当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、原則として四半期連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(2021年3月1日~2021年11月30日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響を受け、一進一退を続けておりましたが、8月の感染再拡大を受けた個人消費の落ち込みや設備投資の減少などにより、7~9月期の実質GDPがマイナス成長となりました。一方で、ワクチン接種が進んだことに伴い感染者数が大幅に減少し、9月末には緊急事態宣言が解除されたことから、経済活動の活性化とともに個人消費も回復傾向にあります。しかしながら、新たな変異株の出現もあり、コロナ影響が収束するには、依然不透明な状況が続いております。
髙島屋グループ(以下、当社グループ)のブランド価値の源泉であり中核事業である百貨店業につきましては、緊急事態宣言の解除とともに売上の回復傾向が見られましたが、依然としてコロナ前の水準には至っておりません。現下のコロナ禍において、百貨店の再生はまさに喫緊の課題であるとともに、収益構造の改革を断行する契機でもあります。早期黒字化に向けたコスト構造改革を確実に成し遂げ、百貨店売上の回復につながる品揃えやサービスなど営業力強化を進めてまいります。11月に発表いたしました住信SBIネット銀行株式会社との協業では、同行が提供する「NEOBANK®」サービスを活用し、百貨店におけるお買物の利便性をさらに高めることをめざしております。また、8月にリニューアルしたECサイト「髙島屋オンラインストア」は、おせち料理やクリスマスケーキなどの季節商品を中心に、好調に推移しております。
グループ総合戦略「まちづくり」(以下、まちづくり戦略)のけん引役を担う商業開発業の東神開発株式会社では、千葉県の流山おおたかの森地区において「流山おおたかの森S・C」を中心とする開発や、ベトナムのハノイ市におけるタウンシップ開発事業「スターレイク・プロジェクト」に参画するなど、国内外での拠点開発・事業開発を着実に進めております。さらには、11月には流山おおたかの森駅前に複合オフィスビルを開業し、東京都目黒区に住宅施設を取得するなど、アセットの多角化に取り組んでおります。これらにより、まちづくり戦略の深化に寄与するとともに、安定的な利益の創出につなげてまいります。
金融業では、百貨店の新たな品揃えとして位置づけるファイナンシャルカウンター事業において、昨年度の日本橋髙島屋S.C.、7月の大阪店に続き、9月に横浜店でカウンターを開設いたしました。当社グループの優良な顧客基盤や立地を生かし、顧客接点の拡大と収益基盤の確立を進め、着実な利益創出につなげてまいります。
持続可能な社会への取り組みにつきましては、「すべての人々が21世紀の豊かさを実感できる社会の実現」に貢献していくことをめざしていく中で、環境面の取り組みとして、国際的イニシアチブ「RE100」「EV100」に参加しております。11月には「株式会社髙島屋 グリーンボンド・フレームワーク」を策定し、12月には当社グループ初となるESG債「髙島屋グループグリーンボンド」を発行いたしました。これは東神開発株式会社が手掛けるグリーンビルディング「日本橋三丁目スクエア」の開発資金に充当してまいります。
当期の連結業績につきましては、連結営業収益は537,289百万円(前年同期比12.0%増)、連結営業損失は1,096百万円(前年同期は営業損失10,513百万円)となりました。一方、店舗の臨時休業に伴う雇用調整助成金等を営業外収益に計上したため、連結経常利益は1,342百万円(前年同期は経常損失10,934百万円)となりました。しかしながら、政府や地方自治体の要請を受け、臨時休業したことにより発生した人件費などの固定費を、新型コロナウイルス感染症による特別損失として計上したこと等により、親会社株主に帰属する四半期純損失は3,715百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失24,377百万円)となりました。
事業のセグメント別業績は、次のとおりであります。
<百貨店業>
百貨店業での営業収益は456,455百万円(前年同期比14.6%増)、営業損失は8,688百万円(前年同期は営業損失16,863百万円)となりました。
国内百貨店では、コロナ第5波による緊急事態宣言の影響から8月に大きく売上を落とすこととなりました。しかしながら、9月末の緊急事態宣言の解除とともに徐々に人の動きが戻り、インバウンドを除く国内需要は2019年の水準まで回復基調にあります。9月から10月にかけて大型店で開催した大北海道展などの物産展は、多くのお客様に好評を博し、11月にスタートしたお歳暮ギフトセンターも、連日多くのお客様にご利用いただくなど、店頭の賑わいを取り戻しつつあります。
百貨店再生に取り組む中では、コスト構造改革と営業力強化を両輪で進めております。コスト構造改革においては、安定的に利益を創出できる仕組みへと転換すべく、生産性向上とともに適正な要員体制の構築や外部委託作業の内製化などによる営業費削減を進めております。営業力強化においては、コロナ禍を経て変化したお客様のニーズを踏まえ、お客様の期待に応えるワンストップショッピングの実現に向けた品揃えに取り組んでまいります。
海外(2021年1月~9月)におきましては、4月以降ASEAN地域ではコロナ影響が再拡大し、上海高島屋以外の各社は厳しい営業体制となりました。シンガポール髙島屋は期を通じて入店客数調整などの営業制限を継続、サイアム髙島屋は4月中旬から営業時間短縮など、コロナ影響を受けましたが、前年の休業反動によりいずれも増収となりました。一方、ホーチミン髙島屋は5月末から食料品のみ営業をしておりましたが7月に入り全館休業し、減収となりました。
<商業開発業>
商業開発業での営業収益は30,657百万円(前年同期比9.9%増)、営業利益は5,907百万円(前年同期比7.8%増)となりました。
国内の商業施設におきましては、緊急事態宣言の発出地域の拡大及び延長を受け、営業時間の短縮及び臨時休業を実施いたしましたが、前年に比べ休業規模の縮小により東神開発株式会社は増収増益となりました。しかしながら、引き続き外出を控える動きは強く、先行き不透明な状況が続いております。
そのような状況の中で、二子玉川と並ぶ重点開発地域と位置付ける流山おおたかの森では、11月にオフィス複合ビル「アゼリアテラス」を開業いたしました。3月開業の「FLAPS」および同時開通した「FLAPS」と「流山おおたかの森S・C本館」をつなぐデッキとの相乗効果により、周辺施設や駅への回遊性を高めるとともに、駅前都市広場の活用を通じ、更なる賑わいの創出をめざしております。また、グリーンボンドによる資金調達を行った「日本橋三丁目スクエア」開発をはじめ、今後開業予定の施設においても、再生可能エネルギー由来の電力を100%使用するなど、サステナブルな地域社会の発展に向けた取り組みを実践してまいります。
海外(2021年1月~9月)におきましては、トーシンディベロップメントシンガポールPTE.LTD. がコロナ影響によるテナントへの賃料減額対応や退店等があったものの、前年の休業の反動により増収増益となりました。
また、ベトナムにおきましては、2月にハノイ市における「スターレイク・プロジェクト」参画第一弾として、現地共同出資者のエデュフィット社が運営するバイリンガルスクールを開校いたしました。更に、同市における新規不動産開発事業「ランカスター・ルミネールプロジェクト」への参画も決定し、現地での事業拡大を進めてまいります。
<金融業>
金融業での営業収益は12,303百万円(前年同期比0.6%増)、営業利益は3,310百万円(前年同期比4.3%増)となりました。
髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社は、クレジットカード事業におきまして、長期間に亘る緊急事態宣言等の影響により、クレジットカード取扱高や会員数の拡大は厳しい状況が続きましたが、オンラインストア等のWEB活用による入会促進や百貨店以外での利用促進を積極的に講じ、増収増益となりました。
また、ファイナンシャルカウンター事業では、展開店舗を拡大し、新たに開始したソーシャルレンディング事業においても順調な成果をあげています。今後も、お客様本位の金融コンサルティングサービスを提供し、認知度向上と受注拡大を図ってまいります。
<建装業>
建装業での営業収益は11,768百万円(前年同期比23.6%減)、営業損失は662百万円(前年同期は営業損失530百万円)となりました。
建装業におきましては、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が前年までの大型受注案件の反動に加え、コロナ影響により主要顧客である商業施設及びホテルの事業計画の見直しや延期を受けた結果、減収となりました。また、業務見直しによる作業費の圧縮などの営業費用の削減に努めましたが、営業利益は前年から減益となりました。
<その他の事業>
クロスメディア事業等その他全体での営業収益は26,104百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益は730百万円(前年同期比16.6%増)となりました。
その他の事業におきましては、ECサイト「髙島屋オンラインストア」リニューアルの効果による売上増などから増収増益となりました。
(2)財政状態に関する説明
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、1,171,694百万円と前連結会計年度末に比べ21,187百万円増加しました。これは、受取手形及び売掛金が増加したことが主な要因です。負債については、761,916百万円と前連結会計年度末に比べ26,520百万円の増加となりました。これは、支払手形及び買掛金が増加したことが主な要因です。純資産については、409,778百万円と利益剰余金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ5,332百万円減少しました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、10,351百万円の収入となり、前年同期が28,177百万円の収入であったことに比べ17,825百万円の収入の減少となりました。主な要因は、未払金の増減額が19,437百万円減少したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、30,038百万円の支出となり、前年同期が17,060百万円の支出であったことに比べ12,977百万円の支出の増加となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が9,301百万円増加したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、597百万円の支出となり、前年同期が41,175百万円の収入であったことに比べ41,773百万円の支出の増加(収入の減少)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入が38,229百万円減少したこと、社債の償還による支出が9,995百万円増加したことなどによるものです。
以上の結果及び換算差額により、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ17,366百万円減少し、87,953百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
特記事項はありません。
該当事項はありません。