当社は、2016年1月期以降、売上高が減少傾向にあったところに、さらに新型コロナウイルス感染症の拡大が影響し、売上高は大きく減少、当事業年度を含めると5期連続した営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスの計上、並びに7期連続した当期純損失を計上している状況にあります。当事業年度においては、売上高は1,393,523千円で前事業年度に比較して11.1%減少し、営業損失623,033千円及び当期純損失685,741千円を計上いたしました。
また、当面の先行きも不透明である状況から継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社では当該状況を解消すべく、以下の事業施策により収益性を高め、財務施策により資金繰りの改善を図ります。
事業施策
1.直営店舗の最小化による固定費の削減
事業の採算性の向上及び効率化のため、靴事業における不採算店舗の撤退を加速化させ、必要最小限の直営店舗数とします。当事業年度においては16店舗を閉店し、直営店舗数は5店舗となりましたが、来期はさらに閉店を進めます。EC事業の売上が婦人靴事業の中核となる中で、直営店舗の位置づけを見直し、お客様との接点を活かしながらブランドを発信する拠点として運営します。
2.事業収益改善
2023年3月に筆頭株主となったネットプライス社の支援を受けながら、これまで取り組んできたオムニチャネル化体制を一層強化するとともに、ブランド展開の見直し、セールスプロモーションの強化に取り組み、事業収益を改善させます。
3.成長エンジンとしてのEC事業の強化
これまで、当社主力事業であった小売事業を縮小させ、ECサイト販売を重視する方向で諸施策を展開した結果、EC事業は一定の伸びを示してきましたが、収支均衡をはかるにはさらに成長を加速させなければなりません。これまで進めてきた海外事業(インドネシア、台湾)からは撤退し、今後、利益率の高い国内の自社ECサイトにリソースを集中させ、積極的な販売活動を実施してまいります。
4.事業領域拡大事業
既存の主力事業である小売業、EC事業だけでなく、主力事業に付随する新たな事業の開始及び新規事業を模索・展開していくことで将来的な売上高の増加・収益向上を図ってまいります。
・SDGs商品販売の開始
当社は、新規事業として、生活関連領域のSDGs関連商品を主力とした商品の販売を2021年8月から開始いたしました。業務提携先との協議のうえ、婦人靴以外の小売事業を積極的に拡大すべきとの判断から、生活関連のマーチャンダイズを実行し、小売事業に付随する新商品・新商材の販売として新たな売上・収益となることを目指しております。
・アートビジネスの開始
当社は、「上野アートビレッジ」の屋号をもって、アートをテーマとした新たな事業を2021年11月から開始いたしました。現代美術家の絵画作品等に投資を行います。主に、新進の現代美術家を中心とした芸術家の育成とそのマネジメント、及び今後取得する美術品の販売によるキャピタルゲイン獲得を行うことで、当社の収益獲得の機会を得ることを目的としております。
・インバウンド関連事業の開始
当社は、2022年7月に上野本社にて免税店販売許可を取得し、インバウンド関連事業を開始いたしました。2022年12月には時計、バッグなど高級ブランド商品の販売を取り扱う店舗「BRAND HUNTER 上野店」がオープンし、2023年以降の本格的な需要回復を念頭に、お土産や地方の名産品など商品ラインナップを充実させていきます。
財務施策
1.資産の処分と借入金の圧縮による財務健全化
当社は、本社機能の圧縮及び物流業務の外部委託等に伴い、所有していた余剰不動産を売却し、借入金の圧縮及びキャッシュ・フローの改善を実施してまいりました。このため、当事業年度の末日において借入金残高は247,598千円となり、保有現預金に対して、預金超過の状況を創出することができました。引き続き借入金の圧縮及びキャッシュ・フローの改善を図ってまいります。
2.財務基盤の安定化
2020年1月、2021年4月及び2022年4月に第三者割当による新株予約権の発行を行い、円滑な権利行使が進む中、資本の充実を図ってまいりました。なお、2023年2月には第3回新株予約権のうち250個がネットプライス社に譲渡され、2023年3月8日にそのうち100個が行使され、新たに249,000千円が資本勘定に充当されました。
2020年7月には既存取引金融機関より、新型コロナウイルス感染症特別貸付制度に基づき新たに運転資金として300,000千円の借入を実行いたしました。これら調達資金の有効な活用を行い、2022年1月末には当初の懸案事項であった金融機関に返済猶予をいただいていた借入金の元本残高について全額弁済いたしました。今後も企業収益の改善に努め財務基盤の強化に取り組んでまいります。
3.継続した資金調達の実施
当社は、これまでに3回の新株予約権の発行による資金調達を実施しております。当事業年度の末日において当該新株予約権による資金調達額は2,051,700千円となり、主に事業領域拡大資金等に充当しております。なお、ネットプライス社が2023年3月8日に行使した100個分を除く、未行使新株予約権の調達可能額は1,978,500千円であり、当社としては、継続して既存の新株予約権未行使分における行使状況の把握を行い、また、必要であると判断した場合は追加的な資本増強による資金調達を検討してまいります。
以上の施策をもって抜本的な改善をしていく予定でおりますが、事業施策及び財務施策の実現可能性は市場の状況、需要動向等の今後の外部環境の影響を受け、新株予約権による調達について行使が確約されるものではないことから、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。
なお、財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表に反映しておりません。
1.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの……決算日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により
処理し、売却原価は総平均法により算定)
市場価格のない株式等……総平均法による原価法
(2) 棚卸資産の評価基準及び評価方法
商品及び製品……先入先出法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定率法によっております。
ただし、2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法を採用しております。
なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。
建物 10年~15年
工具、器具及び備品 3年~15年
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっております。
なお、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づいております。
(3) リース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、また、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上しております。
(3) 返品調整引当金
商品の返品に伴う損失に備えるため、返品の実績率により、損失見込額を計上しております。
(4) 株主優待引当金
株主優待制度に基づく費用発生に備えるため、その発生見込み額を計上しております。
4.収益及び費用の計上基準
当社の顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりであります。
(1) 商品の販売
当社の顧客との契約から生じる履行義務は、顧客に靴等の商品を引き渡す義務であり、小売事業においては、顧客へ商品の引き渡した時点で商品の支配が顧客に移転すると判断していることから、引き渡し時点で収益を認識しております。また、EC事業及び卸売事業においては、出荷時から商品の支配が顧客に移転されるまでの期間が通常の期間であるため、「収益認識に関する会計基準の適用指針」第98項に定める代替的な取扱いを適用し、出荷時点で収益を認識しております。
(2) 自社ポイント
商品の販売時に顧客に付与したポイントについては、付与したポイントに将来の失効見込みを考慮して算定した金額を契約負債として計上し、顧客がポイントを利用した時点で当該契約負債を取り崩し、収益を認識しております。
(重要な会計上の見積り)
棚卸資産の評価
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:千円)
(2)会計上の見積りの内容に関する情報
連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)棚卸資産の評価」に記載した内容と同一であります。
(収益認識に関する会計基準等の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等を当事業年度の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスとの交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することとしております。収益認識会計基準等の適用による主な変更点は以下のとおりです。
(1) 委託販売
百貨店等への委託販売については、当社の委託先への卸価格により売上計上しておりましたが、当社の商品を購入する一般消費者を顧客として認識し、当社の商品を顧客に引き渡した時点で、当該商品との交換に受け取る対価で収益を認識するため、小売価格により売上計上し、委託先に対する手数料を販売費及び一般管理費に計上する方法に変更しております。
(2) 自社ポイント
当社は、自社ECサイトにおいて顧客への販売時にポイントを付与するカスタマー・ロイヤリティ・プログラムでのサービスの提供について、従来は、付与したポイントの利用時に「売上値引」として会計処理を行っておりましたが、付与したポイントに将来の失効見込みを考慮して算定された金額を契約負債として計上し、ポイント利用時に当該契約負債を取り崩し、収益を認識する方法に変更しております。
(3) 他社ポイント
当社は、百貨店等において当社商品を購入した際に百貨店等のポイント(他社ポイント)を顧客に付与する場合、従来は他社ポイントを「販売促進費」として販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、他社に支払うポイント相当額は第三者のために回収する額として未払金に計上し、その未払金を除外した金額を売上として収益を認識する方法に変更しております。
収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っており、当事業年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当事業年度の期首の繰越利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。
この結果、収益認識会計基準等の適用を行う前と比べて、当事業年度の貸借対照表において、契約負債は10,584千円増加し、繰越利益剰余金の期首残高は8,081千円減少しております。当事業年度の損益計算書において、売上高は191,316千円増加し、販売費及び一般管理費は193,819千円増加し、営業損失、経常損失及び税引前当期純損失はそれぞれ2,503千円増加しております。
当事業年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、株主資本等変動計算書の繰越利益剰余金の期首残高は8,081千円減少しております。
当事業年度の1株当たり純資産額は1円11銭減少し、1株当たり当期純損失は0円29銭増加しております。
なお、収益認識会計基準第89-3項に定める経過的な取扱いに従って、前事業年度に係る「収益認識関係」注記については記載しておりません。
(時価の算定に関する会計基準等の適用)
「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号 2019年7月4日。以下「時価算定会計基準」という。)等を当事業年度の期首から適用し、時価算定会計基準第19項及び「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号 2019年7月4日)第44-2項に定める経過的な取扱いに従って、時価算定会計基準等が定める新たな会計方針を、将来にわたって適用することとしております。なお、財務諸表に与える影響はありません。
(損益計算書関係)
前事業年度において、「営業外収益」の「その他」に含めておりました「受取給付金」は、金額的重要性が増したため、当事業年度において独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前事業年度の損益計算書において、「営業外収益」の「その他」に表示しておりました1,377千円は、「受取給付金」600千円、「その他」777千円として組替えております。
※1.関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分表示されたものを除く)
※1.関係会社との取引高
※2.販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度77%、当事業年度73%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度23%、当事業年度27%であります。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。
前事業年度(2022年1月31日現在)
関係会社出資金は、市場価格がなく時価を把握することが極めて困難と認められるため、関係会社出資金の時価を記載していません。
なお、時価を把握することが極めて困難と認められる関係会社出資金の貸借対照表計上額は次のとおりです。
当事業年度(2023年1月31日現在)
関係会社出資金は、市場価格のない株式等のため、関係会社出資金の時価を記載していません。
なお、市場価格のない株式等の関係会社出資金の貸借対照表計上額は次のとおりです。
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
前事業年度(2022年1月31日)
税引前当期純損失を計上しているため、注記を省略しております。
当事業年度(2023年1月31日)
税引前当期純損失を計上しているため、注記を省略しております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)」に同一の内容を記載しているので、注記を省略しております。
当事業年度の末日後、2023年4月26日までの間に第3回新株予約権の一部行使が行われており、当該新株予約権の行使により発行した株式の概要は以下のとおりであります。
なお、当社は2023年2月21日付の取締役会において、上記の行使により交付される当社株式について、会社法第124条第4項に基づき、2023年4月開催予定の定時株主総会に最も近い時点での株主の意思を当該株主総会に反映させたいとの判断から、基準日後の株主である当該割当先(株)ネットプライスに議決権の付与を認める旨の決議を行っております。
当社は2023年4月11日付の取締役会において、(株)ネットプライスとの業務提携に関する契約を締結する旨の決議を行い、同日付で業務提携契約を締結しました。当社は新型コロナウィルスが蔓延したこと等により、直営不採算店舗の削減を進め、今後はECでの販売に主眼を置くことによって企業再生を図っていく計画です。(株)ネットプライスはこのような当社の事業リストラ等に理解を示すとともに、保有するサプライヤーネットワークや顧客基盤、Eコマース事業のノウハウ等を活かしながら、当社の成長戦略をサポートする意向を示しており、業務提携に関する契約書を締結することとなりました。具体的には、(株)ネットプライスが当社顧客層に適した商品や消費者の購買体験を躍動させる手法などのノウハウを提供することで、当社の顧客層の拡大と多様化を図ります。また、中長期的には、システムや倉庫・物流の基盤最適化を進めるなど、商品流通プラットフォームの変革を検討し、両社共通の事業シナジーを追求してまいります。当該業務提携の主な内容は以下のとおりであります。
①(株)ネットプライスは、同社の300万人超の会員への告知により、当社商品の販売支援を行う。また、(株)ネットプライスは、そのサプライヤー商品のうちから、ファッション、美容関連等、当社顧客層に適した商品を当社サイトで販売する。
②(株)ネットプライスは、当社ECサイトにおける消費者購買行動分析を行い、適切なアドバイスを当社へ提供するとともに必要に応じて専門人材を当社に派遣する。
③当社は、ECサイトで受注した婦人靴の発送に際して、必要に応じて(株)ネットプライスのプロモーションアイテムを同梱することによって、(株)ネットプライスの販売を支援する。また、当社のLINE会員等デジタルでの告知が可能な顧客に対しても(株)ネットプライスが販売する商品への購買誘致を支援する。
なお、当該業務提携による業績への影響は現在精査中であります。