当期におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀による金融緩和策等の効果により、所得・雇用環境の改善が継続するなか、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。その一方で、中国をはじめとする新興国経済の減速、英国のEU離脱問題、米国新政権の政策動向に対する懸念等、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
百貨店業界におきましては、大都市部を中心に好調に推移していたインバウンド消費が購買単価の下落により、その効果に陰りがみられると同時に、地方都市においても昨年4月の熊本地震の心理的影響をはじめ、消費者の節約志向の高まりや天候不順による衣料品全般の苦戦が影響し、全国的に厳しい商況となりました。
このような状況の下、当社グループにおきましては、将来の成長を見据えた基礎固めとして「井筒屋グループ 中期3ヵ年経営計画(平成28年度~平成30年度)」を推進いたしております。
計画1年目となる当期は、引き続き「お客様視点」を基本とし、ライフスタイルや商環境の変化への対応力強化に取り組んでまいりました。特に近年の消費動向の変化に対応するため、多彩な企画イベントやお客様参加型の講座・イベントの開催など「コト」を切り口とした取り組みを強化するとともに、これまで以上にお買物の利便性向上を図るため、サテライト事業の拡充に積極的に取り組む一方で、外商事業につきましても、顧客管理システムを導入し、業務効率化と顧客深耕を図ってまいりました。
また、資産の売却契約を締結するなど、キャッシュ・フローの増大にも取り組んでおります。
当期における当社グループの業績につきましては、売上高は796億49百万円(前期比96.0%)、営業利益は13億93百万円(前期比69.9%)、経常利益は7億30百万円(前期比58.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億7百万円(前期比59.4%)となりました。
当社グループの主要事業であります百貨店業におきましては、新規顧客の取り込みを図るため、新しい企画・イベントの開催や、話題の商品・ブランドの導入をはじめとした品揃えの強化と販売サービスの向上に努めてまいりました。
本店におきましては、開店80周年記念として地元の酒蔵で醸造したオリジナルの純米吟醸酒「縁紫伝(えにしでん)」や、井筒屋限定の小倉織風呂敷など、こだわりの逸品を販売展開するとともに、昨年9月には食品売場の一部改装を行い、本格だしで話題の「茅乃舎(かやのや)」を新規出店いたしました。
また、北九州市が国家戦略特別区域に指定されたことを受け、本・新館間のクロスロードを活用し、マスキングテープをはじめとする物販催事を行うなど、賑わいづくりの創出に取り組んでまいりました。
インバウンドにつきましては、大連・北九州空港間を結ぶ定期便の就航に伴い、毎週2回、中国からの団体旅行客の受け入れを行っております。
黒崎店におきましては、食品売場に甘味処「喫茶去(きっさこ)」を導入するなど、和洋菓子ゾーンをリニューアルいたしました。
コレットにおきましては、化粧品売場に新ブランド「SUQQU(スック)」を導入するとともに、「アバハウス」「無印良品」のリニューアルを行うなど、売場のリフレッシュに努めてまいりました。
サテライトショップにおきましては、昨年8月に戸畑ショップ、9月に下曽根駅前ショップを新規出店するとともに、中津ショップのリニューアルと直方ショップの移転拡大オープンを行いました。
山口店におきましても、周南ショップを増床リニューアルし、地域のお客様の利便性の向上に努めてまいりました。
業績につきましては、売上高は796億49百万円(前期比96.0%)となり、営業利益は16億0百万円(前期比72.6%)となりました。
② 友の会事業
株式会社井筒屋友の会が前払式の商品販売の取次を行っており、外部顧客に対する売上高はなく、業績につきましては、29百万円の営業損失(前期は33百万円の営業損失)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、減価償却費等により18億81百万円の資金収入(前連結会計年度は24億12百万円の資金収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得により3億80百万円の資金支出(前連結会計年度は7億27百万円の資金支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済により17億2百万円の資金支出(前連結会計年度は16億74百万円の資金支出)となりました。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
また、当社及び当社の連結子会社は、百貨店及び友の会事業を行っており、生産及び受注については該当事項はありません。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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百貨店業 |
60,496 |
96.6 |
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友の会事業 |
― |
― |
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合計 |
60,496 |
96.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
友の会事業におきましては、株式会社井筒屋友の会が当社グループの百貨店業に対して前払式の商品販売の取次を行っており、販売実績はありません。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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百貨店業 |
79,649 |
96.0 |
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友の会事業 |
― |
― |
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合計 |
79,649 |
96.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
今後の経済環境につきましては、雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで、各種経済政策の効果もあって、景気は緩やかな回復傾向が続くものと予想されますが、海外経済の不確実性や米国大統領による保護主義的な貿易政策等の国内経済にもたらす影響が懸念され、引き続き消費マインドの先行きは不透明な状況が続くものと思われます。
このような状況の下、当社グループでは「井筒屋グループ 中期3ヵ年経営計画(平成28年度~平成30年度)」を推進いたしておりますが、計画2年目の現在、対処すべき課題として位置づけておりますものは、次のとおりであります。
① 百貨店事業
コト消費への対応力強化とリアル店舗ならではのお客様の共感を得られる売場の創出に注力し、収益力の強化に努めてまいります。
② サテライト事業
サテライトショップの新規出店を行い、顧客接点の拡大と利便性の向上に努めてまいります。
③ 外商事業
担当エリアの再編および顧客管理システムの本格的な活用による業務効率化と顧客深耕を行ってまいります。
④ 販売力強化・組織活性化
売場の繁閑に応じた効率的な人員配置を目指す店舗運営グループを新設するなど、生産性の極大化を図るとともに、業務内容の見直しによる少人数体制での運営を実現してまいります。
以上を当社グループの対処すべき課題とし、厳しい経済環境に打ち克ち、持続的成長を実現するべく、更なる組織構造改革を推進するとともに、将来にわたる安定的な収益基盤の確立と、財務体質の健全化に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、下記記載のリスク項目は、当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅したものではありません。
また、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは北部九州、山口地域を中心として活動しており、その業績は地域の気候状況、景気動向、消費動向、および同業・異業種の小売業他社との競争状況、地域の再開発事業等の影響を受けます。したがって、これらの要因は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの業績の中で、当社が高い割合を占めるため、当社の業績動向が当社グループに大きな影響を与える可能性があります。
当社グループの取扱商品の中で、食品においては、消費者の食品に対する不安が高まり当社グループの売上に影響を及ぼす可能性があります。また、商品取引において瑕疵ある商品の販売等があった場合、公的規制や損害賠償責任等による費用の発生や消費者からの信用失墜による売上の減少等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
自然災害やデータセンターの事故および通信回線や電力供給に障害等が起きた場合、当社の業務に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの顧客情報の管理については、社内規程および管理マニュアルに基づき厳重に管理・運用を行っておりますが、不測の事故または事件によって顧客情報が外部に流出した場合、当社グループの社会的信用の失墜を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、商品・サービスの提供は景品表示法等、また、商品の仕入れは独占禁止法や下請法等、出店や増床に関しては大規模小売店舗立地法をはじめとして各種法規制の適用を受けております。当社グループにおいては内部統制組織を構築し、法令遵守を徹底しておりますが、万一これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主な事業である百貨店業は、店舗による事業展開を行っており、火災・地震・洪水・台風等の不測の災害または事故によって店舗等事業所に大きな損害を受けた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 減損損失によるリスク
当社グループの資産価値が下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 金利の変動に関するリスク
当社グループは、有利子負債などについて金利の変動リスクを負っており、その変動により経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表作成に際し、経営者は決算日における資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、継続して可能な限り正確な見積りと適正な評価を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
① 概況
売上高は796億49百万円(前連結会計年度比96.0%)、営業利益は13億93百万円(前連結会計年度比69.9%)、経常利益は7億30百万円(前連結会計年度比58.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億7百万円(前連結会計年度比59.4%)となりました。
当連結会計年度の百貨店業の売上高は796億49百万円(前連結会計年度比96.0%)となりました。
また、友の会事業は、当社グループの百貨店業に対して前払式の商品販売の取次を行っており、売上高はありません。
販売費及び一般管理費は、177億43百万円(前連結会計年度比98.0%)となり、前連結会計年度に比べ3億65百万円の減少となりました。
営業外損益は、6億63百万円の損失(前連結会計年度は7億41百万円の損失)となり、前連結会計年度に比べ78百万円損失が減少いたしました。
特別損益は、92百万円の損失(前連結会計年度は2億15百万円の損失)となり、前連結会計年度に比べ1億22百万円損失が減少いたしました。
当連結会計年度は固定資産売却損67百万円等を特別損失に計上いたしました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ17億53百万円減少し、592億3百万円となりました。これは主に、有形固定資産が10億51百万円減少したことにより固定資産が14億6百万円減少したことによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度に比べ25億51百万円減少し、497億64百万円となりました。これは主に借入金の減少によるものであります。
純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益6億7百万円の計上により前連結会計年度に比べ7億98百万円増加し、94億38百万円となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べ2億1百万円減少し64億12百万円となりました(前連結会計年度は66億13百万円)。これらの要因は以下のとおりであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益(6億38百万円)と減価償却費(16億59百万円)等により18億81百万円の資金収入(前連結会計年度は24億12百万円の資金収入)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得(6億78百万円)等により3億80百万円の資金支出(前連結会計年度は7億27百万円の資金支出)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済(15億79百万円)等により、17億2百万円の資金支出(前連結会計年度は16億74百万円の資金支出)となりました。