当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
当社グループに関する財政状態、経営成績の状況の分析・検討内容は、原則として四半期連結
財務諸表に基づいて分析した内容であります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間(2021年3月1日~2021年5月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の再拡大により深刻な影響を受けました。本年1月に2回目の緊急事態宣言が11都府県に発出されたことに伴い、個人消費は低迷し、1~3月期のGDP成長率は3四半期ぶりのマイナス成長となりました。さらに4月には3回目の緊急事態宣言が発出され、外出自粛傾向による小売業界へのマイナス影響は長期化が懸念されています。
髙島屋グループ(以下、当社グループ)のブランド価値の源泉は、百貨店でありますが、当第1四半期においても、コロナ禍での消費者の価値観の変容や国内外の移動の制限、緊急事態宣言を受けた商業施設の臨時休業の影響を受けて、引き続き厳しい経営環境に置かれました。
現下のコロナ禍という危機を変革の契機と捉え、グループ全体の持続的成長へとつなげていくためには、中核事業である百貨店の再生はまさに喫緊の課題であります。本年4月には百貨店再生を中心テーマとする「3カ年計画」(2021~2023年度)を策定し、コスト構造改革や、営業力強化に向けた魅力ある品揃え、お客様との関係再構築に向けた取り組みをスタートさせました。「3カ年計画」の初年度である本年度においては、早期黒字化への転換を実現すべく、営業費の削減に取り組んでおります。一方、成長分野であるネットビジネスにつきましては、巣ごもり消費により売上は堅調に推移いたしました。2023年度に売上500億円をめざす中で、百貨店ならではの魅力ある商材や独自商材の提案に加え、顧客体験価値を高めるべく、本年度中にECシステムを刷新し、パーソナライズされた商品提案や商品検索機能の充実を図ってまいります。
まちづくり戦略の中核事業を百貨店とする一方で、けん引役は商業開発業の東神開発株式会社と位置づけ、拠点開発・事業開発を推進しております。国内では流山おおたかの森地区(千葉)において「流山おおたかの森S・C」を中心とする開発を進めており、3月には「流山おおたかの森S.C FLAPS」(以下、「FLAPS」)を開業いたしました。またベトナムでは、ホーチミン髙島屋を中核とするサイゴンセンター事業に続き、ハノイ市のタウンシップ開発事業である「スターレイク・プロジェクト」に参画するなど、成長領域での事業を着実に拡大しております。
金融業では、当社グループの顧客基盤や立地など店舗の強みを生かしたファイナンシャルカウンター事業を、百貨店の新たな品揃えとして展開しております。昨年の日本橋髙島屋S.C.に続き、本年は大阪店・横浜店にカウンターを開設することで、さらなる顧客接点と収益基盤の確立をめざしてまいります。
持続可能な社会への取り組みにつきましては、地球環境への負荷をなくすことをめざしていく中で、資本提携先の日本環境設計株式会社との協業により、4月に循環型商品の店舗展開をスタートさせました。また、2050年までに事業活動で使用する電力を再生可能エネルギーに100%転換することを目標としており、当四半期においても既存施設の使用エネルギー切り替えを進めました。引き続き、行政やお取引先、お客様とともに、「すべての人々が21世紀の豊かさを実感できる社会の実現」に取り組んでまいります。
引き続き、各商業施設においてコロナ感染防止策を徹底し、お客様に安心してお買物いただける環境と魅力ある品揃え・サービスの提供に努めてまいります。
当期の連結業績につきましては、連結営業収益は164,959百万円(前年同期比42.0%増)、連結営業損失は717百万円(前年同期は営業損失7,368百万円)、連結経常利益は148百万円(前年同期は経常損失8,684百万円)となり、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,305百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失20,530百万円)となりました。
事業のセグメント別業績は、次のとおりであります。
<百貨店業>
百貨店業での営業収益は138,206百万円(前年同期比56.0%増)、営業損失は3,160百万円(前年同期は営業損失8,608百万円)となりました。
国内百貨店では、前年のコロナ感染拡大に伴う臨時休業や営業時間短縮の反動から、入店客数・売上ともに前年から大きく回復いたしました。しかしながら3回目の緊急事態宣言を受けて、大阪店や日本橋店などの大型店を含む10店舗で臨時休業したことやインバウンド売上が消失したこともあり、依然としてコロナ禍以前の水準には及ばない状況です。
百貨店再生に取り組む中で、コスト構造改革と営業力強化を両輪で進めております。コスト構造改革においては、安定的に利益を創出できる仕組みへと転換すべく、生産性向上とともに適正な要員体制の構築や外部委託作業の内製化などの営業費削減に取り組みました。営業力強化においては、衣料品の再生に向けて主要お取引先との重点戦略を踏まえた協働取り組みをはじめ、再構築に向けた品揃えの中身・構成の見直しを進めております。食料品売場の強化については魅力ある品揃えによる特徴化や効率運営による標準化に向けた検討を進めております。お客様との関係再構築については、デジタル技術の活用を加速させました。株式会社NTTドコモ・株式会社ロイヤリティ マーケティングとのアライアンスによる顧客データを活用した施策の展開に加え、タブレットを活用したリモート接客を実施するなど、お客様の利便性向上にも努めました。
3月には横浜店の食料品フロアを横浜駅西口側の地下街に増床した「フーディーズポート2」がオープンし、本館と地下街エリアの回遊性を意識した品揃え・サービスを提供する、国内最大級の「デパ地下」として生まれ変わりました。
海外(2021年1月~3月)におきましては、コロナ影響が少なかった上海高島屋、ホーチミン髙島屋、サイアム髙島屋の各店で売上の回復が見られ、増収増益となりました。一方、シンガポール髙島屋は営業時間短縮などの営業制限が継続しており減収減益となりました。なお、4月以降ASEAN地域ではコロナ影響が再拡大し、ホーチミン髙島屋は食料品を除き全館休業、サイアム髙島屋は営業時間短縮となるなど、引き続き厳しい営業体制にあります。
<商業開発業>
商業開発業での営業収益は9,899百万円(前年同期比17.9%増)、営業利益は2,087百万円(前年同期比1.2%減)となりました。
国内の商業施設におきましては、3回目の緊急事態宣言の発出を受け、営業時間の短縮および臨時休業を実施いたしましたが、休業などの実施規模は前年より小さく、東神開発株式会社は増収増益となりました。しかしながら、引き続き外出を控える動きは強く、先行き不透明な状況が続いております。
一方、二子玉川と並ぶ重点開発地域と位置付ける流山おおたかの森では、3月開業の「FLAPS」と「流山おおたかの森S・C本館」をつなぐデッキも同時開通し、周辺施設や駅への回遊性を高めるほか、コミュニティの創造を通じた、更なる賑わいの創出をめざしております。また、今後開業予定の施設も含め、再生可能エネルギー由来の電力を100%使用するなど、サステナブルな地域社会の発展に向けた取り組みを実践してまいります。
海外(2021年1月~3月)におきましては、トーシンディベロップメントシンガポールPte.LTDがコロナ影響の長期化による賃料減額対応・空室の影響が大きく、減収減益となりました。
一方、2月にはベトナム・ハノイ市における「スターレイク・プロジェクト」第一弾として、現地共同出資者のエデュフィット社が運営するバイリンガルスクールを開校いたしました。また、同市における新規不動産開発事業「ランカスター・ルミネールプロジェクト」への参画も決定し、現地での事業拡大を進めてまいります。
<金融業>
金融業での営業収益は4,244百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益は1,274百万円(前年同期比20.4%増)となりました。
本年も緊急事態宣言発出に伴う来店客数の減少により、各商業施設でのクレジットカード取扱高や新規入会会員数はマイナス影響を受けましたが、前年のコロナ影響の反動により増収増益となりました。
クレジットカード事業では、コロナ禍における新しい生活様式や消費スタイルに適応する取り組みや、オンライン即時発行サービスの導入等により新規カード会員の獲得を促進いたしました。
昨年、日本橋店に開設しました「タカシマヤ ファイナンシャル カウンター」では、店頭でのご相談に加え、WEBツールを活用したオンラインでのお客様の資産形成や承継等に関するコンサルティング相談や各種セミナーが定着し、着実にサービス拡大や認知度向上が図られています。
<建装業>
建装業での営業収益は3,960百万円(前年同期比45.4%減)、営業損失は319百万円(前年同期は営業利益115百万円)となりました。
建装業におきましては、コロナ影響により髙島屋スペースクリエイツ株式会社の主要顧客である商業施設やホテルでの事業計画の見直しや延期が相次ぎ、厳しい情勢が続きました。前年の大型案件の反動もあり、作業費の効率化などによる営業費用の削減に努めたものの減収減益となりました。
<その他の事業>
クロスメディア事業等その他事業全体での営業収益は8,648百万円(前年同期比9.5%増)、営業損失は11百万円(前年同期は営業利益20百万円)となりました。
その他の事業におきましては、「巣ごもり消費」によるネットビジネスの好調が続きクロスメディア事業及び株式会社セレクトスクエアが増収となりました。クロスメディア事業が作業委託費用などの増加により減益となり、その他の事業全体では増収減益となりました。
(2)財政状態に関する説明
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、1,123,973百万円と前連結会計年度末に比べ26,533百万円減少しました。これは、現金及び預金が減少したことが主な要因です。負債については、709,093百万円と前連結会計年度末に比べ26,301百万円の減少となりました。これは、短期借入金が減少したことが主な要因です。純資産については、414,879百万円と利益剰余金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ231百万円減少しました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、7,369百万円の支出となり、前年同期が23,918百万円の支出であったことに比べ16,549百万円の収入の増加(支出の減少)となりました。主な要因は、税金等調整前四半期純損失が16,960百万円減少したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、13,144百万円の支出となり、前年同期が7,939百万円の支出であったことに比べ5,205百万円の支出の増加(収入の減少)となりました。主な要因は、短期貸付けによる支出が2,715百万円増加したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、8,392百万円の支出となり、前年同期が39,540百万円の収入であったことに比べ47,932百万円の支出の増加(収入の減少)となりました。主な要因は、短期借入金の純増減額が44,000百万円の減少であったことなどによるものです。
以上の結果により、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ26,431百万円減少し、78,888百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
特記事項はありません。
該当事項はありません。