第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得情勢には改善傾向が見られたものの、景気は回復基調にあるとは言えず、個人消費も力強さを欠くなど百貨店業界には厳しい事業環境となりました。

このような環境のもと、当社グループは、グループ総合戦略である「まちづくり戦略」を推進し、業績の向上に努めてまいりました。当社が街全体に人を集めるアンカーとしての役割を果たすとともに、中核事業である商業デベロッパー機能を担う東神開発株式会社のプロデュース力を活用し、百貨店と専門店を融合することで、街・館の魅力の最大化に取り組んでまいりました。

その結果、当期の連結業績につきましては、連結営業収益は923,601百万円(前年比0.6%減)、連結営業利益は34,000百万円(前年比3.1%増)、連結経常利益は37,215百万円(前年比1.5%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は20,870百万円(前年比12.4%減)となりました。

また、当期の単体業績につきましては、売上高は691,353百万円(前年比1.2%減)、営業利益は

10,292百万円(前年比5.9%減)、経常利益は12,924百万円(前年比8.5%減)となり、当期純利益は6,666百万円(前年比31.8%減)となりました。

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

 

<百貨店業>

百貨店業での営業収益は、797,253百万円(前年比1.8%減)、営業利益は12,182百万円(前年比18.7%減)となりました。

百貨店業におきましては、新宿店が、日本最大の交通ターミナル「バスタ新宿」開業など

周辺環境の変化を捉えて、東神開発株式会社と連携して改装を実施いたしました。また、

京都店では、アクセサリー専門館を新たにオープンするなど、街の華やぎに貢献する

店舗改装を実施いたしました。

品揃えにつきましては、大人の女性に向け、日常生活を自分らしくアップグレードするための

編集ショップ 「シーズンスタイルラボ」を、昨年9月、大阪、京都、日本橋、横浜、新宿の大型5店及び柏店に導入し、百貨店が得意とする単品編集の買いやすさと、感度の高い品揃えを実現いたしました。

また、大阪店では、昨年11月、日本橋店に続き、時計専門売場「タカシマヤ ウオッチメゾン 大阪」をオープンいたしました。国内最大級の売場面積を誇り、広域からお客様が多くご来店されるなど、好調なスタートを切ることができました。さらに、新規事業となるライフスタイル提案型ビューティーブランド「dear mayuko」(セーレン株式会社との合弁会社 Dear Mayuko株式会社のブランド)を横浜店と日本橋店に、発酵デリカテッセン カフェテリア「Kouji&ko」(貝印株式会社との合弁会社 株式会社フードアンドパートナーズのブランド)を新宿店にオープンし、健康や美容へのニーズを捉えた独自の商品提供に取り組んでまいりました。

集客策につきましては、「笑点放送50周年特別記念展」、「興福寺の寺宝と畠中光享展」など、当社ならではの企画で来店促進を図りました。また、株式会社NTTドコモとの提携による「dポイント」に続き、昨年10月には、株式会社ロイヤリティ マーケティングと連携し「Ponta(ポンタ)」のポイントサービスを開始いたしました。ポイントでの連携のみならず、各社のノウハウや経営資源を活用したマーケティングに取り組み、若年層のお客様のご来店につなげるなど、新しいお客様づくりに努めてまいりました。

インバウンド需要につきましては、株式会社NTTドコモと提携する海外の携帯キャリアのユーザーを対象としたクーポン配信サービスや、ベトナム、シンガポールなど海外店舗を含めたグループ全体での誘客キャンペーンなど、各種の販促活動を通じて訪日外国人の来店客数を伸ばした結果、免税売上高は、前年から2桁の増加となりました。

海外では、シンガポール髙島屋が、現地の経済成長率の鈍化やツーリスト減少の影響もあり、現地通貨ベースで減収減益となりました。上海高島屋は、昨年1月、日本の良質な商品を展示、販売する「日本館」を移設拡大し、品揃えを拡充するとともに、開店3周年祭などの営業施策が奏功し、現地通貨ベースで増収となりました。また、昨年7月には、グループ総合力を結集し、ベトナムに、ホーチミン髙島屋をオープンいたしました。地域ナンバー1の規模を誇る化粧品や、日本のデパ地下を再現した食料品を中心に、多くの現地のお客様にご利用いただきました。

 

<不動産業>

不動産業での営業収益は、47,923百万円(前年比13.1%増)、営業利益は11,029百万円(前年比7.1%増)となりました。

不動産業におきましては、東神開発株式会社が、当社とともに、グループ総合戦略「まちづくり戦略」の推進において、中心的な役割を果たしてまいりました。二子玉川地区では、デジタルサイネージによる来街者への訴求強化や、周辺商業施設との連携による駐車場無料サービスなど、街全体の回遊性向上による集客強化を図ってまいりました。また、新宿の「タカシマヤ タイムズスクエア」では、「ニトリ」を誘致するなどMDを再編し、南館を改装オープンいたしました。さらに、効率的な店舗管理と魅力ある館を目指すべく、昨年9月から、東神開発株式会社が不動産の一括管理を行う、新たな運営管理スキームに移行いたしました。

海外では、ベトナムの現地企業と協業し、ホーチミン市初となる、百貨店を核とした本格的ワンストップショッピングセンター「サイゴンセンター」を開業いたしました。ホーチミン髙島屋と専門店が一体となった「まちづくり」に取り組んでまいりました。また、シンガポール髙島屋S.C.を運営するトーシンディベロップメントシンガポールPTE. LTD.は、テナント賃料収入の増加により、現地通貨ベースでは増収増益となりましたが、円高に伴う為替影響により、邦貨ベースでは減収減益となりました。

 

<金融業>

金融業での営業収益は13,414百万円(前年比4.3%増)、営業利益は4,495百万円(前年比2.7%増)となりました。

金融業におきましては、髙島屋クレジット株式会社が、百貨店と一体となった新規会員の獲得や、カード利用促進策を実施し、会員数及びカード取扱高の拡大に努めた結果、着実に収益を伸ばし、増収増益となりました。

 

<建装事業>

建装事業での営業収益は、30,874百万円(前年比15.6%増)、営業利益は2,342百万円(前年比23.4%増)となりました。

建装事業におきましては、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が、2020年の東京オリンピック・パラリンピックや、増加が続く訪日外国人需要を背景とした好調な建設市場の中で、ホテルや商業施設等の受注が堅調に推移したことに加え、名古屋駅周辺の大規模開発工事の工程が順調に進捗し、増収増益となりました。

 

<その他の事業>

クロスメディア事業等その他の事業全体での営業収益は、34,135百万円(前年比5.1%減)、営業利益は2,333百万円(前年比55.9%増)となりました。

その他の事業におきましては、クロスメディア事業部が、カタログ発刊回数や部数の適正化を図るなど、利益の最大化を図り、減収ながらも増益となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、42,266百万円の収入となり、前年が25,638百万円の収入であったことに比べ16,627百万円の増加となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、9,124百万円の支出となり、前年が16,081百万円の支出であったことに比べ6,956百万円の支出の減少となりました。主な要因は、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が1,963百万円減少したことをはじめ、有形及び無形固定資産の取得による支出が1,854百万円減少したこと、及び有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入が1,662百万円増加したことなどによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、4,228百万円の支出となり、前年が19,239百万円の支出であったことに比べ15,010百万円の支出の減少となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出が15,620百万円減少したことなどによるものです。

以上の結果及び新規連結により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ30,228百万円増加し、103,765百万円となりました。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

建装事業

30,376

100.8

その他

442

85.3

合計

30,819

100.5

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。

2 金額は、販売価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

建装事業

25,901

80.2

7,085

61.3

その他

432

83.1

合計

26,334

80.3

7,085

61.2

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

百貨店業

797,253

98.2

不動産業

47,923

113.1

金融業

13,414

104.3

建装事業

30,874

115.6

その他

34,135

94.9

合計

923,601

99.4

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。

2 販売高には、「その他の営業収入」を含めて表示しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4 当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「1.報告セグメントの概要」をご参照ください。

 

3【対処すべき課題】

少子化による人口減少と超高齢社会の進展を背景とした、高齢者や中間層の購買意欲の減退、インバウンド消費の急速な変化など、百貨店業界は依然として厳しい事業環境にあります。このような中、当社グループは、本年度、「まちづくり戦略の更なる推進による、新たな百貨店グループへの挑戦」を経営目標に掲げ、デジタル時代に対応した次世代経営への転換を目指してまいります。その実現のため、百貨店・不動産・金融など当社グループの総合力を結集して「髙島屋グループならではの価値の提供」、「アライアンスの伸展による新たなマーケットの創造」に取り組んでまいります。

百貨店業におきましては、「まちづくり戦略」を具現化すべく、東神開発株式会社と連携して日本橋再開発に取り組んでおります。2019年春のグランドオープンに向けて、MDやサービス面などで、百貨店と専門店の一体化を目指すとともに、街の賑わいを高めるアンカーとして、周辺施設も意識した開発計画を進めてまいります。また、立川店では、百貨店と専門店との連携を強化し、一体的なMD・サービス・空間づくりに取り組み、館の魅力を高めてまいります。

商品面では、多様化するニーズに対応し、お客様に新たな価値を提案・提供できる売場開発に取り組んでまいります。新宿店で、ウェルビーイング・ライフをコンセプトとした編集フロア「ウェルビーフィールド」を本年3月にオープンいたしました。ショップ・カフェ・スタジオ・スポーツジムまで総合的に展開し、高感度で豊かな美しさをサポートする新しいライフスタイル提案型の売場開発により、集客と売上の増大を目指してまいります。また、市場優位性の高いギフトマーケットへの対応拡大を図るとともに、食料品宅配事業における提供サービスの拡充にも取り組んでまいります。さらに、自主編集・特徴化売場の成果発揮に向けた販売体制の構築、商品利益率の改善など、商品利益の拡大に向けた取組を引き続き実施してまいります。

オムニチャネル化の推進につきましては、店頭とオンラインストアの商品共通化を加速するとともに、株式会社セレクトスクエアと連動したファッションサイトの充実を図ってまいります。また、最新のデジタル技術を活用し、お客様の新たな購買体験の創出に取り組んでまいります。

他業種とのアライアンスにつきましては、株式会社NTTドコモや株式会社ロイヤリティ マーケティングとの既存アライアンスの取組をさらに進め、共同マーケティングを本格化することで、お客様接点の拡大や事業機会の創出に取り組んでまいります。さらに、本年4月、全日空商事株式会社、株式会社ホテル新羅(本社:大韓民国ソウル市)との合弁会社 A&S髙島屋デューティーフリー株式会社による空港型免税店が、「タカシマヤ タイムズスクエア」11階に開業いたしました。免税カウンターの移設・拡充や、観光案内などを行うサービスカウンターの設置など、当該フロアをインバウンドフロアと位置づけ、館全体として、インバウンド需要の更なる獲得を図ってまいります。

海外では、ASEAN地域における優位性の確立に向け、タイ・バンコクにおいて、「サイアム髙島屋」の2018年春の開業へ向けた準備を進めてまいります。当社グループが有する経営資源とASEAN諸国における知名度を最大限に活用し、昨年開業したホーチミン髙島屋の本格稼動はもとより、海外各拠点における早期収益化に取り組み、将来のASEAN地域における成長の基盤としてまいります。

不動産業におきましては、東神開発株式会社が、「グループ一体となった“まちづくり戦略”による新たな価値創造」を経営方針に掲げ、「グループ一体<協働>施策による『街づくり』の推進」、「新たな事業機会の創出と既存事業のブラッシュアップ」を進めてまいります。日本橋再開発においては、東神開発株式会社が持つ商業開発のノウハウを最大限に活用し、地元と一体となって、日本橋地区の賑わいを高める街づくりを実現してまいります。また、玉川髙島屋S・Cにおいては、地域との連携を強化し、さらに街の魅力度を高めてまいります。開業10周年を迎える流山おおたかの森S・C(千葉県)においては、「子育て世代が住みたい街」という特性を捉えた商業施設づくりを強化し、キッズゾーンの新設などに取り組んでまいります。海外では、昨年開業した「サイゴンセンター」で、ベトナム最高水準の商環境の提供や、「上質で豊かなライフスタイル」の提案に向けた衣食住の専門店集積によりお客様支持の獲得を目指すなど、ASEAN地域においても「街づくり」を推進してまいります。

金融業におきましては、髙島屋クレジット株式会社が、店頭やインターネットでの積極的な入会促進策で新規会員獲得を図るとともに、外部加盟店でのカード利用促進に努め、収入増を図ってまいります。

建装事業におきましては、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が、東京・大阪・名古屋など、大都市圏を中心とした大型建設プロジェクトへの参入や、東京オリンピック・パラリンピックを見据えた工事需要の取り込みを引き続き進めてまいります。また、仙台市に拠点を置く髙島屋スペースクリエイツ東北株式会社は、東日本大震災の復興への寄与を継続し、地元や個々人のニーズに合わせた内装工事に携わってまいります。

CSR経営につきましては、先達から受け継ぐ「お客様を大切にすること」や「進取の精神」について、従業員全員が認識し行動することを再徹底してまいります。コンプライアンスの徹底については、消費者保護の考え方をお取引先とも共有し、「お客様の安心・安全」の確保を最優先に取り組んでまいります。また、「ダイバーシティ推進室」を新設し、女性の活躍促進を始め、育児・介護による離職の防止、健康経営の実現など、すべての人が意欲的に働ける環境を整えるべく、「働き方改革」に向けた取組を進めてまいります。

コーポレートガバナンスにつきましては、「コーポレートガバナンス・コード」への対応をさらに強化し、取締役会での議論の活性化を図り、その実効性を高めるなど、継続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。また、以下の記載は、当社グループの事業等のリスクをすべて網羅することを意図したものではないことにご留意ください。

 

(1)景気・季節要因

 当社グループの中核である百貨店業は、国内外の景気動向や消費動向、また冷夏・暖冬などの天候不順により大きな影響を受けます。従って、これらの要因が当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競合環境

 当社グループ百貨店業においては、都心大型5店舗を売上・収益の柱としておりますが、いずれの店舗も同業他社の大型店と隣接し、それらの店舗の改装・増床が続くとともに、新たな都市型商業施設のオープンが相次ぐなど、競合環境が激化しております。さらに、地方郊外店商圏もロードサイドへの大型ショッピングセンター出店等により、店舗間・業態間競合が熾烈化する状況にあります。これら同業他社や新業態による改装・増床・新規出店など競争環境の変化が、当社グループの業績や財政状況に少なからず影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)自然災害・事故

 当社グループ百貨店業は店舗による事業展開を行っており、また不動産業においては専門店ビルにおける不動産賃貸収入を主要収益としております。このため、地震・洪水・台風等の自然災害や火災等事故により、当社グループの業績にマイナスの影響が及ぶ可能性があります。特に火災については、消防法に基づいた火災発生の防止や避難訓練を徹底して行っておりますが、店舗において火災が発生した場合、消防法による規制や被害者に対する損害賠償責任、従業員の罹災による人的資源の損失、建物等固定資産や棚卸資産への被害等、当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)商品取引

 当社グループの中核である百貨店業は、信用を礎として消費者と商品取引を行っております。提供する商品については、適正な商品であることや安全性等に十分留意しておりますが、万一欠陥商品や健康被害を引き起こす商品等、瑕疵のある商品を販売した場合、公的規制を受ける可能性があるとともに、製造物責任や損害賠償責任等による費用が発生する場合があります。また、当社グループに対する信用失墜や、提供する商品に対する不安感が高まることにより売上高が減少し、当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)法的・公的規制

 当社グループは、大規模小売店舗立地法や独占禁止法の他、食品の安全管理、消費者保護、租税、環境・リサイクル関連などに関する法令等に十分留意した営業活動を行っておりますが、万一これらに抵触する事態が生じた場合には、当社グループの企業活動が制限される可能性や、法令上の規制に対応するため経営コストが増加する可能性があります。また、消費税率の引き上げ等税制改正に伴い、個人消費が悪化し、売上高の減少を招く可能性があります。従って、これらの法令等の規制は当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)顧客情報の管理

 当社グループでは、ハウスカード顧客を始め顧客の個人情報を保有しております。顧客情報の管理については、社内管理体制を整備し厳重に行っておりますが、不測の事故または事件によって顧客情報が外部に流出した場合、お客様個人に支払う損害賠償による費用の発生や、当社グループの社会的信用の失墜による売上高減少が考えられ、当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)システムリスク

 当社グループ百貨店業を中心とした各種コンピューターシステムは、外部委託先のセキュリティセンターで集中管理しております。当該センターでは耐震設計(震度7程度まで)、電源・通信回線の二重化、自家発電装置、不正侵入防止などの安全対策を講じております。しかしながら、想定を超える自然災害やシステム障害により通信回線切断やシステム停止が発生した場合には、当社グループの事業活動に大きな支障をきたし、当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)海外での事業活動

 当社グループでは、主に百貨店業を中心に、海外での事業活動を行っております。この事業活動において、通貨価値の変動のほか、予期しえない景気変動、法規制・租税制度の変更、テロ・戦争・内乱その他の要因による政治的・社会的混乱等が当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、当社の持分法適用会社である大葉髙島屋百貨股份有限公司の株式のうち当社が保有している全株式について、大葉開発股份有限公司へ譲渡する株式譲渡契約を締結し、2016年(平成28年)5月16日に全株式の譲渡が完了いたしました。

 

 

6【研究開発活動】

 特記事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(1)経営成績の分析

① 概要

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得情勢には改善傾向が見られたものの、景気は回復基調にあるとは言えず、個人消費も力強さを欠くなど百貨店業界には厳しい事業環境となりました。

このような環境のもと、当社グループは、グループ総合戦略である「まちづくり戦略」を推進し、業績の向上に努めてまいりました。当社が街全体に人を集めるアンカーとしての役割を果たすとともに、中核事業である商業デベロッパー機能を担う東神開発株式会社のプロデュース力を活用し、百貨店と専門店を融合することで、街・館の魅力の最大化に取り組んでまいりました。

 

② 連結営業収益(売上高及びその他の営業収入)

 連結営業収益につきましては、前連結会計年度より5,987百万円の減収となりました。主な要因としましては、国内百貨店の減収に加え、海外事業の円高に伴う為替影響による減収によるものであります。

 

③ 連結営業利益

 連結営業利益につきましては、前連結会計年度より1,027百万円の増益となりました。主な要因としましては、機動的な経費削減策を実施したことに加え、国内グループ子会社の増益によるものであります。

 

④ 連結経常利益

 連結経常利益につきましては、前連結会計年度より570百万円の減益となりました。主な要因としましては、持分法適用会社の投資利益の減少等によるものであります。

 

⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度より2,959百万円の減益となりました。主な要因としましては、前連結会計年度に計上した投資有価証券売却益の反動によるものであります。

 以上の結果、ROEは5.1%(前年比0.9ポイント減)となり、1株当たり当期純利益は59円71銭(前年比8円17銭減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ30,228百万円増加し、103,765百万円となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フロー(42,266百万円の収入)によって、投資活動によるキャッシュ・フロー(9,124百万円の支出)と財務活動によるキャッシュ・フロー(4,228百万円の支出)を充当させたことによるものであります。

今後は、国内店舗への設備投資やアジア戦略などの事業資金を安定的に調達するとともに、十分な手元流動性を確保していく予定です。

 

(3)財政状態に関する分析

当連結会計年度末の総資産は、986,464百万円と前連結会計年度末に比べ12,042百万円増加しました。負債については、564,574百万円と前連結会計年度末に比べ2,460百万円の減少となりました。これは、未払法人税等が減少したことが主な要因です。純資産については、421,890百万円と利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ14,503百万円増加しました。

以上の結果、自己資本比率は41.8%(前年比0.9ポイント増)となり、1株当たり純資産額は1,179円52銭(前年比 38円07銭増)となりました。