第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

回次

第40期

第41期

第42期

第43期

第44期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高

(百万円)

 

214,987

 

 

156,286

 

 

178,333

 

 

174,901

 

 

197,004

 

経常利益

(百万円)

 

5,718

 

 

11,009

 

 

8,176

 

 

5,447

 

 

7,528

 

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

 

2,860

 

 

7,507

 

 

5,488

 

 

1,598

 

 

4,805

 

包括利益

(百万円)

 

4,880

 

 

9,855

 

 

7,318

 

 

4,926

 

 

6,175

 

純資産額

(百万円)

 

43,372

 

 

57,331

 

 

63,047

 

 

66,350

 

 

70,312

 

総資産額

(百万円)

 

147,917

 

 

176,437

 

 

191,890

 

 

182,890

 

 

196,634

 

1株当たり純資産額

(円)

 

1,709.55

 

 

1,889.53

 

 

2,075.25

 

 

2,180.07

 

 

2,327.12

 

1株当たり当期純利益

(円)

 

113.60

 

 

282.54

 

 

182.40

 

 

53.05

 

 

159.31

 

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

 

 

 

282.50

 

 

 

 

 

 

159.30

 

自己資本比率

(%)

 

28.9

 

 

32.2

 

 

32.6

 

 

35.9

 

 

35.4

 

自己資本利益率

(%)

 

6.9

 

 

15.1

 

 

9.2

 

 

2.5

 

 

7.1

 

株価収益率

(倍)

 

14.56

 

 

4.95

 

 

7.46

 

 

27.58

 

 

9.71

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

 

4,098

 

 

3,329

 

 

226

 

 

15,215

 

 

7,003

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

 

2,472

 

 

3,257

 

 

7,045

 

 

2,622

 

 

4,705

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

 

2,849

 

 

5,760

 

 

5,896

 

 

19,281

 

 

4,799

 

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

 

26,002

 

 

25,944

 

 

25,814

 

 

19,721

 

 

17,781

 

従業員数

(人)

 

2,821

 

 

2,931

 

 

3,185

 

 

3,227

 

 

3,254

 

(外、平均臨時雇用者数)

(

240

)

(

343

)

(

293

)

(

348

)

(

319

)

(注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含んでおります。)は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。

2.第40期、第42期及び第43期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第41期の期首から適用しており、第41期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

4.「1株当たり純資産額」の算定上、第41期より「株式給付信託(BBT)」の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社株式、第44期より「従業員向け株式交付信託」の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式を期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。また、「1株当たり当期純利益」及び「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。

 

(2)提出会社の経営指標等

回次

第40期

第41期

第42期

第43期

第44期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高

(百万円)

 

107,697

 

 

52,648

 

 

54,701

 

 

57,831

 

 

62,522

 

経常利益

(百万円)

 

3,019

 

 

4,563

 

 

4,638

 

 

2,908

 

 

3,216

 

当期純利益

(百万円)

 

2,845

 

 

3,615

 

 

4,171

 

 

2,954

 

 

4,330

 

資本金

(百万円)

 

3,006

 

 

5,787

 

 

5,810

 

 

5,830

 

 

5,851

 

発行済株式総数

(千株)

 

25,943

 

 

30,977

 

 

31,012

 

 

31,042

 

 

31,070

 

純資産額

(百万円)

 

16,825

 

 

24,526

 

 

27,268

 

 

29,236

 

 

30,633

 

総資産額

(百万円)

 

75,071

 

 

89,748

 

 

101,595

 

 

101,369

 

 

105,965

 

1株当たり純資産額

(円)

 

669.97

 

 

813.96

 

 

904.16

 

 

968.57

 

 

1,021.92

 

1株当たり配当額

(円)

 

42

 

 

52

 

 

54

 

 

55

 

 

74

 

(うち1株当たり中間配当額)

(

21

)

(

24

)

(

26

)

(

27

)

(

32

)

1株当たり当期純利益

(円)

 

112.99

 

 

136.05

 

 

138.61

 

 

98.08

 

 

143.57

 

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

 

 

 

136.03

 

 

 

 

 

 

143.57

 

自己資本比率

(%)

 

22.3

 

 

27.3

 

 

26.8

 

 

28.8

 

 

28.9

 

自己資本利益率

(%)

 

17.9

 

 

17.5

 

 

16.1

 

 

10.5

 

 

14.5

 

株価収益率

(倍)

 

14.64

 

 

10.28

 

 

9.82

 

 

14.92

 

 

10.78

 

配当性向

(%)

 

37.2

 

 

38.2

 

 

39.0

 

 

56.1

 

 

51.5

 

従業員数

(人)

 

170

 

 

174

 

 

190

 

 

215

 

 

221

 

(外、平均臨時雇用者数)

(

5

)

(

6

)

(

3

)

(

3

)

(

3

)

株主総利回り

(%)

 

157.2

 

 

138.4

 

 

139.9

 

 

154.4

 

 

169.0

 

(比較指標:TOPIX(配当込))

(%)

(

142.1

)

(

145.0

)

(

153.4

)

(

216.8

)

(

213.4

)

最高株価

(円)

 

1,813

 

 

1,813

 

 

1,465

 

 

1,496

 

 

1,605

 

最低株価

(円)

 

947

 

 

1,149

 

 

1,234

 

 

1,277

 

 

1,229

 

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含んでおります。)は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。

2.第40期、第42期及び第43期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所市場第一部におけるものであります。

4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第41期の期首から適用しており、第41期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

5.「1株当たり純資産額」の算定上、第41期より「株式給付信託(BBT)」の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社株式、第44期より「従業員向け株式交付信託」の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式を期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。また、「1株当たり当期純利益」及び「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。

6.第44期の1株当たり配当額74円のうち、期末配当額42円については、2025年6月18日開催予定の定時株主総会の決議事項になっております。

 

2【沿革】

会社設立以後の企業集団に係る沿革は以下のとおりであります。

年月

事項

1981年7月

日商岩井非鉄販売株式会社(現 アルコニックス株式会社、当社)を資本金1億円で日商岩井株式会社の100%出資により設立(本社所在地:東京都中央区)。アルミニウム、銅の製品を主体とした非鉄金属の販売を開始

1982年7月

名古屋支店を新設

1983年4月

大阪支店を新設

1992年8月

本社を東京都文京区に移転

2000年4月

日商岩井メタルプロダクツ株式会社を吸収合併

日商岩井株式会社(現 双日株式会社)の非鉄金属製品の商権移管を受け、商号を日商岩井アルコニックス株式会社に変更、本社を東京都中央区に移転

2000年9月

本社を東京都港区に移転

2001年3月

 

6億円の減資と6億円の増資、並びに4億27万1千円の増資をおこない、新資本金10億27万1千円として、MBO(エフ ビー エフ2000,エル.ピー.をスポンサーとした経営陣による企業買収)を実施

2004年1月

ALCONIX(THAILAND)LTD.(タイ)、ALCONIX HONGKONG CORP.,LTD.(香港)を設立

NI METAL PRODUCTS INC.(米国、現 ALCONIX USA,INC.)を買収

アドバンスト マテリアル ジャパン株式会社へ55%出資、レアメタル分野強化へ

2004年3月

三伸林慶株式会社からアルミ、銅製品の営業権を取得

2004年6月

ALCONIX(SHANGHAI)CORP.(中国)を設立

2005年4月

商号をアルコニックス株式会社に変更

2006年4月

ジャスダック証券取引所に上場

2006年6月

ALCONIX EUROPE GMBH(ドイツ)を設立

2006年7月

浜松営業所を新設

2007年1月

ALCONIX(MALAYSIA)SDN.BHD.(マレーシア)を設立

2008年2月

ALCONIX(TAIWAN)CORPORATION(台湾)を設立

2008年3月

東京証券取引所市場第二部に上場

2008年4月

三伸林慶部を新設分割し、アルコニックス三伸株式会社(本社 東京)を設立

2009年4月

特別目的会社であるアルコニックス・ハヤシ株式会社を設立し、当社の中間持株会社として林金属株式会社の株式を取得、連結子会社化

2009年6月

広島営業所を開設

2009年8月

特別目的会社であるアルコニックス・オオカワ株式会社を設立し、当社の中間持株会社として株式会社大川電機製作所の株式を取得、連結子会社化

2009年9月

株式会社大川電機製作所を存続会社として、アルコニックス・オオカワ株式会社を吸収合併し、株式会社大川電機製作所を連結子会社化

2009年9月

ALCONIX LOGISTICS(THAILAND) LTD.を設立

2009年10月

ALCONIX (SHANGHAI) CORP.SHENZHEN BRANCHを設立

2010年4月

アルコニックス・三高株式会社を設立

2010年11月

林金属株式会社を存続会社として、アルコニックス・ハヤシ株式会社を吸収合併し、林金属株式会社を連結子会社化

2010年12月

東京証券取引所市場第一部に上場

2012年4月

ALCONIX VIETNAM CO.,LTD.を設立

ALCONIX (SHANGHAI) CORP.GUANGZHOU BRANCH を設立

2012年6月

本店を東京都千代田区に移転

2012年12月

UNIVERTICAL HOLDINGS INC.を設立し、当社の持株会社として米国のめっき素材製造会社のUNIVERTICAL CORPORATION他の株式を取得、連結子会社化

2013年3月

大阪アルミセンター株式会社設立

2013年4月

当社100%出資にて設立したアルコニックス・オオバ株式会社を当社の中間持株会社として大羽精研株式会社の株式を取得、連結子会社化

2014年9月

大阪アルミセンター株式会社がアルミ銅センター株式会社に商号変更

2015年7月

特別目的会社であるアルコニックス・トーカイ株式会社を設立し、当社の中間持株会社として東海溶業株式会社の株式を取得、連結子会社化

2015年10月

平和金属株式会社の発行済株式の77.35%を追加取得し、連結子会社化

2016年2月

特別目的会社であるアルコニックス・エムティ株式会社を設立し、当社の中間持株会社としてマークテック株式会社の株式を取得、連結子会社化

2017年4月

特別目的会社であるアルコニックス・フジ株式会社を設立し、当社の中間持株会社として株式会社富士プレスの株式を取得、連結子会社化

2018年12月

特別目的会社であるアルコニックス・東北化工株式会社を設立し、当社の中間持株会社として東北化工株式会社の株式を取得、連結子会社化

2019年2月

特別目的会社である富士カーボン製造所株式会社を設立し、当社の中間持株会社として株式会社富士カーボン製造所の株式を取得、連結子会社化

2019年7月

FUJI ALCONIX MEXICO S.A. de C.V.を株式会社富士プレスと共同設立

2020年12月

株式会社富士根産業の株式を取得、連結子会社化

2021年4月

アルコニックス・三高株式会社がアルコニックス三伸株式会社を吸収合併

2021年8月

アルコニックスベンチャーズ株式会社を設立

2022年4月

東京証券取引所プライム市場に移行

ACメタルズ株式会社を設立

2022年4月

ジュピター工業株式会社の株式を取得、連結子会社化

2022年11月

株式会社ソーデナガノの株式を取得、連結子会社化

2024年1月

UNIVERTICAL HOLDINGS INC.がUnivertical New Materials(Tongling)Co., Ltd.を中国に設立

当社と株式会社ソーデナガノが出資する合弁会社Soode Kansas Corporationを米国に設立

2024年7月

株式会社坂本電機製作所の株式を取得、連結子会社化

アルコニックス・エムティ株式会社がアルコニックス・東北化工株式会社を吸収合併

マークテック株式会社が株式交換により東北化工株式会社の株式を取得、同社を連結子会社化

2025年1月

アルコニックス・エムティ株式会社、及び富士カーボン製造所株式会社を吸収合併。両中間持株会社の消滅により、マークテック株式会社、及び株式会社富士カーボン製造所を直接子会社化

 

3【事業の内容】

 当社グループは、当社(アルコニックス株式会社)、連結子会社61社、関連会社4社により構成されており、アルミ、銅、ニッケル、レアメタル・レアアース等の各種製品並びにそれらの原材料の輸出、輸入及び国内取引の業務を行うほか、金属加工を中心とした製造業への事業拡大を行っています。特に近年、製造業のM&A、事業投資に注力した結果、利益面で製造業の比率が飛躍的に高まっており、商社機能と製造業を融合した新しい企業集団の形成が進んでおります。

 

当社グループの報告セグメント及びその事業内容

<商社流通>

 「電子機能材事業」は、日本企業が世界をリードする電子材料・部品分野であり、特に、需要が拡大するスマートフォン、タブレット端末、電気自動車並びにハイブリッド車や、IT関連機器等に使用される電子部品、化合物半導体、結晶材料、またこれら材料の生産に不可欠なレアメタル(チタン、タングステン、モリブデン、レアアース等)の取扱いを行っております。とりわけ当社グループにおけるレアメタルの取扱いは他の企業とは異なり、原料から材料・製品まで一貫して取扱っているのが特徴であります。

 また、新たな商流、分野、素材による成長機会、及びモノづくり支援による成長機会の獲得を目的としてコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)とその運営子会社を設立いたしました。「先端・高成長分野での事業取組機会の確保」「素材、モノづくり分野での当社プレゼンスの拡大」「事業投資から生じる財務収益の取込み」をファンド運営の目的とし、将来有望なスタートアップ企業等に出資してまいります。

 当セグメントには、当社の電子・機能材本部、海外ネットワーク機能としての現地法人のほか、チタン、タングステン、モリブデン、レアアース等レアメタルに特化し鉱石から地金、中間原料までを一貫して取扱う国内連結子会社であるアドバンストマテリアルジャパン株式会社に加え、CVC運営子会社であるアルコニックスベンチャーズ株式会社とCVCファンドのアルコニックスグローバルイノベーションファンド投資事業有限責任組合が所属しております。

 「アルミ銅事業」は、歴史のある安定成長ビジネスとして多くの優良な取引先・商権を持つ「製品」と、世界的な地球温暖化防止、省エネルギーで脚光をあびる非鉄金属のリサイクル原料、再生原料を手掛ける「原料」が主要な事業であります。「製品」は国内市場においてはすでに成熟しておりますが、世界的な視点でみると自動車、家電、半導体向けの需要増加が見込まれており、将来性のある事業であります。

 当セグメントでは主にアルミ圧延品、伸銅品、及びバルブ部品等の建設資機材の輸出、三国間取引及び国内取引を中心に事業を展開しております。一方、「原料分野」は自動車業界の軽量化に伴うアルミリサイクル原料の需要増加、環境問題に端を発した各リサイクル法の制定という事業環境を背景に市場規模が拡大傾向にあるアルミ、銅スクラップ、アルミ再生地金を手掛ける他、マグネシウム地金や金属珪素の取扱いも行っております。

 当セグメントは当社の軽金属・銅製品・チタン本部、非鉄原料・産業資材本部、海外ネットワーク機能としての現地法人、国内流通・問屋機能を有する流通子会社である林金属株式会社、アルコニックス・三高株式会社、平和金属株式会社及び国内流通子会社の管理業務を請け負うACメタルズ株式会社の他、スクラップヤードを保有し非鉄スクラップリサイクルを手掛ける国内連結子会社のアルミ銅センター株式会社が所属しております。

 

<製造>

 「装置材料事業」は、非鉄金属の総合企業を目指した積極的なM&Aの推進により当社グループに加わった製造子会社群で構成されており、収益の柱として成長を続ける「製造」分野の一つであります。当セグメントにおける主な製品並びに製造子会社は次の通りでありますが、特に海外を中心に当社の企画力・販売力とのシナジーによる事業拡大を目指しております。

・めっき材料

 海外連結子会社であるUNIVERTICAL HOLDINGS INC.の主要製品であります。米国が本社でありますが中国にも生産拠点を持ち、主要製品である銅・ニッケルアノードのほか、硫酸ニッケル等のめっき用化成品を製造し、自動車及びエレクトロニクスの巨大市場である米国並びに中国を中心に世界の約20か国で販売を展開しております。

・溶接材料

 国内連結子会社である東海溶業株式会社の主要製品であります。愛知県に生産拠点を持ち、自動車製造用金型の補修材料の製造販売のほか溶接・溶射施工というニッチな分野において国内大手自動車メーカー等を取引先に持ち、業界内で高い地位を確保する他、海外自動車関連メーカー向けにも輸出販売を行っております。

 

・非破壊検査装置及びマーキング装置等

 国内連結子会社であるマークテック株式会社の主要製品であります。同社の手掛ける両製品は国内ではトップシェアを誇り、千葉県に生産拠点を構えて主に大手自動車、鉄鋼、重工メーカー向けの装置の製造・販売に加え、装置の稼働時に使用する探傷剤、インク等の消耗品販売からメンテナンスまで一貫して提供しています。また同社は韓国・中国・タイにも製造拠点を持ちグローバルな事業展開をしております。その他、同社の子会社の主要製品であるカシューパーティクルは天然由来の素材であり摩擦安定性、耐摩耗性の向上等において自動車・二輪車のブレーキ・クラッチ等の摩擦材に不可欠な材料であります。

・一般産業機械並びに自動車向け小型モータ用カーボンブラシ

 国内連結子会社である株式会社富士カーボン製造所の主要製品であります。同社は一般産業用小型モーター等に使用するカーボンブラシを製造するメーカーであります。電動工具から自動車まで幅広く使用される小型モーターの基幹部品であるカーボンブラシの独自ノウハウと技術力を強みに国内有数のシェアを誇る他、同社は創業後の早い段階から海外進出を果たし、現在では中国、台湾、ベトナムに主力生産拠点を構えており、海外拠点をメインに収益をあげるビジネスモデルを展開しております。

 

 「金属加工事業」は、国内有数の製造設備と熟練した人材による優れた技術力により生み出された加工部品がスマートフォン・タブレット端末、半導体製造装置、自動車、航空・宇宙分野等におけるコア部品として使用され高い評価を受けている事業であります。当セグメントにおける主な製品並びに製造子会社は次の通りであります。

・精密切削加工部品

 国内連結子会社である株式会社大川電機製作所の主要製品であります。福島県に生産拠点を持ち、アルミ素材の他、チタン・モリブデンなどの難削材の切削加工を行っております。従来は通信機器向け機構部品の加工が主でしたが、複数の大型加工設備を保有していることから、最近では大型・高精密が要求される半導体製造装置、有機EL製造装置部品等の受注が増加、これら需要増に対し第2工場の増設や第3工場の建設による生産能力増加の対応を行っております。

・半導体製造装置向け切削部品、産業用制御機器及び電子計測機器

 国内連結子会社の株式会社坂本電機製作所の主要製品であります。福岡県福岡市に拠点を構え、金属切削部品や、産業用制御機器、及び電子計測機器等を生産しております。同社の主要製品の多くは国内の大手半導体製造装置関連の顧客へ納入されており、高度な加工技術や優れた品質管理を強みに、各顧客から高い評価を得ております。中でも、アルミやチタン等の材料を高精度の切削技術で加工した金属部品は半導体製造装置の主要部品として採用されており、また、デジタル水準器は顧客工場における生産設備等の据付時に、地面に対する設備の傾斜測定と水平レベルの調整を行ない、加工精度を確保する為に不可欠であると共に、超小型化されたモニター部とセンサー部との分離機能を有し、様々な被測定物の形状に対応しております。

・精密研削加工部品

 国内連結子会社の大羽精研株式会社の主要製品であります。愛知県に本社及び生産拠点を有し、半導体、自動車、産業機械関連分野における製造装置部品の高精密、高精細研削加工部品の製造を得意としております。特に同社の主要製品であるチップマウンター(表面実装機)向けノズル部品は、その高い技術力が認められ当社グループの収益に寄与しております。また同社は、これら培った精密加工技術を元に自動車向け試作部品並びに小ロット量産品の製造を事業の第2の柱とすべく取り組んでおります。

・空調機器向け金属加工部品

 国内連結子会社の株式会社富士根産業の主要製品であります。静岡県に本社及び生産拠点を有し、主にビル、冷凍設備、及び半導体設備向け空調機器用配管部品の製造を行っております。特に当該連結子会社の製品が使用される業務用パッケージエアコン(PAC)の主要部品であるタンク部品の製造加工においては業界でも強みを有しております。また、当社は同社の発行済株式のうち95%を保有し、残り5%については、当社グループの取引先で西日本地区の大手空調配管部品メーカーである千代田空調機器株式会社が資本参加をしております。今後、両社の協業関係構築を推進することで、原材料共通化や生産効率性の向上、及び技術交流等により新規製品分野への開拓を進める他、当社の商社機能を融合した、金属加工分野におけるグローバル事業展開を加速してまいります。

・自動車向け精密プレス部品

 国内連結子会社の株式会社富士プレスの主要製品であります。愛知県に本社及び生産拠点、福岡県に製造事業所を有し、主に自動車パワートレイン系精密プレス部品の製造を行っております。特に自動車メーカーの厳格な納期管理に対応した生産管理体制、技術面における冷間鍛造、並びに精密絞り加工技術による高精度・高難度加工を強みとしており、同社の先進性と技術力が主要取引先である国内大手自動車部品メーカーから高く評価されております。また海外連結子会社であるFUJI ALCONIX MEXICO S.A.de C.V.をメキシコに設置し、自動車部品生産の集積地であるメキシコから北米並びに中米に向けて事業拡大を推進しております。

・端子コネクター向け精密プレス部品

 国内連結子会社のジュピター工業株式会社の主要製品であります。岩手県宮古市に生産拠点を構え精密コネクタ金属端子部品のプレス加工、及びプレス金型の設計並びに製作を行なっております。主要製品はスマートフォン、タブレット等のデジタルモバイル製品等の民生機器向け高性能精密コネクタ金属端子部品であり、また射出成形によるコネクタといった関連部品の製造も手掛けております。同社の得意先は最終製品向け大手有力電子部品メーカーであり、複雑かつ納期管理が厳しい電子部品・半導体関連のサプライチェーンにおいて、当該会社は独自で培った高い技術力及び確立された開発・量産体制を駆使し製品の安定供給に貢献し顧客から主力ベンダーの一つとして高い評価を得ております。

・車載用リチウムイオン電池向け金属プレス部品

 国内連結子会社の株式会社ソーデナガノの主要製品であります。長野県岡谷市に生産拠点を構え金属精密プレス部品の製造、及び金型設計製作等を行なっております。当該会社は主要製品であるリチウムイオン電池用機構部品の製造において多くの特許と意匠を保有し、これに裏付けされた高精度・高速プレス加工を可能にする高い技術力と、充実した加工設備により確立された量産体制、及び徹底した品質管理を強みに、主要取引先である国内大手電池メーカーと強固な取引関係を形成する等、顧客から高い評価を得ております。

 当社グループ内の国内外プレス専業会社3社は「総合プレス加工グループ」を形成することで、各社における技術的優位性と不得手分野における補完体制をミックスし、顧客からの多種多様なニーズに対応することで新たな商流の開拓が可能となります。この他、グループ各社での技術交流やノウハウの共有により、グループ全体でのコスト競争力、生産効率性の向上が見込まれ、この結果、高いシナジー効果が期待されます。

 

当社グループの報告セグメントにおける主な取扱品並びに製品と所属する主要連結子会社は次のとおりであります。

セグメントの名称

主要取扱商品

主要連結子会社

商社流通

電子機能材

・半導体、エレクトロニクス関連材料としての化合物半導体

・プリント配線基板、バッテリー等の電子材料

・二次電池用ニッケル製品

・チタン、タングステン、モリブデン、ガリウム、インジウム等のレアメタル及びレアアース

 

アドバンスト マテリアル
ジャパン株式会社

ALCONIX USA,INC.

ALCONIX HONGKONG CORP.,LTD.

ALCONIX(TAIWAN)CORPORATION

HONG KONG ANDEX ELECTRONIC MATERIAL CO.,LTD.

アルコニックスベンチャーズ株式会社

アルミ銅

・アルミニウム製品(圧延品、押出材、鋳鍛造品、飲料缶、箔 等)

・伸銅品(板・条・管の展伸材、加工品、部品 等)

・アルミニウム二次合金地金及び非鉄スクラップ(アルミ、銅、特金、廃家電 等)

・金属珪素、亜鉛合金塊、マグネシウム地金等

・各種配管機材及び素形材等

・アルミダイカスト製品、金型、鋳物製品等

・金属建具工事、ビル・マンションのリニューアル、リフォーム工事等

・発電設備、化学工業機器等に使用されるチタン、ニッケル製品

林金属株式会社

アルコニックス・三高株式会社

平和金属株式会社

アルミ銅センター株式会社

ALCONIX(SHANGHAI)CORP.

ALCONIX(MALAYSIA)SDN.BHD.

ALCONIX VIETNAM CO.,LTD.

ALCONIX(THAILAND)LTD.

ALCONIX LOGISTICS(THAILAND)LTD.

ALCONIX KOREA CORPORATION

ALCONIX EUROPE GMBH

ACメタルズ株式会社

製  造

装置材料

・銅、ニッケルめっき材料及び関連化学品

・非破壊検査装置、マーキング装置及び関連消耗品

・金型用肉盛溶接棒、溶射施工

・カシュー樹脂(ブレーキ摩擦材等)及びカシュー応用製品並びに電波吸収体

・一般産業用並びに自動車用小型モーター向けカーボンブラシ

UNIVERTICAL HOLDINGS INC.

東海溶業株式会社

マークテック株式会社

株式会社富士カーボン製造所

金属加工

・アルミ、チタン等軽合金の通信機器等用精密機構部品

・半導体用表面実装機(チップマウンター)、及び自動車、産業機械関連製造装置用精密研削加工部品

・自動車向け精密プレス金型及びプレス部品

・空調機器及び自動車部品等の金属加工部品

・精密コネクタ金属端子部品のプレス部品

・リチウムイオン電池及びHDD用部品のプレス加工、切削加工部品

・産業用制御機器、電子計測器及び部品

株式会社大川電機製作所

大羽精研株式会社

株式会社富士プレス

FUJI ALCONIX MEXICO S.A.de C.V.

株式会社富士根産業

ジュピター工業株式会社

株式会社ソーデナガノ

Soode Kansas Corporation

株式会社坂本電機製作所

 

 また、事業の系統図によって示すと、次のとおりであります

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4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

主要な事業の内容

議決権の所有割合又は被所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

アドバンスト マテリアル ジャパン株式会社

東京都千代田区

70百万円

商社流通-

電子機能材

事業

100.00

役員の兼任、管理業務等の受託、商品の仕入及び販売

ALCONIX (THAILAND) LTD. (注)4

タイ国

バンコック

7,000

商社流通-

アルミ銅事業

49.00

役員の兼任、資金援助、商品の仕入及び販売、営業業務の委託

千タイバーツ

ALCONIX LOGISTICS (THAILAND) LTD.

(注)3

タイ国

バンコック

17,000

商社流通-

アルミ銅事業

73.99

役員の兼任、商品の仕入及び販売、営業業務の委託

千タイバーツ

(24.99)

ALCONIX HONGKONG

CORP.,LTD.

中国

香港

600

商社流通-

電子機能材

事業

100.00

役員の兼任、商品の仕入及び販売、営業業務の委託

千香港ドル

ALCONIX USA,INC.

米国

シカゴ

800

商社流通-

電子機能材

事業

100.00

役員の兼任、商品の仕入及び販売、営業業務の委託

千米ドル

ALCONIX (SHANGHAI) CORP.(注)2

中国

上海

10,000

商社流通-

アルミ銅事業

100.00

役員の兼任、商品の仕入及び販売、営業業務の委託

千米ドル

ALCONIX EUROPE GMBH

ドイツ

デュッセルドルフ

300

商社流通-

アルミ銅事業

100.00

役員の兼任、商品の仕入及び販売、営業業務の委託

千ユーロ

ALCONIX (MALAYSIA) SDN.BHD.

マレーシア

クアラルンプール

8,700

商社流通-

アルミ銅事業

100.00

役員の兼任、資金援助、商品の仕入及び販売、営業業務の委託

千マレーシア

リンギット

ALCONIX (TAIWAN) CORPORATION

台湾

台北

30,000

商社流通-

電子機能材

事業

100.00

役員の兼任、営業業務の委託

千新台湾ドル

林金属株式会社

大阪市西区

45百万円

商社流通-

アルミ銅事業

100.00

役員の兼任、商品の仕入及び販売、管理業務等の受託

株式会社大川電機製作所

東京都世田谷区

48百万円

製造-

金属加工事業

100.00

役員の兼任、商品の仕入及び販売、管理業務等の受託

アルコニックス・三高

株式会社

大阪市中央区

40百万円

商社流通-

アルミ銅事業

100.00

役員の兼任、管理業務等の受託、商品の仕入、資金援助、事務所の賃貸

 

 

名称

住所

資本金

主要な事業の内容

議決権の所有割合又は被所有割合

(%)

関係内容

 

ALCONIX VIETNAM CO.,LTD.

ベトナム

ハノイ

2,052千米ドル

商社流通-

アルミ銅事業

100.00

役員の兼任、資金援助、商品の仕入及び販売、営業業務の委託

 

UNIVERTICAL HOLDINGS

INC. (注)5

米国

ドーバー

1千米ドル

製造-

装置材料事業

100.00

役員の兼任、製品の仕入及び販売

 

アルミ銅センター株式会社

大阪府枚方市

40百万円

商社流通-

アルミ銅事業

100.00

役員の兼任、商品の仕入及び販売、管理業務等の受託、資金援助

 

大羽精研株式会社

愛知県豊橋市

30百万円

製造-

金属加工事業

100.00

役員の兼任、商品の仕入及び販売、管理業務等の受託

 

東海溶業株式会社

愛知県豊田市

20百万円

製造-

装置材料事業

100.00

役員の兼任、商品の販売、資金援助、管理業務等の受託

 

平和金属株式会社

大阪市中央区

97百万円

商社流通-

アルミ銅事業

100.00

役員の兼任、商品の販売、管理業務等の受託、事務所の賃貸

 

マークテック株式会社

(注)2

東京都大田区

2,078百万円

製造-

装置材料事業

100.00

役員の兼任、資金援助

 

株式会社富士プレス

愛知県大府市

52百万円

製造-

金属加工事業

100.00

役員の兼任、資金援助、商品の仕入及び販売、管理業務等の受託

 

ALCONIX KOREA CORPORATION

韓国

ソウル

1,570百万

ウォン

商社流通-

アルミ銅事業

100.00

役員の兼任、商品の仕入及び販売、営業業務の委託

 

株式会社富士カーボン製造所

愛知県安城市

76百万円

製造-

装置材料事業

100.00

役員の兼任、資金援助

 

FUJI ALCONIX MEXICO S.A. de C.V.

(注)2、3

メキシコ

サンルイスポトシ

561百万

メキシコペソ

製造-

金属加工事業

100.00

役員の兼任

 

(86.56)

 

株式会社富士根産業

 

静岡県沼津市

80百万円

製造-

金属加工事業

95.00

役員の兼任、商品の仕入及び販売、管理業務等の受託、資金援助

 

HONG KONG ANDEX ELECTRONIC MATERIAL CO.,LTD.

中国

香港

500百万円

商社流通-

電子機能材

事業

67.12

役員の兼任、商品の仕入及び販売

 

 

 

 

名称

住所

資本金

主要な事業の内容

議決権の所有割合又は被所有割合

(%)

関係内容

 

アルコニックスベンチャーズ株式会社

東京都千代田区

30百万円

商社流通-

電子機能材

事業

100.00

役員の兼任、管理業務等の受託

 

ACメタルズ株式会社

大阪市中央区

30百万円

商社流通-

アルミ銅事業

100.00

役員の兼任、管理業務等の受託

 

ジュピター工業株式会社

岩手県宮古市

36百万円

製造-

金属加工事業

100.00

役員の兼任、管理業務等の受託

 

株式会社ソーデナガノ(注)2

長野県岡谷市

80百万円

製造-

金属加工事業

100.00

役員の兼任、管理業務等の受託

 

Soode Kansas Corporation

(注)2、3

米国

デソト

7,150千

米ドル

製造-

金属加工事業

100.00

(90.00)

役員の兼任

 

株式会社坂本電機製作所

福岡県福岡市

30百万円

製造-

金属加工事業

 

100.00

役員の兼任

管理業務等の受託

 

 

 

 

(注)1.主要な事業の内容欄にはセグメントの名称を記載しております。

2.特定子会社であります。

3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。

4.持分は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため連結子会社としたものであります。

5.UNIVERTICAL HOLDINGS INC.の連結子会社であるUNIVERTICAL LLC.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

  主要な損益情報等   (1)売上高   20,746百万円

             (2)経常利益    690百万円

             (3)当期純利益   522百万円

             (4)純資産額   9,249百万円

             (5)総資産額  12,008百万円

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

商社流通-電子機能材事業

167

3

商社流通-アルミ銅事業

285

6

製造-装置材料事業

1,281

18

製造-金属加工事業

1,405

292

全社(共通)

116

-)

合計

3,254

319

(注)従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者

   を含んでおります。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含んでおります。)

   は、年間の平均人員を( )内の外数で記載しております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

221

3

44.3

10.2

8,986

 

セグメントの名称

従業員(人)

商社流通-電子機能材事業

37

(-)

商社流通-アルミ銅事業

68

(3

製造-装置材料事業

(-)

製造-金属加工事業

(-)

全社(共通)

116

(-)

合計

221

(3

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含んでおります。)は、年間の平均人員を( )内の外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

(3)労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)指標及び目標」をご参照ください。