第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

    文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

  

  (1)会社の経営の基本方針

井筒屋グループは、お客様・お取引先・株主各位ならびに従業員に対し、適正な利益配分を行い、「秩序のうえに立つ創造的繁栄」を図ることを経営理念と定め、この理念に徹するとともに、「奉仕こそ繁栄の基」という奉仕の精神を日常の実践的心構えといたしております。

 (2)目標とする経営指標

当社グループにおける中期経営計画におきましては、売上高営業利益率ならびに売上高経常利益率を重要な経営指標としておりますが、当社連結ベースでの目標とする当連結会計年度の経営指標は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、現時点で不確定要素が多いため売上高営業利益率及び売上高経常利益率はそれぞれ未定としております。

 (3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、「井筒屋グループ中期3ヵ年経営計画(2019年度~2021年度)」を策定、推進いたしております。

 (4)対処すべき課題

今後の経済環境につきましては、昨年末以降の新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大している状況に伴い、世界経済は戦後最大の危機に直面していると言われている中、各国の株式市場が過去に例を見ないほど下落するなど、深刻な世界経済への打撃が懸念されており、今後も不安定な状況が続くものと思われます。また、このような景況感が消費マインドにも大きく影を落とし、予断を許さない状況となっております。

このような状況の下、当社グループでは、「井筒屋グループ 中期3ヵ年経営計画(2019年度~2021年度)」を推進いたしておりますが、計画2年目、井筒屋創業85周年にあたる本年度につきまして、対処すべき課題として位置づけておりますのは、次のとおりであります。

新型コロナウイルス感染症の情勢が刻々と変化する中、当社におきましても、お客様と従業員の安全、安心を最優先し危機管理対応を徹底するとともに、社会インフラのひとつとして百貨店の役割を果たしてまいります。

なお、政府から2020年4月7日に発表されました福岡県に対する「緊急事態宣言」を受け、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、当社営業店舗であります本店、黒崎店を、食品売場を除き、同年4月9日から当面の間、臨時休業することといたしましたが、同宣言解除により5月16日から営業を再開いたしております。

井筒屋グループといたしましては、旗艦店である本店と山口店の収益基盤をさらに盤石な体制にするため、商品力・販売力・サービス力を強化し、店舗価値の向上を図ってまいります。

また、サテライトショップ事業におきましても、店舗の運営体制の効率化や収益改善を図るとともに、周辺顧客への利便性の向上に努めてまいります。なお、黒崎店の営業終了後は、早い段階でイオンタウン黒崎内に後継店舗を出すべく、計画を進めております。

外商事業におきましては、担当地区を統合・再編し、顧客満足の向上、外商活動売上の拡大に努め、生産性の向上に取り組んでまいります。

以上を当社グループの対処すべき課題とし、これまで取り組んでまいりました事業構造改革を定着させ、発展させるべく、将来にわたる安定的な収益基盤の確立と、財務体質の健全化に努めてまいります。

加えて、引き続き新型コロナウイルス感染症拡大防止に努め、お客様が安全に、安心してお買い物ができる店舗環境を整えてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、下記記載のリスク項目は、当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅したものではありません。

また、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 商圏動向に関するリスク

当社グループは北部九州、山口地域を中心として活動しており、その業績は地域の気候状況、景気動向、消費動向、および同業・異業種の小売業他社との競争状況、地域の再開発事業等の影響を受けます。したがって、これらの要因は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 営業基盤に関するリスク

当社グループの業績の中で、当社が高い割合を占めるため、当社の業績動向が当社グループに大きな影響を与える可能性があります。

(3) 商品取引に関するリスク

当社グループの取扱商品の中で、食品においては、消費者の食品に対する不安が高まり当社グループの売上に影響を及ぼす可能性があります。また、商品取引において瑕疵ある商品の販売等があった場合、公的規制や損害賠償責任等による費用の発生や消費者からの信用失墜による売上の減少等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 各種システムに関するリスク

自然災害やデータセンターの事故および通信回線や電力供給に障害等が起きた場合、当社の業務に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 顧客情報の流出に関するリスク

当社グループの顧客情報の管理については、社内規程および管理マニュアルに基づき厳重に管理・運用を行っておりますが、不測の事故または事件によって顧客情報が外部に流出した場合、当社グループの社会的信用の失墜を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 公的規制に関するリスク

当社グループは、商品・サービスの提供は景品表示法等、また、商品の仕入れは独占禁止法や下請法等、出店や増床に関しては大規模小売店舗立地法をはじめとして各種法規制の適用を受けております。当社グループにおいては内部統制組織を構築し、法令遵守を徹底しておりますが、万一これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 自然災害・事故等に関するリスク

当社グループの主な事業である百貨店業は、店舗による事業展開を行っており、火災・地震・洪水・台風等の不測の災害または事故によって店舗等事業所に大きな損害を受けた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 (8) 減損損失によるリスク

当社グループの資産価値が下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 金利の変動に関するリスク

当社グループは、有利子負債などについて金利の変動リスクを負っており、その変動により経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。

(10) 税制改正による消費税率の引き上げに関するリスク

税制改正により消費税率が引き上げられたことによる個人消費への抑制心理が働き、短期的な消費マインドの冷え込みが起こった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 新型コロナウイルス感染症拡大に関するリスク

新型コロナウイルス感染症拡大によるリスクにつきましては、取引先への影響に伴う商品供給の遅延、従業員の感染とそれに伴う店舗の一部又は全館の営業休止等の影響を及ぼしております。また、感染症拡大が長期化した場合、当社グループの業績に更なる影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社は、2020年4月7日、政府から発表されました福岡県に対する「緊急事態宣言」を受け、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、当社営業店舗であります本店、黒崎店を本年4月9日から当面の間、食品フロアを除き、臨時休業としておりましたが、2020年5月14日政府からの緊急事態宣言解除地域に福岡県が該当したことを受け2020年5月16日より全館営業を再開いたしました。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 業績

当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続き、緩やかな回復基調で推移いたしましたが、輸出や生産が減少する中、消費税増税後の個人消費の落ち込みも見られ、景気減速の様相を呈してまいりました。また、海外においては、米中貿易摩擦の動向、中国経済の先行き、中東地域を巡る情勢等が懸念され、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

 百貨店業界におきましては、消費税増税や天候不順、インバウンド需要の減速など百貨店を取り巻く環境は厳しい状況の中、地方百貨店も同様の影響から入店客数減や衣料品の売上げ不振などもあって、総じて厳しい商況が続いております。

 こうした状況の中、当社グループにおきましては、中長期的な将来展望を踏まえ、経営資源の選択と集中を基軸とした「井筒屋グループ 中期3ヵ年経営計画(2019年度~2021年度)」を推進しております。計画1年目となる当期は、経営資源を本店と山口店に集中させ、地域小売業のリーディングカンパニーとしての基盤を整え、収益力の向上に取り組んでまいりました。

 本店におきましては、ブランドの新規導入やコレットからのブランド移設等を積極的に行った結果、入店客数は前期比108.6%、売上高は前期比110.6%と大きく伸長いたしました。

 山口店におきましても、改装効果や宇部店の後継店舗となる宇部ショップが好調に推移したことによって、売上高は前期を大きく上回り前期比110.9%となりました。

 なお、黒崎店におきましては、2018年7月31日にグループ事業再編の一環として、2019年5月末日をもって営業終了することを発表いたしましたが、その後、地元や行政からの強い要望を受け、2019年8月1日より営業規模を7層から3層に縮小し、営業を継続しております。

 当期における当社グループの業績につきましては、コレット・宇部店の店舗閉店に伴い、売上高は661億45百万円(前期比83.8%)となりましたものの、旗艦店である本店・山口店へ経営資源を集中し、地域における百貨店らしさの追求、他小売業への競争優位性の確立、収益力の向上に努めました結果、営業利益は13億2百万円(前期比95.1%)、経常利益は10億30百万円(前期比129.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は、本店の売場改装に伴う固定資産除却損を計上しましたものの、宇部店に係る固定資産の売却益等があり、4億9百万円(前年同期は24億59百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 百貨店業

当社グループの主要事業であります百貨店業におきましては、「百貨店らしさの追求」と「地域密着」を基本方針とし、品揃えの強化と更なる販売サービスの向上に努めることで、ライフスタイルや商環境の変化への対応力強化に取り組んでまいりました。

 本店におきましては、「我々に出来る『最上』をお届けする」意味を込めた「THIS IS」を企業メッセージとし、新しい井筒屋を発信いたしました。

 本館では、「百貨店本来の上質な品揃えとサービスを追求する館」と位置づけ、好調カテゴリーの強化に努めました。化粧品では、新たに6ブランドを導入し、22ブランドをリフレッシュオープンするとともに、「ティファニー」や「オメガ」などのラグジュアリーブランドの強化に取り組みました。

 また、地域の魅力を新発見できる「Kitakyu Columbus(キタキュウ コロンブス)」をオープンさせ、地元商材の発信に努めてまいりました。

 新館では、「若々しさと時代性をテーマにしたショップ構成でトレンドをリードする館」と位置づけ、カップル・家族でお買物を楽しめるフロア構成にいたしました。「ディーゼル」、「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ」など性別を問わず利用できる人気セレクトショップの導入をはじめ、オーガニックコスメ「エクラナチュレ」、「日本百貨店」などの雑貨集積に加え、スポーツファッションゾーンの構築など、ライフスタイルを提案するフロアづくりに努めてまいりました。

 サービス面では、「VIPラウンジ」新設をはじめ、ドアボーイ、パーソナルスタイリスト、ラッピングカウンターを導入し、「百貨店らしさの追求」を図るとともに、新たにCS統括部を発足することでお客様にお喜びいただく為の接遇強化を推進いたしております。また、昨年3月よりNTTドコモの「dポイント」利用・付与サービスを開始し、お客様の決済手段の多様化に対応することで、新たな顧客層の開拓に努めております。

 黒崎店におきましては、8月より7層から3層へ規模を縮小して営業継続し、堅調に推移いたしました。

 サテライトショップにおきましては、昨年3月にゆめタウン宇部内に「宇部ショップ」をオープンさせ、お客様の利便性向上に努めてまいりました。一方、同一商圏内の効率化を図る目的で、長年ご愛顧いただいておりました「行橋ショップ」ならびに「曽根ショップ」を閉店いたしました。

 当期における当社グループの業績につきましては、売上高661億45百万円(前期比83.8%)となり、営業利益は15億2百万円(前期比96.4%)となりました。

 ② 友の会事業

株式会社井筒屋友の会が前払式の商品販売の取次を行っており、外部顧客に対する売上高はなく、業績につきましては、営業損失19百万円(前期は1百万円の営業利益)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて22億49百万円減少し、41億1百万円となりました(前連結会計年度は63億50百万円)。これらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益を計上したものの、2019年2月末に閉店したコレット(株式会社コレット井筒屋店舗)の仕入債務に係る資金支出が当期に発生したこと等により6億19百万円の資金収入(前連結会計年度は19億24百万円の資金収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、主に差入保証金の返還と有価証券の償還による収入がありましたものの、有形固定資産の取得により13億94百万円の資金支出(前連結会計年度は4億74百万円の資金支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済により14億74百万円の資金支出(前連結会計年度は16億24百万円の資金支出)となりました。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

また、当社及び当社の連結子会社は、百貨店及び友の会事業を行っており、生産及び受注については該当事項はありません。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

百貨店業

49,978

83.1

友の会事業

合計

49,978

83.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

友の会事業におきましては、株式会社井筒屋友の会が当社グループの百貨店業に対して前払式の商品販売の取次を行っており、販売実績はありません。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

百貨店業

66,145

83.8

友の会事業

合計

66,145

83.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

(経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表作成に際し、経営者は決算日における資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、継続して可能な限り正確な見積りと適正な評価を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

(2) 経営成績の分析

 ① 概況

売上高は661億45百万円(前連結会計年度比83.8%)、営業利益は13億2百万円(前連結会計年度比95.1%)、経常利益は10億30百万円(前連結会計年度比129.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は、本店の売場改装に伴う固定資産除却損を計上したものの、宇部店に係る固定資産の売却益等があり、4億9百万円(前年同期は24億59百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 

② 売上高

当連結会計年度の百貨店業の売上高は661億45百万円(前連結会計年度比83.8%)となりました。

また、友の会事業は、当社グループの百貨店業に対して前払式の商品販売の取次を行っており、売上高はありません。

③ 販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、140億22百万円(前連結会計年度比82.5%)となり、前連結会計年度に比べ29億77百万円の減少となりました。

④ 営業外損益

営業外損益は、2億71百万円の損失(前連結会計年度は5億72百万円の損失)となり、前連結会計年度に比べ3億1百万円損失が減少いたしました。

⑤ 特別損益

特別損益は、3億33百万円の損失(前連結会計年度は31億8百万円の損失)となり、前連結会計年度に比べ27億74百万円損失が減少いたしました。

当連結会計年度は資産除去債務戻入益51百万円等を特別利益に、固定資産除却損1億94百万円、投資有価証券評価損1億56百万円を特別損失に計上いたしました。

(3) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ41億51百万円減少し、503億39百万円となりました。これは主に、現金及び預金、差入保証金の減少によるものであります。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べて46億22百万円減少し、422億25百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少によるものであります。        

純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により前連結会計年度末に比べて4億70百万円増加し、81億13百万円となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度の現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べ22億49百万円減少し41億1百万円となりました(前連結会計年度は63億50百万円)。これらの要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益を計上したものの、2019年2月末に閉店したコレット(株式会社コレット井筒屋店舗)の仕入債務に係る資金支出が当期に発生したこと等により6億19百万円の資金収入(前連結会計年度は19億24百万円の資金収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、主に差入保証金の返還による収入や有価証券の償還がありましたものの、有形固定資産の取得等より13億94百万円の資金支出(前連結会計年度は4億74百万円の資金支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済等により、14億74百万円の資金支出(前連結会計年度は16億24百万円の資金支出)となりました。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。