当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、一部に足踏みが見られるものの、全体としては緩やかな回復基調に転じました。雇用・所得環境が徐々に改善し、政府の各種政策の効果も加わり、回復が期待される一方で、ロシア・ウクライナ、中東地域における地政学リスクの顕在化をはじめとする長引く世界的な不安定な情勢は、世界各国の経済状況をさらに複雑にし、わが国経済も不確実性が一層深まる傾向にあります。
このような事業環境の中、当社グループは、医薬品卸売事業、医療機器卸売事業、薬局事業、介護事業、ICT事業の5つの事業を軸に、事業間連携により地域の実状に沿った社会保障基盤の構築に向けグループをあげて付加価値を創造し「より健やかな地域社会へ」の実現を目指して取り組みを推進しております。
医療機器卸売事業の株式会社竹山では、7月に医療機器販売を手がける株式会社エイエックスの全株式を取得し子会社といたしました。これにより循環器外科領域における販路拡大に加え専門性の向上を図り、お得意先へのより良いサービス提供に向けて取り組んでまいります。また、介護事業の株式会社マルベリーは、令和6年度厚生労働行政推進調査事業(障害者政策総合研究事業(身体・知的等障害分野))支援機器の開発・普及のためのモデル拠点構築に資する研究において、全国で選ばれた13団体のひとつとして委員に就任いたしました。今後は介護分野に加え、障害福祉の分野において在宅で暮らす障害者、障害児の方の活き活きとした生活の実現をサポートできる支援機器の利活用に対して事業活動を展開してまいります。
以上の状況のもと、当中間連結会計期間における売上高は1,412億7百万円(前年同期比3.9%増)、営業利益は10億78百万円(同0.6%増)、経常利益は14億4百万円(同1.2%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は8億84百万円(同21.1%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
(医薬品卸売事業)
医薬品卸売事業におきましては、2024年4月に薬価改定が実施され、6月には診療報酬改定が行われました。後発医薬品における供給面での混乱は未だに継続している状況です。また、長期収載品の売上が減少する傾向も依然として続いています。このような厳しい環境ではありますが、抗がん剤などの新薬の販売に積極的に取り組んだ結果、売上全体では前年同期を上回ることができました。また、利益は、品目ごとのきめ細かい価格管理に取り組んでいる結果、売上増加の影響もあり増益となりました。
その結果、売上高は1,028億9百万円(前年同期比2.8%増)、営業利益は、7億50百万円(同49.4%増)となりました。
(医療機器卸売事業)
医療機器卸売事業におきましては、主要なお得意先における手術や検査などの症例件数は増加傾向となりました。加えて手術支援ロボットや放射線機器などの大型医療機器案件の獲得もあり、売上は前年同期を上回りました。利益につきましては仕入原価の上昇や販売コストの増加もあり、減益となりました。
その結果、売上高は340億77百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益は4億7百万円(同30.0%減)となりました。
(薬局事業)
薬局事業におきましては、売上では薬価の引き下げが4月、調剤報酬の改定が6月と例年に比べて変則的となっておりました。また、処方箋単価は例年と同水準となった一方、前年度に3店舗閉局したことや、医療機関の閉院等も重なり処方箋枚数は前年同期比で5.4%減少となりました。利益につきましては薬剤料の増加と処方箋枚数の減少に伴い、営業損失となりました。
その結果、売上高は63億49百万円(前年同期比4.5%減)、営業損失は5百万円(前年同期は営業利益27百万円)となりました。
(介護事業)
介護事業におきましては、福祉用具のレンタル・販売および住宅改修と介護ロボットの普及推進各部門で営業員の増員・育成の強化を図りました。また、福祉用具サービス計画の作成提案から納品後のモニタリングの徹底まで、一貫した顧客重視の方針により、売上・利益ともに安定的に推移しました。サービス付き高齢者向け住宅では、新規入居者が計画通りに推移した一方で入院や退居の増加があり、売上は前年水準に留まりました。
その結果、売上高は21億31百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は1億42百万円(同34.8%増)となりました。
(ICT事業)
ICT事業におきましては、医療機関向けシステムの導入案件や、多様な業界を対象とした物販案件の受注が堅調に推移し、売上は前年同期を上回る実績を達成いたしました。特に、医療分野では眼科向けシステムが高く評価され、新規導入が増加しました。一方で、最近の物価上昇により仕入原価が高騰し、利益率の低下につながりました。さらに、今後予定されている大型システムプロジェクトへの対応に向けた体制強化を進めており、その準備コストが増加したことから、利益は前年同期を下回る結果となりました。
その結果、売上高は10億2百万円(前年同期比26.2%増)、営業利益は22百万円(同33.1%減)となりました。
(その他事業)
その他事業(子会社の経営指導・保険代理店・SPD・新規開業支援等)におきましては、売上高は12億83百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は5億66百万円(同7.9%減)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)財政状態の状況
当中間連結会計期間末の資産、負債及び純資産は、前連結会計年度末との比較において以下のとおりとなりました。
総資産は1,496億2百万円(前連結会計年度末は1,473億円)となり、23億1百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が2億96百万円、受取手形及び売掛金が4億64百万円、商品及び製品が13億1百万円、建物及び構築物で10億24百万円増加した一方、建設仮勘定が2億17百万円減少したことによるものです。
負債は887億89百万円(前連結会計年度末は866億16百万円)となり、21億73百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金ならびに電子記録債務の支払債務が28億32百万円増加した一方、繰延税金負債が3億22百万円減少したことによるものです。
純資産は、608億12百万円(前連結会計年度末は606億84百万円)となり、1億28百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が6億69百万円増加した一方、自己株式の取得により3億89百万円減少したことによるものです。
(4)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億96百万円増加し、211億9百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は22億98百万円(前年同期比64.6%減)となりました。これは、増加要素として税金等調整前中間純利益13億90百万円(同6.3%増)、減価償却費5億26百万円(同0.9%増)、仕入債務の増加27億68百万円(同65.3%減)、未収入金の減少7億36百万円(同178.4%増)などがありましたが、減少要素として売上債権の増加5億2百万円(前年同期比78.2%減)、棚卸資産の増加13億9百万円(同15.8%増)、未払消費税等の減少2億64百万円(前年同期は1億22百万円の増加)、法人税等の支払額6億46百万円(前年同期比49.6%増)があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は13億5百万円(前年同期比27.9%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出12億64百万円(同25.6%減)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6億96百万円(前年同期比16.9%増)となりました。これは主に自己株式の取得3億89百万円(同40.2%増)、配当金の支払2億15百万円(同21.2%減)があったことによるものです。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社は、永年にわたって構築してきた営業ノウハウを活用することによって顧客満足度を最大限に高めることを経営の基本施策としており、経営の効率性や収益性を高める観点から、専門性の高い業務知識や営業ノウハウを備えた者が取締役や執行役員に就任して、法令や定款を遵守しつつ当社の財務および事業の方針の決定につき重要な職務を担当することが、会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものと考えており、このことをもって会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針としております。
② 不適切な支配の防止のための取り組み
現在のところ、不適切な支配についての具体的な脅威が生じているわけではなく、また当社としても、そのような買付者が出現した場合の具体的な取り組み(いわゆる「買収防衛策等」)を予め定めるものではありませんが、株主から付託を受けた経営者の責務として、当社株式の取引や株主の異動状況を常に注視するとともに、有事対応の初動マニュアルを作成するほか、株式の大量取得を企図する者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置を講じます。具体的には、社外の専門家を交えて当該買収提案の評価や株式取得者との交渉を行い、当該買収提案(または買付行為)が当社の企業価値および株主共同の利益に資さない場合には、具体的な対抗措置の要否および内容等をすみやかに決定し、対抗措置を実行する体制を整えます。
③ 不適切な支配の防止のための取り組みについての取締役会の判断
当社は、株式の大量保有取得を目的とする買付けなどの不適切な支配が行われる場合において、それに応じるか否かは、最終的には株主の判断に委ねられるべきものと考えており、経営支配権の異動を通じた企業活動の活性化の意義や効果についても、何らこれを否定するものではありません。しかしながら、当社の基本理念や企業価値、株主を始めとする各ステークホルダーの利益を守るのは、当社の経営を預かる者として当然の責務であると認識しております。
また、株式の大量保有取得を目的とする買付け(または買収提案)等に対しては、当該買付者の事業内容、将来の事業計画や過去の投資行動等から、当該買付行為(または買収提案)が当社の企業価値および株主共同の利益に与える影響を慎重に検討し、判断する必要があるものと認識しております。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② 資本の財源および資金の流動性
a.キャッシュ・フロー
当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(4)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策
当社グループは、これまでキャッシュ・フロー重視の経営を行ってきており、運転資金および設備資金につきましては、基本的には手元流動性資金により賄うことを基本方針としております。この方針は今後も継続することとしておりますが、子会社個々の資金ポジションや拠点設備の狭窄化・老朽化に伴う設備投資が集中して到来した場合は、一時的に資金が不足することも考えられます。そうした場合には、金融機関からの一時的な借入等も合わせて検討していく予定であります。
c.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。