新型コロナウイルス感染症の影響を受けた当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクには、前事業年度の有価証券報告書に記載した、以下8つの「事業等のリスク」
(1)社会環境・構造変化
(2)気候変動・自然災害
(3)感染症・テロ等
(4)情報セキュリティー
(5)海外事業
(6)グループ会社管理
(7)法令・規制違反
(8)財務
のうち、
(1)社会環境・構造変化
(3)感染症・テロ等
(4)情報セキュリティー
(5)海外事業
(8)財務
の項目に関して、以下のようなものがあります。
なお、文中における記載事項は、不確定要素が多く予測が困難ではありますが、当第2四半期連結累計期間末現在において、当社グループが新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて判断したものであります。また、以下の記載は、当社グループの事業等のリスクをすべて網羅することを意図したものではないことにご留意ください。
(1)社会環境・構造変化
新型コロナウイルス感染症の影響により、わが国経済への打撃は非常に深刻なものとなりました。当社グループにおいても商業施設の臨時休業や営業時間短縮の対応により、とりわけ3月から5月の3ヵ月間は業績が著しく落ち込み、非常に厳しい結果となりました。また、渡航制限による訪日外国人数の減少に伴い、インバウンド売上が大きく落ち込んだことに加え、感染防止に向けたお取引先の営業休止は、商業施設の営業体制にも影響を与えました。依然、新型コロナウイルス感染症の収束目処は立たず、業績の回復は見通せない状況にあります。今後再び感染拡大が生じれば、更に業績が悪化するリスクが想定されます。
一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、密閉・密集・密接、いわゆる3つの密を避ける新たな生活様式・消費行動へと変容いたしました。そのような中、社会活動そのもののデジタルシフトが一層進み、消費活動はリアル店舗のみならずインターネットを活用したオンライン消費が今後さらに増加していくことが想定されます。
このような変化を踏まえると、従来発想のままの事業継続では競争力が著しく低下するリスクがあります。
当社グループにおいては、デジタルシフトへの消費動向を見据え、インターネットにおけるEC(電子商取引)領域を将来の成長事業として取り組んでまいります。また日本社会における高齢化に伴い、生涯の生活を支える金融資産の長期・安定的な形成が課題となっています。このような社会的背景を踏まえ、お客様の豊かな生活と将来設計をお手伝いする資産の形成や資産の継承などのニーズを捉えたファイナンシャルサービス事業を6月から開始いたしました。当社グループは、ファイナンシャルサービスを百貨店業における品揃えの一つとし、今後も拡大させてまいります。
さらに、商業開発業を担う東神開発株式会社がけん引役となり、グループ総合戦略「まちづくり」(以下、まちづくり戦略)を進化させていくことで、百貨店業をはじめ当社グループ事業の再構築に取り組んでまいります。一方、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい業績を踏まえ、さらなる収益力強化に向け、コスト構造の抜本的見直しをより一層図ってまいります。
(3)感染症・テロ等
新型コロナウイルスの感染者数が増加する中、日本政府による緊急事態宣言が4月に発出され、人命を第一優先とした安全確保に向け休業要請及び外出自粛要請がありました。当社グループにおいても政府の協力要請を受け、連日対策会議を開く中、ライフライン確保の観点から営業を継続した食料品・生活必需品フロア以外の臨時休業や、同フロアの営業時間短縮といった判断をしてまいりました。
5月末の緊急事態宣言解除以降、営業活動を再開しておりますが、営業時間内においては、お客様の安全・安心を最優先に消毒・ソーシャルディスタンスの確保・マスク着用の徹底等に継続して取り組んでおります。
そして、店舗を含む当社グループ・お取引先従業員(以下、従業員)の安全・安心確保に向け、政府・自治体の要請に則り、同様の対応を徹底してまいりました。
現在、緊急事態宣言は解除され、以前の日常生活に戻りつつありますが、これまでの取り組みが形骸化すれば、再び感染症が拡大し、事業活動への影響やお客様・従業員の安全・安心が確保できないといったリスクが現実のものとなる可能性があります。当社グループは新型コロナウイルス感染症の感染状況の推移や政府・自治体の動向を見据えながら、これまで通りお客様・従業員の安全・安心の確保に向けた取り組みを徹底してまいります。
また、今回の緊急事態宣言の発出による休業要請及び外出自粛要請に伴い、働き方改革に取り組みました。具体的には、グループ本社ビル勤務者を中心に1,000人規模の在宅勤務を推進し、デジタル技術を活用したコミュニケーションへシフトする等、生産性を向上する取り組みを実施してまいりました。今回の取り組みを、これまでの働き方を変える、非効率な業務を徹底的に見直す好機と捉え、在宅勤務をはじめ生産性向上につながる働き方へ変えていくよう進めてまいります。
一方、在宅勤務を推進することによる、コミュニケーション不足、モチベーション低下、生産性低下が発生するリスクが想定されます。今後、生産性向上に向けたネットワーク環境整備に加え、新たに就業規則(在宅勤務ルール等)の改正、人事評価等における環境整備の構築に向け取り組んでまいります。
また、働き方改革の取り組みを進める中で、生産性向上を阻害する要因が顕在化した場合には、業務プロセス、制度・ルール、システムの変革に取り組むことで、さらなる生産性向上につなげてまいります。
(4)情報セキュリティー
今回の新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、働き方が変化し、グループ本社ビル勤務者を中心に在宅勤務を推進してまいりました。そうした中で、コロナ禍における在宅勤務の働き方を検証し、今後もデジタル技術を活用した在宅勤務の働き方を継続・拡大する方向で取り組みを推進してまいります。
一方、在宅勤務の継続・拡大に伴いネットワークにおける情報漏えい等のリスク拡大が想定されます。つきましては、社外でのデジタルツール使用のルール徹底や、セキュリティーの強化等、万全な環境整備をおこなってまいります。
(5)海外事業
新型コロナウイルス感染症は、国内に限らず海外を含め世界的に大きな影響をもたらしました。
海外商業施設においても、全館休業や一部臨時休業、あるいは営業時間の短縮を実施したことに加え、入国規制により外国人観光客の売上が減少いたしました。海外拠点における新型コロナウイルス感染症による影響は現在も継続しており、年度後半にかけて徐々に回復していく兆しがある一方、業績へのマイナスリスクが長期化する可能性は依然として残っております。
そうした中、現地政府の方針に則り、国内百貨店同様に感染防止策を継続しながら、営業活動、ならびに開発計画を着実に進めてまいります。
(8)財務
今回同様の緊急事態宣言発出に伴う休業要請や外出自粛要請が再び発生すれば、業績悪化により企業活動に必要な運転資金が不足する可能性があります。また、金融市場の混乱や業績悪化等の要因により、当社グループが求める条件での資金調達ができないリスクがあります。現時点で必要な資金は確保しておりますが、将来におけるリスクシナリオを想定し、多様かつ機動的な資金調達により十分な手元流動性を確保してまいります。
当社グループに関する財政状態、経営成績の状況の分析・検討内容は、原則として四半期連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間(2020年3月1日~2020年8月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の深刻な影響を被り、なかでも個人消費は緊急事態宣言の発出を受けた休業要請や外出自粛の強まりを背景に大きく落ち込み、GDP成長率は戦後最大のマイナス成長を記録しました。欧米各国でもGDPが過去最大の落ち込みを記録するなど、コロナ影響は全世界に広がっております。
新規感染者数は高止まりし、収束時期の見通しが立たない中、世界経済全体の先行きには依然として不透明感が強く、企業業績へのマイナス影響は長期化することが想定されます。
こうした環境の下、当社グループは、「『まちづくり戦略』の深耕・拡大と『グループコスト構造改革』の断行」を本年度の経営課題に掲げ成長をめざしております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて2月末から6月にかけて実施した国内外の商業施設での臨時休業や営業時間短縮に加え、その後も外出を控える動きが続いていること等により、入店客数・売上ともに前年を大きく下回る結果となりました。
現在は、お客様や従業員の安全・安心の確保を第一に、感染防止策を徹底した上で、全商業施設で営業を再開しております。コロナ禍において外出を控える動きが続く中、オンラインストアの売上は「巣ごもり消費」による食料品やリビング用品のほか、中元をはじめとしたギフトが好調に推移し、前年を大きく上回りました。また、デジタル技術を活用した接客を強化し、お客様の利便性向上を図りました。さらに、グループ本社ビル勤務者を中心に在宅勤務を実施し、オンライン会議の導入などデジタル技術を活用することで生産性向上に努めました。今後も引き続きデジタルトランスフォーメーションによる経営の在り方や働き方の変革に取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、人々の消費行動や生活様式も大きく変容しております。これを受け、商業開発業を担う東神開発株式会社がけん引役となり、まちづくり戦略を進化させていくことで、百貨店業をはじめ当社グループ事業の再構築に取り組んでまいります。
持続可能な社会の実現につきましては、短期的・中長期的双方の視点に立って取り組みを進めております。4月には食料品用レジ袋の有料化や素材変更を実施する等、廃プラスチックゼロに向けた取り組みを進めております。また4月から6月には、新型コロナウイルス感染症への対応に従事する医療関係者支援のためのWEB募金を当社サイト「クラウドファンディング型 髙島屋募金」で実施いたしました。今後も行政やお取引先等との協働により、社会課題の解決に取り組んでまいります。
当期の連結業績につきましては、連結営業収益は297,352百万円(前年同期比34.4%減)、連結営業損失は10,217百万円(前年同期は営業利益13,424百万円)、連結経常損失は10,914百万円(前年同期は経常利益12,659百万円)となり、親会社株主に帰属する四半期純損失は23,284百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益12,404百万円)となりました。
事業のセグメント別業績は、次のとおりです。
<百貨店業>
百貨店業での営業収益は241,963百万円(前年同期比37.7%減)、営業損失は13,888百万円(前年同期は営業利益4,274百万円)となりました。
国内百貨店におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、2月末から臨時休業や営業時間短縮を実施し、さらに4月7日の緊急事態宣言発出以降、全店で食料品フロアを除き臨時休業をいたしました。その後、各店の営業を順次再開し、5月27日には全店で全館営業を再開いたしました。しかしながら、多くのお客様の来店が予想される営業施策や販売促進策を見合わせたことに加え、引き続き外出を控える動きは強く、また、渡航制限で訪日外国人数が大幅に減少したことでインバウンド売上が前年から94.6%減となったこともあり、売上高は大きく減少いたしました。
なお、3月1日に子会社の株式会社米子髙島屋の全株式を売却し、同社は商標ライセンス契約会社となりました。また、8月16日をもちまして港南台店の営業を終了いたしました。
一方、株式会社岡山髙島屋につきましては、両備ホールディングス株式会社が保有する全株式を取得し、7月1日に当社の完全子会社といたしました。
海外(2020年1月~6月)におきましては、当社が事業を展開するASEAN・中国でも新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。上海高島屋では1月から3月まで営業時間を短縮し、ホーチミン髙島屋では3月から4月、サイアム髙島屋では3月から5月、シンガポール髙島屋では4月から6月にかけて一部食料品を除き臨時休業いたしました。その後、各店ともに全館での営業を再開しましたが、売上高は大きく減少いたしました。
<商業開発業>
商業開発業での営業収益は17,489百万円(前年同期比22.4%減)、営業利益は3,238百万円(前年同期比35.5%減)となりました。
商業開発業におきましては、東神開発株式会社が「まちづくり戦略」の中核としての役割を担っており、グループが一体となった事業開発・拠点開発を通じて、当社の成長戦略をけん引しております。7月には髙島屋東別館リノベーション第2弾として、「コミュニティー フードホール 大阪・日本橋」を開業し、館の価値向上に努めました。また、アクティブシニア向け住宅に対するニーズの高まりを背景に、当社グループの重点開発地域の一つである千葉県柏市において、7月にサービス付き高齢者向け住宅を取得いたしました。
一方、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、百貨店業と同様、各商業施設において2月末から営業時間の短縮を実施し、緊急事態宣言発出以降は食料品を除いて臨時休業をいたしました。その後、順次営業範囲を拡大いたしましたが、引き続き外出を控える動きは強く、入店客数・売上ともに前年を大きく下回り減収減益となりました。
海外においては、トーシンディベロップメントシンガポールPTE.LTD.が、シンガポール政府による入国規制の影響や2ヵ月を超える臨時休業の影響により減収減益となりました。また、ベトナム事業では、インドチャイナプラザ・ハノイが3月から4月下旬まで全館休業となったほか、ホーチミンのA&Bタワーの一部飲食テナントも3月から5月上旬まで営業を休止いたしました。
<金融業>
金融業での営業収益は8,103百万円(前年同期比6.0%減)、営業利益は2,106百万円(前年同期比19.2%減)となりました。
金融業におきましては、3月に髙島屋クレジット株式会社と髙島屋保険株式会社が合併し、髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社が誕生いたしました。当社グループにおける新たなファイナンシャルサービス開始に向けて、株式会社SBI証券との提携による金融商品仲介業の登録、ほがらか信託株式会社との提携による信託契約代理店の登録を行いました。6月には日本橋髙島屋S.C.本館8階に「タカシマヤ ファイナンシャル カウンター」をオープンし、お客様の資産形成や資産の継承などの相談を承るとともに、金融商品を取り扱うファイナンシャルサービス事業を開始しました。当社グループでは金融業を成長分野と位置づけ、百貨店の顧客基盤を活用した事業の強化・拡大を図ってまいります。一方、商業施設の休業により、クレジットカード取扱高、新規入会顧客は大幅に落ち込み、減収減益となりました。
<建装業>
建装業での営業収益は12,576百万円(前年同期比23.2%減)、営業損失は121百万円(前年同期は営業利益758百万円)となりました。
建装業におきましては、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が、緊急事態宣言発出により、受注した工事の中断・遅延に加え、景気の先行き不透明感が強まったことに伴う設備投資の抑制によって内装工事の需要が急減したことにより、減収減益となりました。
<その他の事業>
クロスメディア事業等その他の事業での営業収益は17,220百万円(前年同期比0.3%増)、営業利益は376百万円(前年同期比61.4%減)となりました。
その他の事業におきましては、クロスメディア事業及び株式会社セレクトスクエアが新型コロナウイルス感染症の影響により「巣ごもり消費」が拡大したことで、ネットビジネスが好調に推移し増収増益となりました。しかしながら、株式会社センチュリーアンドカンパニーが、人材派遣先である商業施設の休業による業務の縮小により減収減益となり、その他の事業全体では増収減益となりました。
(2)財政状態に関する説明
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、1,169,360百万円と前連結会計年度末に比べ856百万円増加しました。これは、受取手形及び売掛金、有形固定資産の使用権資産(純額)が減少した一方、現金及び預金が増加したことが主な要因です。負債については、741,855百万円と前連結会計年度末に比べ29,223百万円の増加となりました。これは、支払手形及び買掛金が減少した一方、長期借入金、コマーシャル・ペーパーが増加したことが主な要因です。純資産については、427,504百万円と利益剰余金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ28,366百万円減少しました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動キャッシュ・フローは、13,302百万円の収入となり、前年同期が13,924百万円の収入であったことに比べ621百万円の収入の減少となりました。主な要因は、税金等調整前四半期純利益が41,616百万円減少したものの、売上債権の増減額が28,919百万円増加したこと、及び前受金の増減額が6,279百万円増加したことなどによるものです。
投資活動キャッシュ・フローは、12,882百万円の支出となり、前年同期が5,434百万円の支出であったことに比べ7,448百万円の支出の増加(収入の減少)となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の売却による収入が10,428百万円減少したことなどによるものです。
財務活動キャッシュ・フローは、31,679百万円の収入となり、前年同期が11,180百万円の支出であったことに比べ42,860百万円の収入の増加となりました。主な要因は、長期借入れによる収入が35,534百万円増加したことをはじめ、コマーシャル・ペーパーの増減額が20,000百万円増加したことなどによるものです。
以上の結果及び換算差額により、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ29,678百万円増加し、118,090百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症の収束時期はいまだ不透明であり、経済活動の停滞は国内外で長期に及ぶ可能性があります。当社グループにおいては、感染防止に向けて3月から5月にかけて店舗の臨時休業を実施いたしました。現在営業活動は再開しておりますが、今後再び店舗の休業をせざるをえない状況になることは最大のリスクであると捉えております。
その一方で、当社グループにおいては、経営や営業、働き方のデジタルトランスフォーメーションを進めるとともに、働き方改革を加速させ、さらなる生産性の向上を図ってまいります。
消費行動にパラダイムシフトが起こっていく中で、店頭においては新たな営業スタイルの構築を検討してまいります。今後も一層の拡大が見込めるネットビジネスは百貨店業の第2の柱として重要な販路であることから、経営資源を大きく振り向け、取り組みの拡大を進めてまいります。また、商業施設そのもののあり方を含め、新たなビジネスモデルへの変革に向けた事業戦略の策定を進めてまいります。
さらに財務の安定性につきましては、これまでの財務健全性への取り組みと、金融機関との緊密な取引関係、そして社会的信用に裏づけられた資金対応力により、確固とした財務運営を継続してまいります。また緊急時においては多様かつ機動的な資金調達により、十分な手元流動性を確保してまいります。
(5)研究開発活動
特記事項はありません。
該当事項はありません。