第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

当年度は、長期化するコロナ禍のなかで、中核事業である国内百貨店は売上の回復が鈍く2期連続の営業損失となりました。コロナ禍や景気動向の変化などに左右されない、安定した利益確保のためには、時代の変化や消費者のニーズを的確に捉え、迅速に品揃えを見直し、百貨店の強みや特徴を発揮できるよう組織と意識の変革が必須であると考えております。

こうしたなか、次年度は、厳しい環境下における当社グループの生き残りと将来成長を目指し「百貨店の構造改革と営業力強化」「業務改革、従業員の意識・組織風土の変革」「グループ会社の収益強化と事業拡大への基盤構築」「グループESG戦略の推進」に取り組んでまいります。

グループ経営においては、グループ各社の強みの発揮による利益の最大化、将来の更なる事業拡大に向けた既存事業強化や新規事業開発の着手に向け、グループ内で経営資源の有効活用を進め、組織体制の強化や人材育成を通じた専門性の向上など、更なる事業基盤の強化を進めてまいります。

尚、企業活動にあたり、その根幹をなす「コンプライアンスの徹底」は何よりも優先すべきことです。グループ全体のリスクマネジメント体制の強化と、重要性が高まるグループガバナンス向上を図るための内部統制システムの充実、取締役会の更なる機能強化に取り組んでまいります。

 

[経営目標]

「新しい百貨店の運営モデル構築※」と「グループ利益の最大化」

   ~ ヒト・モノ・カネのトランスフォーメーション ~

  ※経費構造の改革とMDを中心とした営業力の強化

 

[経営課題]

①百貨店の構造改革と営業力強化

②業務改革、従業員の意識・組織風土の変革

③グループ会社の収益強化と事業拡大への基盤構築

④グループESG戦略の推進

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2)経営戦略等

(2-1)グループ経営戦略

当社グループは、経営目標を達成するための具体的行動計画として、2023年度の連結営業利益300億円を目標とする「髙島屋グループ3カ年計画」を策定しました。初年度(2021年度)に引き続き、2022年度以降もPDCAサイクルに基づいて着実に実行してまいります。

 

当社グループは引き続き、グループ総合戦略「まちづくり」を基本とし、国内百貨店、国内グループ、海外事業とのシナジー効果の発揮に努めます。まちづくり戦略には2つの考え方があります。1つは、拠点開発によるまち全体の流れを作るアンカーとしての役割発揮、もう1つは、事業開発による館の魅力の最大化です。

 

 

●まちづくり戦略の概念図

百貨店を中核とするまちづくりで成長領域を拡大

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(2-2)サステナビリティへの取り組み

当社のグループ経営理念「いつも、人から。」は、SDGsが目指す「誰一人取り残さない」社会の実現と強く結び付くものです。2006年には、経営理念をもとにCSR活動領域を策定し、現在もそれに即した経営の推進や情報の開示を行っています。活動領域には、事業活動を通じて得た利益をさまざまな人々に還元する「経済的役割」や「コンプライアンス(法令遵守)」といった基本的な活動に加え、「企業倫理」に基づく行動や新しい価値の創造、社会問題の解決など「社会的役割」の実現といった活動があります。

こうした従来のCSR経営にSDGsの概念を融合し推進しているのが、「グループESG経営」であり、「すべての人々が21世紀の豊かさを実感できる社会の実現」に貢献していくことを目指しています。これにより、「環境に優しいより豊かな生活・文化」「多様な価値観への対応、多様な人材の活用」「お客様視点に立った経営」など、当社ならではの価値提供を通じ、ステークホルダーの皆様からの共感を獲得していきます。

ESG経営の重点課題につきましては、「脱炭素化推進RE100」や「ダイバーシティ推進」をはじめとする10の項目を設定しています。そのためには従来型のビジネスモデルから脱却し、時代や社会の要請に合わせて変革していくことが重要であり、結果として社会課題の解決はもちろんのこと、事業成長の好機にもつながるものと考えます。

当社がグループ総合戦略として位置づける「まちづくり」(以下、まちづくり戦略)も、コミュニティやサステナビリティの観点からESG経営と密接な関係にあります。「街の賑わいを創出し、地域との共生を図る」「商品や環境、サービスを通じて新しい価値を提案・提供する」ことは、さまざまな社会問題の解決に応用・発展させていくことができます。さらに当社は百貨店を中核に国内外で各グループ事業を展開しており、また優良な顧客基盤や店舗の立地、お取引先とのネットワークを有していることから、地球上のさまざまな問題にアプローチできる強みやポテンシャルを持ち合わせています。まちづくり戦略を推進する中で、短期的・中長期的両方の視点で社会課題の解決に取り組むことで、グループのさらなる成長を目指すと共に、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

{グループESG経営概念図}

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{重点課題とKPI}

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{TCFD提言への賛同}

 当社は、グループ経営理念体系の「5つの指針」のひとつに「地球環境を守るためのたゆまぬ努力」を掲げています。また「髙島屋グループ環境方針」においても、地球温暖化の防止やCO2排出量の削減に重点を置くなど、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

 このグループ環境方針は、ESG経営で掲げる環境課題を解決につなげる基本的姿勢でもあります。お客様やお取引先、地域社会など、多くの人々との直接的な接点をもつという事業特性を生かしながら、環境方針に基づくさまざまな活動に取り組んでいます。

 しかし一方で、近年は気候変動や資源の枯渇、生物多様性の減少といった環境問題がより深刻化しており、環境問題への取り組みの重要性や緊急性が高まっています。特に中核事業である百貨店事業では、化石燃料などの地下資源による電力の大量消費や、プラスチックや食品ごみの大量廃棄、衣料品の過剰在庫など、現行のビジネスモデルが環境負荷を前提としていることをリスクと捉えています。

 そこで当社は、従来型のビジネスモデルから、地球資源を再生・修復するビジネスモデルへと変革し、環境課題解決と事業成長の両立に取り組みます。また、TCFD提言に賛同し、TCFD提言が推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理とリスクに対する取り組み」「指標と目標」の4つの開示項目に基づき情報開示のさらなる拡充を図ってまいります。

 

{TCFD提言が推奨する開示項目に沿った情報開示}

 TCFD提言が推奨する4つの開示項目<ガバナンス><戦略><リスク管理><指標と目標>と、項目毎の具体的な開示内容に基づき、当社グループは、気候関連情報を開示しています。

 

 a)ガバナンス(環境課題に関するガバナンス)

①取締役会が気候関連課題について報告を受けるプロセス、議題として取り上げる頻度、監視対象

 髙島屋グループでは、グループESG経営で掲げる環境課題への取り組みを通じ、企業価値の向上や持続的成長を図り、お客様や株主・投資家をはじめとしたステークホルダーの皆様からのご期待に応えるためには、コーポレート・ガバナンスの強化は経営上の重要な課題と認識しています。

 グループESG経営を組織内に浸透させ、当社がお客様や株主などステークホルダーの皆様との信頼関係を深め、社会的責任を重視した経営を持続的に推進するうえで、その支えとなるのが内部統制システムであると考えています。内部統制システムに関わる主な会議としては、社長を委員長とする「髙島屋グループCSR委員会」及び「髙島屋グループリスクマネジメント委員会」を設置しています。

 「グループCSR委員会」は、当年度より半期に一度開催し、コンプライアンス経営の徹底に加えて内部統制の状況や、新しい社会課題に対するCSR領域への取り組み状況をグループ横断的に検証し、強化する体制を整えています。

 「グループリスクマネジメント委員会」は、必要に応じ都度開催し、主管部門が各部門と連携し、案件ごとにラインを通じて内部統制の強化を図っています。コンプライアンスリスク・自然災害リスク等の予防、極小化に向けグループ横断的に統制を図っています。また、新たなビジネスへのチャレンジ等、事業戦略上発生するリスクに対しては、リターンとのバランスを考慮しながら的確にコントロールし、グループ全体のリスクマネジメント体制の確立に取り組んでいます。

 さらに、ESG経営を組織内に浸透させ、設定した重点課題に対する取り組みを確実に推進していくため、グループ視点での方針管理、進捗管理を充実させる「グループ環境・社会貢献部会」を四半期毎に開催し、より一体的でかつ実効性が発揮できる体制を整えています。

 

②経営者の気候関連課題に対する責任、報告を受けるプロセス(委員会等)、モニタリング方法

 取締役会は、当社の業務執行がグループ全体として適正かつ健全に行われるために、取締役の職務執行状況を適切に監督すると共に、実効性あるグループ全体の内部統制システムの基本方針に基づく運用状況や課題について定期的に確認しています。

 社長が委員長を務める「グループCSR委員会」は、ESG重点課題の進捗状況を報告し、改善点に対しては速やかに次年度の活動へ反映するなどPDCAサイクルを徹底し、毎年度モニタリングを行っています。その内容については取締役会に報告し、取締役会による監督体制のもと、環境課題の取り組みに対するガバナンスの強化に努めています

 また、社長が委員長を務める「グループリスクマネジメント委員会」は、当社の業務執行に伴うさまざまなリスクを抽出し、リスク発生時の損失極小化に向けた対応等、協議された内容については、取締役会へ報告を行っています。

 

 

 

 

 

 

 

●内部統制システム体制図

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●ESG重点課題 推進体制図

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 b)戦略(気候関連シナリオ分析)

①短期・中期・長期のリスク・機会の詳細

 当社は、将来の気候変動が事業活動に与えるリスクと機会、財務影響を把握するため、従業員選抜型ワークショップを開催し、TCFDが提唱するフレームワークに則り、シナリオ分析の手法を用いて、2050年時点における外部環境変化を予測し、分析を実施しました。気候変動に伴う自然環境の変化や資源の枯渇等は、長期間にわたり当社の事業活動に大きな影響を与えるため、百貨店のみならずグループ事業全体において、従来型のビジネスから、地球資源を再生・修復するビジネスへと変革していくことが必要であると認識しています。当社が目指す将来社会を見据え、環境・社会領域におけるESG重点課題10項目は、2030年時点の達成目標(中長期)や、年度毎の数値目標(ロードマップ)を設定し、PDCAサイクルにて進捗管理を行っています。

 

②リスク・機会が事業・戦略・財務計画に及ぼす影響の内容・程度

 TCFDが推奨する気候変動関連リスクを移行リスク・物理的リスクの2つのカテゴリーに分類し、当社の事業活動に甚大な影響を及ぼす可能性がある主要なリスク項目を特定しました。また、「2℃以下シナリオを含む、様々な気候変動関連シナリオに基づく検討」を行うため、当社は、IPCCやIEA等のシナリオを参考に、事業活動や財務に及ぼす影響を分析し、持続可能な成長に向け、その対応策を検討・推進しています。当社のシナリオ分析は、パリ協定の目標である「2℃未満」と、CO2排出量削減が不十分な「4℃」の2つのシナリオを想定し、TCFDが推奨する典型的な気候関連リスクと機会を参考に分析を行いました。

 

 

想定シナリオ

 

2℃未満

シナリオ

気候変動対応の厳しい法規制施行による事業運営コストの増加

エネルギーコストや商品価格の高騰に伴う、商品調達リスクの拡大

消費者の環境意識の高まりによる新たなマーケット獲得

4℃

シナリオ

自然災害の多発・激甚化に伴う店舗被災、サプライチェーンの断絶など、営業機会の損失

エネルギー価格の高騰や資源不足に伴う商品調達リスクの拡大

環境負荷を前提としたビジネスモデルから脱却できない企業に対する市場からの淘汰

 

 

髙島屋グループのリスク・機会の概要と事業及び財務への影響

リスク・機会

の分類

髙島屋グループ 気候変動関連リスク・機会の概要

事業及び
財務への影響

+2℃未満

+4℃

リスク

市場と 技術

* 再生可能エネルギーへの転換に伴う調達コスト増加

* 環境マーケット需要の獲得遅れに伴う競争力低下

大きい

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大きくなる

評判

* 環境課題への対応遅れに伴うステークホルダーからの信用失墜、ブランド価値の毀損、組織会員離反

非常に

大きい

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非常に

大きくなる

政策と

* 炭素税の導入、プラスチック循環促進法への対応など、規制強化に伴う事業運営コストの増加

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軽微

物理的

リスク

* 大規模自然災害の発生に伴う店舗閉鎖や、サプライチェーン断絶に伴う営業機会損失

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機会

エネルギー源

* 省エネ推進に伴う電力使用コスト削減

* 災害に備えた事業活動のレジリエンス確保

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市場

* ESG経営の推進によるステークホルダーからの共感獲得、企業価値向上

* 高まる環境意識に対応した商品・サービスの提供によるマーケット獲得

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③シナリオに基づくリスク・機会及び財務影響とそれに対する戦略・レジリエンス

 2030年時点を想定した2つのシナリオにおける事業及び財務への影響に関し、規制強化に伴う炭素税の導入や、再生可能エネルギー由来の電力調達コストが財務に影響を及ぼすものと考え、2℃未満シナリオにおける財務影響を試算しています。

 

当社への財務影響

2030年時点を想定した財務影響

炭素税導入

約△25億円

※EUの炭素税価格(約11千円/t-CO2)を基準に、当社

2019年時点のCO2排出量(約230,516t)より算出

再エネ由来の

電力調達

約△16億円

※現状の調達電気との料金格差(約4円/kwh)に、当社

 2019年時点の電力使用量(約392,824mwh)より算出

 

 当社は、気候変動関連リスクに対する事業活動や財務に与える影響などを踏まえ、持続可能な社会の実現に貢献することを目指し、社会課題解決と事業成長の両立を図る「グループESG経営」を推進しています。その一環として、2019年、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来の電力で調達することを目指す国際的イニシアチブ「RE100」に参加し、「2050年までに事業活動で使用する電力の100%を再生可能エネルギーに転換すること」を目標とし、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しています。また、店舗ごとに設備を省エネ効率の高い機器へと順次更新すると共に、既存照明をLED照明へ変更することにより、使用電力及びCO2の削減に努めています。国内百貨店では2011年~2019年までで、15万4千台のLED照明を導入し、約10,000tのCO2排出量削減を図りました。

 さらに当社は、グループ総合戦略「まちづくり」(以下、まちづくり戦略」を通じ、「街のアンカーとして役割発揮」「館の魅力最大化」に取り組み、環境に配慮した商品やサービス、店舗施設の提供など、新しい価値を提案する次世代商業施設づくりを推進し、新たなマーケット獲得に取り組んでいます。グループ経営においても、これまで百貨店に集中していた経営資源をグループ内で有効活用し、既存事業の収益強化と将来の成長に向け事業規模の拡大や新規事業の開発を進めるなど、気候変動関連リスクの抑制に努めると共に、マーケット変化に積極的に対応し、新たなビジネス機会獲得に取り組んで参ります。

 

 c)リスク管理とリスクに対する取り組み

①気候関連リスクの特定・評価プロセスの詳細、重要性の決定方法

 当社は、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある気候関連リスクとして、「気候変動」や「自然災害(地震・台風・洪水等)」、「ESG経営への取り組みの遅れ」、「サプライチェーンの破綻」等を事業等のリスクとして特定しています。これらのリスクに適切に対応するため、当社は、社長を委員長とする「髙島屋グループCSR委員会」及び「髙島屋グループリスクマネジメント委員会」を設置し、コンプライアンス経営の徹底に加え、内部統制の状況や新しい社会課題に対するCSR領域への取り組み状況等をグループ横断的に検証しています。

「髙島屋グループリスクマネジメント委員会」では、「グループの成長戦略の実行を阻害する事象」又は「事業活動継続と持続的成長を阻害する事象」を重要リスクであると定義し、気候変動に伴う重要リスクを特定、最終的に取締役会へ報告しています。

 

②重要な気候関連リスクの管理プロセスの詳細、優先順位付けの方法

 気候関連リスクと機会は、当社の事業活動に大きな影響を及ぼすため、「髙島屋グループ環境・社会貢献部会」や「髙島屋グループCSR委員会」において、グループESG経営重点課題で掲げた環境課題に対し、年度計画に基づく取り組み内容や進捗状況を確認し、取締役会へ報告しています。

「髙島屋グループリスクマネジメント委員会」で特定した気候関連リスクは、「発生頻度・可能性」・「事業への影響度」を評価基準にリスクマップを策定し、その重要性を評価しました。

当社は、リスク管理体制を含む内部統制システムの整備に取り組み、気候関連リスクの予防・極小化に向け、グループ横断的に統制を図ると共に、新たなビジネスへのチャレンジ等、事業戦略上発生するリスクに対しては、リターンとのバランスを考慮しながら的確にコントロールするなど、グループ全体のリスクマネジメント体制の確立に取り組んでいます。

③全社リスク管理への仕組みの統合状況

 気候変動関連リスクは、当社の事業活動に甚大な影響を及ぼす可能性があり、当社は、「髙島屋グループCSR委員会」及び「髙島屋グループリスクマネジメント委員会」を通じ、リスク発生時の対応やリスク管理体制の強化に努めています。リスクに対する取り組みとして、脱炭素社会の実現に向けた「RE100」や「EV100」の推進、廃棄プラスチックや食品ロスの削減、循環型ビジネスの構築等に取り組むと共に、自然災害の激甚化に伴う営業機会損失を最小限に抑制するため、店舗や施設のレジリエンスを高める設備投資や、EC事業・グループ経営の強化等に取り組んでいます。

 

 d)指標と目標

①気候関連リスク・機会の管理に用いる指標

 当社は、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope1・2・3温室効果ガス排出量、及び事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率を指標として定めています。

 

②温室効果ガス排出量(Scope1・2・3)

 百貨店事業を中核に位置付ける当社は、環境負荷を前提とした現行のビジネスモデルをリスクと捉え、環境課題の解決に向けて取り組んでいます。2019年、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来の電力で調達することを目指す国際的イニシアチブ「RE100」に参加し、脱炭素化推進に取り組んでいます。当社の2020年度Scope1・2温室効果ガス排出量は、約17.9万t-CO2、国内百貨店におけるScope3温室効果ガス排出量は、約249.6万t-CO2排出しています。

 

●温室効果ガス排出量

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③気候関連リスク・機会の管理に用いる目標及び実績

 当社は、「RE100」に参加後、2020年にグループ会社の東神開発株式会社が運営する玉川エリア7施設、流山エリア1施設を再生可能エネルギー由来の電力に転換し、2021年度では、NAGAREYAMAおおたかの森アゼリアテラスや、髙島屋大宮店、日本橋三丁目スクエア、流山TXグランドアベニュー等に再生可能エネルギー由来の電力を導入・転換いたしました。

当社は、「2030年度にScope1・2温室効果ガス排出量30%以上削減」、「2050年度までにScope1・2温室効果ガス排出量ゼロ」を目標として設定し、毎年度の数値目標を設定したロードマップに基づき、脱炭素社会の実現に向け、取り組んでいます。

当社は、2019年度Scope1・2温室効果ガス排出量を基準に、中長期の温室効果ガス排出量削減目標とRE達成目標を設定し、脱炭素化を推進しています。

Scope1・2

単位

2019年度

2025年度

2030年度

2050年度

温室効果ガス排出量

t-CO2

230,516

208,961

161,361

0

削減量(19年度比)

△21,555

△69,155

△230,516

温室効果ガス削減目標

 

△9.4%

△30%以上

△100%

RE達成率

0%

8.6%

30%以上

100%

 

 

(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

「髙島屋グループ3カ年計画(2021~2023年度)」における2023年度の連結経営目標は以下の通りです。

〇総額営業収益            8,500億円   ( 2019年度比    △691億円 )

〇営業利益           300億円  (    同      + 44億円 )

〇自己資本比率          36.8%  (    同        △ 0.4% )

〇ROE(当期純利益/自己資本) 4.8%  (    同        + 1.2% )

〇ROA(経常利益/総資産)   2.6%  (    同       + 0.5% )

※自己資本比率、ROE、ROAの各指標につきましては、その計算の前提となる2023年度における総資産及び純資産、並びに経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の予測値を、2022年度から適用する収益認識会計基準による影響等により見直したことに伴い、前年度に公表しました数値から修正を行っております。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

 先行き不透明な経済への不安感や、感染防止のための行動制限が長期化する中、これを契機として消費者の意識や行動は大きく変容しています。感染予防を心掛けた行動やデジタル化の進展に伴う非接触・非対面志向の拡大、働き方改革の進展に伴う外出機会の減少など新たな生活様式が広まりました。対面でのサービス提供が主であった百貨店は、防疫体制を継続しつつ、新たな生活様式と新しい消費需要に対応するための情報発信手法の研究、非接触・非対面サービスの拡充などに取り組むことの重要性が更に高まっています。

 こうした中、次年度は、厳しい環境下における当社グループの生き残りと将来成長を目指し「百貨店の構造改革と営業力強化」「業務改革、従業員の意識・組織風土の変革」「グループ会社の収益強化と事業拡大への基盤構築」「グループESG戦略の推進」に取り組んでまいります。

グループ経営においては、グループ各社の強みの発揮による利益の最大化、将来の更なる事業拡大に向けた既存事業強化や新規事業開発の着手に向け、グループ内で経営資源の有効活用を進め、組織体制の強化や人材育成を通じた専門性の向上など、更なる事業基盤の強化を進めてまいります。

企業活動にあたり、その根幹をなす「コンプライアンスの徹底」は何よりも優先すべきことです。グループ全体のリスクマネジメント体制の強化と、重要性が高まるグループガバナンス向上を図るための内部統制システムの充実、取締役会の更なる機能強化に取り組んでまいります。

 また、近年、気候変動、資源の枯渇、生物多様性の減少など環境問題は深刻化しており、環境問題への取り組みはより緊急性を増しています。当社は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、そのフレームワークに則って気候変動が事業活動や財務に及ぼす影響の分析と、持続可能な社会の実現に貢献するための対応策を検討・推進してまいります。循環型ビジネススキームの構築や食品廃棄物の削減などの取り組み過程において、イノベーションを起こすことで新たなビジネスチャンスを創出します。更に、グループ全体で社会課題の解決に取り組むことで、ステークホルダーからの信頼・共感を獲得し、グループのブランド価値を高め、持続的成長を可能とする事業基盤の強化を進めてまいります。

 

<百貨店業>

 百貨店は売上の減少や、商品利益率の低下、営業費の高止まりによって、利益の確保が難しくなっています。次年度は大型5店(大阪・京都・日本橋・横浜・新宿)の構造改革によって、新しい百貨店の運営モデルを構築し、当社グループのブランド価値の源泉である百貨店の営業力強化と収益安定化を図ってまいります。まず、営業力強化に向けては、最優先課題である、「魅力ある品揃え」を実現するために、仕入体制の強化を図ってまいります。仕入担当者は魅力ある品揃えとモノづくりに生かすための体制を構築し、新規お取引先を含めたネットワークと情報収集力を強化してまいります。販売担当者は、適切な商品提案を行うための商品知識やお客様とのコミュニケーション能力を磨きあげてまいります。

 収益安定化に向けては、お客様が生涯を通じて髙島屋をご利用いただくことで得られる価値を示す「ライフタイムバリュー(LTV)」の向上など、顧客づくりに関する施策の横断的な実施や、業務の重複、無駄を排除するために組織運営体制を再設計いたします。また、売場運営を支える基盤業務の内製化を進めて、経費の削減及び当社グループの経営資源である人材の有効活用を進めてまいります。

 成長領域であるEC事業部は、事業部内に仕入機能を持ちEC独自商品の開拓を行う一方、化粧品を皮切りにEC専用倉庫出荷を開始します。商品発送までの日数短縮による顧客利便性の向上や業務の集約化により、ネットビジネスの利益拡大を実現します。また、店頭とECの相互送客など、リアル店舗を持つ強みを最大限発揮することで、既存顧客の深耕と新たな顧客層の獲得に取り組んでまいります。

 飲食の分野においては、株式会社アール・ティー・コーポレーションが商品力・サービスの向上やSNSの活用により、既存店売上の増大に取り組むと共に、物流・食材調達の内製化による収益基盤の強化と、核ブランドである「鼎泰豊」「リナストアズ」の新規出店により店舗網、売上の増大を図ってまいります。

 海外店舗につきましては、各国共にコロナ影響の長期化が懸念されます。海外旅行客数の回復が期待できない中、各店は顧客ニーズの変化に対応したMD再編、新規顧客の獲得と既存顧客の深耕、現地法人との連携強化を進めて、収益の確保を図ってまいります。

 

<商業開発業>

 商業開発業では、東神開発株式会社が、国内既存事業において、コロナ禍で傷んだ事業基盤を迅速に修復するため、グループの最大の強みである百貨店・専門店の連携を更に強化してまいります。また、SCとしての持続性を確保するため、特に次年度はローコスト運営モデルの構築、デジタル化の推進など業務の効率化と高度化に注力すると共に、コミュニティ戦略の推進、新たなコンテンツ開拓など来店動機を多面的に作り出すことに取り組むことで、次世代型SCへの転換を図ってまいります。一方、国内新規事業においては、多様化するライフスタイルへの対応を企図し、住宅・オフィス・ヘルスケアなどの非商業施設を取り込むことと合わせて、中長期的視点で安定した事業ポートフォリオへのシフトを進めてまいります。

 海外事業では、ベトナムを中心に成長市場への経営資源を傾斜配分し、全体としての投資効率を高めます。また、急速な事業拡大に対応するため、現地法人を設立すると共に、ガバナンスと組織力の強化を図ってまいります。

 

<金融業>

 金融業は、グループ全体でお客様の「ライフタイムバリュー(LTV)」を向上させ、グループの優良な顧客基盤を盤石なものにしていく重要な役割を担っております。日本橋・横浜・大阪の3拠点を中心に、百貨店売場との連携による集客策や、外商との連携による重点ターゲット顧客対策を推進いたします。また、コンサルティング強化や商品メニューの充実により、継続的に顧客満足度の向上に取り組むほか、カード積立投資やカード団体保険、ポイント経済圏を活用した資産形成サービスの開発など、カード事業と金融事業の相乗効果を図ります。加えて、融資事業スキームを構築するなど、お客様のニーズに基づき金融事業の機能を進化・充実させることにより、新たな事業拡大戦略を推進してまいります。

 

<建装業>

 建装業におきましては、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が、お客様の企画・開発段階に入り込んだソリューション営業を推進すると共に、外部企業とのアライアンスや徹底したマーケティングなどを通じデザイン力を強化します。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)や協力会社との連携により、ものづくりにおける生産性や品質の向上を図ります。加えて、多様なスキルを持った専門人材が存分に力を発揮できるよう、人事制度やシステムなどのインフラ整備にも取り組んでまいります。

 

<その他の事業>

 その他の事業におきましては、当社グループにおいて広告宣伝事業を担う株式会社エー・ティ・エーが、デジタルを駆使したクリエイティブ力・企画営業力を強化することにより、当社グループ外からの売上増大につなげてまいります

 

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。また、以下の記載は、当社グループの事業等のリスクを全て網羅することを意図したものではないことにご留意ください。

なお、以下に記載したリスクのうち、新たな成長領域への事業拡大に関する法令違反や情報漏洩、お客様が損失を被るような事故等により、レピュテーションが低下するリスクは全ての項目において常に内在しています。当社グループは「コンプライアンスの徹底」を何よりも優先すべく、経営トップが強い意志を持って、グループ全体のリスクマネジメント体制の強化・内部統制システムの充実・取締役会の機能強化に取り組んでまいります。

 

(1)外部環境に起因するリスク

①新型コロナウイルス影響の継続 ・・・影響度=特に大

<リスクと機会>

リスク

*店舗の休業・営業時間の短縮によるビジネス機会の逸失

*消費マインドの低下及び来店頻度の減少

機 会

*新たな社会環境や消費行動に対応した事業展開

*アセットの多角化、経営資源の有効活用によるグループ事業の成長

<対応策>

経営の安定化に向けて、ブランド価値の源泉である百貨店の再生を図りつつ、商業開発業、金融業などの成長領域事業を積極的に拡大するなど、社会環境や消費行動の変化を見据えた事業ポートフォリオの最適化を図ってまいります。また、ECなど実店舗に頼らない無店舗販売チャネルの強化拡大、実店舗においてはデジタル技術を活用したリモート接客システムの導入など非接触型販売の仕組みを積極的に導入し、消費行動の変容に対応してまいります。

 

②自然災害(地震・台風・洪水等)、戦争・テロ等 ・・・影響度=大

<リスクと機会>

リスク

*店舗など営業用資産の損壊によるビジネス機会の逸失

*交通機関や通信網の破綻によるビジネス機会の逸失

*金融市場の混乱による資金調達への悪影響

機 会

*地域の安心・安全に向けた取組への貢献

<対応策>

当社グループは関西・関東隔たりなく拠点を展開しており、大規模かつ広域にわたる甚大な災害が起きた場合でも、関西・関東のいずれかに危機管理対策本部を速やかに設置し、情報連携及び指示命令系統を損なわない体制を整えております。また被災店舗への救援体制の整備、重要データ消失を防ぐクラウド化の推進、事業を最低限継続できる各種インフラや備品の整備など、BCP対策の徹底を図っております。

主要都市に拠点を持つ企業として求められる社会的使命を果たす観点から、大規模災害時に帰宅困難者を受け入れるスペースを店舗施設内に予め確保するほか、生活関連物資を中心とした店頭商品の拠出ができるよう、あらかじめ仕入先と取り決めておくなど、直ちに被災者救援活動を行う体制を整えております。

また、戦争・テロ等に関しましては、世界的規模で各種市場が混乱し、適正な価格形成が果たせず、予期せぬ損失が発生する可能性があります。金融市場に及んだ場合には、当社グループが通常求める条件での資金調達ができないリスクが生じます。現時点で必要な資金は確保しておりますが、将来におけるリスクシナリオを想定し、多様な資金調達手段により十分な手元流動性を確保してまいります。

③社会構造の変化による国内人口の減少と地方都市空洞化

<リスクと機会> ・・・影響度=大

リスク

*少子高齢化、地方都市空洞化に伴うマーケットの縮小

*労働人口の減少に伴う必要人材の確保難

機 会

*新たな顧客層の開拓

*リスキルによる人材有効活用の促進

<対応策>

抗えないこれらの外部環境変化に対応するため、百貨店においてはお客様の興味・関心に即した売場の再編、エシカルな消費行動に対応した独自商品の販売を強化し、魅力ある品揃えの実現に努めてまいります。また多様化するニーズに対応した販売の仕組みづくりや、単なる商品販売に止まらず、金融サービスや介護サービスなどライフタイムバリュー(LTV)全般の向上に寄与する商品提供による来店動機・機会の向上に努めてまいります。更に、実店舗に頼らないECの強化、百貨店のないエリアへの通販カタログ配布などを通じて商圏の拡大及びお客様との接点の拡大を図ります。

また、街のアンカーとしての機能強化につながる拠点開発や異業種・外部企業とのアライアンスによって非商業分野も取り込んだ新たなコンテンツ開拓、各拠点における複合的な機能・サービス・空間としての魅力訴求による来店頻度の向上も積極的に推進してまいります。

一方、労働人口減少への対策としては、新卒にこだわらない採用活動、専門人材の登用、外国人労働者の受け入れを積極的に推進するほか、品揃え強化に向けたバイイング能力の向上、リスキルなど社内の人材育成にも努めてまいります。

 

(2)グループ経営におけるリスク

①改革推進の遅れ

<リスクと機会> ・・・影響度=特に大

リスク

*グループ収益の減少

*百貨店事業の衰退

機 会

*商環境に左右されない収益構造の確立

<対応策>

当社は、百貨店事業が赤字に陥っているのは、新型コロナウイルス影響だけではなく、時代の変化や消費者のニーズを的確に捉え、迅速に品揃えを見直し、百貨店の強みや特徴を発揮できるよう組織と意識を変革しきれていないからであると認識しております。厳しい環境下でも利益を創出するために、従業員一人ひとりの利益に対する意識を高め、利益にこだわる人と組織を確立していきます。全ての業務執行において、目標とする数値を常に明確にし、その進捗状況の確認や課題の共有・解決についても、数値で相互に可視化することで、随時モニタリングが可能な開かれた組織風土への変革してまいります。

 

②ESG経営への取り組みの遅れ

<リスクと機会> ・・・影響度=特に大

リスク

*ステークホルダーからの信用喪失

*グループ収益の根幹となるブランド価値の毀損

*法令違反や情報漏洩等によるレピュテーションの低下

機 会

*当社の社会的評価、存在意義の確立

<対応策>

当社グループのESG戦略においては、環境・社会・ガバナンスそれぞれの面において、ステークホルダーに対して髙島屋グループならではの価値を提供することで共感を獲得し、社会課題解決と事業成長を両立しつつ、最終的には全ての人々が21世紀の豊かさを実感できる社会の実現を目指しております。

ESG経営を確実に推進していくために、グループの視点での方針管理、進捗管理を充実するための「グループ環境・社会貢献部会」を設置し、より一体的でかつ実効性が発揮できる体制を整えております。

そのうえで、環境面の主な取り組み内容としては、省エネ対策や再生エネルギー転換などによる脱炭素化推進、環境に配慮した独自商品開発などによる循環型ビジネスへの取り組み、商品包材等の非プラスチック材やリサイクル材への転換による廃棄プラスチックの削減、再資源化や肥料化による食品ロスの削減を推進してまいります。

社会面におきましては、人権尊重に基づく雇用関係の確立、国籍や人種、LGBTなどに係わらない平等な賃金、教育機会、福利厚生の提供など、多様な価値観を受け入れる基本指針の策定と、その浸透に向けた意識の醸成を推進してまいります。

ガバナンス面では、取締役会が果たすべき責務・役割が発揮できているか、機能発揮のための適切な体制整備や取締役会運営ができているかという視点で、年1回、全取締役・監査役対象のアンケートと、その結果に基づく社外取締役・監査役への個別ヒアリングを通して取締役会の実効性評価を行っております。更に、評価結果から得られた改善点に対しては速やかに次年度取締役会に反映するなどPDCAサイクルを徹底し、取締役会の実効性向上に努めてまいります。

また当社グループでは社長を委員長とする「髙島屋グループCSR委員会」を設置し、コンプライアンス経営の徹底に加えて内部統制の状況や新しい社会課題に対するCSR領域への取り組み状況等をグループ横断的に検証し強化する体制を整えております。また、不正行為等の通報を匿名でも受け付ける窓口「髙島屋グループ・コンプライアンス・ホットライン」を社内外に設置し、より多くの内部通報を受け付けて自浄作用を高める仕組みを整えております。国内、海外問わず事業拡大に応じて増えつつある子会社・孫会社などグループ全体に行きわたるモニタリングと三線ディフェンスの一層強化に努めてまいります。

 

③デジタルトランスフォーメーションへの対応の遅れ

<リスクと機会> ・・・影響度=大

リスク

*新たなニーズの掘り起こしと新たな顧客層開拓への支障

*グループコスト構造改革への支障

*情報漏洩事故

*ITシステム維持コストの増大

機 会

*着実なデジタルトランスフォーメーションの推進による事業効率の向上

*新たな情報発信手法によるターゲットへの確実な訴求

<対応策>

デジタルトランスフォーメーションの着実な推進と効果の最大化に向け、グループ従業員及び各組織のITリテラシーの向上を図ってまいります。そのうえで、デジタル技術を活用したオンライン予約システムやリモート接客などお客様の新しいニーズへの対応策を展開してまいります。コスト構造改革の観点からはデジタル技術を活用した販売手続き・業務手続きの簡素化を進めて業務の効率化と要員の最適化を図ってまいります。情報セキュリティーの観点からは、セキュリティーポリシーを随時見直し、それに基づく厳格なシステム運用を行っていきます。また、経営計画と連動し、IT関連の長期投資計画、予算の適正化に努めてITシステム維持コストの抑制に努めてまいります。

 

④成長事業に関するリスク

a)EC事業拡大戦略の遅れ

<リスクと機会> ・・・影響度=大

リスク

*実店舗依存型ビジネスモデルからの脱却の遅れ

*物流費などをはじめとする高コスト構造改善の遅れ

機 会

*新しい生活様式、消費行動に順応した事業展開

<対応策>

ECの売上高と強固な収益基盤の確立を早期に達成するため、単なる営業施策としての取り組みではなく、社長直轄の推進プロジェクトを構築、全社・グループ横断的な検討を強力に推進してまいります。このプロジェクトを通じて、EC専業の事業者にはできない、百貨店ならではの魅力ある商品・独自商品の訴求とサービスの提供、実店舗とオンラインの垣根をなくして相乗効果を図るOMO(Online Merges with Offline)による他社との差別化を図ります。

また、2024年4月1日から予定されている労働基準法改正(自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制)に伴う物流コストの上昇も見据え、新たにEC出荷倉庫を準備し、配送スキームの効率化とコスト削減により収益基盤の確立に努めてまいります。

 

b)金融業拡大戦略の遅れ

<リスクと機会> ・・・影響度=大

リスク

*グループ事業拡大の遅れ

機 会

*新たな顧客層の開拓

<対応策>

金融業がグループ全体の盤石な顧客基盤形成に寄与するよう、百貨店売場や外商との連携をより一層緊密化した新たなサービスの開発、コンサルティングの強化、商品メニューの充実により、継続的に顧客満足度の向上に取り組んでまいります。

また、金融のデジタル化、キャッシュレス化に対応した新たな金融サービスの開発を、アライアンス企業との協業等を通じて推進し、次世代顧客層の拡大につなげてまいります。

 

c)海外事業の展開

<リスクと機会> ・・・影響度=大

リスク

*突発的な政治・経済情勢の変化や為替変動に伴う資産価値の変動と投資回収の遅れ
*現地採用従業員の文化・宗教等の違いからくるガバナンス破綻

機 会

*カントリーリスクを踏まえた展開による盤石な事業基盤の確立と海外における

 事業拡大

<対応策>

当社グループにおいては、経営における迅速な判断・軌道修正を可能とするため、現地法人を設立して当該法人にイニシアチブを持たせています。その上で、グループ本社とはリモート会議等によるタイムリーな情報共有や、自主点検シートを活用した経営状況のチェックなど、三線ディフェンスの強化によるグローバルガバナンスの徹底を図ってまいります。また、現地従業員との人権尊重に基づく雇用関係確立、国籍や人種・宗教・LGBTなどに係わらず平等な賃金・教育機会・福利厚生を提供してまいります。そのうえで、現地従業員の幹部登用も視野に入れた能力開発を積極的に進め、同じ髙島屋グループの一員としての共通目標、意識の共有を図ってまいります。

 

⑤サプライチェーンの破綻

<リスクと機会> ・・・影響度=大

リスク

*取引先の倒産や事業終了による百貨店の商品調達への支障、品揃えの魅力度低下

*テナントの賃料支払能力低下による賃貸収入の減少

*売場レイアウト破綻による売場空間の魅力低下

機 会

*取引先との強固な関係構築による品揃えの魅力向上と安定的な利益確保

<対応策>

 当社グループでは、お取引先とのWIN-WINの関係構築に向けて、主要なお取引先と目標を共有し、協働でそれを達成するための具体策を推進してまいります。また、新たな取引先開拓による品揃えの鮮度の維持向上や、川上企業との直接取引拡大による商品調達力の向上を図ってまいります。商業開発業においては、専門店テナントとの共同販促活動を一層強化推進するほか、経営状態が厳しいテナントに対しては、家賃の一時的な敷金からの充当や当面の家賃支払猶予など資金支援を行い、共存共栄を原則とした取り組みに努めてまいります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態                              (単位:百万円)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前年増減高

前年比

総資産

1,144,335

1,150,506

△6,170

△0.5%

負債

723,846

735,395

△11,548

△1.6%

純資産

420,489

415,111

5,378

1.3%

自己資本比率

34.8%

34.3%

0.5%

 

b.経営成績                              (単位:百万円)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前年増減高

前年比

営業収益

761,124

680,899

80,225

11.8%

営業利益又は営業損失(△)

4,110

△13,496

17,607

経常利益又は経常損失(△)

6,903

△13,637

20,540

親会社株主に帰属する当期

純利益又は親会社株主に帰属

する当期純損失(△)

5,360

△33,970

39,330

 

(事業のセグメント別業績)                       (単位:百万円)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前年増減高

前年比

連結営業収益

761,124

680,899

80,225

11.8%

百貨店業

648,361

570,478

77,883

13.7%

商業開発業

41,185

36,981

4,203

11.4%

金融業

16,515

16,250

264

1.6%

建装業

16,331

19,079

△2,748

△14.4%

その他

38,729

38,108

621

1.6%

連結営業利益又は

連結営業損失(△)

4,110

△13,496

17,607

百貨店業

△6,561

△21,323

14,761

商業開発業

7,279

5,867

1,411

24.1%

金融業

4,358

4,288

70

1.6%

建装業

△504

△980

475

その他

1,613

1,458

155

10.6%

 

 ②キャッシュ・フロー                           (単位:百万円)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前年増減高

前年比

営業活動キャッシュ・フロー

21,044

43,720

△22,676

△51.9%

投資活動キャッシュ・フロー

△37,120

△27,034

△10,085

37.3%

財務活動キャッシュ・フロー

△4,758

2,303

△7,062

現金及び現金同等物

88,996

105,320

△16,323

△15.5%

 

 

 ③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年比(%)

建装業

15,809

△15.5

その他

△100.0

合計

15,809

△16.9

  (注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。

  2 金額は、販売価格によっております。

  3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

  4 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。

 

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年比(%)

受注残高(百万円)

前年比(%)

建装業

15,561

66.7

8,178

△2.9

その他

△100.0

合計

15,561

61.5

8,178

△2.9

  (注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。

  2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

  3 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。

 

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年比(%)

百貨店業

648,361

13.7

商業開発業

41,185

11.4

金融業

16,515

1.6

建装業

16,331

△14.4

その他

38,729

1.6

合計

761,124

11.8

  (注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。

  2 販売高には、「その他の営業収入」を含めて表示しております。

  3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等の状況に関する認識

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響により、一進一退を続けました。昨年7月以降の感染再拡大に伴う緊急事態宣言の発出を受けた個人消費の落ち込みや設備投資の減少などにより、2021年7-9月期の実質GDPはマイナス成長となりました。その後、ワクチン接種が進んだことに伴い感染者数が大幅に減少し、昨年9月末には緊急事態宣言が解除されたことから、経済活動の活性化と共に個人消費も回復傾向が見られ、同年10-12月期の実質GDPはプラス成長に転じました。しかしながら、オミクロン株の流行に伴い、年明け以降、人の流れや個人消費に減速が見られるなど、コロナ影響の収束には依然時間がかかると思われるほか、原油価格の高騰に伴うインフレ圧力の高まりやウクライナ情勢の緊迫化などもあり、先行きの不透明な状況が続いております。

当社グループのブランド価値の源泉であり中核事業である百貨店につきましては、緊急事態宣言の解除と共に売上の回復傾向が見られましたが、オミクロン株の影響による消費の減速ムードを受け、依然としてコロナ前の水準には至っておりません。現下のコロナ禍において、百貨店の再生はまさに喫緊の課題であると共に、収益構造の改革を断行する契機でもあります。当年度は2023年度を最終年度とする「3カ年計画」の初年度として、早期黒字化に向けたコスト構造改革に取り組み、百貨店売上の回復につながる品揃えやサービスなど営業力強化を進めてまいりました。組織のスリム化や業務の内製化などにより、営業費の圧縮を進め、筋肉質な経営体制の整備に取り組んでおります。また、2023年度にEC売上500億円を目指す中で昨年8月にリニューアルした「髙島屋オンラインストア」は、おせち料理やバレンタイン商材などのシーズンプロモーションを中心に、好調に推移しております。

グループ総合戦略「まちづくり」(以下、まちづくり戦略)のけん引役を担う商業開発業の東神開発株式会社では、千葉県の流山おおたかの森地区において「流山おおたかの森S・C」を中心とする開発や、ベトナムのハノイ市におけるタウンシップ開発事業「スターレイク・プロジェクト」に参画するなど、国内外での拠点開発・事業開発を着実に進めております。昨年11月には流山おおたかの森駅前に複合オフィスビル「アゼリアテラス」を開業したほか、東京都目黒区に住宅施設を取得いたしました。また、同年12月には環境に配慮した事業に使途を限定するESG債「髙島屋グループグリーンボンド」を発行いたしました。これを開発資金としたグリーンビルディング「日本橋三丁目スクエア」を開業するなど、資産の多角化に取り組んでおります。これらにより、まちづくり戦略の深化に寄与すると共に、安定的な利益の創出につなげてまいります。

金融業では、百貨店の新たな品揃えとして位置づけるお客様の資産形成や継承等の相談を承ると共に、金融商品を取り扱うファイナンシャルカウンター事業において、昨年7月に大阪店で、同年9月には横浜店でカウンターを開設いたしました。当社グループの優良な顧客基盤や立地を生かし、顧客接点の拡大と収益基盤の確立を進め、着実な利益創出につなげてまいります。

持続可能な社会に向けましては、「全ての人々が21世紀の豊かさを実感できる社会の実現」に貢献していくことを目指す当社の取組を、「髙島屋グループESGレポート2021」にまとめ、昨年12月に発行いたしました。グリーンボンドの発行をはじめ、脱炭素化の取組推進や循環型ビジネスの促進、食品ロス削減の取組や地域社会との共生など10項目の重点課題を通じ、社会課題解決と事業成長の両立に取り組んでまいります。

 

b.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、1,144,335百万円と前連結会計年度末に比べ6,170百万円減少しました。これは、現金及び預金が減少したことが主な要因です。負債については、723,846百万円と前連結会計年度末に比べ11,548百万円の減少となりました。これは、短期借入金が減少したことが主な要因です。純資産については、420,489百万円と利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ5,378百万円増加しました。

以上の結果、自己資本比率は34.8%(前年比0.5ポイント増)となり、1株当たり純資産額は2,390円47銭(前年比25円51銭増)となりました。

c.経営成績

当連結会計年度の連結業績につきましては、連結営業収益は761,124百万円(前年比11.8%増)、連結営業利益は4,110百万円(前年同期は連結営業損失13,496百万円)、連結経常利益は6,903百万円(前年同期は連結経常損失13,637百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は5,360百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失33,970百万円)となりました。

また、当事業年度の単体業績につきましては、売上高は597,951百万円(前年比13.3%増)、営業損失は7,760百万円(前年同期は営業損失20,218百万円)、経常利益は、グループ会社からの受取配当金の増加などにより、2,620百万円(前年同期は経常損失18,055百万円)となり、当期純利益は、事業適応計画の認定に伴う税制優遇措置の適用により、6,949百万円(前年同期は当期純損失33,630百万円)となりました。

以上の結果、連結ROEは1.4%(前年比9.6ポイント増)となり、1株当たり当期純利益は32円14銭(前年同期は1株当たり当期純損失203円74銭)となりました。

 

事業のセグメント別業績は、次のとおりであります。

 

<百貨店業>

百貨店業での営業収益は648,361百万円(前年比13.7%増)、営業損失は6,561百万円(前年同期は営業損失21,323百万円)となりました。

 

国内百貨店では、前年度のコロナ影響の反動から第1四半期は増収となりましたが、コロナ第5波による緊急事態宣言発出の影響から昨年8月に大きく売上を落としました。同年9月末の緊急事態宣言の解除と共に徐々に人の動きが戻り、クリスマス・年末商戦にも賑わいが見られ、初商では2年ぶりの店頭での福袋販売も実施するなど、インバウンド売上を除く国内需要は、一時はコロナ影響を受ける前の2019年度の水準に近づきました。しかしながら、昨年末以降オミクロン株の感染が拡大し、まん延防止等重点措置が発出されたことにより、店頭売上の回復は力強さを欠きました。

百貨店再生に取り組む中、コスト構造改革と営業力強化を両輪で進めてまいりました。コスト構造改革では、安定的に利益を創出できる仕組みへと転換すべく、生産性向上と共に適正な要員体制の構築や外部委託作業の内製化などによる営業費削減を進めております。営業力強化においては、コロナ禍を経て変化したお客様のニーズを踏まえ、お客様の期待に応えるワンストップショッピングの実現に向けた品揃えに取り組んでおります。

海外店舗におきましては、ASEAN地域では昨年4月以降コロナ影響が再拡大し、上海高島屋以外の各社は厳しい営業体制となりました。シンガポール髙島屋は年度を通じて入店客数調整などの営業制限を継続、サイアム髙島屋は同年4月中旬から営業時間短縮、同年7月末から8月末まで食料品のみ営業など、コロナ影響を受けましたが、前年度の休業反動によりいずれも増収となりました。一方、ホーチミン髙島屋は昨年5月末から食料品のみ営業をしておりましたが、同年7月から約3カ月間全館休業し、減収となりました。

 

<商業開発業>

商業開発業での営業収益は、41,185百万円(前年比11.4%増)、営業利益は7,279百万円(前年比24.1%増)となりました。

 

国内の商業施設におきましては、緊急事態宣言の発出地域の拡大及び延長を受け、営業時間の短縮及び臨時休業を実施いたしましたが、前年度に比べ休業規模が縮小したことにより東神開発株式会社は増収増益となりました。

海外におきましては、シンガポール髙島屋S.C.を運営管理するトーシンディベロップメントシンガポールPTE.LTD.がコロナ影響によるテナントへの賃料減額対応や退店等があったものの、前年度の休業の反動により増収増益となりました。

また、ベトナムにおきましては、昨年2月にハノイ市における「スターレイク・プロジェクト」参画第一弾として現地共同出資者が運営するバイリンガルスクールを開校いたしました。更に、同市における新規不動産開発事業への参画も決定し、現地での事業拡大を進めてまいります。

 

 

 

 

 

<金融業>

金融業での営業収益は、16,515百万円(前年比1.6%増)、営業利益は4,358百万円(前年比1.6%増)となりました。

 

クレジットカード事業では、長引くコロナ影響により、クレジットカード取扱高や会員数の拡大は厳しい状況が続きましたが、オンラインストア等のWEB入会の促進や百貨店以外での利用促進を積極的に講じると共に運営体制の効率化を進めた結果、増収増益となりました。

また、ファイナンシャルカウンター事業では、日本橋・横浜・大阪の3拠点において売場と協働した集客対策により新規顧客の拡大を図り、保険事業では、WEBによるカード会員向け新規商品の拡充を行いました。今後も、店頭やWEBなどあらゆる顧客接点を最大限生かし、お客様本位のコンサルティングサービスによる認知度向上と受注拡大を図ってまいります。

 

<建装業>

建装業での営業収益は、16,331百万円(前年比14.4%減)、営業損失は504百万円(前年同期は営業損失980百万円)となりました。

 

建装業におきましては、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が、コロナ影響により主要顧客である商業施設及びホテルの事業計画の見直しや延期を受けた結果、減収となりました。一方、業務見直しによる作業費の圧縮などの営業費用の削減に努めた結果、営業損失は前年から改善となりました。

 

<その他の事業>

クロスメディア事業等その他の事業全体での営業収益は、サイト「髙島屋オンラインストア」リニューアルの効果による売上増などから38,729百万円(前年比1.6%増)、営業利益は1,613百万円(前年比10.6%増)となりました。

 

 

d.キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、21,044百万円の収入となり、前年同期が43,720百万円の収入であったことに比べ22,676百万円の収入の減少となりました。主な要因は、未払金の増減額が25,123百万円減少したことなどによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、37,120百万円の支出となり、前年同期が27,034百万円の支出であったことに比べ10,085百万円の支出の増加となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が9,518百万円増加したことなどによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、4,758百万円の支出となり、前年同期が2,303百万円の収入であったことに比べ7,062百万円の収入の減少(支出の増加)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入が35,231百万円減少したことなどによるものです。

以上の結果及び換算差額により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ16,323百万円減少し、88,996百万円となりました。

 

 ②資本の財源及び資金の流動性

資本の財源及び資金の流動性に関し、当社グループは運転資金及び設備資金等の必要資金につきましては、内部資金、売掛債権流動化資金、又は外部調達(借入もしくは社債)により資金調達することとしております。このうち外部調達に関しましては、主として長期・安定した資金にて実施しております。

また、当社は国内金融機関から相対取引による十分な借入枠を有しており、TMS(トレジャリー・マネジメント・サービス:グループ会社間で一元的に資金を管理する仕組み)により国内グループ会社間の資金融通を行うことで資金効率を高め、海外グループ会社は十分な手許資金を保有することで事業運営上の流動性を確保しております。

なお、当連結会計年度末の有利子負債(リース債務は含まない)の残高は214,763百万円であります。

 

 ③重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表等」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。

また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定は、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表等」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りに関しては、第5「経理の状況の1「連結財務諸表等」の(追加情報)に記載しております。

 

 ④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

(単位:億円)

指標

2021年度

経営上の目標

増 減

総額営業収益

7,611

8,500

889

営業利益

41

300

259

ROE(自己資本当期純利益率)

1.4%

4.8%

3.4%

ROA(総資産経常利益率)

0.6%

2.6%

2.0%

自己資本比率

34.8%

36.8%

2.0%

 

当社グループでは、「営業収益」、「営業利益」、「ROE(自己資本当期純利益率)」、「ROA(総資産経常利益率)」、「自己資本比率」を経営成績の客観的な分析指標として採用しております。

達成状況を判断するため、当連結会計年度実績との比較をしておりますが、目標値設定過程に関しては、1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の(2)「経営戦略等」及び(3)「経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」をご覧ください。

4【経営上の重要な契約等】

 特記事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 特記事項はありません。