文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
○グループ経営理念「いつも、人から。」
当社グループは、「いつも、人から。」を経営理念として掲げております。この経営理念には、従業員一人ひとりが「人」としての思いやりや誠実さをもち、自主性・創造性を発揮して行動すること、そしてグループを取り巻くすべての「人」(ステークホルダー)との信頼を深め、ともにこころ豊かな暮らしを築いていきたいという強い思いが込められています。
お客様の豊かな暮らしの実現に奉仕すること、革新的な経営を推進すること、公正で透明な企業活動や社会貢献により社会的責任を果たしていくことなど、企業が成長・発展していくための原動力はすべて「人」に集約されます。企業に対し、より強い倫理観が求められる社会潮流の中で、当社グループはこれからも経営の原点を「人」におき、すべてのステークホルダーの皆様の期待に応えるための取り組みを進めてまいります。
○企業メッセージ「‘変わらない’のに、あたらしい」
心のこもったおもてなしなど「変えてはならないもの」と、お客様にもっと喜んでいただくため「変えるべきもの」を明確にし、全員が一丸となって、お客様を起点に進化し続ける企業グループを目指します。
(2)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、毎年5年後をターゲットとした「髙島屋グループ長期プラン」を策定しております。2023年度の連結経営目標は、以下の通りです。
○営業収益 9,900億円
○営業利益 430億円
○ROE 5.0%以上(当期純利益/自己資本)
○ROA 3.7% (経常利益/総資産)
○自己資本比率 42.9%
(3)経営戦略等
髙島屋グループ長期プランでは、2023年度に営業収益は9,900億円、営業利益430億円の達成を目指してまいります。(当目標値を算定するに当たり、IFRS第16号「リース」の適用影響を考慮しておりますが、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」の適用影響につきましては、評価中のため考慮しておりません。なお、両会計基準の詳細につきましては、「未適用の会計基準等」をご参照ください。)
営業収益につきましては、国内市場の縮小や消費増税の影響を織り込みつつ、不動産・金融業などの国内グループ事業および海外事業を成長分野と位置づけ、収益増大を図ってまいります。
営業利益につきましては、社会からの要請に伴うコスト増を含む経費負担増加を見込む一方で、グループ変革プロジェクトを通じた事業構造改革・労働生産性向上を継続するとともに、国内百貨店業を中心とした経営改革の断行、及び国内グループ事業、海外事業の成長により430億円をめざしてまいります。
ROEとROAにつきましては、今後も持続的な向上を図ってまいります。
投資につきましては、5年間で2,300億円を見込んでおります。投資はキャッシュフローの範囲内に抑えた上で、資本コストを意識し、十分なリターンが確保できる案件を実施していくことに加え、長期的な企業価値向上の観点から、「まちづくり戦略」視点における不動産取得、SDGs達成を加速する投資、不動産の維持・管理、バリューアップ等に必要な投資を行ってまいります。
有利子負債(借入もしくは社債。リース債務は含まない)につきましては、これまでの水準と同程度の1,948億円を2023年度の目標としてまいります。
当社グループは、引き続き、グループ総合戦略「まちづくり戦略」を基本戦略とし、国内百貨店、国内グループ、海外事業とのシナジーを発揮することにより、安定的成長を実現してまいります。
まちづくり戦略には2つの考え方があります。
一つは、地域と共生し、街のアンカーとして役割を発揮する、言わば「まちの流れをつくる」という役割発揮です。もう一つは、お客様の多様なニーズに応えるべくグループ力を結集させ、館の魅力を最大化することです。
当社グループは、国内外21店舗、その他、東神開発の商業施設を含め、それぞれの地域やお客様の特性を踏まえた、まちづくり戦略を推進してまいります。
さらに、本年度からSDGsを経営戦略に組み入れ、事業活動を通じて社会課題の解決と企業としての持続的な成長をめざしてまいります。
事業別の基本戦略と主な取り組みは以下の通りです。
○国内百貨店
国内百貨店では、まちづくり戦略推進による営業力強化を図るとともに、経営改革を断行し、2023年度営業利益100億円をめざしてまいります。
○国内グループ
国内グループでは、百貨店とのシナジーにより培った実績を武器に、グループの安定的成長基盤として各社の事業領域を拡大し、特に成長分野と位置付けている不動産業・金融事業の重点強化により、営業利益225億円をめざしてまいります。
不動産業では、東神開発を中心に、既存ショッピングセンターの周辺開発に加え、M&Aやアライアンスによる新規事業領域の拡大に努めてまいります。また金融業では、髙島屋クレジットにおいて、既存カード事業の拡大に加え、ローン事業などあらたな領域にもチャレンジし、百貨店の「お客様づくり」を支えるファイナンス事業会社へと進化させてまいります。
○海外事業
海外事業では、シンガポールを拠点にASEAN戦略を推進してまいります。シンガポール事業の更なる成長に加えて、周辺開発を視野に入れたベトナム事業の拡大、昨年11月に開業したサイアム髙島屋や上海高島屋の収支改善への取り組みを強化し、営業利益110億円をめざしてまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
少子化による人口減少と超高齢化社会の進展を背景とした構造的問題が顕在化する中、国内景気は、世界的な貿易摩擦や消費増税の影響懸念などにより、先行きの不透明感が増しています。また、技術革新や価値観の多様化を背景とした社会や消費行動の変化への対応が、企業の中長期的な課題となっています。百貨店業界においては、業態を超えて競合が激化し、足下の業績悪化、労働力不足や物流費などのコスト上昇もあり収益力が低下し、構造改革が課題となっています。
こうした中、当社グループは、「グループシナジーの最大化による成果発揮」を本年度の経営目標に掲げ、グループ総合戦略「まちづくり戦略」の下、各事業の成長を目指してまいります。そのために「収益構造改革」、「百貨店と専門店の融合」及びこれらを進めるための「グループシナジーの発揮」を課題として取り組んでまいります。
また、気候変動や自然災害が経済や社会問題にも波及する中、地球全体に深刻な影響を及ぼすリスクが高まり、企業にも対応が求められています。当社は、SDGsを支持し、全てのステークホルダーの皆様と共に持続可能な消費・サービスモデルを構築することを経営課題として位置づけ、本業を通じて、社会的課題解決への貢献と事業成長の両立を図ってまいります。4月には「髙島屋グループSDGs原則」を策定いたしました。「地球環境への配慮」、「まちづくり」、「持続可能な商品・サービスの提供」、「働きがいの創出」などの重点テーマに積極的に取り組んでまいります。
これらの目標、課題を踏まえ、各事業領域にて、以下の具体的取り組みを行ってまいります。
百貨店業におきましては、「まちづくり戦略」の深化を図ってまいります。そのためには収益性の高い事業体質への転換が必須であることを認識し、「収益構造改革」に取り組んでまいります。デジタル技術を活用した「グループ変革プロジェクト」などにより、人件費や庶務費などの経費削減や働き方改革といった課題に取り組み、経営効率を抜本的に見直し、創出した原資を再投資して、当社グループならではの価値を提供する「まちづくり」を実現してまいります。
「まちづくり戦略」では、グループシナジーを発揮する「百貨店と専門店の融合」を課題としてまいります。百貨店は変わらぬ価値を持つ上質な商品、北海道展などの商品催や文化の発信など、百貨店にしかできない価値の提供を、専門店は鮮度の高いモノやコトMD導入など、専門店ならではの価値の提供を行い、地域のお客様ニーズに合わせて、双方の強みを組み合わせた魅力ある館づくりを実現いたします。また、ECサイトも「まち」として捉え、その戦略や推進を担う「EC事業部」を新設し、店頭とネットの使い分けニーズを含め、楽しさと利便性の向上に取り組んでまいります。
店舗政策につきましては、本年3月、「日本橋髙島屋S.C.」の本館・百貨店の改装が完成し、6万6千㎡の新・都市型ショッピングセンターとしてグランドオープンいたしました。東神開発株式会社による専門店とのシナジー効果を発揮し、エリアの賑わいを高めると共に憩いの場として、地域と共に成長させてまいります。日本初の本格的ショッピングセンター「玉川髙島屋S・C」は開業50周年を迎え、「過ごす」ために訪れるライフスタイルセンターへの進化を目指しリニューアルいたします。玉川店も食料品フロアなどを改装し、ショッピングセンター全体としての集客力を高めてまいります。開業60周年を迎える横浜店では、横浜駅西口の環境整備の中で、地下1階を段階的に増床し、2021年春には国内最大級5千㎡の食料品フロアの完成を目指してまいります。また、大阪店に近く、オフィス機能と「髙島屋史料館」を擁する「髙島屋東別館」を、文化的価値の高い建築様式を生かしてリノベーションいたします。メインテナントには、東南アジア最大の不動産会社キャピタランドグループのアスコット社が運営するサービスレジデンス「シタディーンなんば大阪」を誘致し、大阪店との相互利用を図ってまいります。
商品政策につきましては、お客様のニーズへの対応と、商品利益率の低下が課題となる中、編集売場やオリジナル商品などの施策を通じて、課題解決を図ってまいります。百貨店の強みとなる編集売場の開発では、「日本橋髙島屋S.C.」本館改装にて、パーティーシーンを彩るドレスを内外から集めた「ドレスアップクローゼット」や、発見する楽しみがあるプレステージ雑貨編集ショップ「ギャラリー ル シック」を導入いたしました。今後は、様々なお客様のニーズに対応すべく、全ての商品群においてサイズの品揃えを強化いたします。
「文化の発信」は、百貨店が果たすべき重要な役割と捉え、文化催では、「手塚雄二展 光を聴き、風を視る」の巡回展示や、「御即位30年 御成婚60年記念 特別展『国民とともに歩まれた平成の30年』」などを開催しております。また、新たな文化発信拠点として日本橋店に「髙島屋史料館TOKYO」を新設し、デジタル対応の展示や有識者によるセミナーなど、文化の発信、交流、育成の役割を果たしてまいります。
顧客政策につきましては、店頭でのお客様づくりを第一に、サービスや品揃えをスピーディに改善すると共に、大型店を中心にストアコンシェルジュを再配置し、全館にまたがる接客販売体制を整えてまいります。また、デジタル技術を活用し、お客様との接点を拡充してまいります。インバウンドは、売上の伸びに減速傾向が見られたものの、訪日外国人数の堅調な伸びの中、増大を見込んでおります。現地SNS活用や多言語WEBサイトの充実、モバイル決済対応や免税手続きの簡素化など、快適なお買物環境を整備してまいります。
海外店舗につきましては、シンガポール・上海・ホーチミンでの実績やノウハウを活用し、昨年バンコクに開業した「サイアム髙島屋」の収益改善・早期黒字化を図り、4拠点体制にてASEAN地域における成長の基盤を築き、国内と海外の事業シナジーを高めてまいります。
不動産業におきましては、東神開発株式会社が、百貨店と連携した「日本橋髙島屋S.C.」の集客向上や本年秋の「玉川髙島屋S・C」のリニューアルに取り組むほか、流山エリアでは、鉄道会社や取得した株式会社ティーアンドティーとの連携により、エリアでの事業を拡大いたします。海外では、ホーチミンの「サイゴンセンター」運営事業を中核とし、周辺エリアを開拓してまいります。
金融業におきましては、髙島屋クレジット株式会社が、百貨店・専門店双方における新規会員獲得・カード利用促進を図り、収入増大を図ってまいります。また、外商お得意様向けの新カード発行や、カードの即日発行等、新たな商品・サービスの提供により、魅力度や利便性を向上させてまいります。
建装業におきましては、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が、「まちづくり」への参画と共に、東京オリンピック・パラリンピックに向け活発化する大型プロジェクトの受注に努めるほか、企画、デザインなどのソフト機能を高め、提案型受注による競争力・収益力向上を図ってまいります。
内部統制システムにつきましては、グループ全体のリスクマネジメント体制を強化し、豪雨や地震など自然災害時の事業継続や災害対策プランの構築などに取り組んでまいります。コーポレートガバナンスにつきましては、改訂されたコーポレートガバナンス・コードへの対応を含め、取締役会の更なる機能強化に取り組み、継続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
昨年、当社は配送料金の改定及び制服の受注事案において公正取引委員会より排除措置命令を受けました。当社といたしましては、このような事態を厳粛かつ真摯に受け止め、コンプライアンス体制の強化・徹底に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。また、以下の記載は、当社グループの事業等のリスクをすべて網羅することを意図したものではないことにご留意ください。
(1)景気・季節要因
当社グループの中核である百貨店業は、国内外の景気動向や消費動向、また冷夏・暖冬などの天候不順により大きな影響を受けます。従って、これらの要因が当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)競合環境
当社グループ百貨店業においては、都心大型5店舗を売上・収益の柱としておりますが、いずれの店舗も同業他社の大型店と隣接し、それらの店舗の改装・増床が続くとともに、新たな都市型商業施設のオープンが相次ぐなど、競合環境が激化しております。さらに、地方郊外店商圏もロードサイドへの大型ショッピングセンター出店等により、店舗間・業態間競合が熾烈化する状況にあります。これら同業他社や新業態による改装・増床・新規出店など競争環境の変化が、当社グループの業績や財政状況に少なからず影響を及ぼす可能性があります。
(3)自然災害・事故
当社グループ百貨店業は店舗による事業展開を行っており、また不動産業においては専門店ビルにおける不動産賃貸収入を主要収益としております。このため、地震・洪水・台風等の自然災害や火災等事故により、当社グループの業績にマイナスの影響が及ぶ可能性があります。特に火災については、消防法に基づいた火災発生の防止や避難訓練を徹底して行っておりますが、店舗において火災が発生した場合、消防法による規制や被害者に対する損害賠償責任、従業員の罹災による人的資源の損失、建物等固定資産や棚卸資産への被害等、当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)商品取引
当社グループの中核である百貨店業は、信用を礎として消費者と商品取引を行っております。提供する商品については、適正な商品であることや安全性等に十分留意しておりますが、万一欠陥商品や健康被害を引き起こす商品等、瑕疵のある商品を販売した場合、公的規制を受ける可能性があるとともに、製造物責任や損害賠償責任等による費用が発生する場合があります。また、当社グループに対する信用失墜や、提供する商品に対する不安感が高まることにより売上高が減少し、当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)法的・公的規制
当社グループは、大規模小売店舗立地法や独占禁止法の他、食品の安全管理、消費者保護、租税、環境・リサイクル関連などに関する法令等に十分留意した営業活動を行っておりますが、万一これらに抵触する事態が生じた場合には、当社グループの企業活動が制限される可能性や、法令上の規制に対応するため経営コストが増加する可能性があります。また、消費税率の引き上げ等税制改正に伴い、個人消費が悪化し、売上高の減少を招く可能性があります。従って、これらの法令等の規制は当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)顧客情報の管理
当社グループでは、ハウスカード顧客を始め顧客の個人情報を保有しております。顧客情報の管理については、社内管理体制を整備し厳重に行っておりますが、不測の事故または事件によって顧客情報が外部に流出した場合、お客様個人に支払う損害賠償による費用の発生や、当社グループの社会的信用の失墜による売上高減少が考えられ、当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)システムリスク
当社グループ百貨店業を中心とした各種コンピューターシステムは、外部委託先のセキュリティセンターで集中管理しております。当該センターでは耐震設計(震度7程度まで)、電源・通信回線の二重化、自家発電装置、サイバー攻撃等による不正侵入防止などの安全対策を講じております。しかしながら、想定を超える自然災害、サイバー攻撃、システム障害等により通信回線切断やシステム停止が発生した場合には、当社グループの事業活動に大きな支障をきたし、当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)海外での事業活動
当社グループでは、主に百貨店業を中心に、海外での事業活動を行っております。この事業活動において、通貨価値の変動のほか、予期しえない景気変動、法規制・租税制度の変更、テロ・戦争・内乱その他の要因による政治的・社会的混乱等が当社グループの業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態 (単位:百万円)
|
|
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
前年増減高 |
前年比 |
|
総資産 |
1,078,130 |
1,035,807 |
42,323 |
4.1% |
|
負債 |
616,545 |
586,281 |
30,264 |
5.2% |
|
純資産 |
461,585 |
449,526 |
12,058 |
2.7% |
|
自己資本比率 |
41.2% |
42.4% |
- |
△1.2% |
b.経営成績 (単位:百万円)
|
|
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
前年増減高 |
前年比 |
|
営業収益 |
912,848 |
907,805 |
5,043 |
0.6% |
|
営業利益 |
26,661 |
35,318 |
△8,657 |
△24.5% |
|
経常利益 |
31,234 |
38,606 |
△7,371 |
△19.1% |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
16,443 |
23,658 |
△7,215 |
△30.5% |
(事業のセグメント別業績) (単位:百万円)
|
|
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
前年増減高 |
前年比 |
|
連結営業収益 |
912,848 |
907,805 |
5,043 |
0.6% |
|
百貨店業 |
792,045 |
784,794 |
7,250 |
0.9% |
|
不動産業 |
43,681 |
47,476 |
△3,794 |
△8.0% |
|
金融業 |
14,944 |
14,187 |
757 |
5.3% |
|
建装業 |
24,795 |
25,916 |
△1,120 |
△4.3% |
|
その他 |
37,381 |
35,430 |
1,950 |
5.5% |
|
連結営業利益 |
26,661 |
35,318 |
△8,657 |
△24.5% |
|
百貨店業 |
8,691 |
13,509 |
△4,817 |
△35.7% |
|
不動産業 |
9,410 |
11,393 |
△1,983 |
△17.4% |
|
金融業 |
4,880 |
4,563 |
317 |
7.0% |
|
建装業 |
727 |
1,207 |
△480 |
△39.8% |
|
その他 |
2,938 |
3,331 |
△393 |
△11.8% |
②キャッシュ・フロー (単位:百万円)
|
|
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
前年増減高 |
前年比 |
|
営業活動キャッシュ・フロー |
67,913 |
36,870 |
31,042 |
84.2% |
|
投資活動キャッシュ・フロー |
△85,815 |
△62,286 |
△23,529 |
37.8% |
|
財務活動キャッシュ・フロー |
17,226 |
14,185 |
3,040 |
21.4% |
|
現金及び現金同等物 |
94,692 |
95,120 |
△428 |
△0.5% |
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年比(%) |
|
建装業 |
22,662 |
△7.1 |
|
その他 |
369 |
△3.1 |
|
合計 |
23,032 |
△7.0 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年比(%) |
受注残高(百万円) |
前年比(%) |
|
建装業 |
25,832 |
△6.6 |
13,541 |
30.6 |
|
その他 |
337 |
△18.6 |
- |
- |
|
合計 |
26,169 |
△6.8 |
13,541 |
30.1 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年比(%) |
|
百貨店業 |
792,045 |
0.9 |
|
不動産業 |
43,681 |
△8.0 |
|
金融業 |
14,944 |
5.3 |
|
建装業 |
24,795 |
△4.3 |
|
その他 |
37,381 |
5.5 |
|
合計 |
912,848 |
0.6 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。
2 販売高には、「その他の営業収入」を含めて表示しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の状況に関する認識
当連結会計年度における我が国経済は、地震や豪雨など自然災害の影響は見られたものの、堅調な企業業績や個人消費の改善などにより、景気は緩やかに拡大しました。しかしながら、世界的な貿易摩擦への懸念や、それに伴う不安定な株式市場、消費税率引き上げに対する心理的影響など、先行きは依然不透明な状況にあります。
このような環境の下、当社はグループ総合戦略「まちづくり戦略」を推進しております。街のアンカーとしての役割を発揮するとともに、百貨店と専門店を一つの館(やかた)の中で融合させるなど、商業デベロッパー機能を持つ東神開発株式会社をはじめとしたグループ総合力を発揮し、街・館の魅力を最大限に高めてまいりました。国内においては、昨年9月に日本橋店を「日本橋髙島屋S.C.」として開業いたしました。新館に115店舗誘致した専門店と連携して、早朝営業やコト消費の提供など日本橋生活者のニーズにお応えしてまいります。また、10月には立川店が専門店23店舗を導入し「立川髙島屋S.C.」としてリフレッシュオープンし、新たな郊外型ショッピングセンターの在り方を追求いたしました。海外においては、昨年11月にタイ・バンコクに「サイアム髙島屋」を出店し、タイ初のブランドを多数誘致するなど特徴のある店舗づくりに努めております。
また、更なる成長を支える基盤づくりに向けてデジタル技術を活用し、グループ経営を抜本的に見直すことで経営効率を高めるべく「グループ変革プロジェクト」を推進しております。
なお、当連結会計年度の期首より、国際財務報告基準に準拠した財務諸表を連結している在外連結子会社の消化仕入取引について、売上総利益相当額を「売上高」に計上する純額表示に変更しており、遡及適用後の数値で前年比較を行っております。
b.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、1,078,130百万円と前連結会計年度末に比べ42,323百万円増加しました。これは土地が増加したことが主な要因です。負債については、616,545百万円と前連結会計年度末に比べ30,264百万円の増加となりました。これは、社債が増加したことが主な要因です。純資産については、461,585百万円と利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ12,058百万円増加しました。
以上の結果、自己資本比率は41.2%(前年比1.2ポイント減)となり、1株当たり純資産額は2,540円54銭(前年比27円21銭増)となりました。
c.経営成績
当期の連結業績につきましては、連結営業収益は、912,848百万円(前年比0.6%増)、連結営業利益は、26,661百万円(前年比24.5%減)、連結経常利益は、31,234百万円(前年比19.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、16,443百万円(前年比30.5%減)となりました。
また、当期の単体業績につきましては、売上高は、715,333百万円(前年比0.6%増)、営業利益は、8,541百万円(前年比33.9%減)、経常利益は、21,097百万円(前年比38.5%増)となり、当期純利益は、10,441百万円(前年比20.8%増)となりました。
以上の結果、連結ROEは3.7%(前年比1.9ポイント減)となり、1株当たり当期純利益金額は94円10銭(前年比41円29銭減)となりました。
事業のセグメント別業績は、次のとおりであります。
<百貨店業>
百貨店業での営業収益は、792,045百万円(前年比0.9%増)、営業利益は、8,691百万円(前年比35.7%減)となりました。
国内百貨店におきましては、堅調なインバウンド需要と個人消費による高額品等の売上伸長もあり増収となりましたが、「日本橋髙島屋S.C.」開発をはじめとした設備投資や、業務効率化に向けたシステム投資など、将来の成長に向けたコストの増大に加え、配送運賃等の運営コスト増もあり、減益となりました。
店舗施策につきましては、「まちづくり戦略」における「日本橋髙島屋S.C.」開業などに加え、10月に大阪店にて地階西ゾーンを増床改装し、12月には京都店にて四条通沿いに売場を拡張いたしました。
商品政策につきましては、百貨店の強みである編集力を生かした売場開発に引き続き努めてまいりました。体験型次世代ビューティーサロン「ベルサンパティック」を横浜店、日本橋店に導入したほか、大型5店及び玉川店、柏店の婦人靴売場では、「グループ変革プロジェクト」の一環として、RFIDタグを活用した在庫管理システムを導入し、お客様をお待たせしない接客を目指しました。また、暖冬で冬物衣料が苦戦する中、当社が企画・製造から参画し、オリジナル商品として全店及びインターネットで展開する「タカシマヤ カシミヤコレクション」の売上は大きく増加いたしました。
顧客政策につきましては、インバウンド需要の増大を目指し、電子決済サービスの拡充や一部店舗にてモバイル決済「アリペイ」「ウィーチャットペイ」を活用した免税還付サービスを開始いたしました。また、海外店舗のカード会員様にクーポンを配布するなど、グローバルな店舗網を生かした施策を実施してまいりました。前年度開業した「髙島屋免税店 SHILLA&ANA」も「タカシマヤタイムズスクエア」全体における相乗効果により順調に売上を伸ばし、インバウンド売上の増大に貢献いたしました。さらに、国内のお客様に向けては、コミュニケーションツールとして自社アプリを活用するなど、既存顧客の利用頻度を高めると共に、株式会社NTTドコモや株式会社ロイヤリティ マーケティングと協働して大型キャンペーンを実施し、新しいお客様の獲得に努めました。
海外店舗は、「サイアム髙島屋」の開業により4拠点となりました。「シンガポール髙島屋S.C.」は、開業25周年記念の営業施策の奏功などにより増収となりました。「上海高島屋」は、現地経済の影響により伸び率は鈍化したものの、増収となりました。開業後2年を経過した「ホーチミン髙島屋」は食料品売場の改装効果もあり、順調に売上を伸ばしております。
<不動産業>
不動産業での営業収益は、43,681百万円(前年比8.0%減)、営業利益は、9,410百万円(前年比17.4%減)となりました。
不動産業におきましては、東神開発株式会社が各地域の特性に合わせた商業施設開発を進めてまいりました。「日本橋髙島屋S.C.」、「立川髙島屋S.C.」に加えて、つくばエクスプレス流山おおたかの森駅(千葉県流山市)周辺開発に取り組みました。11月に同駅高架下に「こかげテラス」を開業すると共に、1月には沿線における駅構内や周辺商業施設の運営・管理事業を営む株式会社ティーアンドティーを取得しました。流山事業との相乗効果発揮を狙ってまいります。この他、「柏髙島屋ステーションモール」では食を中心としたフロア「FOOD STREET」を、「玉川髙島屋S・C」西側の裏路地再生エリア・柳小路では「南角(みなみかど)」を開業いたしました。以上の結果、複数施設の開業により家賃・管理費の収入増はありましたが、前年の横浜北幸マンション販売の反動や施設の開業・リニューアルに伴う経費増により減収減益となりました。また、海外におきましては、トーシンディベロップメントシンガポールPTE.LTD.が一部テナントとの家賃改定により減収減益となりました。
<金融業>
金融業での営業収益は、14,944百万円(前年比5.3%増)、営業利益は、4,880百万円(前年比7.0%増)となりました。
金融業におきましては、髙島屋クレジット株式会社が、「日本橋髙島屋S.C.」開業を契機とした新規会員獲得やショッピング利用促進策を実施するなど、会員数及びカード取扱高の増加による手数料収入等の増大に努めたことから、増収増益となりました。
<建装業>
建装業での営業収益は、24,795百万円(前年比4.3%減)、営業利益は、727百万円(前年比39.8%減)となりました。
建装業におきましては、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が、東京オリンピック・パラリンピック開催や、訪日外国人の増加などを背景とした良好な事業環境にはありましたが、競争激化による外部調達コストの上昇が影響したこともあり利益率が低下し、減益となりました。
<その他の事業>
その他の事業全体での営業収益は、37,381百万円(前年比5.5%増)、営業利益は、2,938百万円(前年比11.8%減)となりました。
その他の事業におきましては、クロスメディア事業は業績の改善が進み増収となりましたが、運送費増などにより減益となりました。また、株式会社髙島屋ファシリティーズの業務移管に伴う利益減もあり、その他の事業全体では減益となりました。
d.キャッシュ・フロー
営業活動キャッシュ・フローは、67,913百万円の収入となり、前年同期が36,870百万円の収入であったことに比べ31,042百万円の収入の増加となりました。
投資活動キャッシュ・フローは、85,815百万円の支出となり、前年同期が62,286百万円の支出であったことに比べ23,529百万円の支出の増加となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が23,692百万円増加したことなどによるものです。
財務活動キャッシュ・フローは、17,226百万円の収入となり、前年同期が14,185百万円の収入であったことに比べ3,040百万円の収入の増加となりました。主な要因は、社債の発行による収入が60,300百万円増加したことをはじめ、社債の償還による支出が40,000百万円増加したこと、及び長期借入れによる収入が17,819百万円減少したことなどによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ428百万円減少し、94,692百万円となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金、売掛債権流動化資金、または外部調達(借入もしくは社債)により資金調達することとしております。このうち、外部調達に関しましては、主として長期・安定した資金にて実施しております。
また、当社は国内金融機関から相対取引による十分な借入枠を有しており、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により国内グループ会社間の資金融通を行うことで資金効率を高め、海外グループ会社は十分な手許資金を保有することで事業運営上の流動性を確保しております。
なお、当連結会計年度末の有利子負債(借入もしくは社債。リース債務は含まない)の残高は194,783百万円であります。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
(単位:億円)
|
指標 |
2018年度 |
2023年度 |
増 減 |
|
営業収益 |
9,128 |
9,900 |
772 |
|
営業利益 |
295 |
430 |
135 |
|
ROE(自己資本当期純利益率) |
3.3% |
5.0% |
1.7% |
|
ROA(総資産経常利益率) |
2.5% |
3.7% |
1.2% |
|
自己資本比率 |
37.7% |
42.9% |
5.2% |
※国際財務報告基準に準拠する在外連結子会社において、IFRS第16号「リース」適用後の目標値としており、2018年度実績も同基準で試算し、比較しております。
2018年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
髙島屋グループ長期プランでは、2023年度に営業収益は9,900億円、営業利益430億円の達成を目指してまいります。(当目標値を算定するに当たり、IFRS第16号「リース」の適用影響を考慮しておりますが、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」の適用影響につきましては、評価中のため考慮しておりません。なお、両会計基準の詳細につきましては、「未適用の会計基準等」をご参照ください。)
営業収益につきましては、国内市場の縮小や消費増税の影響を織り込みつつ、不動産・金融業などの国内グループ事業および海外事業を成長分野と位置づけ、現状より772億円増大させてまいります。
営業利益につきましては、2018年度が計画以上に減少したことに加え、経営環境の悪化による減収で△130億円、経費負担増加により△90億円を見込む一方、経営改革の実施により目標値を135億円増の430億円といたしました。
当社グループは本年度からSDGs活動に本格的に取り組んでまいります。経費負担の中には、SDGs達成に向けた設備投資を行うことによる減価償却費の増加も見込んでおります。
ROE とROAにつきましては、今後も持続的な向上を図ってまいります。
特記事項はありません。
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