文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、従前の企業理念を刷新し下記のパーパス・ビジョンを策定しました。
(パーパス・ビジョン)
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本文 |
説明文 |
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パーパス 《グループの存在意義》 |
どこかにいる、だれかの未来のために |
当社グループが取り扱い、製造している原料・素材・製品の多くは、そのままでは用途が分からないものですが、全てが地球のどこかにいるだれかの豊か(well-being *)な未来のためのものであるという誇りを持っています。 *“Health is a state of complete physical, mental and social well-being.” (WHO憲章) |
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ビジョン 《グループのありたい姿》 |
ヒトをつなぐ、モノをつなぐ、技術をつなぐ |
当社グループは、“どこかにいる、だれかの未来のために”あらゆる機会をとらえ、ヒト、モノ、技術を縦横無尽につなぐ存在でありたいと考えています。 |
目指すべき「存在意義・ありたい姿」を明確にすると共に、上場企業として「資本コストや株価を意識した経営」という株主要請にも応え、グループの持続可能性を維持向上していく道筋を、方針・戦略としてグループ全体に明示すると共に、グループの全ての事業活動において、「パーパス・ビジョン適合性」「株主期待適合性」「戦略適合性」の3軸のバランスで議論し、「注力」「効率化」「変革」を判断、実行して参ります。
(2)当面の対処すべき課題の内容等
当社グループは新たに2030年度を最終年度とする6年間の「長期経営計画2030」を策定しました。また、「中期経営計画2024」において策定した3年間の数値目標につき、初年度実績及び足許の内外環境変化を踏まえ見直し、下記の数値目標の達成を目指します。
(数値目標)
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(「中計2024」目標数値見直し) |
「長計2030」 |
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2025年度見通し |
2026年度目標 |
2030年度目標 |
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連結売上高 |
2,150億円 |
2,300億円以上 |
- |
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連結経常利益 |
82億円 |
110億円以上 |
150億円以上 |
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EBITDA |
130億円 |
160億円以上 |
- |
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ROE(株主資本利益率) |
9.2% |
12%以上 |
12%以上 |
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ROIC(投下資本利益率) |
5.4% |
6%以上 |
8%以上 |
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DOE(株主資本配当率) |
4%以上 |
4%以上 |
- |
数値目標の達成と持続可能な成長を目指す為、
・グループ収益力の安定性と成長力を高め、新たな成長曲線を描く
・「パーパス・ビジョンの具現化」と「資本コストや株価を意識した経営」を両立し、「商品・資本・人財」の好循環を生み出す
・グループの持続的な事業成長を支える経営基盤を充実させ、事業活動を通じた社会の課題解決への貢献を果たす
を掲げ、下記の基本方針・重点課題に基づき、具体的な戦略・アクションプランを遂行していくこととします。
(基本方針・重点課題)
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基本方針 |
重点課題(マテリアリティ) |
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事業戦略 -収益力強化 ・創出- |
・収益力を磨く ・成長の為の新規投資(M&A、設備投資) |
・既存事業の収益力強化 ・グループ会社の自走力(自律成長)促進 ・グループ間のシナジー追求 |
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財務戦略 -資本活用と配分最適化- |
・投下資本の積極・有効活用 ・収益の再投資+株主還元 |
・低採算事業の構造改革 ・資本効率向上へグループ牽引枠組整備 ・収益再投資と株主還元のバランス |
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基本方針 |
重点課題(マテリアリティ) |
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人財戦略 -人財育成と生産性向上- |
・戦略に適合した人財投資(確保・育成) ・人財パフォーマンスの最大化(生産性向上) |
・戦略に沿ったグループワイドな人財配置の最適化 ・グループ全体を見渡せるマネジメント人財育成 |
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サステナビリティ戦略 -グループと社会の持続可能性- |
・事業活動を通じて「どこかにいる、だれか」の豊かさ(well-being)を実現しようとしている当社グループのパーパスは、社会を持続させるための課題解決に向けた取組とは不可分の関係にあります。 ・当社グループは、 E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)・H(人財)を重点課題(マテリアリティ)と定め、取組を続けていきます。 |
E(環境):リサイクル事業を重点事業とし、適正・適法な循環型社会の実現を目指します。更に、事業活動を通じた環境負荷の軽減に努めます。 S(社会):人権と環境に配慮した調達、製造、販売を行い、公正なサプライチェーン構築に寄与すると共に、地域社会との共生を図ります。 G(ガバナンス):内部統制システムの基本方針に則り、グループとしての社会責任を全うしながら、リスクの統制を不断に行います。 H(人財):自律的・能動的に社会課題解決を行う人財を確保・育成する一方で、多様性・公平性・包括性に満ちたグループ風土を醸成していきます。 |
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DX戦略 -デジタル利活用- |
・事業・財務・人財戦略と連動したソリューションの提供 ・グループに最適化したデジタル技術の活用 |
・的確・迅速な判断に向けたグループデータの把握・統合 ・グループ全体の事業活動・業務の効率化・質の向上 |
(戦略)
・事業戦略:事業の仕分・組替とグループの連携により価値創造を極大化
グループ各事業単位で個別取引毎に、「注力」事業の展開・開拓、安定・成熟事業の「効率化」、低採算事業
の「変革」を図ります。
事業ポートフォリオを不断・柔軟に仕分・組替の上、経営資源を適切に配置します。
グループの持つ様々なリソース(知見、能力、経験、技術)をつなぎあわせ、追加的な企業価値の向上を目指
します。
・事業戦略:成長市場領域とグループが提供する価値が合致する事業に注力
「中計2024」における注力分野(半導体・自動車・リサイクル)を再整理し、市場拡大が期待できる領域
「勝ち筋」とグループが提供する価値「ソリューション」のマトリックスをグループで共有し、2030年度に向
けた事業戦略を策定します。
勝ち筋とソリューションが交わるエリア(ホットスポット)で今後のグループ付加価値増大に寄与しうる事業
に注力すると共に、新たな「勝ち筋」と「ソリューション」を開拓します。
・財務戦略:成長投資と株主還元を両立し、資本効率を最大化
事業成長・資本効率両立の為の資本活用と配分を最適化します。
資本効率向上の為の打ち手を総動員し、資本の好循環を生み出します。
「中計2024」におけるDOE3%目標は4%に引上げます。
・人財戦略:ヒトをつなぎ、コア人財を育成し、稼ぐ力を強化
従業員のスキルや経験値を上げることにより、仕事へのモチベーションとパフォーマンスを向上させます。
事業ポートフォリオ組替に応じた人財の最適配置と、新規ビジネスを創出できるコア人財の確保・育成を
します。
商社から製造・開発まで幅広い業務や経験を通じた、グループ経営の次世代を担うマネジメント人財の育成を
します。
・DX戦略:デジタル技術でグループの今を把握し、未来の付加価値創造につなぐ
事業戦略、財務戦略、人財戦略と連動し、グループの各種データを迅速かつ的確に把握、加工、抽出できる
仕組みを構築します。
グループにおける様々なプロセスの効率化・合理化へのデジタル技術活用に取り組み、グループ付加価値創造と
業務環境の改善に寄与します。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、サステナビリティに関連する方針や施策について、サステナビリティ戦略を管掌する取締役専務執行役員CSOを委員長とするサステナビリティ委員会で審議を行い、経営会議へ報告を行っております。
当社グループは、2030年度を最終年度とする6年間の「長期経営計画2030」、及び、従前の企業理念を刷新し新たな「パーパス・ビジョン」を策定しており、関連する新たなサステナビリティ戦略をサステナビリティ委員会にて審議し、「
(2)方針・戦略
当社グループは、サステナビリティ戦略 ~グループと社会の持続可能性~ と題し、サステナビリティ基本方針を以下の通り策定し、サステナビリティ重点課題(マテリアリティ)を特定します。(「
・サステナビリティ基本方針
事業活動を通じて「どこかにいる、だれか」の豊かさ(well-being)を実現しようとしている当社グループのパーパスは、社会を持続させるための課題解決に向けた取組とは不可分の関係にあります。
当社グループは、 E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)・H(人財)を重点課題(マテリアリティ)と定め、取組を続けていきます。
・サステナビリティ重点課題(マテリアリティ)
E(環境):リサイクル事業を重点事業とし、適正・適法な循環型社会の実現を目指します。更に、事業活動を通じた環境負荷の軽減に努めます。
S(社会):人権と環境に配慮した調達、製造、販売を行い、公正なサプライチェーン構築に寄与すると共に、地域社会との共生を図ります。
G(ガバナンス):内部統制システムの基本方針に則り、グループとしての社会責任を全うしながら、リスクの統制を不断に行います。
H(人財):自律的・能動的に社会課題解決を行う人財を確保・育成する一方で、多様性・公平性・包括性に満ちたグループ風土を醸成していきます。
特にH(人財)については、一般的にはS(社会)に含まれる人的資本に関するマテリアリティを括り出し、全ての戦略を支える最重要の課題として最後尾に位置付けます。
人財育成方針については、
人財戦略:ヒトをつなぎ、コア人財を育成し、稼ぐ力を強化 と題し、
従業員のスキルや経験値を上げることにより、仕事へのモチベーションとパフォーマンスを向上させる
事業ポートフォリオ組替に応じた人財の最適配置と、新規ビジネスを創出できるコア人財の確保・育成
商社から製造・開発まで幅広い業務や経験を通じた、グループ経営の次世代を担うマネジメント人財の育成
の3点を掲げます。
社内環境整備方針については、
引き続き「働き甲斐」「働きやすさ」「働くための健康」を重視し、「教育」「給与」「機会」の改善・拡充・提供に重点的に取り組み、「ウェル・ビーイング(Well-Being)」から始まる「従業員エンゲージメント」「多様性・公平性・包括性」「キャリアの自律的形成」の好循環の形成を追求します。
(3)リスク及び機会・リスク管理
①E(環境)
当社グループの本課題における主要なリスク及び機会は、
事業戦略上の重点事業であるリサイクル事業の成長を通じた、循環型社会の実現という社会要請への貢献機会
グループ事業活動の拡大に伴う、温室効果ガス(GHG)を中心とした環境負荷増加リスク
と認識しております。特に後者については、2024年3月期における気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同表明以降、GHGのグループ排出量算定に取り組みグループ全体のScope-1/2の算定手法を確立、リスク評価・管理の枠組みを整備しつつあります。今後、削減計画・目標の設定とPDCAサイクルを確立してまいります。
②S(社会)
当社グループの本課題における主要なリスク及び機会は、
人権と環境に配慮した調達、製造、販売を行っているとの評価を得られず、サプライチェーンから排除されるリスク
国内外グループ各社での事業活動を通じた、地域共生という社会要請への貢献機会
と認識しております。特に前者については、2025年3月期において「アルコニックスグループ人権方針」を策定・開示し、人権を始めとするESG諸課題について、当社グループ各社及びサプライヤーへのデューディリジェンス(当社グループの事業活動により負の影響が生じるリスクのある課題を明確にし、評価・特定するプロセス)に着手しております。今後、デューディリジェンスによるPDCAサイクルを確立してまいります。
③G(ガバナンス)
コンプライアンス・リスクマネジメントを中心とした内部統制強化については、
④H(人財)
当社グループの本課題における主要なリスクは、
多様性・公平性・包括性に満ちたグループ風土が醸成されず、心理的安全性の低下と同調圧力の高まりで多様な知見経験を持った人財が言うべき事を言えない職場環境に陥るリスク
上記状況がグループ内外に伝わる事により、自律的・能動的に社会課題解決を行う人財が流出する、若しくは確保できなくなるリスク
と認識しております。当リスクについては、前述の人財育成方針や社内環境整備方針の徹底と後述のH(人財)関連指標の向上を図ると共に、パーパス・ビジョンのグループ内浸透を継続的に図る事で、ありたいグループ風土の醸成を図ってまいります。風土醸成から始まる好循環は機会につながると認識しております。
(4)指標及び目標
①E(環境)
本項目における指標と実績は、次のとおりであります。
(当社単体及び連結子会社-GHG排出量ほか) (注)1.2.
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指標 |
事業セグメント |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
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GHG排出量 Scope1 |
商社流通 |
659t-CO2 |
622t-CO2 |
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製造 |
5,911t-CO2 |
5,890t-CO2 |
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計 |
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GHG排出量 Scope2 |
商社流通 |
784t-CO2 |
930t-CO2 |
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製造 |
30,402t-CO2 |
28,635t-CO2 |
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計 |
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GHG排出量 Scope1+2 |
商社流通 |
1,443t-CO2 |
1,553t-CO2 |
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製造 |
36,313t-CO2 |
34,525t-CO2 |
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計 |
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売上高1億円当たり原単位 |
グループ全体 |
21.6 |
18.3 |
(注) 1. 端数調整により数値が一致しない箇所あり。
2. 国内拠点のScope1は日本国環境省のDBに記載の燃料別排出係数を用いて算出、Scope2は日本国環境省の
DBに記載の全国平均電力排出係数を用いて算出。海外拠点のScope1はIPCC の EFDB Emission Factorに
記載の燃料別排出係数を用いて算出、Scope2は国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局公表のDBにあ
る各国の平均電力排出係数を用いて算出。
②H(人財)
本項目における指標・実績・目標は、次のとおりであります。
(当社単体-教育研修)
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指標 (注)1. |
実績 |
目標 |
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2024年3月期 |
2025年3月期 |
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7.9万円 |
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15.5時間 |
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(参考 当社単体と国内連結子会社-教育研修)
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指標 |
実績 |
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2024年3月期 |
2025年3月期 |
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1人当たり教育研修費 |
2.0万円 |
2.9万円 |
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1人当たり教育研修時間 |
6.9時間 |
8.1時間 |
(当社単体-機会・環境)
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指標 |
実績 |
目標 |
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2024年3月期 |
2025年3月期 |
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6.4% |
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(注)2.3. |
管理職 83.8 非管理職 86.7 全従業員 56.4 |
管理職 87.3 非管理職 88.4 全従業員 |
全従業員 |
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対象者なし |
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(参考 当社単体と国内連結子会社-機会・環境)
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指標 |
実績 |
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2024年3月期 |
2025年3月期 |
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管理職に占める女性従業員割合 |
4.5% |
4.9% |
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従業員の男女賃金差異 |
68.4 |
72.3 |
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男性従業員の育児休業取得率 |
30.4% |
68.2% |
(注) 1. 就労時間内の教育研修のみを集計。他に自己啓発目的の選択型研修あり。
2. 男性従業員を100とした場合の女性従業員数値。
3. 同一職位グレードにおける男女間賃金差はないが、職位グレード毎の男女比率差によって差異が
生じているもの。
本報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事業等の主要なリスクを以下に記載しております。当社グループは、当社グループを取り巻くさまざまなリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスクの発生可能性・影響度を分析した「リスクマップ」を策定し、環境の変化等に応じた重要リスクを特定し、対策を講じることによりリスク管理に取り組んでおります。各リスクについては主管部署が主体的にリスク対応を行い、リスクの極小化を図る取り組みを行うとともに、リスク管理委員会、内部統制委員会及びその傘下にあるコンプライアンス会議、情報管理・セキュリティ会議等の組織横断的な委員会活動等を通じて、リスク対策に取り組んでおります。
なお、本項中の記載内容については、特に断りがない限り有価証券報告書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は同日現在において当社が判断したものであります。
(1)マクロ経済環境の影響による業績変動のリスク
当社グループは、アルミニウム、銅、チタン、レアメタル等の非鉄金属の商材流通、及びそれらを素材とした部品・製品等の製造販売をグローバルベースで事業展開しており、国内における商材の流通・製造・販売のほか海外との貿易取引・製造・販売等を通じ幅広い事業を行っております。そのため、世界的あるいは特定の地域、特に比重の高い日本及びアジア地域での需要低迷や景気減速等は、当社グループの事業、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、既存事業の非鉄金属等「素材」と金属加工・検査装置等「技術」を活用して、社会の需要や技術進展に対応した取り組みや、グループ会社間のシナジーを最大限発揮できるよう、製造部門における協業体制の構築等を実施することや、市場拡大が期待できる「注力」事業の展開・開拓、安定・成熟事業の「効率化」に取り組むことで収益力を強化してまいります。また、低採算事業の「変革」や運転資本の最適化を通じて投資資金を創出し、新規M&Aや新規事業といった戦略投資により、安定的な成長を実現することで業績変動リスクの低減に努めてまいります。
(2)相場等の変動が与える業績への影響に対するリスク
①非鉄市況の変動に起因するリスク
当社グループの主要取扱商材であるアルミニウム、銅等の非鉄金属の価格は国際市況によって変動しておりますが、売り契約のある取引では、価格変動リスクは基本的に需要家またはメーカーが負担することとなるため価格変動リスクは限定的となります。一方で、在庫品の一部については売り契約がない在庫もあり、相場変動等による価格変動は、当社グループの事業、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、ロンドン金属取引所(LME)に上場されている商材については原則として、商品先物予約を活用して価格変動リスクをヘッジするとともに、非上場の商材等を含め、社内組織単位・商材毎に保有限度を定め、保有数量・含み損益の管理を行い、相場変動影響への適切な対応を行っております。また、リスク管理委員会内に市場リスク分科会を設置する等、在庫水準の最適化等のリスク抑制施策の検討を行う等の必要な対応を行っております。
②為替相場の変動に起因するリスク
当社グループが行う海外企業等との貿易取引と海外子会社等における事業活動は、主に外国通貨によって行われております。当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であるため、外国通貨の為替変動は、当社グループの事業、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、原則として為替予約により取引金額を確定することで為替相場の変動による期間業績への影響の抑制を図っております。また、リスク管理委員会内に市場リスク分科会を設置し、為替ヘッジ状況のモニタリング報告やリスク抑制施策の検討を行う等の必要な対応を行っております。
③金利変動に起因するリスク
当社グループは、取引先に対する信用供与を伴う資金立替え及び在庫保有等の運転資金、また子会社の設立及び運営を含む投融資等の多くを金融機関からの借入金等で賄っております。そのため、金利水準の上昇等による調達コストの増加が、当社グループの事業、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、キャッシュマネジメントシステム導入による資金管理を通じた借入金の圧縮、また、金利の固定・変動比率の最適化を図る等により金利変動による期間業績への影響の抑制を図っております。また、リスク管理委員会内に市場リスク分科会を設置し、運転資金の状況推移に基づき借入金の圧縮や固定・変動比率の最適化等のリスク抑制施策の検討を行う等の必要な対応を行っております。
④取引先使用計画変動に起因するリスク
当社グループでは、販売商品の製造期間と取引先要求納期の差異を埋める目的で、一部取引において取引先の正式受注前に使用計画等に基づき販売商品を発注して当社名義の在庫とする場合があります。この形態の在庫取引においては、実際の使用量が計画に対して大幅に減少した場合などに、在庫商品を販売できず、当社グループの事業、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、この形態の在庫取引の内容・規模、及び取引先の業績等をリスク管理部が事前に評価・承認し、リスク管理委員会内の市場リスク分科会等を通し、リスクが顕在化する予兆が出た段階で速やかに対策を講じて影響の抑制に努める等の対応を行っております。
(3)取引先の信用リスク
当社グループは、国内・海外の多数の取引先に対し多様な商品・製品を販売しており多額の債権残高を有し
ております。このため、販売先の業績悪化や破綻等により売上債権が回収困難となった場合や、仕入先の業績
悪化や破綻等により契約した商品供給責任を果たせなくなった場合等により、当社グループの事業、財政状況
及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、販売先等に対し、業況や取引内容等に応じた与信限度枠を設け1年毎の見直しを行いながら債権残高をコントロールし、一部の販売先等については取引信用保険等を活用することでリスクの低減を図ることに加え、リスク管理委員会内に信用リスク分科会を設置し、大口与信先の審議や与信先のグループや所属国等を含めたポートフォリオ管理を通じてリスク抑制を図っております。また、仕入先についても新規取引時、長期契約時に業績・財務状況・供給能力を適切に把握して契約することでリスクの低減に努めております。
(4)カントリーリスク
当社グループは、貿易または海外投融資の相手国、偏在している鉱物資源等の主要産出国での政策変更、政治・社会・経済環境等が急激に変化したことで、債権または投融資資金の回収が困難となる場合や鉱物資源等が従来通り仕入れできなくなる場合には、当社グループの事業、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、外部格付機関の格付をもとにカントリーリスクの高い国や地域を特定し、リスクの把握とともに、販売に際しては必要に応じ貿易保険等を活用、仕入に際しては特定の国や地域に偏らないよう恒常的に代替仕入先の選定を行う等によりリスクの低減を図っております。また、リスク管理委員会内に信用リスク分科会を設置し、国別の債権ポートフォリオを管理するとともに、国や地域の政治・経済情報・制度変更等の情報収集と分析や共有を行っております。
(5)コンプライアンスリスク(法的規制及び法令遵守)
当社グループは、国内のみならず海外で現地法人を設立して事業活動を行っており、これらの事業活動に関連する、会社法・税法・独占禁止法や貿易取引に関する国家安全保障上の規制等多岐にわたるすべての法令・規則を遵守した事業活動を行うことが大前提となりますが、万一法令・規則に違反する事態が起きた場合等は、当社グループの事業、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、グループ共通の監査体制の強化や内部通報制度の構築といった内部統制システムの整備拡充を行っております。また、内部統制委員会及びその傘下にあるコンプライアンス会議において規程の完備や社内での啓蒙活動を行い、コンプライアンスハンドブックを制定し全役職員に法令遵守を徹底しております。中でも国家安全保障上の規制については、リスク管理委員会内に安全保障等管理分科会を設置し、輸出取引のモニタリングを行い適切な輸出取引を推進する施策の検討を行う等の必要な対応を行っております。
(6)製造物責任に関するリスク
当社グループは、原材料及び機械部品等をメーカー等の取引先に納入し、取引先がそれらを使用して最終製品を製造する、いわゆる川上工程のビジネスが中心で一般消費者が何らかの被害を被った場合の責任は通常メーカーが負うものの、原材料・機械部品等の品質や不具合が原因の場合でメーカーから求債を求められた場合や一部製品の製造や販売を行う取引において、何らかの被害が発生した場合には、当社グループの事業、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、原材料・機械部品等の品質管理には万全の取り組みを行う他、万一に備えた製造物責任賠償保険に加入することで損失影響の極小化を図っております。
(7)事業投資リスク
当社グループは、国内外の連結子会社、及び合弁企業等を多数保有し、更なる事業の拡充やシナジー創出のためのM&Aや設備投資を含む投融資の推進を計画しております。これらの投融資案件が本来想定していた収益期待を下回り減損処理が必要となった場合等には、当社グループの事業、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、2023年4月に新たに事業戦略部を新設し国内外の連結子会社及び合弁企業の事業活動支援や改善にかかる取り組みの機能を強化し、期待収益の低下を未然に防ぐ対策を講じております。また、2025年4月よりリスク管理委員会内に投融資分科会を新たに設置し、新規M&Aや設備投資などの事業投資に対する投資効果の検証や投融資内容に関するアセット全体に対する検証・モニタリングを通じ、定期的に事業性を評価して適時適切な対策を講ずることができる体制に向け体制を強化しております。
(8)情報システム・情報セキュリティに関するリスク
当社グループの事業活動に関して、外部からの不正アクセスやウイルス感染による個人情報を含めた情報資産の漏洩や予期せぬ障害が発生した場合には、当社グループの事業、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、情報システム部を中心にネットワークインフラの整備や、社内情報共有システムの導入及びネットワークセキュリティに関する対策を推進してリスクの極小化に努めております。また、内部統制委員会及びその傘下にある情報管理・セキュリティ会議において当社グループでのIT利活用、情報管理、情報セキュリティ対策の推進を図るとともに情報セキュリティに関する重大インシデントに備えた対策を協議・検討しております。
(9)自然災害等に関するリスク
自然災害や感染症の大規模な流行により事業所・工場設備・当社従業員とその家族に多大な被害が発生した場合、当社グループの事業、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、自然災害等に関するリスクの極小化を図るために、各事業所・子会社ごとの事業継続計画(BCP)・災害時行動マニュアル等の整備や、安否確認システムの導入、防災訓練の実施等の対策を推進しております。また、リスク管理委員会内に事業継続分科会を設置し、グループ全体の事業継続に万全を期すべく情報収集、分析、報告、施策検討を行う等の必要な対応を行っております。
(10)サステナビリティ課題等に関するリスク
近年、地球温暖化等の環境問題や、人権課題等に対して、自社だけではなくサプライチェーン全体に対して
も、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを求める声が強まっています。そのような中で、環境問題や労働
安全衛生、人権などにかかわるサステナビリティ課題に対する取り組みが不十分であった場合、企業としての
風評悪化・信用力の低下を招き、サプライチェーンからの離脱を余儀なくされる等、当社グループの事業、財
政状況及び経営成績に影需を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、持続可能な社会を実現するために、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)・H(人
財)を重点課題(マテリアリティ)と定め、パーパス・ビジョンである「どこかにいる、だれかの未来のために」
「ヒトをつなぐ、モノをつなぐ、技術をつなぐ」を実現するべくサステナビリティ課題の解決に強力に取り組
んでおります。サステナビリティ課題に対する取り組みについては、「2 サステナビリティに関する考え方及
び取組」を併せてご参照ください。
(11)人財リスク
当社グループは、「人財」こそが価値創造の源泉と捉え、経営上の最重要項目に人的資本の強化を掲げてお
り、事業戦略の実現に向けた人財の確保・育成に努めておりますが、人財を採用できなかったり、人財が流出
した場合やグループ経営の次世代を担うマネジメント人財を育成できなかった場合には、将来的に事業戦略を
推進できなくなることで、当社グループの事業、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、「働き甲斐」「働きやすさ」「働くための健康」を重視して社内環境を整備
し、「教育」「給与」「機会」の改善・拡充・提供を通じて人財の確保・育成に取り組んでおります。人財リ
スクに対する取り組みについては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を併せてご参照ください。
1.業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度における世界規模の経済情勢では、不動産業界の低迷に端を発した中国国内経済の停滞、中国当局によるレアメタル・レアアースの輸出規制、年間を通じてほぼ四半期毎に円安局面と円高局面を交互に繰り返す為替相場の不安定な動向等が当社グループの経営に影響を及ぼす要因となりました。
当社グループとして関与の深い業界、市場においては、米国を中心とするAI関連の旺盛な需要により、半導体世界販売が2024年4月から2025年2月まで全て前年同月比増となる等、好調を維持する一方で、日本メーカーの国内外乗用車生産台数は、海外市場での販売不振の影響で2024年4月から2025年2月までの実績で前期比5.4%の減少となり、アルミ圧延品国内出荷量と伸銅品国内生産量は、2024年4月から2025年2月までの合計においてほぼ前年並みの実績となりました。非鉄金属相場は、アルミと銅が連結会計年度期間中の変動はあったものの期間平均価格で前年度を上回ったのに対し、ニッケルは2024年5月をピークに価格が低迷し、期間平均価格で前年度を下回りました。
このような環境のもと、当連結会計年度における当社グループの売上高は、アルミ・銅原料、半導体製造装置関連金属加工品、メッキ材料などの取引が寄与して電子機能材事業、アルミ銅事業、装置材料事業、金属加工事業の4セグメント全てで前期比増となりました。同期間におけるセグメント利益も売上増に寄与した取引に加えてカーボンブラシの収益率改善等もあり、電子機能材事業、アルミ銅事業、装置材料事業、金属加工事業の4セグメント全てで前期比増となりました。
当連結会計年度における主な経営成績は次の通りであります。
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前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
前期比増減額 (百万円) |
前期比増減率 (%) |
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売上高 |
174,901 |
197,004 |
22,102 |
12.6 |
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営業利益 |
5,463 |
6,919 |
1,455 |
26.6 |
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経常利益 |
5,447 |
7,528 |
2,081 |
38.2 |
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親会社株主に帰属する 当期純利益 |
1,598 |
4,805 |
3,207 |
200.7 |
当連結会計年度におけるセグメントの業績は次の通りであります。また、各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
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前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
前期比増減額 (百万円) |
前期比増減率 (%) |
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商社流通 -電子機能材 |
売上高 |
32,321 |
34,141 |
1,819 |
5.6 |
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セグメント利益 |
1,740 |
2,235 |
494 |
28.4 |
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商社流通 -アルミ銅 |
売上高 |
71,940 |
83,667 |
11,727 |
16.3 |
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セグメント利益 |
300 |
492 |
191 |
63.9 |
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製造 -装置材料 |
売上高 |
43,252 |
46,317 |
3,064 |
7.1 |
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セグメント利益 |
955 |
1,610 |
654 |
68.6 |
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製造 -金属加工 |
売上高 |
31,863 |
36,833 |
4,970 |
15.6 |
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セグメント利益 |
2,465 |
3,241 |
775 |
31.4 |
商社流通-電子機能材事業
本セグメントの売上高は、海外における電池関連取引や合金鉄・レアメタル価格の上昇等が寄与して前期比増となりました。本セグメントのセグメント利益は、半導体関連取引、電池関連取引、レアメタルスクラップ取引等が寄与して前期比増となりました。
商社流通-アルミ銅事業
本セグメントの売上高は、アルミ及び銅の地金・スクラップ取引が寄与して前期比増となりました。本セグメントのセグメント利益は、売上増に寄与した原料取引に加えアルミ及び銅の製品取引も寄与して前期比増となりました。
製造-装置材料事業
本セグメントの売上高は、北米市場のメッキ材料、カーボンブラシ、非破壊検査用材料等が寄与して前期比増となりました。本セグメントのセグメント利益は、メッキ材料とカーボンブラシの収益率改善が寄与して前期比増となりました。
製造-金属加工事業
本セグメントの売上高は、半導体製造装置関連金属加工品、二次電池用部品等が寄与して前期比増となりました。本セグメントのセグメント利益は、銅プレス加工品の収益率改善も追加要因となり前期比増となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,940百万円減少し、17,781百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
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キャッシュ・フローの状況 |
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営業活動による |
営業活動によるキャッシュ・フローは7,003百万円の増加となりました。主な増 加要因は税金等調整前当期純利益7,505百万円、のれん償却を含む減価償却費等 4,814百万円、及び仕入債務の増加額7,456百万円であります。また主な減少要因 は、売上債権の増加額4,470百万円、棚卸資産の増加額6,203百万円、法人税等の 支払額2,431百万円、及び利息の支払額981百万円であります。 |
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投資活動による |
投資活動によるキャッシュ・フローは4,705百万円の減少となりました。主な増 加要因は投資有価証券の売却による収入2,302百万円であります。また主な減少 要因は製造子会社を中心とした設備増強に伴う有形及び無形固定資産の取得による支出7,091百万円、及び子会社株式の取得による支出1,284百万円であります。 |
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財務活動による |
財務活動によるキャッシュ・フローは4,799百万円の減少となりました。主な増 加要因は短期借入金の純増加額1,667百万円であります。主な減少要因は長期借 入金の純減少額3,645百万円、及び配当金の支払額1,820百万円であります。 |
(3)仕入及び販売の実績
①仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
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電子機能材事業 |
30,566 |
120.0 |
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アルミ銅事業 |
76,935 |
121.3 |
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装置材料事業 |
32,293 |
113.0 |
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金属加工事業 |
17,302 |
114.7 |
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合計 |
157,098 |
118.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は実際仕入価格によっております。
②販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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電子機能材事業 |
32,054 |
106.3 |
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アルミ銅事業 |
82,552 |
117.0 |
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装置材料事業 |
45,831 |
107.4 |
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金属加工事業 |
36,566 |
116.0 |
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合計 |
197,004 |
112.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度において総販売実績販売比率が10%を超過する販売先はありません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
・財政状態
①流動資産
当連結会計年度における流動資産は144,374百万円であり、前連結会計年度末比11,824百万円の増加となりました。主な内訳は受取手形及び売掛金、及び電子記録債権の増加6,297百万円、棚卸資産の増加7,273百万円、現金及び預金の減少2,709百万円であります。
②固定資産
当連結会計年度における固定資産は52,259百万円であり、前連結会計年度末比1,918百万円の増加となりました。主な内訳は、有形固定資産の増加5,636百万円、及び投資その他の資産の減少3,625百万円でありま す。
③流動負債
当連結会計年度における流動負債は103,196百万円であり、前連結会計年度末比13,502百万円の増加となりました。主な内訳は支払手形及び買掛金、及び電子記録債務の増加8,614百万円、短期借入金の増加1,927百万円であります。
④固定負債
当連結会計年度における固定負債は23,125百万円であり、前連結会計年度末比3,721百万円の減少となりました。主な内訳は長期借入金の減少2,926百万円であります。
⑤純資産
当連結会計年度における純資産は70,312百万円であり、前連結会計年度末比3,961百万円の増加となりました。主な内訳は利益剰余金の増加2,977百万円、為替換算調整勘定の増加2,671百万円、その他有価証券評価差額金の減少1,358百万円であります。
・経営成績
①売上高
当連結会計年度における売上高は197,004百万円(前期比12.6%増加)となりました。
②売上総利益
当連結会計年度における売上総利益は26,021百万円(前期比13.5%増加)となりました。
③販売費及び一般管理費
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は19,101百万円(前期比9.4%増加)となりました。
④営業利益
上記の結果、当連結会計年度における営業利益は6,919百万円(前期比26.6%増加)となりました。
⑤営業外収益、営業外費用
営業外収支(営業外収益-営業外費用)は608百万円の収入超となりました。(前期は16百万円の支出超)。
⑥経常利益
上記の結果、当連結会計年度における経常利益は7,528百万円(前期比38.2%増加)となりました。
⑦特別利益、特別損失
投資有価証券売却益等の特別利益1,205百万円を計上する一方、貸倒引当金繰入額等の特別損失1,228百万円を計上いたしました。
⑧親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益7,505百万円から法人税等2,632百万円、非支配株主に帰属する当期純利益68百万円を差引き、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は4,805百万円(前期比200.7%増加)となりました。
(アルコニックス・エムティ株式会社とアルコニックス・東北化工株式会社による合併契約の締結、マークテック株式会社と東北化工株式会社による株式交換契約の締結)
2024年5月28日の当社取締役会決議に基づき、同日、アルコニックス・エムティ株式会社とアルコニックス・東北化工株式会社の間で合併契約を締結し、2024年6月4日にマークテック株式会社と東北化工株式会社の間で株式交換契約を締結しました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載の通りであります。
(従業員向けインセンティブ・プラン)
当社は、2024年5月15日開催の取締役会決議に基づき、2024年6月4日より従業員向けインセンティブ・プランを導入いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載の通りであります。
(当社とアルコニックス・エムティ株式会社、株式会社富士カーボン製造所の吸収合併契約締結)
当社は、2024年12月20日の当社取締役会決議に基づき、アルコニックス・エムティ株式会社及び株式会社富士カーボン製造所を吸収合併する為、同日、両社と吸収合併契約を締結しました。詳細は、「「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載の通りであります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
・製造-装置材料事業
当事業セグメントに所属するマークテック株式会社及びその一部子会社において、非破壊検査事業及びマーキング事業(主に水性ペイント用印字装置)に関わる装置及び化学品の設計、開発及び改良を行っており、当該事業に係る研究開発費は
また株式会社富士カーボン製造所において、カーボンブラシ製品及び特殊炭素製品に使用する原材料、製造手法の新規開発・改良、また当該製品の評価手法の改善・確立を行っており、当該事業に係る研究開発費は79百万円であります。
・製造-金属加工事業
当事業セグメントに所属する株式会社富士プレスにおいて、金属プレス加工に関する開発及び改良を行っており、当該事業に係る研究開発費は