第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「非鉄金属の取引を通じて、新たな価値を創造し、社会の発展に貢献します」を企業理念としており、「新たな素材へ」「新たな市場へ」「新たなサービスへ」「新たな分野へ」をモットーに掲げ、法令・企業倫理を遵守し、公明正大かつ透明性の高い経営を行いながら、一方で株主、取引先、従業員、地域社会との良好な関係を維持しつつ、地域社会に留まらず世界から信頼される企業を目指すべく活動を行っております。

(2)経営成績に重要な影響を与える要因について

来期における当社グループをとりまく事業環境は、地政学的なリスクの高まりや保護主義の台頭、為替市場の不安定さ等に懸念があるものの、米国、欧州経済を中心に世界経済は底堅く推移するものとみられます。また国内経済についても円相場の動向によっては輸出に影響が出るものとみられますが企業収益の底堅さや雇用環境の改善等により緩やかな回復が続くものと予想されます。

このような環境において、当社グループにおいては国内外製造子会社の業績が半導体、自動車関連需要の増加に伴い引続き高水準で推移する他、商社流通においても銅・アルミ、レアメタル・レアアース等非鉄製品並びに原料の取扱いが増加するものとみております。一方で、好調に推移してきたスマートフォン・タブレット端末向け需要の一服感、及び米国主導で行われている通商政策についての議論や交渉の進展如何によっては、当社グループの収益面にも影響がでてくる可能性があります

(3)当面の対処すべき課題の内容等

当社グループは中期経営計画において次に掲げる経営方針を全体戦略として位置づけ、連結ベースでの企業価値向上と持続的成長を目指してまいります。そのため数値化した具体的な経営目標を設定し、5つのアクションプランを積極的かつ大胆に実行することで目標の達成に努めてまいります。

(経営方針)

アルコニックスグループは、企業価値を更に高めるため、次の方針を掲げ、「商社機能と製造業を融合した非鉄金属の総合企業」を目指します。

①業容拡大のため川上、川中、川下のM&Aの推進、及び新規事業投資案件の発掘・推進に努めます。特に製造業のM&A及び事業投資にプライオリティを置き、収益における製造業部分の比率を高めます。

②日本企業が世界をリードする電子・機能材分野にて、その原料となるレアメタルの取扱いを含め、更なる業容拡大を目指します。

③アルコニックスグループの商いの基盤を成すアルミ・銅分野の維持・拡大に努めます。

④環境問題に対応した国内外でのリサイクル分野の強化を図ります。

⑤海外ネットワークをさらに充実させ、顧客のニーズに応えるとともに、地場取引や三国間取引を増やすべく商社機能を発揮します。

(経営目標)

連結ベースでの企業価値向上と持続的成長により経常利益100億円、時価総額1,000億円企業を目指します。

①今中期経営計画利益目標

連結経常利益:平成32年度 95億円超 (平成30年度見通し 77億円)

連結純利益 :平成32年度 72億円超 (平成30年度見通し 55億円)

②経営指標

株主資本利益率(ROE)  :13~15%程度

ネットDEレシオ      :1.0~1.3倍程度

③投資計画

3年間で250億円 対象:M&A(現在検討中の案件を含む)、事業投資、設備投資等

 

(アクションプラン)

①営業収益力の強化

・従来型の商社の枠組みを越え、M&Aや事業投資により製造業への事業拡充を図り、商社機能とのシナジー、融合、及び同製造セグメント内の企業間シナジーより営業収益力の飛躍的アップを目指します。

・当社グループのここ数年の躍進の原動力となった3つの事業分野である電子部品関連分野、半導体関連分野、自動車関連分野という成長分野における取組を引き続き、強化します。

・結晶材料、金属粉末、液晶や電池用材料、半導体周辺素材、機能化学品等、スマートフォン(の高機能化)や次世代移動通信システムの普及に欠かせない電子材料分野での取組を強化いたします。

・IoTの深化に伴い、半導体実装装置を含む半導体製造装置の需要はさらに成長を続けるものと予測されます。この分野の素材調達は商社流通セグメントにおいて、また部品加工と供給は製造セグメントにおいて、セグメント間の横断的な連携を深めながら取組を強化します。

・自動車の電装化、パワートレインの多様化に伴い素材、部品などの構成が変化をとげております。これらの変化をキャッチアップし、それぞれのセグメントにおいて関連の商品への取組を強化します。

・燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)、ハイブリッドカーなどの更なる開発や普及に対応した部品の取扱いを拡大します。

・環境対応に関連した分野において投融資を含めた事業の強化を図ります。また、アルミ・銅スクラップの国内ヤードオペレーションに加え、ベースメタルからレアメタル・レアアースまでを含むリサイクル事業のグローバル展開を推進いたします。

・当社の海外子会社を基点として、現地進出の日系企業及び現地企業との地場取引の拡大を図る他、三国間取引を拡大し、グローバル展開による連結経営での収益拡大を推進いたします。さらに海外ネットワーク充実のため、インドネシア・インド・メキシコ等で海外拠点の設立を推進いたします。

・平和金属株式会社、アルコニックス三伸株式会社、林金属株式会社及びアルコニックス・三高株式会社の商社流通セグメントにおいては各社の連携によるシナジーにより川下展開の強化をいたします。

②投融資案件の推進

短期間での業容拡大に有効なM&A、新たな商流を創出する為の金属加工・販売事業への投融資、及びリサイクルを含む資源確保の為の投融資を重点施策として国内外で推進いたします。

(平成30年度実施予定)

・製造業への出資、M&Aの推進。特に製造子会社の業容拡大に寄与する子会社自身による中小製造業へのM&Aも推進。

・製造子会社における設備拡張投資(株式会社大川電機製作所、大羽精研株式会社、UNIVERTICAL LLC、株式会社富士プレス、東海溶業株式会社、マークテック株式会社)。

・その他M&Aの推進(川上:製造業以外のリサイクルセンター等を含む、川中:商社/川下:問屋、小売り)。

・海外でのベースメタル、レアメタルリサイクル事業並びにレアアース資源開発事業への投融資。

(平成31年度、32年度実施予定)

M&Aの推進(川上:製造業・リサイクルセンター/川中:商社/川下:問屋、小売り)。

(設備投資計画)

当社グループの製造子会社を中心に、投資効率を優先した生産設備増設等を計画・推進。

③財務体質の強化

・収益力の強化により、自己資本比率の向上など財務比率の改善を図ります。

・資金調達手段の多様化をさらに進め、流動性の確保と資金コストの軽減を図ります。

・運転資金の適正化に努め、純現金収支(フリーキャッシュフロー)の黒字化定着を目指します。

④人的資源の強化

・上場会社として新卒、中途採用双方にて積極的に優秀な人材の採用を目指します。

・適材適所と社内教育の充実による人的効率のアップを図ります。

・当社の人事理念であるProfessional,Challenging,Cooperativeな人材の育成を目指します。

⑤インフラ整備及び内部統制の充実・強化

・BIの導入を含め基幹システムのより有効な活用により、スピード感のある経営と内部統制の充実を目指します。

・国際財務報告基準(IFRS)導入に備えて、当社グループ会計制度を整備し、レベルアップを図ります。

・子会社・関係会社の増加・多様化に対応した管理体制の強化を図ります。

・適時開示体制について、更なる徹底を図るため社内教育などで浸透を図ります。

 

2【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスク要因に該当しない事項につきましても、投資判断あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項記載事項及びそれ以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意下さい。
 なお、本項中の記載内容については、特に断りがない限り本有価証券報告書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は同日現在において当社が判断したものであります。

(1)マクロ経済環境の影響による業績変動のリスク

 当社グループのビジネスは、国内における商品売買をはじめとして、輸出入・三国間による貿易取引等、多様な商取引形態を有し、非鉄金属製品の輸出入及び国内取引における仲介事業に加えて、非鉄金属の資源・素材原料の調達から商品の販売にわたる幅広い事業を展開しています。世界的あるいは特定の地域の景気減速は、商品、素材原料の流通量の減少と価格の低下、個人消費や設備投資の低下をもたらします。特に日本及びアジアの景気減速は、当社グループが取扱う商品に対する需要動向に影響が大きいことから、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)商品の販売形態にかかるリスク

 当社グループは、アルミニウム、銅、チタン、バルブ等の非鉄金属製品、電子材料及び非鉄原材料、レアアース等レアメタルの直送(出合)取引及び在庫取引を行っております。
 直送(出合)取引は、当社グループが需要家の注文をメーカーに繋ぐ販売形態であり、商品は、需要家とメーカーとの間で合意された価格、数量、納期等の取引条件に基づき、メーカーより需要家に直接納入されます。この取引は、当社グループの主たる販売形態であるため取扱金額は多額でありますが、当社グループで在庫リスクを負担しないことから、在庫取引と比較して相対的に利益率が低い販売形態であります。
 一方、在庫取引は、大半が需要家の依頼により当社が在庫を保有する取引であり、当社は在庫リスクを負いませんが(売り契約のある在庫取引)、一部の在庫取引では当社グループが予め不特定多数の需要家からの一定期間内の注文を想定して在庫を保有する販売形態であり(売り契約のない在庫取引)、商品は、メーカーから当社グループの倉庫に納入され、需要家からの注文を受けて当社グループより需要家に納入いたします。銅管、金属珪素、マグネシウム及びアルミ原料等の汎用仕様非鉄金属製品、素材、レアアース等レアメタルにおいて生じる販売形態であり、取扱金額は売り契約のある在庫取引に比べて少額となりますが、当社グループが在庫リスクを負担することから、相対的に利益率が高い販売形態であります。
 上記の直送(出合)取引において当社グループは、主としてメーカーにとっての与信機能及びメーカーと需要家双方が希望する代金決済機能を果たしております。この取引では、商品はメーカーから需要家へ直送されるため、新規取引開始時の確認などの特別な場合を除き、商社が商品の現物を直接確認することはありません。当社グループでは、原則として需要家からの商品受領報告があることをメーカーへの支払条件とすることで、需要家からの支払が受けられない恐れのある商品の仕入・債務認識のリスクを回避しております。しかしながら当社が関与した取引について、メーカーの出荷認識や品質認識などにおいて需要家と認識の相違や齟齬が生じた場合には、当社グループにおいてその内容や発生原因を確認の上調整し、双方の合意を得る役割が生じることがあります。さらにメーカーと需要家双方の認識の相違が調整されない場合に紛争もしくは係争となる可能性があり、取引の当事者として解決のために負担する費用、金銭の支払が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(3)相場変動が与える業績への影響に対するリスク

①非鉄市況の変動に起因するリスク
 当社グループの主要取扱商品であるアルミニウム、銅等の非鉄金属の価格は国際市況によって変動しております。当社グループにおいては合意された取引条件をもとにメーカーと需要家を繋ぐ直送(出合)取引及び売り契約のある在庫取引が主体であるため、価格変動リスクは需要家またはメーカーが負担するシステムとなっており、基本的には非鉄金属市況変動には直接影響されにくい事業構造となっております。
 しかし、銅管、金属珪素、マグネシウム及びアルミ原料等の汎用仕様非鉄金属製品、素材、レアアース等レアメタルにおいて一部当社のリスク負担による売り契約のない在庫取引においては市況変動の影響を受ける可能性があります。当社グループといたしましては、市況の影響を極小化するために適時適量の購買、在庫の圧縮、販売価格への転嫁等に努めておりますが、市況が短期的に大幅に変動した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

②為替相場の変動に起因するリスク
 当社グループが行う外貨建決済の貿易取引(日本からの輸出・日本への輸入及び三国間取引)と、海外子会社等の業績及び財務状況の当社の連結決算への反映は、為替相場の変動の影響を受けることがあります。
 当社グループでは、当社グループに為替リスクが帰属する外貨建取引について、原則として為替予約により取引金額を確定することで為替相場の変動による期間業績への影響の抑制を図っておりますが、為替相場の変動の影響を完全に排除することはできません。

③金利変動に起因するリスク
 当社グループは、取引先に対する信用供与に伴う資金立替え及び顧客のための在庫保有、また子会社の設立及び運営を含む投融資等の必要資金の多くを金融機関等からの短期資金で賄っております。
 当社グループといたしましては、受取手形の流動化等により有利子負債の圧縮に努めるとともに、キャッシュ・マネジメントの効率化による金融コストの低減、金利上昇時には増加金融コストの顧客への転嫁等を図っておりますが、金融情勢の急変及び当社グループの信用の低下等により完全に金利変動による影響を排除できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)現行の取引関係が変化するリスク

 日本では非鉄金属メーカーから需要家までの商品流通に、取扱商社が介在するのが一般的であり、メーカー毎や需要家毎に特定の商社が継続して取引することが慣行となっております。商社は取引に介在することにより貿易事務、需要家とメーカー双方の決済条件の充足等の機能を提供しておりますが、この取引形態は将来にわたって継続する保証はありません。そのためメーカーと需要家とが直接取引することとなった場合には、商社は介在の機会を失い、商権及び収益を失う可能性が考えられます。
 また、メーカーや需要家の統合が起きた場合には、統合後のメーカーや需要家に対して統合前の複数の流通ルートが競合することになります。当社グループは商社として機能を発揮しメーカーと需要家相互にメリットが出せる提案を行ってまいりますが、メーカー側や需要家側の業界再編により非鉄金属業界の事業環境に大きな変化が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)在庫保有に対するリスク

 当社グループは、特定の取引先と売り契約を結んで在庫として保有する特定仕様在庫があります。このような商品は、需要家とメーカーと当社グループが、予め商品仕様、供給数量、価格条件等を合意しておくため、通常においては商品が販売できないリスク及び市況の変動の影響を受けるリスクは低いものであります。しかしながら、需要家の倒産など履行に障害が生じた場合には、特定仕様商品であるために当初の価格での転売が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループでは不特定多数の需要家向けの銅管、ガリウムメタル、金属珪素、マグネシウム及びアルミ原料等の汎用仕様非鉄金属製品・素材、レアアース等レアメタルの一部において取引を見越して売り契約のない在庫を保有しており、販売価格は市況の変動による影響を受けることがあります。そのため当社グループでは相場の動向に十分な留意を払いつつ在庫数量の圧縮や適時に販売価格の改定を行うことにより収益の確保を図っております。しかしながら、当社グループの予測を上回るような大幅な価格下落が生じること、あるいは販売価格の改定等が遅れた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)営業活動によるキャッシュ・フローの変動について

当社グループの営業活動において、輸出取引では輸送中の商品、輸入取引では未着商品が、各々の取引条件によっては期末時点のたな卸資産の増減に影響する可能性があります。

 また、輸入取引の増加は、国内取引との比較で仕入債務回転期間が短縮される傾向があり、仕入債務の減少につながる可能性があります。

 当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローの実績は、当連結会計年度は2,849百万円の増加、前連結会計年度140百万円の増加となっております。当連結会計年度は税金等調整前当期純利益の増加により営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなり、売上債権の増加並びにたな卸資産の増加をカバーし前期に比べ2,708百万円の増加となりました

 今後も市況の変動や需給のバランス等により当社グループの期末の売上債権残高、たな卸資産残高、及び仕入債務残高が前年期末との比較において変動した場合には、営業活動によるキャッシュ・フローが大きく変動する可能性があります。

(7)販売先の信用リスク

 当社グループは、国内・海外に有している多数の販売先に対して独自の評価基準による与信限度枠を設け信用状態の把握・管理をする等適切な対処をしておりますが、それにもかかわらず破綻や倒産等により売上債権等が回収困難となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)仕入先の契約履行能力に係るリスク

 当社グループは国内・海外に有している多数の仕入先において、新規取引開始時もしくは多額かつ長期の仕入契約を締結する場合、契約した商品の供給が条件どおり履行されない等、取引上の事故の予防を目的として経営状況の調査・取引関係の変化等を把握・管理しております。しかしながら仕入先の破綻や倒産等により契約不履行となった場合、当社グループが販売先に対して納品責任を果たすために当社グループは別の取引先による別の取引条件で商品を仕入れることが必要となる場合がある等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)特定の仕入先への依存に係るリスク

 当社グループは主力取扱品であるアルミ及び銅等の製品を株式会社神戸製鋼所グループより仕入れており、同社グループからの仕入高に占める割合は11.6%となっております。また同社グループは平成30年3月31日現在、当社発行済株式総数の6.6%を所有しております。当社グループは今後も緊密な情報交換と連携に努めながら良好な関係を保ちつつ取引を行ってまいりますが、将来的に同社グループとの取引関係において変化が生じた場合は当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)特定の供給国による輸出政策変更に係るリスク

 当社グループが取扱うチタン、タングステン、モリブデン、タンタル、レアアース等レアメタルの主要産出国は中国、ロシア、カザフスタン等と偏在性があり、これらの国々のサプライヤーから長年にわたり購入をしております。
 これらの国々が将来的に輸出政策を変更して、同産出品の課税や輸出制限の強化、または禁止措置等が実施された場合、従来通りの仕入が困難となることが想定されます。当社グループは万が一の場合に備えて仕入先や取引形態の多様化等を講じておりますが、当社グループの予想を超える政策の急変等が生じた場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)金融市場の逼迫等により資金調達が困難となるリスク

 当社グループは事業資金を金融機関からの借入や受取手形の流動化によって調達しております。また今後の金利上昇に対応するため、従来の短期借入金を長期借入金や社債にシフトをする等、金融市場の影響によるリスクの分散に努めておりますが、当社グループの予想を大幅に超えるような金融情勢の急変により金融市場が逼迫した場合、あるいは当社グループの信用が低下した場合には資金調達が制約されるとともに当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)カントリーリスクの高い国における顧客との取引に関するリスク

 当社グループは、貿易または海外投融資の相手国の政策変更、政治・社会・経済環境等の変化により、債権または投融資の回収が不能または困難になるリスクを有しております。その対策として、外部格付機関の格付けをもとにカントリーリスクの高い国を指定し、リスクの把握とともに合理的な範囲でリスク回避を講じていますが、相手国の輸出入規制が変更された場合等においては、契約条件の変更や契約解消の可能性があります。また、相手国の政策変更や外貨事情等により相手国政府が対外送金を停止した場合、代金または投融資が回収できない事態となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(13)コンプライアンスリスク(法的規制及び法律遵守)

 当社グループは国内での営業取引のみならず、外国企業との輸出入取引及び三国間貿易を行っている関係上、日本及び諸外国の法令等による諸規制を遵守しております。当社グループが事業活動において受ける法令等による諸規制の主なものは独占禁止、不公正取引規制、環境保護、為替管理、関税及びその他の租税、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)に係るもので、免許・届出・許認可等が必要とされているものも含まれます。具体的には輸出貿易管理令に基づく特別一般包括輸出許可、建設業法に基づく特定建設業の許可、及び大阪府金属くず営業条例に基づく許可を受けており、また毒物及び劇物取締法に基づく毒物劇物一般販売業・輸入業の登録、並びに麻薬及び向精神薬取締法に基づく輸出業者業務届を行っております。
 また、当社グループでは海外(タイ、香港、米国、中国、ドイツ、マレーシア、台湾、ベトナム、シンガポール、韓国)で現地法人を設立し事業を行っております。一般的に、海外に現地法人を設立して事業運営する場合には、当該国での特異な法令の存在または法令の欠如、法令の予期しえない解釈、法規・規制の新設や改訂等によって、法令遵守のため当該現地法人の負担が増加するリスクがあります。

 そのため国内外の法令等の遵守並びに運用状況・改訂動向に関する情報収集には万全を期しており、社内ではコンプライアンス委員会を設け、規程の完備や社内での啓蒙及び教育の徹底を推進しておりますが、それにもかかわらず関連法規の大幅な変更、予期しない解釈の適用等が実施された場合、または法律及び諸規制を遵守することができなかったため、当社グループが債務を負うことや、免許・届出・認可等の取消し等一定期間の停止を含む罰則の適用を受けること、その他事業の中断を含む公的命令を受けたために、その後の事業の継続の障害となり、信用の低下を被る事態に陥った場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(14)製造物責任に関するリスク

 当社グループは原材料を取引先であるメーカーに納入し、メーカーがそれらの原材料を使用して製品を製造しております。それらが最終製品となり、一般消費者に渡り消費者が何らかの被害を被った場合には、通常は製造業者が責任を負うこととなりますが、当社グループも輸入業者でかつ国内取扱業者であることを原因として責任を負う可能性があります。当社及び国内子会社は製造物責任賠償保険を付保しておりますが、保険金額でカバー不能な損害賠償責任が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(15)訴訟等に関するリスク

 当社グループの営業活動において、不測の事態により国内外における訴訟や仲裁等の法的手続きの対象となる可能性があります。これら法的手続きの結果のいかんにより、当社グループにおいて信用毀損が生じる場合があり、これにより当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(16)投資等が業績に影響を及ぼすことに関するリスク

 当社グループは、国内外の連結子会社、及び合弁事業や投資企業等を多数保有しており、現在更なる事業の拡充や投融資案件を推進しておりますが、期待した成果が上がらず、または事業そのものの頓挫、グループ会社における経営管理面にて発生する法務、会計、コンプライアンス上の諸問題に対する対応、撤退や縮小により損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

① のれんの取得に関するリスク

 当社が業容拡大のため株式取得(M&A)や事業譲受を受ける場合に取得したのれんは、その後の取引先の方針変更等で価値が部分的に消滅する可能性があります。また、取引先の与信リスクが増加した場合等、当社の判断において取引継続を断念することもあります。そのような事態が多発した場合にはのれんの価値は大幅に減少することとなり、その結果、減損処理が必要な場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 子会社及び関連会社への出資

 当社は、子会社の設立や取得、合弁事業への投資については、充分な事前調査を実施した上で実行しておりますが、それにもかかわらず、当初期待したとおりの成果が上がらず、事業そのものが頓挫する、グループ会社における経営管理面にて発生する法務、会計、コンプライアンス上の諸問題に対する対応、あるいは長期にわたり業績が低迷し、撤退や縮小、出資の減損処理が必要となる可能性があります。また、既に投資している事業会社に対して、将来、増資や貸付・保証等の信用供与を行う必要が生じ、資金負担が当初の投資額を上回る可能性があります。
 これらのリスクが顕在化すると当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 株式の保有などに伴う株価変動リスク
 当社グループは、取引先を中心に市場性のある株式を保有しておりますので、株価の変動により財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また非上場株式についても投資先の業績が低迷し減損処理の必要性が生じた場合には、同じく当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 子会社の設備投資

 当社は現在、メーカーに対するM&Aを積極的に進めており、グループ内における製造分野を強化することにより、新たな商流の創出を推進しております。子会社化したメーカーは、取引先のニーズに応えるため継続的な設備投資を行うことがあります。しかしながら、設備投資完了後において、国内外における景気動向により需要が大幅に変動した場合、生産設備の稼働率が減少し、当初予定していた生産計画通りに進まず、投資額の回収が困難になる場合があります。このほか既存設備の陳腐化、老朽化により修繕、廃棄等により多額の資金負担が発生する場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(17)長期性資産の減損に関するリスク

 当社グループは、有形固定資産、のれん等の長期性資産の連結貸借対照表計上額について、当該資産の公正価値が資産の帳簿価額を超過しているかどうか定期的に検討しておりますが、当該資産が生み出す将来キャッシュ・フローが悪化した場合は減損を認識することが考えられます。この場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(18)情報システム・情報セキュリティに関するリスク

 当社グループは、情報システム部を中心にネットワークインフラの整備や、社内情報共有システムの導入及びネットワークセキュリティに関する対策等を進めております。また更なるネットワーク環境と堅固なセキュリティ体制の構築を進めておりますが、外部からの不正アクセスやウイルス感染による個人情報を含めた情報資産の漏洩や予期せぬ障害により、情報システムが正常に稼動しない事態が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

当連結会計年度における世界の経済環境は、米国では保護主義的な通商貿易政策や金融政策への懸念等があるものの、良好な雇用環境を背景に景気拡大が続き、欧州においても景気回復が継続いたしました。また中国においては個人消費や公共投資を中心に景気持ち直しの動きがみられました。

我が国経済は企業収益、雇用環境の改善が進む中で、堅調な設備投資並びに輸出が牽引し、期を通して緩やかな景気回復が継続いたしました。

当社グループを取巻く非鉄金属業界においては非鉄市況上昇と円安により事業環境の改善が進み、電装化・軽量化の進行が著しい自動車関連の需要が増加し、また活発な投資が続く半導体関連向け需要が好調に推移いたしました。一方、スマートフォン関連では生産増加ペースにやや鈍化傾向が見られました。

このような経済環境のもと、当社グループにおいては、半導体製造装置関連、及びめっき材料を中心とした国内外の製造子会社の業績が連結経営成績に大きく貢献するとともに、商社流通分野においても銅・アルミ原料、伸銅品、金属珪素、電子材料並びに関連素材の取扱いが伸び、増収増益となりました。また、新たに連結子会社化した株式会社富士プレス(製造-金属加工事業)も連結業績に寄与いたしました。

この結果、当連結会計年度における連結経営成績は、売上高247,931百万円(前期比22.8%増加)、営業利益7,323百万円(同75.7%増加)、経常利益7,939百万円(同82.4%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益5,336百万円(同73.1%増加)となりました。

当連結会計年度におけるセグメントの業績は次のとおりであります。また、各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。

商社流通-電子機能材事業

スマートフォン、タブレット端末向け部材は、四半期毎のばらつきはあるものの年間を通じて堅調に推移いたしました。また、二次電池関連部材並びに環境関連部材の需要も底堅く推移、チタン・ニッケル製品は欧州市場向けを中心に堅調でした。一方、レアメタル・レアアースにおいては、車載向け磁性材料、電子材料用途等で需要が堅調に推移し、取扱いは前期に比べ増加いたしました。

この結果、当セグメントにおける売上高は76,518百万円(前年同期比29.7%増加)、セグメント利益は1,822百万円(同56.9%増加)となりました。

商社流通-アルミ銅事業

自動車の電装化に伴い自動車関連部材の取扱いは順調に伸長いたしました。また、EV化、IoTの進展により半導体・液晶・有機EL部材の需要が増加しました。急激な需要増により一部において供給が間に合わない現象も見られましたが、当社並びに国内流通子会社の取扱いは前期に比べ増加いたしました。一方、非鉄原料分野においては、自動車を中心として非鉄原料需要が好調に推移したことに加え、アルミ・銅などの非鉄市況が年間を通じて堅調に推移したことにより、主力のアルミ再生塊、銅・アルミスクラップ、及び金属珪素の取扱い増加が増収・増益に寄与いたしました。

この結果、当セグメントにおける売上高は134,946百万円(同12.2%増加)、セグメント利益は1,033百万円(同16.4%増加)となりました。

製造-装置材料事業

めっき材料においては北米の出荷が期を通して堅調に推移し、中国においても平成28年5月に竣工した化成品製造ラインの本格稼働により同拠点における出荷が大きく拡大し、業績伸長に貢献いたしました。また、非破壊検査装置分野においては、大型の装置受注がなかったものの、自動車、鉄鋼業界向け探傷剤等の消耗品の出荷が増加した他、前連結会計年度に低迷していたタイ、中国の製造子会社においても探傷剤を中心とした出荷が伸び業績に貢献いたしました。これにより同事業の収益は、のれん償却後で経常黒字に転換しました。

この結果、当セグメントにおける売上高は19,794百万円(同18.6%増加)、セグメント利益は835百万円(同286.1%増加)となりました。

製造-金属加工事業

チップマウンター向け研削加工部品の出荷は活発な半導体投資による旺盛な実装機需要を背景に引続き好調に推移いたしました。また、自動車向け試作部品の受注も順調でありました。一方、精密切削加工部品は航空機部品、半導体製造装置、及び有機EL製造装置向けが好調に推移し、前連結会計年度に減益要因となった小ロット、短納期対応による製造原価増に対しては生産効率の改善等に取り組んだ結果、収益が大きく改善いたしました。なお、新たに連結子会社となった株式会社富士プレスは自動車向け精密プレス部品の出荷が当初の想定を上回り、連結業績に貢献いたしました。

この結果、当セグメントにおける売上高は20,149百万円(同118.5%増加)、セグメント利益は4,244百万円(同102.5%増加)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,756百万円増加し、18,569百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

キャッシュ・フローの状況

 営業活動による
キャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは2,849百万円の増加(前期比2,708百万円の増加)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益7,482百万円、のれん償却を含む減価償却費等2,715百万円、及び仕入債務の増加315百万円であります。また主な減少要因は売上債権の増加2,814百万円、たな卸資産の増加4,130百万円、及び法人税等の支払1,727百万円であります。

 投資活動による
キャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは5,166百万円の減少(前期比3,642百万円の増加)となりました。主な減少要因は製造子会社を中心とした設備投資に伴う有形及び無形固定資産の取得による支出2,090百万円、株式会社富士プレスの連結子会社化に伴う連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,633百万円、及び関係会社に対する貸付による支出1,054百万円であります。

 財務活動による
キャッシュ・フロー

 財務活動によるキャッシュ・フローは3,900百万円の増加(前期比4,920百万円の増加)となりました。主な増加要因は短期借入金の純増加額4,390百万円、長期借入金の純増加額432百万円、及び新株予約権の行使に伴う株式発行による収入43百万円であります。また主な減少要因は社債の償還による支出274百万円、及び配当金の支払619百万円であります。

 

(3)仕入及び販売の実績

①仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

  至 平成30年3月31日)

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

電子機能材事業

74,940

132.0

アルミ銅事業

127,215

111.7

装置材料事業

13,196

120.5

金属加工事業

9,327

338.6

合計

224,680

121.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は実際仕入価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.金属加工事業の仕入実績が著しく増加した要因は、主として株式会社富士プレスを新たに連結子会社としたことによるものであります。

 

②販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

  至 平成30年3月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

電子機能材事業

73,857

130.7

アルミ銅事業

134,506

112.4

装置材料事業

19,697

118.3

金属加工事業

19,870

218.8

合計

247,931

122.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度において総販売実績販売比率が10%を超過する販売先はありません。

4.金属加工事業の販売実績が著しく増加した要因は、主として株式会社富士プレスを新たに連結子会社としたことによるものであります。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、当社グループの財政状態及び経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断及び見積りを必要とする重要な会計方針は以下のとおりであります。

① 債権の回収可能性

当社グループの債権のうち、損失が合理的に予想される債権に対しては、貸倒引当金を計上しております。個別に回収が懸念される債権については、取引先の過去の支払実績、支払条件の変更、当該顧客の財政状態等を考慮の上、回収不能見込額を計上しております。その他、個別に回収懸念がない債権に関しても、過去の貸倒実績等に基づき、回収不能見込額を計上しております。

② 在庫商品の評価

当社グループの在庫商品のうち、収益性の低下、長期滞留化及び陳腐化した在庫商品に対しては、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に則り、社内で制定した一定のルールに基づき評価損を計上しております。

③ 投資有価証券の評価

当社グループの保有する投資有価証券は、市場性のある投資有価証券と非上場の投資有価証券に分類されます。市場性のある投資有価証券は、期末時点の市場価格に基づく時価法によっており、評価差額は全部純資産直入法により処理しております。期末における時価が取得価額に比べ50%以上下落している場合には全て、減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。

非上場の投資有価証券は、移動平均法による原価法により評価しております。また、投資先の実質純資産価額の当社持分と当社帳簿価額との比較により減損の検証を行っており、投資先実質純資産価額の当社持分が当社帳簿価額に対して50%以上低下している場合には、創業赤字等の一時性を考慮し、個別判断により回復可能性が見込まれるものを除き、減損処理を行っております。

④ 繰延税金資産

企業会計上の資産または負債の額と課税所得計算上の資産または負債の額に相違がある場合には、「税効果会計に係る会計基準」に基づき繰延税金資産・負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、将来の経営環境の変化等により課税所得の見積額が修正された場合には、繰延税金資産が減額される可能性があります。

⑤ 減損会計

当社及び国内連結子会社につきましては、原則として報告セグメントを基礎として、海外連結子会社につきましては、会社毎にグルーピングを行っております。地価の下落等により減損の対象となった固定資産については、資産または資産グループの帳簿価額が回収可能価額を下回った差額を、減損損失として計上する必要が生じます。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

・財政状態

① 流動資産

当連結会計年度末における流動資産は95,866百万円であり、前連結会計年度末に比べ13,543百万円の増加となりました。主な内訳は受取手形及び売掛金の増加4,674百万円、たな卸資産の増加4,626百万円、及び現金及び預金の増加1,812百万円であります。

② 固定資産

当連結会計年度末における固定資産は34,737百万円であり、前連結会計年度末に比べ3,412百万円の増加となりました。主な内訳は有形固定資産の増加4,210百万円、無形固定資産の減少680百万円、及び投資その他の資産の減少117百万円であります。

③ 流動負債

当連結会計年度末における流動負債は72,397百万円であり、前連結会計年度末に比べ9,377百万円の増加となりました。主な内訳は支払手形及び買掛金の増加1,194百万円、短期借入金の増加4,793百万円、一年内返済予定長期借入金の増加175百万円、及び一年内償還予定社債の減少125百万円であります。

④ 固定負債

当連結会計年度末における固定負債は19,580百万円であり、前連結会計年度末に比べ3,071百万円の増加となりました。主な内訳は長期借入金の増加3,267百万円、及び社債の減少149百万円であります。

⑤ 純資産

当連結会計年度末における純資産は38,626百万円であり、前連結会計年度末に比べ4,507百万円の増加となりました。主な内訳は新株予約権の行使に伴う資本金の増加31百万円、利益剰余金の増加4,717百万円、上場株式の時価評価等によるその他有価証券評価差額金の増加138百万円、為替換算調整勘定の減少440百万円、及び繰延ヘッジ損益の減少31百万円であります。

・経営成績

① 売上高

売上高の主な増加要因は、銅・アルミ原料、レアメタル・レアアース、車載・スマートフォン向け電池材料、めっき材料、精密研削加工部品、切削加工部品等であります。また、平成29年4月5日に連結子会社化した株式会社富士プレスの製造する自動車パワートレイン用金属プレス部品が当初の予想を越えて売上に貢献いたしました。

この結果、当連結会計年度における売上高は、前期比22.8%増加247,931百万円となりました。

② 売上総利益

グループ全体の増収効果により、当連結会計年度における売上総利益は前期比31.5%増加19,038百万円となりました。

③ 販売費及び一般管理費

当連結会計年度に連結子会社が増加したことにより、当連結会計年度における販売費及び一般管理費は前期比13.7%増加11,715百万円となりました。

④ 営業利益

 上記の結果、当連結会計年度における営業利益は前期比75.7%増加7,323百万円となりました。

⑤ 営業外収益、営業外費用

受取配当金、及び持分法投資利益の増加により営業外収支(営業外収益-営業外費用)は615百万円の収入超となりました(前期は183百万円の収入超)。

⑥ 経常利益

上記の結果、当連結会計年度における経常利益は前期比82.4%増加7,939百万円となりました。

⑦ 特別利益、特別損失

投資有価証券売却益等86百万円を特別利益に計上した一方、投資有価証券評価損等543百万円を特別損失に計上いたしました。

⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益

税金等調整前当期純利益7,482百万円から法人税等1,998百万円、国内及び海外連結子会社10社における非支配株主に帰属する当期純利益147百万円を差引き、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は前期比73.1%増加5,336百万円となりました。

(3)経営戦略の現状と見通し

当社グループは中期経営計画に掲げる「連結ベースでの企業価値向上と持続的成長」の実現に向けて以下の施策を推進しております。

(営業収益力の強化)

①グループ企業間のシナジー

当社グループ内における商社機能と製造業とのシナジー、並びに製造業間でのシナジーにより営業収益力の飛躍的なアップを目指します。

②電子材料分野

高成長ビジネスとして位置づける電子材料分野(結晶材料、金属粉末、液晶・電池材料、半導体関連素材、機能化学品等)、及びその原料であるレアメタル・レアアースのグローバル市場での強化を図っており、原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子・機能材)までを網羅する一大勢力を築き、強固な収益体制を目指します。

環境対応関連分野

太陽電池、燃料電池、EV車並びにハイブリッドカー、及び環境対応ディーゼル等の各種素材、並びに省エネとして脚光を浴びるLED用素材の取扱いを拡大いたします。また当社連結子会社における非鉄金属スクラップの国内ヤードオペレーションに加え、レアメタル・レアアースのリサイクル事業をグローバルに展開いたします。

④海外事業展開

急成長する海外の非鉄需要を取り込むべく、引続き海外ネットワークの整備・拡充を進めており、当社グループにおける海外ネットワークは11法人15拠点に拡大しております。今後はさらにインド、インドネシア、及び中南米等へ新たな拠点設立を計画し、海外取引の強化を推進いたします。

(投資案件の推進)

①M&A

業容拡大の柱として、国内外におけるM&Aを積極的に推進しております。M&Aは短期間での連結利益獲得と当社グループとのシナジーによる新たな商流の創出を実現する当社グループの最重要施策であります。当社は現在、「商社機能と製造業を融合した非鉄金属の総合企業」を目指すべく、製造業を中心としたM&Aを推進しており、ニッチでありながら優れた技術力を持つ製造業を連結子会社化するとともに当社グループ内にて再編を行い、当社の営業力とグローバルネットワークをフルに活用した新たな商流の開拓を進めてまいります。なお、平成29年4月5日に株式会社富士プレスを連結子会社化し、同社の精密プレス部品の生産・出荷が、国内外自動車需要の増加を背景に堅調に推移し、当社グループの連結業績に貢献しております。当社は引続きM&Aにより事業分野の拡充を進め、安定収益力の強化を目指してまいります。

②事業投資

当社は、新たな商流の創出、資源確保を目的として国内外事業への投融資を行っており、今後も金属・化学品分野を中心とする事業投資並びに合弁事業設立を推進いたします。またレアメタル・レアアース等の鉱山・製錬事業への投資による資源確保を目指してまいります。

 なお、平成30年3月期の連結業績をふまえ、新たに数値目標を刷新した平成33年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、引き続き積極的にM&Aや事業投資を実施し業容拡大を図りつつ、経営環境の変化にすばやく対応でき、安定収益と持続的成長を可能とする事業基盤を確立してまいります。具体的な数値目標及びその施策につきましては「第2 事業の状況、1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(3)当面の対処すべき課題の内容等」をご参照ください。

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの主な運転資金需要は在庫の購入費用、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また投資を目的とした資金需要は、M&A並びに事業投資に係る株式取得関連費用、及び連結子会社化後の製造子会社による設備投資費用等であります。当社グループの資金調達手段はこれらの資金需要に応じて主として金融機関からの短期及び長期の借入が中心となっております。

 なお、当社グループでは財務体質の強化を図るべく、資金調達手段の多様化、及び運転資金の適正化によるフリーキャッシュフローの黒字化定着を基本方針としております。具体的な資金の流動性については「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

(5)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社グループを取り巻く事業環境を鑑みますと、メーカー間での事業統合を含めた合従連衡、国内生産拠点の海外移転に伴う製造業の空洞化並びに輸出の低迷、中国をはじめとする資源ナショナリズムの進行、非鉄金属の中で代替商品の開発等が予想を超えるスピードで進むこと等の要因により当社グループが収益機会を逸することが懸念されます。これらの問題に対応するため、当社グループは高い専門性を持つ人材の育成に努めるとともに常にアンテナを高くして顧客ニーズを先取りし「新たな素材へ」「新たな市場へ」「新たなサービスへ」「新たな分野へ」をモットーに挑戦し続けることで、当社グループのプレゼンスを向上できるものと確信しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)双日株式会社との同社海外店網の使用サービス契約の締結

 当社は輸出・輸入・海外取引等の海外が絡んだ貿易取引の比率が高く、全世界をカバーする自前での海外網が必要でありますが、現在の当社海外網としましては、海外法人としてタイ、香港、米国、中国(上海、深圳、及び広州)、ドイツ、マレーシア、台湾、ベトナム、シンガポール、韓国、及びロシアの10カ国15拠点であります。今後、自前での海外網の充実を目指しますが、現時点では当社の未設置海外拠点網をカバーするために双日株式会社と同社の当該海外拠点網の使用サービス契約を下記の内容で締結しております。

 

契約日:平成24年4月1日

対象海外拠点

双日株式会社の駐在員事務所

カイロ(エジプト)

使用に伴う年間サービス料2百万円

 

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度における研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次の通りであります。

・製造-装置材料事業

 当事業セグメントに所属するマークテック株式会社において、非破壊検査事業及びマーキング事業(主に2次元バーコード印字装置)に関わる装置及び化学品の設計、開発及び改良を行っており、当該事業に係る研究開発費は123百万円であります。