当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
重要事象等について
当社グループは、2016年1月期以降、売上高が減少傾向にあったところに、さらに新型コロナウイルス感染症の拡大が影響し、売上高は大きく減少、前連結会計年度を含めると4期連続した営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスの計上、並びに6期連続した親会社株主に帰属する当期純損失を計上している状況にあります。当第3四半期連結累計期間においては、売上高は1,129,646千円で前第3四半期連結累計期間に比較して5.1%減少し、営業損失448,194千円及び親会社株主に帰属する四半期純損失496,697千円を計上いたしました。
また、当面の先行きも不透明である状況から継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社グループでは当該状況を解消すべく、当連結会計年度の一定期間にわたり新型コロナウイルス感染症の影響を受けると見込み、以下の事業施策により収益性を高め、財務施策により資金繰りの改善を図ります。
事業施策
1.直営店舗の削減による固定費の削減
事業の採算性の向上及び効率化と、コロナ禍による人流動態の変化に対応するため、靴事業における不採算店舗の撤退を加速化させます。当第3四半期連結累計期間においては直営店15店舗を閉店いたしました。今後も断続的な直営店舗の採算性の見直しを行い適切なコストの維持を図り、引き続き固定費の削減に努めてまいります。
2.事業収益改善
・在庫一元管理とチャネル連携によるオムニチャネル化体制の構築
小売事業及びEC事業の物流の外部委託を実行し、在庫一元管理が進んだことに伴い、今後は在庫システムと商品データベースの連携をより強化し、自社ECサイト及び店頭での効率的な在庫運用を進めてまいります。
すでに一般に広く使われているメッセンジャーアプリLINE(LINE株式会社)を利用したLINE連携の導入に取り組み、各チャネルの顧客情報の統一と在庫連携の強化サービスを開始しております。
また、小売店の店頭では導線分析システムの導入を視野にいれたPOSレジの刷新や機能向上を実施し、蓄積される顧客情報を活用した提案型の顧客サービスを強化し自社ECサイトと店舗間での相互送客を実現するオムニチャネル化体制構築を進めてまいります。小売事業とEC事業の連携強化により、販売ロスの抑制、顧客満足度の向上、売上高の増加・収益向上を図ってまいります。
・ブランド統廃合とチャネル戦略に合わせたブランド展開
当社の主力ブランドである「JELLY BEANS」から派生するコラボレーションラインとして高身長の方や足の大きい方向けの「JB AKINO」を展開するなど実施してまいりました。これらの営業戦略及びマーケティング戦略を適正なチャネルで展開することにより、売上高の増加及び収益向上を図ってまいります。
・原価率の圧縮と粗利率の向上を実現する仕入施策(海外生産商品の活用)の推進
マーケット特性や顧客志向に合わせた商品開発を鮮明化し、原価率の低い海外生産商品比率を高めることで、原価率の圧縮を進め売上高の増加・収益向上を図ってまいります。
3.成長エンジンとしてのEC事業の強化と収益性の向上
当社主力事業である小売事業の販売方式を見直し、ECサイト販売を重視する方向で諸施策を展開してまいります。新型コロナウイルス感染症の影響による店舗販売の制約及び消費者行動の変化を受けて、ECサイト販売強化の必要性に迫られております。今後より一層の強化を図ると共に販売展開の合理化を進め、国内・海外のマーケットにて、ECサイトを活用し積極的な販売活動を実施してまいります。
4.日本ブランドを活用したアジア市場への参入(海外展開)
当社は、インドネシアにおいて現地法人と業務提携を行い、マーケティング調査を経て「JELLY BEANS」商品のEC販売を開始いたしました。また、台湾においては、広告代理店系の企業らとの提携により、いわゆる越境ECにより、「JELLY BEANS」商品の販売を2021年3月から開始しております。加えて、他のアジア・東南アジア諸国においても業務提携又は委託販売等による当社ブランド商品及び新商材の販売を模索している状況であります。今後当社は、より多くのアジア市場での展開を進め、日本ブランドとしての商品・新商材の販路拡大と企業価値向上を目指すことで売上高の増加・収益向上を図ってまいります。
5.事業領域拡大事業
既存の主力事業である小売業、卸売事業、EC事業だけでなく、主力事業に付随する新たな事業の開始及び新規事業を模索・展開していくことで将来的な売上高の増加・収益向上を図ってまいります。
・SDGs商品販売の開始
当社は、新規事業として、生活関連領域のSDGs関連商品を主力とした商品の販売を開始いたしました。業務提携先との協議のうえ、婦人靴以外の小売事業を積極的に拡大すべきとの判断から、生活関連のマーチャンダイズを実行し、小売事業に付随する新商品・新商材の販売として新たな売上・収益となることを目指しております。
・アートビジネスの開始
当社は、「上野アートビレッジ」の屋号をもって、アートをテーマとした新たな事業を開始いたしました。現代美術家の絵画作品等に投資を行います。主に、新進の現代美術家を中心とした芸術家の育成とそのマネジメント、及び今後取得する美術品の販売によるキャピタルゲイン獲得を行うことで、当社の収益獲得の機会を得ることを目的としております。
財務施策
1.資産の処分と借入金の圧縮による財務健全化
当社は、本社機能の圧縮及び物流業務の外部委託等に伴い、所有していた余剰不動産を売却し、借入金の圧縮及びキャッシュ・フローの改善を実施してまいりました。このため、当四半期連結会計年度の末日において借入金残高は255,872千円となり、保有現預金に対して、預金超過の状況を創出することができました。引き続き借入金の圧縮及びキャッシュ・フローの改善を図ってまいります。
2.財務基盤の安定化
2020年1月、2021年4月及び2022年4月に第三者割当による新株予約権の発行を行い、円滑な権利行使が進む中、資本の充実を図ってまいりました。また、2020年7月には既存取引金融機関より、新型コロナウイルス感染症特別貸付制度に基づき新たに運転資金として300,000千円の借入を実行いたしました。これら調達資金の有効な活用を行い、2022年1月末には当初の懸案事項であった金融機関に返済猶予をいただいていた借入金の元本残高について全額弁済いたしました。今後も企業収益の改善に努め財務基盤の強化に取り組んでまいります。
3.継続した資金調達の実施
当社は、これまでに3回の新株予約権の発行による資金調達を実施しております。当四半期連結会計年度の末日において当該新株予約権による資金調達額は1,996,920千円となり、主に事業領域拡大資金等に充当しております。未行使新株予約権の調達可能額は2,282,280千円であり、当社としては、継続して既存の新株予約権未行使分における行使状況の把握を行い、また、必要であると判断した場合は追加的な資本増強による資金調達を検討してまいります。
以上の施策をもって抜本的な改善をしていく予定でおりますが、事業施策及び財務施策の実現可能性は市場の状況、需要動向等の今後の外部環境の影響を受け、新株予約権による調達について行使が確約されるものではなく、さらに、新型コロナウイルス感染症の収束時期については予測が困難であることから、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化するなか、消費活動に緩やかな回復の兆しがみられましたが、新たな変異株による感染が再拡大するなど依然として先行きは不透明な状況となっております。
また、ロシア・ウクライナ問題の長期化や急激な円安の進行、エネルギー価格等の高騰によるインフレ圧力の高まりもあり、今後の景気停滞が懸念されております。なお、当社が取り扱う商品の生産地である中国では、一部の都市でロックダウンを余儀なくされ、協力工場の操業停止により生産、物流へ大きな影響を及ぼしました。
婦人靴業界におきましては、生活様式の変化や物価高騰を背景にした個人の消費スタイルが、より慎重なものに変化するなど、婦人靴の市場規模は縮小傾向にあり、引き続き厳しい経営環境が続いております。
このような状況の中、当第3四半期連結累計期間につきましては、事業再生のための基盤を整えたうえで、事業モデルの変革に向けた取り組みを強化しました。
これらの結果、売上高1,129百万円(前年同四半期5.1%減)、営業損失448百万円(前年同四半期は559百万円の営業損失)、経常損失485百万円(前年同四半期は547百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失496百万円 (前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失589百万円)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」 (企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は139百万円増加し、営業損失、経常損失はそれぞれ13百万円増加しております。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメントの経営成績は以下のとおりであります。なお、第1四半期連結累計期間より、多角化戦略として推進する婦人靴以外の事業について、新たなセグメント「その他事業」として開示しております。また、セグメントの経営成績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。
小売事業におきましては、天王寺MIO店をリニューアルオープンしました。一方、イオンモール名取店、シャミネ松江店、その他13店舗を閉店いたしました。これにより当第3四半期連結累計期間の末日である10月31日現在における直営店舗数は7店舗(前年同期は27店舗)となりました。また、不採算店舗の整理による経費項目の削減効果から、小売事業における売上高は574百万円(前年同四半期19.7%減)、営業損失は101百万円(前年同四半期は営業損失196百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は79百万円、営業損失は7百万円それぞれ増加しております。
EC事業におきましては、継続してSNSを経由した顧客コミュニケーションの強化や販促、サイトへの流入を促す広告の強化、自社サイトでは新規会員の獲得とその維持のための施策を積極的に行いました。自社サイトの信頼度と顧客ロイヤリティー向上のため、クレジットカードの不正利用対策を強化し、返品・サイズ交換の送料を一部無料化するサービスを開始致しました。また過剰生産からの脱却を目指して、靴デザインやパーツなどを好きな組み合わせで作れるカスタムオーダーシューズの販売を開始致しました。その結果、EC事業における売上高は465百万円(前年同四半期47.1%増)、営業利益65百万円(前年同四半期47.1%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は60百万円増加し、営業利益は6百万円減少しております。
卸売事業におきましては、前連結会計年度に事業規模を縮小させる方針で取り組み、当第3四半期連結累計期間では、提案型の営業に注力しましたが、今期中に同事業からの撤退を予定しています。その結果、売上高は83百万円(前年同四半期47.1%減)、営業利益は7百万円(前年同四半期63.3%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響はありません。
(その他事業)
その他事業におきましては、上野アートビレッジにおける美術品の販売や女性日本画家の個展を開催致しました。美術品は、作品の一部をNFT化して販売するなど事業拡大に向けた取り組みを行いました。Kuromon Sustainable SquareにおけるSDGs関連商品の販売では、ECサイトを新規開設するなど取り組みを強化したほか、インバウンド顧客向け販売を強化するため、専門業者との連携を進めました。またゲーム事業においては、靴をテーマにしたタイムマネージメント型のゲームのリリースに向けて開発を進めております。その結果、売上高は6百万円、営業損失は4百万円となりました。なお、第1四半期連結会計年度から開示している事業区分のため前年同期比は記載しておらず、収益認識会計基準等の適用による影響はありません。
なお、セグメントを横断する取り組みとして、9月に「JELLY BEANSの秋冬物新作コレクションショー inメタバース」を開催しました。今後もメタバース空間を活用し、各セグメントにおける売上高の増加に寄与するよう取り組んでまいります。
当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、769百万円(前連結会計年度末は820百万円)となり、50百万円減少しました。主な理由は、未収消費税等の減少(70百万円から20百万円へ50百万円減)、現金及び預金の減少(476百万円から452百万円へ23百万円減)及び受取手形及び売掛金の減少(137百万円から120百万円へ16百万円減)に対して、商品及び製品の増加(126百万円から163百万円へ37百万円増)であります。
また、固定資産の残高は、85百万円(前連結会計年度末は128百万円)となり、42百万円減少しました。主な理由は、差入保証金の減少(118百万円から54百万円へ64百万円減)に対して、無形固定資産の取得による増加(13百万円)であります。
当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、318百万円(前連結会計年度末は314百万円)となり、4百万円増加しました。主な理由は、未払金の増加(111百万円から136百万円へ24百万円増)に対して、未払法人税等の減少(27百万円から13百万円へ14百万円減)、株主優待引当金の減少(55百万円から43百万円へ12百万円減)であります。
また、固定負債の残高は、271百万円(前連結会計年度末は312百万円)となり、40百万円減少しました。主な理由は、長期借入金の減少(247百万円から222百万円へ24百万円減)、退職給付に係る負債の減少(54百万円から47百万円へ7百万円減)であります。
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、265百万円(前連結会計年度末は322百万円)となり、57百万円減少しました。主な理由は、新株予約権の行使による新株の発行に伴い資本金、資本準備金がそれぞれ218百万円増加に対して、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上496百万円によるものであります。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
該当事項はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。