(1)業績
当連結会計年度のわが国経済は、政府や日銀の経済・金融政策の効果もあり、企業収益や雇用情勢に改善の傾向が見られ、景気は緩やかな回復基調をたどりました。
百貨店業界におきましては、昨年3月は前年に消費税率引上げ前の駆け込み需要があった反動により減収となりましたが、4月以降は訪日外国人の買物需要の増大に加え、都市部を中心に高額品の販売が好調に推移したこともあり、一部の月を除いて増収となりました。
このような状況の下、当社グループでは、昨年4月に策定いたしました「中期経営計画(2015年度-2017年度)」に基づき、あべのハルカス近鉄本店における集客力強化や地域中核店の再構築に向けた諸施策を推し進めるなど、各事業にわたり収益力の向上に懸命の努力を傾けました。
この結果、当連結会計年度の売上高は270,774百万円(前期比3.3%減)、営業利益は3,085百万円(同19.9%減)、経常利益は2,535百万円(同3.8%減)となりました。これに工事負担金等受入額などの特別利益302百万円と減損損失などの特別損失706百万円並びに法人税等を加減した当期純利益は、1,054百万円(前期は2,051百万円の当期純損失)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、当期より、セグメントを従来の「百貨店業」「卸・小売業」「その他事業」の3セグメントから、「百貨店業」「卸・小売業」「内装業」「その他事業」の4セグメントに変更しております。このため、前連結会計年度との比較については、セグメント変更後の数値に組み替えて比較を行っております。
<百貨店業>
百貨店業におきましては、グランドオープン2年目を迎えたあべのハルカス近鉄本店において訪日外国人向け専用サロン「フォーリンカスタマーズサロン」を新設するなど、増大するインバウンド需要の取込みに注力いたしました。また、惣菜売場の見通しを高めるなど売場環境の改善に努めるとともに、食料品売場全体に集客性の高いショップを導入し収益力の向上を図りました。さらに、ヤングレディス専門店街「solaha(ソラハ)」に大型専門店を新設するなど、各階において新規ブランドの導入やショップの改廃を推進いたしました。
次に、地域中核店におきましては、集客力の強化と販売効率の向上を図るため、上本町店において大型専門店の導入を柱とする子供服売場の改装を実施いたしました。また、百貨店の強みを打ち出し、競合する商業施設との差別化を図るため、奈良店では1階アクセサリー売場を、和歌山店では1階化粧品売場及びアクセサリー売場をリニューアルいたしました。さらに、地域一番店としての地位を一層高めるべく、四日市店においては春と秋の2期に分けて婦人服、婦人洋品及び紳士洋品売場を中心とする全館改装を実施いたしました。
一方、販売促進の面では、お客様の利便性の向上を図るため、各店の食料品売場において電子マネーによる決済サービスを導入したほか、中国からのお客様向けのスマートフォンを使用したオンライン決済サービス「Alipay(アリペイ)」をあべのハルカス近鉄本店をはじめ一部店舗において導入いたしました。
さらに、将来の新たな収益源の開発に向けた取組みの第一歩として、昨年10月にコンビニエンスストア事業の直営店舗第一号店となる「ファミリーマート天王寺公園エントランス店」を天王寺公園「てんしば」エリアにオープンいたしました。
しかしながら、これらの諸施策を鋭意実施いたしましたものの、前期に実施した桃山店の営業終了に加え、天候不順の影響などもあり、売上高は250,398百万円(前期比3.6%減)となりました。また、営業利益については、人件費、物件費をはじめとする諸経費の節減に努めたものの、2,134百万円(同28.1%減)となりました。
<卸・小売業>
卸・小売業におきましては、株式会社シュテルン近鉄の輸入新車の販売及び株式会社ジャパンフーズクリエイトの水産事業が好調に推移いたしましたため、売上高は13,218百万円(前期比9.0%増)、営業利益は414百万円(同16.5%増)となりました。
<内装業>
内装業におきましては、株式会社近創の大口工事の受注が減少しましたが、粗利益率が改善したことにより、売上高は3,400百万円(前期比16.2%減)、営業利益は337百万円(同14.6%増)となりました。
<その他事業>
その他事業におきましては、近畿配送サービス株式会社で配送取扱高が減少したことなどにより、売上高が前期を下回りましたが、各社が諸経費の削減に努めた結果、売上高は3,757百万円(前期比4.1%減)、営業利益は96百万円(同21.7%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ70百万円減少し3,925百万円となりました。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却などにより、5,444百万円の収入(前期は10,919百万円の収入)となりました。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、各店改装に係る工事代金の支払などにより、1,818百万円の支出(前期は9,039百万円の支出)となりました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、借入金の返済などにより3,697百万円の支出(前期は722百万円の支出)となりました。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績は、当社グループ全体の事業活動に占める比重が極めて低いため、記載を省略しております。
(2)受注状況
該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
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品名 |
売上高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
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百貨店業 |
衣料品 |
72,432 |
93.2 |
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身回品 |
24,660 |
98.0 |
|
|
家庭用品 |
9,007 |
95.5 |
|
|
食料品 |
85,909 |
97.0 |
|
|
食堂・喫茶 |
5,169 |
95.0 |
|
|
雑貨 |
40,986 |
101.8 |
|
|
サービス |
1,453 |
106.8 |
|
|
その他 |
10,901 |
91.8 |
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消去 |
△120 |
157.6 |
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計 |
250,398 |
96.4 |
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|
卸・小売業 |
食料品 |
9,233 |
108.4 |
|
その他 |
7,448 |
104.2 |
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|
消去 |
△3,463 |
97.8 |
|
|
計 |
13,218 |
109.0 |
|
|
内装業 |
内装 |
5,878 |
90.5 |
|
消去 |
△2,477 |
101.7 |
|
|
計 |
3,400 |
83.8 |
|
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その他事業 |
運送 |
4,485 |
93.4 |
|
その他 |
2,124 |
101.3 |
|
|
消去 |
△2,852 |
95.7 |
|
|
計 |
3,757 |
95.9 |
|
|
合計 |
270,774 |
96.7 |
|
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度より「その他事業」の区分に属しておりました「内装業」を独立区分しております。前連結会計年度との比較については、セグメント変更後の数値に組み替えて比較を行っております。
百貨店業界においては、市場が縮小する中、業種業態を越えた競争が激化しており、厳しい経営環境が続いております。
このような状況に対処し、将来の成長・飛躍に向けた事業基盤の再構築を図るため、当社では平成27年4月に「中期経営計画(2015年度-2017年度)」を策定いたしました。当社は同計画に基づき、営業力強化に向けた全社的な取組みを推進することで、旗艦店であるあべのハルカス近鉄本店をはじめ各店の早期の収益向上を図り、様々な外部環境の変化に耐えうる強固なグループ事業基盤の確立を目指しております。
(1)あべのハルカス近鉄本店における集客力強化
あべのハルカス近鉄本店については、新規ブランドを導入するとともにショップの改廃を行うなど、店舗の鮮度、魅力を高めることにより、一層の集客力強化を図ります。また、訪日外国人の受け入れ態勢を整備するなど、引き続き増大するインバウンド需要の取込みに注力いたします。
(2)営業力強化と高効率経営の追求
大型ショッピングセンターなど競合する商業施設との差別化を図るため、自主編集売場の魅力向上やカード会員への販売促進の強化を図るなど営業改革を推し進めます。また、効率的な店舗運営や宣伝費の効果的運用を行うなど、高効率経営を目指してまいります。
(3)地域中核店の再構築
地域中核店については、それぞれの商圏特性やお客様ニーズに対応した店舗とするため、魅力ある大型専門店を導入するなど積極的な改装を実施し、各店の再構築を進めてまいります。
(4)将来の新たな収益源の開発に向けた取組み
当社は、百貨店業を中心に収益を確保してきましたが、事業基盤の多様化を図るため、フランチャイズ方式による店舗運営に取り組むなど新しい収益源の開発に向けた取組みを強化いたします。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、記載内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)景気、季節要因等の環境
当社グループの主力セグメントである百貨店業は、主に一般消費者を対象とするため、景気動向、消費動向等の経済情勢、冷夏、暖冬等の異常気象などに大きく影響を受けます。当社グループとしては、厳しい経営環境が当面継続するとの認識から、業務の効率化による経費の削減を進めるとともに、人件費をはじめとする固定費の圧縮を図り、一層の消費環境の悪化に耐えうる経営体質の構築を急いでおりますが、消費環境が想定を超えて悪化した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)業界での競争の激化
流通業界においては、今後とも厳しい競争が予想され、当社グループの主要商圏である大阪・奈良地域においても、同業他社や異業態による新店舗オープンや改装などが相次いで行われております。こうした競争の激化が、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)商品取引
当社グループの主力セグメントである百貨店業は、消費者向け取引を行っております。商品の品質や食品の安全性については、関係法令の遵守状況の確認や品質・衛生管理のチェックなどを定期的に実施し十分留意しておりますが、当社グループが製造・販売する商品の品質や食品の安全性に対して信用毀損が生じた場合、売上高の減少等、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは百貨店業の外商部門をはじめとして、法人向け等の掛売取引を行っております。これらの取引については与信管理を十分に行っておりますが、取引先の倒産による売掛金の回収不能等による損失の発生により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)法律の規制、制度の変更
当社グループは事業展開するにあたり、出店等については大規模小売店舗立地法、商品仕入面においては独占禁止法・下請法等、商品販売面においては景品表示法・JAS法・食品衛生法・製造物責任法(PL法)等、その他、環境・リサイクル関連法規など様々な法律による規制を受けております。当社グループは、これらの法令・規制を十分遵守するよう留意しておりますが、万一これに違反する事態が生じた場合は、社会的信用が失墜するとともに、企業活動が制限される可能性があります。
また、将来の消費税率の引き上げ等により個人消費が悪化し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)自然災害等による影響
当社グループの主要な店舗・事業所の所在地は、東南海・南海地震の対策強化地域に含まれており、地震発生の可能性が比較的高い地域であります。当社グループでは、緊急地震速報の受信装置を主要店舗に設置しているほか、危機管理マニュアルを作成・配布し、地震発生時の対応の周知徹底を図っておりますが、想定を超える大規模な地震が発生した場合は、店舗等の事業所が甚大な被害を受け、復旧に多額の費用と時間を要するなどの直接的な影響があります。さらに、仕入先の被災による商品調達の停滞、さらには日本経済全体の消費マインドが冷え込むなど間接的な影響を受ける可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
火災については、消防法に基づき定期的に検査・訓練等を実施し、万一の火災に備え、予防又は被害を最小限にとどめる努力をしておりますが、大規模な火災が発生した場合、被害者への損害賠償責任、商品・建物への被害が考えられ、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合、消費者の不安感が増大し、店舗の営業時間短縮や休業などの恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)社会インフラ機能の低下
災害その他による電気・水道・ガスの使用制限、道路・空港・港湾施設の閉鎖、通信機能の不具合等社会インフラ機能の低下が生じた場合、当社、協力会社及び取引先の事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)情報システムの機能不全
当社グループは、POSシステム、経理システム、商品受発注システム、顧客情報管理システム等多くの情報システムを有しております。これらの情報システムの機能不全を防ぐため、電源の二重化、バックアップシステム構築、不正侵入防止プログラム等の対策を講じておりますが、想定した以上の自然災害の発生、従業員の過誤によるシステム障害やコンピュータウィルスの感染等が起こった場合、営業活動に大きな支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)個人情報の漏洩
当社グループは、外商顧客、ギフト顧客、友の会会員など多数の個人情報を保有しております。これらの保護管理については、社内規程等の整備や従業員教育などにより万全を期しておりますが、万一、情報が外部に漏洩した場合は、当社グループの社会的信用が失墜するなどして、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)投融資等に関するリスク
当社グループが保有する株式の時価が帳簿価額を著しく下回った場合、評価損を計上する必要が生じ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)資金調達・金利変動のリスク
当社グループは、主に金融機関からの借入れによって資金調達を行っておりますが、消費環境の悪化及び競争の激化などによって当社グループの中長期的な経営計画に不安が生じた場合や、急激な金利変動が生じた場合、当社グループの業績、財務状況及び資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しておりますが、この作成にあたり、当連結会計年度末の資産及び負債並びに当連結会計年度に係る収益及び費用の報告金額に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況等に応じた合理的な判断に基づき見積りを行っております。これらのうち主なものは以下のとおりでありますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。従って、将来の課税所得の見積額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 退職給付債務及び費用の計算
当社グループの退職給付債務及び費用は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。従って、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合は、退職給付債務及び費用の計算に影響を及ぼす可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、多数の店舗を有しており、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づいて算出しております。従って、地価が大幅に下落した場合や、競争の激化等により店舗のキャッシュ・フローが著しく悪化した場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
④ 資産除去債務の計上
当社グループは、店舗及び事務所等の不動産賃借契約に基づき、退去時の原状回復に係る債務等を有しておりますが、賃借資産の使用期間が明確でなく、現時点において将来退去する予定がないものについては、資産除去債務を合理的に見積もることができないため計上しておりません。そのため、資産除去債務を計上していない資産について、今後店舗閉鎖や事業転換等の意思決定を行った場合、資産除去債務を追加計上する可能性があります。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、減価償却などによる有形固定資産の減少、投資有価証券の減少などにより、前期末に比べ5,871百万円減少し135,290百万円となりました。負債は、借入金の返済、買掛金の減少などにより、前期末に比べ5,779百万円減少し107,163百万円となりました。純資産は、当期純利益の計上により増加したものの、その他有価証券評価差額金が減少したことなどにより、前期末に比べ91百万円減少し28,126百万円となりました。この結果、自己資本比率は20.8%となり、1株当たり純資産は69円66銭となりました。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループは、昨年4月に策定いたしました「中期経営計画(2015年度-2017年度)」に基づき、あべのハルカス近鉄本店における集客力強化や地域中核店の再構築に向けた諸施策を推し進めるなど、各事業にわたり収益力の向上に懸命の努力を傾けました。
この結果、当連結会計年度の売上高は270,774百万円(前期比3.3%減)、営業利益は3,085百万円(同19.9%減)、経常利益は2,535百万円(同3.8%減)となりました。これに工事負担金等受入額などの特別利益302百万円と減損損失などの特別損失706百万円並びに法人税等を加減した当期純利益は、1,054百万円(前期は2,051百万円の当期純損失)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
「1 業績等の概要」に記載しております。