々な建築物の給排水・衛生・空調設備で、なくてはならない商材となっています。生活や産業、都市機能が変化する時代のなか、役割、機能、材質も大きく変化しており、環境も含めた未来を視野においた貢献が求められています。
  既存事業は、子会社ダイドレの主力商品MD継手の販売強化、鋳物から樹脂へニーズが高まる高機能商材の対応、取扱いメーカーを拡大しての住設販売、施工を付加価値とした機能付与施策などを強化し、各分野で幅広く拡販していきます。
  新規事業は、製品・サービスの市場拡大を狙い、子会社の新規事業Tosk Remake Coverの協業、土木や防災・減災商材の開拓などに取り組み、ビジネスモデルと収益構造の変革を目指します 。
 また、グループ子会社では、組立・加工部門での施工の省力化商材販売、施工部門での工事と商材の一体受注などグループ機能でシナジーを発揮して、付加価値の創造を目指してまいります。

 

 3)財務体質の強化、資本効率の向上
  持続的な成長のための新たなチャレンジには、激しい環境変化に対応できる強固な財務基盤が必要となります。
 そのために売上総利益額の向上並びにコスト適正化による利益体質強化、在庫管理などの資産の健全化により有利子負債を圧縮させ、自己資本比率の向上、キャッシュ・フローの増強に努めてまいります。さらに、上場企業の責務として株主から託された資本を有効に活用するため、資本の効率性も高めてまいります。
 
4)人材確保、人材育成の充実
  重要な経営資源である人材の確保と育成は、最大の経営課題との認識のもと、人事制度や人材開発・教育を充実させるとともに、DXを活用した新しい「働き方」への進化を加速化させて、生産性の向上をはじめダイバーシティの実現やワークライフバランスを推進してまいります。
 
5)サステナビリティ経営の推進
  経済的・法的責任を果たすことはもとより、地域の様々な環境・社会課題を認識し、その解決に向けた価値を提供していくCSR(Corporate Social Responsibility=社会的責任)を積極的に果たすことで、社会の持続可能な発展に貢献してまいります。
  サステナビリティな活動であるSDGs(持続可能な社会・経済・環境の目標)の取り組みとして、防災・減災商材を販売することで「住み続けられる街づくり」に、新規事業Tosk Remake Coverのステンレス製透水化粧蓋の展開・販売で「産業と技術革新」に、安全・安心で、働きがいのある働きやすい健康的な職場づくりで「健康と働きがい」に貢献してまいります。
 

 

 

 6)新型コロナウイルス感染症への対応
  当社グループは、全国の拠点と本部関係各部署間の連携を強化しながら、新型コロナ感染症に関する情報収集及び感染拡大に伴う影響を最小限に止めるための対応に当たっております。
  お取引先、社員及びそのご家族の安全・安心を最優先に考慮し、出張、会食の抑止、社員の時差出勤、テレワークの奨励のほか、マスク着用の徹底、WEB会議システムの活用を実施するなど、感染症の拡大を止めるための対策を講じております。
  今後につきましても、引き続き感染拡大に伴う経済活動への影響を注視するとともに、収束の時期が長期化した場合も想定し、手元資金の確保や投資計画の見直し、経費の削減等に向けた施策などを臨機応変に対応できる体制の構築を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の記載は、本株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんのでご留意ください 。
 

① 建設市場動向による影響

当社グループの主要販売品目である管工機材商品は、新設住宅着工戸数、公共事業建設、民間設備投資等の建設投資動向により需要が大きく増減する傾向があります。これらの建設投資の動向が、当社グループの財政状態及び経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
  当社グループは、市場動向に左右されにくい安定的な事業を拡大させるため、事業ポートフォリオについて、コア事業を見極めた強化と整理、収益力の向上、グループシナジーの発揮、新規事業の展開などの観点で見直し、経営資源を集中させて事業の最適化を進めています。また、新規販売先の開拓を各支店の重点戦略として、重点拡販商品等の施策を展開、支店と営業本部一体となった営業推進を行っています 。

 

② 仕入価格の変動による影響

当社グループの取り扱う管工機材商品は、仕入れメーカーの製造原価が原材料価格の変動に影響を受けるため、仕入価格が変動する可能性があります。仕入価格が上昇した場合、販売価格に転嫁することで、売上総利益を維持することを行っておりますが、価格転嫁が進まない、または価格転嫁までに長期間を要する場合があるため、当社グループの財政状態及び経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
  当社グループは、仕入価格の変動を捉えるため、原材料価格の動きやマーケット動向等を仕入れメーカーと情報共有、連携強化を図り、販売先への価格転嫁が迅速にできるよう取り組んでおります。
  また、海外からの調達材料は、為替の変動に影響を受けるため、為替予約で変動リスクを軽減しておりますが、予測の範囲を超える大幅な為替変動があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります 。

 

③ 競争下の販売環境による影響

当社グループの属する管工機材業界は、垣根が低く成熟した市場であり、競合が激化、過度な値引競争が生じる環境となっています。加えて連結子会社のダイドレ株式会社が、製造する金属系トーロー印商品の販売促進や商品開発に努めておりますが、製品素材が樹脂化と共に汎用化が加速され、価格が低下、過当競争で優位性が維持できなくなった場合には、 当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
 また、得意先経営者の高齢化が進むなか、後継者難から事業承継が進まず、競合企業の子会社化、もしくは倒産・廃業に至ることで、得意先の減少が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 海外事業リスクによる影響

連結子会社のダイドレ株式会社及び株式会社ハイライトは、トーロー印商品等の素材及び商品の一部を、中国、タイ、ベトナムより調達しております。また、中国の連結子会社は、建築設計、内装施工の事業を展開しております。
 海外における事業活動は、政治情勢、法的規制、税制変更、経済状況変化等の予期せぬリスクに直面する可能性があり、新型コロナウイルス感染の収束時期も不透明です。こういった予期せぬリスクが生じた場合、素材及び商品の調達が困難になること、また、連結子会社の業績停滞に伴い期待通りの収益が上げられず、投下資本の回収可能性が低下、損失となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、海外事業を展開する子会社について、親会社取締役の社外取締役としての監視体制と取締役会でのグループ会社の情報共有により、ガバナンスの強化に取り組んでおります 。

 

⑤ 資金調達等による影響

当社グループは、主に金融機関への手形売却・割引、電子債権の割引、金融機関からの借入、また仕入先への裏書手形による仕入債務の決済により資金調達を行っております。2021年3月末時点における当社グループの手形売却高は2,758百万円、割引高及び裏書譲渡高の合計額は1,849百万円、借入金の合計額は1,701百万円となっております。
 当社グループは、短期運転資金を機動的かつ安定的に調達できるコミットメントラインを導入する等資金調達コストの低減に努めております。
 しかしながら、手形売却・割引、電子債権の割引等の偶発債務が顕在化した場合の遡及義務発生や金利の変動を含む金融情勢の変化により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 会計処理による影響

当社グループは、税効果や退職給付費用等において、業績を始めとした将来の予想・前提に基づいて算定を行っております。そのため、予想や前提となる数値に変更がある場合、もしくはこれらの算定を行うための会計基準に変更がある場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 法令・規制に関するリスクによる影響

ダイドレ株式会社が製造する排水継手・排水器具・マンホール類については、「建築基準法」等、その他当社グループ事業についても関連する法律や規制の適用を受けております。これらの法律の改廃や新設、適用基準の変更等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
 また、事業活動に関連する法令・規制の遵守徹底などのコンプライアンス体制の強化を図っておりますが、これら対策を講じても、不正行為やコンプライアンスに関するリスクを完全に回避することはできず、重大な法令違反等が発生した場合には、社会から信頼が失墜、主要な事業運営に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、法令とコンプライアンス遵守のために、基本理念となる「行動指針」を定め、階層別研修や定期的な社内周知など社員への啓発、教育活動を行っております。
 

⑧ 建設事業活動による影響

連結子会社であるクリテック株式会社は、主に電気工事、土木工事、管工事ほか多岐に渡る工事種類の施工、中国の連結子会社は、建築設計、内装施工の事業を展開しております。
 建設工事における施工管理については、品質管理、原価管理、環境管理、安全衛生管理を厳格に行っておりますが、施工期間中の重大な労働災害・人身事故や自然災害・周辺環境による想定外の工事遅延および施工物件の契約不適合責任による修復費、補償費等で多大な費用負担が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
 また、建設工事現場を監督する技術者不足から、人材確保が困難となり、当初想定した受注案件が実現されない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑨ 自然災害、感染症、予測困難な事象リスクによる影響

当社グループは、全国に倉庫を併設した営業所と東西の物流センターを保有しておりますが、地震や台風、集中豪雨等の大規模自然災害や感染症に加え、予測困難な事象(火災・テロ・戦争・ITシステム障害・サイバー攻撃等)による事業停止の影響により、物流と配送が分断される可能性があります。
 大規模自然災害や感染症などに対し、必要とされるBCP(事業継続計画)を策定して発生時の対策を行っておりますが、環境変化や影響が想定より大きい場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、全国営業所の物流拠点を有することから、事業が停止した被災地区へ近隣拠点からの代替配送を行うことで、早期の事業復旧に向けた施策を推進します 。

 

⑩ 人材確保に関するリスクによる影響

当社グループは、優秀な人材を幅広く採用・育成することで、事業活動の推進と競争力の維持・向上を図っています。人材の獲得競争の激化や社員の退職等によって十分な人材の確保及び育成ができなかった場合には、競争力の低下につながり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
  当社グループは、新卒採用に加え、社員からの紹介採用、機動的な中途採用、ダイバーシティを重視した採用を行っており、人材の定着化へ向けて、人材開発型の人事制度や職場環境の改善などを取り組んでおります。
  また、サプライチェーンの観点からは、国内で配送ドライバーが不足する等、物流業界全般を通じて人材確保が困難になってきており、取り巻く環境の厳しさが増しています。
物流能力を強化し、リスクの低減を進めていますが、運送会社の外部環境変化や労働力不足等の影響が想定よりも大きい場合には、輸送コスト等の上昇や販売の機会損失等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります 。

 

⑪ 在庫に関するリスクによる影響

当社グループは、得意先のニーズにジャストインタイムで対応できるよう、豊富な商品を取り揃える目的で、たな卸資産を保有しております。
 たな卸資産は、適切な在庫管理を行っておりますが、急激な経済環境変化での市況悪化や自然災害などの外的要因で、著しく陳腐化し評価損を計上した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、営業所ごとに在庫及び長期滞留在庫の目標を設定し、商品管理を担う商品管理部指導のもと、月次でモニタリングを実施して在庫の適正化に取り組んでおります。

 

⑫ 固定資産に関するリスクによる影響

当社グループは、営業所で有形・無形固定資産、自社ビルの一部賃貸事務所で有形固定資産、倉庫の賃貸不動産で投資その他の資産を保有しておりますが、経営環境の著しい変化等による営業所の収益低下や不動産市況悪化等による賃貸収入低下で、十分なキャッシュ・フローを創出できず、対象資産の減損損失の計上をした場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、各営業所の業績目標に関する予算・実績管理は、月次で実施しており、業績が著しく低下した際には、営業本部主導で迅速に対応、改善できる体制にしております。

 

 

⑬ 情報セキュリティリスクによる影響

当社グループは事業活動を通して、取引先の個人情報及び機密情報、また、当社グループの個人情報や機密情報を有しています。これらの情報に対するシステムのセキュリティ対策及びリスクマネジメント体制の強化を推進しております 。

しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等により、万一、これらの情報が流出した場合や重要データの破壊・改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下、被害を受けた方への損害賠償等の費用が発生し、財政状態及び経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、多様化かつ巧妙化する情報セキュリティ上の脅威への対策として、サイバーセキュリティの技術的な対策に加え、階層別研修やeラーニング教育を通して、従業員の情報セキュリティ意識のレベルの向上に努めております。
  また、情報システム部が中心となり、情報担当役員を責任者とする情報セキュリティ委員会を設置し、各部門長が委員となり部門内の教育・啓発や対策を実施する取組みで、情報セキュリティレベルを向上させています。
 

⑭ 新型コロナウイルス感染症に関するリスクの影響

新型コロナウイルス感染症の収束時期については、いまだ見通しが立っておらず、感染がさらに拡大、長期化し、当社グループや取引先の事業活動が停滞した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
  当社グループは、新型コロナウイルス感染症のリスクに対し、お取引先様、社員及びそのご家族の安全・安心を最優先に事業を継続、製品・サービスの安定供給を確保します。
  社員は、マスクの着用やうがい、手洗い、アルコール消毒、検温の実施など日常的な対策はもとより、出張・会食の抑止、時差出勤、テレワークの奨励のほか、WEB会議を活用して事業所間の移動を制限するなど感染防止対策の実施を徹底しております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
 

(1) 経営成績等の状況の概要

 ① 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、昨年5月の緊急事態宣言解除後、景気は秋頃まで緩やかな持ち直しが続きましたが、昨年末頃より新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて年末にかけて減速感が強まり、今年1月の緊急事態宣言の再発出後は個人消費を中心に一時的に停滞する懸念が高まりました。

  また、今年3月からの新型コロナウイルスの感染再拡大により、自粛要請の強化などで経済活動が抑制される可能性が高く、今後の感染状況次第では景気回復ペースが急速に鈍化することが懸念されます。また、世界全体としても感染拡大が収まらず、世界経済の回復が遅れることも懸念材料です。

  当社グループが属する住宅市場におきましては、海外渡航の制限が世界中で続き、今年もインバウンド需要はほぼゼロの状況が続くためホテル関連需要は見込めません。また、雇用・所得環境の悪化に伴う消費者マインドの低迷に加え、金融機関によるアパート建築への融資姿勢の慎重化などを背景に、設備投資は総じて弱い動きが続くと思われます。

  一方、首都圏を中心とした都市再開発や一部地方都市での駅前再開発等の建設投資、2021年度から5ヶ年計画として14兆7,000億円規模の防災・減災、国土強靭化のインフラ整備、環境対策、物流投資、5Gの本格普及、海外生産の国内回帰などの需要は強く、アフターコロナの経済活動本格再開後、内需の柱のひとつとなることが見込まれます。

  中長期的な視点では、大阪・関西万博や統合型リゾート(IR)、リニア新幹線・北陸新幹線・九州新幹線・北海道新幹線と駅前開発など大型のプロジェクト投資が追い風となる見通しです。

      以上のような経営環境のもと、当社は、「働きがいのある会社を目指して改革・改善を実践する」を基本方針に

    物流改革、働き方改革、増収増益の達成、成長期待市場への展開、新たなビジネスチャンスの発掘等に、企業グル

プの総力を結集して取り組みました。
  この結果、連結売上高は29,629百万円前年同期比7.4%減)、営業損失は80百万円前年同期は226百万円の利益)、経常利益は33百万円前年同期比89.1%減)、法人税等考慮後の親会社株主に帰属する当期純損失は107百万円前年同期は169百万円の利益)となりました。
 

セグメントの業績を示すと以下のとおりです。

 

 [管工機材]

当セグメントの売上高は29,348百万円前年同期比7.3%減)、営業損失は46百万円前年同期は248百万円の利益)となりました。

 

 [施工関連]

当セグメントの売上高は281百万円前年同期比12.5%減)、営業損失は33百万円前年同期は19百万円の損失)となりました。

 

管工機材の商品区分別状況は以下のとおりです。

 

 (排水・汚水関連商品)

当商品群は、ビルやマンションの排水・汚水配管に使用される商品が中心となります。

コロナ禍によりインバウンド需要がほぼゼロになり、ホテル着工の順延や中止、公営住宅や大型病院案件の減少、マンション案件の減少や順延により関連商品が大幅な減少となりました。結果、前年度に匹敵する程の案件数がなく、当商品群の売上高は5,837百万円前年同期比10.6%減)となりました。

 

(給湯・給水関連商品)

当商品群は、戸建住宅・集合住宅・病院・学校・ホテル等の新築及び改修工事の給湯・給水・空調冷媒配管に使用される商品が中心となります。住宅着工戸数の減少、マンション案件の減少、競合による失注が影響しています。また、前年度の学校関連施設へのエアコン設置特需の影響により空調冷媒用銅管が減少するなど大幅な減少となりました。結果、当商品群の売上高は7,372百万円前年同期比9.2%減)となりました。

 

(化成商品)

当商品群は、戸建住宅・集合住宅・テナントビル等の汚水・排水・雨水配管・上下水配管等に使用される塩化ビニル樹脂のパイプ・継手、マス類及びポリエチレン(PE)管・継手が中心となります。化成(塩ビ・PE)商品は、管工機材の中でも流通・在庫量が多い商品であり、軽量・安価・高施工性により鉄系の配管資材から需要が移行している商品群であるため、継続して販売強化商品としています

拡販商材としている耐火塩ビや配水ポリエチレン管に注力し拡販に努め、これら商品群は前年比1.0%増加しましたが、新設戸建住宅着工戸数減少、新設マンションやホテルの順延や中止、前年度の特需案件の影響によりアロン化成商品が大幅な減少となりました。結果、当商品群の売上高は8,347百万円前年同期比5.5%減)となりました。

 

(その他)

当商品群は、上記以外の管材類・副資材や住宅設備機器類が中心となります。住宅設備機器類は配管資材類に比べ販売単価が高く、不定期なスポット案件や厳しい競合環境により受注に波がありますが、新設住宅着工戸数の落ち込む中、リフォーム(リノベーション)案件は堅調に推移しており、継続して住宅設備機器類を販売強化商品としています。営業エリア毎の市場に合ったメーカーとの連携を強化しながら住宅設備機器の受注に努めた結果、前年比14.9%増加しましたが、コロナ禍による得意先の廃業などもあり、当商品群の売上高は7,790百万円前年同期比4.9%減)となりました。

 

 

 ② 財政状態

 (資産)

当連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて106百万円増加し、15,221百万円となりました。流動資産は83百万円増加し、流動資産合計で11,165百万円となりました。この主な要因は、電子記録債権が329百万円増加、商品及び製品が209百万円減少したこと等によるものです。固定資産は23百万円増加し、固定資産合計で4,055百万円となりました。この主な要因は、投資有価証券が67百万円増加したこと等によるものです。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて119百万円増加し、11,039百万円となりました。流動負債は79百万円増加し、8,692百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が125百万円増加、電子記録債務が11百万円減少したこと等によるものです。固定負債は40百万円増加し、2,347百万円となりました。この主な要因は、事業整理損失引当金が65百万円増加したこと等によるものです。
 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて13百万円減少し、4,181百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が63百万円減少したこと等によるものです。

 

 ③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ88百万円減少し、1,101百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は291百万円(前年同期比221百万円減少)となりました。この主な要因は、未払消費税等の増加額207百万円、たな卸資産の減少額186百万円、減価償却費132百万円等の資金増加要因に対し、割引手形の減少額286百万円等の資金減少要因があったことによるものです

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は98百万円(前年同期比134百万円増加)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出51百万円、無形固定資産の取得による支出25百万円等の資金減少要因があったことによるものです

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は246百万円(前年同期比81百万円減少)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入663百万円等の資金増加要因に対し、長期借入金の返済による支出871百万円等の資金減少要因があったことによるものです

 

  ④ 生産、受注及び販売の状況

  a.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称(商品区分)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

 

管工機材

22,188,378

92.5

 

施工関連

83,489

73.9

 

合計

22,271,868

92.4

 

(注) 1 金額は、仕入価格等によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

   b.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称(商品区分)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

 

 排水・汚水関連商品

5,837,721

89.4

 

 給湯・給水関連商品

7,372,758

90.8

 

 化成商品

8,347,810

94.5

 

 その他

7,790,071

95.1

 

管工機材

29,348,362

92.7

 

施工関連

281,605

87.5

 

合計

29,629,967

92.6

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

渡辺パイプ株式会社

4,350,954

13.6

4,393,424

14.8

 

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討の内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果となる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容

 a.財政状態の分析

 (資産の部)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて106百万円増加し、15,221百万円となりました。この主な要因は、需要停滞に合わせた在庫の抑制により、商品及び製品が209百万円減少したものの、電子記録債権が329百万円増加したこと等によるものです。

 

 (負債の部)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて119百万円増加し、11,039百万円となりました。この主な要因は、資金需要縮小に合わせた長期借入金の返済及び抑制に努めた結果、1年内返済予定の長期借入金が163百万円減少、長期借入金が44百万円減少したものの、新型コロナウイルス感染症対策による納税猶予の特例制度を適用し、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が207百万円増加、及び、支払手形及び買掛金が125百万円増加したこと等によるものです
 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて13百万円減少し、純資産合計で4,181百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が63百万円減少したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の27.8%から0.3%低下し、当連結会計年度末では27.5%となりました。

 

 b.経営成績の分析

  (売上高、売上総利益)

当連結会計年度の売上高は、29,629百万円前年同期比2,367百万円減少)となりました。新型コロナウイルス感染拡大により、東京オリンピックを目前にした活発な建設需要、インバウンドを見込んだホテル建設、首都圏や地方都市の再開発案件が順延や中止となり、新設住宅着工戸数は前年度比8.1%減少するなどの需要減少の影響を受け、かつ、第1回目の緊急事態宣言の発出においては流通にも混乱が生じました。案件の急激な停滞により、主要な商材が軒並み減少しましたが、販売強化商品としている住宅設備機器類は受注が増加するなど、管工機材の底堅い需要も確認できました。
 売上総利益は、5,035百万円前年同期比262百万円減少)となりました。売上高の減少に伴って利益額は減少しましたが、利益率の維持・向上に重点を置いた営業戦略を展開し、厳しい競合環境下でしたが、売上総利益率は17.0%(前年同期比0.4%増)となりました。

 

    (営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、5,115百万円(前年同期比44百万円増加)となりました。対面活動の自粛・抑制により変動費は減少しましたが、将来を見据えた人材確保、人材育成、働き方改革を継続しているため人件費は増加し、家賃などの固定費は横ばいとなり、売上総利益の減少を賄うことができませんでした。

      それらの結果、当連結会計年度の営業損失は、80百万円(前年同期比306百万円減少)となりました
 

    (経常利益)

当連結会計年度の経常利益は、営業利益の減少により、33百万円(前年同期比273百万円減少)となりました

 

    (親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、107百万円(前年同期比276百万円減少)となりました。経常利益に特別損益を加えた結果、税金等調整前当期純損失が61百万円(前年同期比365百万円減少)となり、税効果会計適用後の法人税等を46百万円計上したことによるものです

 

 

 c.キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要、③キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
 
 なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。

 

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

 自己資本比率(%)

25.5

26.1

26.9

27.8

27.5

 時価ベースの自己資本比率
 (%)

14.8

18.8

19.7

14.9

16.6

 キャッシュ・フロー
 対有利子負債比率(倍)

6.2

19.9

7.3

3.7

5.8

 インタレスト・
 カバレッジ・レシオ(倍)

6.0

2.3

7.2

13.0

9.9

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
    時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
    キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
    インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。

 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 d.資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

当社グループの資金需要の主なものは、商品の購入、製品製造のための材料・部品の購入、全国に拠点展開する事業所の家賃や人件費をはじめとする一般管理費、新規出店や拡張移転等による設備投資等があります。

 

(財務政策)

当社グループの事業活動の維持に必要な資金を安定的に確保するため、金融機関等からの借入により資金調達を行っております。
 新規出店や拡張移転による設備投資は固定費の増加に繋がることから、売上拡大とのバランスを勘案しながら計画的な実施を行っております。グループ全体の借入金の削減を図りながら、必要な運転資金及び設備投資資金を調達することを考えております 。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。