当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
当社グループに関する財政状態、経営成績の状況の分析・検討内容は、原則として四半期連結
財務諸表に基づいて分析した内容であります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年3月1日~2023年5月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響が収束の傾向にあり、5月には感染症法上の分類において5類に移行されるなど、正常な状態を取り戻しつつあります。また、日経平均株価は高水準で推移し、個人消費についても、サービス消費を中心に持ち直しの傾向が強まっております。さらに、訪日外国人数は、航空便の増便・復便や円安を背景に増加基調にあり、インバウンド需要の回復も国内景気を押し上げています。
しかし、足元では物価上昇に賃金の伸びが追い付かない実質賃金のマイナスが続いており、生活防衛意識の高まりによる個人消費の減速リスクなど、先行きは依然不透明な状況にあります。
髙島屋グループ(以下、当社)は、2022年度において、2023年度を最終年度とする3カ年計画の営業利益目標を1年前倒しで達成いたしました。2023年度は、さらに持続的な成長と飛躍に向けた経営の土台づくりを果たすための極めて重要な一年と捉えております。
こうした中、当社は、「百貨店の営業力強化」、「人的資本経営の推進」、「グループ会社の業界競争力獲得」、「グループESG戦略の深化」を経営課題と設定いたしました。グループ総合戦略「まちづくり」の下、これらの経営課題にグループ全体で取り組み、持続的成長を図るとともに、髙島屋ブランドの価値に磨きをかけてまいります。
百貨店業におきましては、昨年来取り組んでいるコスト構造改革の継続実施により着実に利益を創出できる体制づくりを推進しております。一方、営業力強化に向けては、アフターコロナの消費動向を踏まえ、目利きができる人材を育成しながら、お客様のニーズに即応する話題性と品質を両立する品揃えを強化しております。また、コロナ禍では実施できなかった店頭集客策として、高鮮度な催事やプロモーションなど、新しい企画の開発に取り組んでおります。さらに、デジタルツールを活用しながら業務効率化を推進し、販売のための時間を生み出すとともに、商品ストーリーを「語る力」「伝える力」を高め、販売力の質的向上に一層取り組むなど、人を中心とした経営を進めることで、本質的な営業力の強化を実現してまいります。
その他のグループ会社、事業におきましても、それぞれが専門性を高め、強みや独自性を打ち出して、業界競争力を獲得しながら、さらなる収益力の強化を実現してまいります。
商業開発業では、千葉県流山おおたかの森地区における地域活性化に向けた行政と一体となった取り組みや、既存商業施設のリニューアル、10月に予定している京都髙島屋S.C.の専門店ゾーンオープンなどにより、地域に根ざした魅力的なSCを実現することで新たなお客様層を開拓してまいります。加えて、国内外で、賃貸住宅やオフィスなど、非商業分野のシェアを高めることで事業ポートフォリオのさらなる安定化を図っております。
金融業では、収益の柱であるカード事業について、会員基盤の強化が最重要課題であり、新規会員獲得とカードの魅力向上に取り組んでおります。また、金融商品を取り扱うライフパートナー事業では、専門人材の育成とともに、当社の優良な顧客基盤や立地を生かした顧客接点の拡大により、着実な利益創出につなげてまいります。
ESG経営におきましては、顧客接点の広さ、お取引先の多さ、地域密着性など、多種多様なステークホルダーとの接点を持つ当社の強みを発揮できる取り組みを推進しております。不要となった衣料品を回収・再生・販売する、当社の循環型ビジネス「Depart de Loop(デパートデループ)」においては、昨年回収したデニムを再生した商品の販売を実現するとともに、回収の対象を新たに化粧品やその容器にも広げるなど、取り組みを拡大いたしました。また、脱炭素化推進に向けては、当社敷地外で発電した再生エネルギーを、事業者から直接提供を受けるオフサイトPPA(※)において、日本初となる短期契約のスキームを本年4月に導入いたしました。横浜店を皮切りに複数店舗への再エネ電力供給を進めてまいります。
※PPA
「Power Purchase Agreement」電力購入契約のこと。
当第1四半期連結累計期間の連結業績につきましては、連結営業収益は105,557百万円(前年同期比4.2%増)、連結営業利益は11,038百万円(前年同期比66.4%増)、連結経常利益は11,621百万円(前年同期比59.2%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は8,540百万円(前年同期比59.8%増)となりました。
事業のセグメント別業績は、次のとおりであります。
<百貨店業>
百貨店業での営業収益は77,127百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益は6,507百万円(前年同期比86.7%増)となりました。
国内百貨店におきましては、増収増益となりました。
コロナの収束傾向による社会経済活動の活性化もあり、入店客数が増加したことに加え、インバウンドを除く国内顧客売上高は、婦人服、紳士服、化粧品など、ファッション関連商品を中心に堅調に推移いたしました。また、インバウンド売上高においても、特にラグジュアリーブランドをはじめとする高額品が好調であり、円安による客単価の上昇も売上高を押し上げております。さらに、各店で開催した「大北海道展」などの物産展や、京都店、日本橋店で開催した「御即位5年・御成婚30年記念特別展 新しい時代とともに ―天皇皇后両陛下の歩み」は、多くのお客様にご来場いただきました。
一方、今後の国内顧客売上高は、物価高の影響など、不透明な状況が続いており、引き続き、品揃えの拡充や販売力の強化を推進し、お客様のニーズにお応えしてまいります。
また、商品利益率についても、高率であるファッション関連商品の売上高伸長により、改善が見られており、コスト構造改革の継続とともに、利益拡大に取り組んでまいります。
海外(2023年1月~3月)におきましても、増収増益となりました。
シンガポール髙島屋は、コロナ影響の反動に加え、内需が堅調に推移したことやインバウンドの回復もあり、売上高が伸長し、ホーチミン髙島屋でも売上高の回復が見られ、2社については、増収増益となりました。またサイアム髙島屋も売上高の回復により増収し、赤字幅が縮小となりました。一方、上海高島屋は、一時的にコロナ感染が急拡大したことにより、売上高の回復が遅れ、減収減益となりました。
<商業開発業>
商業開発業での営業収益は12,574百万円(前年同期比12.4%増)、営業利益は3,454百万円(前年同期比40.7%増)となりました。
国内におきましては、入店客数増加や賃料収入の回復もあり、増収増益となりました。
東神開発株式会社は3月に千葉県流山市と「地域活性化に関する包括連携協定」を締結し、街づくり、子育て、災害対応などにおける更なる相互連携と地域活性化を行政と一体となって推進しております。加えて、「流山おおたかの森S・C」では、街の魅力を一層高めるべく、5月につくばエクスプレス「流山おおたかの森駅」高架下の空間を活用した商業施設「TXグランドアベニュー おおたかの森」を全面リニューアルオープンいたしました。また、10月開業予定の「京都髙島屋S.C.」では、専門店ゾーンの名称を「T8(ティーエイト)」とし、出店する51店舗を決定いたしました。「京都で一番の待ち合わせ場所」というコンセプトのもと、様々な目的で来街する国内外のお客様の多様なニーズにお応えするとともに、多くの「人・コト・モノ」が“出会う”場を提供する街の新たなシンボルとして愛され続ける商業施設を目指します。
海外におきましても、トーシンディベロップメントシンガポールPTE.LTD.が運営する「シンガポール髙島屋S.C.」がコロナ影響からの反動や、2月の政府による終息宣言により、入店客数が増加したことなどから、増収増益となりました。また、ベトナムにおいては、学校運営事業の「スターレイク・プロジェクトA計画」や、住宅・オフィス・商業開発事業の「ランカスター・ルミネールプロジェクト」を着実に推進し、現地での事業基盤の拡大を進めております。
<金融業>
金融業での営業収益は4,392百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は1,248百万円(前年同期比3.6%増)となりました。
カード取扱高が伸長したことにより、増収増益となりました。
カード事業におきましては、百貨店や専門店への入店客数の回復を踏まえ、新規会員の獲得強化を進めるとともに、旅行需要の拡大などを捉えた外部加盟店でのクレジットカードの利用促進を図ってまいりました。
ファイナンシャルカウンター事業におきましては、日本橋店、横浜店、大阪店の3拠点に加え、京都店に事前予約型のファイナンシャルデスク(サテライト)、日本橋店に保険相談ブースを新たに設置いたしました。また、人生100年時代のライフプラン提案や投資信託・相続対策など百貨店顧客向けのリアルセミナーを集中的に開催し、顧客接点を増やしたことで、新規顧客の獲得につながっております。
「髙島屋ネオバンク」の「スゴ積み」(※)においては、7月より、積み立ての満期を迎えられたお客様の決済利用を開始いたしました。タカシマヤ友の会の会員と比べて50歳以下のお客様や男性のお客様が多く、平均積立額も高いといった特性が見られており、引き続き、口座開設数拡大に向けた取り組みを推進してまいります。
※スゴ積み
「髙島屋のスゴイ積立」のことで、髙島屋ネオバンクアプリに搭載された機能の一つ。毎月一定額を12ヵ月積み立てると1ヵ月分のボーナスをプラスした「お買物残高」がアプリにチャージされ、髙島屋のお買物にお使いいただけるサービスのこと。
<建装業>
建装業での営業収益は4,741百万円(前年同期比33.3%増)、営業損失は344百万円(前年同期は512百万円)となりました。
髙島屋スペースクリエイツ株式会社におきましては、2025年にかけて完成が見込まれるホテルなどの大型物件やラグジュアリーブランドを中心とした商業施設の受注が増加し、増収・赤字幅縮小となりました。引き続き、営業力とデザイン力を駆使した先行提案営業を強化し、安定的な収益基盤を構築してまいります。
<その他の事業>
クロスメディア事業等その他事業全体での営業収益は6,720百万円(前年同期比14.6%減)、営業利益は138百万円(前年同期比25.4%増)となりました。
百貨店の店頭売上高回復の影響により、クロスメディア事業におきましては、減収となった一方、卸売業の株式会社グッドリブが増益となったことから、その他の事業全体におきましては、減収増益となりました。
(2)財政状態に関する説明
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、1,185,061百万円と前連結会計年度末に比べ6,860百万円増加しました。これは、現金及び預金が増加したことが主な要因です。負債については、740,624百万円と前連結会計年度末に比べ1,094百万円の減少となりました。これは、未払金が減少したことが主な要因です。純資産については、444,437百万円と利益剰余金及び為替換算調整勘定が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ7,955百万円増加しました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、15,715百万円の収入となり、前年同期が10,407百万円の収入であったことに比べ5,307百万円の収入の増加となりました。主な要因は、税金等調整前四半期純利益が4,809百万円増加したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、6,882百万円の支出となり、前年同期が1,646百万円の支出であったことに比べ5,236百万円の支出の増加(収入の減少)となりました。主な要因は、短期貸付金の純増減額が2,841百万円の増加であったこと、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入が2,602百万円減少したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、5,812百万円の支出となり、前年同期が14,761百万円の支出であったことに比べ8,949百万円の支出の減少(収入の増加)となりました。主な要因は、短期借入金の純増減額が10,000百万円の増加であったことなどによるものです。
これらに換算差額を加えた結果、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,829百万円増加し、92,460百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
特記事項はありません。
該当事項はありません。