第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度のわが国経済は、中国経済をはじめとする海外経済の減速や英国のEU離脱問題の影響などもあり、不透明な状況のうちに推移いたしました。

百貨店業界におきましては、節約志向の高まりを受け個人消費が低迷するとともに、訪日外国人の買い物動向の変化もあり、全国百貨店売上高は昨年3月以降12カ月連続で前年実績を下回る厳しい1年となりました。

このような状況の下、当社グループでは、「中期経営計画(2015年度2017年度)」の2年目を迎え、あべのハルカス近鉄本店における集客力強化、地域中核店の再構築及び将来の収益源の開発を最重点課題として、各事業にわたり収益力の向上に懸命の努力を傾けました。

この結果、当連結会計年度の売上高は266,477百万円(前期比1.6%減)、営業利益は3,062百万円(同0.8%減)、経常利益は2,698百万円(同6.4%増)となりました。これに受取和解金などの特別利益660百万円と減損損失などの特別損失1,688百万円並びに法人税等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は1,715百万円(同62.7%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

<百貨店業>

百貨店業におきましては、あべのハルカス近鉄本店では、高級ブランドショップの新設や食料品売場の再編集を実施し、百貨店ならではの品揃えを一層充実させるとともに、集客力の高い大型専門店を積極的に導入するなど、幅広い顧客層から支持される店舗づくりを推し進めてまいりました。

また、地域中核店におきましては、それぞれの地域特性に応じた店舗を構築すべく、各店において大規模改装を実施いたしました。奈良店では、同店が入居するショッピングセンター「ならファミリー」のリニューアルオープンに併せて各階の商品構成を見直す全館改装を行いました。上本町店においては、スポーツ用品専門店など大型専門店の導入を柱とする改装を、橿原店、和歌山店及び四日市店においては、百貨店の強みを打ち出すべく食料品売場をはじめ各階にわたる大型改装を実施いたしました。

さらに、将来の収益源の開発に向け、奈良店に「東急ハンズ」を、四日市店にベーカリーショップ「ブロッドン」第1号店及び高級食材スーパー「成城石井」を、あべのハルカス近鉄本店にめがねショップ「オンデーズ」を導入するなど、フランチャイズ方式による当社直営店舗を多彩に展開してまいりました。

これらの諸施策を鋭意実施いたしました結果、あべのハルカス近鉄本店におきましては昨年12月以降の売上高が前年実績を上回るなど一定の成果をあげることができましたが、地域中核店や郊外店の業績は依然として厳しく、売上高は244,054百万円(前期比2.5%減)、営業利益は1,790百万円(同16.1%減)となりました。

 

<卸・小売業>

卸・小売業におきましては、株式会社ジャパンフーズクリエイトの鮮魚販売が好調に推移いたしましたため、売上高は14,142百万円(前期比7.0%増)、営業利益は484百万円(同16.9%増)となりました。

 

<内装業>

内装業におきましては、株式会社近創の大口工事の受注が増加したことにより、売上高は4,545百万円(前期比33.7%増)、営業利益は660百万円(同95.6%増)となりました。

 

<その他事業>

その他事業におきましては、近畿配送サービス株式会社で配送取扱高が減少したことなどにより、売上高が前期を下回りましたが、各社が諸経費の削減に努めた結果、売上高は3,734百万円(前期比0.6%減)、営業利益は143百万円(同47.9%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ693百万円減少し3,232百万円となりました。

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却、たな卸資産の減少などにより、10,512百万円の収入(前期は5,444百万円の収入)となりました。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、各店改装に係る工事代金の支払などにより、5,019百万円の支出(前期は1,818百万円の支出)となりました。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、借入金の返済などにより6,068百万円の支出(前期は3,697百万円の支出)となりました。

 

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績は、当社グループ全体の事業活動に占める比重が極めて低いため、記載を省略しております。

 

(2)受注状況

該当事項はありません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年3月1日

至 平成29年2月28日)

品名

売上高(百万円)

前年同期比(%)

百貨店業

衣料品

68,417

94.5

身回品

24,118

97.8

家庭用品

8,099

89.9

食料品

84,834

98.7

食堂・喫茶

4,923

95.2

雑貨

40,738

99.4

サービス

1,804

124.2

その他

11,237

103.1

消去

△118

98.4

244,054

97.5

卸・小売業

食料品

9,963

107.9

その他

7,889

105.9

消去

△3,710

107.1

14,142

107.0

内装業

内装

7,766

132.1

消去

△3,220

130.0

4,545

133.7

その他事業

運送

4,129

92.1

その他

2,458

115.7

消去

△2,852

100.0

3,734

99.4

合計

266,477

98.4

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3【対処すべき課題】

百貨店業界においては、市場が縮小する中、業種業態を越えた競争が激化しており、厳しい経営環境が続いております。

このような状況に対処し、将来の成長・飛躍に向けた事業基盤の再構築を図るため、当社では平成27年4月に「中期経営計画(2015年度-2017年度)」を策定いたしました。当社は同計画に基づき、営業力強化に向けた全社的な取組みを推進することで、旗艦店であるあべのハルカス近鉄本店をはじめ各店の早期の収益向上を図り、様々な外部環境の変化に耐えうる強固なグループ事業基盤の確立を目指しております。

 

(1)あべのハルカス近鉄本店における集客力強化

あべのハルカス近鉄本店については、各階に新規ブランドを導入するなど、店舗の鮮度、魅力を高めることにより、一層の集客力強化を図ります。また、インバウンド需要の取り込みを図るため、変化する訪日外国人の買物に柔軟に対応し、化粧品売場に集客力の高いショップを新設するなど、その取組みを強化してまいります。

 

(2)営業力強化と高効率経営の追求

顧客政策の強化、自主編集売場の魅力向上など営業力強化に向けた施策を推し進めるとともに、ローコストでの店舗運営を徹底し、高効率経営を目指してまいります。

 

(3)地域中核店の再構築

地域中核店については、各店において魅力ある大型専門店を導入するなど大規模改装を実施し、それぞれの地域特性やお客様ニーズに対応した店舗を構築してまいります。

 

(4)将来の新たな収益源の開発に向けた取組み

当社は、百貨店業を中心に収益を確保してきましたが、事業基盤の多様化を図るため、フランチャイズ方式による当社直営店舗を積極的に展開するなど、百貨店業以外の小売業態へ積極的に参入してまいります。

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、記載内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)景気、季節要因等の環境

当社グループの主力セグメントである百貨店業は、主に一般消費者を対象とするため、景気動向、消費動向等の経済情勢、冷夏、暖冬等の異常気象などに大きく影響を受けます。当社グループとしては、厳しい経営環境が当面継続するとの認識から、業務の効率化による経費の削減を進めるとともに、人件費をはじめとする固定費の圧縮を図り、一層の消費環境の悪化に耐えうる経営体質の構築を急いでおりますが、消費環境が想定を超えて悪化した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)業界での競争の激化

流通業界においては、今後とも厳しい競争が予想され、当社グループの主要商圏である大阪・奈良地域においても、同業他社や異業態による新店舗オープンや改装などが相次いで行われております。こうした競争の激化が、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)商品取引

当社グループの主力セグメントである百貨店業は、消費者向け取引を行っております。商品の品質や食品の安全性については、関係法令の遵守状況の確認や品質・衛生管理のチェックなどを定期的に実施し十分留意しておりますが、当社グループが製造・販売する商品の品質や食品の安全性に対して信用毀損が生じた場合、売上高の減少等、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは百貨店業の外商部門をはじめとして、法人向け等の掛売取引を行っております。これらの取引については与信管理を十分に行っておりますが、取引先の倒産による売掛金の回収不能等による損失の発生により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法律の規制、制度の変更

当社グループは事業展開するにあたり、出店等については大規模小売店舗立地法、商品仕入面においては独占禁止法・下請法等、商品販売面においては景品表示法・JAS法・食品衛生法・製造物責任法(PL法)等、その他、環境・リサイクル関連法規など様々な法律による規制を受けております。当社グループは、これらの法令・規制を十分遵守するよう留意しておりますが、万一これに違反する事態が生じた場合は、社会的信用が失墜するとともに、企業活動が制限される可能性があります。

また、将来の消費税率の引き上げ等により個人消費が悪化し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)自然災害等による影響

当社グループの主要な店舗・事業所の所在地は、東南海・南海地震の対策強化地域に含まれており、地震発生の可能性が比較的高い地域であります。当社グループでは、緊急地震速報の受信装置を主要店舗に設置しているほか、危機管理マニュアルを作成・配布し、地震発生時の対応の周知徹底を図っておりますが、想定を超える大規模な地震が発生した場合は、店舗等の事業所が甚大な被害を受け、復旧に多額の費用と時間を要するなどの直接的な影響があります。さらに、仕入先の被災による商品調達の停滞、さらには日本経済全体の消費マインドが冷え込むなど間接的な影響を受ける可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

火災については、消防法に基づき定期的に検査・訓練等を実施し、万一の火災に備え、予防又は被害を最小限にとどめる努力をしておりますが、大規模な火災が発生した場合、被害者への損害賠償責任、商品・建物への被害が考えられ、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合、消費者の不安感が増大し、店舗の営業時間短縮や休業などの恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)社会インフラ機能の低下

災害その他による電気・水道・ガスの使用制限、道路・空港・港湾施設の閉鎖、通信機能の不具合等社会インフラ機能の低下が生じた場合、当社、協力会社及び取引先の事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)情報システムの機能不全

当社グループは、POSシステム、経理システム、商品受発注システム、顧客情報管理システム等多くの情報システムを有しております。これらの情報システムの機能不全を防ぐため、電源の二重化、バックアップシステム構築、不正侵入防止プログラム等の対策を講じておりますが、想定した以上の自然災害の発生、従業員の過誤によるシステム障害やコンピュータウィルスの感染等が起こった場合、営業活動に大きな支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)個人情報の漏洩

当社グループは、外商顧客、ギフト顧客、友の会会員など多数の個人情報を保有しております。これらの保護管理については、社内規程等の整備や従業員教育などにより万全を期しておりますが、万一、情報が外部に漏洩した場合は、当社グループの社会的信用が失墜するなどして、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)投融資等に関するリスク

当社グループが保有する株式の時価が帳簿価額を著しく下回った場合、評価損を計上する必要が生じ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)資金調達・金利変動のリスク

当社グループは、主に金融機関からの借入れによって資金調達を行っておりますが、消費環境の悪化及び競争の激化などによって当社グループの中長期的な経営計画に不安が生じた場合や、急激な金利変動が生じた場合、当社グループの業績、財務状況及び資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しておりますが、この作成にあたり、当連結会計年度末の資産及び負債並びに当連結会計年度に係る収益及び費用の報告金額に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況等に応じた合理的な判断に基づき見積りを行っております。これらのうち主なものは以下のとおりでありますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。従って、将来の課税所得の見積額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 退職給付債務及び費用の計算

当社グループの退職給付債務及び費用は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。従って、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合は、退職給付債務及び費用の計算に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 固定資産の減損

当社グループは、多数の店舗を有しており、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づいて算出しております。従って、地価が大幅に下落した場合や、競争の激化等により店舗のキャッシュ・フローが著しく悪化した場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。

 

④ 資産除去債務の計上

当社グループは、店舗及び事務所等の不動産賃借契約に基づき、退去時の原状回復に係る債務等を有しておりますが、賃借資産の使用期間が明確でなく、現時点において将来退去する予定がないものについては、資産除去債務を合理的に見積もることができないため計上しておりません。そのため、資産除去債務を計上していない資産について、今後店舗閉鎖や事業転換等の意思決定を行った場合、資産除去債務を追加計上する可能性があります。

 

(2)財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、減価償却などによる有形固定資産の減少、商品及び製品の減少などにより、前期末に比べ3,334百万円減少し131,955百万円となりました。負債は、借入金の返済、支払手形及び買掛金の減少などにより、前期末に比べ5,747百万円減少し101,415百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前期末に比べ2,413百万円増加し30,539百万円となりました。この結果、自己資本比率は23.1%となり、1株当たり純資産は75円63銭となりました。

 

(3)経営成績の分析

当連結会計年度の当社グループは、「中期経営計画(2015年度-2017年度)」の2年目を迎え、あべのハルカス近鉄本店における集客力強化、地域中核店の再構築及び将来の収益源の開発を最重点課題として、各事業にわたり収益力の向上に懸命の努力を傾けました。

この結果、当連結会計年度の売上高は266,477百万円(前期比1.6%減)、営業利益は3,062百万円(同0.8%減)、経常利益は2,698百万円(同6.4%増)となりました。これに受取和解金などの特別利益660百万円と減損損失などの特別損失1,688百万円並びに法人税等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は1,715百万円(同62.7%増)となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

「1 業績等の概要」に記載しております。