第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

「食の製販一体体制」の確立を達成するべく、積極的なM&Aを行い、原材料の調達からオリジナル商品の開発、販売に至るまでを一貫して行えるよう、経営努力を行ってまいります。

 

(2)中期的な経営戦略等

当社グループは、中期ビジョンにPB商品を強化し、業務スーパーを中心として、事業の継続的な成長を目指すことを掲げ、「外食・中食事業の拡大」、「国内PB商品の生産能力強化」及び「業務スーパーの継続的な成長」を基本方針としております。これらの取り組みにより、当社グループの競争力をより強固なものとし、企業価値の向上に努めてまいります。

 

(3)経営環境

当社グループを取り巻く環境は、これから世界が直面する「食糧難」や日本が抱える「少子高齢化問題」等、見通しの不透明な状況にあります。食品業界におきましては、消費者の低価格志向は引き続き強く、為替の急激な変動、EC事業者やドラッグストア等の他業態による食品の取り扱い拡大や都市部のオーバーストアによる競争の激化等、企業の経営環境は今後も厳しい状況が続くと予測されます。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

世界各国では、環境問題が年々深刻化しており、カーボンニュートラルを目指す動きが加速しております。加えて、引き続き国際経済の不確実性や地政学的リスクに留意する必要があり、様々な原料価格の高騰や今後予想される食糧難など、世界情勢は見通しの不透明な状況が続いております。

日本においては、持続的な賃上げや雇用情勢の改善を背景に景気の緩やかな回復が続くものと期待される一方、少子高齢化は進行し、過疎地域の人口減少も依然として続くと見込まれております。このような背景のもと、日本の食品業界を取り巻く競争は日々激化しております。

当社グループは、このような状況下においても持続的な企業価値の向上を目指すため、以下の課題に取り組んでまいります。

 

①品質管理体制及び商品開発の強化

当社グループは、「食の総合企業」として、お客様に「プロの品質とプロの価格」で「安全・安心」な商品を安定して供給するべく取り組んでおります。これまでも、品質保証部による衛生管理体制の充実や、品質管理強化のため取扱商品の自主検査の徹底を図る等の施策を講じてまいりました。引き続き、独自の厳しい品質保持システムをより一層強化するとともに、トレーサビリティーの構築に全力を挙げてまいります。

また、今後の更なる事業拡大に向け、商品開発体制及び生産能力の強化を推し進めてまいります。自社グループ工場では、積極的な設備投資を行い、生産能力の増強に加えて省人化等による効率化も行ってまいります。輸入商品におきましては、引き続き「世界の本物」をコンセプトとした魅力ある商品の充実を図ります。

このように、品質管理と商品開発の両面から商品の競争力をより高めてまいります。

 

②サステナビリティに関する取り組みの強化

当社グループは、「製販一体のチームワークで世界中の人々に『おいしい』『わくわく』をお届けし、笑顔あふれる豊かなくらしに貢献します」という使命を掲げ、「食」を通じてお客様や社会の課題解決に取り組みます。

それらのため、当社グループだけではなく、サプライヤーやビジネスに関わる全てのパートナーとともに、サプライチェーン全体で人権の尊重、労働安全衛生、環境への配慮、腐敗防止に努め、対話と協働により持続可能なサプライチェーン構築を推進してまいります。

今後も全国の子ども食堂への支援や食品ロス問題、人権の尊重や気候変動問題等に対し積極的に取り組み、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的成長を目指します。

 

③人財の確保と人的資本に対する取り組みの強化

当社グループは、「食の総合企業」として生活に欠かせないオンリーワンの企業として成長し続けるため、当社グループの魅力を積極的に発信し、優秀な人財の確保に努めます。

また、性別や国籍にとらわれず、その能力や成果に応じた人員登用を行い、従業員一人ひとりのワークライフバランスを重視し、エンゲージメントの向上に努めてまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

サステナビリティ基本方針

当社グループは、「プロの品質とプロの価格 製販一体のチームワークで世界中の人々に『おいしい』『わくわく』をお届けし、笑顔あふれる豊かなくらしに貢献します」という使命を掲げ、「食」を通じてお客様や社会の課題解決に取り組み、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的成長を目指します。

 

1.安全で安心な「食」を通じて、お客様や地域の皆さまと共に課題解決に取り組み、地域社会の発展に貢献します。

2.従業員の心身の健康と安全を企業成長の基盤と考え、誰もがやりがいを持って働けるよう多様性を尊重し、人財の育成や労働環境の向上に取り組みます。

3.加盟店、協力会社をはじめとする取引先様との信頼関係を大切に、誠実で公正な事業慣行に則ったサプライチェーンを構築し、相互の持続的成長を目指します。

4.あらゆるステークホルダーとの適切な対話、適時かつ適正な開示に基づき信頼関係を構築し、長期安定的な成長を通じた企業価値向上に努めます。

5.人権を尊重し、差別をせず、いかなる形であっても児童労働・強制労働を認めません。

6.自然や地球環境への配慮と温暖化防止、循環型社会の形成に努めます。

7.国際規範及び事業を展開する国や地域の法令及び規範を遵守し、誠実かつ公正な事業活動を行います。

8.適切なガバナンス体制により、健全で実効性の高い経営を実現します。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、気候変動対応等の重要な経営課題について、サステナビリティの観点を踏まえた経営を推進し、持続可能な社会の実現に貢献するため、代表取締役社長を委員長とするサステナブル委員会を設置しております。サステナブル委員会体制図によって示すと、次のとおりであります。

 

サステナブル委員会体制図

0102010_001.jpg

 

(2)リスク管理

当社グループは、全社のリスク管理のために「経営危機管理規程」及び「リスク管理規程」を制定しております。本規程に則り、部長会議において当社事業に想定されるリスク情報が集約されます。集約されたリスクは、当社事業への影響度等を基準に評価され、重要度の大きなリスクに対しては、対応方針や具体的対策を部長会議で検討し、リスク対応について当社グループ各部へ指示が行われております。気候変動関連リスクについては、サステナブル委員会と部長会議が連携のうえ、全社のリスク管理プロセスに統合して管理しております。

また、当社のリスク管理プロセスは、内部監査室によるリスク管理状況の監査と有効性の評価が行われ、必要に応じて取締役会及び監査等委員会に報告されております。気候変動に関わるリスクについても、この統合的なリスク管理体制のもとで管理しております。

(3)気候変動対応の取組

①戦略

当社グループは「食の総合企業」として、お客様に安全・安心な「食」をお届けするため、食の安定供給と持続可能なサプライチェーンの構築、改善に取り組んでおります。

「食」を基幹事業とする当社グループにとって、地球温暖化による気候変動はサプライチェーンに多大な影響を与えることから、当社グループの安定かつ持続的な発展において、気候変動の抑制、そのための温室効果ガス削減は最も重要な課題の一つと考えております。

気候変動によって生じるリスクと機会の影響を把握するために、当社グループではシナリオ分析を実施しております。

 

シナリオ分析方法

2030年において気候変動が及ぼす事業環境への影響を把握するため、4℃シナリオ及び1.5℃シナリオの2つのシナリオで分析いたしました。シナリオは気候変動による物理的なリスクの分析にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)から報告されているRCPシナリオと、脱炭素経済への移行に伴うリスクの分析にIEA(国際エネルギー機関)から報告されているシナリオを参考にしております(表1)。

表1:各シナリオの概要と分析で参考にした気候変動シナリオ

 

4℃シナリオ

1.5℃シナリオ

概要

気候変動に対する政策は限定的で、2100年の気温上昇が産業革命前(19世紀後半)から4℃上昇するシナリオ。

積極的な脱炭素政策により2100年の気温上昇が産業革命前(19世紀後半)から1.5℃に抑えられるシナリオ。

異常気象の激甚化等、物理リスクの影響を受ける。気候変動に関する規制強化は行われないため、移行リスクの影響は小さい。

炭素税導入のような気候変動に関する政策や規制等、移行リスクの影響を受ける。物理リスクの影響は4℃シナリオに比べ相対的に小さい。

参考シナリオ

移行リスク:IEA STEPS

移行リスク:IEA NZE・SDS

物理リスク:IPCC RCP 8.5

物理リスク:IPCC RCP 2.6

 

<4℃シナリオ>

4℃シナリオでは、異常気象の激甚化等の気候変動による物理的な影響が発生することが予想されます。リスクとしては、当社グループの事業所の被災による事業活動の停止や気候変動による作物の生育不良が挙げられました。当社グループとしては、国内外で製造拠点の分散化を進めており、災害の影響や作物の生育不良による調達難のリスク回避に努めております。

 

<1.5℃シナリオ>

1.5℃シナリオでは、炭素税の導入や再エネ及び省エネに関する政策の推進等、脱炭素社会への移行に伴う影響を受けることが予想されます。当社グループ事業へのリスクとしては、炭素価格(炭素税・排出量取引制度)の導入や再エネ導入による操業コストの増加等が挙げられました。これに対し、当社グループは省エネ設備の導入や太陽光パネルの設置によって対応していくことを検討しております。一方で、機会としては、早期の再エネ・省エネ設備導入による購入電力量の削減や、環境への取り組みの推進による対外的な評価の向上が挙げられました。今後は継続的な設備導入及びエコ再生エネルギー事業による脱炭素社会への貢献を行うとともに、GHG排出量削減目標の設定等、情報開示の充実化を検討してまいります。

 

 

表2:シナリオ分析結果

気候関連問題による影響

(リスク・機会)

想定される事象

重要度評価

当社グループの取組

4℃

シナリオ

1.5℃

シナリオ

脱炭素経済への移行に伴う影響

炭素税や排出量取引制度の導入

炭素税の導入により、自社事業活動に伴うGHG排出量に対して課税がなされ、操業コストが増加する。

工場

工場

 

工場

工場

工場

工場

工場

工場における太陽光パネルの設置

ガスコージェネレーションシステムの導入

生ごみ処理装置の導入

鶏糞ボイラーの導入

LED照明の導入

ガス燃料蒸気ボイラーへの切り替え

自然冷媒の冷凍庫の導入

排出量取引制度が導入・強化された場合に対応費の増加及び削減不足分のクレジット購入による支出が増加する。

GHG排出規制や化石燃料使用規制

CO2及びフロンの排出規制に伴い、製造プロセスや店舗什器の変更対応コストが発生する。

製造プロセスで使用する化石燃料が規制されることで、該当機器の代替コストが発生する。

プラスチック規制

規制準拠に伴い、プラスチック備品(梱包材・容器・レジ袋)の薄肉化や生分解性プラスチックへの切り替え等の対応コストが発生する。

店舗

工場

エコバッグの配布

大容量での販売による包材の削減

サプライチェーンでの規制準拠への取り組みに伴い、商品の単価が上昇し、仕入れコストが増加する。

食品リサイクル規制

食品リサイクル法等が強化された場合、製造プロセスや各店舗にて対応コストが発生する。

本部

工場

フードバンクへの寄贈

工場での食品残渣の有効利用

再エネ・省エネ政策

再エネ需要の高まりにより再エネ価格が上昇した場合、電力等のエネルギーコストが増加する。

店舗

工場

工場

省エネ冷蔵冷凍什器の導入

省エネベルトの導入

工場屋根への遮熱塗料の塗布

省エネ政策の強化により、製造工程における高効率機器や店舗での省エネ設備(照明や什器)の導入コストが増加する。

低炭素技術の進展

製造プロセスにおいて、低炭素技術が未導入の場合、レピュテーションリスクが発生する。

低炭素技術の進展に伴い、省エネ法の目標が改訂され、それに応じて対応コストが発生する。

原材料コストの変化

脱炭素社会への移行による法規制や市場の変化に伴い、原材料の調達コストが増加する。

一般消費者の行動変化

サステナブルフードの需要が増加し、該当商品の取扱いが無い場合、収益機会が減少する。

本部
店舗

サステナブルフードの開発
サステナブルフードの導入

 

 

気候関連問題による影響

(リスク・機会)

想定される事象

重要度評価

当社グループの取組

4℃

シナリオ

1.5℃

シナリオ

脱炭素経済への移行に伴う影響

再エネ政策

再エネ技術の普及

再エネ需要の高まりにより、太陽光やバイオマス発電等のエコ再生エネルギー事業の収益機会が増加する。

効率の高い再エネ技術が普及することで、エコ再生エネルギー事業において収益性が向上する。

次世代技術の進展

IoTシステムの発展により、自社GHG排出量の低下及び業務効率化により支出が減少し、収益率が増加する。

顧客・投資家からの評判

環境への取り組みが積極的であった場合、顧客や投資家からの評価が高まり、商品選好や投融資機会の増加が見込まれる。

本部

TCFD提言に沿った情報開示

気候変動による物理的な影響

異常気象の激甚化

台風や高潮等の異常気象が激甚化することで、各拠点への物理的損害や従業員に対する人的被害等が発生し、業績悪化につながる。

工場

工場

製造拠点の分散化

国内工場の内陸部への移転

サプライチェーンが寸断されることで製造プロセスや店舗への商品配送に影響が及び、収益機会が減少する。

気候変動による作物への影響

気候変動による自然環境の変化により生育不良が発生し、調達面で対応コストが発生する。

 

②指標及び目標

当社グループは、気候変動によるリスクと機会を評価・管理する指標として、温室効果ガス排出量(Scope1,2)を算定しております。持続可能な社会の実現のため、2050年度までに自社の事業活動による温室効果ガス排出量(Scope1,2)の実質ゼロを目指し、目標達成に向けた取り組みを推進してまいります。

 

(4)人的資本・多様性に関する考え方及び取組

①戦略

(人財育成方針)

当社グループは「食の総合企業」として、お客様のくらしに欠かせないオンリーワンの企業として成長し続けるため、世の中の変化に迅速に対応し、チャレンジし続けております。

その中で最も重要な経営資源である人材の成長は、当社グループの持続的な発展の原動力であると考えております。「失敗を糧にして失敗から学んだことを改善して次にチャレンジする」という方針に基づき、人材の獲得及び育成を強化し当社グループの企業価値の持続的な向上に努めております。

 

(環境整備方針)

当社グループでは、企業と従業員が共に成長できる体制を構築するため、性別や国籍にとらわれず、その能力や成果に応じた人員登用を実施しております。

加えて、従業員一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮できるように、ワークライフバランスを重視し、エンゲージメントの向上を図り、社内環境整備の充実に注力しております。

 

これらの具体的な取り組みは以下のとおりであります。ただし、連結グループに属する会社それぞれで人的資本に関する状況や課題が異なるため、全ての会社では実施していないものがございます。

 

a.積極的な有給休暇取得の推奨

b.年次有給休暇とは別に、ライフサポート休暇、リフレッシュ休暇の導入

c.育児時短勤務を子が小学6年生以下までに延長

d.育児時差出勤を子が小学6年生以下までに延長

e.定期的な従業員満足度調査の実施と、それを基にした満足度向上の施策実施

f.当社グループ会社の一般従業員も対象としたストック・オプションの付与

g.人財開発部による全従業員を対象とした定期的な社内研修の実施

h.資格取得時の受験料を会社が負担する制度の導入

i.業務に関連する書籍の購入費を会社が負担する制度の導入

j.ユニバーサルトイレの設置

k.女性活躍推進法に基づく行動計画の策定

 

 

②指標及び目標

項目

2023年度実績

2024年度実績

2029年度目標

離職率

9.2%

9.7

12.0

新規採用した労働者に占める女性労働者の割合

29.1%

32.8

50.0

女性の育児休業取得率

107.7%

72.7

100.0

男性の育児休業取得率

66.7%

76.9

100.0

男性の育児休業取得者数

6人

10

10

有給休暇取得率

84.7%

83.8

80.0

ライフサポート休暇、リフレッシュ休暇取得率

96.7%

96.6

100.0

(注)当社グループでは、上記①戦略で記載した人材の育成等に関する方針の策定及び取り組みを行っているものの、連結グループに属する会社全てで均一な実施はできておりません。そのため、上記指標の実績は主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

 

(5)人権の尊重と責任ある調達

方針

(人権方針)

当社グループは、ビジネスに関わる全ての人の人権を尊重するために、「神戸物産グループ人権方針」を定め、対話と協働により人権の尊重を推進しております。

<参考リンク>

神戸物産グループ人権方針 https://www.kobebussan.co.jp/quality_policy.php

 

(サプライチェーン行動規範)

当社グループは、持続可能なサプライチェーンを構築するために、「神戸物産グループサプライチェーン行動規範」を定め、サプライチェーン全体の人権の尊重、労働安全衛生、気候変動や環境への配慮、腐敗防止に努めております。サプライヤーやビジネスに関わる全てのパートナーに対して本規範への理解と支持を期待し、継続的に働きかけることで、企業価値の向上に繋げてまいります。

<参考リンク>

神戸物産グループサプライチェーン行動規範 https://www.kobebussan.co.jp/quality_policy.php

 

人権デュー・ディリジェンス

(基本的な考え方)

当社グループは、「神戸物産グループ人権方針」に基づき、自社とサプライチェーンで働く全ての人及び私たちの事業の影響を受ける国や地域の基本的人権を尊重し、人権デュー・ディリジェンスのプロセスを通じて、サプライチェーン全体で人権が尊重される環境づくりを推進してまいります。

 

(プロセス)

当社グループは、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、人権デュー・ディリジェンスを継続的に実施してまいります。サプライチェーンにおける人権への負の影響を特定・評価し、その防止と軽減、モニタリングと実効性評価、情報開示、ステークホルダーとのコミュニケーションを通じて、人権の尊重と持続可能なサプライチェーン構築に向けて取り組んでまいります。

0102010_002.jpg

 

①負の影響の特定・評価

当社グループでは、定期的に潜在的な人権リスクの特定・評価を実施しております。NGOや政府機関の人権に関する公開情報など、社内外の専門的な情報・知見を活用し、ESG評価機関やステークホルダーとの協議を通じて事業領域における人権リスクを抽出、人権への影響度・課題を分析した上で、防止・軽減に向けた取り組みを進めております。

 

②負の影響の防止・軽減

サプライヤーやビジネスパートナーとの取り組み

当社グループだけでなく、サプライヤーやビジネスパートナーが人権に負の影響を引き起こしたり、助長することを防止・軽減するため、人権の尊重や労働環境などに関する期待事項を「神戸物産グループサプライチェーン行動規範」として定めております。重大な人権侵害に対し改善への協力が得られない場合や、負の影響が解消不能な場合については、当社グループとの取引停止も検討いたします。また、サプライヤーやビジネスパートナーを通じて、その取引先にも人権の尊重への理解や支持を期待し働きかけてまいります。

※神戸物産グループサプライチェーン行動規範は、日本語のほか、英語、中国語(簡体字)に対応しております。

 

③モニタリング・実効性評価

当社グループでは、サプライヤーやビジネスパートナーへの期待事項について、セルフアンケートによるモニタリング調査と実効性評価を実施しております。そして、回答内容に基づき、取り組み状況を総合的に評価し、高いリスクが抽出されたサプライヤーやビジネスパートナーに対して予防・是正に向けた要請を行い、必要に応じて現地監査を実施いたします。アンケートに回答することで、自社のリスクや課題について把握いただき、予防・是正に向けた検討を促すことも目的としております。

また、フランチャイズ加盟店に対しても、従業員一人ひとりの人権が尊重される店舗運営を促すため、定期的に人権の尊重、労働環境に関する法令遵守の徹底及び体制の整備を要請し、必要に応じて改善をお願いしております。

 

④情報開示

a.セルフアンケート調査の実施状況

2024年度については、全ての海外一次サプライヤーと業務スーパーフランチャイズオーナーを対象とした人権の尊重、労働安全衛生、環境への配慮、腐敗防止に関する取り組み状況について調査を実施いたしました。

セルフアンケート実施社数

2024年度実績

海外一次サプライヤー

468社

業務スーパーフランチャイズオーナー(サブフランチャイズオーナーを含む)

119社

 

b.法令遵守及び体制整備の要請状況

2024年度については、全ての業務スーパーフランチャイズ加盟店に対し、ハラスメントの防止を含む人権の尊重、労働安全衛生、不当表示の禁止、個人情報保護に関する法令遵守の徹底及び体制の整備の要請を実施いたしました。

法令遵守及び体制整備の要請店舗数

2024年度実績

業務スーパーフランチャイズ加盟店

1,084店舗

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、将来に関しての記載は、有価証券報告書提出日(2025年1月30日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)法的な規制等について

当社グループは、わが国においては食品安全基本法、食品衛生法、食品表示法、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律、関税法、製造物責任法(PL法)、中小小売商業振興法等の法的規制の適用を受けております。

また、海外においても各国の法的規制の適用を受け遵守しております。当社グループとしては、法的手続きによる権利の保全にも万全を期しております。

しかし、今後当社グループに関する法的な制度変更等が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)商品の安全性について

当社グループは、業務スーパー事業を中心に現在約7,070アイテムの商品を扱っており、それらを業務スーパーで販売する他、外食・中食業態の展開も行っております。

昨今の食を取り巻く環境として、安全で安心して利用できる商品の供給はもちろん、それらの各種情報(アレルギーや産地等)の提供が強く求められています。

当社グループといたしましては、品質保証部を設け、商品の各種情報管理体制を強化するとともに、自社品質管理室での理化学検査や微生物検査等の各種検査で十分な品質管理体制を整えているものと認識しておりますが、今後予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)当社グループの事業を取り巻く外部環境について

当社グループはカテゴリーキラー(特定の商品分野のみを豊富に品揃えし、低価格で提供する小売店)としての特徴を有する店舗展開を進めており、業務用ユーザーをターゲットとしているため、景気動向、消費者に係る税制の変更、気象状況等の影響は受けるものの、一般的な小売業店舗との比較において、その影響度は少ないものと認識しております。

しかしながら、今後当社グループと同様に、カテゴリーキラーとしての特徴を有する企業が増加することにより、それらと競合関係が激しくなった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)為替変動の影響について

当社グループは世界各国より輸入を行っておりますが、従前どおり商品を輸入する際は主に米ドル、ユーロにて決済しております。当社グループでは、為替ヘッジ等によるリスクヘッジを適時行っておりますが、急激な為替変動が起こった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)不測の事態による仕入価格の変動等について

BSE(牛海綿状脳症)や豚コレラ問題、鳥インフルエンザの発生、エネルギーコストの上昇、天候不順による農作物相場の変動、テロ・暴動・紛争等の政治的混乱等により、日本での輸入規制措置が講じられた場合、当社グループの仕入商品の一部について、急な代替品確保が困難になる可能性があります。

また、急激な為替変動等の影響や、コンテナ不足による輸入商品の遅延等により、仕入商品の品薄状態が発生した場合、商品仕入価格が大幅に変動する可能性があります。価格優位性のある輸入商品は、容易に国内品に代えられない事が多く、結果として店舗での販売価格の上昇や欠品となる恐れがあり、このような状況が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)物流拠点が集中していることについて

当社グループの物流拠点は、輸入商品が荷受される神戸市、横浜市、仙台市、福岡市の4ヵ所、自社配送センターも神戸港に隣接した場所にあり、それぞれ関西、関東での直轄及び地方エリアへの物流拠点として、現在、十分にその機能を果たしております。

しかし、当該港湾が地震等の自然災害により崩壊等の被害やシステムの停止に陥った場合、近隣の港湾で緊急避難的に荷受することになるため、陸送や別の倉庫の手配等のコスト増が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)FC戦略について

FC戦略が停滞する背景としては、既存店売上の伸び悩みによる出店意欲の後退が考えられます。売上に関する要因としては、取扱商品の商品力(価格・品質・利便性等)の低下、新規商品の導入の遅れ等が考えられ、当社での商品開発力並びに各協力工場への指導力の成果が問われることになります。

また、FC店舗は全て当社の認可により出店され、当社ではFC店舗間の競合が発生しないよう出店地域の調整を行っておりますが、今後のFC店舗の出店状況によっては、将来的に出店候補地が制限される可能性があります。

さらに、FC契約先には、現在、複数の店舗を出店している企業もあり、万一これらの企業が経営方針を変更する等の理由により、業務スーパー事業を縮小する等の状況になった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)業務スーパーのブランドイメージが損なわれる恐れについて

業務マニュアルの整備及びFCの店舗への指導等の徹底により、店舗のオペレーションには万全を期しております。

しかしながら、当社グループの加盟店の中には当社を通じた仕入品以外の商品(青果・鮮魚・酒類等)を販売しているFC店舗があり、これらの商品の瑕疵を原因とした問題等が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)PB商品への依存度について

当社グループでは、売上総利益に占めるPB商品の割合が高い水準にあります。このため、今後何らかの要因により、PB商品の売上が減少した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)当社グループの事業インフラである情報システムについて

ソフトウェアの新規導入につきましては、厳重に再レビューを行っており、システムの導入前に欠陥を発見できる可能性が高いと考えております。

また、導入後に欠陥が発生した場合には、欠陥部分に関連した数値に差異が発生する可能性がありますが、整合性チェック等を行っており、欠陥そのものが継続することはありません。

ハードウェアに関しましては、物理的ダメージによる機能停止、故障によるデータの欠落が考えられます。物理的ダメージについてのインフラに関しましては、外部委託による24時間体制の監視を行っており、機能停止時には即座に担当者に連絡が入りますが、災害等によるものであれば、復旧までの間、機能停止することが考えられます。故障によるデータ欠落につきましては、ソフトウェア同様、整合性のチェックを行っておりますので、部品交換までの短期的なものであると考えております。

当社グループでは、ハードウェア(サーバー、UPS(無停電装置)、クライアント含む)、ソフトウェア、バックアップ、電源、回線につきまして冗長化を行い、2拠点でのデータ相互管理を行っており、災害時の機能停止のリスクは軽減できるものと考えております。

不正アクセスをはじめとしたサイバー攻撃対策としましては、外部セキュリティ専門事業者の指導・協力のもと、セキュリティ全般において強化対策を行っております。また、従業員に対しましても、標的型攻撃メールに対する訓練や情報セキュリティ対策研修を行っております。

このように情報システムについては十分な体制を構築しているものと認識しておりますが、想定外のシステム上のトラブルが発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)新規事業について

当社グループは、「業務スーパー事業」において国内食品製造拠点を拡大し、「外食・中食事業」では各事業の多店舗化を図っております。また、「エコ再生エネルギー事業」では全国各地に太陽光発電を中心とした電力販売を行っております。それらに対する経営資源の集中と効率化により、競争力の強化・売上の拡大と収益率の向上を目指しております。

しかしながら、新規事業が想定どおりの成果を得られない場合や何らかの要因により想定外の問題等が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)有利子負債への依存について

当社グループは、2024年10月期末現在で37,000百万円の有利子負債残高(リース債務除く)を有しております。これらの資本を活用し、今後もM&A等への投資を行い、事業拡大を進めてまいります。

なお、当社は、既存の長期借入金については、大半を固定金利で調達しており、将来の金利変動リスクをヘッジする施策を講じております。

しかしながら、将来において金利が急速かつ大幅に上昇した場合や、既存の固定金利借入の借り換え時の金利情勢によっては、資金調達コストの増加により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)自然災害について

地震、風水害、火災、雪害による災害等が発生した場合、食品製造拠点や再生エネルギー事業の発電設備等が大きな被害を受け、その一部又は全部の操業が中断し、生産及び出荷、発電等に影響がでる可能性があります。また、物流に支障が生じた場合、店舗への配送が困難になることで経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(14)人材の確保及び育成について

当社グループにおいて、人材は最も重要な経営資源の一つであり、当社グループの業容及び収益の拡大のためには、経営人材、海外人材及び新規事業創出人材等の確保並びに育成が経営課題であると認識しております。

このため、当社グループでは「人財開発部」「総務部」が中心となり、働き方改革や職場環境の改善を図り、従業員満足度の向上に日々努めております。

しかしながら、このような人材を確保あるいは育成できない場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の状況は、経済活動の正常化による人流の活発化、インバウンド需要の回復、所得環境の改善等、景気は緩やかな回復基調で推移しました。

一方、ロシア・ウクライナ問題の長期化や中東情勢の激化、不安定な為替の変動やエネルギーコストの高騰等、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

食品スーパー業界におきましては、インフレによる消費者の節約志向の高まり、様々なコスト増加等、厳しい環境が続いております。

このような状況の中、当社グループは「食の製販一体体制」の更なる強化というグループ目標のもと、食品製造工場の生産能力の増強や積極的な商品開発を行い、当社グループ全体の競争力を高めてまいりました。

また、高品質で魅力のある商品をベストプライスで提供できる当社グループの強みをさらに磨き、お客様のニーズをとらえた事業を行ってまいりました。

 

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高507,883百万円(前年同期比10.0%増)、営業利益34,350百万円(同11.8%増)、経常利益31,576百万円(同5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益21,443百万円(同4.3%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(業務スーパー事業)

当連結会計年度における業務スーパー事業において、国内グループ工場で製造するオリジナル商品と、世界の本物をコンセプトにした自社直輸入品による、魅力あふれるPB商品をベストプライスで販売する「業務スーパー」の出店状況は、出店56店舗、退店20店舗、純増36店舗の結果、総店舗数は1,084店舗となりました。

新規出店の内訳といたしましては、直轄エリア39店舗、地方エリア17店舗であります。出店に関しましては九州地方を中心として全国的に新規出店がありました。また、営業年数が長くなり老朽化してきた店舗の移転等を積極的にフランチャイズオーナーに勧めております。

経営成績につきましては、為替の急激な変動や物価上昇による仕入れコストの増加があったものの、価格戦略が功を奏したことや、「業務スーパー」の魅力であるPB商品が多くのメディアで取り上げられたことで、業績の拡大が続いております。

この結果、業務スーパー事業における当連結会計年度の売上高は489,102百万円(同9.4%増)となりました。

 

(外食・中食事業)

当連結会計年度における外食・中食事業において、日本最大級の大型バイキングチェーンである「神戸クック・ワールドビュッフェ」の出店状況は、出店2店舗、退店0店舗、純増2店舗の結果、総店舗数が16店舗となりました。厳選したお肉と店内手作りのデザートを心ゆくまで楽しめる焼肉オーダーバイキングである「プレミアムカルビ」の出店状況は、出店2店舗、退店0店舗、純増2店舗の結果、総店舗数が22店舗となりました。また、日常の食卓代行をコンセプトとして店内手作り・価格等にこだわった惣菜店である「馳走菜(ちそうな)」の出店状況は、出店20店舗、退店4店舗、純増16店舗の結果、総店舗数は130店舗となりました。

「神戸クック・ワールドビュッフェ」につきましては、メニューの改廃等によるお客様満足度の向上に努めたことに加え、ファミリー層の需要も高く、外国人観光客の増加もあり、新型コロナウイルス感染症拡大前の売上水準まで回復しております。

「プレミアムカルビ」につきましては、メディアで紹介される機会も増加し、多くのお客様にご利用いただいております。

「馳走菜(ちそうな)」につきましては、お客様のニーズをとらえたメニュー構成や新メニューの投入で集客力を増しております。加えて、店舗数の大幅な増加もあって売上高を拡大しております。

この結果、外食・中食事業における当連結会計年度の売上高は14,149百万円(同29.2%増)となりました。

 

(エコ再生エネルギー事業)

当連結会計年度におけるエコ再生エネルギー事業において、稼働中の発電所と発電量は、太陽光発電所が19ヵ所で約81.0MW、木質バイオマス発電所が1ヵ所で約6.2MWとなっており、いずれも順調に稼働しております。引き続き、再生可能エネルギーを活用し、環境に配慮した安全・安心なエネルギーを供給してまいります。

この結果、エコ再生エネルギー事業における当連結会計年度の売上高は4,575百万円(同25.5%増)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して21,501百万円増加し、233,392百万円(前年比10.1%増)となりました。その主な要因は、流動資産の増加19,448百万円等であります。

流動資産は161,089百万円(同13.7%増)となり、変動の主な要因は、現金及び預金の増加14,681百万円等であります。

(負債)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末と比較して3,179百万円増加し、100,618百万円(同3.3%増)となりました。その主な要因は、流動負債の増加7,871百万円及び固定負債の減少4,692百万円等であります。

流動負債は56,929百万円(同16.0%増)となり、変動の主な要因は、短期借入金の増加5,547百万円及び事業規模の拡大による買掛金の増加2,434百万円等であります。固定負債は43,689百万円(同9.7%減)となり、変動の主な要因は、長期借入金の減少6,864百万円等であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産額は、前連結会計年度末と比較して18,322百万円増加し、132,773百万円(同16.0%増)となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加16,583百万円等であります。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比べて2.7ポイント上昇し、55.4%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度の506円23銭に対し、584円81銭となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16,045百万円増加し、107,311百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は30,772百万円となり、前連結会計年度に比べ429百万円の収入の増加となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益31,413百万円及び減価償却費6,449百万円、法人税等の支払額9,392百万円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は10,184百万円となり、前連結会計年度に比べ3,363百万円の支出の増加となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出10,112百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は5,595百万円となり、前連結会計年度に比べ5,675百万円の支出の増加となりました。主な内訳は、配当金の支払額4,859百万円、長期借入金の返済による支出1,579百万円等であります。

 

④生産、受注及び販売の実績

イ 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2023年11月1日  至  2024年10月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

業務スーパー事業

47,662

113.2

外食・中食事業

89

エコ再生エネルギー事業

3,175

127.9

その他

48

81.5

合計

50,976

114.1

(注)金額は株式会社神戸物産、大連福来休食品有限公司、神戸物産(安丘)食品有限公司、KOBE BUSSAN EGYPT Limited Partnership、Kobebussan Myanmar Co.,Ltd.、株式会社オースターフーズ、株式会社ターメルトフーズ、秦食品株式会社、株式会社マスゼン、株式会社肉の太公、株式会社麦パン工房、宮城製粉株式会社、株式会社神戸物産エコグリーン北海道、株式会社グリーンポートリー、珈琲まめ工房株式会社、豊田乳業株式会社、関原酒造株式会社、菊川株式会社、株式会社朝びき若鶏、株式会社湘南アンレーヴにおける製造原価によります。

 

ロ 受注実績

当社グループは市場動向の予測に基づく見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。

 

ハ 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年11月1日 至 2024年10月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

 

業務スーパーFC事業

387,340

109.9

業務スーパー直営小売事業

4,748

134.8

業務スーパー事業

392,089

110.1

外食・中食事業

9,283

127.1

エコ再生エネルギー事業

その他

合計

401,373

110.5

(注)当連結会計年度における輸入実績は、93,523百万円であり、前年同期比117.2%であります。

 

ニ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年11月1日 至 2024年10月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

 

業務スーパーFC事業

483,287

109.2

業務スーパー直営小売事業

5,815

137.2

業務スーパー事業

489,102

109.4

外食・中食事業

14,149

129.2

エコ再生エネルギー事業

4,575

125.5

その他

56

137.8

合計

507,883

110.0

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当期販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2022年11月1日

至  2023年10月31日)

当連結会計年度

(自  2023年11月1日

至  2024年10月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社G-7スーパーマート

83,105

18.0

89,067

17.5

 

当連結会計年度における地域別FC店舗数は次のとおりであります。

業務スーパー

店舗数

直轄

エリア

関西(271)

滋賀県(18)京都府(42)大阪府(104)兵庫県(68)奈良県(20)和歌山県(19)

関東(290)

埼玉県(67)千葉県(61)東京都(86)神奈川県(76)

九州(100)

福岡県(45)佐賀県(7)長崎県(9)熊本県(17)大分県(8)宮崎県(8)

鹿児島県(6)

北海道(31)

北海道(31)

地方エリア(388)

青森県(11)岩手県(17)宮城県(11)山形県(12)福島県(15)茨城県(22)

秋田県(5)栃木県(19)群馬県(12)新潟県(22)富山県(6)石川県(9)

福井県(6)山梨県(7)長野県(15)岐阜県(7)静岡県(51)愛知県(30)

三重県(10)鳥取県(4)島根県(2)岡山県(16)広島県(35)山口県(9)

徳島県(2)香川県(13)愛媛県(8)高知県(3)沖縄県(8)兵庫県洲本市(1)

直営店(4)

神奈川県(1)大阪府(1)兵庫県(2)

合計

1,084店舗

 

神戸クック・
ワールドビュッフェ

店舗数

直轄

エリア

関西(2)

大阪府(1)奈良県(1)

その他(5)

千葉県(1)福岡県(4)

地方エリア(8)

福島県(1)栃木県(1)富山県(1)石川県(1)群馬県(1)福井県(1)

岐阜県(1)静岡県(1)

直営店(1)

兵庫県(1)

合計

16店舗

 

馳走菜

店舗数

直轄

エリア

関西(38)

滋賀県(5)京都府(9)大阪府(13)兵庫県(6)奈良県(5)

関東(19)

埼玉県(5)千葉県(5)東京都(2)神奈川県(7)

九州(45)

福岡県(18)佐賀県(3)長崎県(5)熊本県(5)大分県(5)宮崎県(6)

鹿児島県(3)

北海道(7)

北海道(7)

地方エリア(16)

宮城県(4)新潟県(3)島根県(1)石川県(2)福井県(1)静岡県(1)

岡山県(1)山口県(1)愛媛県(2)

直営店(5)

神奈川県(2)大阪府(1)兵庫県(2)

合計

130店舗

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国で一般に公正妥当と認められている会計基準に従って作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりです。

 

②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「3 事業等のリスク」に記載しております。

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち、主なものは商品仕入れのほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、食品製造工場や再生エネルギー事業等への設備投資、M&A等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入を基本としております。また、多額な資金需要が発生した場合には、これらに加えエクイティファイナンス等による調達手段についても検討することとしております。

5【経営上の重要な契約等】

当社は各フランチャイジー(加盟店)と下記内容に関する契約を締結しております。

①「業務スーパー」の経営に関する契約(直轄エリアでの契約)

契約期間

契約店舗の開店日から5年経過した日とします(但し、以降は1年間の自動更新)。

契約社数

91社(2024年10月31日現在)

契約店舗数

692店舗(2024年10月31日現在)

主な契約内容

「業務スーパー」の経営に関する経営ノウハウを各フランチャイジー(加盟店)が用い、当社の指導援助のもとに業務スーパーのFC店を経営するためFC契約を締結するものであります。ロイヤリティは総仕入高の1%相当額とし、保証金は1店舗当たり1,000万円としております。

契約品目

NB商品、PB商品

(冷凍食品、加工食品、菓子及び乳製品等の飲食料品)

 

②「業務スーパー」のエリアライセンス契約書(地方エリアでの契約)

契約期間

本契約は、締結と同時に成立し、契約終了日は契約店舗の開店日から5年経過した日とします(但し、以降は1年間の自動更新)。

契約社数

14社(2024年10月31日現在)

契約店舗数

388店舗(2024年10月31日現在)

主な契約内容

「業務スーパー」の経営に関する経営ノウハウを活用し、別に定める地域内で業務スーパーを展開することを許諾すると共に、各フランチャイジー(加盟店)に対して継続的に指導援助を行うことを締結するものであります。ライセンスフィーは商品の仕入高の1%相当額とし、1件当たり保証金は当該エリアの人口×5円としております。

契約品目

NB商品、PB商品

(冷凍食品、加工食品、菓子及び乳製品等の飲食料品)

 

6【研究開発活動】

特に記載すべき事項はありません。