第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

下記の文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「すべては『信頼』と『誠実』から始まり人と社会に認められる価値を創造する」を経営の基本理念としております。この理念実現のため、グループ傘下の事業子会社の営業拠点を活用し、国内はもとより海外からもお客様のニーズを汲み上げるとともに、これらに応える商品の企画、研究開発、製造及び販売をすることを基本方針としております。

特に、戦略的なコアとなる事業領域を、セキュリティ市場及びニッチ市場に絞り込み、これらの市場に向けて他社に先駆けた商品及びビジネスモデルの提供をしてまいります。また、節電・省エネシステムの開発及び販売、製品・サービスのIoT化、AI化にも注力し、市場における競争力強化、新規市場の開拓を図ります。このための重要施策として、積極的なM&A及び業務提携を行い、商品開発力及び営業力の強化を図ることにより、事業の更なる拡大を目指してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、商社部門とメーカー部門が共存しており、売上高は両部門のバランスにより変動することから、経営計画においては、営業利益に絶対値目標を定め、経営を推進しております。また、当社は引き続き成長に向けてM&Aを強化する方針です。このため、短期的にはのれん代償却等により利益が変動する可能性がありますが、長期的にはEPSを重要な経営指標と設定し、その最大化に努めてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、高い収益力と安定性を確保することを中長期的な経営戦略の柱に置いて、変化の激しい業界に対応してまいります。このためにM&Aを重要な経営上の戦略手段と位置付けており、これからも積極的にM&Aに取り組む方針です。

なお、M&Aによる事業参入及び撤退基準として明確な数値基準は設けておりませんが、事業の成長スピード・市場シェア・安定性等を基準に判断しております。撤退検討に際しては、一律の撤退基準を設けている訳ではなく、それぞれの事業における定性的リスク(例えば人材獲得等)を鑑み判断しております。また、中長期的な企業価値最大化の観点から、成長事業においても、状況や必要に応じて、事業売却等も行い、獲得した資金等を新たな成長分野に投じる方針を有しており、随時、事業ポートフォリオの見直しを行っております。

 

(4)経営環境

社会経済活動が正常化したことで、インバウンド需要が回復し、雇用・所得環境が改善する中、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、円安進行などによる物価上昇、中東情勢の悪化やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中国経済の低迷等、先行きは不透明な状況が続いております。

そのような全般的な経営環境の下、セキュリティ機器事業につきましては、安定したマンション向けの更新需要をベースに、企業や施設間でのセキュリティ性向上への関心の高まりや「見える化」ニーズの増加に加え、新規建設需要、リニューアル、増設等の需要が見込まれております。一方、技術革新要素としては、映像圧縮方式・光学技術・クラウドシステム化・AIの活用など業界の根本での急激かつ大きな変化が起こりつつあります。

カード・その他事務用機器事業につきましては、その他事務用機器事業における鉄構業界向けの専用CADソフト販売がゼネコン向けBIM(Building Information Modeling)を含めて堅調な需要が見込まれております。一方、カード機器事業においては、病院向け事業は、診察券即時発行機のリプレースに安定した需要があり、金融機関向け事業等においては、キャッシュカード即時発行対応等の地域金融機関のサービス強化に伴う新規投資需要が見込まれております。

情報機器事業につきましては、業務用カッティングマシン事業については、既に国内・海外市場共に成熟しておりますが、新たな主力商品となったコンシューマ向けカッティングマシンの、主に海外市場における販売拡大が見込まれます。足元では欧米諸国の個人消費の冷え込みの影響等により厳しい環境にありますが、引き続き新製品開発と新たな販路の拡大に注力することで業績拡大を図ります。

設計事業につきましては、構造設計の強みを活かして公共、民間ともに安定した受注を獲得しております。

 

 

(5)対処すべき課題

当社グループは、セキュリティ機器、カード・その他事務用機器、情報機器、設計事業、脱炭素システム事業等、多岐にわたる事業活動を展開しておりますが、円安進行などによる物価上昇、中東情勢の悪化やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中国経済の低迷等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクや、資材価格の高騰、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響といった各事業分野共通課題への対応に加え、それぞれの事業分野ごとに抱える以下の課題への対応が必要となっております。

セキュリティ機器につきましては、事業の軸となるマンション市場においては、リプレース・新規獲得ともに順調に推移しておりますが、継続的に導入機器の見直しを行い、利益構造の更なる改善が課題となっております。一般法人向け市場に対しては、価格競争力と高機能ラインアップのすみわけ、未参入市場への切込みによるボリューム拡大及び施工業者の発掘と教育が課題となっております。

カード機器につきましては、金融機関や流通向けでは、キャッシュカードやクレジットカードの即時発行市場における販売促進が課題となっております。また、病院市場においては、新商品の投入、ハード販売から柔軟な提案による複合販売、高齢化社会に伴う老健・介護施設等への事業拡大を推進していくことが課題となっております。

情報機器につきましては、業績の主要な部分を占めるコンシューマ向けの小型カッティングマシン事業の更なる伸長が課題となります。今後も新製品の投入によって競合他社との競争に打ち勝ち、市場的にはまだまだ拡大の余地があると考えられる当事業において更なるシェアアップを図ることが課題となっております。

設計事業につきましては、利益率の高い耐震診断業務が減少傾向にある中、官庁・民間の設計業務の受注が伸びを見せております。一方、人材獲得の競争も激化しており、人材の確保及び働き方改革の流れの中での業務の一層の効率化が課題となっております。

また、今後の成長分野として、脱炭素システム事業を開始しております。革新的な節電・省エネシステムとして大変好評を得ており、グループ全体で積極的に取り組んでおりますが、機器の開発・製造、販売、設置等にかかる人材の確保が課題となっております。

新たに、昨年9月に当社グループの100%子会社となった「岩崎通信機株式会社」と今年4月に子会社となった「株式会社ナカヨ」のビジネスホン事業の統合を早期に進めて、グループシナジーを実現させることが重点課題となっております。

当社グループは、業績の拡大と収益力の向上のため、こうしたそれぞれの事業体質をより強固にする課題解決のための施策を迅速に立案、実施する一方、ホールディングカンパニーとしての特徴を活かしながら、内部統制機能の見直しと充実を図ることにより、コンプライアンス体制の一層の強化も図ってまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

あいホールディングスグループは、企業理念「全ては信頼と誠実から始まり人と社会に認められる価値を創造する」のもと、環境、社会、ガバナンスの3つの観点を重視した企業経営に取り組むことで「お客様」「取引先様」「株主様」「社員」「環境」「社会」など様々なステークホルダーの社会的課題を解決し、持続可能な社会と企業価値の発展を目指してまいります。

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お客様

常にお客様に満足頂ける製品、サービスの提供を目指します。

製品と提供するサービスの安心、安全を第一に事故防止に努めます。

 

取引先様

公正な取引により、相互にWin-Winの関係を築き、共存、共栄を図ります。

 

株主様

会社情報の公正かつ適時、適切な開示に努めます。

経営の透明性を高め、株主の皆様との積極的な対話を通して信頼の構築に努めます。

 

社員

「人材」を経営上最も重要な資本と捉え、一人一人の能力が最大限発揮できる環境づくりに努めます。

社員の健康増進に努め、安全、安心に長く働くことのできる職場づくりを目指します。

 

環境

事業活動における環境負荷低減に努めます。

グループ各社への「環境理念」、「環境行動方針」を共有し、環境保全を推進する教育、啓発活動に努めます。

 

社会

持続可能な発展のため、様々なステークホルダーとの相互理解と貢献活動に努めます。

 

(1)ガバナンス

◆取締役会の監督体制

当社取締役会は気候変動対応を経営上の重要課題の1つであると認識しており、「リスク管理」の観点だけでなく「事業創出」の観点からも監督しております。具体的には、当社取締役会は、「リスク管理」及び「事業創出」の両面から、気候変動対応を踏まえた、経営戦略、各種施策や事業目標の管理等を通じ、各部門・各子会社に対し、監督・指示を行っております。また、コンプライアンス・リスク管理委員会から当社グループの気候変動対応を含むサステナビリティへの取組み状況に関する報告を適宜受ける体制を構築しております。

 

◆経営陣の役割

当社は、気候変動対応を含むサステナビリティへの取組みを強化する観点から、コンプライアンス・リスク管理委員会の下部組織としてサステナビリティ対応プロジェクトを立ち上げております。サステナビリティ対応プロジェクトは、コンプライアンス・リスク管理委員会の指示・監督の下で、各部門・各子会社における気候変動対応の取組みについて適宜、監督・情報共有を実施しております。なお、代表取締役はコンプライアンス・リスク管理委員会を通じて当社グループの気候変動対応に関する取組みを監督しており、必要に応じて、業務執行部門及び子会社に対応策等の指示を行っております。

(2)戦略

①気候変動

 気候変動が当社の事業戦略に及ぼすリスクと機会について、2℃シナリオ、4℃シナリオの2つのシナリオに基づき評価し、対応策を検討しました。シナリオ分析に用いた前提は下記の通りとなります。

今年度は、分析の対象をあいホールディングス株式会社、株式会社ドッドウエル ビー・エム・エスの2社としました。分析時間軸は2030年を選択、2℃シナリオとしてIEAのSDSシナリオ(Sustainable Development Scenario)とIPCCのRCP2.6等を、4℃シナリオとしてSTEPシナリオ(Stated Policies Scenario)とIPCCのRCP8.5等を採用しました。

 

シナリオ分析の前提

 

分析背景 対象

企業範囲 あいホールディングス株式会社、株式会社ドッドウエル ビー・エム・エス

分析時間軸 2030年

選択シナリオ 《2℃》 IEA SDSシナリオ、IPCC RCP2.6シナリオ

《4℃》 IEA STEPシナリオ、IPCC RCP8.5シナリオ

IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)

 

(i)気候変動のリスク

 

2℃シナリオでは、炭素税導入や環境配慮型製品の増加などに伴うコストの上昇が発生する見込みです。これに対し、当社では事業拠点における再生可能エネルギーの活用や省エネルギー化に積極的に取り組むとともに、環境に配慮された競争力のある製品を調達し、適切な価格設定を行うことにより、影響度の低減に努めます。

4℃シナリオでは、現状では当社の主要拠点における物理的リスクは低いと考えられるものの、今後も定期的に事業継続計画(BCP)の点検や、台風・洪水等の災害に対する保険の補償内容の見直しを行うことにより、異常気象の激甚化が進んだ場合においても影響を軽微にとどめる予定です。

 

(ii)気候変動の機会

 

2℃シナリオでは、顧客の省エネルギー志向がより一層強まると想定できることから、業務用エアコンを自動制御して電力使用量を削減する「脱炭素システム」などの省エネ製品の拡販に一層注力するなど、顧客が省エネ・省資源を達成するためのソリューションを積極的に提供し、当社の事業機会につなげます。また、M&Aを活用し、新たな低炭素関連分野への事業拡大を検討していきます。

4℃シナリオでは、現状より自然災害が増加することが懸念されます。これに対して当社では、監視カメラを利用した防災対策ソリューションや、自然災害対策のための建設需要増加に対応する鉄骨CADシステムの提供により、それら自然災害による被害の低減に貢献します。

 

 

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②人材の育成及び社内環境整備に関する方針

当社グループは、事業の持続的な発展と新たな付加価値の創造のため、企業を形づくる基盤である人材を経営上最も重要な資本として捉え、「全ては信頼と誠実から始まり人と社会に認められる価値を創造する」の企業理念のもと、人的資本の拡充に注力しております。

社員の採用においては、グループ各社のニーズに合わせた、多様なスキルとバックグラウンドを持った人材を、性別・国籍・信条・社会的身分等によらず採用し、中途採用者を含め優秀な人材は性別・年齢を問わず積極的に管理職に登用することとしております。

 安定とインセンティブのバランスを考慮した人事制度により、社員の継続的なモチベーション向上とエンゲージメントの強化を図り、各社の事業に合わせた教育研修制度を通じて、それぞれの事業の持続的な成長と新たな価値創造に必要な人材を育成しております。

また、当社グループは、社員一人ひとりが心身ともに健康で、持てる能力を最大限発揮し、活き活きと働ける職場環境の整備と健康増進への取り組みが重要であると考えています。社員の心と身体の健康を重要な経営課題として位置づけ、当社グループの更なる発展を目指し、役員・社員全員が一丸となり健全な職場と健康増進への取り組みを推進してまいります。

 

 

(3)リスク管理

◆気候関連リスクを特定し、評価するための組織のプロセス

当社グループでは、サステナビリティ対応プロジェクトにおいて気候関連リスクの特定・評価を実施する予定です。気候変動に関連する移行リスク及び物理的リスクについて、シナリオ分析を踏まえたうえで、リスクと機会を特定し、そのうちリスクに関しては、財務的な影響を踏まえて重要性を評価し、対応策を合わせて検討してまいります。

 

◆気候関連のリスクをマネジメントするための組織のプロセス

サステナビリティ対応プロジェクトで特定・評価された気候関連リスクを含む重要なリスクは、コンプライアンス・リスク管理委員会を通じて、適宜、代表取締役及び取締役会等に報告、共有がなされており、適切な対応策の検討を実施する予定です。具体的には、気候変動に関するリスクのうち、当社グループの経営に重大な影響のあるリスクについては適宜、取締役会において審議を行い、業務執行部門及び子会社への指示・報告等を通じて、リスク事象の発生の回避及び発生した場合の対応策を検討してまいります。

 

◆組織の全体的なリスクマネジメントへの統合

当社は、全社的なリスク管理体制として、コンプライアンス・リスク管理委員会を設置すると同時に、「リスク管理規程」を制定し、組織横断的なリスクの管理を行う体制を構築しております。具体的には、コンプライアンス・リスク管理委員会はグループ内に重大な損失を与えるおそれのある重要なリスクの選定、審議を行い、経営会議及び取締役会に報告することで総合的なリスク管理体制及び対策の強化を図っております。また、グループ会社を含む各部門においてはリスク管理を統括するリスク管理責任者を定め、リスク管理の進捗状況を毎月委員会に報告するほか、重要な事項については随時委員会に報告することとしております。サステナビリティ対応プロジェクト等において特定・評価された当社グループに重大な影響を与える気候変動リスクを含むサステナビリティリスクに関しても、必要に応じてコンプライアンス・リスク管理委員会が代表取締役及び取締役会に報告し、対応策の検討を行っております。

 

 

 

 

(4)指標及び目標

 ①気候変動に関する指標及び目標

当社では、CO排出量削減率を気候変動への取組みの評価の指標とします。2030年6月期には2017年6月期比で50%削減を目標としています。

 

 

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注:あいホールディングス株式会社、株式会社ドッドウエル ビー・エム・エスを対象としている。CO₂排出量の算出にあたっては、本社ビルの電気使用量、社有車のガソリン使用量を集計。

 

②多様性の確保に関する指標及び目標

当社グループの国内企業における多様性の確保に関する中期目標(5年)を下記のとおり定めております。

引き続き、目標達成に向けて推進してまいります。

 

目標策定時

2022年6月

 

2025年6月

 

5年後の目標
2027年6月

項目

構成比

構成比

 

構成比

女性社員構成

25.5%

25.0%

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30.0%

女性管理職構成

5.8%

5.6%

10.0%

外国人社員構成

0.7%

0.4%

3.0%

外国人管理職構成

0.3%

0.3%

3.0%

中途採用社員構成

55.0%

46.8%

高構成比率の為

現状維持

中途採用管理職構成

62.9%

48.2%

 

 

3【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、以下のものを記載いたします。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年6月30日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)M&Aに関するリスク

当社グループは、事業の拡大を図る手段として、M&Aを経営の重要課題として位置づけております。M&Aを行う際は、国内外を問わず、その対象企業の財務内容や契約関係について綿密なデューデリジェンスを行うことにより、買収によるリスクを極力回避することが必要と理解しております。しかしながら、買収先企業が価値算定時に期待した利益およびキャッシュ・フローを計上できない場合や、M&A時に検出できなかった偶発債務や未認識債務等が顕在化した場合には、減損処理の適用を含め、当社グループの業績及び財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(2)製品の需要変動、競合他社の動向及び革新的技術の登場に関するリスク

当社グループは、市場動向を注視し、市場の需要に合わせた製品の開発、生産及び購入を行い、適正在庫水準に留意することで、急激な需要変動への対応と余剰在庫の発生を抑制するよう努めております。しかしながら、市場動向の変化及び革新的技術の登場を含む競合他社の動向等により当社グループ製品の需要が予想を大幅に下回る事態となった場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(3)カントリーリスク及び為替変動に関するリスク

当社グループは、海外への積極的な販売活動を行っております。また、一部製品においては海外メーカーより輸入供給を受けております。そのため、米中対立の影響、及び当社グループの製品を販売又は購入している国や地域の政治及び経済状況に変動及び為替変動が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響が生じる可能性があります。

これに対して、生産拠点及び仕入先の変更によるカントリーリスクの軽減、及び為替変動リスクヘッジを目的とした為替マリーや為替予約による為替変動リスクの軽減を必要に応じて行っておりますが、急激な政治経済状況の変動及び為替変動により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(4)外部生産委託及び購入製品に関するリスク

当社グループは、主要事業において、製品の生産を外部製造業者に委託、及び製品の購入を行っております。外部製造業者や購買業者とは密接な関係を保ち、安定的な製品の調達に努めておりますが、材料費の高騰、半導体部品の確保困難、製品納入の遅れ、製品の品質上の問題、自然災害の発生等、製品の調達に重大な支障をきたした場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(5)自然災害に関するリスク

当社グループは、国内及び海外に事業所を展開しており、顧客もグローバルに渡っております。大規模な自然災害が発生した場合、自社及び顧客事業所の設備損傷、停電や道路状況の悪化によるサプライチェーンへの悪影響が事業活動の障害となり、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響が生じる可能性があります。

 

(6)法的規制に関するリスク

当社グループは、国内外で事業展開を行っているため、各国の法的規制の適用を受けております。また、将来において現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があります。これらの法的規制等を遵守できなかった場合、当社グループの事業活動が制限される可能性があり、業績及び財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

 

(7)情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、情報セキュリティ管理に関する規程を定め、情報システム運営上の安全性確保及び危機管理対応の徹底に取り組んでおります。しかしながら、外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピュータウイルス侵入等による企業機密情報・個人情報の漏洩、更には、自然災害、事故等による情報システム設備の損壊や通信回線のトラブルなどにより情報システムが不稼動となる可能性を完全に排除することはできません。このような場合は、システムに依存している業務の効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。

 

(8)人材の確保及び育成に関するリスク

当社グループの事業活動は、経営陣、部門責任者および構成員等に依存しております。優秀な人材の確保と育成に努めておりますが、人材確保又は育成が計画どおりに行えない場合、当社グループの事業展開や経営成績に悪影響が生じる可能性があります。

 

(9)コンプライアンスに関するリスク

当社グループは、全ての役職員が社会規範と企業倫理を理解し、良識ある企業行動を行うよう「コンプライアンス規程」の制定、行動指針を集約した「コンプライアンスマニュアル」を作成し全役職員へ配布、「内部通報制度」の運用等、様々な手段を用いて遵法意識の向上に努めております。しかしながら、万が一、役職員による故意又は過失による法令違反行為が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響が生じる可能性があります。

 

(10)訴訟・係争等に関するリスク

当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟及び規制当局による様々な法的手続きの対象になる可能性があります。現在までのところ、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす訴訟などは提起されておりませんが、業績に大きな影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟などが発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社及び当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資に持ち直しの動きが見られるとともに、雇用・所得環境および企業収益の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しました。一方で、国内物価の上昇が個人消費に及ぼす影響や米国の通商政策、長期化する不安定な世界情勢、金融資本市場の変動等による海外景気の下振れリスク等があり、依然として不透明な状況が続いております。このような経済環境のもと、当社グループにおいては資本コストを意識し、環境変化に機動的に即応し、効率性や採算性を考慮した社内体制の強化・整備を図り、利益重視の経営を推進いたしました。

この結果、当連結会計年度の売上高は661億9千7百万円(前期比32.9%増)となり、営業利益は88億8千9百万円(前期比9.8%減)、経常利益は90億8百万円(前期比54.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は212億8千万円(前期比35.7%増)となりました。

なお、負ののれん発生益を計上しており、内訳は岩崎通信機株式会社より第1四半期に142億9千6百万円、株式会社ナカヨより第4四半期に36億6千万円となっております。

a. セグメントごとの経営成績

(セキュリティ機器)

セキュリティ機器につきましては、マンション向けは、分譲リプレイスや新規賃貸が好調に推移したことに加

え、法人向け販売も金融機関や工場などから大型案件を取り込めたことから、売上高は152億1百万円(前期比6.9%増)、セグメント利益は61億5千万円(前期比4.3%増)となりました。

(カード機器及びその他事務用機器)

カード機器及びその他事務用機器につきましては、カード機器の主要販売先である病院向けはリプレイスが堅調に推移し、金融機関向けではキャッシュカード即時発行機の大口受注があり、その他事務用機器の鉄骨CAD事業では増設ニーズを着実に取り込み、売上高は31億5百万円(前期比2.6%増)、セグメント利益は8億3千1百万円(前期比2.8%増)となりました。

(情報機器)

情報機器につきましては、業務用は、新製品投入もあり順調に推移しましたが、個人向けは、主力の北米市場において個人消費の厳しい冷え込みの影響があり、売上高は134億9千2百万円(前期比16.9%減)、セグメント利益は4億6千2百万円(前期比67.6%減)となりました。

(計測機器)

計測機器につきましては、グラフテック株式会社の計測事業と、当連結会計年度より連結子会社となりました岩崎通信機株式会社の電子計測事業により、売上高は50億4百万円(前期比151.0%増)、セグメント利益は8億2千6百万円(前期比22.7%増)となりました。

(情報通信)

情報通信につきましては、当連結会計年度より連結子会社となりました岩崎通信機株式会社のビジネスホン事業により、売上高は118億2千5百万円、セグメント利益は6億7千8百万円となりました。

(設計事業)

設計事業につきましては、官公庁及び民間から構造設計を順調に受注し、売上高は55億6千6百万円(前期比0.2%減)、セグメント利益は4億7千2百万円(前期比17.8%減)と堅調に推移しました。

(その他)

その他につきましては、売上高は120億円(前期比37.0%増)、セグメント利益は1億6千3百万円(前期比66.2%減)となりました。

 

b. 当連結会計年度の財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて470億4百万円増加し、1,409億6百万円となりました。主な要因は流動資産における現金及び預金89億7千1百万円増加、受取手形、売掛金及び契約資産98億5千8百万円増加、原材料及び貯蔵品47億3千5百万円増加、固定資産における建物及び構築物(純額)31億6千2百万円増加、土地182億3千2百万円増加、関係会社株式105億6千6百万円減少等であります。その増減理由としては、岩崎通信機株式会社及び株式会社ナカヨが連結子会社になったことに伴い、資産の受入を行ったことによるものです。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べて154億5千2百万円増加し、288億4千万円となりました。主な要因は、流動負債における支払手形及び買掛金28億9千万円増加、固定負債における退職給付に係る負債29億5千3百万円増加、繰延税金負債52億5千9百万円増加等であります。その増減理由としては、岩崎通信機株式会社及び株式会社ナカヨが連結子会社になったことに伴い、負債の引受を行ったことによるものです。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて315億5千1百万円増加し、1,120億6千5百万円となりました。主な要因は、岩崎通信機株式会社との株式交換に伴う資本剰余金106億9千万円増加、及び自己株式30億3千万円の減少、親会社株主に帰属する当期純利益212億8千万円の計上、配当金45億2千8百万円の計上等であります。この結果、自己資本比率は77.7%となり、前連結会計年度末の85.2%より減少となりました。

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して87億6千9百万円増加し447億9千万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は76億4千7百万円(前連結会計年度は84億3千2百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益212億1千7百万円、減価償却費22億1千9百万円、段階取得に係る差損益47億1千4百万円等の増加要因に対して、負ののれん発生益179億5千6百万円、法人税等の支払額39億1千8百万円等の減少要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は70億8千4百万円(前連結会計年度は64億2千8百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入88億4千9百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入66億9千4百万円、有形固定資産の取得による支出33億8百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出47億4千2百万円等があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は53億8千4百万円(前連結会計年度は46億7千5百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額45億8千5百万円の支出があったことによるものであります。

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2021年

6月期

2022年

6月期

2023年

6月期

2024年

6月期

2025年

6月期

自己資本比率(%)

80.6

81.2

83.2

85.2

77.7

時価ベースの自己資本比率(%)

155.6

97.3

135.9

119.8

88.7

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

1,938.2

1,997.1

3,830.3

1,425.1

189.4

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務指標により計算しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

4.有利子負債は連結貸借対照表上に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

カード機器及びその他事務用機器

情報機器

3,973

160.8

計測機器

4,304

250.9

情報通信

7,513

設計事業

5,589

99.7

報告セグメント計

21,381

218.4

その他

3,210

565.1

合計

24,592

237.4

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.金額には、標準品の外部生産高を含めております。

 

 

b. 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

セキュリティ機器

3,267

121.2

カード機器及びその他事務用機器

1,066

105.0

計測機器

510

情報機器

2,988

49.2

情報通信

6,341

報告セグメント計

14,174

148.3

その他

5,956

120.1

合計

20,130

138.7

(注)1.金額は仕入価格によっております。

 

 

c. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

設計事業

9,782

170.2

8,918

188.4

情報通信

11,711

1,349

計測機器

3,016

815

その他

5,507

2,540

(注)1.金額は契約価格によっております。

 

d. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

セキュリティ機器

15,201

106.9

カード機器及びその他事務用機器

3,105

102.6

情報機器

13,492

83.1

計測機器

5,004

251.0

設計事業

5,566

99.8

情報通信

11,825

報告セグメント計

54,196

132.0

その他

12,000

137.0

合計

66,197

132.9

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三菱HCキャピタル株式会社

6,245

12.5

6,572

9.9

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項においては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績

当連結会計年度におきましては、情報機器事業においてコンシューマ向け小型カッティングマシンの新製品の拡販、脱炭素システム事業の伸長などから、グループ連結で前年度比約6.5億円の営業増益を見込んでおりましたが、下記の各事業業績の結果に加え,M&A関連費用の発生もあり、前期比約10億円の営業減益となりました。

各事業別の営業利益では、セキュリティ機器事業は、マンション向けが好調に推移したことに加え、一般法人向けも大型案件受注により約2.5億円の営業増益となり、5期連続で過去最高の営業利益を達成しました。

一方、情報機器事業においては、コンシューマ向け小型カッティングマシンが主力の北米市場において個人消費の厳しい冷え込みの影響により、約10億円の営業減益となりました。設計事業においては、構造設計は順調に拡大しましたが、前期発生したような耐震診断の大口案件がなかったため、約1億円の営業減益となりました。なお、9月に岩崎通信機株式会社を連結子会社化したため、当連結会計年度第2四半期より、従来の4事業セグメントを6事業セグメントに変更しました。新セグメントは、情報通信(ビジネスホン)事業と計測機器事業で、情報通信事業の営業利益は約7億円、計測機器事業の営業利益は約8億円を計上しました。

b. 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金は基本的に内部資金により充当しております。当社グループは装置産業ではないため、多額の設備投資は必要ではなく、長期借入金による設備投資資金の調達は現在のところ必要でない状況となっております。当社グループは基本的には、無借金経営を行いつつ内部留保を厚くすることが安定した経営に貢献するものと考えておりますが、成長に向けてのM&Aの強化の検討等においては、大型の案件などにより多額の資金が必要となった場合は、長期借り入れも視野に入れてまいります。

c. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社グループは、商社部門とメーカー部門が共存しており、売上高は両部門のバランスにより変動することから、経営計画においては、営業利益に絶対値目標を定め、経営を推進しております。また、当社は引き続き成長に向けてM&Aを強化する方針です。このため、短期的には営業利益が変動する可能性がありますが、長期的にはEPSを重要な経営指標と設定し、その確保のために粗利重視の経営を進めその最大化に努めてまいります。

 

 

d. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容

(セキュリティ機器)

当社のセキュリティ機器事業は、マンション向けと一般法人企業向けの2つの分野で事業を展開しております。マンション向けの場合、その多くが分譲マンションで占められており、基本的には既設設備の更新需要を中心に直販による営業活動を行っております。契約の大半がリース契約であることから、更新物件を確実にフォローすることによって、長期的に安定した需要を確保し、毎期着実に業績を伸ばしていくことを目指しております。また、近年は賃貸物件への導入も増加しております。当連結会計年度は、これまでに自社がこうして納入したマンション向け設備のリース満了による更新を着実に取り込むことにより業績は順調に推移しました。来期以降につきましても、自社の分譲マンション向け更新需要及び導入済み賃貸物件向けの更新を中心として、引き続き安定的に業績の拡大が図れる見込みです。一般法人企業向けに関しては、従来のセキュリティニーズに加えて、見える化やAIによる画像解析などのニーズなどが増加しており、好調に推移しております。今後も有力代理店と連携しながら、お客様の要望する商品の品揃えを充実させ、これらの商品をタイムリーに提供することによって、業績の維持拡大に取り組んでまいります。

(カード機器及びその他事務用機器)

カード機器事業及びその他事務用機器につきましては、カード機器事業は、病院向けは安定的に推移し、金融機関向けでは、キャッシュカード即時発行機の大口受注があり順調に推移しました。病院向けに再来受付機と自動精算機を自社開発し、販売を開始する予定です。その他事務用機器では、会員制鉄構業サービスを強化することで、新規や増設ニーズを取り込んでいます。オペレーターの研修を継続的に行う顧客向け会員サービス等による販売促進の拡大、BIMの流れの中でのゼネコン向けの販売拡大に加え、自社開発した主力の鉄骨CADの新製品を販売開始することにより、営業増益を含む堅調な業績の維持拡大を目指す方針です。

(情報機器)

情報機器部門につきましては、業務用カッティングマシンにおいては、新製品投入もあり堅調に推移しましたが、コンシューマ向けは、期初予想を大きく下回る結果となりました。コンシューマ向け小型カッティングマシンの巻き返しを図るべく、マイナーチェンジした新製品を市場投入し、販売台数を拡大させることで業績回復に努めてまいります。

(計測機器)

計測機器につきましては、今後、欧米、およびアジア向け販売体制の拡大により、パワーエレクトロニクス製品の売上拡大に取り組んでまいります。

(情報通信)

情報通信につきましては、販管費の抑制と原価率改善に取組みました。6月に連結子会社化した株式会社ナカヨとのグループ内統合を推進し早期シナジーを実現してまいります。

(設計事業)

設計事業につきましては、官公庁及び民間から構造設計を順調に受注し堅調に推移いたしました。来期につきましては、大型の耐震診断を受注しており大幅増益を見込んでおります、構造設計分野全般の強みを生かし、自社の特徴を活かした取り組みを行うことにより、安定的な業績推移を目指す方針です。

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度の研究開発費については、総額で1,865百万円となっております。

(1)セキュリティ機器

セキュリティ機器については、監視カメラの画像処理に関する研究開発を行っております。当セグメントにおける研究開発費は26百万円であります。

(2)カード機器及びその他事務用機器

カード機器及びその他事務用機器については、医療機関及び金融機関向けのカード発行機に関する研究開発を行っております。当セグメントにおける研究開発費は9百万円であります。

(3)情報機器

情報機器については、主力製品である業務用カッティングプロッタ及びコンシューマ向け小型カッティングマシン、スキャナ等の研究開発を行っております。当連結会計年度においては、ラベルプリンタやカッティングプロッタ等の研究開発を行いました。なお、当セグメントにおける研究開発費は423百万円であります。

(4)計測機器

計測機器については、高速アナログ/デジタル信号処理技術、ファームウェアやPCアプリケーションといったソフトウェア技術等の開発技術を基軸に各種電子計測器及び計測システム等の研究開発を行っております。なお、当セグメントにおける研究開発費は367百万円であります。

(5)情報通信

情報通信については、ビジネスホンシステム、構内コードレスシステム、VoIP関連機器、CTI関連機器及び企業向けのPCアプリケーション開発、IoT・画像認識・コミュニケーションツール、遠隔監視センシングシステム等の研究開発を行っております。なお、当セグメントにおける研究開発費は824百万円であります。

(6)その他

その他については、脱炭素システム等の研究開発を行っております。当連結会計年度においては、次期新製品についての研究開発を行いました。なお、当セグメントにおける研究開発費は215百万円であります。