第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社の経営理念は次のとおりであります。

経営理念

1.会社は社員の夢の実現のための機関である

1.そのために会社は健全な収益性を維持しなければならない

1.お客様、社員、取引先から圧倒的な支持を受ける企業を目指す

1.おしゃれ心を満たすトレンド商品をリーズナブルプライスで提供する

1.地域社会に対して常に感謝し、ともに発展することを信条とする

この経営理念の下、株主、取引先、従業員等ステークホルダーの信頼と期待に応えつつ、「適時」「適品」「適量」「適価」「適提案」「適サービス」の実現を通じて婦人靴業界の発展に寄与し、同業界でのオンリーワン企業としての地位を確立することを目指します。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、収益力の向上と財務体質の強化を経営目標の中心として重視しております。売上高及び経常利益、営業キャッシュ・フローの拡大を図ってまいりたいと考えております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

今後は、国内では対象人口の減少による市場規模の縮小及び業界における淘汰がより一層進行するものと予測されます。このような状況のもと、当社グループは、主力ブランドである旗艦ブランド「JELLY BEANS」を中心に足元の建て直し、収益力の拡大を重要視しております。

 

(4) 経営環境

当社が属する婦人靴市場を取り巻く経営環境は、地方経済の衰退、消費者の節約志向やEC専門事業者の台頭による価格競争の激化などにより、厳しい環境が続いていたなか新型コロナウイルスの感染拡大による世界的規模の打撃をうけ、各社生き残りをかけた大変厳しい経営環境となりました。当連結会計年度におきましては当社も2度の緊急事態宣言による臨時休業、店舗の営業時間の短縮、休業後の客足の伸び悩みなど深刻な影響をうけ、喫緊の課題である経営再建は立ち上がりから苦難を強いられました。今後の展望は、消費者の消費行動の多様化、業界のデジタル化、新規参入企業の競争激化などある中で、目下足元からの建て直しを果たし、With/After コロナのなかで盤石たる組織となり新たな活路を見出すため以下の点を対処すべき課題と認識し、解決に向けて重点的に取り組んでまいります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上財務上の課題

当社グループは売上高が継続して減少しており、前連結会計年度に引き続き当連結会計年度においても営業損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、営業キャッシュ・フローもマイナスとなっている状況であります。当社グループでは当該状況を解消し、再建計画を達成することが会社の対処すべき最も大きな課題となっております。そのため、以下の施策に重点的に取り組んでまいります。

 

1.直営店舗の削減による固定費の削減

事業の採算性の向上及び効率化と、コロナ禍による人流動態の変化に対応するため、靴事業における不採算店舗の撤退を加速化させます。当連結会計年度においては直営店9店舗を閉店いたしました。今後も断続的な直営店舗の採算性の見直しを行い適切なコストの維持を図り、引き続き固定費の削減に努めてまいります。

 

 

2.事業収益改善

・在庫一元管理とチャネル連携によるオムニチャネル化体制の構築

小売事業及びEC事業の物流の外部委託を実行し、在庫一元管理が進んだことに伴い、今後は在庫システムと商品データベースの連携をより強化し、自社ECサイト及び店頭での効率的な在庫運用を進めてまいります。

当連結会計年度では一般に広く使われているメッセンジャーアプリLINE(LINE株式会社)を利用したLINE連携の導入に取り組み、各チャネルの顧客情報の統一と在庫連携の強化サービスをローンチさせました。

また小売店の店頭では導線分析システムの導入を視野にいれたPOSレジの刷新や機能向上を実施し、蓄積される顧客情報を活用した提案型の顧客サービスを強化し自社ECサイトと店舗間での相互送客を実現するオムニチャネル化体制構築を進めてまいります。小売事業とEC事業の連携強化により、販売ロスの抑制、顧客満足度の向上、売上高の増加・収益向上を図ってまいります。

・ブランド統廃合とチャネル戦略に合わせたブランド展開

当社の主力ブランドである「JELLY BEANS」から派生するコラボレーションラインとして高身長の方や足の大きい方向けの「JB AKINO」を展開するなど実施してまいりました。これらの営業戦略及びマーケティング戦略を適正なチャネルで展開することにより、売上高の増加及び収益向上を図ってまいります。

・原価率の圧縮と粗利率の向上を実現する仕入施策(海外生産商品の活用)の推進

マーケット特性や顧客志向に合わせた商品開発を鮮明化し、原価率の低い海外生産商品比率を高めることで、原価率の圧縮を進め売上高の増加・収益向上を図ってまいります。

 

3.成長エンジンとしてのEC事業の強化と収益性の向上

当社主力事業である小売事業の販売方式を見直し、ECサイト販売を重視する方向で諸施策を展開してまいります。新型コロナウイルス感染症の影響による店舗販売の制約及び消費者行動の変化を受けて、ECサイト販売強化の必要性に迫られております。今後より一層の強化を図ると共に販売展開の合理化を進め、国内・海外のマーケットにて、ECサイトを活用し積極的な販売活動を実施してまいります。

 

4.日本ブランドを活用したアジア市場への参入(海外展開)

当社は、インドネシアにおいて現地法人と業務提携を行い、マーケティング調査を経て「JELLY BEANS」商品のEC販売を開始いたしました。また、台湾においては、広告代理店系の企業らとの提携により、いわゆる越境ECにより、「JELLY BEANS」商品の販売を2021年3月から開始しております。加えて、他のアジア・東南アジア諸国においても業務提携又は委託販売等による当社ブランド商品及び新商材の販売を模索している状況であります。今後当社は、より多くのアジア市場での展開を進め、日本ブランドとしての商品・新商材の販路拡大と企業価値向上を目指すことで売上高の増加・収益向上を図ってまいります。

 

5.事業領域拡大事業

既存の主力事業である小売業、卸売事業、EC事業だけでなく、主力事業に付随する新たな事業の開始及び新規事業を模索・展開していくことで将来的な売上高の増加・収益向上を図ってまいります。

・3Dスキャナー技術による新ブランド展開

当社は、オーダーシューズ事業に進出いたしました。資本業務提携先が有する3D測定技術及び3Dプリンターでの靴製造技術を当社が自社チャネルで活用し、当社の独自ブランド「Shuui」を立ち上げ販売を開始いたしました。将来的に、スマートフォンでの3D測定技術が進化・普及していき、当社のオーダーシューズ事業が新たな売上・収益となることを目指しております。

・SDGs商品販売の開始

当社は、新規事業として、生活関連領域のSDGs関連商品を主力とした商品の販売を開始いたしました。業務提携先との協議のうえ、婦人靴以外の小売事業を積極的に拡大すべきとの判断から、生活関連のマーチャンダイズを実行し、小売事業に付随する新商品・新商材の販売として新たな売上・収益となることを目指しております。

 

・アートビジネスの開始

当社は、「上野アートビレッジ」の屋号をもって、アートをテーマとした新たな事業を開始することといたしました。現代美術家の絵画作品等に投資を行います。主に、新進の現代美術家を中心とした芸術家の育成とそのマネジメント、及び今後取得する美術品の販売によるキャピタルゲイン獲得を行うことで、当社の収益獲得の機会を得ることを目的としております。

 

6.資産の処分と借入金の圧縮による財務健全化

前連結会計年度において、本社機能の圧縮及び物流業務の外部委託等に伴い、所有していた余剰不動産を売却し、借入金の圧縮及びキャッシュ・フローの改善を実施してまいりました。このため、当連結会計年度の末日において借入金残高は280百万円となり、保有現預金に対して、預金超過の状況を創出することができました。引き続き借入金の圧縮及びキャッシュ・フローの改善を図ってまいります。

 

7.財務基盤の安定化

2020年1月及び2021年4月に第三者割当による新株予約権の発行を行い、円滑な権利行使が進む中、資本の充実を図ってまいりました。また、前連結会計年度には既存取引金融機関より、新型コロナウイルス感染症特別貸付制度に基づき新たに運転資金として300百万円の借入を実行いたしました。これら調達資金の有効な活用を行い、2022年1月末には当初の懸案事項であった金融機関に返済猶予をいただいていた借入金の元本残高について全額弁済いたしました。今後も企業収益の改善に努め財務基盤の強化に取り組んでまいります。

 

8.継続した資金調達の実施

当社は、これまでに2回の新株予約権の発行による資金調達を実施しております。当連結会計年度の末日において当該新株予約権による資金調達額は1,562百万円となり、主に事業領域拡大資金等に充当しております。未行使新株予約権の調達可能額は725百万円であり、当社としては、継続して既存の新株予約権未行使分における行使状況の把握を行い、また、必要であると判断した場合は追加的な資本増強による資金調達を検討してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、それらの発生の回避、発生した場合の対応に努める方針でありますが、投資における判断は、本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、以下の記載は、全てのリスクを網羅するものではなく、また、文中における将来に関する事項は提出日(2022年4月27日)現在において、当社グループが判断したものでありますのでご留意願います。

 

(1) 継続企業の前提に関する重要事象等について

当社グループは、2016年1月期以降、売上高が減少傾向にあったところに、さらに新型コロナウイルス感染症の拡大が影響し、売上高は大きく減少、当連結会計年度を含めると4期連続した営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスの計上、並びに6期連続した親会社株主に帰属する当期純損失を計上している状況にあります。当連結会計年度においては、売上高は前連結会計年度に比較して34.2%減少し、営業損失795,345千円及び親会社株主に帰属する当期純損失861,682千円を計上いたしました。

また、当面の先行きも不透明である状況から継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

当社グループでは当該状況を解消すべく、今後2023年1月期の一定期間にわたり新型コロナウイルス感染症の影響を受けると見込み、以下の事業施策により収益性を高め、財務施策により資金繰りの改善を図ります。

 

事業施策

1.直営店舗の削減による固定費の削減

事業の採算性の向上及び効率化と、コロナ禍による人流動態の変化に対応するため、靴事業における不採算店舗の撤退を加速化させます。当連結会計年度においては直営店9店舗を閉店いたしました。今後も断続的な直営店舗の採算性の見直しを行い適切なコストの維持を図り、引き続き固定費の削減に努めてまいります。

 

2.事業収益改善

・在庫一元管理とチャネル連携によるオムニチャネル化体制の構築

小売事業及びEC事業の物流の外部委託を実行し、在庫一元管理が進んだことに伴い、今後は在庫システムと商品データベースの連携をより強化し、自社ECサイト及び店頭での効率的な在庫運用を進めてまいります。

当連結会計年度では一般に広く使われているメッセンジャーアプリLINE(LINE株式会社)を利用したLINE連携の導入に取り組み、各チャネルの顧客情報の統一と在庫連携の強化サービスをローンチさせました。

また小売店の店頭では導線分析システムの導入を視野にいれたPOSレジの刷新や機能向上を実施し、蓄積される顧客情報を活用した提案型の顧客サービスを強化し自社ECサイトと店舗間での相互送客を実現するオムニチャネル化体制構築を進めてまいります。小売事業とEC事業の連携強化により、販売ロスの抑制、顧客満足度の向上、売上高の増加・収益向上を図ってまいります。

・ブランド統廃合とチャネル戦略に合わせたブランド展開

当社の主力ブランドである「JELLY BEANS」から派生するコラボレーションラインとして高身長の方や足の大きい方向けの「JB AKINO」を展開するなど実施してまいりました。これらの営業戦略及びマーケティング戦略を適正なチャネルで展開することにより、売上高の増加及び収益向上を図ってまいります。

・原価率の圧縮と粗利率の向上を実現する仕入施策(海外生産商品の活用)の推進

マーケット特性や顧客志向に合わせた商品開発を鮮明化し、原価率の低い海外生産商品比率を高めることで、原価率の圧縮を進め売上高の増加・収益向上を図ってまいります。

 

3.成長エンジンとしてのEC事業の強化と収益性の向上

当社主力事業である小売事業の販売方式を見直し、ECサイト販売を重視する方向で諸施策を展開してまいります。新型コロナウイルス感染症の影響による店舗販売の制約及び消費者行動の変化を受けて、ECサイト販売強化の必要性に迫られております。今後より一層の強化を図ると共に販売展開の合理化を進め、国内・海外のマーケットにて、ECサイトを活用し積極的な販売活動を実施してまいります。

 

4.日本ブランドを活用したアジア市場への参入(海外展開)

当社は、インドネシアにおいて現地法人と業務提携を行い、マーケティング調査を経て「JELLY BEANS」商品のEC販売を開始いたしました。また、台湾においては、広告代理店系の企業らとの提携により、いわゆる越境ECにより、「JELLY BEANS」商品の販売を2021年3月から開始しております。加えて、他のアジア・東南アジア諸国においても業務提携又は委託販売等による当社ブランド商品及び新商材の販売を模索している状況であります。今後当社は、より多くのアジア市場での展開を進め、日本ブランドとしての商品・新商材の販路拡大と企業価値向上を目指すことで売上高の増加・収益向上を図ってまいります。

 

5.事業領域拡大事業

既存の主力事業である小売業、卸売事業、EC事業だけでなく、主力事業に付随する新たな事業の開始及び新規事業を模索・展開していくことで将来的な売上高の増加・収益向上を図ってまいります。

・3Dスキャナー技術による新ブランド展開

当社は、オーダーシューズ事業に進出いたしました。資本業務提携先が有する3D測定技術及び3Dプリンターでの靴製造技術を当社が自社チャネルで活用し、当社の独自ブランド「Shuui」を立ち上げ販売を開始いたしました。将来的に、スマートフォンでの3D測定技術が進化・普及していき、当社のオーダーシューズ事業が新たな売上・収益となることを目指しております。

・SDGs商品販売の開始

当社は、新規事業として、生活関連領域のSDGs関連商品を主力とした商品の販売を開始いたしました。業務提携先との協議のうえ、婦人靴以外の小売事業を積極的に拡大すべきとの判断から、生活関連のマーチャンダイズを実行し、小売事業に付随する新商品・新商材の販売として新たな売上・収益となることを目指しております。

・アートビジネスの開始

当社は、「上野アートビレッジ」の屋号をもって、アートをテーマとした新たな事業を開始することといたしました。現代美術家の絵画作品等に投資を行います。主に、新進の現代美術家を中心とした芸術家の育成とそのマネジメント、及び今後取得する美術品の販売によるキャピタルゲイン獲得を行うことで、当社の収益獲得の機会を得ることを目的としております。

 

財務施策

1.資産の処分と借入金の圧縮による財務健全化

前連結会計年度において、本社機能の圧縮及び物流業務の外部委託等に伴い、所有していた余剰不動産を売却し、借入金の圧縮及びキャッシュ・フローの改善を実施してまいりました。このため、当連結会計年度の末日において借入金残高は280,694千円となり、保有現預金に対して、預金超過の状況を創出することができました。引き続き借入金の圧縮及びキャッシュ・フローの改善を図ってまいります。

 

2.財務基盤の安定化

2020年1月及び2021年4月に第三者割当による新株予約権の発行を行い、円滑な権利行使が進む中、資本の充実を図ってまいりました。また、前連結会計年度には既存取引金融機関より、新型コロナウイルス感染症特別貸付制度に基づき新たに運転資金として300,000千円の借入を実行いたしました。これら調達資金の有効な活用を行い、2022年1月末には当初の懸案事項であった金融機関に返済猶予をいただいていた借入金の元本残高について全額弁済いたしました。今後も企業収益の改善に努め財務基盤の強化に取り組んでまいります。

 

3.継続した資金調達の実施

当社は、これまでに2回の新株予約権の発行による資金調達を実施しております。当連結会計年度の末日において当該新株予約権による資金調達額は1,562,160千円となり、主に事業領域拡大資金等に充当しております。未行使新株予約権の調達可能額は725,040千円であり、当社としては、継続して既存の新株予約権未行使分における行使状況の把握を行い、また、必要であると判断した場合は追加的な資本増強による資金調達を検討してまいります。

 

以上の施策をもって、当該状況の改善に全力を挙げて取り組んでまいります。

 

(2) 流行・気候等が経営成績に与える影響について

婦人靴は、流行性、季節性の高い商品であるため、ファッションの流行や気候・気温の変動により業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。また、極端な冷夏・暖冬等の異常気象の発生により、想定した商品の需要と実際の市場のニーズが異なった場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

このため、社内にクリエイティブ部門を設置しており、市場の流行に合致する商品のデザイン企画・商品選別等に努めることに加え、流行の変化によってある特定のブランドの業績が悪化した場合でも別の商品群で補うべく、旗艦ブランドである「JELLY BEANS」に続くブランドの育成、事業の展開を行う方針であります。

 

(3) 人口減少の傾向について

当社グループの商品は、主として20代から30代の女性をターゲットとした商品であり、今後、国内の市場規模は縮小傾向にあると考えられます。しかしながら、実用品としてよりもファッションアイテムとしての需要が高いこと、婦人靴市場における当社グループの成長余力は十分残されていると考えられることから、消費者のニーズに応えられる商品を提供し続けていく限り、市場規模の縮小が直ちに当社グループの事業の衰退に結びつく可能性は高くないと認識しております。

今後も、強みである企画力を活かし、消費者のニーズに合致した商品を作り続けるとともに、小売店舗の新規出店等により、現在の事業規模を維持・拡大できるものと考えておりますが、こうした施策が奏功しない場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 輸入規制緩和による影響について

靴は、使用素材によりノンレザー靴、皮革靴、布靴と大別されますが、皮革靴は関税割当(Tariff Quota(タリフクオータ)、以下TQという)制度の対象品目であり、皮革靴を輸入する業者はそのTQ枠を使用して輸入することが義務付けられております。TQ枠の設定により、国内の皮革靴業界は海外商品の過剰流入から保護されておりますが、今後、TQ枠が撤廃され完全自由化が実施された場合、ヨーロッパなど海外からの皮革靴の流入量が増加し、商品価格の低下等、靴業界に多大な影響をもたらす可能性があります。

当社グループは、ノンレザー素材の優れた加工容易性を活かし、価格訴求力よりもデザイン性を追求したノンレザー婦人靴を取扱っておりますが、TQ枠の撤廃による皮革靴市場の価格変動により、ノンレザー靴に対しても価格低下圧力が加わった場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 個人情報保護について

直営小売店やインターネット上での通信販売などにおいて取得・保有しております一般顧客の個人情報の保護につきましては、社内規程及び運用マニュアル等の整備、売場へのガイドラインの配布や社員教育等を通じ、内部管理体制を徹底するとともに、不正な外部侵入を防止するためにネットワークセキュリティーを強化するなど、個人情報が外部に流出することのないよう、十分留意しております。

しかしながら、不測の事態により個人情報の漏洩等の重大なトラブルが発生した場合、信用力の低下や、損害賠償請求等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 仕入取引について    

① 中国からの仕入について

商品は、国内メーカー、国内メーカーの中国協力工場等への生産委託(間接輸入)、中国メーカー(直接輸入)を通じて調達しております。

このうち直接輸入については、為替相場の変動、材料費の著しい変動、物流を取り巻く状況が変動した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、中国における政治体制の変更や労働コストが上昇した場合、仕入体制に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 仕入先メーカーに対する依存について

当社グループは、主に、国内及び海外生産品を問わず、ケミカルシューズ産業の集積地である兵庫県神戸市長田区に在する複数の国内メーカーより商品を調達しております。

長田地区の靴メーカーとの取引により、デザイン面、品質面、納期面、価格面等で当社の希望を満たした商品の調達が可能である一方、取引先メーカーは企業規模が小さなところが多く、何らかの障害が発生した場合や、今後、後継者不足によりメーカーの廃業等が増加した場合、仕入体制に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 知的財産権等について

① 商標権の使用について

ブランドは重要な知的財産であるとの観点から、事業展開上、必要な商標権を取得しております。しかしながら、今後海外進出を行う場合、或いは販売先が、独自の判断において日本国外で商品を流通する場合において、当社グループに先行して、第三者により同一商標の登録がなされていた場合、商標の使用が制限または禁止される可能性があります。そうした事象が発生した場合、異業種コラボレーションによる靴以外の商品を取扱う機会や、ブランド使用許諾(ライセンス)の付与による事業化の機会が制限或いは禁止されることなどにより、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、第三者が保有している同一商標の使用態様により、商標・ブランドに悪影響が及んだ場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 訴訟の可能性について

販売先が、その独自の判断において日本国外で商品を流通した場合において、それに起因・関連して当社グループが第三者の知的財産権を侵害したと判断された場合は、当該第三者から損害賠償請求や使用差止め請求等の訴えを提訴される可能性があります。このような場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 感染症の拡大について

2019年12月以降の世界各国における新型コロナウイルス感染症の拡大は、いまなおその収束の目途が立たず、先行き不透明な状態にあります。今後、新型コロナウイルス感染症に限らず、こうした感染症が拡大、継続した場合には、店舗の休業等による消費への影響に加え、プロモーション、生産スケジュール等へ影響し、ひいては業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、ステークホルダーの安全を最優先に考え、衛生管理の徹底や政府・自治体からの要請に基づいた勤務体制導入や事業の運営等の取り組みを継続してまいります。また、事業面においては、影響を最小限のものとすべく、情報収集と臨機応変な対応を継続してまいります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における婦人靴業界は、前連結会計年度から継続して新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けており、ワクチン接種の進行に伴い景況は一旦持ち直しの動きがみられたものの感染症の再拡大への懸念から弱さを残し、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

このような状況において、当社グループでは当連結会計年度に、本店の移転、希望退職者の募集等、経営内容の変革を前提とした経営合理化策を積極的に実施するとともに、芸能業界に強みのある提携先と協業し人気インフルエンサーを起用した新ブランド「eclil」(エクリル)の販売を2021年10月より店舗およびECにて開始し、独自の計測システムと3Dプリンターの技術利用によるオーダーメイドシューズブランド「shuui」(シュウイ)を立ち上げ、新施策の実施を加速度的に行ってまいりました。また、従来の婦人靴事業に依存する体制からの脱却を目指し、アートビジネスやゲーム関連事業への展開を決定し、新たな事業体制の構築に踏み出しております。

これらの結果、売上高1,568百万円(前年同期比34.2%減)、営業損失795百万円(前年同期は788百万円の営業損失)、経常損失782百万円(前年同期は801百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失861百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失786百万円)となりました。

当連結会計年度におけるセグメントの経営成績は以下のとおりであります。

 

(小売事業)

小売事業におきましては、路面店型の店舗を本店1階(東京都台東区)に新設しました。また、新たな事業として環境に配慮して製造されたサステナブル商品の取り扱いを中心とした生活関連領域における商品の販売を行う店舗を本店2階に新設いたしました。

事業採算の効率化とコロナ禍による人流動態の変化に対応するため、不採算店舗を9店閉店し、これにより当連結会計年度の末日である2022年1月31日現在における直営店舗数は22店舗(前年同期は29店舗)となりました。その結果、小売事業における売上高は948百万円(前年同期比33.7%減)と大きく減少しましたが、前述の不採算店舗の整理による経費項目の削減効果から、営業損失は269百万円(前年同期は営業損失262百万円)と前年同水準に留まりました。

 

(EC事業)

EC事業におきましては、JELLY BEANS からのコラボレーションラインとして展開したJB AKINO(ジェービーアキノ)の発売、SNS販促の強化、自社サイトへのスタッフスタイリングやカスタマーレビュー掲載の実装、スマートフォンUIの改善などに努めましたが、在庫の適正化に伴う値下げ販売や新規顧客獲得の減少、リピート率の低下等の影響により、想定目標を下回る結果となりました。また、インドネシア・台湾におけるEC事業について、テスト販売やプロモーションを経て、本格販売を開始しました。インドネシアでの販売については緩やかな滑り出しとなったものの、台湾ではSNSのプロモーション効果等により比較的堅調なスタートとなりました。その結果、EC事業における売上高は419百万円(前年同期比13.2%減)、営業利益53百万円(前年同期比19.6%減)となりました。

 

(卸売事業)

卸売事業におきましては、事業規模を縮小させる方針で取り組んだ結果、経費削減効果等もあり、売上高は200百万円(前年同期比57.4%減)、営業利益は23百万円(前年同期比73.6%増)となりました。

 

当連結会計年度末における財政状態は以下のとおりであります。

(流動資産)

当連結会計年度における流動資産の残高は、820百万円(前連結会計年度は1,246百万円)となり、425百万円減少しました。主な理由は、現金及び預金の減少(875百万円から476百万円へ398百万円減)、受取手形及び売掛金の減少(221百万円から137百万円へ83百万円減)及び未収消費税等の増加(70百万円増)であります。

 

(固定資産)

当連結会計年度における固定資産の残高は、128百万円(前連結会計年度は126百万円)となり、1百万円増加しました。主な理由は、固定資産の取得による増加(27百万円増)及び減価償却による減少(1百万円減)、投資有価証券の取得による増加(8百万円増)及び減損損失による減少(26百万円減)であります。

 

(流動負債)

当連結会計年度における流動負債の残高は、314百万円(前連結会計年度は864百万円)となり、550百万円減少しました。主な理由は、1年内返済予定の長期借入金の減少(312百万円から33百万円へ279百万円減)、短期借入金の減少(206百万円減)及び電子記録債務の減少(91百万円から16百万円へ74百万円減)であります。

 

(固定負債)

当連結会計年度における固定負債の残高は、312百万円(前連結会計年度は442百万円)となり、129百万円減少しました。主な理由は、長期借入金の減少(338百万円から247百万円へ91百万円減)、退職給付に係る負債の減少(85百万円から54百万円へ30百万円減)及びリース債務の減少(14百万円から4百万円へ9百万円減)であります。

 

(純資産)

当連結会計年度における純資産の残高は、322百万円(前連結会計年度は66百万円)となり、256百万円増加しました。主な理由は、新株予約権の行使による株式の発行に伴い資本金、資本準備金がそれぞれ555百万円増加及び親会社株主に帰属する当期純損失の計上861百万円であります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて399百万円減少し、467百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、使用した資金は886百万円(前年同期は638百万円の支出)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純損失842百万円、仕入債務の減少額57百万円及び未払金の減少額39百万円に対し、売上債権の減少額83百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は31百万円(前年同期は1,137百万円の収入)となりました。

これは主に、定期預金の預入による支出17百万円、無形固定資産の取得による支出16百万円及び有形固定資産の取得による支出8百万円に対し、定期預金の払戻による収入17百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、獲得した資金は513百万円(前年同期は154百万円の支出)となりました。

これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,105百万円に対し、長期借入金の返済による支出370百万円及び短期借入金の返済による支出206百万円によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(仕入実績)

当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。なお、仕入実績はセグメントごとに把握することが困難であるため、取扱品目の合計額を記載しております。

 

品目別

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

婦人靴

774,721

△36.6

その他

16,452

合計

791,173

△35.3

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.その他は絵画等であり、当連結会計年度より開始した事業のため、前年同期比を記載しておりません。

4.当連結会計年度における婦人靴の仕入実績の著しい変動は、事業規模の縮小によるものであります。

 

 

(販売実績)

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

婦人靴

 

 

卸売事業

200,167

△57.4

小売事業

948,765

△33.7

EC事業

419,423

△13.2

合計

1,568,356

△34.2

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度における婦人靴の販売実績の著しい変動は、事業規模の縮小によるものであります。

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
イ 売上高

当連結会計年度の売上高は1,568百万円(前年同期比34.2%減)となりました。セグメントごとに見ると、卸売事業で200百万円(前年同期比57.4%減)、小売事業で948百万円(前年同期比33.7%減)、EC事業で419百万円(前年同期比13.2%減)となりました。卸売事業では、事業規模を縮小させる方針で取り組み、また、小売事業では事業の採算性の向上及び効率化と、コロナ禍による人流動態の変化に対応するため不採算店舗の撤退を行い売上が低下しました。

 

ロ 売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、売上総利益率は8.7Pt増加しており、不採算店舗の撤退による影響が大きく、前連結会計年度より215百万円減少し、811百万円(前年同期比21.0%減)となりました。

 

ハ 販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より208百万円減少し、1,607百万円(前年同期比11.5%減)となりました。減少の主な要因は店舗の退店等により固定費が減少したこと等によります。

 

ニ 営業利益

営業利益は、前連結会計年度より7百万円減少し、△795百万円(前年同期は△788百万円の営業損失)となりました。前述の売上高減による売上総利益減少によるものであります。

 

ホ 経常利益

経常利益は、前連結会計年度より18百万円増加し、△782百万円(前年同期は△801百万円の経常損失)となりました。増加の主な要因は新株予約権発行費の減少によるものであります。

 

へ 特別損失

特別損失は、前連結会計年度より47百万円減少し、59百万円(前年同期比44.2%減)となりました。減少の主な要因は、前連結会計年度に事業構造改善引当金繰入額33百万円を計上したものの、当連結会計年度は計上していないこと、また、臨時休業による損失が32百万円減少したことによるものであります。

 

ト 親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より75百万円減少し、△861百万円(前年同期は△786百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

(財政状態)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ423百万円減少し、948百万円となりました。

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ680百万円減少し、626百万円となりました。

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ256百万円増加し、322百万円となりました。

主な増減内容については、『(1)経営成績等の状況の概要』に記載のとおりであります。

以上の結果、財務指標としては自己資本比率が前連結会計年度の4.7%から33.5%に上昇しております。

 

(経営戦略の現状と見通し)

経営戦略の現状と見通しについては、『経営方針、経営環境及び対処すべき課題等』にて報告しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に新規事業に係るものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

運転資金及び設備投資資金の調達につきましては、これまで金融機関からの長期借入を基本として行っておりましたが、2022年1月までの返済猶予をいただいていた経緯に鑑みると、金融機関からの借入を完済したというものの、長期借入は現実的な選択肢ではなく、従って、当社グループは直接金融による資金調達方法を検討し、第三者割当による新株予約権発行が最も現実的であり最適であるとの判断から新株予約権の発行、行使による機動的で柔軟な資金調達を実行しております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は294百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は467百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。