当期におけるわが国経済は、政府および日銀による経済・金融政策の効果により、企業業績や雇用・所得環境が改善されるなど、緩やかな回復基調が続きましたものの、中国をはじめとする新興国の景気減速に加え、原油価格の下落の影響により年明けから為替相場や株式市場が不安定に推移するなど、景気は先行き不透明な状況が続きました。
百貨店業界におきましては、大都市部を中心に、引き続き訪日外国人の旺盛な消費と資産効果を背景とした富裕層の堅実な消費の恩恵を受けているものの、地方都市並びに郊外立地の百貨店は消費増税後の中間層の消費マインド低迷の影響が未だ色濃く残っており、総じて厳しい商況となりました。
このような状況の下、当社グループにおきましては、安定的に利益を計上できる収益構造を維持・推進するとともに、効率的な百貨店経営を目指して、平成25年度より「井筒屋グループ 中期3ヵ年経営計画(平成25年度~平成27年度)」を推進してまいりました。本店婦人服を中心とする売場改装を実施し、品揃えの強化と売場環境の改善をおこなうとともに、駐車場経営の持分法適用関連会社であった株式会社エビスを吸収合併し、恒久的な駐車場の確保と、百貨店の店舗運営と駐車場部門との連携による利便性の向上を図ってまいりました。また、一方で黒崎地区の井筒屋アネックス-1を閉店し、駅前の黒崎店に店舗や機能を集約するなど、店舗コスト構造の改革についても着実に進め、効率的な百貨店経営の推進に努めてまいりました。
当期における当社グループの業績につきましては、売上高は829億47百万円(前期比97.3%)、営業利益は19億93百万円(前期比101.0%)、経常利益は12億52百万円(前期比90.5%)、当期純利益は10億24百万円(前期は47億72百万円の当期純損失)となりました。
当社グループの主要な事業であります百貨店業におきましては、創業80周年を迎えた年として更なる「お客様視点」を基本とし、品揃えの強化を進め、販売サービスの向上を図るとともに、商環境の変化への対応力強化に取組んでまいりました。
本店におきましては、昨年8月に「コーチ」を、12月には「フェラガモ」とラグジュアリーブランドを中心としたリニューアルを実施し、百貨店としての高級感の追求をおこなってまいりました。また、10月にはリビングフロアに「小倉織 縞縞」のショップを拡大リニューアルし、地元伝統文化の発信に努めてまいりました。
コレットにおきましては、20代・30代のお客様をターゲットにしたブランド導入を積極的に進めており、新規顧客の獲得と集客力の向上に努めてまいりました。
黒崎店におきましては、昨年6月より営業時間を30分延長して閉店時間を午後7時30分とし、ターミナル百貨店としての利便性向上に努めるとともに、10月の井筒屋アネックス-1閉店にともなう無印良品の移設、さらには婦人服ブランドの再編をおこなうなど、品揃えの充実を図ってまいりました。
また、井筒屋創業80周年記念として、北九州産の酒米「夢一献」を使用し、地元の酒蔵で醸造した純米吟醸酒「縁紫(えにし)」を発売するとともに、10月にお店の顔である包装紙・手提げ袋のデザインを16年振りに一新いたしました。
さらに、昨年3月より組織の改正をおこない、商品力強化を目指し、営業政策室MDグループを拡充するとともに、より高品質な販売サービスを提供するため、本店および黒崎店の販売部門の業務を再構築して、接客サービスの向上と新規顧客の獲得に努めてまいりました。
業績につきましては、売上高は829億47百万円(前期比97.3%)となり、営業利益は22億4百万円(前期比102.1%)となりました。
② 友の会事業
株式会社井筒屋友の会が前払式の商品販売の取次をおこなっており、外部顧客に対する売上高はなく、業績につきましては、33百万円の営業損失(前期比428.2%)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、減価償却費等により24億12百万円の資金収入(前連結会計年度は34億67百万円の資金収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得により7億27百万円の資金支出(前連結会計年度は17億50百万円の資金支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済により16億74百万円の資金支出(前連結会計年度は18億48百万円の資金支出)となりました。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
また、当社及び当社の連結子会社は、百貨店及び友の会事業を行っており、生産及び受注については該当事項はありません。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
百貨店業 | 62,649 | 98.0 |
友の会事業 | ― | ― |
合計 | 62,649 | 98.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
友の会事業におきましては、株式会社井筒屋友の会が当社グループの百貨店業に対して前払式の商品販売の取次を行っており、販売実績はありません。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
百貨店業 | 82,947 | 97.3 |
友の会事業 | ― | ― |
合計 | 82,947 | 97.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
今後の経済環境につきましては、政府および日銀による各種政策の効果もあって、雇用・所得環境の改善が続くなかで、景気は緩やかな回復傾向が続くものと予想されますが、海外経済の下振れや金融資本市場の変動の影響等が懸念され、引き続き不透明な状況が続くものと思われます。
このような状況の下、当社グループでは、新たに「井筒屋グループ 中期3ヵ年経営計画(平成28年度~平成30年度)」を策定し、推進いたしております。
将来の成長を見据えた基礎固めとなる本計画の中で、対処すべき課題として位置づけておりますものは、次のとおりであります。
① 百貨店事業
本店を中心に豊かな生活を提案する売場づくりを推進し、収益力強化に努めてまいります。
② サテライト事業
店外ショップの新規出店や既存店舖の改装等をおこない、顧客接点の拡大と利便性の向上に努めてまいります。
③ 外商事業
担当エリアの再編および顧客管理システム導入により、業務効率化と顧客深耕を図り、外商活動の強化に努めてまいります。
④ 販売力強化・組織活性化
企画部門と販売部門の役割分担を徹底することで、企画部門においては品揃えや販売促進策等の質の向上、また、販売部門においては現場主義・顧客視点に徹した売場運営により、更なる販売力の強化を図ってまいります。また、女性・若手社員の積極的な登用を推進し、組織全体の活性化も進めてまいります。
以上を当社グループの対処すべき課題とし、厳しい経済環境に打ち克ち、持続的成長を実現するべく、更なる組織構造改革を推進するとともに、将来にわたる安定的な収益基盤の確立と、財務体質の健全化に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、下記記載のリスク項目は、当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅したものではありません。
また、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは北部九州、山口地域を中心として活動しており、その業績は地域の気候状況、景気動向、消費動向、および同業・異業種の小売業他社との競争状況、地域の再開発事業等の影響を受けます。したがって、これらの要因は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの業績の中で、当社が高い割合を占めるため、当社の業績動向が当社グループに大きな影響を与える可能性があります。
当社グループの取扱商品の中で、食品においては、消費者の食品に対する不安が高まり当社グループの売上に影響を及ぼす可能性があります。また、商品取引において瑕疵ある商品の販売等があった場合、公的規制や損害賠償責任等による費用の発生や消費者からの信用失墜による売上の減少等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
自然災害やデータセンターの事故および通信回線や電力供給に障害等が起きた場合、当社の業務に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの顧客情報の管理については、社内規程および管理マニュアルに基づき厳重に管理・運用を行っておりますが、不測の事故または事件によって顧客情報が外部に流出した場合、当社グループの社会的信用の失墜を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、商品・サービスの提供は景品表示法等、また、商品の仕入れは独占禁止法や下請法等、出店や増床に関しては大規模小売店舗立地法をはじめとして各種法規制の適用を受けております。当社グループにおいては内部統制組織を構築し、法令遵守を徹底しておりますが、万一これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主な事業である百貨店業は、店舗による事業展開を行っており、火災・地震・洪水・台風等の不測の災害または事故によって店舗等事業所に大きな損害を受けた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 減損損失によるリスク
当社グループの資産価値が下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 金利の変動に関するリスク
当社グループは、有利子負債などについて金利の変動リスクを負っており、その変動により経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表作成に際し、経営者は決算日における資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、継続して可能な限り正確な見積りと適正な評価を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
① 概況
売上高は829億47百万円(前連結会計年度比97.3%)、営業利益は19億93百万円(前連結会計年度比101.0%)、経常利益は12億52百万円(前連結会計年度比90.5%)、当期純利益は10億24百万円の当期純利益(前連結会計年度は47億72百万円の当期純損失)となりました。
当連結会計年度の百貨店業の売上高は829億47百万円(前連結会計年度比97.3%)となりました。
また、友の会事業は、当社グループの百貨店業に対して前払式の商品販売の取次を行っており、売上高はありません。
販売費及び一般管理費は、181億9百万円(前連結会計年度比95.6%)となり、前連結会計年度に比べ8億37百万円の減少となりました。
営業外損益は、7億41百万円の損失(前連結会計年度は5億89百万円の損失)となり、前連結会計年度に比べ1億51百万円損失が増加いたしました。
特別損益は、2億15百万円の損失(前連結会計年度は59億7百万円の損失)となり、前連結会計年度に比べ56億92百万円損失が減少いたしました。
当連結会計年度は固定資産除却損1億78百万円等を特別損失に計上いたしました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ14億30百万円減少し、609億56百万円となりました。これは主に、有形固定資産が10億47百万円減少したことにより固定資産が11億94百万円減少したことによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度に比べ27億13百万円減少し、523億16百万円となりました。これは主に借入金の減少によるものであります。
純資産は、主に当期純利益10億24百万円の計上により前連結会計年度に比べ12億82百万円増加し、86億39百万円となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べ10百万円増加し66億13百万円となりました(前連結会計年度は66億3百万円)。これらの要因は以下のとおりであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益(10億37百万円)と減価償却費(16億98百万円)等により24億12百万円の資金収入(前連結会計年度は34億67百万円の資金収入)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得(8億41百万円)等により7億27百万円の資金支出(前連結会計年度は17億50百万円の資金支出)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済(15億59百万円)等により、16億74百万円の資金支出(前連結会計年度は18億48百万円の資金支出)となりました。